JP5637958B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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本発明は、冷蔵庫に関する。
近年、冷蔵庫は大型化に伴い、なるべく外形寸法の拡大を抑えつつ収納容積を増やす、いわゆる省スペース大容量化が求められている。このような冷蔵庫にあっては、冷蔵庫本体底面と設置床面との距離を詰めて、且つ冷蔵庫の幅寸法を冷蔵庫の奥行き寸法よりも大きくする形態が考えられる。また、冷蔵庫本体底面には、運搬用の取手部を備える構成が一般的である。
特許文献1には、冷蔵庫本体底面の左右端部に取り付けられる側桁を有し、側桁に水平部を形成し、水平部に冷蔵庫を横倒しにして運搬する際の取手を設けたことが記載されている。
一方、近年、冷蔵庫に真空断熱パネルを適用することで断熱性能を改善し、省エネルギー化を図っている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−74747号公報 特許第4695663号公報
特許文献1では、冷蔵庫の幅寸法が冷蔵庫の奥行き寸法よりも大きいため、例えばマンションの階段、或いは通路や入り口のような狭い場所を運搬するために、冷蔵庫の取手部は冷蔵庫底面から床面までの距離を持ち、取手部の深さを確保して冷蔵庫を横にした状態で運搬を可能としている。しかしながら、冷蔵庫の最下部には取手部に手がかけられるだけの空間を形成するために、取手部と床面との距離を大きくとり、傾斜面を設けている。さらには、側桁が冷蔵庫底面の前後方向に跨って配置される構造となり、内容積が減少してしまう。
よって、冷蔵庫底面から床面までの距離を縮小し、縮小した分を内容積の拡大に割り当てる構造が必要である。
また、省エネルギー化を図るためには、真空断熱パネルを効果的に適用する方法、すなわち断熱箱体の総表面積に対して真空断熱パネルで覆う面積の比率(=真空断熱パネルのカバー率)を向上させる構造が必要である。
そこで、本発明の第一の目的は、冷蔵庫の内容積拡大を図りつつ、容易に運搬できる冷蔵庫を提供することにある。第二の目的は、大型冷蔵庫の熱漏洩量低減を図りつつ、容易に運搬できる冷蔵庫を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、鋼板製の外板と、冷蔵庫本体の底面前部に設けて冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第一の取手部を備え、該第一の取手部は、前記冷蔵庫本体の底面に固定する上面部と、該上面部から前記冷蔵庫底面と離れる方向の連結部と、前記連結部の下端部から前記冷蔵庫底面に沿う方向の把持部と、を備え、前記上面部は、前記外板を介して前記冷蔵庫本体の下面の端部に設けた補強部材に連結して、前記冷蔵庫本体の底面後部に前記外板を介して前記補強部材に連結する台板を備え、前記台板に冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第二の取手部を備え、前記冷蔵庫本体の前記底面に下方に突出した凸部が形成されて、前記把持部から離れるように前記底面前部に凹部が形成されて、前記凹部を避ける形状で前記凸部に真空断熱パネルを備えた。
本発明によれば、冷蔵庫の内容積拡大を図りつつ、容易に運搬できる冷蔵庫を提供することができる。また、大型冷蔵庫の熱漏洩量低減を図りつつ、容易に運搬できる冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施の形態を示す図で、冷蔵庫の縦断面図。 本発明の実施の形態を示す図で、冷蔵庫を底面側から見た図。 本発明の実施の形態を示す図で、図2のA−A断面図。 本発明の実施の形態を示す図で、図2のB−B断面図。 本発明の実施の形態を示す図で、運搬時のイメージ図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は実施の形態を示す図で、冷蔵庫100の縦断面図、図2は冷蔵庫100の底面側から見た図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図、図5は運搬時のイメージ図である。
先ず図1より、冷蔵庫100の全体構成を説明する。本実施の形態は、冷蔵庫100の底面部に設けた各取手部に特徴がある。取手部の詳細については、図2から図4を用いて後述する。以下の説明は冷蔵庫100の構成である。
断熱箱体1は、樹脂製の内箱40と、鋼板製の外板41と、内箱40と外板41との間の空間に充填された断熱材42とで構成される。外板41、底板、背面板、側面板及び上面板で構成された外観意匠形状を外箱という。断熱箱体1の前面部は開口している。断熱箱体1の内部は第1の仕切り45、第2の仕切り46、第3の仕切り47で仕切られている。
第1の仕切り45の上に形成される部屋は、例えば冷蔵室27である。冷蔵室27の開口部は、冷蔵室扉27aで開閉自在に閉塞されている。
第1の仕切り45と第2の仕切り46との間に形成される部屋は、例えば製氷室28である。製氷室28の開口部は、製氷室扉28aで開閉自在に閉塞されている。
また第2の仕切り46と第3の仕切りとの間に形成される部屋は、例えば冷凍室29である。冷凍室29の開口部は、冷凍室扉29aで開閉自在に閉塞されている。
最後に、第3の仕切り47の下方の部屋は、例えば野菜室30である。野菜室30の開口部は野菜室扉30aで開閉自在に閉塞されている。
冷却室70が断熱箱体1の内部の背面下部に形成されている。冷却室70には冷媒と空気が熱交換して冷気を生成する冷却器20が設けられている。冷却器20で生成された冷気を冷蔵庫100の各部屋へ循環させる送風機23が冷却器20の上に設置される。
断熱箱体1の外部に、冷却器70の下方に冷凍サイクルの冷媒を圧縮する圧縮機14が配置される。圧縮機14は台板11の上に設置される。断熱箱体1の底面の左右端部に本体を補強する補強部材10が設置されており、台板11は外板41を介して補強部材10に連結されている。ここでは圧縮機14は冷蔵庫100の背面下部に設置しているが、圧縮機の位置は背面上部でも構わないことは無論である。冷蔵庫100の底面は、外板41、底板50及び内箱40により密閉された空間に断熱材42(例えば、発泡断熱材)が封入されて断熱箱体1の底面部を形成している。
図2は、冷蔵庫100の底面側から見た図である。断熱箱体1の底面の側面部には、冷蔵庫側面を上方に向けた状態(横向き状態)にして運搬する、前方の第一の取手部2と後方の第二の取手部3とを設けている。また、断熱箱体1の底面の前面部には、通常の運搬に用いる第三の取手部5が左右両側に設けられている。
この第三の取手部5は、強度が確保されてさえいれば、樹脂成形品でも板金部品でも構わないことは言うまでもない。実施例では、持ちやすさの観点から樹脂成形品としている。
さらに断熱箱体1の底面の前面側には、冷蔵庫の高さや傾き等の設置状態を調節する調節脚部材4が設けられており、前述した補強部材10に連結されている。調節脚部材4及び台板11にはそれぞれ第一の移動用ローラ12、第二の移動用ローラ13が左右両側に設けられている。
台板11は補強部材10に連結されており、台板11の上に機械室8が形成されている。機械室8内には圧縮機14、機械室送風機15、凝縮器16、第二の取手部3がそれぞれ横方向に並べて配置されている。
また、断熱箱体1の底板50には、下方に突出した凸部50bを設けている。これにより、断熱箱体1の底面部の平均断熱厚さを大きくすることができる。さらに、底板50の凸部50b領域内に真空断熱パネル43を配置する際に、真空断熱パネル43の隅部に傾斜面44を設けることにより、真空断熱パネル43の面積を、凸部50bの面積に対して、可能な限り近づけることができる。すなわち、真空断熱パネル43のカバー率を向上させ、箱体の熱漏洩量を低減させる効果がある。また、第一の取手部2を底面の前面部に配置した場合、第一の取手部2に対応した手がけ用の凹部50aが冷蔵庫底面に形成されるが、真空断熱パネル43はこの凹部50aを避ける形状となる。
さらに図2のA−A断面図である図3を用いて、第一の取手部2の構造を説明する。第一の取手部2の上面部2aは、外板41を介して補強部材10に連結されている。これにより、運搬時に第一の取手部2に掛かる強度を確保している。さらに、第一の取手部2は、上面部2aの内側から下方に延びる立ち上がり形状、すなわち、上面部2aから冷蔵庫底面と離れる方向の連結部2bを備えている。また、連結部2bの下端部から内方へ延びる形状、すなわち、連結部2bの下端部から冷蔵庫底面に沿う方向の把持部2cを設けている。底板50には、第一の取手部2の把持部2cに該当する部分に、手がけ用の凹部50aを設けて、把持部2cに手を挿入する際の距離Aを確保している。ここで、把持部2cの下面部と床面との距離Bは約5mmとしている。距離Bを必要以上に小さくすることは、冷蔵庫を前後に運搬した際に、床面に凹凸等がある場合に第一の取手部2により、床面を傷つけてしまうおそれがあるため好ましくない。また、床面と接触することを考慮して、把持部2cの端部を樹脂等で形成するか、把持部2cを金属製として樹脂等のカバーで端部を覆うようにすれば、床面を保護することができる。
以上の構造を採用することにより、野菜室30の底面部と床面との距離Cを小さくすることができ、内容積の拡大を図ることができる。底板50の一部分に凹部50aを設けており、断熱厚さが少なくなることによる露付きの懸念があるが、底板50は0.35T〜0.4Tの鋼板を素材としており、熱伝導により凹部50aに熱を伝えることで、冷えすぎないようにするため露付の問題はない。また、図3の第一の取手部2については、図面上、板金部品の構成としているが、樹脂成形品でも同様であることは言うまでもない。
図4は、図2のB−B断面図である。断熱箱体1の底面の左右端部に本体を補強する補強部材10が設置されており、台板11は外板41を介して補強部材10に連結されている。台板11には第二の移動用ローラ13が設けられており、その内側、すなわち冷蔵庫中央寄りに第二の取手部3が配置されている。台板11には、第二の取手部3の把持部3cに該当する部分に台板凹部11aを設けて、把持部3cに手を挿入する際の距離Aを確保している。ここで、把持部3cの下面部と床面との距離Bは、同じく約5mmとしている。
以上の構成の冷蔵庫100において、例えば、運搬時に冷蔵庫100の幅寸法より小さい扉や通路等を通過する場合、運搬時のイメージを示す図5のように、冷蔵庫100を正面から見て右側に傾けつつ持ち上げて運搬する。この場合、1人は冷蔵庫100の上部背面側角部と上部冷蔵室扉側角部を持つ。他の1人は対角の底面の第一の取手部2、第二の取手部3を持つことになる。
なお、第一の取手部2と第二の取手部3を、冷蔵庫側面からの距離が同程度になるように配置すれば、運搬者の右手と左手の高さ位置が同程度となり、運搬性が向上する。
また、冷蔵庫側面を上方に向けて運搬する状態で、第一の取手部2と第二の取手部3よりも下方に圧縮機14が位置する。これにより、重量部品である圧縮機14を持ち上げる高さが抑えられ、運搬に要する力を低減できる。
上記の実施形態によれば、冷蔵庫本体の底面前部に設けて冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第一の取手部を備え、該第一の取手部は、前記冷蔵庫本体の底面に固定する上面部と、該上面部から前記冷蔵庫底面と離れる方向の連結部と、前記連結部の下端部から前記冷蔵庫底面に沿う方向の把持部と、を備え、前記上面部は、前記冷蔵庫本体の下面に設けた補強部材に連結した。これにより、冷蔵庫の内容積拡大と熱漏洩量低減を図ることができる。また、冷蔵庫の幅寸法が奥行き寸法よりも大きい場合に、運搬時に第一の取手部に掛かる強度を確保した状態で冷蔵庫を横にして容易に運搬できる。
また、前記冷蔵庫本体の底面後部に台板を備え、前記台板に冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第二の取手部を備えた。これにより、運搬時に第二の取手部に掛かる強度を確保した状態で冷蔵庫を横にして容易に運搬できる。また、第一の取手部と第二の取手部を用いることで、運搬性が向上する。
また、前記冷蔵庫本体の前記底面に下方に突出した凸部が形成されて、前記把持部から離れるように前記底面に凹部が形成されて、前記凹部を避けて前記凸部に真空断熱パネルを備えた。これにより、真空断熱パネルのカバー率を向上させ、箱体の熱漏洩量を低減させる効果がある。
2 第一の取手部
2a 上面部
2b 連結部
2c、3c 把持部
3 第二の取手部
4 調節脚部材
5 第三の取手部
8 機械室
10 補強部材
11 台板
11a 台板凹部
12 第一の移動用ローラ
13 第二の移動用ローラ
14 圧縮機
41 外板
43 真空断熱パネル
44 傾斜面
50 底板
50a 凹部
50b 凸部
100 冷蔵庫

Claims (1)

  1. 鋼板製の外板と、
    冷蔵庫本体の底面前部に設けて冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第一の取手部を備え、
    該第一の取手部は、前記冷蔵庫本体の底面に固定する上面部と、該上面部から前記冷蔵庫底面と離れる方向の連結部と、前記連結部の下端部から前記冷蔵庫底面に沿う方向の把持部と、を備え、
    前記上面部は、前記外板を介して前記冷蔵庫本体の下面の端部に設けた補強部材に連結して、
    前記冷蔵庫本体の底面後部に前記外板を介して前記補強部材に連結する台板を備え、前記台板に冷蔵庫側面を上方に向けた状態にして運搬する第二の取手部を備え、
    前記冷蔵庫本体の前記底面に下方に突出した凸部が形成されて、前記把持部から離れるように前記底面前部に凹部が形成されて、前記凹部を避ける形状で前記凸部に真空断熱パネルを備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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