JP5634598B2 - キャップおよびこれを用いた固定構造部 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば航空機の構造材を固定する固定構造部に用いられるキャップに関するものである。
航空機の機体は、例えばアルミ合金製の金属材料やFRP(繊維強化プラスチック)製の複合材とされた複数の構造材によって構成され、各構造材は、多数のファスナを用いた固定構造部によって互いに固定されている。具体的には、重ね合わせた複数の構造材に貫通穴を形成し、この貫通穴に金属製のファスナを挿通させる。そして、ファスナの先端部に金属製のカラーを締結することによって、複数の構造材を固定する。
また、ファスナの先端部およびカラーを包囲するように、樹脂製のキャップを設ける場合がある。このキャップは、航空機に着雷した場合に、複合材とされた構造材と金属製のファスナやカラーとの間でスパークが発生することを防止するために用いられる。特に、燃料タンク側にファスナ先端部およびカラーが位置する場合には、このようなキャップが有用である。
特許文献1には、このようなキャップを用いた固定構造部が開示されている。同文献では、キャップ内にガスを封入することによってスパークの発生を防止している。
米国特許第4905931号明細書 米国特許第6135691号明細書 特開2010−254287号公報
しかし、特許文献1に記載のキャップは、その外周に塗布されたシーラントによって固定されているだけであり、これではキャップの固定の信頼性に欠け、脱落のおそれがある。
特に、航空機は、その運用中に、地上では高温(例えば100℃)となり飛行時には低温(例えば−60℃)となるといった過酷な温度変動を受ける。そのため、このような温度変動が生じる場合であってもキャップが脱落しないように固定することが要求される。
これに対して、特許文献2及び特許文献3には、ファスナとキャップとを螺合させて固定する発明が開示されている。具体的には、図27に示すように、ファスナ101の先端に雄ネジ部101aを形成し、かつ、この雄ネジ部101aに対応する雌ネジ部103aをキャップ103内周に形成し、ファスナ101の先端とキャップ103とを螺合することによってキャップ103を固定する発明が開示されている。なお、符号102は構造材、104はカラー、105はワッシャである。
しかし、同図に示された構成は、キャップ103を確実に固定できるものの、ファスナ101の先端に、キャップ103に螺合する雄ネジ部101aを形成するために、ファスナ101の先端部を軸線方向に延長する必要がある。すなわち、特別な構造のファスナを用いることになり、従来の汎用品とされたファスナを用いることができずコストの増大を招く。また、ファスナ101の先端部が軸線方向に延長されるので、これに伴いキャップ103の軸線方向長さが増大し、キャップの材料費が嵩むという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、特別な構造のファスナを用いることなく固定することができるキャップおよびこれを用いた固定構造部を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のキャップおよびこれを用いた固定構造部は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るキャップは、重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に対して締結されたカラーとによって、これら構造材同士を固定する固定構造部に適用され、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように配置される航空機構造材固定用キャップにおいて、その内周面には、該内周面と前記構造材の前記表面との間に形成される空間に充填される充填材に対して係合する係合部が形成され、前記係合部は、前記ファスナの中心軸線を共通の中心軸線とする螺旋形状に沿ってキャップの開口端部まで形成され、前記キャップが前記ファスナおよび前記カラーに取り付けられる時に、該キャップと、前記ファスナおよび前記カラーとの間に充填された前記充填材中に生じたボイドを、該キャップの外部へと排出可能にしたことを特徴とする。
ファスナの先端部およびカラーに対してキャップを取り付けた上で、キャップの内周面に係合部を形成し、この係合部にて充填材と係合させることにより、キャップと充填材とを機械的に結合することとした。これにより、キャップとファスナの先端部とを螺合させる構成を採用することなく、キャップを脱落させることなく安定的に固定することができる。
また、キャップを螺合させる雄ネジ部をファスナの先端部に対して追加的に設ける必要がないので、追加的な雄ネジ部を備えていない既存のファスナを使用することができ、また、追加的に設けた雄ネジ部によってファスナの先端部分が長くなり、これによりキャップの軸線方向長さが長くなることを回避できる。さらに、ファスナの先端部分およびキャップの軸線方向長さを短くできるので、周辺構造材との干渉リスクを低減することができ、また、重量を低減することができる。
なお、充填材としては、典型的にはシーラントが挙げられるが、例えば接着剤のような他の充填材であってもよい。
しかも、螺旋状に係合部を形成して係合部が形成される領域を広くすることにより、さらにキャップと充填材との機械的結合力を強めることができる。
また、係合部が螺旋状に形成されているので、キャップを射出成形によって製造する場合には、螺旋状に沿って回転させることによって容易に型抜きが可能となるので、成形性に優れたキャップとすることができる。
また、係合部が凹部とされている場合には、螺旋状の凹溝が形成されることになり、充填材中に生じたボイド(気泡)を螺旋状の凹溝に沿って導き、キャップの外部へと排出することができる。これにより、充填材中のボイドを排除することができ、信頼性を向上させることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記螺旋形状は、複数条設けられていることを特徴とする。
係合部の螺旋形状を複数条化して係合部と充填材との接触面積を向上させることとした。これにより、より一層キャップと充填材との機械的結合力を強めることができる。
また、複数条化された係合部のいずれもが螺旋形状に形成されているので、キャップを射出成形によって製造する場合には、螺旋形状に沿って回転させることによって容易にキャップの型抜きが可能となるので、成形性に優れたキャップとすることができる。
さらに、係合部が螺旋形状に複数条形成されているので、キャップを射出成形によって製造する場合には、キャップの回転角度を小さくして、キャップの生産性を向上させることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記螺旋形状は、当該キャップの底部に達しないように形成されていることを特徴とする。
螺旋形状がキャップの底部に達していると、キャップの内部に充填材を充填する際に混入する空気が螺旋形状とキャップの底部との間にできる隙間に残留しやすい。このようにキャップの内部に残留した空気は、その圧縮性により、キャップを脱落させようとする反力を生み出すとともに、キャップの内部に充填材の無い空洞部を形成するため、着雷時のスパーク防止性能が低下する。
したがって、螺旋形状をキャップの底部に達しないように形成することにより、充填材に混入している空気がキャップの内部に残留することを防止し、キャップの固定性能と着雷時のスパーク防止性能を向上させることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記係合部の底部または先端部が略R形状であることを特徴とする。
れにより、係合部の底部または先端部の形状が四角形の場合に比べて隅部がないため、キャップの取付時に、充填材中に生じた気泡(ボイド)をより排除することができる。したがって、耐電に必要な充填材の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記係合部の底部または端部がC面形状であることを特徴とする。
れにより、係合部の先端部の形状が四角形の場合に比べて隅部がないため、キャップの取付時に、充填材中に生じた気泡(ボイド)を排除することができる。したがって、耐電に必要な充填材の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記ファスナは、その前記先端部の略中心に、前記カラーを前記ファスナに締結する際に該ファスナを支持する工具を挿入可能な位置決め穴を備え、前記キャップの内周面には、前記ファスナの前記先端部に対向する位置に前記ファスナに向かって突出して、前記位置決め穴に挿入されて位置決めを行う突出部が形成されていることを特徴とする。
カラーをファスナに締結する際にファスナを位置決めするために用いられる位置決め穴が設けられているファスナに、内周面のファスナの先端部に対向する位置にファスナに向かって突出している突出部を係合させることにより、ファスナとキャップとのセンタリングを容易にかつ確実に行うことができる。したがって、キャップがずれて配置されることを回避して、耐電に必要な充填材の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記内周面は、前記ファスナの中心軸線が共通の中心軸線となるように前記係合部の一部を介して前記カラーを支持する形状に形成されることを特徴とする。
ファスナの中心軸線がキャップと共通の中心軸線となるように、係合部の一部を介してカラーを支持する形状の内周面にすることとした。そのため、カラーが係合部に支持されることにより、ファスナとキャップとのセンタリングを容易にかつ確実に行うことができる。したがって、キャップがずれて配置されることを回避して、耐電に必要な充填材の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記係合部は、固化した前記充填材と係合することにより、当該キャップが前記ファスナおよび前記カラーに対して前記ファスナの中心軸線を中心に回動することを規制する回動規制形状とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップの内部に充填された充填材が固化して係合部と係合することにより、キャップがファスナおよびカラーに対して回動することが規制される。このため、キャップを脱落させることなく安定的に固定することができる。
特に、キャップの内部に、充填材と係合する螺旋形状の係合部が設けられて軸方向への抜脱を防止するようにしてある場合には、このようにキャップの回動を規制する回動規制形状の係合部を併設することにより、螺旋形状に沿ってキャップが自然回動して緩むことが規制され、キャップの脱落が一層有効に防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状が前記充填材と係合する位置は、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置であることを特徴とする。
上記構成によれば、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置で、キャップに形成された回動規制形状と充填材とが係合するため、充填材が固化することによって、ファスナおよびカラーに対するキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの外周部の少なくとも1箇所に貫通形成された貫通穴とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップをファスナおよびカラーに装着した際に、キャップの内部に充填された充填材が貫通穴から押し出されて固化する。この貫通穴はキャップの外周部に位置するため、キャップの回動軸線(ファスナの中心軸線)に対して偏心した位置にあり、押し出されて固化した充填材によりキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの底部の、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置に少なくとも1つ貫通形成された貫通穴とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップの装着時に、キャップの内部に充填された充填材が貫通穴から押し出されて固化する。貫通穴はファスナの中心軸線に対して偏心しているため、貫通穴から押し出されて固化した充填材によりキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、前記内周面を前記中心軸線に沿って延びる縦溝部とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップの装着時に、キャップの内部に充填された充填材が縦溝部に入って固化する。縦溝部はファスナの中心軸線に対して偏心しているため、縦溝部に入って固化した充填材によりキャップの回動が規制され、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、前記内周面に刻設されたディンプルとされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップの装着時に、キャップの内部に充填された充填材がディンプルに入って固化する。ディンプルはファスナの中心軸線に対して偏心しているため、ディンプルに入って固化した充填材によりキャップの回動が規制され、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの樹脂成形後に切削工具により後加工されて形成されることを特徴とする。
これにより、キャップを樹脂材料により射出成形する場合に、キャップの回動を規制する係合部を成形しなくてもよく、射出成型の金型を簡素な構造にすることができる。また、既製のキャップに後から回動を規制する係合部を設けて改良することができる。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの開口端部の外周部から、前記構造材の表面の面方向に沿って延びる突起とされていることを特徴とする。
このように、キャップの開口端部の外周部に突起を設けることにより、キャップの内部に充填材を充填してキャップをファスナおよびカラーに取り付ける際に、キャップの内部からはみ出した充填材によって突起が包み込まれ、充填材が固化すると突起が充填材と係合してキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの開口端部に形成された切欠部とされていることを特徴とする。
このように、キャップの開口端部に切欠部を設けることにより、キャップの内部に充填材を充填してキャップをファスナおよびカラーに取り付ける際に、キャップの内部の充填材が切欠部からはみ出し、充填材が固化すると切欠部が充填材と係合してキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの底部の外面に形成された多角形状の枠部と、この枠部の内側に位置するように前記底部に形成された貫通穴とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップをファスナおよびカラーに装着した際に、キャップの内部に充填された充填材が貫通穴から枠部の内側の領域に押し出されて固化する。枠部は多角形状であるため、枠部の内側に押し出されて固化した充填材と枠部とが係合してキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明のキャップでは、当該キャップの底部の内面側の面形状が、その外周部から中心部に向かって前記ファスナの先端部から遠退く円錐面とされ、この底部に貫通穴が形成されていることを特徴とする。
キャップの内部に充填材を充填してファスナおよびカラーに取り付ける際には、充填材と共に混入した空気がキャップ底部の周縁部に残留し易い。そこで、上記のように底部の内面側の面形状を円錐面とすることにより、キャップ底部の周縁部に残留している空気を底部の中央部側に移動させ、底部に形成された貫通穴から外部に排出することができる。
このため、充填材に混入している空気がキャップの内部に残留することが防止され、キャップの固定性能と着雷時のスパーク防止性能を向上させることができる。
また、本発明の固定構造部は、重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に対して締結されたカラーと、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように配置されるキャップとを備え、前記ファスナおよび前記カラーによって前記構造材同士を固定する航空機構造材固定用固定構造部において、その内周面には、該内周面と前記構造材の前記表面との間に形成される空間に充填される充填材に対して係合する係合部が形成され、前記係合部は、前記ファスナの中心軸線を共通の中心軸線とする螺旋形状に沿ってキャップの開口端部まで形成され、前記キャップが前記ファスナおよび前記カラーに取り付けられる時に、該キャップと、前記ファスナおよび前記カラーとの間に充填された前記充填材中に生じたボイドを、該キャップの外部へと排出可能にしたことを特徴とする。
ファスナの先端部およびカラーに対してキャップを取り付けた上で、キャップの内周面に形成し係合部にて充填材と係合させることにより、キャップと充填材とを機械的に結合することとした。これにより、キャップとファスナの先端部とを螺合させる構成を採用することなく、キャップを脱落させることなく安定的に固定することができる。
また、キャップを螺合させる雄ネジ部をファスナの先端部に対して追加的に設ける必要がないので、追加的な雄ネジ部を備えていない既存のファスナを使用することができ、また、追加的に設けた雄ネジ部によってファスナの先端部分が長くなることを回避できる。
なお、充填材としては、典型的にはシーラントが挙げられるが、例えば接着剤のような他の充填材であってもよい。
また、本発明の固定構造部は、前記係合部が、前記キャップの外周面と前記構造材の表面との間に充填された前記充填材を、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置で前記キャップに係合させる回動規制形状であることを特徴とする。
上記構成によれば、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置で、キャップに形成された回動規制形状と充填材とが係合するため、充填材が固化することによって、ファスナおよびカラーに対するキャップの回動が規制される。したがって、キャップが回動して緩むことによる脱落が防止される。
さらに、本発明の固定構造部では、前記キャップの外周面と前記構造材の表面との間に、前記充填材が設けられていることを特徴とする。
キャップの外周面と構造材の表面との間に充填材を設けることにより、キャップを外周面から押さえ込んで固定することができる。これにより、さらにキャップの結合力を向上させることができる。
また、キャップの外周面と構造材の表面との間に充填材を設けるには、キャップを取り付ける際にキャップの開口端部と構造材の表面との間の隙間から充填材を漏出(スクイーズアウト)させることによって実現することができる。
ファスナの先端部およびカラーに対してキャップを取り付けた上で、キャップの内周面に螺旋形状の係合部を形成し、この係合部にて充填材と係合させることにより、キャップと充填材とを機械的に結合することとしたので、キャップとファスナの先端部とを螺合させる構成を採用することなく、キャップを脱落させることなく安定的に固定することができる。
また、キャップを螺合させる雄ネジ部をファスナの先端部に対して追加的に設ける必要がないので、追加的な雄ネジ部を備えていない既存のファスナを使用することができ、また、追加的に設けた雄ネジ部によってファスナの先端部分が長くなり、これによりキャップの軸線方向長さが長くなることを回避できる。
本発明の第1参考実施形態に係る固定構造部を示した縦断面図である。 図1のキャップを示した平面図である。 図1のキャップに貫通溝を形成した第1変形例を示した縦断面図である。 図1のキャップの第2変形例を示した平面図である。 図1のキャップの第3変形例を示す平面図である。 図5Aに示すキャップの縦断面図である。 図1のキャップの第4変形例を示す平面図である。 図6Aに示すキャップの縦断面図である。 図1の固定構造部の第5変形例を示した縦断面図である。 本発明の第2参考実施形態に係る固定構造部を示した縦断面図である。 図8のキャップを示した平面図である。 図8の変形例を示した縦断面図である。 図10のキャップを示した平面図である。 本発明の第実施形態に係る固定構造部を示した縦断面図である。 本発明の第実施形態に係るファスナやカラーに対して非係合状態とされたキャップを示す縦断面図である。 図13Aに示すキャップの平面図である。 図13AのXIV部の部分拡大図である。 図13AのXV-XV部の断面図である。 本発明の第実施形態に係るファスナやカラーに対して非係合状態とされたキャップを示した縦断面図である。 図16に示すキャップの縦断面図である。 図17Aに示すキャップの平面図である。 図17AのXVIII部の部分拡大図である。 図17AのXIX-XIX部の断面図である。 本発明の第実施形態に係る固定構造部を示した縦断面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 図21Aに示すキャップの底面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 図22Aに示すキャップの底面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 図23Aに示すキャップの底面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 図24Aに示すキャップの底面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 図25Aに示すキャップの底面図である。 本発明の第実施形態に係るキャップを示す縦断面図である。 従来の固定構造部を示した縦断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1参考実施形態]
以下、本発明の第1参考実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、本参考実施形態の固定構造部1を示した縦断面が示されている。
固定構造部1は、本参考実施形態では航空機の燃料タンク周りに適用され、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aに挿通されたファスナ5と、ファスナ5の先端部5aに対してワッシャ8を介して締結されたカラー7と、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7を包囲するように配置されたキャップ9とを備えている。
構造材3,3としては、例えば航空機の外板、ストリンガ、リブ、スパー等が挙げられ、アルミ合金等の金属材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)とされた複合材料が用いられる。図1において、構造材3の一側面3b側(同図において上方側)が燃料タンク外となり、構造材3の他側面3c側(同図において下方側)が燃料タンク内となる。
ファスナ5は、チタン合金等の金属製とされており、中心軸線CL方向に延在する軸部5bと、軸部5bの基端部5c側に設けられた頭部5dとを備えている。軸部5bは、典型的には円筒形状とされており、中心軸線CL方向の寸法は、重ね合わされた構造材3,3にワッシャ8及びカラー7を加えた軸線方向の寸法よりも長くなっている。
頭部5dは、軸部5bの直径よりも大きな直径とされており、かつ、構造材3に形成された貫通穴3aの直径よりも大きな直径とされている。これにより、頭部5dは、貫通穴3aに入り込まずに構造材3の一側面3b側にて係止されるようになっている。
ファスナ5の軸部5bの先端部5a側には、カラー7を螺結するための雄ネジ溝が形成されている。
カラー7は、チタン合金等の金属製とされており、中心軸線CL方向に貫通穴が形成された円筒形状とされている。カラー7の貫通穴を画成する内周面には、ファスナ5の先端部5aに形成された雄ネジ溝に対応する雌ネジ溝が形成されており、これにより、ファスナ5とカラー7とが螺合されるようになっている。なお、ファスナ5とカラー7とを螺合させる構成に代えて、ファスナ5の先端部5aにリング形状の溝部(グルーブ)を中心軸線CL方向に複数段形成し、かつカラー7の内周面にも対応する溝部を形成し、ロックボルト方式にて互いを固定する構成を採用しても良い。
キャップ9は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂製の絶縁材料とされており、一端側に開口が形成された開口端部9aを有するとともに他端側に底部9bを有するカップ形状とされている。キャップ9の外周部9cは、底部9bから開口端部9aに向かって拡径する形状となっている。ただし、外周部9cの形状はこれに限定されるものではなく、同一径とされた円筒形状であってもよく、或いは、底部から開口端部9aに向かって縮径する形状であってもよい。
キャップ9の内周面9eには、凹溝(凹部、係合部)9dが形成されている。凹溝9dは、図2に示されているように、ファスナ5の中心軸線CLを共通の中心軸線とする円環形状の軌跡上に沿って、無端状に形成されている。本参考実施形態では、凹溝9dが1つとされている。
キャップ9は、図1から明らかなように、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対して非係合状態で取り付けられている。すなわち、キャップ9は、ファスナ5やカラー7に対して直接的に固定されるものではない。
キャップ9の内周面9eと構造材3の他側面3cとの間に形成される空間には、シーラント(充填材)11が充填されている。シーラント11は、典型的にはシリコン系の絶縁材料が用いられ、航空機の燃料タンクに用いる場合には、燃料タンク用シーラントが用いられる。なお、シーラント11に代えて、充填材として接着剤を用いても良い。
シーラント11は、キャップの内周面9eに形成された凹溝9d内に進入して収容されるようになっている。これにより、キャップ9とシーラント11とが係合して機械的に結合されるようになっている。
このように、金属等の導電材料で構成されたファスナ5及びカラー7を、絶縁材料であるキャップ9で包囲するとともに、キャップ9内部に絶縁材料であるシーラント11を充填することによって、燃料タンク内にて着雷時におけるスパークの発生が防止される。
次に、上記構成の固定構造部1の組立方法について説明する。
先ず、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aにファスナ5の軸部5bを先端部5aから挿通させる。そして、構造材3,3の他側面3cから突出した先端部5aに対して、ワッシャ8を介挿した上でカラー7を螺合させる。これにより、重ね合わされた構造材3,3同士が固定される。
そして、キャップ9の内部にシーラント11を所定量だけ投入した上で、ファスナ5の先端部5a及びカラー7を包囲するようにキャップ9を挿入する。キャップ9の開口端部9aが、構造材3の他側面3cに当接するように挿入する際に、キャップ9内のシーラント11がファスナ5及びカラー7の周囲に流動し、キャップ9の内周面9eと構造材3の他側面3cとで囲まれた領域内にシーラント11が充填される。その後、この状態にて保持することにより、シーラント11が固化し、シーラント11に対してキャップ9が固定される。
なお、キャップ9に形成した凹溝9dは、外部から視認可能な場合には、シーラント11の充填量を示す目印ラインとしても使用することができる。
参考実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対して非係合状態でキャップ9を取り付けた上で、キャップ9の内周面9eに凹溝9dを形成し、この凹溝9d内にシーラント11を収容して係合させることにより、キャップ9とシーラント11とを機械的に結合することとした。これにより、キャップとファスナの先端部とを螺合させる構成(特許文献2及び3参照)を採用することなく、キャップ9を脱落させることなく安定的に固定することができる。
また、キャップを螺合させる雄ネジ部(図20の雄ネジ部101a参照)をファスナの先端部に対して追加的に設ける必要がないので、追加的な雄ネジ部を備えていない既存のファスナを使用することができ、また、追加的に設けた雄ネジ部によってファスナ5の先端部分が長くなり、これによりキャップ9の軸線方向長さが長くなることを回避できる。さらに、ファスナ5の先端部分およびキャップ9の軸線方向長さを短くできるので、周辺構造材との干渉リスクを低減することができ、また、重量を低減することができる。
また、凹溝9dをキャップ9の内周面9eの全周に渉って形成して係合領域を全周に形成することとしたので、キャップ9とシーラント11との機械的結合力を強めることができる。
なお、本参考実施形態は、以下のように変形することもできる。
[第1変形例]
図3に示すように、凹溝9dに、キャップ9の外周部9cへと半径方向に延在して貫通する貫通溝9kを1つまたは複数設けることとしてもよい。これにより、キャップ9の装着時に、キャップ9内のシーラント11を押し出してキャップ9の外周部9c側まで導くようにして凹溝9d内に確実にシーラント11を充填することができる。
[第2変形例]
図4に示されているように、離散的に形成された複数の分割凹溝9fによってシーラント11との係合部を構成してもよい。各分割凹溝9fは、中心軸線CLを中心とする円環形状の軌跡上に沿って形成されている。
隣り合う分割凹溝9fの間隔は、等間隔であってもよいし、不等間隔であってもよい。また、分割凹溝9fの数についても任意である。
さらに、各分割凹溝9fには、図3に示したような貫通溝9kを設けてもよい。
[第3変形例]
図5に示されているように、図1に示した凹溝9dを中心軸線CL方向に複数段設けても良い。図5では、一例として2段の凹溝9dが設けられている。このように凹溝9dを複数段設けることにより、シーラント11との係合部を増加させてさらに機械的結合力を増大させることができる。
[第4変形例]
図6に示されているように、図4に示した分割凹溝9fを中心軸線CL方向に複数段設けても良い。図6では、一例として2段の分割凹溝9fが設けられている。このように分割凹溝9fを複数段設けることにより、シーラント11との係合部を増加させてさらに機械的結合力を増大させることができる。
さらに、図示しないが、図1に示した凹溝9dと図4に示した分割凹溝9fを組み合わせて複数段の係合部を構成してもよい。例えば、キャップ9の底部9b側に凹溝9d(又は分割凹溝9f)を形成し、キャップ9の開口端部9a側に分割凹溝9f(又は凹溝9a)を形成してもよい。
[第5変形例]
また、図7に示すように、キャップ9の開口端部9aの外周部9cと構造材3の他側面(同図において下方側)3cとの間の角部に、シーラント11aが設けられる構成としてもよい。このように、キャップ9の外周部9cと構造材3の他側面3cとの間にシーラント11aを設けることにより、キャップ9を外周面側から押さえ込んで固定することができる。これにより、さらにキャップ9の結合力を向上させることができる。
図7に示すようにシーラント11aを設けるには、キャップ9を取り付ける際にキャップ9の開口端部9aと構造材3の他側面3cとの間の隙間からシーラント11を漏出(スクイーズアウト)させることによって実現することができる。
[第2参考実施形態]
次に、本発明の第2参考実施形態について、図8を用いて説明する。
参考実施形態は、第1参考実施形態の係合部が凹溝9dや分割凹溝9fであったのに対し、凸部9gである点で相違し、それ以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
図8に示されているように、キャップ9の内周面9eには、シーラント11側に突出する凸部9gが設けられている。凸部9gは、図9に示されているように、ファスナ5の中心軸線CLを共通の中心軸線とする円環形状の軌跡上に沿って、無端状に形成されている。本参考実施形態では、凸部9gが1つとされている。
キャップ9は、図8から明らかなように、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対して非係合状態で取り付けられており、凸部9gについてもカラー7に対して非係合状態にて配置される。すなわち、キャップ9は、ファスナ5やカラー7に対して直接的に固定されるものではない。
このように、本参考実施形態によれば、凸部9gによってキャップ9とシーラント11とを係合させて機械的に結合することができる。
また、凸部9gは、凹溝9dと同様に、外部から視認可能な場合には、シーラント11の充填量を示す目印ラインとして利用することもできる。
さらに、凸部9gの突出量を調整し、カラー7やファスナ5との間のクリアランスを所望量に設定することにより、凸部9gを芯出し部として利用することができる。これにより、キャップ9の取付時に、作業者の熟練度に応じてキャップ9がずれて配置されることが回避されるので、着雷時のスパーク防止性能を低下させることがない。
なお、本参考実施形態では無端状とした凸部9gとしたが、これを周方向に分割した分割凸部によって係合部を構成することとしてもよい。
また、凸部9gを中心軸線CL方向に複数段設けることとしてもよい。
さらに、本参考実施形態は、以下のように変形することができる。
図10及び図11に示すように、キャップ9の開放端部9a側に第1参考実施形態に示した凹溝9d(図1参照)を形成し、キャップ9の底部9b側に本参考実施形態の凸部9gを設けてもよい。このように複数の係合部を設けることにより、キャップ9とシーラント11との機械的結合力を向上させることができる。また、凸部9gをキャップ9の底部9b側に設けることで、ファスナ5の先端部5aに対する芯出し部として利用することができる。
また、凸部9gと凹溝9dとの組合せは、任意であり、キャップ9の開放端部9a側に凸部9gを設け、底部9b側に凹溝9dを設けてもよく、さらに3段以上の係合部を構成するようにしてもよい。さらに、凸部9gに代えて分割凸部としてもよく、凹溝9dに代えて分割凹溝9f(図4参照)としてもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図12を用いて説明する。
本実施形態は、第1参考実施形態の凹溝9dに代えて、螺旋状に形成された螺旋凹溝9hとされている点で相違し、それ以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
図12に示されているように、キャップ9の内周面9eには、ファスナ5の中心軸線CLを共通の中心軸線とする螺旋形状に沿って、螺旋凹溝9hが形成されている。螺旋凹溝9hは、一連に形成されている。
このように、本実施形態によれば、螺旋状に凹溝9hを形成して係合部が形成される領域を広くすることにより、さらにキャップ9とシーラント11との機械的結合力を強めることができる。
また、螺旋凹溝9hによって係合部が螺旋状に形成されているので、キャップ9を射出成形によって製造する場合には、螺旋凹溝9hに沿って回転させることによって容易に型抜きが可能となるので、成形性に優れたキャップ9とすることができる。
また、キャップ9の取付時に、シーラント11中に生じたボイド(気泡)を螺旋凹溝9hに沿って導き、キャップ9の外部へと排出することができる。これにより、シーラント11中のボイドを排除することができ、信頼性を向上させることができる。
なお、螺旋凹溝9hに代えて、螺旋凸部(図示せず)としてもよい。もちろん、螺旋凸部の場合にも、ファスナ5やカラー7に対して非係合状態となるように螺旋凸部の突出量は調整されている。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図13から図15を用いて説明する。
本実施形態は、第実施形態の螺旋状に形成された螺旋凹溝9hに代えて、螺旋状に形成されている螺旋凸部9iが4条設けられる点で相違し、それ以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
図13A、図13Bには、本実施形態に係るファスナ5やカラー7に対して非係合状態とされたキャップ9が示されており、図13Aは、その縦断面図、図13Bは、キャップ9の左側面図である。また、図14は、図13A中のXIV部の部分拡大図であり、図15は、図13A中のXV-XV部の断面図である。
図13Aに示されているように、キャップ9は、その内周面9eがキャップ9の開口部端9aから底部9bに向かって漸次縮径するテーパ形状となっている。キャップ9の開口部端9a側の内周面9eは、カラー7の開口部端7a側の外周縁との間の距離が所定の距離になるような内径となっている。
なお、所定の距離とは、キャップ9の後述する突出部9jとファスナ5のリセス穴5とを係合させて、キャップ9をファスナ5およびカラー7に対して取り付けた際に、シーラント11がキャップ9の開口部端9a側の内周面9eとカラー7の開口部端7a側の外周縁との間を満たすことが可能な距離であり、0.2mm以上2mm以下が好適である。
このように、キャップ9の開口部端9a側の内周面9eとカラー7の開口部端7a側の外周縁との間の距離を所定の距離にすることによって、キャップ9を取り付ける際にキャップ9の開口端部9aと構造材(図示せず)との間に空間が生じた場合であっても、キャップ9の開口部端9a側の内周面9eとカラー7の開口部端7a側の外周縁との間がシーラント11によって満たされるので、耐電性を確保することができる。
キャップ9の底部9bの略中心部には、キャップ9の開口部端9aに向かって突出している突出部9jが設けられている。この突出部9jは、その先端部の形状が、ファスナ5の先端部5aの略中心に設けられており、カラー7をファスナ5に締結する際にファスナ5を位置決めするために六角レンチ(図示せず)などの工具によってファスナ5を支持するために用いられるリセス穴(位置決め穴)5eに係合する形状とされており、例えば、突出部9jの延在方向に直交する断面形状が、図13Bに示すように、略円断面状とされている。
このようにファスナ5に設けられているリセス穴5は、カラー7をファスナ5に締結する際にファスナ5を位置決めするために用いるものである。また、突出部9jの断面形状は、リセス穴5に対応した形状であれば略六角形状等であってもよい。
また、キャップ9の内周面9eには、螺旋形状に一連に形成されている4条(複数条)の螺旋凸部(係合部、凸部)9iが設けられている。4条の螺旋凸部9iは、互いにキャップ9の軸方向に平行になるように設けられており、リード角が一定とされている。
なお、リード角としては、10°以上30°以下であれば好適である。
各螺旋凸部9iは、螺旋形状が延在している方向に直交する断面形状が、図14および図15に示すように、凸形状とされている。このような螺旋凸部9iは、キャップ9の内周面9eからシーラント11側に突出する突出量が例えば略1mm程度とされており、凸形状の突出端は、略R形状であり、例えば半径が0.5mm程度の円弧を描くように形成されている。
なお、螺旋凸部9iの突出量は、0.5mm以上2mm以下であれば好適であり、ファスナ5やカラー7に対して非係合状態となるように突出量が調整され、突出端のR形状としては、半径が0.2mm以上であれば好適である。
このように、本実施形態によれば、螺旋凸部(係合部、凸部)9iを4条(複数条)設けて、螺旋凸部9iとシーラント(充填材)11との接触面積を向上させることとした。これにより、より一層キャップ9とシーラント11との機械的結合力を強めることができる。
また、4条設けられている螺旋凸部9iのいずれもが螺旋形状に形成されているので、キャップ9の内周面9eが底部9bに向かって縮径する形状であっても、キャップ9を射出成形によって製造する場合に、成形されたキャップ9を螺旋形状に沿って回転させることによって、容易にキャップ9の型抜きが可能となる。したがって、成形性に優れたキャップ9にすることができる。
さらに、螺旋凸部9iが螺旋形状に4条設けられているので、キャップ9を射出成形によって製造する場合にキャップ9の回転角度を小さくして、キャップ9の生産性を向上させることができる。
シーラント11側に突出している螺旋凸部9iの先端部を略R形状にすることとした。これにより、螺旋凸部9iの先端部が略四角形の場合に比べて隅部がなくなるので、キャップ9の取付時に、シーラント11中に生じた気泡(ボイド)をより一層排除することができる。したがって、耐電に必要なシーラント11の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
カラー7をファスナ5に締結する際にファスナ5を位置決めするために用いるリセス穴(位置決め穴)5eが設けられているファスナ5に、キャップ9の内周面9eに設けられており、ファスナ5の先端部5aに対向している位置にファスナ5に向かって突出しているキャップ9の突出部9jを係合させることにより、ファスナ5とキャップ9とのセンタリングを容易かつ確実に行うことができる。したがって、キャップ9がずれて配置されることを回避して、耐電に必要なシーラント11の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
なお、螺旋凸部9iに代えて、螺旋凹溝としてもよい。
また、螺旋凸部9iの先端部が略R形状として説明したが、C面形状であってもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図16から図19を用いて説明する。
本実施形態は、第実施形態のキャップ9の底部9bに設けられている突出部9jに代えて、カラー7がキャップ9の底部9b近傍に設けられている螺旋凸部9iによって支持される点で相違し、それ以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
図16には、本実施形態に係るカラー7を支持可能とされたキャップ9の縦断面図が示されており、図17A、図17Bは、図16に示すキャップ9を単体で示し、図17Aは、その縦断面図、図17Bは、左側面図を示している。また、図18は、図17A中のXVIII部の部分拡大図であり、図19は、図17B中のXIX−XIX部の断面図である。
図17Aに示されているように、キャップ9は、キャップ9の開口部端9aから底部9bに向かって内周面9e(図18参照)の内径が一定な開口部端側ストレート部Iと、開口部端9aから底部9bに向かって漸次縮径しているテーパ部IIと、内周面9eの内径が一定であり開口部端側ストレート部Iよりも内径が小さな底部側ストレート部IIIとによって形成された3段階形状とされている。
このような3段階形状となっているキャップ9の内周面9eには、螺旋形状に一連に形成されている4条(複数条)の螺旋凸部9i(係合部、凸部)が設けられている。各螺旋凸部9iの螺旋形状が延在している方向に直交する断面形状は、凸形状とされており、図18には、テーパ部IIにおける螺旋凸部9iの断面形状が示されており、図19には、底部側ストレート部IIIにおける螺旋凸部9iの断面形状が示されている。
開口部端側ストレート部Iと、テーパ部IIと、底部側ストレート部IIIとの3つによって形成されているキャップ9の内周面9eは、キャップ9をファスナ(図示せず)およびカラー(図16参照)7に対して取り付けた際に、底部側ストレート部IIIに設けられている螺旋凸部9iによってカラー7の底部側7c(図16参照)の外周縁を支持するような形状とされている。
また、キャップ9の底部側ストレート部IIIに設けられている螺旋凸部9iによってカラー7の底部側7cの外周縁が支持される際には、螺旋凸部9iの先端部とカラー7の底部側7cの外周縁との間には、多少の隙間が形成されるものとする。このように、螺旋凸部9iの先端部とカラー7の底部側7cの外周縁との間に隙間を設けることによって、螺旋凸部9iの先端部とカラー7の底部側7cの外周縁とがしまり嵌めとなる場合に比べて、キャップ9に生じる応力を防止してキャップ9の耐久性が劣化するのを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、ファスナ(図示せず)の中心軸線がキャップ9と共通の中心軸線となるように、螺旋凸部(係合部、凸部)9iを介してカラー7を支持する形状にキャップ9の内周面9eを形成することとした。そのため、カラー7がキャップ9の底部9b近傍の螺旋凸部9iに支持されることにより、ファスナとキャップ9とのセンタリングを容易にかつ確実に行うことができる。したがって、キャップ9がずれて配置されることを回避して、耐電に必要なシーラント(充填材)11の厚みを確保してスパーク防止機能の信頼性を高めることができる。
なお、上記に加えて、第実施形態のように、キャップ9の底部9bの略中心に突出部9j(図13A参照)を設けて、ファスナのリセス穴(図示せず)に係合させるものとしてもよい。
また、第実施形態の図13および第実施形態の図16には、第1参考実施形態から第実施形態とは異なりワッシャが設けられていないが、第1参考実施形態から第実施形態と同様にワッシャを設けるものとしてもよい。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図20、図21A、図21Bを用いて説明する。図20は本発明の第実施形態に係る固定構造部を示した縦断面図であり、図21Aはキャップの縦断面図、図21Bはキャップの底面図である。なお、図21Aは図21BのXXIA-XXIA線に沿う縦断面図である。
本実施形態では、第実施形態のキャップ9の外周部9cに複数の貫通穴9mが形成され、底部9bに複数の貫通穴9nが形成され、さらに底部9bの外面に多角形状の枠部9pが形成されている点で相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
貫通穴9mは、キャップ9の外周部9cの、底部9bに近い高さに、周方向に沿って例えば4箇所に等間隔に形成されている。キャップ9の内側から見て、貫通穴9mは、螺旋形状の係合部9iの先端部付近に穿設されている。
一方、貫通穴9nは、枠部9pの内側に位置するように、且つ、ファスナ5の中心軸線CLに対して偏心した位置となるように、底部9bに形成されている。枠部9pは、例えば平面視(図21B参照)六角形であり、スパナやソケットレンチ等の工具を使用して回せるようになっている。
貫通穴9m,9nおよび枠部9pは、キャップ9の内部に充填されて固化するシーラント11(充填材)と係合することにより、キャップ9がファスナ5およびカラー7に対して、ファスナ5の中心軸線CLを中心に回動することを規制する回動規制形状の係合部として機能する。
図20に示すように、キャップ9がファスナ5およびカラー7に装着される際に、キャップ9の内部に充填されたシーラント11の一部が、貫通穴9mおよび貫通穴9nから外部に押し出され、その状態で固化して貫通穴9m,9nから膨出した膨出部11b,11cを形成する。膨出部11cは枠部9pの内側に多めに膨出させて枠部9pの多角形状と係合する係合膨出部11dを形成するのが好ましい。
貫通穴9mはキャップ9の外周部9cに位置していてキャップ9の回動軸線(ファスナ5の中心軸線CL)に対して偏心した位置にあり、貫通穴9nも同じく中心軸線CLに対して偏心して設けられているため、貫通穴9m,9nから押し出されて固化したシーラント11の膨出部11b,11cにより、キャップ9が中心軸線CL回りに自然回動することが規制される。このため、キャップ9をファスナ5およびカラー7から脱落させることなく安定的に固定することができる。
なお、貫通穴9m,9nの内径は2ミリ程度が好ましい。それ以上大きくなると、貫通穴9m,9nから膨出したシーラント11が固化する際に退け(痩せ)が発生し、貫通穴9m,9nとの係合が不十分になる懸念がある。
特に、本実施形態のように、キャップ9の内部に、シーラント11と係合する螺旋形状の係合部9iが設けられて軸方向への抜脱が防止されるようにしてある場合には、上記のようにキャップ9の回動を規制する回動規制形状を持つ係合部(貫通孔9m,9n)を併設することにより、係合部9iの螺旋形状に沿ってキャップ9が自然回動して緩むことが規制され、キャップ9の脱落を一層有効に防止することができる。
貫通孔9nから押し出されて固化したシーラント11の膨出部11cは、枠部9pの内側の領域に押し出されて固化し、係合膨出部11dを形成するが、枠部9pは多角形状であるため、枠部9pと係合膨出部11dとが互いに係合してキャップ9の回動が規制される。したがって、キャップ9が緩んで脱落することを一層効果的に防止することができる。
なお、枠部9pの形状は、六角形に限らず、四角形や八角形等であってもよいが、対向する二面が平行である方が、キャップ9を単体で把持したり、手で摘まんで回転させたりしやすいので好ましい。例えば、射出成形によりキャップ9を製造する場合には、射出成形後にキャップ9を金型から取り外しやすい。
また、シーラント11を使用して航空機の機体に取り付けられたキャップ9を取り外す場合には、シーラント11の固着力のために素手で取り外すのは困難であるが、その時には枠部9pにスパナ等の工具を掛けて回すことにより、キャップ9を迅速かつ容易に取り外すことができる。
なお、本実施形態のように、キャップ9の内部に充填された充填材11を貫通穴9m,9nから膨出させるようにしたことにより、充填材11の充填量が適正であることを外部から認識できるという効果が奏される。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図22A、図22Bを用いて説明する。本実施形態では、第実施形態のキャップ9の貫通穴9m,9nが設けられていない代わりに、回動規制形状である係合部として、キャップ9の内周面9eに一対の縦溝部9qが形成されている点で相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
縦溝部9qは、キャップ9の内周面9eに、中心軸線CLに沿って開口端部9aから底部9b側に延在しており、周方向には、例えば180°の間隔を置いて対向するように形成されている。縦溝部9qの数は1つあるいは3つ以上でもよい。縦溝部9qは、内周面9eとの間に段差ができるように内周面9eを削り込んで形成されているが、螺旋形状の係合部9iのみを削り落して内周面9eとの間に段差ができない程度の浅いものとしてもよい。
このような縦溝部9qを設ければ、キャップ9の装着時に、キャップ9の内部に充填されたシーラント11(図1、図7、図20等参照)が縦溝部9qに入り込んで固化する。ファスナ5の中心軸線CLに沿う視線(図22B参照)で、縦溝部9qは中心軸線CLに対して偏心しているため、縦溝部9qに入り込んで固化したシーラント11によりキャップ9の回動が規制され、これによってキャップ9が自然回動して緩むことによる脱落を防止することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図23A、図23Bを用いて説明する。本実施形態では、第実施形態のキャップ9の縦溝部9qが設けられていない代わりに、回動規制形状である係合部として、ディンプル9rが形成されている点で相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
ディンプル9rは、キャップ9の内周面9eの、開口端部9aと底部9bとの中間付近の高さに形成されており、周方向には、例えば90°の間隔を置いて4つ、等間隔に形成されている。ディンプル9rの数は1つ以上であればよいが、複数設けることによってシーラント11との係合性を高めることができる。ディンプル9rの深さはキャップ9の板厚を貫通しない程度とする。
このようなディンプル9rを設ければ、キャップ9の装着時に、キャップ9の内部に充填されたシーラント11(図1、図7、図20等参照)がディンプル9rに入り込んで固化する。ファスナ5の中心軸線CLに沿う視線(図23B参照)で、ディンプル9rは中心軸線CLに対して偏心しているため、ディンプル9rに入り込んで固化したシーラント11によりキャップ9の回動が規制され、これによってキャップ9が自然回動して緩むことによる脱落を防止することができる。
ディンプル9rは、キャップ9の樹脂成形後にエンドミルやドリル等の切削工具Tにより後加工して形成するようにしてもよい。なお、ディンプル9rのみならず、第実施形態の貫通穴9m,9nや、第実施形態の縦溝部9qについても、キャップ9の樹脂成形後に後加工により形成するようにしてもよい。
こうすることにより、キャップ9を樹脂材料により射出成形する場合に、キャップ9の回動を規制する係合部(9m,9n,9q,9r)を成形しなくてもよくなるため、射出成型の金型を簡素な構造にすることができる。また、既製のキャップ9に後から回動を規制する係合部(9m,9n,9q,9r)を追加工して、脱落しにくいものに改良することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図24A、図24Bを用いて説明する。本実施形態では、第実施形態のキャップ9のディンプル9rが設けられていない代わりに、回動規制形状である係合部として、キャップ9の開口端部9aに突起9sが形成されている点で相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
突起9sは、開口端部9aの外周部9cから、構造材3(図1、図7、図20等参照)の表面3cの面方向に沿って短く延びる舌片状に形成されており、周方向には、例えば90°の間隔を置いて4つ、等間隔に形成されている。突起9sの数は1つ以上であればよいが、複数設けることによってシーラント11との係合性を高めることができる。
このような突起9sを設ければ、キャップ9の内側にシーラント11を充填してキャップ9をファスナ5およびカラー7に取り付ける際に、図7に示すようにキャップ9の内部からはみ出したシーラント11(11a)によって突起9sが包み込まれ、シーラント11が固化すると突起9sがシーラント11と係合してキャップ9の回動が規制される。したがって、キャップ9が自然回動して緩むことによる脱落を防止することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図25A、図25Bを用いて説明する。本実施形態では、第実施形態のキャップ9の突起9sの代わりに、回動規制形状である係合部として、キャップ9の開口端部9aに切欠部9tが形成されている点で相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
切欠部9tは、開口端部9aに形成されており、周方向には、例えば90°の間隔を置いて4つ、等間隔に形成されている。切欠部9tの数は1つ以上であればよいが、複数設けることによってシーラント11との係合性を高めることができる。
このような切欠部9tを設ければ、キャップ9の内側にシーラント11を充填してキャップ9をファスナ5およびカラー7に取り付ける際に、キャップ9の内部のシーラント11が切欠部9tからはみ出し、シーラント11が固化すると切欠部9tがシーラント11と係合してキャップ9の回動が規制される。したがって、キャップ9が自然回動して緩むことによる脱落を防止することができる。なお、この切欠部9tも後加工によって形成することができる。
[第実施形態]
次に、本発明の第実施形態について、図26を用いて説明する。本実施形態では、第実施形態のキャップ9の貫通穴9mが設けられていない点と、底部9bの内面側の面形状が浅い円錐面となっている点と、螺旋状の螺旋凸部9iが底部9bに達しないように形成されている点が相違し、それら以外については同様である。したがって、同一構成部については同一符号を付し、その説明を省略する。
底部9bの内面側の面形状は、その外周部から中心部に向かって、図20に示すファスナ5の先端部から遠退く円錐面とされている。円錐面の傾斜角度は、例えば5°前後が好ましい。そして、この底部9bに複数の貫通穴9nが形成されている。貫通穴9nの位置は、第実施形態の場合と同じく、枠部9pの内側、かつファスナ5の中心軸線CL(図20参照)に対して偏心した位置とされている。
また、螺旋状の螺旋凸部9iが底部9bに達しないように、キャップ9の内周面9eには、螺旋凸部9iが形成されない平坦区間9uが設けられている。この平坦区間9uの幅は1〜2ミリ程度あればよい。
螺旋凸部9iが底部9bに達していると、キャップ9の内部にシーラント11を充填する際に混入する空気が、螺旋凸部9iと底部9bとの間にできる隙間に残留しやすい。このようにキャップ9の内部に残留した空気は、その圧縮性により、キャップ9を脱落させようとする反力を生み出すとともに、キャップ9の内部にシーラント11の無い空洞部を形成する。このため、着雷時のスパーク防止性能が低下してしまう。
これに対して、螺旋凸部9iの形成されない平坦区間9uを設けたことにより、シーラント11に混入している空気がキャップ9の内部に残留することを防止し、キャップ9の固定性能と着雷時のスパーク防止性能を向上させることができる。
また、内部にシーラント11が充填されたキャップ9がファスナ5およびカラー7に装着される際には、シーラント11と共に混入した空気が底部9bの周縁部に残留し易い。そこで、上記のように底部9bの内面側の面形状を円錐面とすることにより、底部9bの周縁部に残留しようとする空気を底部9bの中央部側に移動させ、底部9bに形成された貫通穴9nから外部に排出することができる。
このため、シーラント11に混入している空気がキャップ9の内部に残留することを防止し、キャップ9の固定性能と着雷時のスパーク防止性能を向上させることができる。
なお、本発明は上記各実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。例えば、上記各実施形態の構成を組み合わせたものとしてもよい。
1 固定構造部
3 構造材
3c 表面
5 ファスナ
5a 先端部
5e リセス穴
7 カラー
8 ワッシャ
9 キャップ
9a 開口端部
9b 底部
9c 外周部
9e 内周面
9h 螺旋凹溝(凹部、係合部)
9i 螺旋凸部(螺旋形状)
9j 突出部
9m 貫通穴(係合部、回動規制形状)
9n 貫通穴(係合部、回動規制形状)
9p 枠部(係合部、回動規制形状)
9q 縦溝部(係合部、回動規制形状)
9r ディンプル(係合部、回動規制形状)
9s 突起(係合部、回動規制形状)
9t 切欠(係合部、回動規制形状)
9u 平坦区間
11 シーラント(充填材)
CL 中心軸線

Claims (21)

  1. 重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に対して締結されたカラーとによって、これら構造材同士を固定する固定構造部に適用され、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように配置される航空機構造材固定用キャップであって
    その内周面には、該内周面と前記構造材の前記表面との間に形成される空間に充填される充填材に対して係合する係合部が形成され
    前記係合部は、前記ファスナの中心軸線を共通の中心軸線とする螺旋形状に沿ってキャップの開口端部まで形成され、
    前記キャップが前記ファスナおよび前記カラーに取り付けられる時に、該キャップと、前記ファスナおよび前記カラーとの間に充填された前記充填材中に生じたボイドを、該キャップの外部へと排出可能にしたことを特徴とするキャップ。
  2. 前記螺旋形状は、複数条設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記螺旋形状は、当該キャップの底部に達しないように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップ。
  4. 前記係合部の底部または先端部が略R形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキャップ。
  5. 前記係合部の底部または端部がC面形状であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のキャップ。
  6. 前記ファスナは、その前記先端部の略中心に、前記カラーを前記ファスナに締結する際に該ファスナを支持する工具を挿入可能な位置決め穴を備え、
    前記キャップの内周面には、前記ファスナの前記先端部に対向する位置に前記ファスナに向かって突出して、前記位置決め穴に挿入されて位置決めを行う突出部が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のキャップ。
  7. 前記内周面は、前記ファスナの中心軸線が共通の中心軸線となるように前記係合部の一部を介して前記カラーを支持する形状に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のキャップ。
  8. 前記係合部は、固化した前記充填材と係合することにより、当該キャップが前記ファスナおよび前記カラーに対して前記ファスナの中心軸線を中心に回動することを規制する回動規制形状とされていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のキャップ。
  9. 前記回動規制形状が前記充填材と係合する位置は、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置であることを特徴とする請求項8に記載のキャップ。
  10. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの外周部の少なくとも1箇所に貫通形成された貫通穴とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  11. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの底部の、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置に少なくとも1つ貫通形成された貫通穴とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  12. 前記回動規制形状である係合部は、前記内周面を前記中心軸線に沿って延びる縦溝部とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  13. 前記回動規制形状である係合部は、前記内周面に刻設されたディンプルとされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  14. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの樹脂成形後に切削工具により後加工されて形成されることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載のキャップ。
  15. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの開口端部の外周部から、前記構造材の表面の面方向に沿って延びる突起とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  16. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの開口端部に形成された切欠部とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  17. 前記回動規制形状である係合部は、当該キャップの底部の外面に形成された多角形状の枠部と、この枠部の内側に位置するように前記底部に形成された貫通穴とされていることを特徴とする請求項8または9に記載のキャップ。
  18. 当該キャップの底部の内面側の面形状が、その外周部から中心部に向かって前記ファスナの先端部から遠退く円錐面とされ、この底部に貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のキャップ。
  19. 重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、
    該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に対して締結されたカラーと、
    前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように配置されるキャップと、
    を備え、
    前記ファスナおよび前記カラーによって前記構造材同士を固定する航空機構造材固定用固定構造部であって、
    その内周面には、該内周面と前記構造材の前記表面との間に形成される空間に充填される充填材に対して係合する係合部が形成され、
    前記係合部は、前記ファスナの中心軸線を共通の中心軸線とする螺旋形状に沿ってキャップの開口端部まで形成され、
    前記キャップが前記ファスナおよび前記カラーに取り付けられる時に、該キャップと、前記ファスナおよび前記カラーとの間に充填された前記充填材中に生じたボイドを、該キャップの外部へと排出可能にしたことを特徴とする固定構造部。
  20. 前記係合部は、前記キャップの外周面と前記構造材の表面との間に充填された前記充填材を、前記ファスナの中心軸線に対して偏心した位置で前記キャップに係合させる回動規制形状であることを特徴とする請求項19に記載の固定構造部。
  21. 前記キャップの外周面と前記構造材の表面との間に、前記充填材が設けられていることを特徴とする請求項19または20に記載の固定構造部。
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