JP5636820B2 - アクチュエータ及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、物質の相変化を利用したアクチュエータ及びそのアクチュエータを備えた電子機器に関する。
従来から、密閉された空間内に液体を封入し、液体と気体との間の相変化にともなう体積の変化を駆動力とするアクチュエータが提案されている。例えば、中空の弾性部材の内部に液体と発熱体とを封入し、発熱体が発生する熱により液体を気体に相変化させて駆動力を発生するアクチュエータが提案されている。
このような相変化を利用したアクチュエータは小型化が容易であり、携帯型電子機器など種々の装置への利用が期待されている。以下、アクチュエータに封入されて液体と気体との間で相変化する物質を、駆動媒体と呼ぶ。
特開平5−248345号公報 特開2003−206909号公報
液体と気体との間の相変化を利用した従来のアクチュエータは、その姿勢(傾き)により特性が変化してしまう。
以上から、液体と気体との間の相変化により駆動力を発生し、且つ特性が姿勢に依存しにくいアクチュエータ及びそのアクチュエータを備えた電子機器を提供することを目的とする。
一観点によれば、一端側が閉塞され、他端側が開放された筒状のシリンダーと、前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーを移動可能に支持する支持部材と、前記シリンダーと前記支持部材との間に封入され、温度に応じて液相と気相との間を相変化する駆動媒体とを有し、前記支持部材の先端面及び前記シリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の前記駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられているアクチュエータが提供される。
上記一観点のアクチュエータでは、支持部材の先端面及びシリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられている。これにより、アクチュエータの姿勢(傾き)による特性の変化が抑制される。
図1(a),(b)は、液体と気体との間の相変化を利用したアクチュエータの例を説明する断面図(模式図)である。 図2(a),(b)は、図1(a),(b)のアクチュエータを水平に配置した場合の動作を説明する説明図である。 図3(a),(b)は、図1(a),(b)のアクチュエータを倒立させて配置した場合の動作を説明する説明図である。 図4(a),(b)は、第1の実施形態に係るアクチュエータの断面図(模式図)である。 図5(a),(b)は、第1の実施形態に係るアクチュエータを水平に配置した場合の動作を説明する説明図である。 図6(a),(b)は、第1の実施形態に係るアクチュエータを、サーバの冷却システムに使用した例を説明する説明図である。 図7(a),(b)は、サーバの筺体の前面側に設けられたシャッターの動作を表す模式図である。 図8は、フロンの冷媒番号毎の化学式及び沸点を記載した図である。 図9(a),(b)は、第2の実施形態に係るアクチュエータの断面図(模式図)である。 図10(a),(b)は、第2の実施形態に係るアクチュエータを水平に配置した場合の動作を説明する説明図である。 図11(a),(b)は、第2の実施形態に係るアクチュエータを倒立させて配置した場合の動作を説明する説明図である。 図12(a),(b)は、変形例1のアクチュエータの模式図(断面図)である。 図13(a),(b)は、変形例2のアクチュエータの模式図(断面図)である。 図14(a),(b)は、その他の実施形態のアクチュエータの模式図(断面図)である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1(a),(b)は、液体と気体との間の相変化を利用したアクチュエータの例を説明する断面図(模式図)である。
このアクチュエータ10は、一端側が閉塞され他端側が開放された円筒状のシリンダー11と、シリンダー11の内側に挿入されてシリンダー11をその中心軸に平行な方向に移動可能に支持する円柱状の支持部材12とを有する。また、支持部材12とシリンダー11との間の空間には、駆動媒体13として例えばフロンが封入されている。
更に、支持部材12の周面とシリンダー11の内壁面との間には潤滑剤(図示せず)が充填されている。この潤滑剤により、シリンダー11内の空間の気密性が保持されるとともに、シリンダー11と支持部材12との間の摩擦抵抗が低減される。
このようなアクチュエータ10において、支持部材12は、例えば電子機器内のCPU(Central Processing Unit)等の発熱体に熱的に接続される。ここで、アクチュエータ10は、シリンダー11の中心軸を垂直(重力の向きに平行:以下、同じ)にして配置されているものとする。
発熱体が発熱していないときは、図1(a)のように駆動媒体13は液体の状態であり、シリンダー11と支持部材12との間の空間の体積は小さく、アクチュエータ10は収縮した状態となる。
発熱体が発熱すると、発熱体で発生した熱は支持部材12を介して駆動媒体13に伝達される。これにより、駆動媒体13は蒸発して気体となり、体積が膨張する。そして、この駆動媒体13の体積の膨張により、図1(b)のようにシリンダー11が支持部材12に対し相対的に移動して、アクチュエータ10は伸長した状態となる。
ところで、このアクチュエータ10が図2(a)のように水平(重力の向きに直角:以下同じ)に配置された場合、駆動媒体13の蒸発及びシリンダー11の移動にともなって、図2(b)のように支持部材12と液状の駆動媒体13との接触面積が変化(減少)する。このため、支持部材12の温度が同じであっても駆動媒体13の蒸発速度が変化し、アクチュエータ10の特性(例えば、動作速度や駆動力の強さ)が垂直に配置された場合と異なってしまう。
更に、図3(a)のようにアクチュエータ10を倒立させて配置した場合は、アクチュエータ10が若干伸長しただけで、図3(b)のように支持部材12が液状の駆動媒体13から離れてしまう。このため、支持部材12から液状の駆動媒体13に熱が伝わりにくくなり、アクチュエータ10の特性が図1(a),(b)及び図2(a),(b)の場合と著しく異なってしまう。
すなわち、上述したアクチュエータ10は、特性がその姿勢(傾き)に依存する。このため、姿勢を考慮してアクチュエータを設計する必要があり、汎用性が少ない。
以下、実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図4(a),(b)は、第1の実施形態に係るアクチュエータの断面図(模式図)である。
本実施形態に係るアクチュエータ20は、一端側が閉塞され他端側が開放された円筒状のシリンダー21と、シリンダー21の内側に挿入されてシリンダー21をその中心軸に平行な方向に移動可能に支持する支持部材22とを有する。シリンダー21は例えばステンレス、アルミニウム合金又は銅合金等により形成され、支持部材22は熱伝導性が良好なアルミニウム合金又は銅合金等により形成される。
シリンダー21と支持部材22との間の空間には、駆動媒体23が封入されている。本実施形態では、駆動媒体23としてフロン(クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン又はハイドロフルオロカーボン等)を使用するものとする。但し、駆動媒体23は使用時の温度範囲で液体と気体との間の相変化が起きるものであればよく、駆動媒体23としてフロン以外の化合物を使用してもよい。
支持部材22の先端部には液吸収部22aが設けられている。この液吸収部22aは、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン若しくはポリカーボネート等の樹脂、チタン若しくはステンレス等の金属、又はシリカ、アルミナ若しくは酸化チタン等のセラミックにより形成される。また、液吸収部22aには、互いに連結した多数の小さな空孔が設けられている。なお、液吸収部22aは、後述するように毛細管現象により液状の駆動媒体23を吸収するものであればよく、上述の材料及び構造に限定されない。但し、液吸収部22aは、駆動媒体23に対し化学的に安定な材料により形成されていることが重要である。
支持部材22の周面とシリンダー21の内壁面との間には潤滑剤(図示せず)が充填されている。この潤滑剤により、シリンダー21内の空間の気密性が保持されるとともに、シリンダー21と支持部材22との間の摩擦抵抗が低減される。
以下、本実施形態のアクチュエータ20の動作について説明する。
ここでは、支持部材22が電子機器内のCPU等の発熱体に熱的に接続されているものとする。また、図4(a)のように、シリンダー21はその中心軸が垂直(重力の向きに対し平行)に配置されているものとする。
支持部材22の温度が低い場合、すなわち発熱体が発熱していない場合は、駆動媒体23は液体の状態であり、アクチュエータ20は収縮した状態となる。この場合、シリンダー21と支持部材22との間の空間は液状の駆動媒体23で満たされており、液吸収部22a内には液状の駆動媒体23が浸入している。
発熱体が発熱すると、発熱体の熱は支持部材22を介して液状の駆動媒体23に伝達される。これにより、駆動媒体23は蒸発して気体となり、体積が膨張する。そして、この駆動媒体23の体積の膨張により、図4(b)のようにシリンダー21が支持部材22に対し相対的に移動して、アクチュエータ20は伸長する。
発熱体の発熱が停止して支持部材22の温度が低くなると、駆動媒体23が液体となって体積が縮小する。これにより、シリンダー21が支持部材22に対し相対的に移動して、図4(a)のようにアクチュエータ20は収縮した状態に戻る。
このアクチュエータ20が、図5(a)のように水平に配置されるものとする。この場合、支持部材22の温度が低いときは駆動媒体23は液体の状態であり、アクチュエータ20は収縮した状態となる。このとき、シリンダー21と支持部材22との間の空間は液状の駆動媒体23で満たされている。
発熱体が発熱すると、発熱体の熱は支持部材22を介して液状の駆動媒体23に伝達され、駆動媒体23は蒸発して気体となり、体積が膨張する。これにより、図4(b)のように、シリンダー21が支持部材22に対し相対的に移動して、アクチュエータ20は伸長する。
このとき、蒸発にともなって駆動媒体23の液面は下方に移動するが、液状の駆動媒体23が液吸収部22aに接触している間は、液状の駆動媒体23が毛細管現象により液吸収部22aに吸収される。これにより、支持部材22と液状の駆動媒体23との接触面積の縮小が抑制され、垂直に配置した場合とほぼ同様の特性が得られる。
本実施形態のアクチュエータ20は、温度変化による駆動媒体23の相変化を駆動力にして伸縮するので、電源が不要である。また、本実施形態のアクチュエータ20は、構造が簡単であり、小型化が容易であるとともに、故障のおそれが少ない。
更に、本実施形態のアクチュエータ20は、毛細管現象により液状の駆動媒体23を吸収する液吸収部22aが設けられているため、水平に配置されても支持部材材22と液状の駆動媒体23との接触面積が垂直に配置された場合と殆ど変わらない。このため、本実施形態に係るアクチュエータ20は、水平に配置された場合であっても、垂直に配置された場合と殆ど同じ特性が得られる。
なお、液吸収部22aには、駆動媒体23を吸収しやすくするために、親水処理を施しておくことが好ましい。親水処理としては、液吸収部22aの表面にポリエチレングリコール又はポリビニルアルコール等をコーティングするなどの方法がある。
本実施形態に係るアクチュエータをサーバ(電子機器の一例)の冷却システムに使用した例について、図6(a),(b)を参照して説明する。
サーバラック30には複数のサーバ31が高さ方向に並んで収納されている。各サーバ31にはそれぞれCPU38、メモリ及びハードディスクドライブなど、稼働にともなって発熱する発熱部品が搭載されている。サーバ31は、その前面側(図6(b)では左側)から室内のエアーを取り込んで発熱部品を冷却し、それにより高温になったエアーを背面側(図6(b)では右側)から排出する。
サーバラック30の背面側には排気流路32とファン(送風機)33とが設けられており、サーバ31から排出されたエアーは排気流路32及びファン33を介してサーバラック30の外に排出される。
図7(a),(b)は、サーバ31の筺体の前面側に設けられたシャッターの動作を表す模式図である。この図7(a),(b)のように、サーバ31の前面側にはシャッター35が設けられている。このシャッター35は、サーバ31の筺体に固定された固定板35aと、横方向に移動可能な可動板35bとを有する。これらの固定板35a及び可動板35bには、それぞれ開口部(通風口)が設けられている。
シャッター35の側方(図では左側)には伝熱板36が配置されており、この伝熱板36と可動板35bとの間には、2つのアクチュエータ20a,20bが並列に接続されている。これらのアクチュエータ20a,20bは、いずれも図4の構造を有する。
ここで、図6(b)のように、伝熱板36は、ヒートパイプ37を介してCPU(発熱部品)38に熱的に接続されているものとする。また、アクチュエータ20a,20bの支持部材22は伝熱板36に固定され、シリンダー23は可動板35bに連結されているものとする。
このような構造の冷却システムにおいて、CPU38の温度が低いときは、伝熱板36の温度も低く、図7(a)のようにアクチュエータ20a,20bは収縮した状態である。この場合、固定板35aの開口部と可動板35bの開口部との重なり幅は小さく、シャッター35の開口率は予め設定された最小の状態となる。この状態では、CPU38の温度が低いサーバ31内に導入されるエアーの量が少なくなり、その分CPU38の温度が高いサーバ31に導入されるエアーの量が多くなる。
サーバ31内のCPU38の温度が高くなると、伝熱板36の温度も高くなり、アクチュエータ20a,20b内の駆動媒体23が蒸発して、アクチュエータ20a,20bは伸長する。これにより、図7(b)のように可動板35bが横方向に移動して、固定板35aの開口部と可動板35bの開口部がほぼ完全に重なり、シャッター35は全開状態となる。そして、サーバ31の筺体内に大量のエアーが導入され、CPU38及びその他の発熱部品が冷却される。
このように、アクチュエータ20a,20bを用いてサーバ31へのエアー導入量を制御することにより、CPU38の温度が高いサーバ31に優先的にエアーが導入される。これにより、ラック30内のサーバ31の効率的な冷却が可能になり、消費電力を削減できるという効果を奏する。
なお、上述の例ではCPU38と伝熱板36とをヒートパイプ37により熱的に接続しているが、CPU38に流れる電流を分岐してヒータを加熱し、その熱によりアクチュエータ20a,20bを駆動するようにしてもよい。
ところで、アクチュエータ20a,20b内に封入した駆動媒体23が単一化合物からなる場合、伝熱板36の温度がその化合物の沸点よりも低いときには、シャッター35の開口率は最小となる。また、伝熱板36の温度がその化合物の沸点よりも高いときには、シャッター35の開口率は最大となる。しかし、駆動媒体23として沸点が相互に異なる複数の化合物の混合体を使用すると、温度に応じてシャッター35の開口率を段階的に変化させることができる。
図8はフロンの冷媒番号毎の化学式及び沸点を記載した図である。例えば、この図8に記載した複数のフロンを適宜混合して使用することにより、温度に応じてシャッター35の開口率を段階的に変化させることができる。
(第2の実施形態)
図9(a),(b)は第2の実施形態に係るアクチュエータの断面図(模式図)である。
本実施形態に係るアクチュエータ40は、一端側が閉塞され、他端側が開放された円筒状のシリンダー41と、シリンダー41の内側に挿入されてシリンダー41をその中心軸に平行な方向に移動可能に支持する支持部材42とを有する。シリンダー41はステンレス、アルミニウム合金又は銅合金等により形成され、支持部材42はアルミニウム合金又は銅合金により形成される。以下、説明の便宜上、シリンダー41の一端側の閉塞された面を底面と呼ぶ。
支持部材42の先端部には、第1の実施形態と同様に、互いに連結した多数の空孔を有する樹脂、金属又はセラミックにより形成された液吸収部42aが設けられている。また、本実施形態では、シリンダー41の内壁面に沿って、液吸収部42aとシリンダー41の底面との間を伸縮自在に接続する複数の多孔質伸縮部材45が配置されている。更に、シリンダー41内には、フロン等の駆動媒体43が封入されている。
多孔質伸縮部材45は、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリカーボネート等の柔軟性を有するシート状の樹脂を蛇腹状に折り畳んで形成されている。また、多孔質伸縮部材45には、液吸収部42と同様に、互いに連結した多数の小さな空孔が設けられている。多孔質伸縮部材45は、その両端部が液吸収部42a及びシリンダー41の底面に接合されていてもよく、弾性力により液吸収部42aとシリンダー41の底面とに接触していてもよい。なお、液吸収部42a及び多孔質伸縮部材45に、親水処理を施しておいてもよい。
支持部材42の周面とシリンダー41の内壁面との間には潤滑剤(図示せず)が充填されている。この潤滑剤により、シリンダー41内の空間の気密性が保持されるとともに、シリンダー42と支持部材42との間の摩擦抵抗が低減される。
以下、本実施形態のアクチュエータ40の動作について説明する。
ここでは、支持部材42が電子機器内のCPU等の発熱体に熱的に接続されているものとする。また、図9(a)のように、シリンダー41はその中心軸が垂直(重力の向きに対し平行)に配置されているものとする。
支持部材42の温度が低い場合、すなわち発熱体が発熱していない場合は、駆動媒体43は液体の状態であり、アクチュエータ40は収縮した状態となる。また、多孔質伸縮部材45は折り畳まれた状態となる。この場合、シリンダー41と支持部材42との間の空間は液状の駆動媒体43で満たされている。
発熱体が発熱すると、発熱体の熱は支持部材42を介して液状の駆動媒体43に伝達され、駆動媒体43は気体となって体積が膨張する。これにより、図9(b)のように、シリンダー41が支持部材42に対し相対的に移動して、アクチュエータ40は伸長する。また、アクチュエータ40の伸長にともなって、多孔質伸縮部材45も伸長する。
発熱体の発熱が停止して支持部材42の温度が低くなると、駆動媒体43が液体となって体積が縮小する。これにより、シリンダー41が支持部材42に対し相対的に移動して、図9(a)のようにアクチュエータ40は収縮した状態に戻る。また、アクチュエータ40の収縮にともなって、多孔質伸縮部材45は折り畳まれた状態に戻る。
このアクチュエータ40が、図10(a)のように水平に配置されるものとする。この場合、支持部材42の温度が低いときは駆動媒体43は液体の状態であり、アクチュエータ40は収縮した状態となる。このとき、シリンダー41と支持部材42との間の空間は液状の駆動媒体43で満たされている。
発熱体が発熱すると、発熱体の熱は支持部材42を介して駆動媒体43に伝達される。そして、駆動媒体43は蒸発して気体となり、体積が膨張する。これにより、図10(b)のように、シリンダー41が支持部材42に対し相対的に移動して、アクチュエータ40は伸長する。また、アクチュエータ40の伸長にともなって、多孔質伸縮部材45も伸長する。
このとき、蒸発にともなって駆動媒体43の液面は下方に移動するが、液状の駆動媒体43が液吸収部42a及び多孔質伸縮部材45に接触している間は、液状の駆動媒体43が毛細管現象により液吸収部42a及び多孔質伸縮部材45に吸収される。これにより、支持部材42と駆動媒体43との接触面積の縮小が抑制され、垂直に配置した場合とほぼ同様の特性が得られる。
このアクチュエータ40が、図11(a)のように倒立した状態で配置されるものとする。この場合、支持部材22の温度が低いときは駆動媒体43は液体の状態であり、アクチュエータ40は収縮した状態となる。このとき、シリンダー41と支持部材42との間の空間は液状の駆動媒体43で満たされている。
発熱体が発熱すると、発熱体の熱は支持部材42を介して液状の駆動媒体43に伝達される。そして、駆動媒体43は気体となり、体積が膨張する。これにより、図11(b)のように、シリンダー41が支持部材42に対し相対的に移動して、アクチュエータ40は伸張する。また、アクチュエータ40の伸長にともなって、多孔質伸縮部材45も伸長する。
このとき、アクチュエータ40の伸張にともない、図11(b)のように支持部材42は駆動媒体43の液面から離れてしまう。しかし、本実施形態では、支持部材42とシリンダー41の底面との間に多孔質伸縮部材45が伸縮自在に配置されているため、液状の駆動媒体43は毛細管現象により多孔質伸縮部材45に吸収され、更に液吸収部42aに吸収される。従って、液吸収部42a内は液状の駆動媒体43で満たされた状態が維持され、支持部材42と液状の駆動媒体43との接触面積が垂直に配置された場合(図9(a),(b)参照)と殆ど変わらない。このため、本実施形態に係るアクチュエータ40は、倒立して配置された場合であっても、垂直に配置された場合と殆ど同じ特性が得られる。
ところで、本実施形態では、駆動媒体43としてフロンを使用している。フロンは一般的に表面張力が小さく、例えば水の表面張力が0.0728N/m程度であるのに対し、HFC-43-10meeの表面張力は0.0141N/m程度と小さい。このHFC-43-10meeの毛細管力(液面上昇高さ)h(m)は、空孔の半径をrとし、接触角を20°とすると、下記(1)式により計算することができる。
h≒1.71×10-6/r …(1)
この(1)式から、液吸収部42aの空孔径を多孔質伸縮部材45の空孔径よりも小さくすると、液吸収部42aの液吸収能力が多孔質伸縮部材45の液吸収能力よりも大きくなることがわかる。
すなわち、液吸収部42aの空孔径を多孔質伸縮部材45の空孔径よりも小さくすると、多孔質伸縮部材45に吸収された駆動媒体43が液吸収部42aに移動しやすくなる。このため、液吸収部42aの空孔径は、多孔質伸縮部材45の空孔径よりも小さくすることが好ましい。例えば、シリンダー41の最大移動量が10cm程度の場合、液吸収部42aの空孔半径を10μm以下とし、多孔質伸縮部材45の空孔半径を10μm〜20μmとすればよい。
(変形例1)
図12(a),(b)は変形例1のアクチュエータの模式図(断面図)である。図12(a),(b)において、図11(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この変形例1のアクチュエータ50は、シリンダー51の底面が内側に突出する湾曲した形状を有している。このため、図12(a),(b)のように倒立した状態で配置され、蒸発により液状の駆動媒体43が少なくなっても、液状の駆動媒体43はシリンダー51の底面の縁部に集まり、多孔質伸縮部材45に効率よく吸収される。
これにより、変形例1のアクチュエータ50は、液状の駆動媒体43の量が少なくなっても、図11(a),(b)のアクチュエータ20に比べて特性が変化しにくいという利点を有する。
(変形例2)
図13(a),(b)は変形例2のアクチュエータの(断面図)である。図13(a),(b)において、図11(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この変形例2のアクチュエータ52は、シリンダー53の底面の中央部(図13(a),(b)中に矢印Aで示す部分)に撥水処理を施している。撥水処理としては、フッ素樹脂をコーティングするなどの方法がある。この変形例2のアクチュエータ51を倒立させて配置した場合、変形例1と同様に、蒸発により液状の駆動媒体43が少なくなっても、液状の駆動媒体43はシリンダー53の底面の縁部に集まり、多孔質伸縮部材45に効率よく吸収される。なお、この場合、シリンダー53の底面の縁部に親水処理を施しておくことが好ましい。
(その他の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、いずれも熱源から支持部材22,42に熱が伝達されるものとしており、支持部材22,42の先端部に液吸収部22a,42aを配置している。しかし、熱源からシリンダー21,41に熱が伝達されることもある。この場合は、例えば図14(a),(b)のように、シリンダー41の底面側に液吸収部41aを配置すればよい。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)一端側が閉塞され、他端側が開放された筒状のシリンダーと、
前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーを移動可能に支持する支持部材と、
前記シリンダーと前記支持部材との間に封入され、温度に応じて液相と気相との間を相変化する駆動媒体とを有し、
前記支持部材の先端面及び前記シリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の前記駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
(付記2)前記液吸収部は、毛細管現象により前記液状の駆動媒体を吸収するものであることを特徴とする付記1に記載のアクチュエータ。
(付記3)液状の前記駆動媒体を吸収可能に形成され、前記液吸収部と前記シリンダーの前記閉塞面とに接触しつつ伸縮する伸縮部材を有することを特徴とする付記1又は2に記載のアクチュエータ。
(付記4)前記伸縮部材が、シート状の部材を折り畳んで形成されたものであることを特徴とする付記3に記載のアクチュエータ。
(付記5)前記液吸収部の液吸収能力が、前記伸縮部材の液吸収能力よりも高いことを特徴とする付記3に記載のアクチュエータ。
(付記6)前記液吸収部の空孔径が、前記伸縮部材の空孔径よりも小さいことを特徴とする付記3に記載のアクチュエータ。
(付記7)前記駆動媒体は、沸点が相互に異なる複数の化合物からなることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
(付記8)前記シリンダーの閉塞側の面が、内側に湾曲していることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
(付記9)発熱部品と、
前記発熱部品から発生した熱が伝達されるアクチュエータと、
前記アクチュエータにより駆動される駆動部とを有し、
前記アクチュエータが、
一端側が閉塞され、他端側が開放された筒状のシリンダーと、
前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーを移動可能に支持する支持部材と、
前記シリンダーと前記支持部材との間に封入され、温度に応じて液相と気相との間を相変化する駆動媒体とを具備し、前記支持部材の先端面及び前記シリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の前記駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられていることを特徴とする電子機器。
10,20,20a,20b,40,50,52…アクチュエータ、11,21,41,51,53…シリンダー、12,22,42…支持部材、13,23,43…駆動媒体、22a,41a,42a…液吸収部、30…サーバラック、31…サーバ、32…排気流路、33…ファン、35…シャッター、35a…固定板、35b…可動板、36…伝熱板、37…ヒートパイプ、38…CPU、45…多孔質伸縮部材。

Claims (6)

  1. 一端側が閉塞され、他端側が開放された筒状のシリンダーと、
    前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーを移動可能に支持する支持部材と、
    前記シリンダーと前記支持部材との間に封入され、温度に応じて液相と気相との間を相変化する駆動媒体とを有し、
    前記支持部材の先端面及び前記シリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の前記駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記液吸収部は、毛細管現象により前記液状の駆動媒体を吸収するものであることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 液状の前記駆動媒体を吸収可能に形成され、前記液吸収部と前記シリンダーの前記閉塞側の面とに接触しつつ伸縮する伸縮部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記液吸収部の液吸収能力が、前記伸縮部材の液吸収能力よりも高いことを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記液吸収部の空孔径が、前記伸縮部材の空孔径よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  6. 発熱部品と、
    前記発熱部品から発生した熱が伝達されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータにより駆動される駆動部とを有し、
    前記アクチュエータが、
    一端側が閉塞され、他端側が開放された筒状のシリンダーと、
    前記シリンダー内に挿入されて前記シリンダーを移動可能に支持する支持部材と、
    前記シリンダーと前記支持部材との間に封入され、温度に応じて液相と気相との間を相変化する駆動媒体とを具備し、前記支持部材の先端面及び前記シリンダーの閉塞側の面のいずれか一方に、液状の前記駆動媒体を吸収する液吸収部が設けられていることを特徴とする電子機器。
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