JP5634031B2 - 重合体粒子およびそれを用いた重合体粒子含有組成物 - Google Patents
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本発明の重合体粒子は、ビニル系架橋性単量体に由来する成分を重合体粒子構成成分中25質量%以上含む重合体粒子であることが好ましい。また。前記ビニル系架橋性単量体に由来する成分が(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分と、スチレン系架橋性単量体に由来する成分とを含有するものであることが好ましい。上述の架橋性成分を含有することにより、重合体粒子における凝集抑制効果がさらに顕著となる。また、本発明の重合体粒子は、シード重合法により得られるものであることが好ましい。シード重合法により粒子径の揃った重合体粒子を安価に製造し得る。
また、本発明の重合体粒子含有組成物は、前記重合体粒子と溶媒とを含有する重合体粒子含有組成物である。前記重合体粒子含有組成物は、さらにバインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂を含有することにより、重合体粒子が凝集することなく分散した状態で分散した膜が得られる。
本発明の重合体粒子は、ビニル系重合体を含む重合体粒子であって、粒子径の変動係数が20%以下であり、疎水性指数が15〜35であることを特徴とする。疎水性指数が15よりも小さくなると重合体粒子含有組成物中における重合体粒子の分散性が低下し、粒子が沈降しやすくなり、また疎水性指数が35よりも大きくなると、重合体粒子自体の自己反発性が低くなり粒子同士が凝集しやすくなる。
ここで本発明において、自己反発性とは、重合体粒子を溶媒などと混合して重合体粒子含有組成物を調整した後、当該重合体粒子含有組成物から溶媒を揮発させた際に、分散剤などの添加剤を加えなくても、重合体粒子表面間の反発力により自発的に分散し、実質的に殆どの粒子が凝集することなく個々に分散し1次粒子として存在する状態を意味する。
重合体粒子の疎水性指数は15.0以上が好ましく、17.5以上がより好ましく、18.0以上がさらに好ましい。また、疎水性指数が35.0以下が好ましく、34.5以下がより好ましく、34.0以下がさらに好ましい。なお、重合体粒子の疎水性指数とは、重合体粒子の疎水性を示す指標であり、後述する方法によって測定できる。
本発明の重合体粒子はビニル系重合体を含む重合体粒子であるが、重合体粒子100質量%に対して、ビニル系重合体を80質量%以上含む重合体粒子であることが好ましい。ビニル系重合体の含有量が80質量%未満であると重合体粒子同士の2次凝集が起こり易くなる虞がある。ビニル系重合体の含有量は90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。重合体粒子が、実質的にビニル系重合体100質量%からなることが特に好ましい。
本発明の重合体粒子は、1種または2種以上のビニル系単量体を含むビニル系単量体混合物を含む単量体組成物を重合してなるビニル系重合体を含むものであることが好ましい。本発明でいうビニル系重合体とは、1種または2種以上のビニル系単量体を付加重合して得られる重合体を意味する。ビニル系単量体については後述するが、後述するビニル結合を有する有機基を有するシラン化合物(ビニル結合含有シラン化合物ともいう)が含まれる。該シラン化合物の加水分解縮合物(ビニル結合含有ポリシロキサンともいう)を単独で重合してなる重合体、該ビニル結合含有ポリシロキサンを他のビニル系単量体と共重合してなる重合体も、ビニル系重合体の好ましい形態である。
したがって、本発明の重合体粒子は、ビニル系単量体組成物に含まれるビニル系単量体総量100質量%に対してビニル系架橋性単量体を25質量%以上含むビニル系単量体混合物を含有する単量体組成物を重合してなるものであることが好ましい。
中でも、該ビニル系重合体が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分と、スチレン系架橋性単量体に由来する成分とを含有することが好ましい。重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分とスチレン系架橋性単量体に由来する成分とを含むビニル系重合体を含む構造とすることにより、該重合体粒子を含有する組成物から溶媒を揮発させる際に重合体粒子の自己反発性が一層強いものとなり、均一分散性に優れるものとなる。したがって、本発明の重合体粒子は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の1種または2種以上と、スチレン系架橋性単量体の1種または2種以上とを含むビニル系単量体混合物を含む単量体組成物を重合してなるものであることが好ましい。
さらに炭化水素系溶剤など一般に樹脂粒子を膨順させやすい溶剤を溶媒成分とする組成物中における分散安定性や溶媒除去時における均一分散性に優れるものとなる理由から本発明の重合体粒子を構成する(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分が、分子中にビニル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体(2官能(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体)に由来する成分であることが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する成分であることがさらに好ましい。また、スチレン系架橋性単量体に由来する成分としては、ジビニルベンゼンに由来する成分であることが好ましい。特に、本発明の重合体粒子は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する成分と、ジビニルベンゼンに由来する成分とを含むことが好ましく、さらに、これらの成分の合計量が重合体粒子構成成分中25質量%以上であることが好ましい。
ここで、重合体粒子における、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分とスチレン系架橋性単量体に由来する成分との含有割合は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分/スチレン系架橋性単量体に由来する成分の含有量が質量比で表して、10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
本発明の重合体粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、20%以下であることが好ましい。粒子径の変動係数は10%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましい。CV値が20%より大きくなると、重合体粒子間の自己反発性が不十分となり粒子同士が凝集しやすくなるおそれがある。その原因は定かではないが、粒子径のばらつきが大きくなることにより、個々の粒子間で表面エネルギーにばらつきが生じ、均等な自己反発力が働かないことにより凝集しやすくなるものと推測される。なお、CV値は、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置により測定される重合体粒子の個数平均粒子径と、重合体粒子の粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
重合体粒子の粒子径の変動係数(%)=100×粒子径の標準偏差/個数平均粒子径
本発明の重合体粒子の屈折率は、好ましくは1.50以上であり、1.62以下が好ましい。重合体粒子の屈折率が上記範囲内であれば、例えば、重合体粒子を光学用途などに用いる場合、良好な光散乱特性を得ることができる。
本発明の重合体粒子の真比重は、1.00〜1.50であることが好ましく、より好ましくは1.00〜1.40であり、さらに好ましくは1.00〜1.35である。真比重が1.00より小さいと粒子が含まれる有機粒子含有組成物中で粒子が受ける浮力の影響で組成物中の粒子分散状態が不均一となるおそれがある。また、真比重が1.50を超える場合には重力による粒子の沈降の影響で組成物中の粒子分散状態が不均一となるおそれがある。なお、真比重は、単位体積(1cm3)当りの質量(g)で示す。
本発明の重合体粒子は、ビニル系重合体を含む重合体粒子であるが、有機骨格のみからなる有機質重合体粒子に限定されず、たとえば、有機骨格と無機骨格とを含む有機無機複合粒子の形態も含む。
有機質重合体粒子としては、後術する(メタ)アクリル系単量体に由来する成分及び/またはスチレン系単量体に由来する成分からなり無機成分を含まない有機質骨格のみからなる(メタ)アクリル系(共)重合体粒子、(メタ)アクリル系−スチレン系共重合体粒子等があげられる。すなわち、有機質重合体粒子としては、後術する(メタ)アクリル系単量体及び/またはスチレン系単量体を(共)重合してなるビニル系重合体からなる、(メタ)アクリル系(共)重合体粒子、(メタ)アクリル系−スチレン系共重合体粒子があげられる。一方、有機無機複合粒子としては、たとえばビニル結合含有シラン化合物やビニル結合含有ポリシロキサンを単独であるいは(メタ)アクリル系単量体、スチレン系単量体などと共重合してなるビニル系重合体を含む重合体粒子があげられる。なお、本発明の上述の有機質重合体粒子、有機無機複合粒子などの重合体粒子には、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニル系重合体以外の有機ポリマー成分;顔料、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などの各種機能性付与を目的とする添加剤成分;重合開始剤(分解残渣)、連鎖移動剤、重合安定剤、界面活性剤などの重合体粒子を製造する上で混入する不純物等を含有していてもよい。通常、添加剤成分や不純物成分の含有量は10質量%以下であることが好ましい。
有機質重合体粒子は、ビニル系単量体を含有する単量体混合物を含む単量体組成物を重合して得られる。単量体混合物に含有させるビニル系単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有するビニル系非架橋性単量体、1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系架橋性単量体のいずれも使用することができる。
前記単量体混合物中のビニル系架橋性単量体の含有率は、得られる有機質重合体粒子構成成分中のビニル系架橋性単量体に由来する成分の含有量が25質量%以上となるように調製することが好ましい。より好ましくは27質量%以上となるように調製することが好ましく、30質量%以上となるように調整することが好ましい。上限は100質量%である。架橋性単量体成分の含有率が25質量%よりも少なくなると、重合体粒子含有組成物から溶媒を揮発させた際に、重合体粒子間の凝集が起こりやすくなる虞がある。なお、有機質重合体粒子を懸濁重合や分散重合で製造する場合は、単量体組成物の組成が得られる重合体粒子の組成と実質的に同じとなるため、単量体組成物における、ビニル系架橋性単量体の含有率を上述した範囲に調製して重合すればよい。また、有機質重合体粒子をシード重合法で製造する場合は、シード粒子を構成する成分量を加味して、吸収させる単量体組成物におけるビニル系架橋性単量体の含有率を調製すればよい。
これらのビニル系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、有機質重合体粒子を製造するにおいては、単量体組成物における単量体混合物が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の1種以上と、スチレン系架橋性単量体の1種以上の少なくとも2種以上の架橋性単量体を含有するものであることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体とスチレン系架橋性単量体とを併用することにより、得られる重合体粒子を含有する組成物から溶媒を揮発させる際に重合体粒子の自己反発性が一層強いものとなり、均一分散性に優れるものとなる。
さらに炭化水素系溶剤など一般に樹脂粒子が膨潤し易い溶剤を溶媒成分とする組成物中における分散安定性や溶媒除去時における均一分散性に一層優れるものとなる理由から、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体としては、分子中にビニル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体(2官能(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体)が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のビニル系架橋性単量体がさらに好ましい。また、スチレン系架橋性単量体としては、ジビニルベンゼンが好ましい。特に、本発明の重合体粒子は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体と、ジビニルベンゼンとを含む単量体混合物を含む単量体組成物を重合して得られるものが好ましく、さらに、これらのビニル系架橋性単量体成分の合計量が重合体粒子構成成分中25質量%以上となるように単量体混合物および単量体組成物を調製することが好ましい。
ここで、単量体混合物における、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体とスチレン系架橋性単量体との含有割合は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の含有量/スチレン系架橋性単量体の含有量の質量比が、10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
すなわち、吸収させる単量体組成物がビニル系架橋性単量体を含有することが好ましく単量体混合物中のビニル系架橋性単量体の含有率が、シード粒子を構成する成分量を加味して、得られる有機質重合体粒子構成成分中のビニル系架橋性単量体に由来する成分の含有量が25質量%以上となるように調製することが好ましい。より好ましくは27質量%以上となるように調製することが好ましく、30質量%以上となるように調整することが好ましい。また、これらビニル系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、有機質重合体粒子を製造するにおいては、吸収させる単量体組成物における単量体混合物が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の1種以上と、スチレン系架橋性単量体の1種以上の少なくとも2種以上の架橋性単量体を含有するものであることが好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体としては、分子中にビニル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体(2官能(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体)が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のビニル系架橋性単量体がさらに好ましい。また、スチレン系架橋性単量体としては、ジビニルベンゼンが好ましい。特に、本発明の有機質重合体粒子は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体と、ジビニルベンゼンとを含む単量体組成物を吸収させて重合して得られるものが好ましく、さらに、これらのビニル系架橋性単量体成分の合計量が有機質重合体粒子構成成分中25質量%以上となるように単量体混合物および単量体組成物を調製することが好ましい。
ここで、単量体混合物における、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体とスチレン系架橋性単量体との含有割合は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の含有量/スチレン系架橋性単量体の含有量の質量比が、10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
シード重合における単量体組成物の仕込み量は、シード粒子1質量部に対して0.5質量部〜50質量部とすることが好ましい。単量体組成物の仕込み量が、少なすぎると重合による粒子径の増加が小さくなり、また、多すぎると単量体組成物が完全にシード粒子に吸収されず、媒体中で独自に重合して異常粒子を生成するおそれがある。
また、吸収工程においては、単量体組成物はシード粒子が分散含有される水系媒体にそのまま添加してもよいが、シード粒子に対する単量体組成物の吸収率を高め易いことから単量体組成物を水系媒体に乳化分散した状態で、シード粒子が分散含有される水系媒体と混合することが好ましい。
有機無機複合粒子は、有機骨格と無機骨格とを含んでなる粒子である。前記有機無機複合粒子の態様としては、形態a)有機骨格がビニル系重合体からなり、該有機骨格中に無機骨格としてシリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物等の無機質微粒子が分散含有されてなる粒子;形態b)有機骨格がビニル系重合体からなり、無機骨格として(オルガノ)ポリシロキサン、ポリチタノキサン等のメタロキサンポリマー(「金属−酸素−金属」結合を含む分子鎖)が分散含有されてなる形態(ここで有機骨格と無機骨格とは直接化学結合していない);形態c)無機骨格としてのポリシロキサン骨格と有機骨格とからなり、ポリシロキサン骨格を構成するケイ素原子の少なくとも一部のケイ素原子が有機骨格中の少なくとも1つの炭素原子と化学結合してなる形態があげられる。
形態b)の中でも、無機骨格が(オルガノ)ポリシロキサンである形態(形態b−1)という)が好ましい。
また、形態c)は、有機骨格とポリシロキサン骨格によりビニル系重合体が構成されている形態である。たとえば、ビニル結合含有アルコキシシランやビニル結合含有ポリシロキサンを単独であるいは(メタ)アクリル系単量体、スチレン系単量体などと共重合してなる有機無機複合粒子が好ましくあげられる。
これらの中でも、形態b−1)および形態c)が好ましく、ゾルゲルシード重合法により得られる形態b−1)、c)からなる有機無機複合粒子が好ましい。
R’mSiX4−m (3)
(式中、R’は置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、Xは水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、mは0から3までの整数である。)
化学式(3)で表されるシラン化合物としては、特に限定はされないが、例えば、m=0のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン;m=1のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性シラン;m=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能性シラン;m=3のものとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の1官能性シラン等が挙げられる。
CH2=C(−Ra)−COORb− (4)
(式中、Raは水素原子またはメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
CH2=C(−Rc)− (5)
(式中、Rcは水素原子またはメチル基を表す。)
CH2=C(−Rd)−Re− (6)
(式中、Rdは水素原子またはメチル基を表し、Reは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
化学式(4)の有機基としては、例えば、(メタ)アクリロキシ基等が挙げられ、(メタ)アクリロキシ基を有する一般式(3)のシラン化合物としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−(メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
すなわち、吸収させる単量体組成物がビニル系架橋性単量体を含有することが好ましく、単量体混合物中のビニル系架橋性単量体の含有率が、シード粒子を構成する成分量を加味して、得られる有機無機複合粒子構成成分中のビニル系架橋性単量体に由来する成分の含有量が25質量%以上となるように調製することが好ましい。より好ましくは27質量%以上となるように調製することが好ましく、30質量%以上となるように調整することが好ましい。また、これらビニル系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、有機質重合体粒子を製造する場合においては、吸収させる単量体組成物における単量体混合物が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の1種以上と、スチレン系架橋性単量体の1種以上の少なくとも2種以上の架橋性単量体を含有するものであることが好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体としては、分子中にビニル基を2個有する(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体(2官能(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体)が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のビニル系架橋性単量体がさらに好ましい。また、スチレン系架橋性単量体としては、ジビニルベンゼンが好ましい。特に、本発明の有機無機複合粒子は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体と、ジビニルベンゼンとを含む単量体組成物を吸収させて重合して得られるものが好ましく、さらに、これらのビニル系架橋性単量体成分の合計量が有機無機複合粒子構成成分中25質量%以上となるように単量体組成物を調製することが好ましい。
ここで、単量体混合物における、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体とスチレン系架橋性単量体との含有割合は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体の含有量/スチレン系架橋性単量体の含有量の質量比が、10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。
[重合体粒子含有組成物]
本発明の重合体粒子含有組成物について説明する。本発明の重合体粒子含有組成物は、前記重合体粒子と溶媒とを含有することを特徴とする。
前記重合体粒子は溶媒に対して安定に分散し、且つ、自己反発性を有するため、前記重合体粒子含有組成物は、分散剤などを添加したり、さらに重合体粒子の表面処理をおこなったりしなくても、溶媒を揮発させるだけで重合体粒子が1次分散した状態を形成させることができる。具体的には、例えば、前記重合体粒子含有組成物を基材へ塗工して、当該重合体粒子含有組成物中の溶媒を揮発させるだけで、基材表面に重合体粒子の1次粒子を点在させることができ、重合体粒子によるアンチブロッキング効果を容易に発現させることができる。
また、本発明の重合体粒子含有組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて重合体粒子、溶媒およびバインダー樹脂に加えて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、レベリング剤、無機フィラー、顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベリング剤を添加することにより、重合体粒子含有組成物を基材フィルム上へ塗工した後の溶媒乾燥時に、塗膜表面からの溶媒の蒸発を均一化し塗膜表面を平坦化することができる。前記レベリング剤としてはシリコーン系、アクリル系、フッ素系のものが挙げられる。レベリング剤の具体例としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社から市販されている「BYK−320」、「BYK−352」、「BYK−340」等が挙げられる。
前記無機フィラーを添加することにより、重合体粒子含有組成物から形成される硬化層の屈折率を調整することができる。無機フィラーを添加ずる場合、無機フィラーの添加量は、重合体粒子含有組成物の固形分全質量の1質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらにこのましくは10質量%以上であり、90質量%以下することが好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。1質量%よりも少ないと屈折率の調整を行うことが困難となり、また90質量%よりも多いと重合体粒子の分散性が低下するおそれがある。
[用途]
本発明の重合体粒子および重合体粒子含有組成物は、各種工業用フィルムのアンチブロッキング用途、塗料の艶消し剤、化粧品用添加剤、あるいは光拡散フィルム、光拡散板、反射フィルム、反射防止フィルム、などの光拡散媒体に好適に使用される。
[平均粒子径、粒子径の変動係数(CV値)]
粒子の平均粒子径は、コールターマルチサイザーIII型(ベックマンコールター社製)により、30000個の粒子の粒子径を測定し、個数平均粒子径を求めた。粒子径のCV値(変動係数)は、下記式に従って求めた。
有機粒子0.5gを二硫化炭素40gに分散させて有機粒子分散液を調整した。次いで、スターラーを用いて重合体粒子分散液を攪拌しながら、この重合体粒子分散液にエタノールを適下していき、当該重合体粒子分散液が目視で透明と判断されるまでエタノールを適下した。重合体粒子分散液が目視で透明と判断されるまでに適下したエタノールの質量と二硫化炭素の質量(40g)から、重合体粒子分散液が透明となった時点でのエタノール/二硫化炭素質量比に相当する二硫化炭素−エタノール混合液を調整し、この混合液の屈折率をアッベ屈折計(アタゴ社製、NAR−1T)にて測定し、得られた値を重合体粒子の屈折率とした。
底部に攪拌子を置いた200mlのガラスビーカーに、イオン交換水50mlを投入し、水面に重合体粒子0.2gを浮かべた後、攪拌子を緩やかに回転させる。その後、ビーカー内の中央付近で、水面とビーカー底面の間の中間付近の水中にビュレットの先端を沈め、攪拌子を緩やかに回転させながら、前記重合体粒子添加から5分後に、ビュレットからメタノールを1ml/分の速度で徐々に導入する。メタノールは1mlずつ導入し、1ml導入する度に3分攪拌を行い、また1mlずつ導入した。水面の重合体粒子の全量が水中に沈むまで(実質的に水面に浮いている重合体粒子がなくなった状態)メタノールの導入を続け、水中に重合体粒子の全量は沈んだ時のメタノール導入量(ml)を測定し、下式に基づき疎水性指数を求めた。
疎水性指数(%)=100×メタノール導入量(ml)/(イオン交換水の量(ml)+メタノール導入量(ml))
なお、ビュレットからメタノールを添加する前に、水面に浮かべた重合体粒子が水中に完全に沈んだ場合は、疎水性指数を0と判定した。
[重合体粒子含有組成物中での重合体粒子の分散性および溶媒乾燥後の分散性]
重合体粒子含有組成物をマイクロスコープにより観察し、重合体粒子含有組成物中での重合体粒子の分散安定性を下記の基準で評価した。次いで、重合体粒子含有組成物をバーコーターNo.10を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、放置して溶媒を乾燥させた。溶媒が乾燥した後、マイクロスコープにより重合体粒子の分散状態を観察し、下記の基準で評価した。
評価基準
組成物中での分散安定性
○:ほとんどの粒子が凝集せず1次粒子として均一に分散し、粒子の沈降も見られない。
△:1次粒子と2次粒子が混在している、もしくは一部の粒子が沈降している。
×:ほとんどの粒子が凝集し、2次粒子を形成している。
溶媒乾燥後の分散性
○:ほとんどの粒子が個々に分散し、1次粒子として存在している。
△:個々に分散し、1次粒子として存在しているものと、2〜4個の粒子が凝集した2次粒子が混在している。
×:ほとんどの粒子が凝集し、2次粒子を形成している、もしくは5個以上の粒子が凝集した2次粒子が多く存在する。
製造例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水526質量部と25%アンモニア水1.6質量部、メタノール118質量部を入れ、攪拌しながらこの溶液に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM−503)30質量部を滴下口から添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合を行ってシード粒子となるポリシロキサン粒子を調整した。反応開始から2時間後、得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、コールタ−マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)により粒子径を測定したところ、平均粒子径は1.8μmであった。
製造例2
単量体を、スチレン(St)135質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)106.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(2)を得た。得られた重合体粒子(2)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例3
単量体を、スチレン(St)100質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)141.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(3)を得た。得られた重合体粒子(3)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例4
単量体を、スチレン(St)65質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)176.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(4)を得た。得られた重合体粒子(4)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例5
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)170質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)30質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)100質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(5)を得た。得られた重合体粒子(5)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例6
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)50質量部、メタクリル酸メチル(MMA)70質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)30質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)150質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(6)を得た。得られた重合体粒子(6)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例7
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)4質量部、メタクリル酸メチル(MMA)187質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)109質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(7)を得た。得られた重合体粒子(7)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例8
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)191質量部、メタクリル酸メチル(MMA)4質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)105質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(8)を得た。得られた重合体粒子(8)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例9
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)23質量部、メタクリル酸メチル(MMA)194質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)23質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)60質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(9)を得た。得られた重合体粒子(9)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例10
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水270質量部とスチレン30質量部、n−デシルメルカプタン1.5質量部、塩化ナトリウム0.4質量部を加え、反応容器内に1時間窒素を流して、反応容器内の窒素置換を行った。その後、混合溶液を70℃まで昇温させた後、少量のイオン交換水に溶かした0.3質量部の過硫酸カリウムを注射器により反応系中に加えた。その後70℃で24時間反応を行った。反応終了後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した。得られた重合体シード粒子の粒子径をコールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定したところ、個数平均粒子径は1.5μm、変動係数は3.0%であった。
製造例11
製造例10で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)170質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)71.5質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)109質量部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして重合体粒子(11)を得た。得られた重合体粒子(11)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例12
製造例10で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)4質量部、メタクリル酸メチル(MMA)187質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB960)109質量部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして重合体粒子(12)を得た。得られた重合体粒子(12)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例13
製造例10で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)191質量部、メタクリル酸メチル(MMA)4質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)105質量部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして重合体粒子(13)を得た。得られた重合体粒子(13)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
比較製造例1
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)226.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)71.5質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)2質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(c1)を得た。得られた重合体粒子(c1)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
比較製造例2
製造例1で乳化分散に用いた単量体を、メタクリル酸メチル(MMA)215質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)35質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)50質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子(c2)を得た。得られた重合体粒子(c2)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
比較製造例3
製造例10で乳化分散に用いた単量体を、スチレン(St)226.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)71.5質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)2質量部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして重合体粒子(c3)を得た。得られた重合体粒子(c3)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
比較製造例4
製造例10で乳化分散に用いた単量体を、メタクリル酸メチル(MMA)215質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)35質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)50質量部に変更したこと以外は、製造例10と同様にして重合体粒子(c4)を得た。得られた重合体粒子(c4)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
比較製造例5
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、界面活性剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、ハイテノールNF−08)を6部溶解したイオン交換水の水溶液450部を仕込んだ。そこへあらかじめ調整しておいたスチレン(St)170質量部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)71.5質量部、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、DVB570)58.5質量部からなる単量体混合物、および重合開始剤として2、2‘−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V−65)2部を仕込みTKホモミキサー(特殊機化工業社製)により5000rpmで5分間乳化分散させて懸濁液を調整した。この懸濁液にイオン交換水750部を加え、窒素雰囲気下で65℃に昇温させて、65℃で2時間保持しモノマーのラジカル重合を行った。ラジカル重合後、得られた乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、次いでメタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下40℃で2時間真空乾燥を行った。乾燥後の粒子を、粉砕機(日本ニューマチック工業社製、「実験室用超音速ジェット粉砕機 LJ Type」)にて粉砕圧4kgf/cm2で粉砕し、さらに分級を行って重合体粒子(c5)を得た。得られた重合体粒子(c5)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
製造例14
比較製造例5と同様にして懸濁重合を行うことにより重合体粒子を得た後、さらに分級することによって、重合体粒子(14)を得た。得られた重合体粒子(14)の単量体組成および各評価結果を表1に示した。
実施例1
製造例1で得られた重合体粒子(1)10質量部を表2に示す各種溶媒90質量部に添加混合し、ホモディスパー(T.K.HOMODISPER Model 2.5 PRIMIX社製)にて1000rpmで30分攪拌することにより、重合体粒子(1)が各種溶媒に分散した重合体粒子含有組成物を調製した。また、重合体粒子(1)10質量部を表2に示す、各種溶媒とバインダーからなる溶液90質量部に添加混合し、ホモディスパー(T.K.HOMODISPER Model 2.5 PRIMIX社製)にて1000rpmで30分攪拌することにより、重合体粒子(1)が各種バインダー含有溶液に分散した重合体粒子含有組成物を調製した。
実施例2〜14 および比較例1〜5
製造例2〜14で得られた重合体粒子(2)〜(14)、比較製造例1〜5で得られた重合体粒子(c1)〜(c5)に関し、実施例1と同様にして重合体粒子含有組成物を調製し、得られた各重合体粒子含有組成物中での重合体粒子の分散性および溶媒乾燥後の分散性に関し評価した。その結果を表3に示す。
疎水性指数が15より小さい重合体粒子(c2)、(c4)を用いた重合体粒子含有組成物は、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた場合には、組成物中での重合体粒子の分散安定性が良好であったが、溶媒としてトルエンを用いた場合には組成物中での重合体粒子の分散安定性が悪かった。また、重合体粒子(c2)、(c4)を用いた重合体粒子含有組成物は、さらにバインダーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートを含有させた場合でも溶媒のみの分散安定性と同一の結果であった。なお、重合体粒子(c2)、(c4)を用いた重合体粒子含有組成物の溶媒乾燥後の重合体粒子は、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた場合には、ほとんどの重合体粒子が個々に分散し、1次粒子として存在していることが確認されたが、溶媒としてトルエン、メチルエチルケトンを用いた場合には、ほとんどの重合体粒子が凝集し、2次粒子を形成していた。
Claims (5)
- ビニル系重合体を含む重合体粒子と溶媒とを含有する重合体粒子含有組成物であって、
さらにバインダー樹脂を含有し、
前記重合体粒子が、粒子径の変動係数が20%以下であり、疎水性指数が15〜35であり、ビニル系架橋性単量体に由来する成分を重合体粒子構成成分中25質量%以上含み、
前記ビニル系架橋性単量体が、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、デカエチレングリコールジメタクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする重合体粒子含有組成物。 - 前記ビニル系架橋性単量体に由来する成分が(メタ)アクリル酸エステル系架橋性単量体に由来する成分と、スチレン系架橋性単量体に由来する成分とを含有する、請求項1に記載の重合体粒子含有組成物。
- 重合体粒子が、シード重合法により得られるものである、請求項1または2に記載の重合体粒子含有組成物。
- 前記重合体粒子の個数平均粒子径が、0.5μm〜40μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合体粒子含有組成物。
- 前記重合体粒子の屈折率が、1.50以上1.62以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合体粒子含有組成物。
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