JP5765045B2 - ループ型ヒートパイプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ループ型ヒートパイプ及びその製造方法に関する。
ループ型ヒートパイプは作動流体の相変化を利用して熱を移送する装置であり、CPU(Central Processing Unit)やその他の電子部品の冷却に使用されている。
ループ型ヒートパイプは、蒸発器と、凝縮器と、それらの蒸発器と凝縮器との間を連絡する蒸気管及び液管とを有し、内部には水、メタノール又はエタノール等の作動流体が封入されている。
例えば電子部品を冷却する場合は、蒸発器に電子部品が熱的に接続される。また、凝縮器には放熱用フィンが配置され、冷却ファン等により放熱用フィンに冷風が供給される。
蒸発器では、電子部品で発生した熱により作動流体が液相から気相に変化する。この気相に変化した作動流体は、蒸気管を通って凝縮器に移動する。凝縮器では、放熱用フィン及び冷却ファンにより冷却されて、作動流体が気相から液相に変化する。凝縮器で液相に変化した作動流体は、液管を通って蒸発器に戻る。この作動流体の移動と相変化とにともなって蒸発器から凝縮器に熱が移送され、電子部品が冷却される。
特開2009−139083号公報 特開2002−22379号公報 特開2008−57806号公報
従来に比べてより一層の薄型化が可能であって高性能なループ型ヒートパイプ及びその製造方法を提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、ウイックが配置された内部空間を有する蒸発器と、凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置されて気相の作動流体が通る蒸気管と、前記凝縮器と前記蒸発器との間に配置されて液相の作動流体が通る液管とを有し、前記ウイックは、一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の樹脂又はセラミック製の支持体と、前記支持体の前記孔内に充填された多孔質構造体とを有するループ型ヒートパイプが提供される。
開示のループ型ヒートパイプによれば、板状の支持体と該支持体の孔内に配置された多孔質構造体とを有するウィックを使用しているので、従来に比べて蒸発器をより一層薄型化且つ高性能化することができる。
図1は、ループ型ヒートパイプの一例を表した平面図である。 図2(a),(b)は、図1のループ型ヒートパイプの蒸発器の断面図である。 図3は、実施形態に係るループ型ヒートパイプの平面図である。 図4は、実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器の断面図である。 図5(a)はウィックの模式的平面図、図5(b)は同じくそのウィックの模式的断面図である。 図6は、面心立方最密充填構造を形成したポリスチレン粒子と、そのポリスチレン粒子間に充填されたシリカ粒子とを模式的に表した図である。 図7は、ポリスチレン粒子を溶解除去して球状の空孔が形成された多孔質構造体を模式的に表した図である。 図8は、実施形態に係るループ型ヒートパイプを実装した電子機器の一例を表した図である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1は、ループ型ヒートパイプの一例を表した平面図である。
図1に例示したループ型ヒートパイプ10は、補助チャンバ11と、蒸発器12と、凝縮器14と、蒸発器12と凝縮器14との間を連絡する蒸気管13と、凝縮器14と補助チャンバ11との間を連絡する液管15とを有している。また、ループ型ヒートパイプ10内には、水、メタノール又はエタノール等の作動流体が封入されている。
補助チャンバ11は蒸発器12に隣接して配置されている。この補助チャンバ11には液相の作動流体が一時的に貯留され、補助チャンバ11から蒸発器12に液相の作動流体が供給される。
蒸発器12は、CPU等のように稼動にともなって発熱する電子部品(発熱体)に熱的に接続される。電子部品から蒸発器12に熱が伝達されると、蒸発器12内で作動流体が蒸発して気相に変化する。作動流体が液相から気相に変化するときには、周囲から蒸発熱に相当する熱を吸収する。これにより、蒸発器12が冷却され、更に蒸発器12に熱的に接続された電子部品が冷却される。
蒸発器12で気相に変化した作動流体は、蒸気管13を通って凝縮器14に移動する。凝縮器14には例えば放熱フィンや冷却ファンが設けられており、凝縮器14に到達した気相の作動流体は放熱フィンや冷却ファンにより冷却されて液相に戻る。そして、液相に戻った作動流体は、液管15を通って補助チャンバ11に移動する。
図2(a),(b)は蒸発器12の断面図である。図2(a)は図1のI−I線による断面を表し、図2(b)は図2(a)のII−II線の位置における断面を表している。
蒸発器12は、受熱部21と、ほぼ台形の断面を有し受熱部21と一体的に形成された伝熱ブロック22と、多孔質体により形成された円柱状のウィック23とを有し、受熱部21が電子部品に熱的に接続される。
伝熱ブロック22にはウィック23を配置する円柱状の空間が設けられている。ウィック23の中心部には補助チャンバ11に連絡する空洞が設けられており、外面には中心軸と平行な方向に延びて蒸気管13に連絡する複数のグルーブ(蒸気排出溝)24が設けられている。
補助チャンバ11からウィック23の中心部の空洞に液相の作動流体が流入すると、作動流体はウィック23内に浸透し、毛細管現象によって中心部から外周部側に移動する。そして、ウィック23の外周部に移動した作動流体は、電子部品から受熱部21及び伝熱ブロック22を介して伝達された熱により蒸発して気相に変化する。
ところで、近年、電子機器の小型化及び高性能化が促進されている。それにともなって、電子部品の小型化及び薄型化とともに、ループ型ヒートパイプの小型化及び薄型化が要求されている。しかし、図1のループ型ヒートパイプ10では円柱状のウィック23を使用しており、薄型化には限界がある。
(実施形態)
図3は、実施形態に係るループ型ヒートパイプの平面図である。
この図3のように、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ30は、補助チャンバ31と、蒸発器32と、凝縮器34と、蒸発器32と凝縮器34との間を連絡する蒸気管33と、凝縮器34と補助チャンバ31との間を連絡する液管35とを有している。また、ループ型ヒートパイプ30内には、水、メタノール又はエタノール等の作動流体が封入されている。
図4は、蒸発器32の断面図である。この図4のように、蒸発器32は、受熱部41と、ハウジング部42と、平板状のウィック43とを有する。
受熱部41は、銅又はアルミニウム等のように熱伝導性が良好な金属により形成された平板状の部材であり、CPU等の電子部品(発熱体)に熱的に接続される。
ハウジング部42は受熱部41に接合されて、受熱部41との間に作動流体が通る空間を形成する。なお、ハウジング部42の材料は特に限定されるものではないが、例えば銅、アルミニウム又はステンレス等の金属により形成すればよい。
ウィック43はその縁部の上側及び下側に配置された支持部材44により支持されて、受熱部41とハウジング部42とにより形成される空間内に配置されている。この平板状のウィック43により、受熱部41とハウジング部42とにより形成される空間が、上側の作動液流路45aと下側の蒸気流路45bとに分割されている。作動液流路45aは作動流体入口部42aを介して補助チャンバ31に連絡しており、蒸気流路45bは作動流体出口部42bを介して蒸気管33に連絡している。
図5(a)はウィック43の模式的平面図、図5(b)は同じくそのウィック43の模式的断面図である。図5(b)は、図5(a)のIII−III線による断面を表している。
この図5(a),(b)のように、ウィック43は、作動液流路45a側の面から蒸気流路45b側の面に貫通する多数の細孔46aを有する薄板状の支持体46と、細孔46a内に充填された多孔質構造体47とを有する。多孔質構造体47は球状の空孔が3次元方向につながった構造を有し、骨格部はシリカにより形成されている。
以下、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ30の動作について説明する。ここでは、蒸発器32の受熱部41にCPU等の電子部品(発熱体)が熱的に接続されているものとする。
補助チャンバ31に貯留された液相の作動流体は、作動流体入口部42aを介して蒸発器32の作動液流路45a内に流入する。そして、作動液流路45a内に流入した作動流体は、ウィック43の多孔質構造体47の空孔内に浸透し、毛細管現象によりウィック43の厚み方向に移動する。
ウィック43の蒸気流路45b側に移動した作動流体は、電子部品から受熱部41を介して伝達された熱により蒸発して、気相に変化する。作動流体が液相から気相に変化するときには、周囲から蒸発熱に相当する熱を吸収する。これにより、受熱部41が冷却され、更に受熱部41に熱的に接続された電子部品が冷却される。
また、作動流体が液相から気相に変化するときには体積が膨張するため、ウィック43の蒸気流路45b側では圧力が高くなる。このとき、ウィック43(多孔質構造体47)内は液相の作動流体で満たされているため、気相となった作動流体はウィック43内を通ることができず、作動流体出口部42bから蒸気管33を通って凝縮器34に移動する。
凝縮器34に到達した作動流体は、放熱用フィン及び送風ファン等により冷却されて液相に戻る。そして、液相に戻った作動流体は、蒸気管33を通る気体の圧力により凝縮器34から押し出され、液管34を通って補助チャンバ31に移動する。
このようにして、ループ型ヒートパイプ30内の作動流体は、気相と液相とに相変化しながら、補助チャンバ31、蒸発器32、蒸気管33、凝縮器34、液管35の順に移動する。そして、作動流体の移動にともなって、蒸発器32の受熱部41に熱的に接続された電子部品が冷却される。
以下、ウィック43の製造方法の一例について説明する。
まず、粒径がほぼ均一のシリカ粒子と、粒径がほぼ均一のポリスチレン粒子とを用意する。
本実施形態では、後述するようにポリスチレン粒子を鋳型としたレプリカ法により多孔質構造体47を作製するため、多孔質構造体47の空孔の大きさはポリスチレン粒子の粒径により決まる。この場合、ポリスチレン粒子の粒径が200nmよりも小さいと、多孔質構造体47の空孔が小さくなりすぎて、多孔質構造体47内を作動流体が移動するときの抵抗が大きくなる。一方、ポリスチレン粒子の粒径が600nmを超えると、多孔質構造体47の毛細管力が小さくなって、作動流体が移動しにくくなる。従って、ポリスチレン粒子の粒径は200nm〜600nmとすることが好ましい。
一方、シリカ粒子は多孔質構造体47の骨格材料となる。シリカ粒子の粒径は特に限定されるものではないが、後述するようにポリスチレン粒子の間にシリカ粒子のコロイド結晶を形成するためには、3nm〜90nmとすることが好ましい。本実施形態では、ポリスチレン粒子の粒径が500nm、シリカ粒子の粒径が70nmであるとする。
次に、シリカ粒子を水又はアルコール等の分散媒(液体)に混合してコロイド懸濁液とする。そして、このコロイド懸濁液にポリスチレン粒子を混合する。ここでは、分散媒として水を使用し、シリカ粒子とポリスチレン粒子との体積比が1:4となるように混合するものとする。
この場合、シリカ粒子の密度が2.0g/cm3、ポリスチレン粒子の密度が1.0g/cm3とし、シリカ粒子とポリスチレン粒子と水との体積分率が0.5:2.0:97.5とすると、重量分率は1(シリカ):2(ポリスチレン):97(水)となる。
つまり、この場合は、懸濁液中のシリカ濃度は1wt%となる。懸濁液中のシリカ濃度が0.01wt%未満の場合は、ポリスチレン粒子間の隙間に充填するシリカ粒子の量が少なくなり、多孔質構造体47の骨格強度が低くなる。また、懸濁液中のシリカ濃度が50wt%を超えると、懸濁液の粘度が高くなってポリスチレン粒子間の隙間にシリカ粒子が十分に充填されなくなる。このため、懸濁液中のシリカ濃度は0.01wt%〜50wt%の範囲内とすることが好ましい。
次に、細孔が設けられた支持体46を用意する。支持体46としては、ガラス板、セラミック板、フッ素樹脂若しくはポリカーボネート等の樹脂により形成された樹脂フィルム、又は銅、アルミニウム若しくはステンレス等の金属により形成された金属板を使用することができる。支持体46の厚みが薄すぎると十分な強度を確保することができず、支持体46の厚みが厚すぎると蒸発器32を薄型化することができなくなる。このため、支持体46の厚みは、5μm〜1mm程度とすることが好ましい。
また、細孔の直径が小さすぎると細孔内に充填できる多孔質構造体47の量が少なくなり、作動流体が移動しにくくなる。一方、細孔の直径が大きすぎると細孔内に多孔質体47を保持しにくくなり、強度が低下する。このため、細孔の直径は0.5μm〜10μm程度とすることが好ましい。
ここでは、支持体46として、ポリカーボネートタイプメンブレンフィルタK800A(アドバンテック東洋株式会社販売)を使用するものとする。このメンブレンフィルタの厚みは7μm、細孔の直径は8μm、孔の面密度は1×105個/cm2である。
なお、支持体46として、図5のように上から下に貫通する細孔46aが設けられた部材に限らず、スポンジ状の空孔を有する部材を使用してもよい。このような部材として、例えば親水性PTFE(polytetrafluoroethylene)タイプメンブレンフィルタH100A(アドバンテック東洋株式会社販売)などがある。
また、ここでは支持体46として市販のメンブレンフィルタを使用しているが、市販のメンブレンフィルタによらず、板状の部材に細孔を形成して支持体としてもよいことは勿論である。
次に、支持体46の上に前述した懸濁液を滴下し、分散媒(水)を蒸発させて支持体46の細孔46a内にポリスチレン粒子とシリカ粒子とを充填する。このとき、分散媒の蒸発にともなってポリスチレン粒子間に横毛管力がはたらき、ポリスチレン粒子が自己集積して面心立方最密充填構造を形成する。すなわち、ポリスチレン粒子がその近傍のポリスチレン粒子と相互に接触する。これと同様に、分散媒の蒸発にともなってシリカ粒子間にも横毛管力がはたらき、ポリスチレン粒子間のスペースに最密充填構造のシリカ粒子が充填される。
図6は、面心最密充填構造を形成したポリスチレン粒子52と、そのポリスチレン粒子52間に充填されたシリカ粒子51とを模式的に表した図である。ポリスチレン粒子52が面心立方最密構造を形成する場合、体積分率の約74%をポリスチレン粒子52が占め、約26%をシリカ粒子51が占めることになる。
次に、支持体46の細孔46a内に充填された懸濁液を乾燥させて固化する。固化の方法は特に限定されないが、例えば減圧乾燥、加熱乾燥、冷凍乾燥、伝導乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥又は超音波乾燥などの方法を用いることができる。
なお、支持体46の細孔46a中に充填するポリスチレン粒子及びシリカ粒子の総量に対するポリスチレン粒子の重量分率は、0.01wt%〜90wt%とすることが好ましい。ポリスチレン粒子の重量分率を上記の範囲内とすることにより、ポリスチレン粒子は3次元周期性が優れた最密充填構造を形成する。ポリスチレン粒子及びシリカ粒子の総量に対するポリスチレン粒子の重量分率のより好ましい範囲は、0.1wt%〜50wt%である。
次いで、支持体46を例えばトルエン、アセトン又はテトラヒドロフラン等の有機溶剤に浸漬して、ポリスチレン粒子を溶解除去する。これにより、図7のようにポリスチレン粒子が配置されていた部分に球状の空孔53が形成され、球状の空孔53が3次元方向に配列したいわゆる逆オパール構造の多孔質構造体47が得られる。このようにして、ウィック43の製造が完了する。
本実施形態においては、上述したように薄板状のウィック43を使用している。これにより、図2に示す円柱状のウィック23を使用した蒸発器22に比べて薄型化することができる。
また、本実施形態では、多孔質構造体47を支持体46の細孔46a内に充填している。そして、多孔質構造体47は、ポリスチレン粒子に対応する大きさの微細な空孔が連続した構造を有している。これにより、強い毛細管力を得ることができる。
更に、本実施形態では多孔質構造体47が支持体46に保持されているため、多孔質構造体のみでウィックを形成した場合に比べてウィック43の強度が著しく向上する。このため、前述したようにウィック44を5μm〜1mm程度に薄くしても、十分な強度を確保することができる。
更にまた、本実施形態では、多孔質構造体47の空孔が球形を連続した形状となるので、作動流体と多孔質構造体47との接触面積が大きい。これにより、作動流体に熱を効率よく伝達することができ、作動流体を効率よく蒸発(気化)させることができる。その結果、熱移送能力が向上する。
更にまた、本実施形態ではウィック43の支持体46として熱伝導性が比較的小さい樹脂を使用している。このため、ウィック43から補助チャンバ31への熱リークが抑制でき、蒸発器32内で作動流体をより一層効率的に蒸発させることができる。
なお、上述の実施形態ではシリカ粒子を用いて多孔質構造体47の骨格を形成しているが、これにより多孔質構造体47の骨格材料がシリカ粒子に限定されるものではない。例えば、多孔質構造体47の骨格材料として、チタニア(酸化チタン)やジルコニア等の微粒子を用いてもよい。
また、本実施形態では多孔質構造体47の空孔を形成するためにポリスチレン粒子を用いているが、ポリスチレン粒子に替えて、PMMA(ポリ(メタ)アクリル酸メチル)、ポリメタクリル酸エステル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリベンジル(メタ)アクリレート、ポリフェニレンメタクリレート、ポリシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリウレタン等の樹脂の粒子を用いてもよい。
更に、上述の実施形態ではポリスチレン粒子を有機溶剤に溶解させて空孔を形成しているが、支持体46としてセラミック板等の耐熱性を有する部材を使用した場合は、高温で熱処理してポリスチレン粒子を消失させて空孔を形成してもよい。
(電子機器)
図8は、上述の実施形態に係るループ型ヒートパイプ30を実装した電子機器の一例を表した図である。なお、ここでは電子機器がコンピュータの場合について説明しているが、コンピュータ以外の電子機器にループ型ヒートパイプ30を使用してもよいことは勿論である。
コンピュータ60は、CPU65が実装された配線基板61と、筺体内に冷風を取り入れるための冷却ファン62と、ハードディスクドライブ(記憶装置)63と、電源部64とを有している。
ループ型ヒートパイプ30は、その蒸発器32がCPU65の上に配置され、凝縮器34が冷却ファン62の近傍に配置されている。蒸発器32は、図4のように、受熱部41と、ハウジング部42と、平板状のウィック43とを有している。
本実施形態に係る電子機器(コンピュータ60)は、上述した構造のループ型ヒートパイプ30を搭載しているので、CPU65を効率よく冷却することができる。また、ループ型ヒートパイプ30の蒸発器32の厚みが薄い分、電子機器を小型化(薄型化)することができる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)ウィックが配置された内部空間を有する蒸発器と、
凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置されて気相の作動流体が通る蒸気管と、
前記凝縮器と前記蒸発器との間に配置されて液相の作動流体が通る液管とを有し、
前記ウィックは、
一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の支持体と、前記支持体の前記孔内に充填された多孔質構造体とを有することを特徴とするループ型ヒートパイプ。
(付記2)前記蒸発器の内部空間は、前記ウィックにより、前記液相の作動流体が流入する作動液流路と前記気相の作動流体が通流する蒸気流路とに分割され、前記蒸気流路側には発熱体に熱的に接続される受熱部が設けられていることを特徴とする付記1に記載のループ型ヒートパイプ。
(付記3)前記多孔質構造体は、前記ウィックの一方の面側から他方の面側まで連なった複数の球状の空孔を有することを特徴とする付記1又は2に記載のループ型ヒートパイプ。
(付記4)前記支持体が、樹脂、金属及びセラミックのいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のループ型ヒートパイプ。
(付記5)前記多孔質構造体の骨格部が、シリカ、チタニア及びジルコニアのうちのいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のループ型ヒートパイプ。
(付記6)板状のウィックを備えたループ型ヒートパイプの製造方法であって、
第1の粒子と、前記第1の粒子と粒径及び材質が異なる球状の第2の粒子とを分散媒に分散させて混合液とする工程と、
一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の支持体を用意し、該支持体の前記孔内に前記混合液を浸入させる工程と、
前記混合液を蒸発させて前記支持体の前記孔内に前記第1の粒子と前記第2の粒子とを残留させる工程と、
前記第2の粒子を除去して前記支持体の前記孔内に多孔質構造体を形成する工程と、
を実施して前記ウィックを形成することを特徴とするループ型ヒートパイプの製造方法。
(付記7)前記第1の粒子が、シリカ粒子、チタニア粒子及びジルコニア粒子のいずれかであることを特徴とする付記6に記載のループ型ヒートパイプの製造方法。
(付記8)前記第2の粒子が、溶剤に溶解可能な樹脂により形成されていることを特徴とする付記6又は7に記載のループ型ヒートパイプの製造方法。
(付記9)前記第1の粒子の粒径が3nm乃至90nmであり、前記第2の粒子の粒径が200nm乃至600nmであることを特徴とする付記6乃至8のいずれか1項に記載のループ型ヒートパイプの製造方法。
(付記10)電子部品と、
ウィックが配置された内部空間を有し、前記電子部品に熱的に接続された蒸発器を備えたループ型ヒートパイプとを有し、
前記ウィックは、
一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の支持体と、前記支持体の前記孔内に充填された多孔質構造体とを有することを特徴とする電子機器。
10…ループ型ヒートパイプ、11…補助チャンバ、12…蒸発器、13…蒸気管、14…凝縮器、15…液管、21…受熱部、22…伝熱ブロック、23…ウィック、24…グルーブ、30…ループ型ヒートパイプ、31…補助チャンバ、32…蒸発器、33…蒸気管、34…凝縮器、35…液管、41…受熱部、42…ハウジング部、43…ウィック、44…支持部材、45a…作動液流路、45b…蒸気流路、46…支持体、46a…細孔、47…多孔質構造体、51…シリカ粒子、52…ポリスチレン粒子、60…コンピュータ(電子機器)、61…配線基板、62…冷却ファン、63…ハードディスクドライブ、64…電源部、65…CPU(電子部品)。

Claims (5)

  1. ウイックが配置された内部空間を有する蒸発器と、
    凝縮器と、
    前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置されて気相の作動流体が通る蒸気管と、
    前記凝縮器と前記蒸発器との間に配置されて液相の作動流体が通る液管とを有し、
    前記ウイックは、
    一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の樹脂又はセラミック製の支持体と、前記支持体の前記孔内に充填された多孔質構造体とを有することを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  2. 前記蒸発器の内部空間は、前記ウイックにより、前記液相の作動流体が流入する作動液流路と前記気相の作動流体が通流する蒸気流路とに分割され、前記蒸気流路側には発熱体に熱的に接続される受熱部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記多孔質構造体は、前記ウイックの一方の面側から他方の面側まで連なった複数の球状の空孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 板状のウイックを備えたループ型ヒートパイプの製造方法であって、
    第1の粒子と、前記第1の粒子と粒径及び材質が異なる球状の第2の粒子とを分散媒に分散させて混合液とする工程と、
    一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の樹脂又はセラミック製の支持体を用意し、該支持体の前記孔内に前記混合液を浸入させる工程と、
    前記混合液を蒸発させて前記支持体の前記孔内に前記第1の粒子と前記第2の粒子とを残留させる工程と、
    前記第2の粒子を除去して前記支持体の前記孔内に多孔質構造体を形成する工程と、
    を実施して前記ウイックを形成することを特徴とするループ型ヒートパイプの製造方法。
  5. 電子部品と、
    ウイックが配置された内部空間を有し、前記電子部品に熱的に接続された蒸発器を備えたループ型ヒートパイプとを有し、
    前記ウイックは、
    一方の面側から他方の面側に貫通する複数の孔が設けられた板状の樹脂又はセラミック製の支持体と、前記支持体の前記孔内に充填された多孔質構造体とを有することを特徴とする電子機器。
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