JP5558796B2 - 微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微粒子の製造方法に関し、詳しくは、1μm超の粒子径を有する粗大な粒子の生成が抑制され、サブミクロンサイズ(1μm以下)のメジアン径を有する微粒子の製造方法に関するものである。
無機質のみ、または、有機質のみからなる微粒子や、粒子内に有機質部分と無機質部分とを有する微粒子は、各種フィルム用の添加剤、液晶表示素子用のスペーサー、導電性微粒子用の基材粒子など、様々な分野で用いられている。また、これらの用途においては、微粒子に由来する特性の向上や最終製品のさらなる小型化を目的として、より小さな粒子径を有する粒子が求められている。
小粒子径の微粒子を製造する方法としては、例えば、特許文献1に、重合初期と、重合中期から後期の攪拌条件を好適化して、より小さな粒子径(50μm以下)のメタクリル樹脂粒子を製造する方法が開示されている。
特開2005−179427号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、1μmを超える粒子径を有する粗大粒子の生成を抑制でき、サブミクロンサイズ(1μm以下)の平均粒子径を有する微粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の条件下で、微粒子の原料を反応系内に添加し、加水分解縮合反応を行うことで、1μm超の粒子径を有する粗大粒子の生成が抑制されると同時に、メジアン径をサブミクロンサイズ(1μm以下)に制御できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の微粒子の製造方法とは、攪拌翼を有する攪拌軸と添加口とを備えた反応槽で、加水分解性基および/または縮合性基を有する金属化合物の加水分解縮合反応を行って微粒子を製造する方法であって、前記攪拌軸は反応槽中心部に、前記添加口は攪拌軸と反応槽壁面との間に、それぞれ設けられ、攪拌軸の回転方向を正として表した場合に、攪拌軸と添加口とを結ぶ直線に対して、添加方向を水平面に投影した線分のなす角θ1が−90°〜90°となる範囲に、前記添加口より反応槽壁面に向けて前記金属化合物を噴出させて反応槽に添加するところに特徴を有する。
前記金属化合物は、金属化合物の添加方向と、攪拌軸方向とのなす角θ2を、真下が0°、真上が180°となる様に表したとき、該θ2が0°超、180°未満となる方向に、前記添加口より噴出させて反応系内へと添加することが好ましい。
また、上記添加口は、攪拌軸から反応槽壁面までの距離をDとしたときに、攪拌軸から0.05D〜0.95Dの位置に設けられているのが望ましい。
前記金属化合物は、MXn(MはSiを除く金属元素、nは金属元素Mの原子価、Xは加水分解性基および/又は縮合性基を表す)および/または(R1p(R2qSiX(4-p-q)(R1はラジカル重合性二重結合を有する有機基、R2はアルキル基、アリール基またはアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、置換基を有していてもよいが、ラジカル重合性二重結合は有さない基であり、Xは加水分解性基および/または縮合性基を示し、pおよびqはいずれも0〜3で、p+qは3以下である。なお、pまたはqが2以上である場合、2以上のR1またはR2は、同一であっても、異なっていてもよい。)であるのが好ましい。
上記加水分解縮合反応は、反応槽の単位容積あたりの攪拌所要動力3.25×10-4kW/m3〜4.88×10-1kW/m3で、反応溶液を攪拌しながら行うのが好ましい。また、上記微粒子のメジアン径(体積基準の累積粒径分布の50%に相当する粒径)は1μm以下であるのが好ましい。
本発明によれば、分級操作を行わなくとも、1μm超の粒子径を有する粗大粒子の含有量が少なく、サブミクロンサイズ(1μm以下)のメジアン径を有する微粒子を製造することができる。
本発明法における金属化合物の添加方法を示すための反応槽の水平断面図である。 本発明法における金属化合物の添加方法を示すための反応槽鉛直断面図である。
[微粒子の製造方法]
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定条件下で、微粒子の原料となる金属化合物を反応系内に添加して、加水分解縮合反応を行うことで、驚くべきことに、1μm超の粒子径を有する粗大な粒子の生成が抑えられ、サブミクロンサイズ(1μm以下)の微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の製造方法とは、攪拌翼を有する攪拌軸と添加口とを備えた反応槽で、加水分解性基および/または縮合性基を有する金属化合物の加水分解縮合反応を行って微粒子を製造する方法である。
まず、本発明の製造方法で使用する反応装置について説明する。本発明で使用する反応装置は、攪拌翼を有する攪拌軸と添加口とを備えた反応槽を有している。攪拌軸は反応槽の中心に位置するものであり、攪拌軸の回転により、攪拌翼が回転軸を中心として旋回することで、反応槽内の反応溶液が攪拌される。
攪拌翼の形状は特に限定されず、一般に用いられるプロペラ型、タービン型、パドル型、アンカー型、ヘリカルリボン型、ヘリカルスクリュー型など従来公知のものが使用できる。また、反応槽内には、必要に応じてバッフル(邪魔板)を設置してもよい。
本発明に係る反応槽には、微粒子の原料となる金属化合物を反応系内へと添加するための添加口を有する添加装置が備えられている。加水分解縮合反応は、反応系内に一括で金属化合物を添加して行うこともできるが、微粒子の粒子径を制御する観点から、本発明では添加装置を使用して反応系内に金属化合物を添加する。なお、生成する微粒子の粒子径をより厳密に制御する観点からは、金属化合物は、連続的に、あるいは、分割して断続的に、反応系内へと添加することが推奨される。
添加装置としては、金属化合物を貯留するためのタンクと、貯留された金属化合物を反応槽内へと添加するための添加口と、前記貯留タンクと添加口とを結ぶ管状の脚部とを有するものであればよく、この添加口の先端より原料化合物を噴射させて反応槽内へと添加する。添加口の先端は、反応溶液中に浸漬されていてもよく、また、反応溶液の液面上に位置していてもよく(接触、非接触のいずれであってもよい)、さらに、反応溶液液面から所定の高さに位置していてもよい。前記貯留タンクと添加口とを結ぶ管状の脚部の形状は、例えば、反応溶液液面に対して垂直な直管状であっても、脚部が途中で折れ曲がった形状(曲管状)であってもよく、特に限定はされないが、所望の方向に金属化合物を噴出(噴射)できるように脚部が途中で折れ曲がった曲管状であるのが好ましい。また、添加装置は、金属化合物を所望の方向へと噴射するための制御装置(気圧制御装置など)が備えられているのが望ましい。
前記添加口は攪拌軸と反応槽壁面との間に設けられていればよいが、特に、前記添加口は、攪拌軸から反応槽壁面までの距離をDとしたときに、攪拌軸から0.05D〜0.95Dの位置に設けられているのが望ましい。添加口の位置は0.10D〜0.90Dであるのがより好ましく、0.20D〜0.85Dであるのがさらに好ましい。
本発明では、攪拌軸の回転方向を正として表した場合に、攪拌軸と添加口とを結ぶ直線に対して、添加方向を水平面に投影した線分のなす角θ1が−90°〜90°となる範囲に、前記添加口より反応槽壁面に向けて前記金属化合物を噴出させて反応槽に添加する。すなわち、上記添加態様では、図1に示すように、攪拌軸2と添加口3とを結ぶ直線Xと、金属化合物の添加方向を水平面に投影した線分Y1とのなす角θ1が−90°〜90°の範囲に金属化合物を添加することとなる。
この添加態様により粗大粒子の生成量が低減する。これは、反応槽内における金属化合物の拡散が良好になるためと考えられる。すなわち、反応槽内壁面側よりも液流動の小さい攪拌軸付近へ金属化合物を添加すると、反応槽内への金属化合物の拡散が不十分となり粗大粒子が生成し易い環境となるが、上述のようにθ1が−90°〜90°となる範囲に金属化合物を添加すれば、金属化合物の反応槽内への拡散が良好になり、加水分解縮合反応の初期段階において、反応槽内の金属化合物濃度が不均一になり難く、その結果、粗大粒子の生成が大幅に抑制されるものと推定される。より好ましくはθ1が−45°〜45°、さらに好ましくは0°〜45°となる範囲に金属化合物を添加することが推奨される。
なお、添加方向を水平面に投影した線分が存在しない場合、すなわち、金属化合物を添加口から重力に従って反応層内へと添加する場合であり、金属化合物の添加方向をベクトルで考えたときに攪拌軸に垂直な成分(θ1)が存在しない場合には、金属化合物を反応槽壁面に向けて噴出させることができず、粗大粒子数が増加する傾向があるので好ましくない。
また、金属化合物は、図2に示すように(図2中、攪拌軸、攪拌翼および滴下装置の貯留タンクは省略)、前記金属化合物の添加方向Y2と、攪拌軸方向Zとのなす角θ2が0°超、180°未満となる方向に、添加口3より前記金属化合物を噴出させて反応系内へと添加するのが好ましい。なお、図2では、反応槽底部を真下とし、真下を0°、真上を180°とする。この添加態様によれば、より確実に金属化合物を反応槽内壁面側に添加できるため、反応槽内における金属化合物の拡散が一層良好となり、その結果、粗大粒子の生成が大幅に抑制されるものと考えられる。θ2は45°〜125°であるのがより好ましく、45°〜90°であるのがさらに好ましい。θ2が0°超となるように金属化合物を添加するためには、例えば、先端が所定の角度に曲がった添加口を用い、当該添加口から金属化合物の混合液を噴出させて供給すればよい。なお、θ2が90°超となる場合は、添加口の先端は反応溶液中に浸漬されているのが好ましい。
金属化合物は、θ1とθ2とが上記範囲となるように添加するものであれば、その具体的態様は特に限定されない。例えば、金属化合物を添加口より少量ずつ連続的に反応槽へ添加する態様;金属化合物を何回かに分割して断続的に反応槽へ添加する態様;はいずれも採用できる。
また、加水分解縮合反応における反応槽への金属化合物の添加時間を適切な範囲に制御することも推奨される。添加時間を制御することで、粗大粒子(粒子径が1μm以上の粒子)の生成を抑制し、サブミクロンサイズの粒子径を有する微粒子をより効率的に得ることができる。金属化合物の添加時間は1秒〜120秒とすることが好ましく、より好ましくは1秒〜80秒、さらに好ましくは5秒〜60秒である。添加時間が上記範囲内であれば、生成する微粒子の粒子径をサブミクロンサイズに制御し易く、また、粗大な粒子の生成を抑制し易い。なお、添加時間が長いほど、微粒子の粒子径は増大する傾向にあり、微粒子の粒子径の制御が困難になる虞がある。
さらに、加水分解縮合反応において、反応槽の単位容積当たりの攪拌所要動力(kW/m3)を制御することも、本発明の好ましい態様である。なお、攪拌所要動力は用いる攪拌翼の形状にも依存するが、例えば、単位容積当たりの攪拌所要動力(kW/m3)が、3.25×10-4(kW/m3)〜4.88×10-1(kW/m3)であることが好ましく、より好ましくは2.60×10-3(kW/m3)〜6.10×10-2(kW/m3)である。攪拌所要動力(kW/m3)が4.88×10-1(kW/m3)を超えると、粒子径をサブミクロンサイズに制御することが困難になる虞があり、3.25×10-4(kW/m3)より小さくなると粗大粒子が多量に生成する虞がある。
加水分解縮合の際の反応溶液の温度は0℃以上100℃以下が好ましく、より好ましくは0℃以上70℃以下である。また、加水分解縮合反応は、撹拌下、30分以上100時間以下行うのが好ましい。
上述した製法によれば、サブミクロンサイズの粒子径を有し、かつ、1μm超の粒子径を有する粗大な粒子の含有量が少ない微粒子が得られる。
次に、本発明法で微粒子の原料として用いる金属化合物について説明する。本発明では、微粒子の原料として、加水分解性基および/又は縮合性基を有する金属化合物を用いる。金属化合物としては、MXn(MはSiを除く金属元素、nは金属元素Mの原子価、Xは加水分解性基および/又は縮合性基を表す)および/または(R1p(R2qSiX(4-p-q)(R1はラジカル重合性二重結合を有する有機基、R2はアルキル基、アリール基またはアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、置換基を有していてもよいが、ラジカル重合性二重結合は有さない基であり、Xは加水分解性基および/または縮合性基を示し、pおよびqはいずれも0〜3で、p+qは3以下である。なお、pまたはqが2以上である場合、2以上のR1またはR2は、同一であっても又異なっていてもよい。)が挙げられる。
まず、上記金属化合物の内、MXn(以下、金属化合物(1)と言う場合がある)について説明する。金属化合物MXnに含まれる金属元素MはSiを除く金属元素であれば特に限定されないが、2価以上の金属元素であるのが好ましい。具体的な金属元素Mとしては、例えば、Be,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaなどのアルカリ土類金属元素;LaおよびCeなどのランタノイド系金属元素;Acなどのアクチノイド系金属元素;Sc,YなどのIIIa族金属元素;Ti,XrおよびHfなどのIVa族金属元素;V,NbおよびTaなどのVa族金属元素;Cr,MoおよびWなどのVIa族金属元素;Mn,TcおよびReなどのVIIa族金属元素;Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,IrおよびPtなどのVIII族金属元素;Cu,AgおよびAuなどのIb族金属元素;Zn,CdおよびHgなどのIIb族金属元素;Al,Ga、In,TlなどのIIIb族金属元素;Ge,SnおよびPbなどのIVb族金属元素;SbおよびBiなどのVb族金属元素;SeおよびTeなどのVIb族金属元素などを挙げることができる。金属化合物MXnは、上述の金属元素Mの内、1種を単独で含むものであってもよく、また、2種以上を含んでいてもよい。これらの中でも、原子価nが2〜4の金属元素が好ましく、より好ましくは、La,Ce,Ti,Zr,Fe,Zn,Al,InおよびSnである。
金属化合物(1);MXnに含まれる加水分解性基および/または縮合性基Xとしては、OR3基、OH基およびCl基などが挙げられる。R3としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、または、アシル基が挙げられ、これらは置換基を有していていもよい。なお、金属化合物MXnは、少なくとも1つのOR3基を含むことが好ましく、R3がアルキル基であるOR3基が特に好ましい。
好ましい金属化合物(1);MXnとしては、具体的に、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、ジメチルアルミニウムメトキシド、イソプロピルアルミニウムジクロライド、エチルエトキシアルミニウムクロライド、トリエチル錫ヒドロキシド、ジメチル錫ジメトキシド、トリメチル錫メトキシド、ジメチル錫ジエトキシド、ジブチル錫ジブトキシド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)チタン、ジエトキシジブトキシチタン、イソプロポキシチタントリオクタレート、ジイソプロポキシチタンジアクリレート、トリブトキシチタンステアレート、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。
一方、本発明の製法に用いられる金属化合物(R1p(R2qSiX(4-p-q)(以下、金属化合物(2)と言う場合がある)とは、分子内に加水分解性基および/または縮合性基Xを有する有機シラン化合物である。上記金属化合物(2)の一般式中、R1はラジカル重合性二重結合を有する有機基、R2はアルキル基、アリール基またはアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、置換基を有していてもよいが、ラジカル重合性二重結合は有さない基であり、Xは上記金属化合物(1)と同様、加水分解性基および/または縮合性基を示し、pおよびqはいずれも0〜3の整数で、p+qは3以下である。なお、pまたはqが2以上である場合、2以上のR1またはR2は、同一であっても又異なっていてもよい。
すなわち、上記一般式で表される金属化合物(2)は、ラジカル重合性二重結合を有する有機シラン化合物1(pは1〜3);(R1p(R2qSiX(4-p-q)と、ラジカル重合性二重結合を有さない有機シラン化合物2(pは0);(R2qSiX(4-q)とに分類される。これらはそれぞれ単独で、あるいは、組み合わせて使用することができる。
上記有機シラン化合物1の一般式;(R1p(R2qSiX(4-p-q)中、R1で表されるラジカル重合性二重結合を有する有機基としては、下記式(1)〜(3)で表される有機基などを挙げることができる。
CH2=C(−R4)−COOR5− (1)
(式中、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
CH2=C(−R6)− (2)
(式中、R6は水素原子またはメチル基を表す。)
CH2=C(−R7)−R8− (3)
(式中、R7は水素原子またはメチル基を表し、R8は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
一般式(1)で表される有機基としては、例えば、(メタ)アクリロキシ基等が挙げられ、この(メタ)アクリロキシ基と加水分解性基とを有する有機シラン化合物1としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)で表される有機基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられ、これらの有機基と加水分解性基とを有する有機シラン化合物1としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
前記一般式(3)で表される有機基としては、例えば、1−アルケニル基もしくはビニルフェニル基、イソアルケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基等が挙げられ、これらの有機基と加水分解性基とを有する有機シラン化合物1としては、例えば、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−トリメトキシシリルスチレン、1−ヘキセニルメチルジメトキシシラン、1−ヘキセニルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記有機シラン化合物2の一般式;(R2qSiX(4-q)において、R2は上記有機シラン化合物1と同様、アルキル基、アリール基またはアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、置換基を有していてもよく(但し、ラジカル重合性二重結合を有するものを除く)、Xは加水分解性基および/または縮合性基であり、qは0〜3の整数で、qが2以上の場合、2以上のR1は、同一であっても、異なっていてもよい。
有機シラン化合物2は単独で用いてもよいが、有機シラン化合物1と共に用い、共縮合および/または共重合することにより、微粒子の組成を変化させることができ、微粒子の硬度や破壊強度等といった機械的特性を任意に調節することができる。
一般式;(R2qSiX(4-q)で表される有機シラン化合物2としては、特に限定はされないが、例えば、q=0の有機シラン化合物2として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン、q=1の有機シラン化合物2として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性シランが挙げられる。q=2の有機シラン化合物2としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能性シランが挙げられ、q=3の有機シラン化合物2としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の1官能性シラン等が挙げられる。
また、金属化合物(2)としては、上記有機シラン化合物2の誘導体も使用可能であり、例えば、Xの一部がカルボキシル基、β−ジカルボニル基等のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物や、前記有機シラン化合物2を部分的に加水分解して得られる低縮合物等が挙げられる。
本発明法においては、微粒子の原料として、上記金属化合物(1)または(2)をそれぞれ単独で用いてもよく、また、これらを組み合わせて用いてもよい。なお、得られる微粒子の硬度や、弾性などの機械的強度といった諸特性のコントロールが容易であるという点から、金属化合物(2)を必須の原料として用いるのが好ましく、金属化合物(2)の中では、3つのXを有する3官能の金属化合物(2)がより好ましく、特に、有機シラン化合物1が好ましい。なお、金属化合物(2)として有機シラン化合物1、2を併用する場合、これらの混合比は、用途や所望の特性に応じて適宜決定すればよいが、例えば、有機シラン化合物1と有機シラン化合物2との合計量100質量%に対する有機シラン化合物1の割合は0.1質量%〜99質量%とするのが好ましい。
また、反応溶液中の金属化合物の濃度は、反応溶液全質量に対して0.1質量%〜40質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.5質量%〜30質量%であり、さらに好ましくは1.0質量%〜20質量%である。
本発明においては、前記金属化合物(1),(2)と共縮合および/または共重合可能な単量体成分を、微粒子の原料として用いてもよい。単量体成分を用いることにより、微粒子の組成を変化させることができ、微粒子の硬度や破壊強度等といった機械的特性を任意に調節することができる。
単量体成分としては重合性単量体が好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等の(メタ)アクリル系単量体:スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体:2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類:2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類等の架橋性ビニル系単量体や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼンおよびその誘導体等の芳香族ジビニル化合物;ジビニルエーテル、ジビニルスルホン酸等の架橋剤;ポリブタジエン、ポリイソプレン不飽和ポリエステル等の非架橋性ビニル系単量体が挙げられる。これらの重合性単量体は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記単量体成分は、予め反応溶媒中に添加しておいてもよく、また、金属化合物(1),(2)と混合して加水分解縮合反応に供してもよく、さらに、金属化合物(1),(2)(上記単量体成分を含んでいてもよい)の加水分解縮合反応後に添加して、生成した微粒子にグラフト重合させたり、微粒子に吸収させる成分として用いてもよい。
これら単量体成分は、上記金属化合物(1),(2)および上記単量体成分の総量100質量%中、0質量%〜99質量%とするのが好ましい。
本発明では、反応溶媒中で、上述の金属化合物を加水分解させ、縮重合させて、微粒子を製造する。なお、加水分解縮合反応は、上記所定の条件下で金属化合物を反応系内に添加するものであれば特に限定されず、従来公知の方法、条件を採用することができる。
反応溶媒としては、水と有機溶媒との混合物を用いるのが好ましい。有機溶媒としては、上述の金属化合物や上記単量体成分を溶解あるいは分散させられるものであれば特に限定されない。具体的な有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロへキサン等の(シクロ)パラフィン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が使用できる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。
反応溶媒中における水と有機溶媒との比率は、水100質量部に対して有機溶媒1質量部〜100質量部とするのが好ましく、より好ましくは5質量部〜90質量部であり、さらに好ましくは10質量部〜80質量部である。
上記反応溶媒は、反応溶媒中における金属化合物等の分散状態を安定化させるため分散安定剤を含んでいてもよい。分散安定剤としては、界面活性剤及び高分子分散剤(水溶性ポリマー)が挙げられる。界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸油、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤;第4級アンモニウム塩などなどのカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤;カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤などが挙げられ、高分子分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。上記分散安定剤の中でも、アニオン性界面活性剤が好ましい。
分散安定剤の使用量は、使用する金属化合物の種類や量に応じて適宜決定すればよいが、例えば、金属化合物の総量100質量部に対して、0.05質量部〜50質量部とするのが好ましい。より好ましくは0.1質量部〜40質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜30質量部である。分散安定剤は、少なくともその一部を金属化合物の添加前に反応溶媒に添加しておくのが好ましい。
金属化合物の加水分解縮合反応に際しては、触媒を用いてもよい。これにより、速やかに反応を開始させ、完了させることができる。触媒としては、加水分解縮合反応に用いられる酸触媒や塩基性触媒を、原料に応じて適宜選択して用いればよい。例えば、酸触媒としては、塩酸や硝酸などの無機酸;酢酸などの有機酸などが挙げられる。一方、塩基性触媒としては、アンモニア;メチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミンおよびトリブチルアミンなどのアルキルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどのアミン類;水酸化ナトリウムなどの無機水酸化物が挙げられる。
上記触媒の中でも、有機酸(酸触媒)、アンモニアまたはアミン類(塩基性触媒)が推奨される。これらの触媒は、反応後、反応溶液を加熱することにより容易に除去することができるからである。なお、金属化合物(2)を原料とする場合には、塩基触媒を使用するのが好ましく、特に、アンモニアやアミン類は、分散性に優れる微粒子が得られるので好ましい。
なお、上記触媒は、予め反応溶媒中に添加しておいてもよく、また、加水分解縮合反応の進行に応じて連続的に反応系内へと添加してもよいが、予め水系溶媒中に添加しておくのが好ましい。
触媒の使用量は、反応溶液中における濃度が0.01質量%〜10質量%となるようにするのが好ましい。
上記本発明法により加水分解縮合して得られた微粒子がラジカル重合性二重結合を有する場合、当該微粒子を重合工程に供して、ラジカル重合性二重結合基(ビニル基)を重合させてもよい(重合工程)。重合反応を行うことにより、得られる微粒子の分子量が大きくなり、また、架橋度も高くなるため、耐溶剤性を向上させることができる。
また、加水分解縮合により得られた微粒子を種粒子として、反応系にさらに単量体成分(例えば、上記非架橋性ビニル系単量体や架橋性ビニル系単量体)を添加して種粒子を成長させてもよい。この吸収工程を採用する場合には、微粒子中のビニル重合体骨格成分の含有量や、含有されるビニル重合体骨格の屈折率を調整することができる。なお、本発明法において、重合工程や、吸収工程は必須の工程ではなく、微粒子の用途や所望する特性に応じて、重合工程および吸収工程の採用、不採用を適宜決定すればよい。
重合反応を行う時期は特に限定されず、加水分解縮合反応の途中、あるいは、加水分解縮合反応後のいずれに行ってもよいが、通常は、加水分解縮合工程後に開始するようにする。なお、吸収工程を採用する場合には、吸収工程の後に重合反応を行うのが好ましい。
吸収工程は、微粒子に重合性単量体を吸収させられればよく、微粒子を分散させた溶媒中に単量体成分を加えてもよいし、単量体成分を含む溶媒中に微粒子を加えてもよい。
吸収工程で用いる単量体成分としては、前述の非架橋性ビニル系単量体や架橋性ビニル系単量体が好ましく用いられる。これらの単量体成分の使用量は、微粒子の原料として使用した金属化合物(2)(有機シラン化合物1、または、有機シラン化合物1と有機シラン化合物2の混合物)の総質量に対して、質量で0.01倍以上100倍以下とするのが好ましい。
単量体成分の添加のタイミングは特に限定されず、一括で加えてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよい。また、単量体成分は、当該単量体成分のみを添加してもよく、予め乳化剤で水または水性媒体に乳化分散させた単量体成分の乳化液を微粒子に添加してもよい。
吸収工程は、0℃以上60℃以下の温度範囲で、5分間以上720分間以下、撹拌しながら行うのが好ましい。
重合工程は、従来公知の重合反応により実施すればよく、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる方法、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法等、いずれも採用可能である。前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、前記ビニル重合体粒子の重合に使用されるものを挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性二重結合を有する成分の総質量100質量部に対して、0.001質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。ラジカル重合開始剤の使用量が、0.001質量部未満の場合は重合度が上がり難い場合がある。ラジカル重合開始剤の溶媒に対する仕込み方については、特に限定はなく、最初(反応開始前)に全量仕込む方法;最初に一部を仕込んでおき、残りを連続フィード添加する方法;断続的にパルス添加する方法;これらを組み合わせた手法等、従来公知の手法はいずれも採用できる。
ラジカル重合を行う際の反応温度は40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度が低すぎる場合には、重合度が十分に上がらず微粒子の機械的特性が不充分となる傾向があり、一方、反応温度が高すぎる場合には、重合中に粒子間の凝集が起こり易くなる傾向がある。なお、ラジカル重合を行う際の反応時間は、用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、15分〜600分が好ましく、より好ましくは60分〜300分である。反応時間が短すぎる場合には、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎる場合には、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。
本発明に係る微粒子の大きさは、メジアン径で1μm以下であるのが好ましい。より好ましくは900nm以下であり、5nm以上であるのが好ましく、より好ましくは10nm以上である。なお、本発明において、メジアン径とは、動的光散乱式粒径分布測定装置(たとえば、HORIBA社製「LB−500」)により測定された体積基準の粒子径の累積粒度分布曲線において50%に相当する粒子径である。
このように、本発明法により得られる微粒子は、メジアン径が1μm以下であり、粗大粒子の含有量が低減されているので、一層厳密な粒子径の制御が要求され、さらなる小型化が進む電気、電子部品用途にも好適である。
上記本発明法により得られる微粒子は、金属化合物(1)を用いた場合には、メタロキサン骨格(M−O結合)を有するものとなる。一方、金属化合物(2)を用いた場合には、ポリシロキサン骨格を有するもの、ポリシロキサン骨格とビニル重合体骨格とを有するもの、すなわち、ポリシロキサン骨格と有機シラン化合物1および/または有機シラン化合物2由来の有機基とを有するものとなる。さらに、金属化合物(1),(2)を併用した場合には、微粒子は、これら全てを含むものとなる。
本発明に係る微粒子に含まれるビニル重合体骨格は、(I)有機シラン化合物1の加水分解縮合反応後に、生成したポリシロキサン骨格を有する微粒子に含まれる重合性二重結合を重合させることにより得られる。また、ビニル重合体骨格は、(II)上記微粒子に、重合性単量体成分(ビニル系単量体成分)を吸収させた後、これを重合させることでも得られる。また、金属化合物(2)の中でも、ラジカル重合性二重結合を有する有機シラン化合物1を必須の成分とする場合には、ポリシロキサン骨格がビニル系重合体骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素原子を分子内に有するものとなる。
前記ビニル重合体骨格は、下記式(4)で表される繰り返し単位により構成される主鎖を有するビニル重合体であり、側鎖を有するもの、分岐構造を有するもの、さらには架橋構造を有するものであってもよい。微粒子の硬度を適度に制御できる。
また、ポリシロキサン骨格は、下記式(5)で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合して、網目構造のネットワークを構成した部分と定義される。
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、微粒子に対して1.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。ポリシロキサン骨格中のSiO2の量が上記範囲であれば、微粒子の硬度の制御が容易となる。なお、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は、粒子を空気等の酸化性雰囲気中で800℃以上の温度で燃焼(分解)した前後の質量を測定することにより求めた質量百分率である。
本発明法により得られる微粒子は、粗大粒子の含有量が低減されているため、各種用途に好適である。例えば、本発明の微粒子を包装用あるいは光学フィルム用の添加剤として用いれば、フィルム表面に微細な突起を形成できるので、フィルムのすべり性を改善でき、また、フィルムに防眩性を付与することもできる。また、1μm超の粗大な粒子数が低減されているため、フィルムの透明性を維持することもできる。また、本発明に係る微粒子はサブミクロンサイズの粒子径(1μm以下)を有するものであるため、液晶表示素子用の面内スペーサーやシール用スペーサーとして用いることで、ギャップをさらに小さくすることができ、液晶表示装置などの更なる薄型化に寄与することができる。さらに、本発明に係る微粒子は、表面に導電層が形成されてなる導電性粒子の基材粒子として、あるいは、導電性粒子表面に絶縁粒子を被覆した絶縁被覆導電性粒子における絶縁粒子としても好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、本実施例で採用した測定、評価方法は以下の通りである。
[メジアン径の測定]
下記実施例で得られた微粒子の水分散体(濃度5.0質量%)を試料液とし、動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−500」(HORIBA社製)を用いて、生成した微粒子のメジアン径を測定した。
[粗大粒子の個数の測定]
メジアン径の測定で調製した濃度5.0質量%の微粒子水分散体1.0gに、1.0質量%界面活性剤(「エマルゲン(登録商標)」、花王株式会社製)水溶液30gを添加して、粗大粒子の個数測定用の試料液(以下「粗大粒子個数測定用試料」という)を調製し、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)を用いて、微粒子の体積平均粒子径を測定し、体積平均粒子径が1μmを超える粒子の個数を求めた。測定は、以下の条件で実施した。
アパーチャ:50μm
測定レンジ:1.0μm〜6.0μm
測定時間:60秒間
測定用分散媒:Isoton II(ベックマンコールター社製)
まず、ブランクとして測定用分散媒(Isoton II)152gを測定用容器に入れた後測定を行い、このときカウントされた粒子個数を(A)とした。次に、前記測定用分散媒(Isoton II)152gの入った測定用容器に、前記粗大粒子個数測定用試料0.58gを入れた後、測定を行い、このときカウントされた粒子数を(B)とし、下記式より、粗大粒子個数を求めた。
粗大粒子個数=(B)−(A)
実施例1
冷却管、温度計、および、貯留タンクと添加口とこれらを結ぶ脚部を備えた添加装置を備えた5Lの反応槽に、イオン交換水2112部、25質量%アンモニア水792部、1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液990部を加えて反応溶媒を調製し、攪拌所要動力が2.10×10-2(kw/m3)となるように回転数を調整し、室温(25℃)で攪拌を行った。なお、上記添加口は、前記添加口は攪拌軸と反応槽壁面との間で、攪拌軸から反応槽壁面までの距離をDとしたときに、攪拌軸から0.82Dの位置に設けられており、添加口先端は反応溶媒の液面とは接しておらず、また、添加装置の脚部はその途中で折れ曲がった形状(曲管状)を有していた。
別途、ビーカーに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン33部、フェニルトリメトキシシラン99部およびメチルトリメトキシシラン264部と、メタノール330部とを混合して金属化合物混合溶液を調整し、ここに、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製;「V−65」)0.66部を均一に溶解させて、金属化合物と重合開始剤とを含む原料混合溶液を調製した。
反応溶媒の液面から所定の高さに位置している添加口より反応槽壁面に向けて原料混合溶液を噴射させ、15秒間かけて原料混合溶液を滴下して反応溶媒中に添加し、上記金属化合物の加水分解縮合反応を行い、オルガノポリシロキサン粒子の乳濁液を調製した。なお、このとき、攪拌軸と添加口とを結ぶ直線に対する、添加方向を水平面に投影した線分のなす角θ1は0°(攪拌軸の回転方向が正)であり、原料混合物の添加方向と、攪拌軸方向とのなす角θ2は45°であった。
加水分解、縮合反応の開始から2時間後、窒素ガス気流下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、ビニル基(メタクリロキシ基)のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液をサンプリングし、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径は0.434μmであった。
次いで、乳濁液の入った反応槽を190Torr(25.3kPa)の減圧下80℃に加熱し、アンモニアおよびメタノールの留去を行った。得られた濃縮液を固形分が5.0質量%になるようにイオン交換水で希釈し、メンブレンフィルター(3.0μm;アドバンテック社製)でろ過を行い、微粒子(1)の水分散体を得た。
得られた微粒子(1)のメジアン径は0.285μmであった。また、微粒子(1)の水分散体を、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、この微粒子(1)水分散体に含まれる粒子径1.0μm超の粗大粒子の個数は23個であった。
実施例2および比較例1、2
原料混合液化合物の投入方向を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の手法により微粒子(2)、(c1)および(c2)を製造した。なお、比較例2では、実施例1で使用した添加装置に代えて、折れ曲がりのない直管状の脚部を有する添加装置を使用した。また、攪拌所要動力はいずれも2.10×10-2(kw/m3)とした。結果を表1に示す。
なお、表1中、反応槽壁面方向(x°)とは、図1において、攪拌軸2と添加口3とを結ぶ直線Xと、原料混合溶液の添加方向を水平面に投射した線分Y1とのなす角θ1がx°であったことを意味する。また、比較例1のθ1に関して「攪拌軸の方向(180°)」とは、折れ曲がった脚部の先端に設けられた添加口から攪拌軸方向に向けて原料混合溶液を噴射し、攪拌軸と添加口との間に滴下したことを意味し、比較例2のθ1に関して「−」、θ2に関して「0°(攪拌軸方向)」とは、直管状の脚部先端の添加口から原料化合溶液をそのまま反応溶液へ滴下したことを意味する。
表1より、原料攪拌軸方向(θ1=180°)に原料混合溶液を投入した比較例1や、添加口から重力に任せて原料混合溶液を投入した比較例2(θ1=−、θ2=0°)の場合には、実施例1,2と比較して粗大粒子量が増加しており、原料混合液の投入方向により粗大粒子の生成度合いが異なることがわかる。
実施例3、4
攪拌所要動力を変更したこと以外は実施例1と同様の手法により微粒子(3)、(4)を得た。
表2より、攪拌所要動力が大きいほど得られる微粒子のメジアン径(μm)が大きくなることが分かる。また、実施例1,3に比べて攪拌所要動力の小さい実施例4では、粗大粒子の個数が相対的に多くなる傾向が認められた。
実施例5
冷却管、温度計、および、貯留タンクと添加口とこれらを結ぶ脚部を備えた添加装置を備えた5Lの反応槽に、イオン交換水2112部、25質量%アンモニア水792部、1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液990部を加えて反応溶媒を調製し、攪拌所要動力が2.10×10-2(kw/m3)となるように回転数を調整し、室温(25℃)で攪拌を行った。なお、上記添加口は、前記添加口は攪拌軸と反応槽壁面との間で、攪拌軸から反応槽壁面までの距離をDとしたときに、攪拌軸から0.82Dの位置に設けられており、添加口先端は反応溶媒の液面とは接しておらず、また、添加装置の脚部はその途中で折れ曲がった形状を有していた。
別途、ビーカーに、メチルトリメトキシシラン396部と、メタノール330部とを混合して原料混合溶液を調製した。
反応溶媒の液面から所定の高さに位置している添加口より反応槽壁面に向けて原料混合溶液を噴射させ、15秒間かけて原料混合溶液を滴下して反応溶媒中に添加し、上記金属化合物の加水分解縮合反応を行い、オルガノポリシロキサン粒子の乳濁液を調製した。なお、このとき、攪拌軸と添加口とを結ぶ直線に対する、添加方向を水平面に投影した線分のなす角θ1は0°(攪拌軸の回転方向が正)であり、原料混合物の添加方向と、攪拌軸方向とのなす角θ2は45°であった。
加水分解、縮合反応の開始から2時間後、乳濁液をサンプリングし、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)で測定したところ、メジアン径は0.234μmであった。
次いで、乳濁液の入った反応槽を190Torr(25.3kPa)の減圧下80℃に加熱し、アンモニアおよびメタノールの留去を行った。得られた濃縮液を固形分が5.0質量%になるようにイオン交換水で希釈し、メンブレンフィルター(3.0μm;アドバンテック社製)でろ過を行い、微粒子(5)の水分散体を得た。
得られた微粒子(5)のメジアン径は0.185μmであった。また、微粒子(5)の水分散体を、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、この微粒子(5)水分散体に含まれる粒子径1.0μm超の粗大粒子の個数は19個であった。
実施例6
攪拌軸から0.25Dの位置に滴下口を設けたこと以外は実施例2と同様の手法で微粒子(6)を得た。微粒子(6)のメジアン径は0.252μmであった。また、微粒子(6)の水分散体を、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、この微粒子(6)水分散体に含まれる粒子径1.0μm超の粗大粒子の個数は35個であった。
実施例7
θ2=90°としたこと以外は実施例2と同様の手法で微粒子(7)を得た。微粒子(7)のメジアン径は0.294μmであった。また、微粒子(7)の水分散体を、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定したところ、この微粒子(7)水分散体に含まれる粒子径1.0μm超の粗大粒子の個数は21個であった。
本発明法によれば、1μm超の粒子径を有する粗大粒子の生成を抑制することができ、粒子径がサブミクロンサイズの微粒子を効率よく製造することができる。本発明法により得られる微粒子は、光学あるいは包装フィルム用添加剤、液晶表示素子用の各種スペーサー、導電性粒子用基材粒子、絶縁被覆導電性粒子用絶縁粒子などの用途に好適である。
1 反応槽
2 攪拌軸
3 添加口
4 原料混合液の添加地点

Claims (6)

  1. 攪拌翼を有する攪拌軸と添加口とを備えた反応槽で、加水分解性基および/または縮合性基を有するケイ素化合物の加水分解縮合反応を行って微粒子を製造する方法であって、
    前記攪拌軸は反応槽中心部に、前記添加口は攪拌軸と反応槽壁面との間に、それぞれ設けられ、
    攪拌軸の回転方向を正として表した場合に、攪拌軸と添加口とを結ぶ直線に対して、添加方向を水平面に投影した線分のなす角θ1が−90°〜90°となる範囲に、前記添加口より反応槽壁面に向けて前記ケイ素化合物を噴出させて反応槽に添加することを特徴とする微粒子の製造方法。
  2. 前記ケイ素化合物の添加方向と、攪拌軸方向とのなす角θ2について、真下が0°、真上が180°となる様に表したとき、該θ2が0°超、180°未満となる方向に、前記添加口より前記ケイ素化合物を噴出させる請求項1に記載の微粒子の製造方法。
  3. 前記添加口は、攪拌軸から反応槽壁面までの距離をDとしたときに、攪拌軸から0.05D〜0.95Dの位置に設けられている請求項1または2に記載の微粒子の製造方法。
  4. 前記ケイ素化合物が、(1p(R2qSiX(4-p-q)(R1はラジカル重合性二重結合を有する有機基、R2はアルキル基、アリール基またはアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、置換基を有していてもよいが、ラジカル重合性二重結合は有さない基であり、Xは加水分解性基および/または縮合性基を示し、pおよびqはいずれも0〜3で、p+qは3以下である。なお、pまたはqが2以上である場合、2以上のR1またはR2は、同一であっても又異なっていてもよい。)である請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
  5. 反応槽の単位容積あたりの攪拌所要動力3.25×10-4kW/m3〜4.88×10-1kW/m3で、反応溶液を攪拌しながら加水分解縮合反応を行う請求項1〜4のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
  6. 上記微粒子のメジアン径が1μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
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