JP5634756B2 - 防爆構造誘導加熱装置 - Google Patents

防爆構造誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5634756B2
JP5634756B2 JP2010131496A JP2010131496A JP5634756B2 JP 5634756 B2 JP5634756 B2 JP 5634756B2 JP 2010131496 A JP2010131496 A JP 2010131496A JP 2010131496 A JP2010131496 A JP 2010131496A JP 5634756 B2 JP5634756 B2 JP 5634756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction heating
reaction kettle
explosion
gas
heating coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010131496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011258392A (ja
Inventor
伸朗 長
伸朗 長
義一 小野
義一 小野
石川 哲也
哲也 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ITO KOKI CO., LTD.
Nihon Dennetsu Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
ITO KOKI CO., LTD.
Nihon Dennetsu Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ITO KOKI CO., LTD., Nihon Dennetsu Co Ltd, Chubu Electric Power Co Inc filed Critical ITO KOKI CO., LTD.
Priority to JP2010131496A priority Critical patent/JP5634756B2/ja
Publication of JP2011258392A publication Critical patent/JP2011258392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5634756B2 publication Critical patent/JP5634756B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

本発明は、液体を加熱する反応釜と、該反応釜を外側から誘導加熱により加熱する誘導加熱構造と、反応釜を保護する防爆構造と、を備えた防爆構造誘導加熱装置に関する。更に詳しくは、誘導加熱コイルの変形を抑えると共に露出を防止し、また反応釜の保温効果を高めることのできる防爆構造誘導加熱装置に関する。
従来より、化学製品や食品の製造プロセスにおいて、原料液に対して、例えば200〜300℃程度の加熱を行う際に反応釜が用いられていた。この種の反応釜では、工場に集中配置されたガスや重油焚きのボイラによって250〜350℃の高温に加熱された熱媒油を、工場内の10〜200メートル程度の配管を介して反応釜の周囲に供給することで反応釜を加熱していた。しかしながら、この種の加熱装置では、大規模なボイラや配管を必要とする上に、熱媒油は例えばアルキルベンゼンやアルキルナフタリン等であり引火し易いため、熱媒油の漏れ防止や引火防止のための設備もまた大掛かりになっていた。このため、加熱装置の小型化・簡素化が望まれていた。
これを解決するために、近年では、反応釜を誘導加熱により発熱させる誘導加熱装置を備えた反応釜が開発されている。この種の誘導加熱装置は、ボイラや配管構造を必要とせず、反応釜の周囲に直接取り付けられる。そして、この誘導加熱装置の構造としては、例えば、セラミックスまたはプラスチック製の円筒ケースに誘導加熱コイルを巻き付け、その外周にシリコンシートを巻き付けて、更にその外周をアルミニウム製の円筒カバーで覆って成る構造が知られている(特許文献1を参照)。この円筒状の誘導加熱装置は、セラミックス製の円筒状の断熱材を介して反応釜の周囲に取り付けられる。
特開2009−119314号公報
このような、特許文献1に示すような誘導加熱装置では、誘導加熱コイルは円筒ケースに巻き付けられること及び外周側からシリコンシートを巻き付けられることでのみ固定されているので、固定力が弱く、加熱時に誘導加熱コイルが熱膨張で伸張すると容易に変形してしまい、コイルがケースから飛び出して露出してしまう。また、反応釜を保温するために誘導加熱装置との間に断熱材が介在されているが、十分な保温効果を確保するためには断熱材を厚くせざるを得ず、その周囲に誘導加熱コイルを設ける構造であることから装置全体が大型化してしまう。更に、誘導加熱コイルの周囲はシリコンシートのみにより絶縁されていると共に誘導加熱コイルの表面は何も被覆されていないので、シリコンシートは熱劣化等により亀裂を生じ易いことから絶縁性の確保が困難である。
本発明は、前記現状に鑑みてなされたものであり、誘導加熱コイルの変形や露出を防止し、また反応釜の保温効果を高めることのできる防爆構造誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、反応釜と、該反応釜を加熱するための誘導加熱モジュールと、防爆装置と、を備え、前記誘導加熱モジュールは、冷却用気体が流通可能な金属管を前記反応釜の外周に取り巻いてコイル状に形成した誘導加熱コイルを具備し、該金属管にガラス繊維チューブを被せ、さらに耐熱材によりモールドして形成され前記防爆装置は、前記反応釜の少なくとも前記誘導加熱モジュールが設けられた部分を収容する密閉ケースと、前記密閉ケースの外部から前記誘導加熱コイルの一方の開口端に前記冷却用気体を導入する気体導入路と、前記誘導加熱コイルの他方の開口端から前記冷却用気体を前記密閉ケース内に放出する気体放出口と、前記冷却用気体を前記密閉ケースの外部に排出するための気体排出弁と、を備え、空気又は不活性ガスを前記気体導入路に常時供給して前記誘導加熱コイルを冷却すると共に、前記密閉ケース内を外気圧よりも高い所定の気圧に保つことを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項記載において、前記誘導加熱モジュールは複数であり、前記気体導入路は複数の前記誘導加熱モジュールに分岐して並列して接続され、それぞれの前記誘導加熱モジュールの前記気体放出口から前記密閉ケース内に前記冷却用気体が排出されることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記誘導加熱モジュールは複数であると共に、前記誘導加熱モジュールごとに別個に接続されたインバータを備えることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項記載において、前記耐熱材は耐熱セメントであることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項記載において、前記反応釜の上下方向中央部より上側の外周面に温度センサを備えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明の防爆構造誘導加熱装置によれば、誘導加熱モジュールは、誘導加熱コイルを耐熱材によりモールドして形成されているので、誘導加熱コイルの固定力を高めることができる。このため、従来のように誘導加熱コイルの固定力が弱い場合に比べて、加熱時に誘導加熱コイルが熱膨張により伸張及び拡径しても誘導加熱コイルの変形を抑えて加熱力の変化を防止することができる。また、耐熱材が反応釜の周囲を取り囲むので、反応釜の保温断熱を図ることができる。更に、誘導加熱コイルを耐熱材でモールドすることで、誘導加熱コイルの絶縁性を高めることができる。
また、誘導加熱コイルにはガラス繊維チューブが被せられているので、加熱時に誘導加熱コイルが熱により伸長及び拡径しても、ガラス繊維チューブが誘導加熱コイルと耐熱材との間の緩衝材及び滑り材として機能して、耐熱材の破損を防止することができ、誘導加熱コイルの露出を防止し電気的絶縁性の低下を防ぐことができる。更に、万が一、耐熱材に亀裂が入った場合でも、誘導加熱コイルの表面はガラス繊維チューブで被覆されており露出を防止することができる。
そして、防爆装置において空気又は不活性ガスを気体導入路に常時供給して誘導加熱コイルを冷却するので、反応釜を冷却することなく誘導加熱コイルのみを冷却することができる。しかも、密閉ケース内を外気圧よりもやや高い所定の気圧に保っているので、例えば他の場所から漏れてきた可燃性ガスが密閉ケース内に入り込むことを防止し、誘導加熱モジュール及び反応釜の高温部と可燃性ガスとの接触を防止して防爆性能を保持することができる。更に、誘導加熱コイルを冷却した後の気体を利用して密閉ケース内を正圧にしているので、気体の供給設備を簡素化することができる。
また、請求項に記載の発明によると、複数の誘導加熱モジュールを備えているので、誘導加熱モジュールごとに加熱の程度を異ならせて制御することができる。このため、例えば、反応釜の液量が多い時は全ての誘導加熱モジュールを作動させるようにし、また液量が少ない時は下の方の誘導加熱モジュールのみを作動させるようにして過熱防止と省エネルギ化を図り、液量に応じて無駄無く局所加熱制御するようにできる。更に、気体導入路が複数の誘導加熱モジュールに分岐して並列して接続されているので、各誘導加熱コイルに供給される冷却用空気の温度を均一化することができる。このため、全ての誘導加熱コイルを均等に温度制御することができる。
そして、請求項に記載の発明によると、複数の誘導加熱モジュールごとに別個に接続されたインバータを備えているので、それぞれのインバータにより誘導加熱モジュールごとの制御を実現できるので、反応釜の高さ方向において異なる温度の制御をすることができる。
また、請求項に記載の発明によると、耐熱材が耐熱セメントであるので、誘導加熱コイルの固定力及び絶縁性を更に高めることができる。
また、請求項に記載の発明によると、反応釜の上下方向中央部より上側の外周面に温度センサを備えているので、制御異常による過昇温だけでなく、空焚きによる過昇温も検知することができる。
本実施例に係る防爆構造誘導加熱装置の中央縦断面側面図である。 複数の誘導加熱モジュールを示す斜視図である。 誘導加熱モジュール及び防爆装置における配管及び配線を示す概略図である。 誘導加熱モジュールの製造工程を示す斜視図であり、(A)は誘導加熱コイルをスペーサにより保持した状態、(B)はそれを耐熱セメントでモールドした状態である。
以下、図1〜4を参照しながら本発明の防爆構造誘導加熱装置を詳しく説明する。ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明に係る防爆構造誘導加熱装置は、反応釜と、該反応釜を加熱するための誘導加熱モジュールと、防爆装置と、を備えたものである(例えば、図1等参照)。
上記「反応釜」は、例えば化学製品や食品の製造プロセスにおいて、原料液を加熱するためのものである限り、その形状、構造、材質、耐熱温度等は特に問わない。加熱温度としては、例えば200〜300℃程度の加熱とする。反応釜は、例えば、上部に設けられた原料液流入口と、下部に設けられた反応液流出口と、内部に設けられた撹拌プロペラと、該撹拌プロペラを回転させるモータと、を備えたものとできる。反応釜の上下方向中央部より上側の外周面には温度センサを備えるようにできる。
上記「誘導加熱モジュール」は、冷却用気体が流通可能な金属管を反応釜の外周に取り巻いてコイル状に形成した誘導加熱コイルを具備し、該金属管にガラス繊維チューブを被せ、さらに耐熱材(好ましくは耐熱セメント)によりモールドして形成されたものであり、誘導加熱コイルへの通電により反応釜を誘導加熱する限り、その形状、構造、材質等は特に問わない(例えば、図2等参照)。金属管を銅又は銅合金の管とした場合の外径は、例えば、8〜20mm(好ましくは肉厚が0.8〜1.2mmで且つ外径が10〜16mm、特に肉厚が1mmで且つ外径が12〜14mm)であることができる。さらに、ガラス繊維チューブとしては、例えば、ガラス繊維の編物、織物、不織布等を挙げることができる。このガラス繊維チューブの内径は、誘導加熱コイル(金属管)の外径より所定値(例えば、2〜3mm)大きなものを選択して誘導加熱コイルと耐熱材との間に空間を持たせることができる。例えば、誘導加熱コイルの外径が12mmのときはガラス繊維チューブの内径が14mmのものを選択することができる。また、冷却用気体としては、窒素等の不活性ガスや空気とすることができる。この誘導加熱モジュールは例えば円筒形状であり、その内径は反応釜の外径に合わせて数種類に標準化することができる。この内径の標準化としては、例えば600mm,1150mm,1400mmの3種類とすることができる。
上記「防爆装置」は、反応釜の誘導加熱モジュール取付部部分を収容する密閉ケースと、誘導加熱コイルの一方の開口端に冷却用気体を導入する気体導入路と、誘導加熱コイルの他方の開口端から冷却用気体を放出する気体放出口と、冷却用気体を密閉ケースの外部に排出する気体排出弁と、を備えたものである限り、その形状、構造、材質等は特に問わない(例えば、図3等参照)。密閉ケースは、反応釜の少なくとも誘導加熱モジュールが設けられた部分を収容し、外気圧よりもやや高い所定の気圧に保たれている限り、その形状、構造、材質等は特に問わない。密閉ケースとしては、例えばアルミニウム合金製とすることができる。密閉ケース内の気圧としては、例えば外気圧との差圧をプラス0.5kPa(キロパスカル)程度とすることができる。気体導入路は、密閉ケースの外部から誘導加熱コイルの一方の開口端に冷却用気体を導入し、冷却用気体を気体導入路に常時供給して誘導加熱コイルを冷却する限り、その形状、構造、材質等は特に問わない。気体導入路と誘導加熱コイルとは、例えば、耐熱電気絶縁性のゴムチューブ(例えば、シリコンゴムチューブ等)により両者間に電気的絶縁空間を保って連結するようにできる。気体放出口は、誘導加熱コイルの他方の開口端から冷却用気体を密閉ケース内に放出する限り、その形状、構造、材質等は特に問わない。気体排出弁は、冷却用気体を密閉ケースの外部に排出する限り、その形状、構造、材質等は特に問わない。
また、誘導加熱モジュールは複数であるようにできる。この場合、誘導加熱モジュールごとに別個に接続されたインバータを備えて、各誘導加熱モジュールを別個に制御するようにできる。例えば、反応釜の液量が多い時は全ての誘導加熱モジュールを作動させるようにし、また液量が少ない時は下の方の誘導加熱モジュールのみを作動させるようにして過熱防止と省エネルギ化を図り、液量に応じて無駄無く局所加熱制御するようにできる。ここで、インバータによる制御周波数としては、例えば、20〜23kHzとすることができる。
更に、誘導加熱モジュールが複数である場合、気体導入路は複数の誘導加熱モジュールに分岐して並列して接続され、それぞれの誘導加熱モジュールの気体放出口から密閉ケース内に冷却用気体が排出されるようにできる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)防爆構造誘導加熱装置の構成
本実施例に防爆構造誘導加熱装置1は、図1に示すように、反応釜2と、該反応釜2を加熱するための誘導加熱モジュール3と、防爆装置4と、を備えたものである。
反応釜2は、例えば化学製品や食品の製造プロセスにおいて、原料液を例えば200〜300℃程度に加熱するためのものとしている。反応釜2の材質としては、本実施例ではオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS310S)やオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(例えばSUS329J4L)を使用している。反応釜2は、上部に設けられた原料液流入口5と、下部に設けられた反応液流出口6と、内部に設けられた撹拌プロペラ7と、該撹拌プロペラ7を回転させるモータ8と、を備えている。
誘導加熱モジュール3は、図1及び図2に示すように、冷却用気体9が流通可能な金属管を反応釜2の外周に取り巻いてコイル状に形成した誘導加熱コイル10を具備し、該金属管にガラス繊維チューブ11を被せ、さらに耐熱セメント12によりモールドして形成されたものであり、誘導加熱コイル10への通電により反応釜2を誘導加熱する。耐熱セメント12としては、本実施例ではセラミック系の東和キャスタブル(東和耐火工業(株)製)やアサヒアルミナセメント(AGCセラミック(株)製)を使用している。誘導加熱コイル10としては、銅製又は銅合金製の金属管からなり、本実施例では無酸素銅(例えばC1020T)・りん脱酸銅(例えばC1201T)等の継目無管を使用している。冷却用気体9は窒素としている。この誘導加熱モジュール3は円筒形状であり、その内径は反応釜2の外径に合わせて600mm,1150mm,1400mmの3種類に標準化して形成しており、適宜なものを選択して使用している。
また、誘導加熱モジュール3は、反応釜2の外周部に4箇所、下部に1箇所設けられている。更に、これらの誘導加熱モジュール3は外側から固定用耐熱セメント24により固定されている。そして、図3に示すように、誘導加熱モジュール3ごとに別個に接続されたインバータ13を備えて、各誘導加熱モジュール3を別個に制御可能としている。インバータ13による制御周波数としては、20〜23kHzとしている。
防爆装置4は、反応釜2の外周部及び下部の全体を収容する密閉ケース14と、誘導加熱コイル10の一方の開口端15に冷却用気体9を導入する気体導入路16と、誘導加熱コイル10の他方の開口端17から冷却用気体9を密閉ケース14内に放出する気体放出口18と、密閉ケース14内の圧力を検出するための圧力検出器26と、冷却用気体9を密閉ケース14の外部に排出する気体排出弁19と、を備えている。
密閉ケース14は、アルミニウム合金製で、内部は冷却用気体9により外気圧よりも高く、外気との差圧にしてプラス0.5kPaに保たれている。密閉ケース14の材質としては、純アルミ系合金(例えばA1200P)又は耐熱アルミ系合金(例えばA3003P、A5052P)を使用している。気体導入路16は銅パイプから成り、シリコンゴムチューブ20によって各誘導加熱コイル10に連結されている。このシリコンゴムチューブ20によって気体導入路16と誘導加熱コイル10との間に空間を設けて電気的絶縁が図られている。そして、密閉ケース14の外部から気体導入路16を介して誘導加熱コイル10の一方の開口端15に冷却用気体9を導入し、冷却用気体9を気体導入路16に常時供給して誘導加熱コイル10を冷却する。また、気体導入路16は複数の誘導加熱モジュール3に分岐して並列して接続され、それぞれの誘導加熱モジュール3の気体放出口18から密閉ケース14内に冷却用気体9が排出されるようにしている。
気体排出弁19では、密閉ケース14の内部が冷却用気体9により所定の圧力を維持するように排出を行う。気体排出弁19は制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置では、密閉ケース14内の気圧が極端に低下した場合に、例えば外気圧との差圧が0.2kPa以下になった時に、密閉ケース14への気体供給に異常が生じたものとして誘導加熱モジュール3への通電を停止するようにしている。
更に、反応釜2の上下方向中央部より上側の外周面には温度センサ21が設けられている。この温度センサ21は制御装置(図示せず)に接続されている。該制御装置では、反応釜2の壁面温度が所定温度より上昇したことを検出した場合に、例えば構造的使用上限温度を300℃で設計した場合は320℃以上の上昇を検出した時に、誘導加熱モジュール3への通電を停止するものとしている。
(2)防爆構造誘導加熱装置の作用
次に、上記構成の防爆構造誘導加熱装置1の作用について説明する。
誘導加熱モジュール3を製造する際は、誘導加熱コイル10を保持可能な溝22を有するスペーサ23を予め複数個、本実施例においては4つ用意する。所定の形状に形成した誘導加熱コイル10にガラス繊維チューブ11を被せ、これを等間隔に配置したスペーサ23により外側から保持する(図4(A))。そして、スペーサ23により誘導加熱コイル10を保持したまま耐熱セメント12でモールドするようにする(図4(B))。
防爆構造誘導加熱装置1を組み立てる際は、誘導加熱モジュール3を反応釜2の外周部及び下部に取り付け、その周囲を更に固定用耐熱セメント24で覆って固定する。そして、各誘導加熱コイル10にインバータ13を接続し、気体導入路16を連結して、その周囲に密閉ケース14を被せる。
防爆構造誘導加熱装置1を使用する際は、原料液流入口5から所定量の原料液25を流入する。そして、液面より低い部位にある誘導加熱モジュール3に接続されたインバータ13を作動させて、該誘導加熱モジュール3の誘導加熱コイル10に通電させる。これにより、反応釜2が200〜300℃に誘導加熱され、原料液25が加熱される。反応釜2のモータ8を適宜駆動して撹拌プロペラ7を回転させ、原料液25を撹拌する。
また、気体導入路16から常温の冷却用気体9を常時導入し、各誘導加熱コイル10に流通させる。これにより、各誘導加熱コイル10を常時冷却して誘導加熱コイル10の熱膨張による変形を抑える。各誘導加熱コイル10の気体放出口18から100〜110℃程度に加熱された冷却用気体9が放出され、密閉ケース14内を正圧にする。気体排出弁19は密閉ケース14内の圧力を、外気圧との差圧をプラス0.5kPa程度に維持するように冷却用気体9を排出する。
所定時間の加熱により原料液25の反応が終了すると、インバータ13を停止して誘導加熱を終了させる。そして、反応液流出口6から反応液を流出させる。また、気体導入路16からの冷却用気体9の導入は反応釜2が冷却するまで継続する。
ここで、密閉ケース14内の気圧が、外気圧との差圧でプラス0.2kPa以下に低下したことを気体排出弁19の前に設けた圧力検出器26が検知した場合、あるいは反応釜2の壁面温度が所定温度より上昇したことを温度センサ21が検出した場合には、反応釜2の過熱を防止するために制御装置により誘導加熱モジュール3への通電を停止する。
(3)実施例の効果
本実施例の防爆構造誘導加熱装置1によれば、誘導加熱モジュール3は、誘導加熱コイル10を耐熱セメント12によりモールドして形成されているので、誘導加熱コイル10の固定力を高めることができる。このため、従来のように誘導加熱コイル10の固定力が弱い場合に比べて、加熱時に誘導加熱コイル10が熱膨張により伸張及び拡径しても誘導加熱コイル10の変形を抑えて加熱力の変化を防止することができる。また、耐熱セメント12及び固定用耐熱セメント24が反応釜2の周囲を取り囲むので、反応釜2の保温断熱を図ることができる。更に、誘導加熱コイル10を耐熱セメント12でモールドすることで、誘導加熱コイル10の絶縁性を高めることができる。
また、誘導加熱モジュール3の内径は、600mm,1150mm,1400mmの3種類に標準化されているので、誘導加熱モジュール3の段数を変えることで、反応釜2の外径が同一で高さ寸法を変えて反応釜2の容積を変えることが出来、設計・製作・取付を簡素化し、低コスト化を図ることができる。
また、誘導加熱コイル10にはガラス繊維チューブ11が被せられているので、加熱時に誘導加熱コイル10が熱で伸長及び拡径しても、ガラス繊維チューブ11が誘導加熱コイル10と耐熱セメント12との間の緩衝材及び滑り材として機能して、耐熱セメント12の損傷を防止することができ、誘導加熱コイル10の露出を防止し電気的絶縁性の低下を防ぐことができる。更に、万が一、耐熱セメント12に亀裂が入った場合でも、誘導加熱コイル10の表面はガラス繊維チューブ11で被覆されており露出を防止することができる。本実施例では、ガラス繊維チューブとしてシリコンワニスガラス編組チューブ(日星電気(株)製)を使用している。
そして、防爆装置4において冷却用気体9を気体導入路16に常時供給して誘導加熱コイル10を冷却しているので、反応釜2を冷却することなく誘導加熱コイル10のみを冷却することができるようになる。しかも、密閉ケース14内を外気圧よりもやや高い所定の気圧に保っているので、他の場所から漏れてきた可燃性ガスが密閉ケース14に入り込むことを防止し、誘導加熱モジュール3及び反応釜2の高温部と可燃性ガスとの接触を防止して防爆を図ることができる。更に、誘導加熱コイル10を冷却した後の気体を利用して密閉ケース14内を正圧にしているので、冷却用気体9の供給設備を簡素化することができる。
また、複数の誘導加熱モジュール3を備えているので、誘導加熱モジュール3ごとに加熱の程度を異ならせて制御することができる。このため、反応釜2の加熱領域を適宜局所加熱制御することができるようになる。更に、気体導入路16が複数の誘導加熱モジュール3に分岐して並列して接続されているので、各誘導加熱コイル10に供給される冷却用空気の温度を均一化することができる。このため、全ての誘導加熱コイル10を均等に温度制御することができるようになる。
そして、複数の誘導加熱モジュール3ごとに別個に接続されたインバータ13が接続されているので、それぞれのインバータ13により誘導加熱モジュール3ごとの制御を実現でき、反応釜2の高さ方向において異なる温度の制御をすることができる。
また、反応釜2の上下方向中央部より上側で通常使用時の原料液面(標準液面)より下側の外周面に温度センサ21が設けられているので、制御異常による過昇温だけでなく、空焚きによる過昇温も検知することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、誘導加熱モジュール3を複数設けたが、これに限定されず、1つのみとしても良い。また、上記実施例では、誘導加熱モジュール3の内径を標準化したが、これに限定されず、標準化をしなくても反応釜2の外径に合わせて適宜設定することができる。更に、上記実施例では、冷却用気体9は窒素としたが、これに限定されず、他の不活性ガスや空気としても良い。
また、上記実施例では、気体導入路16は複数の誘導加熱モジュール3に分岐して並列に接続するようにしたが、これに限定されず、複数の誘導加熱モジュール3の誘導加熱コイル10を直列に接続して、これに接続するようにしても良い。
更に、上記実施例では、反応釜2の上下方向中央部より上側の外周面に温度センサ21を設けたが、これに限定されず、他の適宜な位置に設けることができる。
本防爆構造誘導加熱装置は、反応釜を誘導加熱する技術として利用される。特に、誘導加熱コイルの変形を抑え加熱力の変化を防ぐと共に、耐熱セメントの破損を防ぎ誘導加熱コイルの露出を防止し、また反応釜の保温効果を高めることのでき、危険部署で安全に使用できる装置として好適に利用される。
1;防爆構造誘導加熱装置、2;反応釜、3;誘導加熱モジュール、4;防爆装置、9;冷却用気体、10;誘導加熱コイル、11;ガラス繊維チューブ、12;耐熱セメント、13;インバータ、14;密閉ケース、16;気体導入路、18;気体放出口、19;気体排出弁、21;温度センサ。

Claims (5)

  1. 反応釜と、該反応釜を加熱するための誘導加熱モジュールと、防爆装置と、を備え、
    前記誘導加熱モジュールは、冷却用気体が流通可能な金属管を前記反応釜の外周に取り巻いてコイル状に形成した誘導加熱コイルを具備し、該金属管にガラス繊維チューブを被せ、さらに耐熱材によりモールドして形成され
    前記防爆装置は、
    前記反応釜の少なくとも前記誘導加熱モジュールが設けられた部分を収容する密閉ケースと、
    前記密閉ケースの外部から前記誘導加熱コイルの一方の開口端に前記冷却用気体を導入する気体導入路と、
    前記誘導加熱コイルの他方の開口端から前記冷却用気体を前記密閉ケース内に放出する気体放出口と、
    前記冷却用気体を前記密閉ケースの外部に排出するための気体排出弁と、
    を備え、
    空気又は不活性ガスを前記気体導入路に常時供給して前記誘導加熱コイルを冷却すると共に、前記密閉ケース内を外気圧よりも高い所定の気圧に保つことを特徴とする防爆構造誘導加熱装置。
  2. 前記誘導加熱モジュールは複数であり、
    前記気体導入路は複数の前記誘導加熱モジュールに分岐して並列して接続され、それぞれの前記誘導加熱モジュールの前記気体放出口から前記密閉ケース内に前記冷却用気体が排出される請求項1記載の防爆構造誘導加熱装置。
  3. 前記誘導加熱モジュールは複数であると共に、前記誘導加熱モジュールごとに別個に接続されたインバータを備える請求項1又は2記載の防爆構造誘導加熱装置。
  4. 前記耐熱材は耐熱セメントである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防爆構造誘導加熱装置。
  5. 前記反応釜の上下方向中央部より上側の外周面に温度センサを備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防爆構造誘導加熱装置。
JP2010131496A 2010-06-08 2010-06-08 防爆構造誘導加熱装置 Active JP5634756B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131496A JP5634756B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 防爆構造誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131496A JP5634756B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 防爆構造誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011258392A JP2011258392A (ja) 2011-12-22
JP5634756B2 true JP5634756B2 (ja) 2014-12-03

Family

ID=45474355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010131496A Active JP5634756B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 防爆構造誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5634756B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102268408B1 (ko) * 2015-04-24 2021-06-22 한국조선해양 주식회사 인클로저 가압을 통한 방폭구조를 가지는 반응기 및 그것들을 사용한 다단 방폭형 처리장치
KR102216419B1 (ko) * 2015-04-24 2021-02-16 한국조선해양 주식회사 인클로저 가압을 통한 방폭구조를 가지는 반응기 및 그것들을 사용한 다단 방폭형 처리장치
CN107814479A (zh) * 2017-12-01 2018-03-20 深圳市拓野机器人自动化有限公司 一种3d玻璃热弯加工装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0692668B2 (ja) * 1986-11-05 1994-11-16 清水建設株式会社 鉄筋コンクリ−ト構造物
JPH0189850U (ja) * 1987-12-01 1989-06-13
JPH0436799U (ja) * 1990-07-25 1992-03-27
DE4109818A1 (de) * 1990-12-22 1991-11-14 Edwin Schmidt Verfahren und vorrichtung zum tiefkuehlen elektrischer hohlleiter stromdurchflossener spulen
JP2959885B2 (ja) * 1991-08-26 1999-10-06 トヨタ自動車株式会社 電気式溶解炉のための温度制御装置
JP3305530B2 (ja) * 1995-03-20 2002-07-22 中部電力株式会社 浮揚溶解装置
CA2181215A1 (en) * 1995-08-28 1997-03-01 Raimund Bruckner Method of operating an inductor and inductor for carrying out the method
JPH11269538A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Kitashiba Electric Co Ltd 誘導加熱装置
JP3443615B2 (ja) * 2000-05-25 2003-09-08 株式会社日阪製作所 ピュアスチーム発生装置
JP3752506B2 (ja) * 2000-11-27 2006-03-08 株式会社久保製作所 溶解保持炉
JP2004217472A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Sumitomo Electric Ind Ltd ガラス母材の製造方法及び製造装置
JP4171685B2 (ja) * 2003-03-25 2008-10-22 三菱電機株式会社 電磁調理器
JP5066639B2 (ja) * 2006-10-16 2012-11-07 三菱化学株式会社 窒化物半導体の製造方法、窒化物単結晶、ウエハ及びデバイス
JP2009119314A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Sanetsu:Kk 誘導加熱反応容器および高温高圧処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011258392A (ja) 2011-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5394360B2 (ja) 縦型熱処理装置およびその冷却方法
KR101585287B1 (ko) 열처리 장치 및 그 제어 방법
TWI570378B (zh) 熱處理爐及熱處理設備
TWI495836B (zh) 立式熱處理設備、及壓力檢測系統與溫度感測器之組合體
JP2008218478A (ja) 熱処理炉及び縦型熱処理装置
JP5634756B2 (ja) 防爆構造誘導加熱装置
JP4607678B2 (ja) 熱処理装置、ヒータ及びヒータの製造方法
KR101503570B1 (ko) 열처리 장치 및 열처리 장치의 온도 측정 방법
CN103773923B (zh) 用于热处理的快速升降温炉体
CN110066973A (zh) 大型Nb3Sn线圈热处理多级均温系统及其控温方法
JP2010171206A (ja) 加熱処理装置
JP2010171206A5 (ja)
JP5568387B2 (ja) 加熱装置及び基板処理方法並びに基板処理装置
CN202973555U (zh) 辐射式电加热器
CN102878796B (zh) 一种热处理pan基碳毡的井式高温电阻炉
CN102648818A (zh) 煮饭器
JP5497860B2 (ja) 熱処理炉及び熱処理炉用支持体
CN202329078U (zh) 高温真空炉加热室
KR101383065B1 (ko) 선박용 화물유 가열 시스템
KR20150044010A (ko) 선박용 화물유 가열 시스템
CN110836607A (zh) 一种智能控温快速冷却的工业炉
JP2002299246A (ja) 熱処理装置用ヒータの固定方法及び熱処理装置
JP2011023565A (ja) 拡散炉
JP2011138936A (ja) 加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5634756

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250