JP5633708B2 - 積層型バンドパスフィルタ - Google Patents

積層型バンドパスフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP5633708B2
JP5633708B2 JP2012086807A JP2012086807A JP5633708B2 JP 5633708 B2 JP5633708 B2 JP 5633708B2 JP 2012086807 A JP2012086807 A JP 2012086807A JP 2012086807 A JP2012086807 A JP 2012086807A JP 5633708 B2 JP5633708 B2 JP 5633708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
input
line
terminal
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012086807A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013219469A (ja
Inventor
識顕 大塚
識顕 大塚
重光 戸蒔
重光 戸蒔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2012086807A priority Critical patent/JP5633708B2/ja
Publication of JP2013219469A publication Critical patent/JP2013219469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5633708B2 publication Critical patent/JP5633708B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、積層型バンドパスフィルタに係り、特に、高周波数領域に生じるスプリアスを抑制して良好な高調波特性を得る技術に関する。
不要波を減衰させ使用周波数帯の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタ(以下「BPF」と言うことがある)は、携帯電話機やスマートフォン、ノートパソコンなど無線通信機能を備えた電子機器の送受信部に使用されるが、このようなBPFは、一般に積層基板の内部配線層に共振器を形成したチップ状電子部品(積層型BPF)として提供されている。
また、このような積層型電子部品を開示するものとして下記特許文献がある。
特開2009‐246889号公報
ところで近年、電子機器に対する多機能・高機能化の要請に伴い、BPFにも小型低背化に加えて高調波対策の要求が高まっている。
具体的には、図5、図6および図7A〜図7Dはそれぞれ本発明の比較例に係る積層型BPFの回路図、積層基板各層の導体パターンの配置を示す平面図ならびに周波数特性を示す線図であるが、当該BPFでは、図7Aに示すように高周波数領域においてスプリアスSが発生している。
この高域スプリアスは、雑音の原因となるなど通信品質を劣化させるため、対策が望まれる。しかしながら、スプリアスの発生原因は様々であり、また複数の要因が複雑に影響し合って生じるため原因の特定が難しく、したがってその対策は容易ではない。
一方、このような高域スプリアスを除去するため、フィルタを更に備えることも考えられる。しかし、フィルタの追加は挿入損失を増大させ、通過帯域の特性劣化を招く難があり、また部品点数の増加により当該電子機器の小型低背化の要請に反することにもなる。
他方、前記特許文献1に記載の発明では、積層基板内における導体パターン(電極)の配置を変え、信号端子と共振器とを接続する信号経路を短くすることにより浮遊インダクタンスを小さくし、スプリアスを抑制する。しかしながら、この文献に記載した発明では、チップ内における導体(各素子や端子)の配置を特定の構造に変更する必要があり、既存の或いはどのような積層構造のチップに対しても適用できるものではない。
したがって、本発明の目的は、積層構造(チップ内の導体パターンの配置)の大幅な設計変更や複雑化を伴うことなくより簡便な方法で高域スプリアスを抑制し、小型低背で良好な特性を有するBPFを実現する点にある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係るBPF(バンドパスフィルタ)は、信号を入力可能な入力端子と、信号を出力可能な出力端子と、これら入力端子と出力端子との間に接続されて所定の通過帯域を形成する複数の共振器と、前記複数の共振器のうち前記入力端子に最も近い初段共振器と前記入力端子との間を電気的に接続する入力線路を含む入力部と、前記複数の共振器のうち前記出力端子に最も近い終段共振器と前記出力端子との間を電気的に接続する出力線路を含む出力部とを備えたBPFであって、前記入力線路に対し並列に接続されて前記入力部のインダクタンスを低下させる入力側付加線路を前記入力部に備え、前記出力線路に対し並列に接続されて前記出力部のインダクタンスを低下させる出力側付加線路を前記出力部に備えたものである。
本発明は、通過帯域の高域側に生じる高域スプリアスの原因ならびにそれを抑制する方法を様々に検討する中でなされたもので、スプリアス発生の原因の一つとして、当該BPFに含まれる共振器以外の部分、具体的には、共振器に信号を入力する入力部(入力端子と共振器とを接続する入力線路)や、共振器から信号を出力する出力部(出力端子と共振器とを接続する出力線路)、あるいは、入力端子と出力端子間に備えられるバイパスキャパシタ(バイパスコンデンサ)が高周波数領域において共振することが考えられ、このようにして生じたスプリアスは、当該入力部や出力部のインダクタンスを低下させることにより効果的に抑制することが出来ることを見出した。
そこで、本発明のBPFでは、入力端子から初段共振器への信号入力経路である入力部と、終段共振器から出力端子への信号出力経路である出力部のインダクタンスを低下させるため、上述のように、入力線路および出力線路に並列に導体線路(付加線路)を追加する。なお、この付加線路によるスプリアス抑制の効果については、後の実施形態の説明においてシミュレーション結果に基づいて更に具体的に述べる。
このように本発明によれば、入力部ないし出力部への線路の付加と言う簡易な方法によりスプリアスの効果的な抑制が可能となり、積層構造の複雑化やチップサイズの大型化を招くこともなく、小型低背で従来に比べ良好な特性を有するBPFを実現することが出来る。また、本発明では、共振器を構成する他の導体の配置や基板の積層構造について特定の構造を採る必要がないから、様々な積層構造のBPFチップに本発明は広く適用することが出来る。
なお、上記付加線路は、入力部と出力部の双方に備えることが好ましいが、後に実施形態の説明で述べるように、入力側付加線路および出力側付加線路のいずれか一方のみを備えただけであっても、従来のBPFと比べれば良好なスプリアス抑制の効果は得られる。したがって、入力部のみに当該付加線路を備えたBPF、並びに、出力部のみに当該付加線路を備えたBPFも本発明の範囲に含まれる。
本発明のBPFは、典型的には、複数の配線層を備えた積層基板に、前記各構成、すなわち、入力端子と、出力端子と、複数の共振器と、入力部と、出力部とを備えた積層型BPF(チップ状BPF)を構成するが、当該積層型BPFの第一の態様として、入力側付加線路を入力線路と異なる導体層に配置するとともに、出力側付加線路を出力線路と異なる導体層に配置する。また、第二の態様では、入力側付加線路を入力線路と同一の導体層に配置するとともに、出力側付加線路を出力線路と同一の導体層に配置する。
入力端子と共振器との間に入力線路(出力線路についても同様)と並列に付加線路を備えようとした場合、上記第二の態様のように両線路(付加線路と入力線路(又は出力線路))を同一の導体層に配置すれば、当該本発明に係る線路構造を実現するのに導体層1層で済む利点がある。一方、この第二の態様によると、入力線路(又は出力線路)と付加線路が入力端子(又は出力端子)と共振器との間でループ状になって後述の図4(c)に示すように当該両線路で囲まれた島状の部分(同図の入力線路Liとキャパシタ電極C1と付加線路Laとにより囲まれた部分/出力線路Loとキャパシタ電極C3と付加線路Lbとにより囲まれた部分)が生じる場合があり、このような島状部分は絶縁層相互の接着性を低下させ、積層基板内にクラックを生じさせる原因となる可能性がある。特に、チップサイズ(平面から見たときの面積)が小さくなれば相対的に絶縁体が占める面積が小さくなるから絶縁層相互の密着性は低下する。これに対し、上記第一の態様によれば、このような問題を回避することが出来る。
本発明によれば、積層構造(チップ内の導体パターンの配置)の大幅な設計変更を伴うことなくより簡易な方法で高域スプリアスを抑制し、小型低背で良好な特性を有するBPFを実現することが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るBPFを示す回路図である。 図2は、前記第一実施形態に係るBPFの積層構造(積層基板の各層)を示す平面図である。 図3Aは、前記第一実施形態に係るBPFの周波数特性(通過減衰特性)を示す線図である。 図3Bは、前記第一実施形態に係るBPFの通過減衰特性(挿入損失)を拡大して示す線図である。 図3Cは、前記第一実施形態に係るBPFの周波数特性(反射損失)を示す線図である。 図3Dは、前記第一実施形態のBPFにおける入力端子側の反射係数を示すスミスチャートである。 図3Eは、前記第一実施形態の変形例に係るBPFの周波数特性(通過減衰特性)を示す線図である。 図4は、本発明の第二の実施形態に係るBPFの積層構造(積層基板の各層)を示す平面図である。 図5は、比較例に係るBPFの一例を示す回路図である。 図6は、前記比較例に係るBPFの積層構造(積層基板の各層)を示す平面図である。 図7Aは、前記比較例に係るBPFの周波数特性(通過減衰特性)を示す線図である。 図7Bは、前記比較例に係るBPFの通過減衰特性(挿入損失)を拡大して示す線図である。 図7Cは、前記比較例に係るBPFの周波数特性(反射損失)を示す線図である。 図7Dは、前記比較例に係るBPFにおける入力端子側の反射係数を示すスミスチャートである。
〔第1実施形態〕
図1に示すように本発明の第一の実施形態に係るBPF11は、所定の通過帯域を形成するため入力端子T1と出力端子T2との間に順に備えた3段の共振器12,13,14と、これらの共振器12〜14に並列に入力端子T1と出力端子T2との間に接続したバイパスキャパシタ(バイパスコンデンサ)C4と、入力端子T1を通じて入力された信号を初段の共振器12へ伝送する入力部15と、終段の共振器14から出力される信号を出力端子T2へ伝送する出力部16とを有する。なお以降の説明では、上記3段の共振器12〜14を、入力端子T1から出力端子T2に向かって順に、第1共振器、第2共振器、第3共振器と称する。
上記各共振器12〜14はインダクタとキャパシタとからなるLC共振器であるが、入力端子T1に最も近い位置に接続した第1共振器(初段共振器)12は、入力端子T1とグランドGとの間に並列に接続したインダクタL1とキャパシタC1とからなるLC並列共振器である。同様に、出力端子T2に最も近い位置に接続した第3共振器(最終段共振器)14は、出力端子T2とグランドGとの間に並列に接続したインダクタL4とキャパシタC3とからなるLC並列共振器である。
また、第2共振器13は、グランドGとグランドGとの間に順に直列に接続した第一のインダクタL2とキャパシタC2と第二のインダクタL3とからなるLC直列共振器で、各インダクタL2,L3を第1共振器のインダクタL1と第2共振器のインダクタL4にそれぞれ電磁界結合させる。
さらに、入力部15には、入力端子T1と第1共振器12を接続する導体線路(入力線路)Liと、これに加え、当該線路Liと並列に接続した導体線路(入力側付加線路)Laを備える。言い換えれば、入力部15は2本の導体線路Li,Laを備え、これら2本の導体線路Li,Laを通じて入力端子T1から第1共振器12へ信号を入力する。付加線路Laは、入力線路Liと同様にインダクタンス成分を有し、当該入力部15のインダクタンスを低下させ、これにより高域スプリアスが抑制される。
また、同様に出力部16は、第3共振器14と出力端子T2を接続する導体線路(出力線路)Loに加え、当該出力線路Loと並列に接続した導体線路(出力側付加線路)Lbを備えている。すなわち、出力部16も前記入力部15と同様に2本の導体線路Lo,Lbを備え、これらの導体線路Lo,Lbを通じて第3共振器14から出力端子T2へ信号を出力する。
本実施形態では、上記各回路素子や回路要素を積層基板の導体層に配置することにより、チップ状のBPF(以下「チップ」と称することがある)を構成する。積層基板としては、例えばLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics/低温同時焼成セラミックス)基板を使用することが出来る。この場合、複数枚のセラミックグリーンシートの表面に上記各回路素子や回路要素を構成する導体パターンやこれらの導体パターンを電気的に接続するビアホール(以下「ビア」と言う)を形成してこれらを位置合わせして重ね、チップ単位に分割した後、焼成することにより一体化する。
積層基板内における各導体の具体的な配置は図2に示すとおりである。なお、本実施形態の場合、10枚のセラミックグリーンシートを重ねることにより当該積層基板を形成するが、基板裏面(チップの底面)を第1層とし、基板上面(チップの天面)に向かって上層に行くにつれ順に、第2層、第3層、第4層、・・・として、最上層の配線層を第10層と称する(後に述べる図4の第二実施形態および図6の比較例も同様)。また、図2において符号Vで示す丸はビアを表している。
図2(a)に示すように、入力端子T1、出力端子T2及びグランド端子TGは基板裏面である第1層に形成する。チップ(積層基板)は長方形の平面形状を有し、長手方向の一端部に入力端子T1を、他端部に出力端子T2をそれぞれ配置する。また、これら入力端子T1と出力端子T2の間(基板の中央部)にはグランド端子TGを配置する。
第1共振器12のインダクタL1は、第9層の基板一端部と第10層の基板一端部にそれぞれ配置したU字状の導体をビアVで接続して形成する。また、第3層の基板中心部に左右に並べて2つのキャパシタ電極C1,C3を配置し、このうちの左側のキャパシタ電極C1と第2層の基板中心部に配置したグランド電極Gによって第1共振器12のキャパシタC1を形成する。
第3共振器14のインダクタL4も上記第1共振器12のインダクタL1と同様に、第9層の基板他端部と第10層の基板他端部にそれぞれ配置したU字状の導体をビアVで接続して形成する。また、第3共振器14のキャパシタC3は、上記第1共振器12のキャパシタC1と同様に、第3層に配置した前記キャパシタ電極C1,C3のうちの右側のキャパシタ電極C3と第2層の基板中心部に配置したグランド電極Gとにより形成する。
さらに、第4層の基板中心部に左右に広がるように且つ前記第3層の両キャパシタ電極C1,C3と対向するように電極C4を配置し、これらの電極C1,C3,C4によりバイパスキャパシタC4を構成する。
また、第2共振器13の第一インダクタL2は、第2層のグランド電極Gから第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層および第9層を貫通して第10層の基板中央部に配置した電極に電気的に接続したビアVと、当該第10層の中央部に配置した電極とにより構成する。また同時に、この第10層の中央部に配置した電極と第9層の中央部に配した電極と第8層の中央部に配した電極とより第2共振器のキャパシタC2を形成する。このように第10層中央部の電極は、キャパシタC2を構成する電極であると同時にインダクタL2を構成する電極でもあり、当該電極に符号C2とL2を併記したのはこのことを示したものである(第9層中央部の電極も同様)。さらに、前記第9層の中央部に配した電極と、当該第9層中央部の電極から第8層および第7層を貫通して第6層へ延びるビアVによって第2共振器の第二インダクタL3を形成する。
そして第10層において、第1共振器12のインダクタL1と、第2共振器13のインダクタL2(前記第10層の基板中央部の電極)と、第3共振器14のインダクタL4とを順に並べて配置することにより、インダクタL1とインダクタL2を電磁界結合させるとともに、インダクタL2とインダクタL4を電磁界結合させる。
同様に第9層において、第1共振器12のインダクタL1と、第2共振器13のインダクタL3(前記第9層の基板中央部の電極)と、第3共振器14のインダクタL4とを順に並べて配置することにより、インダクタL1とインダクタL3を結合させるとともに、インダクタL3とインダクタL4を結合させる。
さらに第1層の入力端子T1と第1共振器12との接続は、第1層から第4層まで延びるビアVにより入力端子T1と前記第3層左側のキャパシタ電極C1を接続することにより行う。また、入力端子T1と第1共振器12のインダクタL1との接続は、当該第1層から第4層まで延びるビアVと、第3層左側のキャパシタ電極C1と、このキャパシタ電極C1から第10層まで延びるビアVとを介して行う。
さらに、第4層には前記入力側付加線路Laを配し、前記入力端子T1から第4層まで延びるビアVの先端をこの第4層の付加線路Laの一端に接続する。入力側付加線路Laの他端は、ビアVを介して前記第3層左側のキャパシタ電極C1(第1共振器12のキャパシタC1)に接続してあり、これにより入力線路Liに並列に付加線路Laを入力部15に備えた。
第1層の出力端子T2と第3共振器14との接続も、上記入力部15と同様に出力線路Loと出力側付加線路Lbとにより行う。具体的には、第1層から第4層まで延びる別のビアVにより出力端子T2と前記第3層右側のキャパシタ電極C3を接続することにより行う。また、出力端子T2と第3共振器14のインダクタL4との接続は、当該第1層から第4層まで延びるビアVと、第3層右側のキャパシタ電極C3と、このキャパシタ電極C3から第10層まで延びるビアVとを介して行う。
さらに、第4層に出力側付加線路Lbを配し、前記出力端子T2から第4層まで延びるビアVの先端をこの第4層の付加線路Lbの一端に接続する一方、出力側付加線路Lbの他端を、ビアVを介して前記第3層右側のキャパシタ電極C3(第3共振器14のキャパシタC3)に接続し、これにより出力線路Loに並列に付加線路Lbを出力部16に備える。
このように形成したBPFチップの周波数特性を図3A〜図3Dに示した。また、図5、図6および図7A〜図7Dは前述したようにそれぞれ比較例に係る積層型BPFの回路図、積層基板各層の導体パターンの配置を示す平面図ならびに周波数特性を示す線図であるが、この比較例のBPFは上記本実施形態のBPFと比べて、入力側付加線路Laと出力側付加線路Lbを備えていない点だけが異なるものである(図5および図6(d)参照)。
図3Aと図7Aを対比すれば明らかなように、比較例のBPFでは高周波数領域においてスプリアスSが発生しているのに対して、本実施形態によればこのような高域スプリアスの発生を抑えることが出来る。
さらに図3Eは、前記実施形態において入力側付加線路Laと出力側付加線路Lbのうちの一方のみを備えた場合の通過減衰特性を示す線図である。この結果から明らかなように、入出力双方に付加線路La,Lbを備えた前記実施形態よりはスプリアス抑制の効果が多少劣るものの、このように入力部と出力部のうちの一方にのみ付加線路を備えた場合でも、前記比較例と比べれば良好なスプリアス抑制の効果を得ることが可能である。なお、図3Eは、入力側付加線路Laを備えずに出力側付加線路Lbのみを備えた場合の結果であるが、逆に、出力側付加線路Lbを備えず入力側付加線路Laのみを備えた場合も同様であった。
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第二の実施形態に係るBPFを示すものである。同図に示すようにこのBPFは、入力側付加線路Laと出力側付加線路Lbを入力線路Liおよび出力線路Loと異なる層に配置した前記第1実施形態とは異なり、入力側付加線路Laと出力側付加線路Lbを、入力線路Liおよび出力線路Loと同一の層に配置したものである。
具体的には、第1層の入力端子T1から第3層まで延びるビアVの先端に一端を、第3層左側のキャパシタ電極C1に他端をそれぞれ接続するように入力側付加線路Laを第3層に配置することで、入力端子T1からビアVを介して第1共振器12(キャパシタ電極C1)に信号を入力する経路を入力線路Liと並行して形成する。
また、出力部16についても同様に、第1層の出力端子T2から第3層まで延びるビアVの先端に一端を、第3層右側のキャパシタ電極C3に他端をそれぞれ接続するように出力側付加線路Lbを第3層に配置することで、第3共振器14(キャパシタ電極C3)から出力端子T2へビアVを介して信号を出力する経路を出力線路Loと並行して形成する。
他の構成は、前記第1実施形態と同一であるから、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
例えば、前記積層構造や共振器の具体的な回路構成、接続段数は前記実施形態のものに限定されない。また、前記実施形態では入力部および出力部に2本の線路をそれぞれ備えたが、3本以上の線路により入力部や出力部を構成すること(付加線路を2本以上設けること)を本発明は除外するものではない。
さらに、本発明に係る付加線路(以下、入力側付加線路について述べるが、出力側付加線路についても同様)は、一端が入力端子に、他端が初段共振器にそれぞれ接続されたもの、即ち入力線路と完全に(入力端子から初段共振器までの経路の全長に亘って)並行するものである必要は必ずしもなく、例えば、入力端子と初段共振器を接続する入力線路の途中から分岐して初段共振器に接続されていても良いし、入力端子に一端が直接接続されているが他端は入力線路の途中に接続されていても良いし、更には、付加線路の両端がいずれも入力線路の途中に接続された構造(入力線路の途中から分岐して第1共振器に接続する手前で再び入力線路に合流する構造)であっても良い。入力線路の全長に亘ってこれと並行するように付加線路を備えることがインダクタンスを低下させる観点から望ましいが、上記いずれの構造であっても入力部のインダクタンスを低下させることは可能だからである。また、入力端子と初段共振器との間の信号経路の途中には、入力線路を経由する経路ならびに付加線路を経由する経路のいずれについても、導体層の表面に形成された導体線路ではない他の導体(例えばビアやチップ側面に設けられる側面電極等の層間接続導体)が介在されていて構わない。
11 バンドパスフィルタ
12 第1共振器
13 第2共振器
14 第3共振器
15 入力部
16 出力部
C1,C2,C3 キャパシタ
C4 バイパスキャパシタ(バイパスコンデンサ)
G グランド電極
L1,L2,L3,L4 インダクタ
La 入力側付加線路
Lb 出力側付加線路
Li 入力線路
Lo 出力線路
S 高域スプリアス
T1 入力端子
T2 出力端子
TG グランド端子
V ビアホール

Claims (5)

  1. 信号を入力可能な入力端子と、
    信号を出力可能な出力端子と、
    これら入力端子と出力端子との間に接続されて所定の通過帯域を形成する複数の共振器と、
    前記複数の共振器のうち前記入力端子に最も近い初段共振器と前記入力端子との間を電気的に接続する入力線路を含む入力部と、
    前記複数の共振器のうち前記出力端子に最も近い終段共振器と前記出力端子との間を電気的に接続する出力線路を含む出力部と
    を備えたバンドパスフィルタであって、
    前記入力線路に対し並列に接続されて前記入力部のインダクタンスを低下させる入力側付加線路を前記入力端子と前記初段共振器との間に接続し、これにより前記入力端子から入力された信号が当該入力側付加線路と前記入力線路とを通じて前記初段共振器に入力されるようにした
    ことを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 信号を入力可能な入力端子と、
    信号を出力可能な出力端子と、
    これら入力端子と出力端子との間に接続されて所定の通過帯域を形成する複数の共振器と、
    前記複数の共振器のうち前記入力端子に最も近い初段共振器と前記入力端子との間を電気的に接続する入力線路を含む入力部と、
    前記複数の共振器のうち前記出力端子に最も近い終段共振器と前記出力端子との間を電気的に接続する出力線路を含む出力部と
    を備えたバンドパスフィルタであって、
    前記出力線路に対し並列に接続されて前記出力部のインダクタンスを低下させる出力側付加線路を前記出力端子と前記終段共振器との間に接続し、これにより前記終段共振器から出力された信号が当該出力側付加線路と前記出力線路とを通じて前記出力端子へ出力されるようにした
    ことを特徴とするバンドパスフィルタ。
  3. 前記出力線路に対し並列に接続されて前記出力部のインダクタンスを低下させる出力側付加線路を前記出力端子と前記終段共振器との間に接続し、これにより前記終段共振器から出力された信号が当該出力側付加線路と前記出力線路とを通じて前記出力端子へ出力されるようにした
    請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記入力端子と、前記出力端子と、前記複数の共振器と、前記入力部と、前記出力部とを、複数の配線層を備えた積層基板に備えたバンドパスフィルタであって、
    前記入力側付加線路を前記入力線路と異なる導体層に配置するとともに、
    前記出力側付加線路を前記出力線路と異なる導体層に配置した
    請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記入力端子と、前記出力端子と、前記複数の共振器と、前記入力部と、前記出力部とを、複数の配線層を備えた積層基板に備えたバンドパスフィルタであって、
    前記入力側付加線路を前記入力線路と同一の導体層に配置するとともに、
    前記出力側付加線路を前記出力線路と同一の導体層に配置した
    請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
JP2012086807A 2012-04-05 2012-04-05 積層型バンドパスフィルタ Active JP5633708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012086807A JP5633708B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 積層型バンドパスフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012086807A JP5633708B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 積層型バンドパスフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013219469A JP2013219469A (ja) 2013-10-24
JP5633708B2 true JP5633708B2 (ja) 2014-12-03

Family

ID=49591137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012086807A Active JP5633708B2 (ja) 2012-04-05 2012-04-05 積層型バンドパスフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5633708B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6578719B2 (ja) 2015-04-14 2019-09-25 Tdk株式会社 コイルとコンデンサを含む積層複合電子部品

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6178401U (ja) * 1984-10-29 1986-05-26
JPH06314911A (ja) * 1993-04-28 1994-11-08 Tokin Corp 誘電体フィルタ及び誘電体共振器
JP3161211B2 (ja) * 1994-03-22 2001-04-25 日本碍子株式会社 積層型誘電体フィルタ
JPH11195902A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Taiyo Yuden Co Ltd 積層フィルタ
JPH11205006A (ja) * 1998-01-20 1999-07-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層フィルタ
JP2003046303A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Ngk Insulators Ltd 積層型誘電体フィルタ
JP2003283209A (ja) * 2003-04-25 2003-10-03 Taiyo Yuden Co Ltd 積層型誘電体フィルタ
JP4610585B2 (ja) * 2006-10-13 2011-01-12 京セラ株式会社 バンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器
JP4986882B2 (ja) * 2008-02-25 2012-07-25 京セラ株式会社 フィルタ装置
JP5100476B2 (ja) * 2008-03-31 2012-12-19 Tdk株式会社 積層型電子部品
JP5219790B2 (ja) * 2008-12-25 2013-06-26 京セラ株式会社 バンドパスフィルタ、これを用いた無線通信モジュール及び通信機器装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013219469A (ja) 2013-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5817795B2 (ja) 高周波モジュール
JP6183456B2 (ja) 高周波モジュール
JP5310768B2 (ja) 積層型バンドパスフィルタ
JP5510694B1 (ja) 弾性波フィルタ装置及びデュプレクサ
JP4766354B1 (ja) 積層型バンドパスフィルタ
JP5787046B2 (ja) 高周波モジュール
JP6249023B2 (ja) フィルタ部品
JP6183461B2 (ja) 高周波モジュール
JP6669132B2 (ja) マルチプレクサ、送信装置および受信装置
JPWO2015019794A1 (ja) 高周波モジュール
JP5751265B2 (ja) 高周波モジュール
JP2009044303A (ja) アッテネータ複合カプラ
KR101672342B1 (ko) 필터 장치
JP2008113432A (ja) 積層型帯域通過フィルター
JP5804076B2 (ja) Lcフィルタ回路及び高周波モジュール
JP2010154138A (ja) 積層型マルチプレクサ
KR102424038B1 (ko) 멀티플렉서
JP5633708B2 (ja) 積層型バンドパスフィルタ
US7782157B2 (en) Resonant circuit, filter circuit, and multilayered substrate
JP5660223B2 (ja) 分波装置
WO2012176576A1 (ja) フィルタ装置
KR100969660B1 (ko) 비아 홀 주위에 이중 적층 전자기 밴드갭 구조를 가지는반도체 패키지 기판
JP2010183513A (ja) 積層型バンドパスフィルタおよび高周波モジュール
JP2008053912A (ja) 受動部品
JP2007243797A (ja) 平衡不平衡変換回路

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5633708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150