JP6650857B2 - 重合体粒子並びにその製造方法及び用途 - Google Patents

重合体粒子並びにその製造方法及び用途 Download PDF

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Description

本発明は、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材に添加されるフィラーとして好適に使用できる重合体粒子並びにその製造方法及びその用途(コーティング剤及び光学部材)に関する。
重合体粒子は、液晶用スペーサー、クロマトグラフィー用充填剤、診断試薬等の幅広い分野で使用されている。また、光拡散板、光拡散フィルム、防眩フィルム等の光学部材として表示装置等の各種装置の分野においても用いられている。
防眩フィルムは、PC(パーソナル・コンピュータ)用ディスプレイやテレビ用ディスプレイ等のディスプレイの画面上に配設されて、ディスプレイの画面への外光の映り込み(鏡面反射)を防止するものである。重合体粒子がフィラーとして添加されているタイプの防眩フィルムは、通常、その表面に微細な凹凸が重合体粒子によって形成されており、その微細な凹凸により外光を散乱させることで映り込みを防止するようになっている。
上述したようなタイプの防眩フィルムは、通常、溶剤を含む分散媒中に重合体粒子を分散させてコーティング剤を作製した後、コーティング剤を基材フィルム上に塗布し、乾燥して溶剤を揮発させる方法で製造される。これにより、基材フィルム上に塗布されたコーティング剤(未乾燥塗膜)中で重合体粒子が凝集し、その状態で乾燥されることにより、重合体粒子の凝集体によって微細な凹凸が防眩フィルム表面に形成される。
そのような防眩フィルム用の重合体粒子として、特許文献1には、防眩フィルム等の光学フィルムに用いられる微粒子であって、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合材料からなる微粒子が開示されている。
また、特許文献2には、光拡散板や防眩フィルム等の光学シート(光拡散シート)を形成することができる光拡散ポリマー粒子であって、ベンジルアクリレート等のベンジル(メタ)アクリレートを主成分として用いて作製される光拡散ポリマー粒子が開示されている。
特許第5478066号公報 特許第5212853号公報
テレビ用ディスプレイやタブレットPC用ディスプレイ等のディスプレイにおいて年々、高精細(例えば、2K解像度や4K解像度)化の要求が高まっているのにつれて、ディスプレイに用いられる防眩フィルムにも、より厳しい品質、例えば、より高いヘイズ等が要求されるようになっている。このようなより高いヘイズ等が要求される防眩フィルムに用いられる重合体粒子には、高い屈折率と、塗膜中で程よく凝集する(ある程度寄り固まった状態で存在する)凝集性等の特性とが要求される。
従来の一般的な防眩フィルム用の重合体粒子は、塗膜中において良く分散する傾向を示し、十分に凝集できない。特許文献1に開示されている微粒子も、スチレン等のような疎水性重合性モノマーを重合させてなる有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とで構成されており、親水性部位を有していないため、塗膜中において良く分散する傾向を示し、十分に凝集できない。特許文献2に開示されている光拡散ポリマー粒子も、ベンジル(メタ)アクリレートを主成分として用いている場合(実施例2、3)、親水性部位を有していないため、塗膜中において良く分散する傾向を示し、十分に凝集できない。
特許文献1に開示されている微粒子は、屈折率が低いポリシロキサン骨格を含むことを必須としているため、微粒子を高屈折率化することが難しく、防眩フィルム用のフィラーとして使用したとき、防眩フィルムの高ヘイズ化が難しくなる点が懸念される。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高屈折率であり、かつ、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材の製造時等に分散媒中に分散させて塗布したときに、塗膜中で十分に凝集することができる重合体粒子及びその製造方法、並びにその重合体粒子を用いたコーティング剤及び光学部材を提供することにある。
本発明の重合体粒子は、上記の課題を解決するために、ビニル系単量体の重合体からなる重合体粒子であって、非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%と、架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位0.5〜50重量%とで構成され、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%を含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含むことを特徴としている。
本発明の重合体粒子は、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を50重量%以上含むことにより、高屈折率を有している。さらに、本発明の重合体粒子は、カルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含むことにより、適度な親水性を備えているため、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材用フィラーとして分散媒中に分散させて基材フィルム上に塗布したときなど、分散媒中に分散させて塗布したときに、塗膜中で良好な凝集状態を発現する。これらにより、本発明の重合体粒子は、優れた光学特性(特に、高いヘイズのような優れた防眩特性)を有する防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を実現できる。
本発明の重合体粒子の製造方法は、本発明の重合体粒子の製造方法であって、水性媒体中でシード粒子にビニル系単量体を吸収させて重合させるシード重合により重合体粒子を製造する方法であり、前記シード粒子に吸収させるビニル系単量体が、前記アリール基を有するビニル系単量体50〜99.5重量%を含み、かつ前記カルボキシ基を有するビニル系単量体を含むことを特徴としている。
本発明の方法によれば、目的の粒子径より小さい微小な重合体粒子である乳化重合生成物の副生を低減できる。微小な重合体粒子は、分散媒中に分散させて塗布したときに、得られる塗膜の光学特性に不具合を生じることがある。例えば、塗膜中に微小な重合体粒子が入ることによって重合体粒子の光拡散性が必要以上に高くなってしまい、塗膜の光透過性が悪くなることがある。
本発明の方法で乳化重合生成物の副生を低減できる理由は、以下の通りである。
まず、シード重合では、ビニル系単量体がいったん水相中に溶解してからシード粒子に吸収される。そのため、ビニル系単量体の疎水性が高過ぎると、ビニル系単量体が、水相中に溶解しにくくなるためにシード粒子に吸収されにくくなる。その結果、ビニル系単量体が、シード粒子に吸収されずに水相中に残った状態で重合して、目的の粒子径より小さい微小な重合体粒子である乳化重合生成物を副生させてしまう。
本発明の方法では、前記シード粒子に吸収させるビニル系単量体は、疎水性であるアリール基を有するビニル系単量体を50〜99.5重量%含んでいるが、親水性であるカルボキシ基を有するビニル系単量体を含んでいるために、ビニル系単量体全体としては疎水性が高くなり過ぎることを回避でき、水相中へのビニル系単量体の溶解を促進して、シード粒子へのビニル系単量体の吸収を促進することができる。その結果、シード粒子に吸収されずに水相中に残るビニル系単量体の量を低減でき、目的の粒子径より小さい微小な重合体粒子である乳化重合生成物の副生を低減できる。
本発明のコーティング剤は、本発明の重合体粒子が、分散媒中に分散されていることを特徴としている。
本発明のコーティング剤は、本発明の重合体粒子が分散媒中に分散されているものであるので、高屈折率の重合体粒子が塗膜中で十分に凝集する。その結果、本発明のコーティング剤を用いて防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を製造することで、優れた光学特性(特に、高いヘイズのような優れた防眩特性)を有する防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を実現できる。
本発明の光学部材は、本発明のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されていることを特徴としている。
本発明の光学部材は、本発明のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されているものであるので、高屈折率の重合体粒子が塗膜中で十分に凝集する。そのため、本発明の光学部材は、優れた光学特性(特に、光学部材が防眩フィルムである場合には、高いヘイズのような優れた防眩特性)を有している。
本発明によれば、高屈折率であり、かつ、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材の製造時等に分散媒中に分散させて塗布したときに、塗膜中で十分に凝集することができる重合体粒子及びその製造方法、並びにその重合体粒子を用いたコーティング剤、及び光学部材を提供できる。
凝集度1である重合体粒子の凝集状態の例を示す光学顕微鏡画像である。 凝集度2である重合体粒子の凝集状態の例を示す光学顕微鏡画像である。 凝集度3である重合体粒子の凝集状態の例を示す光学顕微鏡画像である。 凝集度4である重合体粒子の凝集状態の例を示す光学顕微鏡画像である。 凝集度5である重合体粒子の凝集状態の例を示す光学顕微鏡画像である。 実施例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 実施例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 実施例3にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 参考例にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 実施例5にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 比較例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。 比較例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を示す光学顕微鏡画像である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
〔重合体粒子〕
本発明の重合体粒子は、ビニル系単量体の重合体からなる重合体粒子であって、非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%と、架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位0.5〜50重量%とで構成され、アリール基を有する(非架橋性又は架橋性の)ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%を含み、かつカルボキシ基を有する(非架橋性又は架橋性の)ビニル系単量体に由来する構造単位を含むものである。
上記ビニル系単量体は、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、上記非架橋性ビニル系単量体は、エチレン性不飽和基を1つ有する化合物である。上記非架橋性ビニル系単量体としては、アリール基を有する非架橋性のビニル系単量体、非架橋性(メタ)アクリル系単量体、カルボキシ基を有する非架橋性のビニル系単量体等が挙げられる。
上記アリール基を有する非架橋性のビニル系単量体は、アリール基を有すると共にエチレン性不飽和基を1つ有する化合物(ただし、カルボキシ基を有しない)である。上記アリール基を有する非架橋性のビニル系単量体としては、非架橋性スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール等が挙げられるが、より高い屈折率を有する重合体粒子を実現できることから、非架橋性スチレン系単量体が好ましい。なお、本出願書類において、「(メタ)アクリル」はアクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及び/又はメタクリレートを意味するものとする。
上記非架橋性スチレン系単量体は、エチレン性不飽和基を1つ有するスチレン類(ただし、カルボキシ基を有しない)である。上記非架橋性スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げられるが、これらの中でも、溶剤分散性及び重合反応性の点で、スチレンが好ましい。
上記非架橋性(メタ)アクリル系単量体は、エチレン性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリル酸エステル(ただし、カルボキシ基を有しない)である。上記非架橋性(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル等が挙げられるが、塗膜における良好な凝集状態の発現や、重合体粒子の単分散性の発現の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルがさらに好ましい。また、塗膜の凝集性の調整のため、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−プロピレングリコールモノメタクリレート等のような、分子内にヒドロキシ基を有するビニル系単量体を上記非架橋性(メタ)アクリル系単量体として配合させてもよい。
上記カルボキシ基を有する非架橋性のビニル系単量体は、カルボキシ基を有すると共にエチレン性不飽和基を1つ有する化合物である。上記カルボキシ基を有する非架橋性のビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸等のカルボキシ基含有メタクリル酸エステル等が挙げられるが、シード重合法による重合体粒子への官能基(カルボキシ基等)付与が容易であることから、(メタ)アクリル酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がさらに好ましい。
上記架橋性ビニル系単量体は、複数のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、架橋剤としての機能を有する。上記架橋性ビニル系単量体としては、アリール基を有する架橋性のビニル系単量体、架橋性(メタ)アクリル系単量体、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のジビニル系単量体等が挙げられる。
上記アリール基を有する架橋性のビニル系単量体は、アリール基を有すると共に複数のエチレン性不飽和基を1つ有する化合物である。上記アリール基を有する架橋性のビニル系単量体としては、架橋性スチレン系単量体が好ましい。上記架橋性スチレン系単量体は、複数のエチレン性不飽和基を有するスチレン類である。上記架橋性スチレン系単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
上記架橋性(メタ)アクリル系単量体は、エチレン性不飽和基を1つ有する(メタ)アクリル酸エステルである。上記架橋性(メタ)アクリル系単量体としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、デカエチレングリコールジメタクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられ、耐溶剤性の付与が容易であることから、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
本発明の重合体粒子において、上記非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位の含有量、及び上記架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位の含有量は、それぞれ50〜99.5重量%及び0.5〜50重量%であればよいが、それぞれ50〜89重量%及び10〜30重量%であることが好ましい。上記架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位の含有量が上記範囲より少ない場合、重合体粒子の架橋度が低くなる結果、重合体粒子を分散媒中に分散させてコーティング剤として塗工する場合に、重合体粒子が膨潤してコーティング剤の粘度上昇が起こり塗工の作業性が低下するおそれがある。また、上記架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位の含有量が上記範囲より多い場合、上記架橋性ビニル系単量体の使用量に見合った効果の向上が認められず、生産コストが上昇する場合がある。
本発明の重合体粒子において、上記アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有量は、50〜99.5重量%であればよいが、60〜99.5重量%であることが好ましい。アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有量が上記範囲より少ない場合、高精細ディスプレイの防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材用の重合体粒子に要求されるような、高い屈折率を実現できなくなるおそれがある。
本発明の重合体粒子において、上記カルボキシ基を有するビニル系単量体(以下、「カルボキシ基含有単量体」と称する)に由来する構造単位の含有量は、0.5〜20重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましく、5〜15重量%であることがさらに好ましい。カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の含有量が上記範囲を外れると、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材の製造時等に分散媒中に分散させて塗布し乾燥させたときに、良好な凝集状態が得られず、その結果として、優れた光学特性(特に、光学部材が防眩フィルムである場合には、高いヘイズのような優れた防眩特性)を有する防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を得ることができないことがある。
本発明の重合体粒子は、水に対する接触角が90〜98°であることが好ましい。この場合、重合体粒子が、適度な親水性を備えているため、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材用フィラーとして分散媒中に分散させて基材フィルム上に塗布したときなど、分散媒中に分散させて塗布したときに、塗膜中でさらに良好な凝集状態を発現できる。これにより、さらに良好な光学特性(特に、光学部材が防眩フィルムである場合には、さらに高いヘイズのような、さらに良好な防眩特性)を有する防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を実現できる。
本発明の重合体粒子は、重合体粒子5.0gに水15.0gを添加し、超音波洗浄器を用いて60分間分散処理を行うことにより重合体粒子を水中に分散させ、内径24mmの遠心管に入れて遠心分離機を用いてKファクタ6943、回転時間30分間の条件で遠心分離した後、上澄み液を回収した時に、上澄み液中における非揮発成分(前述した、目的の粒子径より小さい微小な重合体粒子である乳化重合生成物に相当)の濃度が1.0重量%未満であることが好ましい。これにより、重合体粒子を分散媒中に分散させて塗布したときに、得られる塗膜の光拡散性が必要以上に高くなってしまうといった、不具合が発生することを回避でき、良好な光学特性の防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を製造できる。
上記重合体粒子の粒子径の変動係数(CV)は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、12%以下であることがさらに好ましい。これにより、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材に重合体粒子を使用したときに、光学部材の防眩性や光拡散性等の光学特性を向上させることができる。
また、重合体粒子の体積平均粒子径は、1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましく、1〜5μmであることが最も好ましい。重合体粒子の体積平均粒子径が上記範囲の上限以下である場合、分散媒中に分散させて塗布し、乾燥して塗膜を形成したときに、塗膜中で適当な数量で凝集して好ましい凸部を形成するので、優れた光学特性(特に、高いヘイズのような優れた防眩特性)を有する防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学部材を実現できる。また、重合体粒子の体積平均粒子径が1μmより小さい場合、例えば、防眩フィルムとして用いたときに、重合体粒子が凝集して形成された凸部が平坦に近くなるため、外光を散乱させることが不十分となり、ディスプレイの表示面への映り込みを十分に抑えることができなくなるおそれがある。なお、体積平均粒子径は、コールター法にて測定されるものとする。
重合体粒子中における各単量体に由来する構成単位の定量及び定性は、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)等の分析方法を用いることにより、確認することができる。なお、単量体混合物中における各単量体の重量比と、重合体粒子中における各単量体に由来する構成単位の重量比とは略同一である。
〔重合体粒子の製造方法〕
以下に、本発明に係る重合体粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る重合体粒子は、シード重合にて製造することが好ましい。シード重合にて製造することにより、粒子径のバラツキを抑えることができる。粒子径のバラツキを抑えることにより、防眩フィルム、光拡散フィルム等の光学部材に使用した場合に、防眩性、光拡散性等の光学特性を向上させることが可能である。ただし、本発明に係る重合体粒子の製造は、必ずしもシード重合に限らず、乳化重合、懸濁重合等の重合方法にて行うことも可能である。
本発明の製造方法は、水性媒体中でシード粒子にビニル系単量体を吸収させて重合させるシード重合により本発明の重合体粒子を製造する方法であり、前記シード粒子に吸収させるビニル系単量体が、前記アリール基を有するビニル系単量体50〜99.5重量%を含み、かつ前記カルボキシ基を有するビニル系単量体を含む方法である。前記シード粒子に吸収させるビニル系単量体は、前記カルボキシ基を有するビニル系単量体を0.5〜20重量%含むことが好ましい。
シード重合は、ビニル系単量体の重合体からなるシード(種)粒子を用いて重合を行う方法であり、具体的には、水性媒体中で、ビニル系単量体の重合体からなるシード粒子に他のビニル系単量体を吸収させ、シード粒子内で吸収させた他のビニル系単量体(以下、「シード重合用の単量体」と称する)を重合させる方法である。
シード重合では、まず、シード重合用の単量体と水性媒体と界面活性剤とを含む乳化液にシード粒子を添加し、シード粒子にシード重合用の単量体を吸収させる。
上記シード重合用の単量体としては、例えば、前述した非架橋性(メタ)アクリル系単量体、前述した非架橋性スチレン系単量体、これら非架橋性(メタ)アクリル系単量体及び非架橋性スチレン系単量体の混合物等が挙げられる。
水性媒体としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール(炭素数5以下のアルコール);水と低級アルコールとの混合物等が挙げられる。
また、上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤の何れをも用いることができる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ石鹸等の脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩;アルケニルコハク酸塩(ジカリウム塩);アルキルリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリオキシアルキレントリデシルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック重合体等が挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記両イオン性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シード重合における界面活性剤の使用量は、シード重合用の単量体100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましい。界面活性剤の使用量が上記範囲より少ない場合には、重合安定性が低くなる虞がある。また、界面活性剤の使用量が上記範囲より多い場合には、界面活性剤分のコストが悪化する。
添加する乳化液は、公知の方法により作製できる。例えば、シード重合用の単量体及び界面活性剤を水性媒体に添加し、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー(登録商標)等の微細乳化機により分散させることで、乳化液を得ることができる。上記水性媒体としては、水、又は、水と有機溶剤(例えば、低級アルコール(炭素数5以下のアルコール))との混合物を用いることができる。
シード粒子は、そのままで乳化液に添加されてもよく、水性媒体に分散された形態で乳化液に添加されてもよい。シード粒子が乳化液へ添加された後、シード重合用の単量体がシード粒子に吸収される。この吸収は、通常、乳化液を、室温(約20℃)で1〜12時間攪拌することにより行うことができる。また、シード粒子へのシード重合用の単量体の吸収を促進するために、乳化液を25〜40℃程度に加温してもよい。
シード粒子は、シード重合用の単量体を吸収することにより膨潤する。吸収するシード重合用の単量体とシード粒子との混合比率は、シード粒子1重量部に対して、吸収するシード重合用の単量体が5〜300重量部の範囲内であることが好ましく、100〜250重量部の範囲内であることがより好ましい。吸収するシード重合用の単量体の混合比率が上記範囲より小さくなると、重合による粒子径の増加が小さくなるので、製造効率が低下する。一方、吸収するシード重合用の単量体の混合比率が上記範囲より大きくなると、シード重合用の単量体が完全にシード粒子に吸収されず、水性媒体中で独自に懸濁重合して、異常に粒子径の小さい重合体粒子が生成されることがある。なお、シード粒子へのシード重合用の単量体の吸収の終了は、光学顕微鏡の観察で粒子径の拡大を確認することにより判定することができる。
そして、シード粒子に吸収されたシード重合用の単量体を重合させることにより、本発明の重合体粒子を得ることができる。なお、シード重合用の単量体をシード粒子に吸収させて重合させる工程を複数回繰り返すことにより、本発明の重合体粒子を得るようにしてもよい。
シード重合用の単量体には、必要に応じて重合開始剤を添加しても良い。重合開始剤は、シード重合用の単量体に混合した後、得られた混合物を水性媒体中に分散させてもよいし、重合開始剤とシード重合用の単量体との両者を別々に水性媒体に分散させたものを混合してもよい。得られた乳化液中に存するシード重合用の単量体の液滴の粒子径は、シード粒子の粒子径よりも小さくなるようにした方が、シード重合用の単量体がシード粒子に効率よく吸収されるので好ましい。
上記重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(別名:ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート))等のアゾ化合物等が挙げられる。上記重合開始剤は、シード重合用の単量体100重量部に対して、0.1〜1.0重量部の範囲内で使用されることが好ましい。
上記シード重合の重合温度は、シード重合用の単量体の種類及び必要に応じて用いられる重合開始剤の種類に応じて適宜決定することができる。シード重合の重合温度は、具体的には、25〜110℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。また、シード重合の重合時間は、1〜12時間であることが好ましい。シード重合の重合反応は、重合に対して不活性な不活性ガス(例えば窒素)の雰囲気下で行ってもよい。なお、シード重合の重合反応は、シード重合用の単量体及び必要に応じて用いられる重合開始剤がシード粒子に完全に吸収された後に、昇温して行われるのが好ましい。
上記シード重合においては、水性媒体中におけるシード重合用の単量体や重合体粒子の分散安定性を向上させるために、高分子分散安定剤を重合反応系に添加してもよい。上記高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、上記高分子分散安定剤と、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子化合物とが併用されてもよい。これら高分子分散安定剤のうち、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンが好ましい。上記高分子分散安定剤の添加量は、シード重合用の単量体100重量部に対して1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
また、上記重合反応における水性媒体中での乳化重合生成物(粒子径の小さすぎる重合体粒子)の発生を抑えるために、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を水性媒体に添加してもよい。上記重合禁止剤の添加量は、シード重合用の単量体100重量部に対して0.02〜0.2重量部の範囲内であることが好ましい。
このようにして、シード粒子に吸収されたシード重合用の単量体を重合させることにより得られた重合体粒子は、重合完了後、必要に応じて遠心分離されて水性媒体が除去され、水及び/又は溶剤で洗浄された後、乾燥、単離される。シード重合により得られる重合体粒子の水性媒体からの単離方法は、特に限定されるものではないが、例えば、スプレードライヤーに代表される噴霧乾燥法、ドラムドライヤーに代表される加熱された回転ドラムに付着させて乾燥する方法、凍結乾燥法等の方法が挙げられる。
なお、シード粒子を得るべくシード重合用の単量体を重合するための重合法については、特に限定されるものではないが、分散重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合、シード重合、懸濁重合等を用いることができる。シード重合によって略均一な粒子径の重合体粒子を得るためには、最初に略均一の粒子径のシード粒子を使用し、これらのシード粒子を略一様に成長させることが必要になる。
シード重合に使用する略均一な粒子径のシード粒子は、前述した非架橋性(メタ)アクリル系単量体や非架橋性スチレン系単量体等のビニル系単量体をソープフリー乳化重合(界面活性剤を使用しない乳化重合)及び分散重合等の重合法で重合することによって得ることができる。したがって、シード粒子を得るための重合法としては、乳化重合、ソープフリー乳化重合、シード重合及び分散重合が好ましい。
シード粒子を得るための重合においても、必要に応じて重合開始剤が使用される。前記重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。上記重合開始剤の使用量は、シード粒子を得るために使用する単量体100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲内であることが好ましい。上記重合開始剤の使用量の加減により、得られるシード粒子の重量平均分子量を調整することができる。
シード粒子を得るための重合においては、得られるシード粒子の重量平均分子量を調整するために、分子量調整剤を使用してもよい。前記分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプタン(別名:1−オクタンチオール)、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;γ−テルピネン、ジペンテン等のテルペン類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。上記分子量調整剤の使用量の加減により、得られるシード粒子の重量平均分子量を調整することができる。
本発明の重合体粒子は、防眩フィルムや光拡散フィルム等の光学フィルム等の光学部材用として好適であり、また、バインダーに分散させて分散液として使用するのに好適である。
〔光学部材及びコーティング剤〕
本発明のコーティング剤は、本発明の重合体粒子が、バインダーや有機溶剤等の分散媒中に分散されている。本発明の光学部材は、防眩フィルム又は光拡散フィルム等であり、本発明のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されているものである。本発明の光学部材は、本発明のコーティング剤を基材フィルム上に塗工し乾燥させて、コーティング剤の塗膜を基材フィルム上に形成させる方法で製造できる。
上記バインダーとしては、透明性、重合体粒子分散性、耐光性、耐湿性及び耐熱性等の要求される特性に応じて、当該分野において使用されるものであれば特に限定されるものではない。バインダーとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂;(メタ)アクリル−ウレタン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;メラミン系樹脂;スチレン系樹脂;アルキド系樹脂;フェノール系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリエステル系樹脂;アルキルポリシロキサン系樹脂等のシリコーン系樹脂;(メタ)アクリル−シリコーン系樹脂、シリコーン−アルキド系樹脂、シリコーン−ウレタン系樹脂、シリコーン−ポリエステル樹脂等の変性シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテル重合体等のフッ素系樹脂等のバインダー樹脂が挙げられる。
上記バインダー樹脂は、コーティング剤の耐久性を向上させる観点から、架橋反応により架橋構造を形成できる硬化性樹脂であることが好ましい。上記硬化性樹脂は、種々の硬化条件で硬化させることができる。上記硬化性樹脂は、硬化のタイプにより、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、温気硬化性樹脂等に分類される。
上記熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレ重合体とからなる熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコール多官能(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリレート樹脂;ジイソシアネート、多価アルコール、及びヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等から合成されるような多官能ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、これらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用できる。
上記バインダー樹脂として、上述した硬化性樹脂以外に、熱可塑性樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体及び共重合体、塩化ビニルの単独重合体及び共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体及び共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;アクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、上記バインダーとして、上述したバインダー樹脂の他に、合成ゴム、天然ゴム等のゴム系バインダー、その他無機系結着剤等を用いることもできる。上記ゴム系バインダー樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
上記コーティング剤は、有機溶剤をさらに含んでいてもよい。基材へのコーティング剤の塗工を容易にすることができるものであれば、上記有機溶剤は、特に限定されるものではない。上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、酢酸2−エトキシエチルアセタート(セロソルブアセタート)、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート等のグリコールエーテルエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン、塩化メチレン等の塩素系溶剤;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶剤;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤等を用いることができる。これら有機溶剤は、1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これら有機溶剤の中でも、コーティング剤中での重合体粒子の凝集が起こりやすい点から、芳香族系溶剤が特に好ましい。
上記基材フィルムは、透明であることが好ましい。透明の基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系重合体、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系重合体等の重合体を用いたフィルムが挙げられる。また、透明の基材フィルムとして、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系重合体、塩化ビニル系重合体、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系重合体等の重合体を用いたフィルムも挙げられる。さらに、透明の基材フィルムとして、イミド系重合体、サルホン系重合体、ポリエーテルサルホン系重合体、ポリエーテルエーテルケトン系重合体、ポリフェニルスルフィド系重合体、ビニルアルコール系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ビニルブチラール系重合体、アリレート系重合体、ポリオキシメチレン系重合体、エポキシ系重合体、これらの重合体のブレンド物等の重合体を用いたフィルム等も挙げられる。上記基材フィルムとして、特に複屈折率の少ないフィルムが好適に用いられる。また、これらフィルムに更に(メタ)アクリル系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−マレイン酸グラフトポリエステル樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂等の易接着層を設けたフィルムも上記基材フィルムとして用いることができる。
基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には、強度、取り扱い等の作業性、薄層性等の点より10〜500μmの範囲内であり、20〜300μmの範囲内であることが好ましく、30〜200μmの範囲内であることがより好ましい。また、基材フィルムには、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、屈折率調整剤、増強剤等の添加剤を加えるようにしても良い。
コーティング剤を基材フィルム上に塗布する方法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、ディッピング法等の公知の塗工方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例及び比較例における重合体粒子の組成及び特性の測定方法について説明する。
〔重合体粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法〕
重合体粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizerTM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
なお、測定に用いるアパチャーは、測定する粒子の大きさに応じて適宜選択する。50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合は、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定とした。
測定用試料としては、重合体粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散体としたものを使用する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、重合体粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。重合体粒子の体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
重合体粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、以下の数式によって算出する。
重合体粒子の粒子径の変動係数=(重合体粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差
÷重合体粒子の体積平均粒子径)×100
〔重合体粒子の製造に使用したシード粒子の体積平均粒子径の測定方法〕
重合体粒子の製造に使用したシード粒子の体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)及びユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行う。
具体的には、シード粒子分散体0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散体としたものを使用する。
測定は、ユニバーサルリキッドサンプルモジュール中でポンプ循環を行うことによって上記シード粒子を分散させた状態、かつ、超音波ユニット(ULM ULTRASONIC MODULE)を起動させた状態で行い、シード粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)を算出する。測定条件を下記に示す。
媒体=水
媒体の屈折率=1.333
固体の屈折率=シード粒子の屈折率
(シード粒子がポリメタクリル酸メチル粒子である場合、1.495)
PIDS相対濃度:40〜55%程度
〔重合体粒子の屈折率の測定方法〕
重合体粒子の屈折率測定はベッケ法により行う。まず、スライドガラス上に重合体粒子を載せ、屈折液(CARGILLE社製:カーギル標準屈折液、屈折率nD25が1.480〜1.596の屈折液を、屈折率差0.002刻みで複数準備)を滴下する。そして、重合体粒子と屈折液をよく混ぜた後、下から岩崎電気株式会社製高圧ナトリウムランプ「NX35」(中心波長589nm)の光を照射しながら、上部から光学顕微鏡により重合体粒子の輪郭を観察する。そして、輪郭が見えない場合を、屈折液と重合体粒子の屈折率が等しいと判断する。
なお、光学顕微鏡による観察は、重合体粒子の輪郭が確認できる倍率での観察であれば特に問題ないが、粒子径5μmの重合体粒子であれば500倍程度の観察倍率が適当である。上記操作により、重合体粒子と屈折液の屈折率が近いほど重合体粒子の輪郭が見えにくくなることから、重合体粒子の輪郭が判りにくい屈折液の屈折率をその重合体粒子の屈折率と等しいと判断する。
また、屈折率差が0.002の2種類の屈折液の間で重合体粒子の見え方に違いがない場合は、これら2種類の屈折液の中間の値を当該重合体粒子の屈折率と判断する。例えば、屈折率1.554と1.556の屈折液それぞれで試験をしたときに、両屈折液で重合体粒子の見え方に違いがない場合は、これら屈折液の中間値1.555を重合体粒子の屈折率と判定する。
なお、上記の測定においては試験室気温23℃〜27℃の環境下で測定を実施する。
〔重合体粒子の、水に対する接触角の測定方法〕
重合体粒子の、水に対する接触角の測定は、三協パイオテク株式会社製の測定器「ウェットテスタ WTMY−232A型」を使用して、空気透過法により、粉体層(重合体粒子層)の比表面積、比表面積径、及び毛管半径を算出した後、定流量法により接触角を算出する方法で行う。重合体粒子の、水に対する接触角の測定は、具体的には下記の(1)及び(2)の工程により行う。
(1)比表面積、比表面積径、及び毛管半径の測定(空気透過法)
まず、圧密金具とコンパクタにより、Y型測定セル内に所定の空間率の粉体層(重合体粒子層)を形成した後、エアポンプを使用し、流量計と圧力変換器により、粉体層の比表面積を測定し、次いで比表面積径及び毛管半径を算出する。
(2)接触角の測定(定流量法)
次に、Y型測定セルに粉体(重合体粒子)を定量投入し、粉体層(重合体粒子層)を形成させる。この粉体層に定流量にて液体(純水)を流し、液体に対する粉体層の毛細管圧力から、液体に対する接触角を測定する。
液体が粉体層の下面に到達しても液体は浸透せず圧力測定管の液面レベルが上昇し、圧力測定管の圧力はボイルの法則により上昇するが、粉体層の毛細管圧力に到達すると、液体が粉体層に浸透し始め、圧力上昇がボイルの法則から外れる。これを検出して、粉体層の毛細管圧力を測定する。得られたデータから下記の計算式により、粉体の、液体に対する接触角、すなわち、重合体粒子の、水(純水)に対する接触角を求める。
θ:粉体の、液体に対する接触角
0:粉体層の比表面積
ε:粉体層の空隙率
C:粉体層の毛細管圧力
γL:液体の表面張力
ΔP:空気の圧力損失
γC:毛管半径
Q:空気流量
A:粉体層の断面積
μ:空気(ガス)の粘度
L:粉体層の厚み
0:Kozeny−Carman定数
g:重力加速度
〔重合体粒子中の副生成物(乳化重合生成物)の含有量の測定方法(溶剤分散法)〕
重合体粒子を水中に分散させ遠心分離すると、目的とする粒子径を有する重合体粒子は沈降する一方、重合体粒子中に含有される副生成物(乳化重合生成物)は、浮遊して少量の水と共に上澄み液を構成する。そこで、ここでは、重合体粒子中における重合の副生成物(乳化重合生成物)の含有量を、上澄み液中における非揮発成分の含有量として測定する。
[上澄み液の作製]
まず、各実施例及び各比較例で得られた重合体粒子5.0gを内容量50mlのサンプル瓶に入れ、水15.0gを添加する。その後、超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製「ULTRASONIC CLEANER VS−150」、発振周波数:50kHz、高周波出力:150W)を用いて60分間分散処理を行うことにより重合体粒子を水中に分散させて、分散液を得る。なお、重合体粒子が水に分散しにくい場合には、重合体粒子を微量(上限0.8g)のアルコール(例えばエタノール)で湿潤させた後、水に分散させてもよい。
次に、内径24mmの遠心管、例えば内容量50mLで内径24mmの遠心管(Thermo Fisher Scientific社製、商品名「ナルゲン(登録商標)3119−0050」)に上記分散液を20.0g入れ、その遠心管をローター、例えばアングルローター(型番「RR24A」、日立工機株式会社製、内容量50mLの遠心管が8本セットされるもの)にセットし、遠心分離機、例えば高速冷却遠心機(high−Speed refrigerated centrifuge)(型番「CR22GII」、日立工機株式会社製)に前記のローターをセットし、前記高速冷却遠心機を用いてKファクタ6943(前記アングルローターを使用した場合、回転数4800rpmのときにKファクタが6943となる)、回転時間30分間の条件で遠心分離した後、上澄み液を回収する。
[副生成物(乳化重合生成物)の定量評価]
次に、回収した上澄み液5.0g中に含まれる副生成物(乳化重合生成物)の含有量を評価する。すなわち、まず、予め重量を計量した内容量10mlのサンプル瓶に、上澄み液5.0gを秤り取り、温度60℃の真空オーブンに5時間入れて水分を蒸発させる。蒸発乾固した残留物、すなわち非揮発成分を含むサンプル瓶の重量(g)を計量する。
そして、非揮発成分を含むサンプル瓶の重量(g)と、サンプル瓶の重量(g)と、サンプル瓶に入れた上澄み液の重量(g)(=5.0g)とから、以下の算出式によって、上澄み液中における非揮発成分(副生成物(乳化重合生成物)に相当)の濃度(重量%)を算出する。
(上澄み液中における非揮発成分の濃度)(重量%)
={(非揮発成分を含むサンプル瓶の重量)(g)−(サンプル瓶の重量)(g)}
÷(サンプル瓶に入れた上澄み液の重量)(g)×100
〔重合体粒子におけるカルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の含有率の測定方法〕
重合体粒子の試料0.1〜0.5mgを専用カップに秤量し、熱分解装置(商品名「マルチショット・パイロライザーEGA/PY−3030D」、フロンティア・ラボ株式会社製)にて熱分解させ、生成したカルボキシ基含有単量体由来の分解生成物についてガスクロマトグラフ質量分析計(型番:JMS−Q1050GC、日本電子株式会社製)を用いてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定を行う。
測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるカルボキシ基含有単量体に由来するピーク面積から、後述する方法で予め作成した絶対検量線を用いてカルボキシ基含有単量体に由来する分解生成物の重量を算出し、算出された重量を重合体粒子の試料の重量で除してカルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の含有率(重量%)を算出する。
熱分解及びGC/MS測定の具体的な条件は、下記の通りとする。
<熱分解条件>
・モード(MODE):シングルショット分析(Single−Shot Analysis)モード
・加熱炉温度(Pyrolyzer temp)=590℃
・加熱炉による加熱時間(Pyrolyzer time)=0.5分間
・インターフェース温度(Interface temp)=320℃
<GC/MS測定条件>
・カラム(Column):アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies, Inc.)製「HP−5」(内径0.32mm×長さ30m、膜厚0.25μm)
・カラム温度(Column temp):50℃で0.5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分間保持
・注入口温度(Injection temp)=300℃
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガスの流量(Flow)=1.5mL/min
・測定時間(Run time)=22分間
・スプリット比(Split ratio)=50:1
・検出器電圧(Detector voltage)=−900V
・インターフェース温度(Interface temp)=280℃
・イオン源温度(Ion source temp)=220℃
・イオン化電流(Ionization current)=50μA
・イオン化エネルギー(Ionization energy)=70eV
・モード(MODE):SIMモード(m/z=41、69、78、86、104)
・サイクルタイム(Cycle time):50分間
<検量線作成用標準試料の作製方法>
検量線作成用標準試料は、カルボキシ基含有単量体と他の単量体とからなる単量体混合物を封管重合することにより作製する。すなわち、内容量10mlの蓋付き試験管に、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.04g、次いで単量体混合物5gを秤量し、蓋を閉めて内容物を良く分散させる。次に、上記試験管をウォーターバス中にて75℃で5時間、次いでオーブン中にて110℃で3時間加熱することにより封管重合を行い、検量線作成用標準試料を作製する。このような封管重合にて、カルボキシ基含有単量体と他の単量体との重量比を変えた3つの検量線作成用標準試料を作製する。
<検量線の作成方法>
3つの検量線作成用標準試料約0.03mg〜0.1mgを精秤した後、前述した重合体粒子の試料の熱分解及びGC/MS測定と同様にして、各検量線作成用標準試料の熱分解及びGC/MS測定を行う。各検量線作成用標準試料の測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるカルボキシ基含有単量体に由来するピーク面積と、各検量線作成用標準試料に含まれるカルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の重量(各検量線作成用標準試料の作製に使用した単量体混合物中におけるカルボキシ基含有単量体の含有率(重量%)に検量線作成用標準試料の重量を乗じて算出)とを使用することにより、絶対検量線を作成する。
〔重合体粒子におけるアリール基含有単量体(スチレン、ジビニルベンゼン)に由来する構造単位の含有率の測定方法〕
重合体粒子の試料を約0.1〜0.5mg精秤し、キュリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル、日本分析工業株式会社製)に圧着するように包み、熱分解装置(商品名「キューリーポイントパイロライザーJPS−700」、日本分析工業株式会社製)にて熱分解させ、生成したアリール基含有単量体(スチレン、ジビニルベンゼン)由来の分解生成物についてガスクロマトグラフ(アジレント・テクノロジー社製の「Agilent 7820A GCシステム」に検出器として水素炎イオン化検出器(FID)を使用)を用いてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定を行う。
測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるアリール基含有単量体に由来するピーク面積と1種の他の単量体(例えば、実施例1〜3、参考例及び比較例1・2の場合にはエチレングリコールジメタクリレート、実施例5の場合にはメタクリル酸メチル)に由来するピーク面積との面積比から、後述する方法で予め作成した面積比検量線を用いて単量体混合物中におけるアリール基含有単量体と前記他の単量体との重量比を算出することによりアリール基含有単量体に由来する構造単位の含有率(重量%)を算出する。
熱分解及びGC/MS測定の具体的な条件は、下記の通りとする。
<熱分解条件>
・加熱温度:590℃
・加熱時間:5秒間
・オーブン温度:300℃
・ニードル温度:300℃
<GC/MS測定条件>
・カラム:アジレント・テクノロジー社製「DB−5」(内径0.25mm×長さ30m、膜厚0.25μm)
・カラム温度条件(50℃で0.5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、さらに320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分間保持)
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガスの流量:25ml/分
・注入口圧力:100kPa
・カラム入口圧力:100kPa
・注入口温度:300℃
・検出器温度:300℃
・スプリット比:1/50
<検量線作成用標準試料の作製方法>
検量線作成用標準試料は、アリール基含有単量体と前記他の単量体とからなる単量体混合物を封管重合することにより作製する。すなわち、内容量10mlの蓋付き試験管に、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.04g、次いで単量体混合物5gを秤量し、蓋を閉めて内容物を良く分散させる。次に、上記試験管をウォーターバス中にて75℃で5時間、次いでオーブン中にて110℃で3時間加熱することにより封管重合を行い、検量線作成用標準試料を作製する。検量線作成用標準試料の作製に使用する単量体混合物としては、実施例1〜3、参考例及び比較例1・2の場合には1種の試料を用い、例えば、実施例1の場合にはスチレン60重量%とエチレングリコールジメタクリレート40重量%との混合物を用いる。また、実施例5の場合、アリール基含有単量体以外の単量体の配合量を固定し、アリール基含有単量体の重量比を振った3種の試料を用いる。
<検量線の作成方法>
検量線作成用標準試料を精秤した後、前述した重合体粒子の試料の熱分解及びGC/MS測定と同様にして、検量線作成用標準試料の熱分解及びGC/MS測定を行う。検量線作成用標準試料の測定により得られたGC/MSクロマトグラムにおけるアリール基含有単量体に由来するピーク面積と前記他の単量体に由来するピーク面積との面積比と、単量体混合物中におけるアリール基含有単量体と前記他の単量体との重量比とを使用することにより、面積比検量線を作成する。例えば、実施例1〜3、参考例及び比較例1・2の場合、スチレンに由来するピーク面積とエチレングリコールジメタクリレートに由来するピーク面積との面積比を使用して面積比検量線を作成する。
〔シード粒子の製造例1〕
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水3240gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン5.6gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する)560gに溶解してなる溶液を加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、70℃に昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム2.8gを水性媒体としてのイオン交換水100gに溶解してなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、70℃で12時間攪拌しながら重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液1」と称する)を得た。
シード粒子分散液1は、固形分(PMMA粒子)を14.3重量%含有し、シード粒子分散液1に含まれる粒子(PMMA粒子)の体積平均粒子径は0.43μmであった。
〔シード粒子の製造例2〕
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水3320gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン3.6gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのMMA360gに溶解してなる溶液を加え、さらにシード粒子の製造例1で得たシード粒子分散液1を250g加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、窒素気流中で70℃昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム1.8gを水性媒体としてのイオン交換水100gに溶解してなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、70℃で3時間攪拌して重合反応を行い、次いで100℃で3時間攪拌して重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液2」と称する)を得た。
シード粒子分散液2は、固形分(PMMA粒子)を10.0重量%含有し、シード粒子分散液2に含まれる粒子(PMMA粒子)の体積平均粒子径は1.09μmであった。
〔シード粒子の製造例3〕
初めに、攪拌機、温度計、及び還流コンデンサーを備えた反応容器内に、水性媒体としてのイオン交換水2950gを加え、次いで分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン10gを非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチルメタクリレート(EMA)520gに溶解してなる溶液を加えた。そして、窒素気流中で反応容器の内容物を攪拌しながら、55℃に昇温し、重合開始剤としての過硫酸カリウム2.6gを水性媒体としてのイオン交換水80gに溶解ししてなる過硫酸カリウム水溶液を投入し、55℃で12時間攪拌して重合反応を行った。これにより、シード粒子としてのポリエチルメタクリレート(PEMA)粒子の分散液(以下、「シード粒子分散液3」と称する)を得た。
シード粒子分散液3は、固形分(PEMA粒子)を14.3重量%含有し、シード粒子分散液3に含まれる粒子(PEMA粒子)の体積平均粒子径は0.75μmであった。
〔実施例1〕
初めに、カルボキシ基含有単量体としてのメタクリル酸(MAA)100g(単量体混合物に対して10重量%)と、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン(St)600g(単量体混合物に対して60重量%)と、架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)300g(単量体混合物に対して30重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル7gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
得られた重合開始剤を含む単量体混合物を、予めアニオン性界面活性剤としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10gをイオン交換水990gに溶解させてなる界面活性剤水溶液1000gと混合し、高速乳化・分散機(商品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)に入れて攪拌回転数8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
この乳化液に、シード粒子の製造例2で得た体積平均粒子径1.09μmのシード粒子分散液2(固形分10.0重量%)200gを加え、30℃で3時間攪拌して、重合開始剤を含む単量体混合物をシード粒子に吸収させ、重合開始剤を含む単量体混合物を吸収したシード粒子の分散液を得た。得られた分散液に、高分子分散安定剤としてのポリビニルアルコール(商品名「ゴーセノール(登録商標)GL−05」、日本合成化学工業株式会社製)の4重量%水溶液2000gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.6gとを加えた後、75℃で4時間攪拌して重合反応を行い、次いで110℃で3時間攪拌して重合反応を行った。
重合後の重合体粒子を含むスラリーを濾過装置内の濾材上に投入した後、濾過装置内におけるスラリーの上側空間に圧力0.30MPaをかけてスラリーから水分を分離することにより、脱水を実施した。これにより、脱水された重合体粒子層が濾材上に形成された。引き続き、70℃の純水15Lを重合体粒子層上に投入し、濾過装置内における重合体粒子層の上側空間に圧力0.30MPaをかけて重合体粒子層に水を通過させることにより、洗浄を実施した。脱水及び洗浄された重合体粒子層を乾燥装置に投入した後、−0.09MPaの真空圧下において70℃で15時間処理することにより、乾燥を実施した。これにより、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を得た。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.8μm、粒子径の変動係数が10.7%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.555であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、94.8°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、0.90重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、メタクリル酸に由来する構造単位の含有率が9.80重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が58.8重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が29.4重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が1.96重量%である。
〔実施例2〕
スチレンの使用量を800g(単量体混合物に対して80重量%)に、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を100g(単量体混合物に対して10重量%)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.9μm、粒子径の変動係数が10.3%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.575であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、91.6°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、0.74重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、メタクリル酸に由来する構造単位の含有率が9.80重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が78.4重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が9.80重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が1.96重量%である。
〔実施例3〕
カルボキシ基含有単量体としてメタクリル酸100gに代えて2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(商品名「ライトエステルHO−MS」、共栄社化学株式会社製)100g(単量体混合物に対して10重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.7μm、粒子径の変動係数が9.1%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.555であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、92.4°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、0.26重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸に由来する構造単位の含有率が9.80重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が58.8重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が29.4重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が1.96重量%である。
参考例
実施例1において、メタクリル酸の使用量を10g(単量体混合物に対して1重量%)に、スチレンの使用量を800g(単量体混合物に対して80重量%)に、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を190g(単量体混合物に対して19重量%)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.5μm、粒子径の変動係数が11.3%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.575であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、96.8°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、0.81重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、メタクリル酸に由来する構造単位の含有率が0.98重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が78.4重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が18.6重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が1.96重量%である。
〔実施例5〕
初めに、カルボキシ基含有単量体としてのメタクリル酸120g(単量体混合物に対して15重量%)と、非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル40g(単量体混合物に対して5重量%)と、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン344g(単量体混合物に対して43重量%)と、架橋性スチレン系単量体としてのジビニルベンゼン(以下、適宜、「DVB」と略記する)296g(単量体混合物に対して37重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル7.6gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
得られた重合開始剤を含む単量体混合物を、予めアニオン性界面活性剤としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウム8gをイオン交換水792gに溶解させてなる界面活性剤水溶液800gと混合し、高速乳化・分散機(商品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)に入れて攪拌回転数8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
この乳化液に、シード粒子の製造例3で得た体積平均粒子径0.75μmのシード粒子分散液3(固形分14.3重量%)90gを加え、30℃で3時間攪拌して、重合開始剤を含む単量体混合物をシード粒子に吸収させ、重合開始剤を含む単量体混合物を吸収したシード粒子の分散液を得た。得られた分散液に、高分子分散安定剤としてのポリビニルアルコール(商品名「ゴーセノール(登録商標)GL−05」、日本合成化学工業株式会社製)の4重量%水溶液2400gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.6gとを加えた後、75℃で3時間攪拌して重合反応を行い、次いで110℃で3時間攪拌して重合反応を行った。重合後の分散液を、実施例1と同様にして、脱水、洗浄、及び乾燥を実施することで、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を得た。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が2.9μm、粒子径の変動係数が8.1%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.575であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、95.3°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、0.43重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、メタクリル酸に由来する構造単位の含有率が14.8重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が4.92重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が42.3重量%、ジビニルベンゼンに由来する構造単位の含有率が36.4重量%、メタクリル酸エチルに由来する構造単位の含有率が1.58重量%である。
〔比較例1〕
スチレン600gに代えて、非架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル300g(単量体混合物に対して30重量%)及びスチレン300g(単量体混合物に対して30重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含む重合体粒子を製造した。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.6μm、粒子径の変動係数が9.0%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.525であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、親水性が高く、測定不能(90°未満)であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、1.14重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、メタクリル酸に由来する構造単位の含有率が9.80重量%、スチレンに由来する構造単位の含有率が29.4重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が29.4重量%、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有率が31.4重量%である。
〔比較例2〕
はじめに、非架橋性スチレン系単量体としてのスチレン480g(単量体混合物に対して60重量%)と、架橋性(メタ)アクリル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート320g(単量体混合物に対して40重量%)とからなる単量体混合物を用い、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル6.4g及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(商品名「V−601」、和光純薬工業株式会社製)6.4gを単量体混合物に溶解して、重合開始剤を含む単量体混合物を得た。
得られた重合開始剤を含む単量体混合物を、予めアニオン性界面活性剤としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4gをイオン交換水796gに溶解させてなる界面活性剤水溶液800gと混合し、高速乳化・分散機(商品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)に入れて攪拌回転数8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
この乳化液に、シード粒子の製造例3で得た体積平均粒子径0.75μmのシード粒子分散液3(固形分14.3重量%)43gを加え、30℃で3.5時間攪拌して、重合開始剤を含む単量体混合物をシード粒子に吸収させ、重合開始剤を含む単量体混合物を吸収したシード粒子の分散液を得た。得られた分散液に、高分子分散安定剤としてのポリビニルアルコール(商品名「ゴーセノール(登録商標)GL−05」、日本合成化学工業株式会社製)の4重量%水溶液2400gと、亜硝酸ナトリウム0.6gとを加えた後、70℃で2時間攪拌して重合反応を行い、次いで110℃で3時間攪拌して重合反応を行った。重合後の分散液を、実施例1と同様にして、脱水、洗浄、及び乾燥を実施することで、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位を含まない重合体粒子を得た。
得られた重合体粒子の粒度分布を前述の測定方法で測定したところ、体積平均粒子径が3.5μm、粒子径の変動係数が7.7%であった。また、重合体粒子の屈折率を測定したところ、1.555であった。また、重合体粒子の接触角を測定したところ、100.5°であった。また、重合体粒子の乳化重合生成物の含有量を測定したところ、1.26重量%であった。なお、重合体粒子における各単量体に由来する構造単位の含有率(単量体組成から算出した理論値)は、スチレンに由来する構造単位の含有率が59.5重量%、エチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有率が39.7重量%、メタクリル酸エチルに由来する構造単位の含有率が0.76重量%である。
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2について、重合体粒子の体積平均粒子径(μm)、粒子径の変動係数(CV値)(%)、屈折率、水に対する接触角(°)、乳化重合生成物の含有量(重量%)、カルボキシ基含有単量体に由来する構造単位の含有率(表中では「カルボキシ基含有単量体含有率」と表記する)、スチレンに由来する構造単位の含有率(表中では「スチレン含有率」と表記する)、及びジビニルベンゼンに由来する構造単位の含有率(表中では「ジビニルベンゼン含有率」と表記する)、の測定結果を、シード重合に使用した単量体混合物の組成(各単量体の重合割合)と共に、表1に示す。
表1から分かるように、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有率が50重量%未満である比較例1の重合体粒子は、屈折率が1.525と低かったのに対し、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を50重量%以上含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含む本発明の実施例1〜5の重合体粒子は、屈折率が1.555以上と高かった。
また、表1から分かるように、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有率が50重量%未満である比較例1の重合体粒子は、水に対する接触角が90°未満であり、親水性が高すぎ、カルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含まない比較例2の重合体粒子は、水に対する接触角が98°超であり、親水性が低すぎるのに対し、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を50重量%以上含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含む本発明の実施例1〜5の重合体粒子は、水に対する接触角が90〜98°であり、適度な親水性を有していた。
また、表1から分かるように、シード重合用の単量体におけるアリール基を有するビニル系単量体の含有率が50重量%未満である比較例1や、シード重合用の単量体がカルボキシ基を有するビニル系単量体を含まない比較例2では、乳化重合生成物を1.0重量%以上含有する重合体粒子が得られたのに対し、シード重合用の単量体がアリール基を有するビニル系単量体を50重量%以上含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体を含む本発明の実施例1〜5では、乳化重合生成物の含有量が1.0重量%未満の重合体粒子が得られた。
〔重合体粒子のトルエン分散試験方法〕
重合体粒子のトルエン分散試験は、以下のようにして行う。内容量10mlのプラスチック製の軟膏壺に、重合体粒子0.1gとトルエン5gとを計り取り、攪拌脱泡器(自転・公転ミキサー、商品名「あわとり練太郎(登録商標)AR−100」、株式会社シンキー製)にて3分間攪拌を行う。攪拌終了後、得られた分散液をスポイトでガラスプレート上に1滴落とし、上からカバーガラスをかける。そして、重合体粒子の凝集状態をデジタルマイクロスコープ(型番:VHX−500、株式会社キーエンス製)にて観察することにより評価する。
重合体粒子の凝集度を以下の表2に示す5段階で評価し、2つの段階の中間状態である場合には、それら段階の凝集度の中間値とする。凝集度1である重合体粒子の凝集状態の例を図1に、凝集度2である重合体粒子の凝集状態の例を図2に、凝集度3である重合体粒子の凝集状態の例を図3に、凝集度4である重合体粒子の凝集状態の例を図4に、凝集度5である重合体粒子の凝集状態の例を図5にそれぞれ示す。
〔重合体粒子のトルエン分散試験の結果〕
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にて製造した重合体粒子について、トルエン分散試験を行い、凝集状態を観察した。実施例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図6に、実施例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図7に、実施例3にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図8に、参考例にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図9に、実施例5にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図10に、比較例1にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図11に、比較例2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集状態を図12にそれぞれ示す。
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にて製造した重合体粒子のトルエン分散試験により得られた凝集度を表3に示す。
図6〜12及び表3から分かるように、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有率が50重量%未満であり、水に対する接触角が90°未満である比較例1の重合体粒子や、カルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含まず、水に対する接触角が98°超である比較例2の重合体粒子は、トルエン中で分散傾向にあったのに対し、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を50重量%以上含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含み、水に対する接触角が90〜98°である本発明の実施例1〜5の重合体粒子は、トルエン中で、強い凝集性を示し、粗密が明確な凝集状態となった。なお、本発明の重合体粒子は、トルエン中だけでなく、アルコール系溶剤中でも、強い凝集性を示したことから、少なくとも芳香族系溶剤中又はアルコール系溶剤中で強い凝集性を示すものであり、他の有機溶剤中でも強い凝集性を示すものと考えられる。
〔コーティング剤の調製及び防眩フィルムの作製〕
(1)コーティング剤の調製
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にて製造した重合体粒子1重量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)1重量部と、有機溶剤としてトルエン24重量部、紫外線硬化型樹脂としてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「KAYARAD(登録商標) DPHA」、日本化薬株式会社製)16重量部とを混合することにより、コーティング剤(防眩フィルム用分散液)を調製した。
(2)防眩フィルムの作製
基材フィルムとして、透明プラスチックフィルムである厚さ0.2mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記コーティング剤を上記PETフィルムの片面に、ウェット膜厚60μmのバーコーターを用いて塗布することで塗膜を形成させた。次に、上記塗膜を80℃で1分間加熱することにより、上記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて紫外線を積算光量300mJ/cm2で上記塗膜に照射することにより、上記塗膜を硬化させて防眩性ハードコート層を形成した。これにより、防眩フィルム(成形品)として、上記実施例1〜3、5、参考例及び比較例1〜2にてそれぞれ製造した重合体粒子を含有した防眩性ハードコートフィルムをそれぞれ作製した。
〔防眩フィルムの防眩性の評価〕
実施例1〜3、5、参考例及び比較例1、2にてそれぞれ製造した重合体粒子を含有した防眩フィルム(防眩性ハードコートフィルム)について、以下の方法で防眩性を評価した。
すなわち、作製した防眩フィルムの塗工面ではない面をABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)板に貼り付け、当該防眩フィルムの2m離れた場所から、輝度10000cd/cm2の蛍光灯を塗工面に映し、目視にて防眩フィルムの防眩性を評価した。防眩性の評価基準は、蛍光灯の反射像の輪郭がはっきり見えない場合には防眩性が良好「○」、蛍光灯の反射像の輪郭がはっきりと見える場合には防眩性が不良「×」、蛍光灯の視認性が「○」と「×」との中間程度である場合には防眩性がやや不良「△」と評価した。得られた評価結果を表4に示す。
表4から分かるように、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位の含有率が50重量%未満であり、水に対する接触角が90°未満である比較例1の重合体粒子や、カルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含まず、水に対する接触角が98°超である比較例2の重合体粒子を用いて作製した防眩フィルムは、防眩性が不良であったのに対し、アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を50重量%以上含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位を含み、水に対する接触角が90〜98°である本発明の実施例1〜5の重合体粒子を用いて作製した防眩フィルムは、防眩性が良好であった。
本発明に係る重合体粒子は、防眩フィルムに利用することができるのみならず、光拡散フィルム等の光学フィルム、光拡散板等の光学部材等、その他の用途にも利用できる。

Claims (10)

  1. ビニル系単量体の重合体からなる重合体粒子であって、
    非架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位50〜99.5重量%と、架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位0.5〜50重量%とで構成され、
    アリール基を有するビニル系単量体に由来する構造単位50〜95重量%を含み、かつカルボキシ基を有するビニル系単量体に由来する構造単位5〜20重量%を含むことを特徴とする重合体粒子。
  2. 請求項1に記載の重合体粒子であって、
    水に対する接触角が90〜98°であることを特徴とする重合体粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の重合体粒子であって、
    重合体粒子5.0gに水15.0gを添加し、超音波洗浄器を用いて60分間分散処理を行うことにより重合体粒子を水中に分散させ、内径24mmの遠心管に入れて遠心分離機を用いてKファクタ6943、回転時間30分間の条件で遠心分離した後、上澄み液を回収した時に、上澄み液中における非揮発成分の濃度が1.0重量%未満であることを特徴とする重合体粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
    粒子径の変動係数が20%以下であることを特徴とする重合体粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
    体積平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする重合体粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
    前記カルボキシ基を有するビニル系単量体が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする重合体粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体粒子であって、
    光学部材に用いられることを特徴とする重合体粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体粒子が、分散媒中に分散されていることを特徴とするコーティング剤。
  9. 請求項に記載のコーティング剤の塗膜が基材フィルム上に形成されていることを特徴とする光学部材。
  10. 請求項に記載の光学部材であって、
    防眩フィルムであることを特徴とする光学部材。
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