JP6650857B2 - 重合体粒子並びにその製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
まず、シード重合では、ビニル系単量体がいったん水相中に溶解してからシード粒子に吸収される。そのため、ビニル系単量体の疎水性が高過ぎると、ビニル系単量体が、水相中に溶解しにくくなるためにシード粒子に吸収されにくくなる。その結果、ビニル系単量体が、シード粒子に吸収されずに水相中に残った状態で重合して、目的の粒子径より小さい微小な重合体粒子である乳化重合生成物を副生させてしまう。
本発明の重合体粒子は、ビニル系単量体の重合体からなる重合体粒子であって、非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%と、架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位0.5〜50重量%とで構成され、アリール基を有する(非架橋性又は架橋性の)ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%を含み、かつカルボキシ基を有する(非架橋性又は架橋性の)ビニル系単量体に由来する構造単位を含むものである。
以下に、本発明に係る重合体粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る重合体粒子は、シード重合にて製造することが好ましい。シード重合にて製造することにより、粒子径のバラツキを抑えることができる。粒子径のバラツキを抑えることにより、防眩フィルム、光拡散フィルム等の光学部材に使用した場合に、防眩性、光拡散性等の光学特性を向上させることが可能である。ただし、本発明に係る重合体粒子の製造は、必ずしもシード重合に限らず、乳化重合、懸濁重合等の重合方法にて行うことも可能である。
本発明のコーティング剤は、本発明の重合体粒子が、バインダーや有機溶剤等の分散媒中に分散されている。本発明の光学部材は、防眩フィルム又は光拡散フィルム等であり、本発明のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されているものである。本発明の光学部材は、本発明のコーティング剤を基材フィルム上に塗工し乾燥させて、コーティング剤の塗膜を基材フィルム上に形成させる方法で製造できる。
重合体粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizerTM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
重合体粒子の粒子径の変動係数=(重合体粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差
÷重合体粒子の体積平均粒子径)×100
重合体粒子の製造に使用したシード粒子の体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)及びユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行う。
媒体の屈折率=1.333
固体の屈折率=シード粒子の屈折率
(シード粒子がポリメタクリル酸メチル粒子である場合、1.495)
PIDS相対濃度:40〜55%程度
重合体粒子の屈折率測定はベッケ法により行う。まず、スライドガラス上に重合体粒子を載せ、屈折液(CARGILLE社製:カーギル標準屈折液、屈折率nD25が1.480〜1.596の屈折液を、屈折率差0.002刻みで複数準備)を滴下する。そして、重合体粒子と屈折液をよく混ぜた後、下から岩崎電気株式会社製高圧ナトリウムランプ「NX35」(中心波長589nm)の光を照射しながら、上部から光学顕微鏡により重合体粒子の輪郭を観察する。そして、輪郭が見えない場合を、屈折液と重合体粒子の屈折率が等しいと判断する。
重合体粒子の、水に対する接触角の測定は、三協パイオテク株式会社製の測定器「ウェットテスタ WTMY−232A型」を使用して、空気透過法により、粉体層(重合体粒子層)の比表面積、比表面積径、及び毛管半径を算出した後、定流量法により接触角を算出する方法で行う。重合体粒子の、水に対する接触角の測定は、具体的には下記の(1)及び(2)の工程により行う。
まず、圧密金具とコンパクタにより、Y型測定セル内に所定の空間率の粉体層(重合体粒子層)を形成した後、エアポンプを使用し、流量計と圧力変換器により、粉体層の比表面積を測定し、次いで比表面積径及び毛管半径を算出する。
次に、Y型測定セルに粉体(重合体粒子)を定量投入し、粉体層(重合体粒子層)を形成させる。この粉体層に定流量にて液体(純水)を流し、液体に対する粉体層の毛細管圧力から、液体に対する接触角を測定する。
液体が粉体層の下面に到達しても液体は浸透せず圧力測定管の液面レベルが上昇し、圧力測定管の圧力はボイルの法則により上昇するが、粉体層の毛細管圧力に到達すると、液体が粉体層に浸透し始め、圧力上昇がボイルの法則から外れる。これを検出して、粉体層の毛細管圧力を測定する。得られたデータから下記の計算式により、粉体の、液体に対する接触角、すなわち、重合体粒子の、水(純水)に対する接触角を求める。
S0:粉体層の比表面積
ε:粉体層の空隙率
PC:粉体層の毛細管圧力
γL:液体の表面張力
ΔP:空気の圧力損失
γC:毛管半径
Q:空気流量
A:粉体層の断面積
μ:空気(ガス)の粘度
L:粉体層の厚み
K0:Kozeny−Carman定数
g:重力加速度
重合体粒子を水中に分散させ遠心分離すると、目的とする粒子径を有する重合体粒子は沈降する一方、重合体粒子中に含有される副生成物(乳化重合生成物)は、浮遊して少量の水と共に上澄み液を構成する。そこで、ここでは、重合体粒子中における重合の副生成物(乳化重合生成物)の含有量を、上澄み液中における非揮発成分の含有量として測定する。
まず、各実施例及び各比較例で得られた重合体粒子5.0gを内容量50mlのサンプル瓶に入れ、水15.0gを添加する。その後、超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製「ULTRASONIC CLEANER VS−150」、発振周波数:50kHz、高周波出力:150W)を用いて60分間分散処理を行うことにより重合体粒子を水中に分散させて、分散液を得る。なお、重合体粒子が水に分散しにくい場合には、重合体粒子を微量(上限0.8g)のアルコール(例えばエタノール)で湿潤させた後、水に分散させてもよい。
次に、回収した上澄み液5.0g中に含まれる副生成物(乳化重合生成物)の含有量を評価する。すなわち、まず、予め重量を計量した内容量10mlのサンプル瓶に、上澄み液5.0gを秤り取り、温度60℃の真空オーブンに5時間入れて水分を蒸発させる。蒸発乾固した残留物、すなわち非揮発成分を含むサンプル瓶の重量(g)を計量する。
={(非揮発成分を含むサンプル瓶の重量)(g)−(サンプル瓶の重量)(g)}
÷(サンプル瓶に入れた上澄み液の重量)(g)×100
重合体粒子の試料0.1〜0.5mgを専用カップに秤量し、熱分解装置(商品名「マルチショット・パイロライザーEGA/PY−3030D」、フロンティア・ラボ株式会社製)にて熱分解させ、生成したカルボキシ基含有単量体由来の分解生成物についてガスクロマトグラフ質量分析計(型番:JMS−Q1050GC、日本電子株式会社製)を用いてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定を行う。
<熱分解条件>
・モード(MODE):シングルショット分析(Single−Shot Analysis)モード
・加熱炉温度(Pyrolyzer temp)=590℃
・加熱炉による加熱時間(Pyrolyzer time)=0.5分間
・インターフェース温度(Interface temp)=320℃
・カラム(Column):アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies, Inc.)製「HP−5」(内径0.32mm×長さ30m、膜厚0.25μm)
・カラム温度(Column temp):50℃で0.5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分間保持
・注入口温度(Injection temp)=300℃
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガスの流量(Flow)=1.5mL/min
・測定時間(Run time)=22分間
・スプリット比(Split ratio)=50:1
・検出器電圧(Detector voltage)=−900V
・インターフェース温度(Interface temp)=280℃
・イオン源温度(Ion source temp)=220℃
・イオン化電流(Ionization current)=50μA
・イオン化エネルギー(Ionization energy)=70eV
・モード(MODE):SIMモード(m/z=41、69、78、86、104)
・サイクルタイム(Cycle time):50分間
検量線作成用標準試料は、カルボキシ基含有単量体と他の単量体とからなる単量体混合物を封管重合することにより作製する。すなわち、内容量10mlの蓋付き試験管に、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.04g、次いで単量体混合物5gを秤量し、蓋を閉めて内容物を良く分散させる。次に、上記試験管をウォーターバス中にて75℃で5時間、次いでオーブン中にて110℃で3時間加熱することにより封管重合を行い、検量線作成用標準試料を作製する。このような封管重合にて、カルボキシ基含有単量体と他の単量体との重量比を変えた3つの検量線作成用標準試料を作製する。
3つの検量線作成用標準試料約0.03mg〜0.1mgを精秤した後、前述した重合体粒子の試料の熱分解及びGC/MS測定と同様にして、各検量線作成用標準試料の熱分解及びGC/MS測定を行う。各検量線作成用標準試料の測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるカルボキシ基含有単量体に由来するピーク面積と、各検量線作成用標準試料に含まれるカルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の重量(各検量線作成用標準試料の作製に使用した単量体混合物中におけるカルボキシ基含有単量体の含有率(重量%)に検量線作成用標準試料の重量を乗じて算出)とを使用することにより、絶対検量線を作成する。
重合体粒子の試料を約0.1〜0.5mg精秤し、キュリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル、日本分析工業株式会社製)に圧着するように包み、熱分解装置(商品名「キューリーポイントパイロライザーJPS−700」、日本分析工業株式会社製)にて熱分解させ、生成したアリール基含有単量体(スチレン、ジビニルベンゼン)由来の分解生成物についてガスクロマトグラフ(アジレント・テクノロジー社製の「Agilent 7820A GCシステム」に検出器として水素炎イオン化検出器(FID)を使用)を用いてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定を行う。
<熱分解条件>
・加熱温度:590℃
・加熱時間:5秒間
・オーブン温度:300℃
・ニードル温度:300℃
・カラム:アジレント・テクノロジー社製「DB−5」(内径0.25mm×長さ30m、膜厚0.25μm)
・カラム温度条件(50℃で0.5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分間保持)
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガスの流量:25ml/分
・注入口圧力:100kPa
・カラム入口圧力:100kPa
・注入口温度:300℃
・検出器温度:300℃
・スプリット比:1/50
検量線作成用標準試料は、アリール基含有単量体と前記他の単量体とからなる単量体混合物を封管重合することにより作製する。すなわち、内容量10mlの蓋付き試験管に、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.04g、次いで単量体混合物5gを秤量し、蓋を閉めて内容物を良く分散させる。次に、上記試験管をウォーターバス中にて75℃で5時間、次いでオーブン中にて110℃で3時間加熱することにより封管重合を行い、検量線作成用標準試料を作製する。検量線作成用標準試料の作製に使用する単量体混合物としては、実施例1〜3、参考例及び比較例1・2の場合には1種の試料を用い、例えば、実施例1の場合にはスチレン60重量%とエチレングリコールジメタクリレート40重量%との混合物を用いる。また、実施例5の場合、アリール基含有単量体以外の単量体の配合量を固定し、アリール基含有単量体の重量比を振った3種の試料を用いる。
検量線作成用標準試料を精秤した後、前述した重合体粒子の試料の熱分解及びGC/MS測定と同様にして、検量線作成用標準試料の熱分解及びGC/MS測定を行う。検量線作成用標準試料の測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるアリール基含有単量体に由来するピーク面積と前記他の単量体に由来するピーク面積との面積比と、単量体混合物中におけるアリール基含有単量体と前記他の単量体との重量比とを使用することにより、面積比検量線を作成する。例えば、実施例1〜3、参考例及び比較例1・2の場合、スチレンに由来するピーク面積とエチレングリコールジメタクリレートに由来するピーク面積との面積比を使用して面積比検量線を作成する。
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水3240gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン5.6gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する)560gに溶解してなる溶液を加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、70℃に昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム2.8gを水性媒体としてのイオン交換水100gに溶解してなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、70℃で12時間攪拌しながら重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液1」と称する)を得た。
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水3320gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン3.6gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのMMA360gに溶解してなる溶液を加え、さらにシード粒子の製造例1で得たシード粒子分散液1を250g加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、窒素気流中で70℃昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム1.8gを水性媒体としてのイオン交換水100gに溶解してなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、70℃で3時間攪拌して重合反応を行い、次いで100℃で3時間攪拌して重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液2」と称する)を得た。
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水2950gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン10gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチルメタクリレート(EMA)520gに溶解してなる溶液を加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、55℃に昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム2.6gを水性媒体としてのイオン交換水80gに溶解ししてなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、55℃で12時間攪拌して重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリエチルメタクリレート(PEMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液3」と称する)を得た。
初めに、カルボキシ基含有単量体としてのメタクリル酸(MAA)100g(単量体混合物に対して10重量%)と、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン(St)600g(単量体混合物に対して60重量%)と、架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)300g(単量体混合物に対して30重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル7gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
スチレンの使用量を800g(単量体混合物に対して80重量%)に、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を100g(単量体混合物に対して10重量%)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
カルボキシ基含有単量体としてメタクリル酸100gに代えて2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(商品名「ライトエステルHO−MS」、共栄社化学株式会社製)100g(単量体混合物に対して10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
実施例1において、メタクリル酸の使用量を10g(単量体混合物に対して1重量%)に、スチレンの使用量を800g(単量体混合物に対して80重量%)に、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を190g(単量体混合物に対して19重量%)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
初めに、カルボキシ基含有単量体としてのメタクリル酸120g(単量体混合物に対して15重量%)と、非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル40g(単量体混合物に対して5重量%)と、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン344g(単量体混合物に対して43重量%)と、架橋性スチレン系単量体としてのジビニルベンゼン(以下、適宜、「DVB」と略記する)296g(単量体混合物に対して37重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル7.6gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
スチレン600gに代えて、非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル300g(単量体混合物に対して30重量%)及びスチレン300g(単量体混合物に対して30重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
はじめに、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン480g(単量体混合物に対して60重量%)と、架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート320g(単量体混合物に対して40重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル6.4g及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(商品名「V−601」、和光純薬工業株式会社製)6.4gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
重合体粒子のトルエン分散試験は、以下のようにして行う。内容量10mlのプラスチック製の軟膏壺に、重合体粒子0.1gとトルエン5gとを計り取り、攪拌脱泡器(自転・公転ミキサー、商品名「あわとり練太郎(登録商標)AR−100」、株式会社シンキー製)にて3分間攪拌を行う。攪拌終了後、得られた分散液をスポイトでガラスプレート上に1滴落とし、上からカバーガラスをかける。そして、重合体粒子の凝集状態をデジタルマイクロスコープ(型番:VHX−500、株式会社キーエンス製)にて観察することにより評価する。
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にて製造した重合体粒子について、トルエン分散試験を行い、凝集状態を観察した。実施例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図6に、実施例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図7に、実施例3にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図8に、参考例にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図9に、実施例5にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図10に、比較例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図11に、比較例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図12にそれぞれ示す。
(1)コーティング剤の調製
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にて製造した重合体粒子1重量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)1重量部と、有機溶剤としてトルエン24重量部、紫外線硬化型樹脂としてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「KAYARAD(登録商標) DPHA」、日本化薬株式会社製)16重量部とを混合することにより、コーティング剤(防眩フィルム用分散液)を調製した。
基材フィルムとして、透明プラスチックフィルムである厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記コーティング剤を上記PETフィルムの片面に、ウェット膜厚60μmのバーコーターを用いて塗布することで塗膜を形成させた。次に、上記塗膜を80℃で1分間加熱することにより、上記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて紫外線を積算光量300mJ/cm2で上記塗膜に照射することにより、上記塗膜を硬化させて防眩性ハードコート層を形成した。これにより、防眩フィルム(成形品)として、上記実施例1〜3、5、参考例及び比較例1〜2にてそれぞれ製造した重合体粒子を含有した防眩性ハードコートフィルムをそれぞれ作製した。
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にてそれぞれ製造した重合体粒子を含有した防眩フィルム(防眩性ハードコートフィルム)について、以下の方法で防眩性を評価した。
Claims (10)
- ビニル系単量体の重合体からなる重合体粒子であって、
非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%と、架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位0.5〜50重量%とで構成され、
アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位50〜95重量%を含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位5〜20重量%を含むことを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1に記載の重合体粒子であって、
水に対する接触角が90〜98°であることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1又は2に記載の重合体粒子であって、
重合体粒子5.0gに水15.0gを添加し、超音波洗浄器を用いて60分間分散処理を行うことにより重合体粒子を水中に分散させ、内径24mmの遠心管に入れて遠心分離機を用いてKファクタ6943、回転時間30分間の条件で遠心分離した後、上澄み液を回収した時に、上澄み液中における非揮発成分の濃度が1.0重量%未満であることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
粒子径の変動係数が20%以下であることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
体積平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
前記カルボキシ基を有するビニル系単量体が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
光学部材に用いられることを特徴とする重合体粒子。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体粒子が、分散媒中に分散されていることを特徴とするコーティング剤。
- 請求項8に記載のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されていることを特徴とする光学部材。
- 請求項9に記載の光学部材であって、
防眩フィルムであることを特徴とする光学部材。
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