JP5144567B2 - ウエハ加工用テープ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハを半導体素子(チップ)に切断するダイシング工程と、切断されたチップをリードフレームや他のチップに接着するダイボンディング工程との両工程に使用されるウエハ加工用テープに関する。
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハをチップ単位に切断(ダイシング)する工程、切断されたチップをピックアップする工程、さらにピックアップされたチップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するダイボンディング(マウント)工程が実施される。
上記半導体装置の製造工程に使用されるウエハ加工用テープとして、基材上に、粘着剤層と接着剤層とがこの順に形成されたダイシングダイボンドシートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなダイシングダイボンドシートに用いられている接着剤層はエポキシ樹脂等の低分子量物質を多く含んでおり、一般のダイシングテープ(基材上に粘着剤層が形成されたテープ)に用いられている粘着剤層と比較すると、軟らかく切削性が劣る傾向がある。そのため、ダイシング時に、半導体ウエハのヒゲ状の切削屑や接着剤層の切り残り(バリ)が多く発生する、ダイシング後のピックアップ工程でピックアップ不良をおこしやすい、I C などの半導体装置の組立工程でのチップの接着不良が生じやすい、あるいはIC 等の不良品が発生してしまうという問題点があった。
そこで、このような問題を解決する従来技術として、基材上に中間樹脂層、粘着剤層、接着剤層がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、中間樹脂層の80℃における貯蔵弾性率が、粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率よりも大きいことを特徴とする半導体加工用テープが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−303275号公報 特開2006−49509号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載のウエハ加工用テープでは、粘着剤層および接着剤層の弾性率によっては、ダイシング時に接着剤層と粘着剤層の溶融が発生しやすくなるために、接着剤層、粘着剤層等に切り残り(バリ)が発生し、その切り残りの影響によってピックアップ時に隣接チップ(個片化した接着剤層付き半導体チップ)が一緒に持ち上がるエラー(ダブルダイエラー)が発生するという問題があった。また、粘着剤層および接着剤層の弾性率によっては、ダイシング時に半導体ウエハへの保持力(粘着剤層が接着剤層を保持する粘着力や接着剤層が個片化された半導体チップを保持する接着力)が低下するために、半導体ウエハの剥離が生じチップ飛びが発生するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、ダイシング工程でチップ飛びの発生を抑制できると共に、ピックアップ工程で隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制できるウエハ加工用テープを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るウエハ加工用テープは、基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に形成されたウエハ加工用テープであって、前記粘着剤層の80℃での弾性率が0.19〜0.47MPaであり、前記接着剤層の80℃での弾性率が0.18〜0.65MPaであることを特徴とする。
この発明によれば、ダイシング時に接着剤層、粘着剤層等に切り残りが発生するのが抑制されるので、ピックアップ時にその切り残りの影響によって隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。また、ダイシング時に、粘着剤層が接着剤層を保持する粘着力の低下が抑制され、粘着剤層と接着剤層との界面での剥離が抑制されると共に、接着剤層が半導体ウエハを保持する接着力の低下が抑制され、個片化した接着剤層付き半導体チップと接着剤層との界面での剥離が抑制される。このため、ダイシング時におけるチップ飛びの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明に係るウエハ加工用テープは、前記接着剤層の80℃での弾性率を前記粘着剤層の80℃での弾性率で割った値が0.5〜3であることを特徴とする。この発明によれば、ピックアップ工程で、個片化した接着剤層付き半導体チップをより小さい力で確実にピックアップすることができる。
請求項3に記載の発明に係るウエハ加工用テープは、前記粘着剤層に少なくとも炭素−炭素2重結合含有アクリル共重合体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ダイシング工程でチップ飛びが発生するのを抑制できると共に、ピックアップ工程で接着剤層、粘着剤層等の切り残りの影響によって隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープを示す断面図である。 ウエハ加工用テープ上に半導体ウエハを貼り合せた図である。 ダイシング工程を説明するための図である。 エキスパンド工程を説明するための図である。 ピックアップ工程を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は一実施形態に係るウエハ加工用テープ10を示す断面図である。このウエハ加工用テープ10は、基材フィルム12aとその上に形成された粘着剤層12bとからなる粘着フィルム12と、この粘着フィルム12上に積層された接着剤層13とを有する。このように、ウエハ加工用テープ10では、基材フィルム12aと粘着剤層12bと接着剤層13とがこの順に形成されている。
なお、粘着剤層12bは一層の粘着剤層により構成されていてもよいし、二層以上の粘着剤層が積層されたもので構成されていてもよい。なお、図1においては、接着剤層13を保護するため、剥離ライナー11がウエハ加工用テープ10に設けられている様子が示されている。
粘着フィルム12及び接着剤層13は、使用工程や装置にあわせて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよい。本発明のウエハ加工用テープは、半導体ウエハ1枚分ごとに切断された形態と、これが複数形成された長尺のシートをロール上に巻き取った形態とを含む。
本実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、以下の構成を有する点に特徴がある。
粘着剤層12bの80℃での弾性率が0.05〜0.6MPaであり、接着剤層13の80℃での弾性率が0.1〜1MPaである。
小さな力で確実にピックアップを可能にするという点で、より好ましくは粘着剤層12bの80℃での弾性率が0.2〜0.5MPaであり、接着剤層13の80℃での弾性率が0.2〜0.8MPaである。
粘着剤層の80℃での弾性率(以下、弾性率Bという。)が0.05MPa以下の場合(下記表3の比較例1参照)、ダイシング時に接着剤層13と粘着剤層12bの溶融が発生しやすくなる。このため、接着剤層13、粘着剤層12b等に切り残りが発生し、その切り残りの影響によってピックアップ時に隣接チップ(個片化した接着剤層付き半導体チップ2)が一緒に持ち上がるダブルダイエラーが頻発する。
一方、弾性率Bが0.6MPa以上の場合(下記表3の比較例2参照)、ダイシング時に粘着剤層12bが接着剤層13を保持する力(粘着力)が低下するために、粘着剤層12bと接着剤層13との界面で剥離が生じチップ飛びが発生する。
接着剤層13の80℃での弾性率(以下、弾性率Aという。)が0.1MPa以下の場合(下記表3の比較例1,3参照)、ダイシング時に接着剤層13と粘着剤層12bの溶融が発生しやすくなる。このため、接着剤層13、粘着剤層12b等に切り残りが発生し、その切り残りの影響によってピックアップ時にダブルダイエラーが頻発する。
一方、弾性率Aが1MPa以上の場合(下記表3の比較例4参照)、ダイシング時に接着剤層13が半導体ウエハ1を保持する力が低下するために、個片化した接着剤層付き半導体チップ2と接着剤層13との界面で剥離が生じチップ飛びが発生する。
また、接着剤層13の80℃での弾性率Aを粘着剤層12bの80℃での弾性率Bで割った値(弾性率の比A/B)が0.5〜3であるのが好ましい。弾性率の比A/Bが、0.5以下であると、切断された半導体チップ2をピックアップするのに大きな力を要する。一方、弾性率の比A/Bが3以上であると、ダイシング時に半導体ウエハ1を保持する力が低下するために、個片化した接着剤層付き半導体チップ2と接着剤層13との界面、および接着剤層13と粘着剤層12bとの界面で剥離が生じチップ飛びが発生する。
以下、本実施形態のウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。
(接着剤層)
接着剤層13は、半導体ウエハ1等が貼り合わされてダイシングされた後、半導体チップ2をピックアップする際に、粘着フィルム12から剥離して半導体チップ2に付着し、半導体チップ2を基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。従って、接着剤層13は、ピックアップ工程において、個片化された半導体チップ2に付着したままの状態で、粘着フィルム12から剥離することができる剥離性を有し、さらに、ダイボンディング工程において、半導体チップ2を基板やリードフレームに接着固定するために、十分な接着信頼性を有するものである。
接着剤層13は、接着剤を予めフィルム化したものであり、例えば、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができる。また、チップやリードフレームに対する接着力を強化するために、シランカップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加剤として前記材料やその混合物に加えることが望ましい。
接着剤層13の80℃での弾性率Aを高くするには、高分子量成分(後述するポリマー(3))を増やすこと、および/またはシリカを増やすことが有効である。その弾性率Aを低くするには、低分子量成分(エポキシ樹脂)を増やすこと等が有効である。
接着剤層13の厚さは特に制限されるものではないが、通常5〜100μm程度が好ましい。また、接着剤層13は粘着フィルム12の粘着剤層12bの全面に積層してもよいが、予め貼り合わされる半導体ウエハ1に応じた形状に切断された(プリカットされた)接着剤層を粘着剤層12bの一部に積層してもよい。半導体ウエハ1に応じた形状に切断された接着剤層13を積層した場合、図2に示すように、半導体ウエハ1が貼り合わされる部分には接着剤層13があり、ダイシング用のリングフレーム20が貼り合わされる部分には接着剤層13がなく粘着フィルム12の粘着剤層12bのみが存在する。一般に、接着剤層13は被着体と剥離しにくいため、プリカットされた接着剤層13を使用することで、リングフレーム20は粘着フィルム12に貼り合わすことができ、使用後のシート剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
(粘着フィルム)
粘着フィルム12は、半導体ウエハ1をダイシングする際には半導体ウエハ1が剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後に半導体チップ2をピックアップする際には容易に接着剤層13から剥離できるよう低い粘着力を有するものである。本実施形態において、粘着フィルム12は、図1に示すように、基材フィルム12aに粘着剤層12bを設けたものを使用した。
粘着フィルム12の基材フィルム12aとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述するように、本実施形態においては、粘着剤層12bとして、エネルギー硬化性の材料のうち放射線硬化性の材料を使用することから、放射線透過性を有するものを使用する。
例えば、基材フィルム12aの材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体もしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルム12aはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。基材フィルム12aの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
本実施形態においては、紫外線などの放射線を粘着フィルム12に照射することにより、粘着剤層12bを硬化させ、粘着剤層12bを接着剤層13から剥離しやすくしていることから、粘着剤層12bの樹脂には、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、付加反応型オルガノポリシロキサン系樹脂、シリコンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリイソプレンやスチレン・ブタジエン共重合体やその水素添加物等の各種エラストマー等やその混合物に、放射線重合性化合物を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。また、各種界面活性剤や表面平滑化剤を加えてもよい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。本発明のウエハ加工用テープに設けられる粘着剤層にはアルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体(以下、この共重合体を「アクリル系化合物」ともいう)を含有し、アクリル系化合物と後述する硬化剤とを主成分とするアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートや、官能基を有する、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルアルコール等が挙げられる。
アクリル系化合物は、1種もしくは複数種を用いてもよく、更に、相溶性や各種性能を上げる目的で低分子化合物を共存させることも可能である。前記アクリル系化合物としては、光重合性を有するものであることが好ましく、光重合性を付与する方法としては、前記アクリル系化合物に直接光重合性炭素−炭素二重結合を導入する方法、前記アクリル系化合物と混合可能な光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を添加する方法等が挙げられる。
前記アクリル系化合物に直接、光重合性炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、前記アクリル系化合物の側鎖に官能基を有するものを用い、これと付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を前記アクリル系化合物に付加させて得ることができる。前記アクリル系化合物に付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、付加反応の対象となる側鎖がカルボキシル基または酸無水物である場合には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖がエポキシ基である場合には、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖が水酸基である場合には、2−イソシアネートアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アクリル系化合物と混合可能な光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物であり、重量平均分子量が100から30000の範囲にある化合物を用いることができる。このような化合物の具体例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等が挙げられる。また、この他にウレタンアクリレート系化合物を用いることもできる。ウレタンアクリレート系化合物は、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
アルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体の水酸基価は特に限定されないが、水酸基価が150mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは50mgKOH/g以下である。このとき、極性基(例えば水酸基)含有モノマーの共重合率を調節して目的の水酸基価を有する共重合体を得ることが好ましく、用いられるモノマーの種類等にもよるが、例えば極性基含有モノマーの共重合率(極性基含有モノマーのモル数/共重合体を構成する全モノマーのモル数)を0モル%以上60モル%未満として所望の水酸基価の共重合体を得ることが好ましい。なお、前記共重合体においては本発明の効果を妨げなければその他のモノマーを含む共重合体としてもよい。アルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有モノマーの共重合体の分子量は特に限定されず、用いられるモノマーの種類等により適宜定めることができるが、例えば重量平均分子量で20万〜150万とすることが好ましい。
なお、前記アクリル系化合物と混合可能な光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を添加したものは、分子量が低く、温度変化が大きく、粘着剤層12bの80℃での弾性率Bが著しく低下する傾向があるため、前記アクリル系化合物に直接、光重合性炭素−炭素二重結合を導入したものを用いることが好ましい。
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
粘着剤層12bの80℃での弾性率Bを高くするには、ポリマー(後述するアクリル系ポリマー(1)或いは(2))の架橋密度を高くすること、および/またはポリマーのガラス転移温度Tgを高くすることが有効である。弾性率Bを低くするには、その逆を行うことが有効である。
ポリマーの架橋密度を増加させるためには硬化剤量を増やすことが有効であり、ポリマー100質量部に対し、硬化剤を1〜15質量部とするのが好ましい。より好ましくは、ポリマー100質量部に対し、硬化剤を4〜8質量部とする。ガラス転移温度Tgは好ましくは−80〜0℃、より好ましくは−40〜−10℃である。
ガラス転移温度(Tg)を高くするには、ポリマー作製時にTgの高いモノマーを使用して合成すればよくまた、Tgを低くするには、その逆を行うことが有効である。
硬化剤量が少なくかつTgが低いと、ピックアップ性が悪化する。一方、硬化剤量が多くかつTgが高いと、室温での保持力低下により、(1)ダイシング以前に、粘着フィルム12の粘着剤層12bを接着剤層13に貼り合わせることができない、(2)粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付けことができない、(3)ダイシング時のチップ飛び等の問題が発生する。
(ウエハ加工用テープの使用方法)
半導体装置の製造工程の中で、ウエハ加工用テープ10は、以下のように使用される。図2においては、ウエハ加工用テープ10に、半導体ウエハ1とリングフレーム20とが貼り合わされた様子が示されている。まず、図2に示すように、粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付け、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせる。これらの貼り付け順序に制限はなく、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせた後に粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付けてもよい。また、粘着フィルム12のリングフレーム20への貼り付けと、半導体ウエハ1の接着剤層13への貼り合わせとを、同時に行っても良い。
そして、半導体ウエハ1のダイシング工程を実施し(図3)、次いで、粘着フィルム12にエネルギー線、例えば紫外線を照射する工程を実施する。具体的には、ダイシングブレード21によって半導体ウエハ1と接着剤層13とをダイシングするため、吸着ステージ22により、ウエハ加工用テープ10を粘着フィルム12面側から吸着支持する。そして、ダイシングブレード21によって半導体ウエハ1と接着剤層13を半導体チップ2単位に切断して個片化し、その後、粘着フィルム12の下面側からエネルギー線を照射する。このエネルギー線照射によって、粘着剤層12bを硬化させてその粘着力を低下させる。なお、エネルギー線の照射に代えて、加熱などの外部刺激によって粘着フィルム12の粘着剤層12bの粘着力を低下させてもよい。粘着剤層12bが二層以上の粘着剤層により積層されて構成されている場合、各粘着剤層の内の一層又は全層をエネルギー線照射によって硬化させて、各粘着剤層の内の一層又は全層の粘着力を低下させても良い。
その後、図4に示すように、ダイシングされた半導体チップ2及び接着剤層13を保持した粘着フィルム12をリングフレームの周方向に引き伸ばすエキスパンド工程を実施する。具体的には、ダイシングされた複数の半導体チップ2及び接着剤層13を保持した状態の粘着フィルム12に対して、中空円柱形状の突き上げ部材30を、粘着フィルム12の下面側から上昇させ、粘着フィルム12をリングフレーム20の周方向に引き伸ばす。エキスパンド工程により、半導体チップ2同士の間隔を広げ、CCDカメラ等による半導体チップ2の認識性を高めるとともに、ピックアップの際に隣接する半導体チップ同士2が接触することによって生じる半導体チップ同士の再接着を防止することができる。
エキスパンド工程を実施した後、図5に示すように、粘着フィルム12をエキスパンドした状態のままで、半導体チップ2をピックアップするピックアップ工程を実施する。具体的には、粘着フィルム12の下面側から半導体チップ2をピン31によって突き上げるとともに、粘着フィルム12の上面側から吸着冶具32で半導体チップ2を吸着することで、個片化された半導体チップ2を接着剤層13とともにピックアップする。
そして、ピックアップ工程を実施した後、ダイボンディング工程を実施する。具体的には、ピックアップ工程で半導体チップ2とともにピックアップされた接着剤層13により、半導体チップ2をリードフレームやパッケージ基板等に接着する。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(基材フィルム12a)
基材フィルム12aとして、厚さ100μmのエラストマー添加ポリプロピレンを使用した。
(粘着剤層組成物の調製)
粘着剤層組成物1A〜1Fは、下記の表1に示す構成を有するアクリル系放射線硬化性粘着剤組成物である。
Figure 0005144567
<粘着剤層組成物1A>
粘着剤層組成物1Aは、表1に示すように、アクリル系ポリマー(1)100質量部と、ウレタンアクリレート100質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)3質量部と、光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。アクリル系ポリマー(1)は、重量平均分子量(Mw)が60万、ガラス転移温度Tgが−60℃の2重結合無しのアクリル共重合体である。
<粘着剤層組成物1B>
粘着剤層組成物1Bは、アクリル系ポリマー(2)100質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)10質量部と、光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。アクリル系ポリマー(2)は、重量平均分子量(Mw)が30万、ガラス転移温度Tgが−35℃の炭素−炭素2重結合含有アクリル共重合体である。
<粘着剤層組成物1C>
粘着剤層組成物1Cは、アクリル系ポリマー(1)100質量部と、ウレタンアクリレート60質量部と、上記硬化剤5質量部と、上記光重合開始剤3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
<粘着剤層組成物1D>
粘着剤層組成物1Dは、アクリル系ポリマー(2)100質量部と、上記硬化剤3質量部と、上記光重合開始剤3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
<粘着剤層組成物1E>
粘着剤層組成物1Eは、アクリル系ポリマー(2)100質量部と、上記硬化剤7質量部と、上記光重合開始剤3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
<粘着剤層組成物1F>
粘着剤層組成物1Fは、アクリル系ポリマー(2)100質量部と、上記硬化剤5質量部と、上記光重合開始剤3質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
基材フィルム12aに、表1の粘着剤層組成物1A〜1Fを乾燥膜厚が10μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥させ、粘着フィルム12を作製した。
(接着剤層組成物の調製)
粘着剤層組成物2A〜2Eとして、下記の表2に示す各成分の配合により、接着剤層13用の塗布液を調製した。
Figure 0005144567
<接着剤層組成物2A>
接着剤層組成物2Aは、表2に示すように、アクリル系ポリマー(3)100質量部と、エポキシ樹脂60質量部と、硬化剤(1)55質量部と、硬化剤(2)1.5質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。アクリル系ポリマー(3)は、重量平均分子量(Mw)が85万、ガラス転移温度Tgが15℃のアクリル共重合体である。エポキシ樹脂は、エポキシ当量210〜230のo-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である。硬化剤(1)は、水酸基当量160〜190のノボラック型フェノール樹脂である。硬化剤(2)はイミダゾール化合物(2−フェニル4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)である。
<接着剤層組成物2B>
接着剤層組成物2Aは、上記アクリル系ポリマー(3)100質量部と、上記エポキシ樹脂18質量部と、上記硬化剤(1)15質量部と、上記硬化剤(2)1質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
<接着剤層組成物2C>
接着剤層組成物2Cは、アクリル系ポリマー(3)100質量部と、上記エポキシ樹脂5質量部と、硬化剤(1)3質量部と、硬化剤(2)0.5質量部と、シリカフィラー70質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。シリカフィラーは、平均粒径2μmの球状合成シリカフィラーである。
<接着剤層組成物2D>
接着剤層組成物2Dは、表2に示すように、アクリル系ポリマー(3)100質量部と、上記エポキシ樹脂18質量部と、硬化剤(1)15質量部と、硬化剤(2)1質量部と、上記シリカフィラー80質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
<接着剤層組成物2E>
接着剤層組成物2Eは、アクリル系ポリマー(3)100質量部と、エポキシ樹脂18質量部と、硬化剤(1)15質量部と、硬化剤(2)1質量部と、シリカフィラー50質量部とを有機溶剤に溶解し、混合して得た。
上記接着剤層組成物2A〜2Eの塗布液を離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(剥離ライナー)上に塗布し、130℃で3分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態の接着フィルムを作製した。
作製した粘着フィルム12及び接着フィルムを、それぞれ直径370mm、320mmの円形にカットし、粘着フィルム12の粘着剤層12bと接着フィルムの接着剤層13とを貼り合わせた。最後に、接着フィルムのPETフィルムを接着剤層13から剥離し、下記の表3に示す比較例1〜4に係るウエハ加工用テープ、及び下記の表4に示す実施例1〜6に係るウエハ加工用テープ10を得た。
Figure 0005144567
Figure 0005144567
表3には、比較例1〜4に係るウエハ加工用テープを構成する粘着剤層組成物と接着剤層組成物の組合せを示してある。また、各比較例1〜4における粘着剤層の80℃での弾性率B、接着剤層の80℃での弾性率A、チップ飛び(%)、及びピックアップ成功率を示してある。
表4には、実施例1〜6に係るウエハ加工用テープ10を構成する粘着剤層組成物と接着剤層組成物の組合せを示してある。また、各実施例1〜6における粘着剤層12bの80℃での弾性率B、接着剤層13の80℃での弾性率A、チップ飛び(%)、及びピックアップ成功率(%)を示してある。
<弾性率測定>
粘着剤層12bの80℃での弾性率B及び接着剤層13の80℃での弾性率Aを粘弾性計(レオメトリックサイエンス社製、商品名:ARES)を用いて測定した。この測定では、セパレータフィルム(PET)に粘着剤(粘着剤層組成物)10μmを塗工したものを2つ用意し、粘着剤同士で貼り合わせ、片側のセパレータフィルムを剥離した後、さらに、セパレータフィルムに粘着剤10μmを塗工したものを用意し、粘着剤同士で貼り合わせるという工程を繰り返して2mmの厚さになるまで積層し、最後に残るセパレータフィルムを剥離して得た積層体を8mmφに打ち抜き粘着剤層のサンプルとした。
接着剤も同様に、セパレータフィルム(PET)に接着剤(接着剤層組成物)20μmを塗工したものを2つ用意し、接着剤同士で貼り合わせ、片側のセパレータフィルムを剥離した後、さらに、セパレータフィルムに接着剤20μmを塗工したものを用意し、接着剤同士で貼り合わせるという工程を繰り返して2mmの厚さになるまで積層し、最後に残るセパレータフィルムを剥離して得た積層体を8mmφに打ち抜き接着剤層のサンプルとした。
得られた粘着剤層のサンプル及び接着剤層のサンプルについて、0℃から測定を開始し昇温速度10℃/分、周波数1Hzで動的粘弾性をそれぞれ測定し、80℃に達した時点での貯蔵弾性率G’を、粘着剤層12bの80℃での弾性率B及び接着剤層13の80℃での弾性率Aとした。
(チップ飛び及びピックアップ成功率の測定方法)
比較例1〜4及び実施例1〜6の各ウエハ加工用テープを、厚さ75μm、直径200mmのシリコンウェハ(半導体ウエハ)に70℃で加熱貼合し、これをダイシング装置(Disco製 DFD6340)上に載置した。次いで、半導体ウエハをダイシング装置上に固定して、100mm/秒の速度で5×5mmにダイシングした後、粘着剤層に紫外線を空冷式高圧水銀灯により500mJ/cm照射し、この後、ピックアップダイボンダー装置(NECマシナリー製)によるピックアップを行った。ダイシング時に半導体チップ2(チップ)が飛んだ確立%(/100チップ)でチップ飛びを、ピックアップダイボンダーにより、チップをピックアップできた確率%(/100)でのピックアップ性を評価した。このときのピックアップのピン突き上げ条件は、ピン突き上げ高さを0.5mm、突上げスピードを5000μm/secとした。
比較例1では、弾性率Bが、弾性率Bを規定する上記範囲0.05〜0.6MPa の下限値より小さい0.034であり、弾性率A、が弾性率Aを規定する上記範囲0.1〜1MPaの下限値より小さい0.091である。このように、比較例1では、弾性率A及び弾性率Bが共に低いためにピックアップ成功率が低い。
比較例2では、弾性率Bが上記範囲0.05〜0.6MPa の上限値より大きい0.65であり、弾性率Bが高いためにダイシング時にチップ飛びが9(%)発生している。
比較例3では、弾性率Aが上記範囲0.1〜1MPaの下限値より小さい0.91であり、弾性率Aが低いためにピックアップ成功率が低い。
比較例4では、弾性率Aが上記範囲0.1〜1MPaの上限値より大きい1.4であり、弾性率Aが高いためにダイシング時にチップ飛びが12(%)発生している。
なお、表3では、弾性率B及び弾性率Aが上記範囲0.05〜0.6MPa 及び0.1〜1MPaからそれぞれ外れている場合には×を、そうでない場合には○を付けている。
実施例1〜6ではそれぞれ、弾性率Bが上記範囲0.05〜0.6MPa内にあり、弾性率Aも上記範囲0.1〜1MPa内にあるため、チップ飛びも1%以下と少なく、ピックアップ成功率も96%以上と高い。
なお、表4では、弾性率Bが上記範囲0.05〜0.6MPa内にあること、及び弾性率Aが上記範囲0.1〜1MPa内にあることを○で示している。また、弾性率Bが、弾性率Bを規定するより好ましい上記範囲0.2〜0.5MPa内にあること、及び弾性率Aが、弾性率Aを規定するより好ましい上記範囲0.2〜0.8MPa内にあることを◎で示している。
次に、上記実施例1〜6について、上記弾性率の比A/Bが0.5〜3の範囲内にあるものを下記の表5に実施例A〜C(実施例A=上記実施例2、実施例B=上記実施例3、実施例C=上記実施例6)として示し、比A/Bが0.5〜3の範囲外にあるものを下記の表5に比較例A〜C(比較例A=上記実施例1、比較例B=上記実施例4、比較例C=上記実施例5)として示す。それぞれの実施例A〜C及び比較例A〜Cについて、ピン突き上げ高さを0.3mm、突上げスピードを5000μm/secとした場合のピックアップ成功率を示す。
Figure 0005144567
実施例A〜Cは、弾性率の比A/Bを0.5〜3の範囲内にあるため、ピン突き上げ高さが0.3mmであっても、ピックアップ成功率が90〜95%と高い。
本実施形態に係るウエハ加工用テープ10によれば、以下の作用効果を奏する。
ウエハ加工用テープ10では、粘着剤層12bの80℃での弾性率Bが0.05〜0.6MPaの範囲内にあり、接着剤層13の80℃での弾性率Aが0.1〜1MPaの範囲内にある。
(1)弾性率Bが0.05MPaより大きいので、ダイシング時に接着剤層13と粘着剤層12bの溶融が抑制され、接着剤層13、粘着剤層12b等に切り残りが発生するのが抑制される。これにより、ピックアップ時に、その切り残りの影響によって隣接チップ(個片化した接着剤層付き半導体チップ2)が一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。
(2)弾性率Bが0.6MPaより小さいので、ダイシング時に粘着剤層12bが接着剤層13を保持する粘着力の低下が抑制され、粘着剤層12bと接着剤層13との界面での剥離が抑制される。これにより、ダイシング時におけるチップ飛びの発生を抑制することができる。
(3)弾性率Aが0.1MPaより大きいので、ダイシング時に接着剤層13と粘着剤層12bの溶融が抑制され、接着剤層13、粘着剤層12b等に切り残りが発生するのが抑制される。これにより、ピックアップ時に、その切り残りの影響によって隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。
(4)弾性率Aが1MPaより小さいので、ダイシング時に接着剤層13が半導体ウエハ1を保持する接着力の低下が抑制され、個片化した接着剤層付き半導体チップ2と接着剤層13との界面での剥離が抑制される。これにより、ダイシング時におけるチップ飛びの発生を抑制することができる。
このように、ダイシング時に、接着剤層、粘着剤層等に切り残りが発生するのが抑制されるので、ピックアップ時に、その切り残りの影響によって隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。また、ダイシング時に、粘着剤層12bの粘着力の低下が抑制され、粘着剤層12bと接着剤層13との界面での剥離が抑制されると共に、接着剤層13の接着力の低下が抑制され、個片化した接着剤層付き半導体チップ2と接着剤層13との界面での剥離が抑制される。このため、ダイシング時におけるチップ飛びの発生を抑制することができる。
従って、ダイシング工程で、粘着剤層と接着剤層との界面での剥離や半導体チップと接着剤層との界面での剥離が生じチップ飛びが発生するのを抑制でき、ピックアップ工程で、接着剤層、粘着剤層等の切り残りの影響によって隣接チップが一緒に持ち上がるダブルダイエラーの発生を抑制することができる。
また、弾性率Bを0.2〜0.5MPaの範囲内にし、弾性率Aを0.2〜0.8MPaの範囲内にすることで、ピックアップ工程において、個片化した接着剤層付き半導体チップ2をより小さな力で確実にピックアップすることができる。
また、弾性率の比A/Bを0.5〜3の範囲内にすることで、ピックアップ工程において、個片化した接着剤層付き半導体チップ2をより小さい力で確実にピックアップすることができる。
上記実施形態に係るウエハ加工用テープ10において、粘着剤層12bを二層以上の粘着剤層を積層した構成にする場合、粘着剤層の80℃での弾性率Bは、粘着剤層が一層からなる場合と同様の方法で、粘弾性計(レオメトリックサイエンス社製、商品名:ARES)を用いて測定する。
つまり、この測定では、セパレータフィルム(PET)に二層からなる粘着剤(粘着剤層組成物)10μmを塗工したものを2つ用意し、粘着剤同士で貼り合わせ、セパレータフィルムを剥離した後、さらに、セパレータフィルムに二層からなる粘着剤10μmを塗工したものを2つ用意し、粘着剤同士で貼り合わせるという工程を繰り返して2mmの厚さになるまで積層し、この積層体を8mmφに打ち抜き粘着剤層のサンプルとする。得られた粘着剤層のサンプルについて、0℃から測定を開始し昇温速度10℃/分、周波数1Hzで動的粘弾性をそれぞれ測定し、80℃に達した時点での貯蔵弾性率G’を、粘着剤層12bの80℃での弾性率Bとする。
1:半導体ウエハ
2:半導体チップ(半導体素子)
10:ウエハ加工用テープ
12:粘着フィルム
12a:基材フィルム
12b:粘着剤層
13:接着剤層

Claims (3)

  1. 基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に形成されたウエハ加工用テープであって、
    前記粘着剤層の80℃での弾性率が0.19〜0.47MPaであり、前記接着剤層の80℃での弾性率が0.18〜0.65MPaであることを特徴とするウエハ加工用テープ。
  2. 前記接着剤層の80℃での弾性率を前記粘着剤層の80℃での弾性率で割った値が0.5〜3であることを特徴とする請求項1に記載の半導体加工用テープ。
  3. 前記粘着剤層に少なくとも炭素−炭素2重結合含有アクリル共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体加工用テープ。
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