JP3722706B2 - 熱可塑性合成樹脂フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種包装材料として有用な熱可塑性合成樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性合成樹脂フィルムは各種包装材料として汎用されている。しかし、これらのフィルムはブロッキングを起し易く、成形時のフィルム巻取りに際して、巻取り速度が低下して、作業性を損なうことが問題となっている。また、これらフィルムを用いた袋については、ブロッキングのために袋の開口性が悪いなどの使用上の問題がある。
これらの問題を改善するために、原料の熱可塑性合成樹脂に各種のブロッキング防止剤を添加する方法が行われてきた。
【0003】
例えば、プロピレン樹脂に無水活性珪酸を配合する方法(特公昭39−16908号公報参照)、カオリナイトを配合する方法(特公昭43−24523号公報参照)、ゼオライト微粒子を配合する方法(特公昭52−16134号公報参照)、二酸化珪素と脂肪酸のマグネシウム塩又はアルミニウム塩を併用する方法(特開昭58−225142号公報参照)、層状構造を有する無機化合物粉体を配合する方法(特開昭57−18747号公報参照)、金属粉の爆燃により生じた金属酸化物微粒子を配合する方法(特公平6−86557号公報参照)等が提案されている。また、ポリエステル重合体に二酸化珪素、二酸化チタン,炭酸カルシウム,タルク,クレイ,焼成カオリン等の無機質粒子を配合する方法(特開昭54−57562号公報参照)、粒径の異なる不活性無機質粒子を併用する方法(特開昭54−40929号公報参照)等が提案されている。
【0004】
しかし、これらの各種のブロッキング防止剤の配合によって、ブロッキング防止効果はある程度得られるが、十分な効果を得るために配合量を増加すると、フィルムの透明性が損なわれたり、フィルム同士の擦れにより、表面に傷が付くなどの問題を生じる。これらの問題を改善するものとして、シリコーン樹脂パウダーを配合する方法が検討されている。例えば、ポリプロピレンに三次元的な網目構造を有する非溶融型シリコーン樹脂粉末を配合する方法(特開昭62−215646号、特開昭62−232448号、特開昭62−233248号、各公報参照)、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子とヒドロキシ脂肪酸グリセリドを併用する方法(特開平2−041344号公報参照)が提案されている。また、ポリエステル重合体にCH3SiO3/2の構造単位を含むポリシロキサンの微粉末を配合する方法(特開平3−056538号公報参照)、CH3SiO3/2の構造単位を含むポリシロキサンの微粉末と不活性微粒子を併用する方法(特開昭63−278939号、特開昭63−286438号、特開平1−223156号、各公報参照)、また、ポリオレフィンにジメチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂粉末と弗化エチレン系樹脂粉末を併用する方法(特開平3−69362号公報参照)、熱可塑性合成樹脂組成物にトリアルキルシラン、トリアルキルシラノール,トリアルキルアルコキシシラン,ヘキサアルキルジシラザン等で表面処理したポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合する方法(特開平2−150438号公報参照)が提案されている。しかし、これらは前記問題を十分に解決するものではなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を踏まえ、本来の外観を損なうことなく、透明性に優れ、フィルム同士の擦れによる傷が付き難く、優れた耐ブロッキング性や滑り性を有し、成形時の巻取り性や袋状成形物の開口性の良さ、などの実用性に優れた一般包装用熱可塑性合成樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、熱可塑性合成樹脂100重量部及び球状シリコーン樹脂微粒子0.01〜5重量部からなり、熱可塑性合成樹脂と球状シリコーン樹脂微粒子との屈折率の差が0.03以下であり、球状シリコーン樹脂微粒子が(CH 3 )SiO 3/2 で示されるメチルシルセスキオキサン単位及び(C 6 5 )SiO 3/2 で示されるフェニルシルセスキオキサン単位からなるか、または、フェニルシルセスキオキサン単位からなることを特徴とする熱可塑性合成樹脂フィルムである。なお、ここで、球状シリコーン樹脂微粒子の屈折率に分布がある場合は、その平均値と熱可塑性合成樹脂の屈折率との差が0.03以下であるとする。
【0007】
本発明において使用される熱可塑性合成樹脂としては、以下のものを挙げることができる。但し、括弧内は20〜25℃における屈折率n0を示す。
低密度ポリエチレン(1.51),中密度ポリエチレン(1.52),高密度ポリエチレン(1.54),ポリプロピレン(1.49),ポリ1,2−ブタジエン(1.50)など及びこれらを構成する各単量体の2種以上からなる共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(1.58),ポリブチレンテレフタレート(1.58),ポリカーボネート(1.59)及びこれらを構成する各単量体の2種以上からなる共重合体などの不飽和ポリエステル樹脂(1.52〜1.58);ナイロン(1.53),ポリメチルメタクリレート(1.49),ポリスチレン(1.59),ポリ塩化ビニル(1.55),ポリ酢酸ビニル(1.47),ポリビニルアルコール(1.50),ポリアクリロニトリル(1.52)及びこれらを構成する各単量体の2種以上からなる共重合体;ポリアセタール(1.48),ポリフェニレンオキサイド(1.58),フェノール樹脂(1.5〜1.7),エポキシ樹脂(1.55〜1.61)などが例示される。
本発明において使用される熱可塑性合成樹脂の屈折率は1.41〜1.60の範囲内にあることが必要である。熱可塑性合成樹脂の屈折率がこの範囲外にあると、本発明における球状シリコーン樹脂微粒子の屈折率との差が0.03より大きくなり、後記するように、熱可塑性合成樹脂フィルムの透明性が低くなるからである。
【0008】
本発明における球状シリコーン樹脂微粒子はメチルシルセスキオキサン単位及びフェニルシルセスキオキサン単位からなるか、又はフェニルシルセスキオキサン単位からなり、メチルシルセスキオキサン単位はCH3SiO3/2、フェニルシルセスキオキサン単位はC65SiO3/2で示され、また、本発明における球状シリコーン樹脂微粒子は(C65)SiO3/2単位及び(CH3)SiO3/2単位もしくは(C65)SiO3/2単位から主としてなり、それら以外として(CH32(C65)SiO1/2,(CH33SiO1/2,(C653SiO1/2,(CH3)(C652SiO1/2,(CH32SiO2/2,(C652SiO2/2,(CH3)(C65)SiO2/2及びSiO4/2から選択される単位のみを含んでいてもよい。
【0009】
本発明における球状シリコーン樹脂微粒子は熱可塑性合成樹脂との屈折率の差が0.03以下であることが必要で、好ましくは0.02以下である。この差が0.03を超えると熱可塑性合成樹脂フィルムの透明性が低くなる。本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の平均粒径は0.1〜50μmであることが必要で、好ましくは0.5〜20μmである。平均粒径が0.1μm未満又は50μmを超えると、熱可塑性合成樹脂フィルムの滑り性、ブロッキング防止性が低下し、また、その特性を損なう恐れがある。
【0010】
本発明における球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法は公知の方法に従って行えばよく、特に限定されないが、製造される微粒子が球状で粒子径分布の狭い微粒子を与える製造方法が特に望ましい。
このような特性を有する球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法を以下に述べる。
即ち、pH10.0〜12.5のアルカリ性物質の水溶液にメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの混合溶液又はフェニルトリメトキシシランを攪拌下に滴下し、0〜40℃で加水分解縮合反応させる製造方法である。この製造方法で使用されるメチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランは球状シリコーン樹脂微粒子の原料であり、それぞれ(CH3)Si(OCH33,(C65)Si(OCH33で示される化合物である。球状シリコーン樹脂微粒子の原料としてはこの他に、トリメチルメトキシシラン,フェニルジメチルメトキシシラン,ジフェニルメチルメトキシシラン,トリフェニルメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,フェニルメチルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,テトラメトキシシランなど及びこれらの加水分解物を少量使用してもよい。
【0011】
本発明における球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法で使用されるアルカリ性物質はメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランの加水分解縮合反応の触媒であり、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム,水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム,炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;アンモニア,テトラアンモニウムヒドロオキサイド,モノメチルアミン、モノエチルアミン,モノプロピルアミン,モノブチルアミン,モノペンチルアミン,モノヘキシルアミン,モノヘプチルアミン,モノオクチルアミン,モノノニルアミン,モノデシルアミン,モノドデシルアミン,モノトリデシルアミン,モノテトラデシルアミン,モノペンタデシルアミン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,エチレンジアミンなどのアミン類が例示されるが、これらのうちでは、水への溶解性、触媒活性及び揮発により粉末から容易に除去できることなどからアンモニア及びアミンが好ましく、低沸点のものは、一般に市販されている水溶液を使用すればよい。
【0012】
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、pH10.0〜12.5のアルカリ性物質の水溶液にメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの混合溶液又はフェニルトリメトキシシランを攪拌下に滴下し、0〜40℃で加水分解縮合反応させるが、ここで、pHが10.0より低いとメチルトリメトキシシラン及びフェニルトリメトキシシランの加水分解速度が遅くなりすぎるし、pHが12.5を超えると加水分解速度が速くなりすぎて、球状微粒子が得られなくなるので、pH10.0〜12.5とすることが必要であり、より好ましくは10.5〜12.0である。また、アルカリ性物質の水溶液中に少量の界面活性剤及び分散剤などを添加してもよい。
本発明において、アルカリ性物質の水溶液中でメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシランを加水分解縮合反応させるときの温度は0℃〜40℃であることが必要であり、より好ましくは0℃〜25℃である。0℃より低いと水溶液が凝固してしまい、40℃より高くすると粒子が凝集、融着し、球状微粒子を得ることができなくなる。
【0013】
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、アルカリ性物質の水溶液中でメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシランを加水分解縮合反応させるときの攪拌はプロペラ翼又は平板翼を用いる緩やかな攪拌がよいが、メチルトリメトキシシランやフェニルトリメトキシシランがアルカリ性物質の水溶液中に分散される程度の攪拌強度が必要である。攪拌強度が大きすぎると粒子同士の凝集が起こり、粒状微粒子を得ることができない。
【0014】
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、アルカリ性物質の水溶液中へのメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシランの滴下量は、アルカリ性物質100重量部に対して5〜40重量部が必要であり、好ましくは10〜30重量部である。5重量部未満では生成する球状シリコーン樹脂微粒子の濃度が低すぎて生産効率が悪く実用的でなく、40重量部を超えると粒子同士の凝集が起こり、粒状微粒子を得ることができない。
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、アルカリ性物質の水溶液中へのメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシラン又はフェニルトリメトキシシランの滴下に要する時間はアルカリ性物質の水溶液のpH,温度,攪拌強度及び上記各種メトキシシランの滴下量により異なるため一概には決められないが、滴下時間が短いと、塊状物を生成したり、生成した粒子が凝集し、滴下時間が長すぎると生成した粒子同士の凝集が起こり、球状微粒子を得ることができないため、30分〜100時間が好ましい。ここで、メチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランは混合、溶解してもよいし、別々に滴下してもよい。
【0015】
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、アルカリ性物質の水溶液中へのメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの滴下量の比率は、熱可塑性合成樹脂と球状シリコーン樹脂微粒子との屈折率の差が0.03以下になるように決めればよい。
各トリメトキシシランの滴下終了後、加水分解縮合反応が完全に終了するまでの間、攪拌を継続することが好ましく、加水分解縮合反応を完結させるために、加熱してもよいし、その後、必要があれば酸性物質を投入して中和してもよい。
【0016】
本発明で使用される球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法において、得られる微粒子は水性分散液であるから、本発明における熱可塑性合成樹脂との組成物とするためには、水性分散液から水及び副生物のメタノールを除去する必要がある。これを行うには常圧加熱又は減圧下に加熱すればよいが、具体的には、水性分散液を静置して行う方法、水性分散液を流動攪拌させながら行う方法、スプレードライヤーで気流中に水性分散液を噴霧、分散させて行う方法、流動熱媒体を使用する方法などが使用可能である。この際、前処理として濾過分離、遠心分離、デカンテーションなどの方法で水性分散液を濃縮してもよいし、必要に応じて水洗浄してもよい。又このような操作で取り出した微粒子が凝集している場合には、ジェットミル,ボールミル,ハンマーミルなどの粉砕機で解砕する必要がある。更に、球状シリコーン樹脂微粒子の表面の滑り性を向上させるために、シリル化剤,シリコーンオイル,ワックス類,パラフィン類,有機弗素化合物等で表面処理してもよい。
【0017】
本発明における熱可塑性合成樹脂に対する球状シリコーン樹脂微粒子の配合量は熱可塑性合成樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部が必要であり、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重量部未満ではブロッキング防止効果が得られず、5重量部を超えると、得られる本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムの透明性が低下する。
なお、本発明において、熱可塑性合成樹脂に配合される球状シリコーン樹脂微粒子がフィルムにブロッキング防止効果や滑り性を付与する理由は、球状シリコーン樹脂微粒子がフィルム表面に存在することにより、フィルム相互間の接触面積が減少し、フィルム相互間に微細な間隙を生じさせ
また、球状シリコーン樹脂微粒子が熱可塑性合成樹脂フィルムに離型性、滑り性を与えるためであると考えられる。
【0018】
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムの原料の組成物には、熱可塑性合成樹脂及び球状シリコーン樹脂微粒子の他に、酸化防止剤,紫外線吸収剤などの安定剤、加工助剤,着色剤,帯電防止剤,滑剤などを本発明の範囲を逸脱しない限度で添加してもよい。
【0019】
本発明において、熱可塑性合成樹脂に球状シリコーン樹脂微粒子を配合するには、公知の方法が使用可能であり、これらは例えば、ヘンシェルミキサー,Vブレンダー,リボンブレンダー,らいかい機などを用いて各成分の所定量を均一に混合すればよい。
また、熱可塑性合成樹脂と球状シリコーン樹脂微粒子からなる組成物を得るには、熱可塑性合成樹脂の原料であるモノマーや中間体に球状シリコーン樹脂微粒子を配合してから、重合する方法も可能であり、これは本願発明に含まれる。このようにして本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムの原料組成物が得られる。この原料組成物をTダイ法、サーキュラーダイ法,二軸延伸法などの公知の成形法により、本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムを得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0021】
(球状シリコーン樹脂微粒子の製造例1)
5リットルのガラスフラスコに水3,743g、エチルアミン水溶液(70重量%)15g及び塩化マグネシウム6水和物0.030gを仕込み、水温20℃としたところ、pH11.8であった。プロペラ翼により回転数150rpmで攪拌し、液温15〜25℃に保持しながら、メチルトリメトキシシラン438g、ジメチルジメトキシシラン59g、フェニルトリメトキシシラン245gの混合溶液を12時間かけて滴下した。更に、液温15〜25℃で1時間攪拌した後、55〜60℃まで加熱し、この温度を保持しつつ、引き続き8時間攪拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて含水量約30%のケーキ状物とした。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粒子約360gを得た(シリコーン樹脂微粒子Aとする)。得られたシリコーン樹脂微粒子Aを光学顕微鏡で観察したところ、これは球状微粒子であることが確認された。また、メタノールに分散させて、その平均粒径をGranulometer850(CILAS Alcatel社製)を用いて測定したところ5.6μmであった。更に屈折率が既知の、数種類のトルエン/MIBK液及びトルエン/塩化ベンジル液に得られたシリコーン樹脂微粒子を浸し、目視で一番透明性が高いものを選択する方法で、粒子の平均屈折率を判別したところ1.49であった。
【0022】
(球状シリコーン樹脂微粒子の製造例2)
5リットルのガラスフラスコに水3,743g、エチルアミン水溶液(70重量%)15g及び塩化マグネシウム6水和物0.077gを仕込み、水温20℃としたところ、pH11.8であった。プロペラ翼により回転数150rpmで攪拌し、液温15〜25℃に保持しながら、メチルトリメトキシシラン317g、ジメチルジメトキシシラン56g、フェニルトリメトキシシラン369gの混合溶液を12時間かけて滴下した。更に、液温15〜25℃で1時間攪拌した後、55〜60℃まで加熱し、この温度を保持しつつ、引き続き8時間攪拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて含水量約30%のケーキ状物とした。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粒子約430gを得た(シリコーン樹脂微粒子Bとする)。得られたシリコーン樹脂微粒子Bを光学顕微鏡で観察したところ、これは球状微粒子であることが確認された。また、メタノールに分散させて、その平均粒径をGranulometer850(前出)を用いて測定したところ5.0μmであった。
更に、屈折率が既知の、数種類のトルエン/塩化ベンジル液に得られたシリコーン樹脂微粒子を浸し、目視で一番透明性が高いものを選択する方法で、粒子の平均屈折率を判別したところ1.52であった。
【0023】
(球状シリコーン樹脂微粒子の製造例3)
5リットルのガラスフラスコに水3,078g、アンモニア水(28重量%)72g及び塩化マグネシウム6水和物0.063gを仕込み、水温20℃としたところ、pH11.7であった。プロペラ翼により回転数150rpmで攪拌し、液温15〜25℃に保持しながら、メチルトリメトキシシラン96g、フェニルトリメトキシシラン1,254gの混合溶液を26時間かけて滴下した。更に、液温15〜25℃で1時間攪拌した後、55〜60℃まで加熱し、この温度を保持しつつ、引き続き8時間攪拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて含水量約30%のケーキ状物とした。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粒子約800gを得た(シリコーン樹脂微粒子Cとする)。得られたシリコーン樹脂微粒子Cを光学顕微鏡で観察したところ、これは球状微粒子であることが確認された。また、メタノールに分散させて、その平均粒径をGranulometer850(前出)を用いて測定したところ5.4μmであった。
更に、屈折率が既知の、数種類の塩化ベンジル/ブロムナフタリン液に得られたシリコーン樹脂微粒子を浸し、目視で一番透明性が高いものを選択する方法で、粒子の平均屈折率を判別したところ1.57であった。
【0024】
(球状シリコーン樹脂微粒子の製造例4)
5リットルのガラスフラスコに水3,740g、n−ブチルアミン18g及び塩化マグネシウム6水和物0.077gを仕込み、水温20℃としたところ、pH11.8であった。プロペラ翼により回転数150rpmで攪拌し、液温15〜25℃に保持しながら、メチルトリメトキシシラン743gを7時間かけて滴下した。更に、液温15〜25℃で1時間攪拌した後、55〜60℃まで加熱し、この温度を保持しつつ、引き続き1時間攪拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて含水量約30%のケーキ状物とした。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、シリコーン樹脂微粒子約300gを得た(シリコーン樹脂微粒子Dとする)。得られたシリコーン樹脂微粒子Dを光学顕微鏡で観察したところ、これは球状微粒子であることが確認された。また、メタノールに分散させて、その平均粒径をGranulometer850(前出)を用いて測定したところ5.3μmであった。
更に、屈折率が既知の、数種類のトルエン/MIBK液に得られたシリコーン樹脂微粒子を浸し、目視で一番透明性が高いものを選択する方法で、粒子の平均屈折率を判別したところ1.43であった。なお、屈折率測定に用いた分散媒の配合比と屈折率の関係は表7の通りである。
【0025】
(実施例1)
ポリプロピレン・F−229BA(屈折率1.50,株式会社グランドポリマー社製商品名)42.75g及びシリコーン樹脂微粒子Aの2.25gを二軸混練機LABO PLASTOMILL(株式会社東洋精機製作所製商品名)で180℃、30rpmで10分間混練した。得られた混練物をプレス機(庄司鉄工株式会社製)で180℃で厚さ2.3mmに成形し、全光透過率を測定した。また、この成形品を4×5cmの大きさにカットしたものを用い、未添加で、厚さ40μmのポリプロピレンフィルム(東洋紡績株式会社製)との動摩擦係数を万能試験機(テスター産業株式会社製)で荷重113g、引張速度100mm/min.で測定し、結果を表1に示した。また、ポリプロピレン板(株式会社テストピース製)を用い、シリコーン樹脂微粒子Aによる傷付き性を後述の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0026】
(比較例1)
実施例1において、シリコーン樹脂微粒子Aをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例1と同様にして行った。測定、評価結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において、シリコーン樹脂微粒子Aを配合しなかった他は全て実施例1と同様にして行った。測定、評価結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
Figure 0003722706
【0028】
(実施例2)
メタクリル樹脂・デルペット60N(屈折率1.49,旭化成株式会社製商品名)49.0g及びシリコーン樹脂微粒子Aの1.0gを二軸混練機LABO PLASTOMILL(前出)で170℃、30rpmで10分間混練した。得られた混練物をプレス機(前出)で165℃で厚さ1.9mmに成形し、全光透過率を測定し、測定、評価結果を表2に示した。
【0029】
(比較例3)
実施例2において、シリコーン樹脂微粒子Aをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例2と同様にして行った。測定、評価結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
Figure 0003722706
【0031】
(実施例3)
ポリエチレン・ウルトラゼックス3021F(屈折率1.52,三井化学株式会社製商品名)38.0g及びシリコーン樹脂微粒子Bの2.0gを二軸混練機LABO PLASTOMILL(前出)で150℃、30rpmで10分間混練した。得られた混練物をプレス機(前出)で160℃で厚さ2.3mmに成形し、全光透過率を測定し、結果を表3に示した。また、ポリエチレン板(株式会社テストピース製)を用い、シリコーン樹脂微粒子Bによる傷付き性を後述の方法で評価し、結果を表3に示した。
【0032】
(比較例4)
実施例3において、シリコーン樹脂微粒子Bをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例3と同様にして行い、測定、評価結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
Figure 0003722706
【0034】
(実施例4)
ナイロン・アミランCM1021XF(屈折率1.53,東レ株式会社製商品名)57.0g及びシリコーン樹脂微粒子Bの3.0gを二軸混練機LABO PLASTOMILL(前出)で240℃、30rpmで10分間混練した。得られた混練物をプレス機(前出)で240℃で厚さ0.4mmに成形し、全光透過率を測定し、結果を表4に示した。
【0035】
(比較例5)
実施例4において、シリコーン樹脂微粒子Bをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例4と同様にして行い、測定、評価結果を表4に示した。
【0036】
【表4】
Figure 0003722706
【0037】
(実施例5)
ポリスチレン・HF77−307(屈折率1.59,エー・アンド・エム・スチレン株式会社製商品名)57.5g及びシリコーン樹脂微粒子Cの2.5gを二軸混練機・LABO PLASTOMILL(前出)で185℃、30rpmで10分間混練した。得られた混練物をプレス機(前出)で185℃で厚さ2.7mmに成形し、全光透過率を測定し、結果を表5に示した。
【0038】
(比較例6)
実施例5おいて、シリコーン樹脂微粒子Cをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例5と同様にして行い、測定、評価結果を表5に示した。
【0039】
【表5】
Figure 0003722706
【0040】
(実施例6)
ポリカーボネート・パンライトL−1250(屈折率1.58,帝人化成株式会社製商品名)57.5g及びシリコーン樹脂微粒子Cの2.5gを二軸混練機LABO PLASTOMILL(前出)で230℃、30rpmで5分間混練した。得られた混練物をプレス機(前出)で240℃で厚さ2.7mmに成形し、全光透過率を測定し、結果を表6に示した。
【0041】
(比較例7)
実施例6おいて、シリコーン樹脂微粒子Cをシリコーン樹脂微粒子Dに置換えた他は全て実施例6と同様にして行った。測定、評価結果を表6に示した。
【0042】
【表6】
Figure 0003722706
【0043】
【表7】
Figure 0003722706
【0044】
(傷付き性の評価方法)
100mm×25mm×2mmの試験片1を固定し、その上に試料を均一にまぶし、50mm×25mm×2mmの試験片2をその上に重ね、130gの荷重をかけ、縦方向に70mmのスライド長さで1往復/sec.の速度で50往復させた後、試験片1の表面を目視観察し、下記の評価基準で評価した。
○:傷無し〜傷少しあり、×:傷が多い。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、本来の外観を損なうことなく透明性に優れ、フィルム同士の擦れによる傷が付き難く、優れた耐ブロッキング性や滑り性を有し、成形時の巻取り性や袋状成形物の開口性の良さなどの実用性に優れた一般包装用熱可塑性合成樹脂フィルムを提供する。

Claims (5)

  1. 熱可塑性合成樹脂100重量部及び球状シリコーン樹脂微粒子0.01〜5重量部からなり、熱可塑性合成樹脂と球状シリコーン樹脂微粒子との屈折率の差が0.03以下であり、球状シリコーン樹脂微粒子が(CH3)SiO3/2で示されるメチルシルセスキオキサン単位及び(C65)SiO3/2で示されるフェニルシルセスキオキサン単位からなるか、または、フェニルシルセスキオキサン単位からなることを特徴とする熱可塑性合成樹脂フィルム。
  2. 熱可塑性合成樹脂100重量部及び球状シリコーン樹脂微粒子0.01〜5重量部からなり、熱可塑性合成樹脂と球状シリコーン樹脂微粒子との屈折率の差が0.03以下であり、球状シリコーン樹脂微粒子が(C65)SiO3/2単位及び(CH3)SiO3/2単位もしくは(C65)SiO3/2単位から主としてなり、それら以外として(CH32(C65)SiO1/2,(CH33SiO1/2,(C653SiO1/2,(CH3)(C652SiO1/2,(CH32SiO2/2,(C652SiO2/2,(CH3)(C65)SiO2/2及びSiO4/2から選択される単位のみを含んでいてもよいことを特徴とする熱可塑性合成樹脂フィルム。
  3. 球状シリコーン樹脂微粒子の平均粒径が0.1〜50μmである請求項1または2に記載の熱可塑性合成樹脂フィルム。
  4. 熱可塑性合成樹脂が透明であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱可塑性合成樹脂フィルム。
  5. 熱可塑性合成樹脂の屈折率が1.41〜1.60の範囲内である
    請求項1〜4の何れか1項に記載の熱可塑性合成樹脂フィルム。
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