JP5633739B2 - 羽根車の成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のブレードを本体の周方向に並設した羽根車の形装置に関する。このような羽根車は、任意の駆動源によって回転駆動されて水その他の流体を送り出すポンプや、作動流体によって回転駆動されるガスタービンエンジンなどの軸流回転機械に適用される。
この種の羽根車に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1は、エンジンの過給機用羽根車をロストワックス鋳造法で製造する技術に関しており、鋳造に用いる消失性雛形を射出成形するための金型に関する記述もある。
この金型では、羽根車の径方向と垂直な平面に沿った断面形状が羽根車の回転軸心に対して傾斜したブレード面の成形を可能にするために、同ブレード面を成形するための中子を、羽根車の径方向に移動可能なスライド支持具に対して、羽根車の径方向に沿った軸心廻りで回転自在に支持させた回転スライド式の中子としている。
射出成形後には、スライド支持具を羽根車の径方向外向きに移動すると、中子は羽根車の径方向に沿った軸心廻りで回転しながら成形面から径方向外向きに離間される。
また、周方向に多数並んだ複数の中子を径方向外向きに同時に脱型するための機構として、スライド支持具の下面と係止した湾曲状のカム面を周方向に多数備えたカム板が、羽根車の回転軸芯廻りで回動可能に設けられている。
WO2005/116454号公報(0019段落、図7)
しかし、特許文献1に記された成形技術では、脱型時に中子が抵抗なく回転できるようにベアリングなどを用いた精巧で複雑な中子構造を用いる必要があり、また、射出前に各中子を一定の角度で位置決めしておく機構も必要となるため、装置の製造コストが高くなり易いという問題があった。
また、特許文献1に記された成形技術では、複数の中子を同時に脱型するには、前述したカム板を羽根車の回転軸芯廻りで回転させる必要があるため、羽根車のブレードの先端側などを閉鎖する可動型を成形後に上方に移動させる軸方向の駆動源を兼用することは困難であった。また、中子を径方向に移動させる目的で羽根車の径方向に大きな設置スペースを必要とするという問題もあった。
本発明の目的は、上に例示した従来技術による羽根車の成形技術が与える課題に鑑み、装置の製造コストを抑制し易い羽根車の成形方法及び成形装置を提供することにある。本発明の他の目的は、少数の駆動源で実施可能な羽根車の成形方法及び成形装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、羽根車の径方向に余り大きな設置スペースを必要としない羽根車の形装置を提供することにある。
本発明による羽根車の成形装置の第1の特徴構成は、
回転方向の一方側に外周側と内周側とで異なる傾斜角度で傾斜した複数のブレードが本体の一方側の面における周方向に並設された羽根車の製造に関し、
前記ブレードの片側を成形する第1型と、
前記第1型に対向し、型締めする第2型と、
前記ブレードに対して前記第1型側に設けられ、羽根車の外周側から内周側に向かって延出する中子回動軸心の周りに回動操作可能な中子と、
前記第1型と前記第2型と前記中子とで形成されたキャビティに樹脂を注入する樹脂射出機構と、
前記樹脂の硬化後に、少なくとも第1型を開放し、前記中子を前記中子回動軸心の周りに回動させることで前記中子を樹脂成形品から離間させる脱型機構と、を備え
前記脱型機構が、
前記樹脂成形品を羽根車の回転軸芯に沿って前記第1型から離間する第1方向に移動させるよう前記樹脂成形品の下側に設けた成形品支持体と、
前記中子を羽根車の外周側から支持しつつ、前記成形品支持体の動作途中に前記中子を前記中子回動軸心周りで動作させる回動部材とを備え、
前記回動部材に、前記第1方向に移動される第1支持部材によってスライド可能に枢支される部位と、前記成形品支持体と一体的に動作しつつ前記第1支持部材と相対移動可能な第2支持部材によって枢支される部位とを設け、
前記第2支持部材を、前記第1方向に沿って前記第1支持部材よりも速く動作させることで、前記回動部材を回動させる増速機構を備えた点にある。
上記の特徴構成による成形装置では、中子を羽根車の外周側から内周側に向かって延びる中子回動軸心の周りに回動させることで、中子が樹脂成形品から離間されるので、簡単な構成の中子脱型機構で済む。また、中子を中子回動軸心廻りで羽根車の軸心方向に向けて離間させることができるので、中子を径方向外向きに離間させて脱型させる構成に比して、羽根車の径方向に余り大きな設置スペースを必要としない。
また、本構成であれば、成形品支持体によって樹脂成形品を第1方向に移動させる工程の途中までは、中子を支持した回動部材も成形時の姿勢のまま樹脂成形品と一体的に移動することで、ブレードを設ける側を成形する第1型が相対的に開放され、中子を羽根車から離間させるための退避用空間が得られる。次に、成形品支持体によって樹脂成形品を第1方向に移動させる工程の途中からは、回動部材が中子を中子回動軸心周りで回動させることで、第1方向に移動中の樹脂成形品から離間される。すなわち、本構成では樹脂成形品の押上げと中子の回転動作とを同時に行うことで作業効率が高められる。
また、本構成であれば、第1支持部材と第2支持部材とを同じ方向に動かすように構成しておき、動作の速度を異ならせることで回動部材を回動させることができるので、装置の構成が簡単になる。また、本構成では、第1支持部材の動作速度を維持しながら、第2支持部材を第1支持部材よりも高速で動作させることができるため、型の温度低下を防止でき、成形時間(例えば、型からの成形品の脱型時間)を短縮できる。
本発明の他の特徴構成は、
前記増速機構が前記第1支持部材に枢支された梃子部材を有し、
前記第1支持部材の前記第1方向への直線動作に際して、前記梃子部材の一端の成形装置本体の一部との当接に伴う前記梃子部材の回動によって、前記梃子部材の他端が前記第2支持部材を前記第1方向に加速動作させる点にある。
本構成であれば、第1支持部材が第1方向に沿って直線状に移動されると、その第1方向の途中からは、梃子部材の他端によって第2支持部材が自動的に第1方向に加速される。このように、第1支持部材のみを駆動させるだけで第2支持部材を連動させることでき、増速機構を合理的に構成できた。
本発明の他の特徴構成は、
前記第1支持部材は、前記第1方向に沿って往復移動操作される第1可動盤と、前記第1可動盤に環状に立設された複数の補助ロッドとを備え、
前記第2支持部材は、前記第1可動盤に対して前記第1方向に沿って相対移動自在に支持された第2可動盤と、前記第2可動盤に環状に立設された複数の主ロッドとを備え、
互いに隣接した前記補助ロッドと前記主ロッドとの各先端の間に前記回動部材が枢支されている点にある。
本構成であれば、ブレードの枚数に対応した数の補助ロッドと主ロッドとを、それぞれ第1可動盤と第2可動盤とに設けておくことで、複数のブレードを成形するために必要な数の中子を、成形位置と樹脂成形品から離間した脱型位置との間で同時に移動操作できる。
本発明に係る成形装置の要部の2つの状態を示す斜視図である。 本発明に係る成形装置の要部を示す平面図である。 本発明に係る成形装置の要部を示す破断側面図である。 本発明に係る成形方法を示す側面図である。 本発明に係る成形方法を示す側面図である。 本発明に係る成形方法を示す側面図である。 図1から樹脂成形品を除いた状態を示す斜視図である。 成形方法の各段階を模式的に示す一部破断側面図である。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1にウォーターポンプ用の羽根車50を樹脂の射出成形によって製造するための成形装置80を示す。このウォーターポンプ(不図示)は、例えば車両のエンジンを冷却する冷却水循環用のポンプとして用いられる。
(成形装置の構成)
図1(b)に例示するように、羽根車50は円筒状の本体51と、本体51の内面に一体形成された8枚のブレード52とを有する。本体51の円筒部51Aの下端からは円板状のフランジ部51Bが一体的に延出されている(図8を参照)。円筒部51Aの内面とフランジ部51Bの下面とは、羽根車50の軸心X1と対向する滑らかな環状の湾曲面によって接続されている。ブレード52は円筒部51Aの内面の一部から前記湾曲面を経てフランジ部51Bの下面の縁部まで延出され、特に円筒部51Aの内面から前記湾曲面においては、軸心X1に対して周方向の一方側に傾斜している。
図3に示すように、成形装置80は、平板状の基台1と、基台1の上面から上方に立設された平面視で概して矩形の壁部2と、壁部2の上端どうしを接続するように設置された卓状部材3とを備える。図5に示すように、卓状部材3の上面中央には、羽根車50の本体51を射出成形するための下部外型3A(第1型の一例)が設けられている。下部外型3Aには、羽根車50の中心部を貫通する空間を形成するためのボス部(不図示)が、軸心X1に沿って上方に突出形成されている。下部外型3Aはブレード52の片側を成形する第1型に相当する。
羽根車50を射出成形するための金型セットは、この下部外型3Aの他に、下部外型3Aの上方に射出用のキャビティを形成するための上部外型4(第2型の一例)と、同キャビティの内部に進入してブレード52の傾斜したブレード面52Aを形成するための中子5(図2を参照)とを含む。上部外型4は下部外型3Aに対向する第2型に相当する。
上部外型4は、駆動操作装置(不図示)によって、下部外型3Aの上面に密着状に配置された成形位置(図4を参照)と、下部外型3Aから上方に撤去された脱型位置との間で移動操作される。中子5をその成形位置と脱型位置との間で移動操作する機構については後述する。
基台1と卓状部材3との間には、油圧などの力で上下方向に往復駆動される駆動シャフト60の上端に支持された板状の第1可動盤6(第1支持部材の一例)が配置されている。第1可動盤6の上面には、やはり板状の第2可動盤7(第2支持部材の一例)が配置されている。第2可動盤7の上面には、成形済みの羽根車50を下部外型3Aから上方に押し上げるための8本の突き出しピン15(成形品支持体の一例)が立設されている。また、第2可動盤7と卓状部材3の間には、第2可動盤7を第1可動盤6に向けて押し下げる方向の付勢力を備えた少なくとも一対の圧縮バネ20が介装されている。
第1可動盤6の上面には、鉛直方向に延びた8本の補助ロッド9(第1支持部材の一例)が軸心X1を中心として環状に等間隔で立設されている。第2可動盤7の上面には、鉛直方向に延びた8本の主ロッド10(第2支持部材の一例)がやはり軸心X1を中心として環状に等間隔で立設されている。補助ロッド9と主ロッド10とは、互いに共通の円状に沿って交互に並設されている。また、第2可動盤7の上面には複数本の案内ロッド8が垂直に立設されており、卓状部材3には案内ロッド8の上下移動を案内する貫通孔が形成されている。
補助ロッド9、主ロッド10及び突き出しピン15は、卓状部材3に個々に形成された案内開口部を介して、下部外型3Aよりも上方まで到達可能となっている。
図2に示すように、互いに隣接した補助ロッド9と主ロッド10の各上端の間には、平面視で概してH字状の回動リンク12(回動部材の一例)が枢支されている。回動リンク12は、軸心X1に関して外側の外リンク部12Aと内側の内リンク部12Bとが中間部12Cによって連結された形態を備え、補助ロッド9及び主ロッド10は、側面視でいずれも矩形の外リンク部12Aと内リンク部12Bとの間に介装されている。
回動リンク12は、補助ロッド9に対しては、回動リンク12の一端に移動不能に固定された固定枢支ピン13Aを介して枢支されている。他方、回動リンク12は、主ロッド10に対しては、回動リンク12に形成された長孔12Hに移動自在に支持された可動枢支ピン13Bを介して回動リンク12の長手方向にスライド可能に枢支されている。補助ロッド9と主ロッド10との平行状態を維持したままで回動リンク12の姿勢変更が可能となるように、長孔12Hは回動リンク12の長手方向、第1可動盤6が基台1の上面に載置された成形位置では概して水平に延びている。
前述した中子5は、内リンク部12Bの内側側面から軸心X1付近に向かって垂直に延びた支持アーム14の先端に取り付けられている。図7に示すように、中子5は、支持アーム14から軸心X1付近に向かって直線状に延びた基端部5Aと、基端部5Aから平面視で時計廻りに羽根車50の円筒部51Aの内周面に沿って湾曲状に延びた先端部5Bとを備えている。基端部5Aはフランジ部51Bの下面外周付近の本体51とブレード52とを成形し、先端部5Bはフランジ部51Bの下面内周付近から円筒部51Aの内周面までの範囲で本体51とブレード52とを成形する。先端部5Bの下面には、成形時に樹脂からの圧力で先端部5Bが弾性変形することを抑制するため、下部外型3Aと係合する突起(不図示)が形成されている。
図8(b)に示すように、支持アーム14は回動リンク12の周方向に関する中央よりも長孔12H寄りに配置されており、中子5は支持アーム14の先端から主ロッド10寄りに且つ上方寄りに延びている。その結果、中子5の先端部5Bは長孔12Hと固定枢支ピン13Aの中間付近で且つ固定枢支ピン13Aよりも上方に配置されている。特に、中子5の先端部5Bの上端部は、固定枢支ピン13Aの中心(後述する中子回動軸心X3)を中心とする円弧に沿って延びた状態となっている。
複数のブレード52及び中子5B(5)は、図1に示すように、実際には羽根車50の軸心X1廻りに環状に並設されているが、図8(a)、図8(b)、図8(c)では、複数のブレード52及び中子5B(5)が、便宜的に紙面に沿って直線状に展開された状態で示されている。
また、図6に示すように、第1可動盤6の外周付近には、少なくとも一対の梃子部材16(増速機構の一部)が、第1可動盤6の周方向に沿った軸心X2廻りで揺動自在に支持されている。梃子部材16は、軸心Yから外径側に延設された外アーム部16Aと、軸心Yから内径側に延設された内アーム部16Bとを備える。外アーム部16Aの先端にはコロ17Aが、内アーム部16Bの先端にはコロ17Bがそれぞれ回転自在に支持されている。内アーム部16Bは外アーム部16Aよりも十分に長く形成されている。
壁部2の内面には、駆動シャフト60による第1可動盤6の上下の往復移動における外側のコロ17Aの軌跡と干渉する下向きの当接面2A(増速機構の一部)が設けられている。
(成形方法)
樹脂の注入は、図4に示すように、第1可動盤6が基台1の上面に載置された状態で、上部外型4が下部外型3Aの上面に密着配置された状態で型締めされて行われる。この状態で、上部外型4と下部外型3Aのボス部の外周との間に概して環状のキャビティが形成される。
また、この状態では、図7(a)に示すように、回動リンク12はいずれも水平な姿勢に維持されており、下部外型3Aのボス部の外周に沿って8個の中子5が環状に並んでいる。ここでは、図8(a)に示すように、中子5は水平面に対して比較的小さな傾斜角を示し、下部外型3Aの上面と上部外型4の下面との双方に当接されている。樹脂は樹脂注入ゲート(不図示)から、ボス部を含む下部外型3A、上部外型4、中子5の三者によって形成されるキャビティに注入される。
次に、樹脂の硬化後に上部外型4が上方に開放される(脱型第1工程)。その後、駆動シャフト60によって第1可動盤6を一定速度で押し上げていくと、図5に示すように、あるとき梃子部材16の外側のコロ17Aが壁部2の当接面2Aと当接開始する。当接開始の直前までを脱型第2工程と呼んでおく。脱型第2工程では、第1可動盤6と第2可動盤7とが駆動シャフト60と一体的に上昇するので、8本の突き出しピン15、8本の補助ロッド9、8本の主ロッド10の全てが、駆動シャフト60と同様に上昇する。
その結果、樹脂成形品としての羽根車50が、8本の突き出しピン15によって下部外型3Aから持ち上げられる。同時に、補助ロッド9と主ロッド10とによって支持されている回動リンク12も水平な姿勢を保ちながら上昇するため、中子5も樹脂注入時と同じ傾斜姿勢のまま羽根車50と一体的に上昇する。図5及び図8(b)は脱型第2工程の最終段階に対応した状態を示す。
次に、コロ17Aが壁部2の当接面2Aと当接開始した後、さらに駆動シャフト60が第1可動盤6を押し上げていくと、図6に示すように、梃子部材16の揺動を伴いながら、第1可動盤6が上死点まで上昇する。コロ17Aと当接面2Aとの当接開始から第1可動盤6が上死点まで移動する工程を脱型第3工程と呼んでおく。
脱型第3工程では、梃子部材16の揺動に基づいて、梃子部材16の外アーム部16Aが、第2可動盤7を圧縮バネ20の付勢力に抗して第1可動盤6から上方に上昇させる現象が生じる。その結果、第2可動盤7に設けられた突き出しピン15及び主ロッド10は比較的高速で上昇するのに対して、第1可動盤6に設けられた補助ロッド9は、突き出しピン15及び主ロッド10よりも小さな速度で上昇する。その結果、図6に示すように、回動リンク12は、固定枢支ピン13Aの中心と一致した中子回動軸心X3廻りに、主ロッド10に対して下方に回動操作される。図6、図7(b)及び図8(c)は脱型第3工程の最終段階に対応した状態を示す。
このような回動リンク12の単純な回動操作に基づいて、回動リンク12の内側に支持アーム14を介して支持された中子5が、羽根車50の成形済みのブレード面から斜め下方に離間される。したがって、脱型方向に沿った軸心廻りで中子が抵抗なく回転できるようにベアリングなどを用いた中子構造を用いる必要がないため、成形装置を低コストで作製できる。尚、羽根車50の各ブレード52を構成する上下のブレード面は、回転軸芯Xに対して周方向の一方側に羽根車50の外周側と内周側とで異なる傾斜角度で傾斜している。しかし、ブレード面の形状と中子回動軸心X3の位置とは、脱型第3工程において中子5が中子回動軸心X3廻りで回動操作される際に中子5の各点が最初にたどる円弧が、羽根車50の外周側から内周側までの任意の点におけるブレード面の傾斜角度に沿うように設定されている。そのため、脱型第3工程によって中子5は円滑にブレード面から離間される。
中子5の脱型完了後は、突き出しピン15の上端に載置された状態の成形済みの羽根車50を取り上げることができる。
引き続き、駆動シャフト60が第1可動盤6を降下させていくと、脱型第3工程と脱型第2工程とを逆向きにたどるように、先ず、コロ17Aと当接面2Aとの当接が維持される間は、圧縮バネ20によって下向きに付勢されている第2可動盤7が、梃子部材16作用で第1可動盤6よりも高速で降下されることで、回動リンク12が水平姿勢に戻る。次に、コロ17Aが当接面2Aから離間する時点からは、第2可動盤7と第1可動盤6とが同じ速度で降下されることで、中子5が下部外型3Aに接当した成形位置に戻される。そこで、上部外型4を下部外型3Aの上面に密着配置して型締めすると、次の樹脂注入が可能となる。
〔別実施形態〕
〈1〉回動リンク12に長孔12Hを設けた形態の代わりに、補助ロッド9に長孔を設けた形態や、補助ロッド9の先端側が主ロッド10の先端に近接するように弾性変形する形態で実施してもよい。
〈2〉上記の実施形態では、ブレードが本体の内面側を中心に配置された内羽根式の羽根車の製造技術について記しているが、本発明をブレードが本体の外面側を中心に配置された外羽根式の羽根車の製造技術に適用することも可能である。
〈3〉上記の実施形態では、固定枢支ピン13Aの中心及び中子回動軸心X3は羽根車50の回転軸芯Xと垂直な平面(水平面)に沿って延出しているが、固定枢支ピン13Aの中心及び中子回動軸心X3が水平に対して外向き又は内向きに傾斜した形態で実施してもよい。
複数のブレードが本体の周方向に並設された羽根車を成形するための置に関する技術として利用できる。
2A 当接面
3 卓状部材
3A 下部外型(第1型)
4 上部外型(第2型)
5 中子
6 第1可動盤(第1支持部材)
7 第2可動盤(第2支持部材)
9 第1ロッド(第1支持部材)
10 第2ロッド(第2支持部材)
12 回動リンク(回動部材)
14 支持アーム
16 梃子部材(増速機構)
16A 外アーム部
16B 内アーム部
17A コロ(外側、被操作部)
17B コロ(内側、操作部)
50 羽根車(樹脂成形品)
51 本体
51A 円筒部
51B フランジ部
52 ブレード
52A ブレード面
60 駆動シャフト(駆動源)
80 成形装置
X1 軸心(羽根車)
X3 中子回動軸心

Claims (3)

  1. 回転方向の一方側に外周側と内周側とで異なる傾斜角度で傾斜した複数のブレードが本体の一方側の面における周方向に並設された羽根車の製造に関し、
    前記ブレードの片側を成形する第1型と、
    前記第1型に対向し、型締めする第2型と、
    前記ブレードに対して前記第1型側に設けられ、羽根車の外周側から内周側に向かって延出する中子回動軸心の周りに回動操作可能な中子と、
    前記第1型と前記第2型と前記中子とで形成されたキャビティに樹脂を注入する樹脂射出機構と、
    前記樹脂の硬化後に、少なくとも第1型を開放し、前記中子を前記中子回動軸心の周りに回動させることで前記中子を樹脂成形品から離間させる脱型機構と、を備え
    前記脱型機構が、
    前記樹脂成形品を羽根車の回転軸芯に沿って前記第1型から離間する第1方向に移動させるよう前記樹脂成形品の下側に設けた成形品支持体と、
    前記中子を羽根車の外周側から支持しつつ、前記成形品支持体の動作途中に前記中子を前記中子回動軸心周りで動作させる回動部材とを備え、
    前記回動部材に、前記第1方向に移動される第1支持部材によってスライド可能に枢支される部位と、前記成形品支持体と一体的に動作しつつ前記第1支持部材と相対移動可能な第2支持部材によって枢支される部位とを設け、
    前記第2支持部材を、前記第1方向に沿って前記第1支持部材よりも速く動作させることで、前記回動部材を回動させる増速機構を備えた羽根車の成形装置。
  2. 前記増速機構が前記第1支持部材に枢支された梃子部材を有し、
    前記第1支持部材の前記第1方向への直線動作に際して、前記梃子部材の一端の成形装置本体の一部との当接に伴う前記梃子部材の回動によって、前記梃子部材の他端が前記第2支持部材を前記第1方向に加速動作させる請求項に記載の羽根車の成形装置。
  3. 前記第1支持部材は、前記第1方向に沿って往復移動操作される第1可動盤と、前記第1可動盤に環状に立設された複数の補助ロッドとを備え、
    前記第2支持部材は、前記第1可動盤に対して前記第1方向に沿って相対移動自在に支持された第2可動盤と、前記第2可動盤に環状に立設された複数の主ロッドとを備え、
    互いに隣接した前記補助ロッドと前記主ロッドとの各先端の間に前記回動部材が枢支されている請求項またはに記載の成形装置。
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