JPWO2015019794A1 - 高周波モジュール - Google Patents

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Abstract

高周波モジュール(11)は、第1外部接続端子(P1)、第2外部接続端子(P2)、フィルタ部(20)、第1整合回路(41)および第2整合回路(42)を備える。フィルタ部(20)は第1外部接続端子(P1)と第2外部接続端子(P2)との間に接続されている。第1整合回路(41)は第1外部接続端子(P1)とフィルタ部(20)との間に接続されている。第2整合回路(42)は第2外部接続端子(P2)とフィルタ部(20)との間に接続されている。第1整合回路(41)と第2整合回路(42)とは誘導性結合もしくは容量性結合している。

Description

本発明は、複数のフィルタ素子を備えた高周波モジュールに関するものである。
無線通信機能を備える携帯機器等では、所望周波数の高周波信号のみを通過し、当該所望周波数以外の高周波信号を減衰させるために、フィルタ回路を備えている。
例えば、特許文献1には、SAW(弾性表面波)フィルタを複数備えたフィルタ回路が記載されている。具体的に、特許文献1のフィルタ回路は、入力端子と出力端子との間に、複数のSAWフィルタが直列接続されている。直列接続された各SAWフィルタを接続する接続ラインとグランドとの間にも、それぞれSAWフィルタが接続されている。
特許文献1に記載のフィルタ回路は、通過帯域外の減衰特性を改善するために、インダクタもしくはインダクタとキャパシタの直列回路(補正回路と称する)を、SAWフィルタの直列回路に対して並列接続している。この際、SAWフィルタ群からなる回路部を伝搬する通過帯域外の高周波信号(抑圧対象信号)と、補正回路を伝搬する抑圧対象信号が、振幅が一致し位相が逆転するように、補正回路を調整する。これにより、抑圧対象信号は、SAWフィルタ群からなる回路部と補正回路との接続点で相殺され、出力端子からは出力されない。
特開2012−109818号公報
しかしながら、上述の構成では、主たるフィルタ機能を有するSAWフィルタ群からなる回路部とは別に、減衰特性を改善するためだけに、インダクタもしくはインダクタとキャパシタの直列回路からなる補正回路を設けなければならない。
したがって、フィルタ回路の構成要素が多くなり、フィルタ回路が大型化してしまい、小型化が要求される現在の携帯端末等には不向きである。
本発明の目的は、通過帯域外の減衰特性が優れた小型のフィルタ回路を備える高周波モジュールを提供することにある。
この発明は、第1外部接続端子と、第2外部接続端子と、第1外部接続端子と第2外部接続端子との間に接続されたフィルタ部と、第1外部接続端子とフィルタ部との間に接続された第1整合回路と、第2外部接続端子とフィルタ部との間に接続された第2整合回路と、を備えた高周波モジュールに関するものであり、第1整合回路と第2整合回路とが誘導性結合もしくは容量性結合されている。
この構成では、高周波信号がフィルタ部を伝搬する主伝搬経路とは別に、第1整合回路と第2整合回路とによって生じる誘導性結合または容量性結合の経路を介する副伝搬経路が形成される。副伝搬経路は、誘導性結合または容量性結合の結合度によって主伝搬経路とは異なる振幅特性および位相特性となり、副伝搬経路の振幅特性および位相特性を調整することで、高周波モジュールとしての伝送特性を調整することができる。これにより、別途インダクタやキャパシタを設けなくても、高周波モジュールの伝送特性を調整し、例えば減衰特性を改善できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、フィルタ部は、第1外部接続端子に接続する第1シリーズ接続端子と、第2外部接続端子に接続する第2シリーズ接続端子と、第1シリーズ接続端子と第2シリーズ接続端子との間に直列接続された複数のシリーズ接続型のフィルタ素子と、を備えることが好ましい。
この構成では、複数のフィルタ素子の帯域通過特性および減衰特性を組み合わせることで、フィルタ部の所望の帯域通過特性および通過帯域外の減衰特性を実現できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、第1整合回路と第2整合回路とは、フィルタ部の通過帯域外のインピーダンスが変化するように誘導性結合もしくは容量性結合されていることが好ましい。
この構成に示すように、結合態様や結合度を適宜調整することで、通過帯域の特性を変化させることなく、通過帯以外の特性すなわち減衰特性を変化させることができる。
また、この発明の高周波モジュールでは、第1整合回路と第2整合回路とは、フィルタ部の通過帯域外の減衰極周波数が変化するように誘導性結合もしくは容量性結合されていることが好ましい。
この構成では、減衰特性の調整態様として、減衰極周波数が調整される。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。第1整合回路は、第1外部接続端子とフィルタ部との間に直列接続されるシリーズ接続型の整合回路、または、第1外部接続端子とフィルタ部とを接続する接続ラインとグランドとの間に接続されるシャント接続型の整合回路である。第2整合回路は、第2外部接続端子とフィルタ部との間に直列接続されるシリーズ接続型の整合回路、または、第2外部接続端子とフィルタ部とを接続する接続ラインとグランドとの間に接続されるシャント接続型の整合回路である。
この構成では、整合回路の具体的な接続態様を示している。これらの接続態様を適宜決定することで、フィルタ部と外部とのインピーダンス整合を適切に行いながら、上述の減衰特性の調整も適切に行える。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。フィルタ部は、第3端子と、第2のフィルタ部とを備える。第2のフィルタ部は、第1シリーズ接続端子および該第1シリーズ接続端子に接続するフィルタ素子を接続する接続ラインと、第3端子との間に接続されている。
この構成では、第1シリーズ接続端子を共通端子とし、第2シリーズ接続端子及び第3端子を個別端子とする合成分波器(デュプレクサ等)を実現できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。高周波モジュールは、フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、該フィルタ基板の第1主面に対して間隔を空けて対向する平板状のカバー層と、第1主面から突出し、カバー層を貫通する形状の接続電極と、第1整合回路および第2整合回路が実装または形成された積層基板と、を備える。フィルタ基板は、第1主面側が積層基板の実装面に向くように配置されている。フィルタ基板は、接続電極を介して積層基板に接続されている。
この構成では、WLP(Wafer Level Package)からなるフィルタ部と積層基板とで高周波モジュールを実現できる。これにより、高周波モジュールを小型化できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。高周波モジュールは、フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、第1主面から突出する形状の接続電極と、第1整合回路および第2整合回路が実装または形成された積層基板と、フィルタ部を封止するための樹脂層と、を備える。フィルタ基板は、第1主面側が積層基板の実装面に対して間隔を空けて対向するように配置されている。フィルタ基板は、接続電極を介して積層基板に接続されている。樹脂層は、フィルタ基板が配置された積層基板の実装面を覆っている。
この構成では、ベアチップからなるフィルタ部と積層基板とで高周波モジュールを実現できる。これにより、高周波モジュールを小型化できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。第1整合回路と第2整合回路とは、積層基板の実装面に実装される実装型回路素子を含んでいる。第1整合回路と第2整合回路とは近接して配置されている。
この構成では、第1整合回路および第2整合回路の具体的な構成例を示している。この構成により、第1整合回路と第2整合回路との結合を確実に実現できる。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であることが好ましい。第1整合回路と第2整合回路とは、直方体形状の筐体と、該筐体内に形成され、平面視して略長方形の外周形からなるスパイラル導体と、を備える。第1整合回路を構成する筐体の長辺は、第2整合回路を構成する筐体の長辺に近接して配置されている。
この構成では、第1整合回路と第2整合回路との結合を得やすく、所望とする結合量への調整も容易になる。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。第1整合回路と第2整合回路とは積層基板の実装面または内部に形成されている。第1整合回路と第2整合回路とは、積層基板の積層方向から見て、重なっている。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。第1整合回路と第2整合回路とは積層基板の内部に形成されている。第1整合回路と第2整合回路とは、積層基板の実装面に平行な方向から見て、重なっている。
これらの構成では、第1整合回路および第2整合回路の具体的な構成例を示している。これらの構成により、第1整合回路と第2整合回路との結合を確実に実現できる。
また、第1整合回路または第2整合回路は、カバー層の内部に形成されてもよい。
この構成では、第1整合回路または第2整合回路の具体的な構成例を示している。
また、この発明の高周波モジュールでは、次の構成であってもよい。高周波モジュールは、フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、該フィルタ基板の第1主面側に配置され、該フィルタ基板の第1主面側が実装された平板状のフィルタ実装用基板と、を備える。第1整合回路と第2整合回路とは、フィルタ実装用基板に実装または形成されている。
この構成では、高周波モジュールをCSP(Chip Size Package)で実現する場合を示している。
この発明によれば、優れた通過帯域外の減衰特性を備えた小型のフィルタ回路を備える高周波モジュールを実現することができる。
本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第1回路例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第2回路例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第3回路例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第4回路例を示す回路ブロック図である。 図1から図4に示す高周波モジュールの整合回路の具体例を示す回路図である。 第1整合回路と第2整合回路との誘導性結合の結合度を変化させた時の高周波モジュールの通過特性の変化を示すグラフである。 デュプレクサ構成からなる高周波モジュールの等価回路図である。 第1整合回路と第2整合回路との誘導性結合の結合度を変化させた時の高周波モジュールの第2外部接続端子と第3外部接続端子との間のアイソレーションの変化を示すグラフである。 高周波モジュールの第1の構造の主要構造を示す側面概念図である。 高周波モジュールの第1の構造における変形例の主要構造を示す側面概念図である。 高周波モジュールの第2の構造の主要構造を示す平面概念図である。 高周波モジュールの第3の構造の主要構造を示す側面概念図である。 高周波モジュールの第4の構造の主要構造を示す平面概念図である。 高周波モジュールの第5の構造の主要構造を示す側面概念図である。
本発明の実施形態に係る高周波モジュールについて、図を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第1回路例を示す回路ブロック図である。図2は本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第2回路例を示す回路ブロック図である。図3は本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第3回路例を示す回路ブロック図である。図4は本発明の実施形態に係る高周波モジュールの第4回路例を示す回路ブロック図である。図5(A)、図5(B)、図5(C)、図5(D)は第1外部接続端子側の第1整合回路の具体例を示す回路図である。図5(E)、図5(F)、図5(G)、図5(H)は第2外部接続端子側の第2整合回路の具体例を示す回路図である。
まず、図1から図4にそれぞれ示す高周波モジュール11,12,13,14に対して共通な回路構成について説明する。
高周波モジュール11,12,13,14は、第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、フィルタ部20を備える。フィルタ部20は、第1外部接続端子P1と第2外部接続端子P2との間に接続されている。
フィルタ部20は、第1シリーズ接続端子P21、第2シリーズ接続端子P22、第1シャント接続端子P231,P232、第2シャント接続端子P24を備える。第1シリーズ接続端子P21は、後述するシリーズ接続型の第1整合回路もしくはシャント接続型の第1整合回路を介して第1外部接続端子P1に接続される。第2シリーズ接続端子P22は、後述するシリーズ接続型の第2整合回路もしくはシャント接続型の第2整合回路を介して第2外部接続端子P2に接続される。
第1シャント接続端子P231は、インダクタ50を介して、グランドに接続されている。第1シャント接続端子P232は、インダクタ51を介して、グランドに接続されている。第2シャント接続端子P24は、インダクタ60を介して、グランドに接続されている。
フィルタ部20は、複数のSAW共振子201,202,203,204,205,206,207,208(以下、複数のSAW共振子をまとめて説明する場合には単純に複数のSAW共振子201−208と称する)を備える。これらSAW共振子が、本発明の「シリーズ接続型のフィルタ素子」に相当する。また、複数のSAW共振子211,212,213,214を備える。なお、SAW共振子211,212,213,214を省略し、直列接続された複数のSAW共振子201−208だけでフィルタ部20を構成してもよい。
複数のSAW共振子201−208,211,212,213,214は、それぞれに共振周波数を有し、それぞれ個別に帯域通過特性を有する帯域通過フィルタ(BPF)として機能する。複数のSAW共振子201−208は、第1シリーズ接続端子P21と第2シリーズ接続端子P22との間に直列接続されている。
SAW共振子211は、SAW共振子202,203の接続点と第1シャント接続端子P231との間に接続されている。SAW共振子214は、SAW共振子204,205の接続点と第1シャント接続端子P232との間に接続されている。
SAW共振子212は、SAW共振子206,207の接続点と第2シャント接続端子P24との間に接続されている。SAW共振子213は、SAW共振子208と第2シリーズ接続端子P22との接続点と、第2シャント接続端子P24との間に接続されている。すなわち、第2シャント接続端子P24は、SAW共振子212,213に対する共通の端子であり、これらのSAW共振子212,213の一方端をまとめてグランドに接続する。
フィルタ部20は、このような構成により所謂ラダー接続型フィルタを構成し、SAW共振子201−208,211,212,213,214の帯域通過特性および減衰特性を組み合わせることで、フィルタ部20としての所望の帯域通過特性および通過帯域外の減衰特性を実現している。なお、SAW共振子の数や配置は、通過させたい信号の周波数帯域および通過帯域外における所望の減衰特性を得るために適宜変更しても構わない。
このような高周波モジュール11,12,13,14の共通回路構成に対して、各高周波モジュールは、具体的に次に示すような回路構成からなる。
(第1回路例)
図1に示す高周波モジュール11は、シリーズ接続型の第1整合回路41および第2整合回路42を備える。
第1整合回路41は、フィルタ部20の第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に接続されている。第1整合回路41は、具体的には、図5(A)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に直列接続されたインダクタ41Lであったり、図5(B)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に直列接続されたキャパシタ41Cである。第1整合回路41の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第1外部接続端子P1側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
第2整合回路42は、フィルタ部20の第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に接続されている。第2整合回路42は、具体的には、図5(E)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に直列接続されたインダクタ42Lであったり、図5(F)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に直列接続されたキャパシタ42Cである。第2整合回路42の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第2外部接続端子P2側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
さらに、第1整合回路41と第2整合回路42とは誘導性結合または容量性結合している。例えば、第1整合回路41がインダクタ41Lであり、第2整合回路42がインダクタ42Lであれば、インダクタ41Lを構成する導体とインダクタ42Lを構成する導体とは、誘導性結合または容量性結合している。第1整合回路41がキャパシタ41Cであり、第2整合回路42がキャパシタ42Cであれば、キャパシタ41Cとキャパシタ42Cとは容量性結合している。
また、例えば、第1整合回路41がインダクタ41Lであり、第2整合回路42がキャパシタ42Cであれば、インダクタ41Lを構成する導体とキャパシタ42Cを構成する導体とは、容量性結合している。同様に、第1整合回路41がキャパシタ41Cであり、第2整合回路42がインダクタ42Lであれば、キャパシタ41Cを構成する導体とインダクタ42Lを構成する導体とは、容量性結合している。
このような構成とすることで、第1整合回路41と第2整合回路42とは高周波的に接続される。例えば、第1整合回路41であるインダクタ41Lと、第2整合回路42であるインダクタ42Lとが誘導性結合した場合(図1参照)、インダクタ41Lとインダクタ42Lとの間に相互インダクタンスを有する誘導性結合回路が構成される。これにより、高周波信号は、第1外部接続端子P1と第2外部接続端子P2との間で、フィルタ部20を伝搬経路とする主伝搬経路のみで伝搬されず、高周波信号の一部がインダクタ41L(第1整合回路41)、誘導性結合回路およびインダクタ42L(第2整合回路42)を伝搬経路とする副伝搬経路にも伝搬される。
これにより、高周波モジュール11としては、主伝搬経路の伝送特性と副伝搬経路の伝送特性とが合成された合成伝送特性となる。
ここで、結合する整合回路とインダクタとの結合態様および結合度を調整することで、副伝搬経路を伝搬する高周波信号の振幅および位相を調整することができる。言い換えれば、副伝搬経路の伝送特性を調整することができる。伝送特性とは、例えば減衰特性(振幅特性)や位相特性である。
さらに、この結合態様および結合度を調整することで、高周波モジュール11として通過させたい高周波信号(所望の高周波信号)の周波数帯域の伝送特性に殆ど影響を与えることなく、通過帯域外の減衰特性にのみ副伝搬経路を設置したことによる影響を与えることができる。
そして、このように副伝搬経路の伝送特性を調整することで、高周波モジュール11としての伝送特性を調整できる。例えば、後述するように、通過帯域外の減衰特性を調整することができる。
この際、従来構成のような高周波フィルタの伝送特性を調整するためのインダクタやキャパシタを別途必要としないので、所望の減衰特性を有する高周波フィルタを簡素な構成で実現できる。これにより、高周波フィルタを小型に形成することができる。
また、上述の結合による相互誘導分によって、インダクタ41L(第1整合回路41)およびインダクタ42L(第2整合回路42)の実効的なインダクタンス値を大きくさせることができる。これにより、インダクタ41Lおよびインダクタ42Lの線路長をより短くすることも可能である。
(第2回路例)
図2に示す高周波モジュール12は、シャント接続型の第1整合回路43および第2整合回路44を備える。
第1整合回路43は、フィルタ部20の第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1とを接続する接続ライン401とグランドとの間に接続されている。第1整合回路43は、具体的には、図5(C)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1とを接続する接続ライン401とグランドとの間に接続されたインダクタ43Lであったり、図5(D)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1とを接続する接続ライン401とグランドとの間に接続されたキャパシタ43Cである。第1整合回路43の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第1外部接続端子P1側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
第2整合回路44は、フィルタ部20の第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されている。第2整合回路44は、具体的には、図5(G)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されたインダクタ44Lであったり、図5(H)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されたキャパシタ44Cである。第2整合回路44の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第2外部接続端子P2側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
さらに、第1整合回路43と第2整合回路44とは誘導性結合または容量性結合している。例えば、第1整合回路43がインダクタ43Lであり、第2整合回路44がインダクタ44Lであれば、インダクタ43Lを構成する導体とインダクタ44Lを構成する導体とは、誘導性結合または容量性結合している。第1整合回路43がキャパシタ43Cであり、第2整合回路44がキャパシタ44Cであれば、キャパシタ43Cとキャパシタ44Cとは容量性結合している。
また、例えば、第1整合回路43がインダクタ43Lであり、第2整合回路44がキャパシタ44Cであれば、インダクタ43Lを構成する導体とキャパシタ44Cを構成する導体とは、容量性結合している。同様に、第1整合回路43がキャパシタ43Cであり、第2整合回路44がインダクタ44Lであれば、キャパシタ43Cを構成する導体とインダクタ44Lを構成する導体とは、容量性結合している。
このような構成とすることで、第1整合回路43と第2整合回路44とは高周波的に接続される。例えば、第1整合回路43であるキャパシタ43Cと、第2整合回路44であるキャパシタ44Cとが誘導性結合した場合(図2参照)、キャパシタ43Cとキャパシタ44Cとの間に結合容量を有する容量性結合回路が構成される。これにより、高周波信号は、第1外部接続端子P1と第2外部接続端子P2との間で、フィルタ部20を伝搬経路とする主伝搬経路のみで伝搬されず、高周波信号の一部がキャパシタ43C(第1整合回路43)、容量性結合回路およびキャパシタ44C(第2整合回路44)を伝搬経路とする副伝搬経路にも伝搬される。
これにより、高周波モジュール12としては、主伝搬経路の伝送特性と副伝搬経路の伝送特性とが合成された合成伝送特性となる。
このような構成の高周波モジュール12であっても、上述の高周波モジュール11と同様に、所望の減衰特性を、従来構成よりも簡素な構成で実現できる。
(第3回路例)
図3に示す高周波モジュール13は、シリーズ接続型の第1整合回路41およびシャント接続型の第2整合回路44を備える。
第1整合回路41は、フィルタ部20の第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に接続されている。第1整合回路41は、具体的には、図5(A)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に直列接続されたインダクタ41Lであったり、図5(B)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1との間に直列接続されたキャパシタ41Cである。第1整合回路41の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第1外部接続端子P1側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
第2整合回路44は、フィルタ部20の第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されている。第2整合回路44は、具体的には、図5(G)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されたインダクタ44Lであったり、図5(H)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2とを接続する接続ライン402とグランドとの間に接続されたキャパシタ44Cである。第2整合回路44の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第2外部接続端子P2側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
さらに、第1整合回路41と第2整合回路44とは誘導性結合または容量性結合している。例えば、第1整合回路41がインダクタ41Lであり、第2整合回路44がインダクタ44Lであれば、インダクタ41Lを構成する導体とインダクタ44Lを構成する導体とは、誘導性結合または容量性結合している。第1整合回路41がキャパシタ41Cであり、第2整合回路44がキャパシタ44Cであれば、キャパシタ41Cとキャパシタ44Cとは容量性結合している。
また、例えば、第1整合回路41がインダクタ41Lであり、第2整合回路44がキャパシタ44Cであれば、インダクタ41Lを構成する導体とキャパシタ44Cを構成する導体とは、容量性結合している。同様に、第1整合回路41がキャパシタ41Cであり、第2整合回路44がインダクタ44Lであれば、キャパシタ41Cを構成する導体とインダクタ44Lを構成する導体とは、容量性結合している。
これにより、高周波モジュール13としては、フィルタ部20を介する主伝搬経路の伝送特性と、結合部を介する副伝搬経路の伝送特性とが合成された合成伝送特性となる。このような構成の高周波モジュール13であっても、上述の高周波モジュール11,12と同様に、所望の減衰特性を、従来構成よりも簡素な構成で実現できる。
(第4回路例)
図4に示す高周波モジュール14は、シャント接続型の第1整合回路43およびシリーズ接続型の第2整合回路42を備える。
第1整合回路43は、フィルタ部20の第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1とを接続する接続ライン401とグランドとの間に接続されている。第1整合回路43は、具体的には、図5(C)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1と接続ライン401とグランドとの間に接続されたインダクタ43Lであったり、図5(D)に示す第1シリーズ接続端子P21と第1外部接続端子P1とを接続する接続ライン401とグランドとの間に接続されたキャパシタ43Cである。第1整合回路43の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第1外部接続端子P1側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
第2整合回路42は、フィルタ部20の第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に接続されている。第2整合回路42は、具体的には、図5(E)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に直列接続されたインダクタ42Lであったり、図5(F)に示す第2シリーズ接続端子P22と第2外部接続端子P2との間に直列接続されたキャパシタ42Cである。第2整合回路42の素子値(インダクタンスまたはキャパシタンス)は、第2外部接続端子P2側に接続される回路とフィルタ部20とのインピーダンス整合を実現する素子値に設定されている。
さらに、第1整合回路43と第2整合回路42とは誘導性結合または容量性結合している。例えば、第1整合回路43がインダクタ43Lであり、第2整合回路42がインダクタ42Lであれば、インダクタ43Lを構成する導体とインダクタ42Lを構成する導体とは、誘導性結合または容量性結合している。第1整合回路43がキャパシタ43Cであり、第2整合回路42がキャパシタ42Cであれば、キャパシタ43Cとキャパシタ42Cとは容量性結合している。
また、例えば、第1整合回路43がキャパシタ43Cであり、第2整合回路42がインダクタ42Lであれば、キャパシタ43Cを構成する導体とインダクタ42Lを構成する導体とは、容量性結合している。同様に、第1整合回路43がインダクタ43Lであり、第2整合回路42がキャパシタ42Cであれば、インダクタ43Lを構成する導体とキャパシタ42Cを構成する導体とは、容量性結合している。
これにより、高周波モジュール14としては、フィルタ部20を介する主伝搬経路の伝送特性と、結合部を介する副伝搬経路の伝送特性とが合成された合成伝送特性となる。このような構成の高周波モジュール14であっても、上述の高周波モジュール11,12,13と同様に、所望の減衰特性を、従来構成よりも簡素な構成で実現できる。
図6は、第1整合回路と第2整合回路との誘導性結合の結合度を変化させた時の高周波モジュールの通過特性の変化を示すグラフである。図6の横軸は周波数を示し、図6の縦軸は第1外部接続端子P1から第2外部接続端子P2へ伝搬する信号の減衰量を示す。図6に示す点線の特性は、第1整合回路と第2整合回路との誘導性結合が弱い場合を示す。図6に示す実線の特性は、実線の特性よりも誘導性結合が強い場合を示す。図6に示す破線の特性は、実線の特性よりも誘導性結合が強い場合を示す。なお、本実施形態における高周波モジュールは、800MHz帯を通過帯域とする帯域通過フィルタである。
図6に示すように、誘導性結合が強くなるほど、通過帯域の高周波数側に現れる減衰極の周波数は高くなる。なお、図6における減衰極の周波数とは、周波数軸のほぼ中央にあるピーク周波数のことである。
また、誘導性結合を適宜設定することで、通過帯域の高周波数側の減衰特性を変化させることができる。例えば、誘導性結合が弱くなるほど、通過帯域付近での減衰量が小さいが、減衰極の周波数での減衰量を大きく取ることができる。また、誘導性結合が強くなるほど、通過帯域付近での減衰量を、より大きく取ることができる。
そして、図6に示すように、誘導性結合の強さに影響されることなく、通過帯域の周波数位置、周波数幅および挿入損失は殆ど変化しない。
したがって、本実施形態の構成を用いて、誘導性結合の結合度を適宜調整することで、通過帯域の特性を変化させることなく、高周波数側の減衰特性を所望の特性に調整することができる。言いかえれば、所望の通過帯域特性と減衰特性を有する高周波モジュールを実現することができる。
なお、図示していないが、第1整合回路と第2整合回路とを容量性結合させた場合、容量性結合が強くなるほど、通過帯域の高周波数側に現れる減衰極の周波数は低くなる。そして、容量性結合の強さに影響されることなく、通過帯域の周波数位置、周波数幅および挿入損失は殆ど変化しない。したがって、本実施形態の構成を用いて、容量性結合の結合度を適宜調整することで、通過帯域の特性を変化させることなく、高周波数側の減衰特性を所望の特性に調整することができる。
このような構成からなる高周波モジュールは、具体的な適用例として、図7に示すデュプレクサ構成に利用することができる。図7は、デュプレクサ構成からなる高周波モジュールの等価回路図である。
高周波モジュール101は、フィルタ部21、第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、および、フィルタ部21の第3端子P31,P32を兼用する第3外部接続端子を備える。具体的な適用例として、第1外部接続端子P1は、アンテナに接続される。第2外部接続端子P2は送信回路に接続される。第3外部接続端子(第3端子P31,P32)は受信回路に接続される。
フィルタ部21は、第1シリーズ接続端子P21’、第2シリーズ接続端子P22、第1シャント接続端子P23、第2シャント接続端子P24および第3端子P31,P32、を備える。
第1シリーズ接続端子P21’は、接続ライン401を介して第1外部接続端子P1に接続されている。接続ライン401とグランドとの間には、上述の第1整合回路に対応するインダクタ43Lが接続されている。第2シリーズ接続端子P22は、上述の第2整合回路に対応するインダクタ42Lを介して第2外部接続端子P2に接続されている。
第1シリーズ接続端子P21’と第2シリーズ接続端子P22との間には、複数のSAW共振子201,202,203,204,205,206が直列接続されている。
SAW共振子202とSAW共振子203との接続点はSAW共振子211を介して第1シャント接続端子P23に接続されている。第1シャント接続端子P23は、インダクタ50を介してグランドに接続されている。
SAW共振子204とSAW共振子205との接続点はSAW共振子212を介して第2シャント接続端子P24に接続されている。SAW共振子206と第2シリーズ接続端子P22の接続点はSAW共振子213を介して第2シャント接続端子P24に接続されている。第2シャント接続端子P24は、インダクタ60を介してグランドに接続されている。
この構成により、フィルタ部21は、第1シリーズ接続端子P21’と第2シリーズ接続端子P22との間に対して、これらSAW共振子201−208,211,212,213の帯域通過特性および減衰特性を組み合わせることで、フィルタ部21の第1、第2シリーズ接続端子間としての所望の第1帯域通過特性および第1通過帯域外の第1減衰特性を実現している。
第1シリーズ接続端子P21’と第3端子P31,P32との間には、SAW共振子221と縦結合型SAW共振子231,232が直列接続されている。SAW共振子221および縦結合型SAW共振子231,232は第2のフィルタ部22を構成する。この構成により、フィルタ部21は、第1シリーズ接続端子P21’と第3端子P31,P32との間に対して、これらSAW共振子221,231,232の帯域通過特性および減衰特性を組み合わせることで、フィルタ部21の第1シリーズ接続端子、第3端子間としての所望の第2帯域通過特性および第2通過帯域外の第2減衰特性を実現している。第2通過帯域は、第1通過帯域とは異なる周波数帯域であり、第2通過帯域は、第1通過帯域外の減衰帯域範囲内となるように設定されている。
これにより、フィルタ部21は、第1シリーズ接続端子P21’を共通端子とし、第2シリーズ接続端子P22および第3端子P31,P32をそれぞれ個別端子とするデュプレクサとして機能する。
さらに、高周波モジュール101では、インダクタ42Lとインダクタ43Lとを誘導性結合させる。そして、この結合度を調整することで、第1減衰特性を調整することができる。
ここで、本実施形態の構成を用いれば、第2通過帯域に重ねるように、第1減衰特性における減衰量を大きく取る周波数帯域の帯域幅および減衰量を調整することができる。これは、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの結合度を調整すれば可能である。
図8は、第1整合回路と第2整合回路との誘導性結合の結合度を変化させた時の高周波モジュールの第2外部接続端子と第3外部接続端子との間のアイソレーションの変化を示すグラフである。図8の横軸は周波数を示し、図8の縦軸はアイソレーション量を示す。図8ではアイソレーション量が低いほど、第2シリーズ接続端子、第3端子間で強くアイソレーションされていることを示している。図8に示す点線の特性は、誘導性結合が弱い場合を示す。図8に示す実線の特性は、点線の特性よりも誘導性結合が強い場合を示す。図8に示す破線の特性は、実線の特性よりも誘導性結合が強い場合を示す。
図8に示すように、誘導性結合が強くなるほど、受信回路Rx(第3端子側)の通過帯域付近に現れる減衰極の周波数は高くなる。このため、誘導性結合を調整することにより、受信回路Rxの通過帯域のアイソレーション量およびアイソレーション特性を調整することができる。また、図8に示すように、誘導性結合を調整しても、送信回路Tx(第2端子側)の通過帯域のアイソレーション量およびアイソレーション特性は殆ど変化しない。
このように、高周波モジュール101の構成を用いることで、第2シリーズ接続端子、第3端子間のアイソレーション特性を適切に調整することができる。すなわち、送信回路と受信回路との間のアイソレーション特性を最適化することができる。
なお、図示していないが、第1整合回路および第2整合回路として、インダクタ42L,43Lの代わりにキャパシタ42C,43Cを用いて、第1整合回路と第2整合回路とを容量性結合させた場合、容量性結合が強くなるほど、受信回路Rxの通過帯域付近に現れる減衰極の周波数は低くなる。このため、容量性結合を調整することにより、受信回路Rx(第3端子側)の通過帯域のアイソレーション量およびアイソレーション特性を調整することができる。また、容量性結合を調整しても、送信回路Txの通過帯域のアイソレーション量およびアイソレーション特性は殆ど変化しない。このように、容量性結合を適宜調整することによっても、第2シリーズ接続端子、第3端子間のアイソレーション特性を適切に調整することができる。
(第1の構造)
図9は、高周波モジュールの主要構造を示す側面概念図である。高周波モジュール101は、積層基板100、フィルタ基板200、カバー層290、側面カバー層291を備える。
積層基板100は、複数の誘電体層を積層してなる。積層基板100の天面(実装面)100Sおよび内層には、所定パターンの電極が形成されており、高周波モジュール101のフィルタ部21を除く配線パターンやインダクタ42L,43Lが形成されている。積層基板100の底面100Rには、外部接続用電極が形成されており、これら外部接続用電極により、上述の第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、第3外部接続端子が実現される。
フィルタ部21は、フィルタ基板200、カバー層290、側面カバー層291、接続電極293、および実装用電極294によって形成されている。
フィルタ基板200は、平板状の圧電基板からなる。フィルタ基板200の第1主面には、フィルタ電極や配線パターンが形成されている。フィルタ電極は、例えば、所謂IDT電極からなる。このように、圧電基板の主面にIDT電極を形成することで、上述の各SAW共振子を実現することができる。フィルタ基板200の第1主面側には、平板状のカバー層290が配置されている。カバー層290は、平板状の絶縁性材料からなり、平面視してフィルタ基板200と同じ形状からなる。また、カバー層290は、平面視して、フィルタ基板200と重なるように配置されており、フィルタ基板200の第1主面から所定距離の間隔を空けて配置されている。
フィルタ基板200の第1主面とカバー層290との間には、側面カバー層291が配置されている。側面カバー層291も絶縁性材料からなり、平面視して、フィルタ基板200およびカバー層290の全周に亘って、外周端から内側へ所定幅の範囲にのみ形成されている。すなわち、側面カバー層291は、中央に開口を有する枠状の構造である。
このように、カバー層290と側面カバー層291が配置されることで、フィルタ基板200の第1主面のフィルタ電極が形成される領域は、フィルタ基板200、カバー層290、および側面カバー層291によって密閉空間292内に配置される。これにより、SAW共振子の共振特性を向上させることができ、フィルタとしての所望の特性を精確に実現することができる。
接続電極293は、フィルタ基板200の第1主面に一方端が接し、他方端がカバー層290におけるフィルタ基板200側と反対側の面に露出する形状からなる。この際、接続電極293は、側面カバー層291およびカバー層290を貫通するように形成されている。接続電極293の一方端は、フィルタ基板200の第1主面に形成された配線パターンに接続されている。
実装用電極294は、接続電極293の他方端に接続し、カバー層290におけるフィルタ基板200側と反対側の面から突出する形状で形成されている。この接続電極293と実装用電極294の組を複数設けることにより、上述のフィルタ部21の第1シリーズ接続端子P21’、第2シリーズ接続端子P22、第3端子P31,P32、第1シャント接続端子P23および第2シャント接続端子P24が実現される。なお、接続電極293の他方端に半田やAu等を用いたバンプを形成し、そのバンプを介して実装用電極294と接続してもよい。
以上のような構成とすることで、フィルタ部21は、所謂WLP(Wafer Level Package)の構造となり、フィルタ部21を小型に形成することができる。
そして、このWLP構造のフィルタ部21は、積層基板100の天面100Sに実装されている。これにより、フィルタ部21は、第1外部接続端子P1、第2外部接続端子P2、第3外部接続端子に接続される。
インダクタ43Lは、積層基板100の内部に形成されたスパイラル電極からなる。スパイラル電極は、積層基板100を構成する複数の誘電体層に形成された一部が分断された管状の線状電極と層間接続電極によって実現される。各誘電体層の線状電極は、層間接続電極によって積層方向に接続され、一本の線状電極になるように接続されている。この構成により、中心軸が積層方向に沿ったスパイラル電極を実現することができる。インダクタ43Lを構成するスパイラル電極の一方端は、ビア導体431Vを介して、フィルタ部21の第1シリーズ接続端子P21’となる実装用電極294が実装されるランド電極に接続されている。ランド電極は、積層基板100の天面100Sに形成されている。インダクタ43Lを構成するスパイラル電極の他方端は、ビア導体432Vを介して、積層基板100内の底面100R近傍に形成された内部グランドパターンに接続されている。また、インダクタ42Lは積層基板100の天面100Sに形成された線状電極からなる。
さらに、インダクタ43Lを構成するスパイラル電極は、平面視して、インダクタ42Lを構成する線状電極と少なくとも一部が重なり合うようにして形成されている。
この構成により、積層基板100の天面100Sに形成された線状の電極パターンからなるインダクタ42Lと、積層基板100内のスパイラル電極からなるインダクタ43Lとの間で、図9の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。このような構成とすることで、減衰特性調整用の素子を別途設けることなく、所望の減衰特性を有する高周波モジュール101を実現することができる。
この際、インダクタ42Lを構成する電極パターンと、インダクタ43Lを構成するスパイラル電極との距離、および、当該電極パターンとスパイラル電極の重なる面積を変化させることで、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの結合度を調整できる。これにより、高周波モジュール101の減衰特性を調整することができ、所望とする減衰特性をより精確に実現することができる。
なお、図10に示すように、インダクタ42Lは、積層基板100内ではなく、カバー層290に形成されていてもよい。インダクタ42Lは、インダクタ43Lと同様にスパイラル電極から構成されている。そして、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極とインダクタ43Lを構成するスパイラル電極とは近接して配置されている。これにより、上述と同様に、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの間で、図10の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。
(第2の構造)
図11は、高周波モジュールの主要構造を示す側面概念図である。図11に示す高周波モジュール101Aでは、インダクタ42Lが、積層基板100の天面100Sに形成されず、積層基板100内に形成された電極パターンによって実現される。高周波モジュール101Aのその他の構成は、図9に示した高周波モジュール101と同様であり、説明は省略する。
インダクタ42Lは、インダクタ43Lと同様に、積層基板100の内部に形成され、中心軸が積層方向に沿ったスパイラル電極からなる。インダクタ42Lを構成するスパイラル電極の一方端は、ビア導体421Vを介して、フィルタ部21の第2シリーズ接続端子P22となる実装用電極294が実装されるランド電極に接続されている。インダクタ42Lを構成するスパイラル電極の他方端は、ビア導体を介して、第2外部接続端子P2となる外部接続用電極に接続されている。
さらに、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極は、積層基板100の天面100Sに平行な方向から見て、インダクタ43Lを構成するスパイラル電極と少なくとも一部が重なり合うようにして形成されている。
この構成により、積層基板100内のスパイラル電極からなる、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの間で、図11の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。この際、インダクタ42Lを構成するスパイラル電極と、インダクタ43Lを構成するスパイラル電極との距離を変化させることで、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの結合度を調整できる。これにより、高周波モジュール101の減衰特性を調整することができ、所望とする減衰特性をより精確に実現することができる。
また、本実施形態では、インダクタ42L,43Lを積層基板100の内部に形成しているため、インダクタ42L,43Lを形成するための領域を積層基板100の天面100Sに設けなくてもよい。これにより、積層基板100を平面視した面積を小さくでき、高周波モジュール101Aの平面面積を小さくすることができる。
(第3の構造)
図12は、高周波モジュールの主要構造を示す平面概念図である。高周波モジュール101Bは、フィルタ部21、積層基板100および実装型回路素子420,430を備える。
積層基板100は、複数の誘電体層を積層してなる。積層基板100の天面(実装面)100Sおよび内層には、所定パターンの電極が形成されている。積層基板100の天面100Sには、フィルタ部21および実装型回路素子420,430が実装されている。フィルタ部21は、図9に示したWLP構造を有する。
インダクタ42Lは実装型回路素子420によって実現され、インダクタ43Lは実装型回路素子430によって実現される。具体的には、実装型回路素子420,430は、絶縁性材料からなる直方体形状の筐体を備え、当該筐体の内部に、インダクタ42L,43Lとなるスパイラル電極が形成されている。スパイラル電極は、筐体の外周に沿って伸長し一部が分断された管状の線状電極と層間接続電極によって実現される。各層の線状電極は、層間接続電極によって一本の線状電極になるように接続されている。スパイラル電極の両端は、筐体の対向する両端面に形成された外部接続電極に接続されている。このような構成からなる実装型回路素子420,430は、スパイラル電極の中心軸が積層基板100の天面100Sに直交するように、積層基板100の天面100Sに実装されている。
フィルタ部21の第2シリーズ接続端子P22および第2外部接続端子P2は実装型回路素子420の実装用ランドに接続されている。また、フィルタ部21の第1シリーズ接続端子P21’と第1外部接続端子P1との接続ラインが積層基板100の天面100Sおよび内部に形成され、グランド電極が積層基板100の内部に形成されている。そして、この接続ラインおよびグランド電極は実装型回路素子430の実装用ランドに接続されている。
そして、実装型回路素子420の長手側面と実装型回路素子430の長手側面とが近接して対向するように、実装型回路素子420,430を配置している。これにより、実装型回路素子420のスパイラル電極からなるインダクタ42Lと、実装型回路素子430のスパイラル電極からなるインダクタ43Lとの間で、図12の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。この際、実装型回路素子420と実装型回路素子430との間の距離、実装型回路素子420,430の向き等を調整することにより、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの結合度を調整できる。これにより、高周波モジュール101Bの減衰特性を調整することができ、所望とする減衰特性をより精確に実現することができる。
なお、図12では、実装型回路素子420の長手側面と実装型回路素子430の長手側面とが対向するように配置した例を示した。しかしながら、実装型回路素子420の短手側面(外部接続電極が形成される端面)と実装型回路素子430の長手側面とが対向するように配置してもよい。ただし、実装型回路素子420の長手側面と実装型回路素子430の長手側面とが対向するように配置することで、より強い誘導性結合を、より簡単に実現することができる。
また、図12では、スパイラル電極の中心軸が積層基板100の天面100Sに直交するように、実装型回路素子420,430を実装する例を示したが、スパイラル電極の中心軸が積層基板100の天面100Sに平行になるように、実装型回路素子420,430を実装してもよい。
(第4の構造)
図13は、高周波モジュールの主要構造を示す側面概念図である。図13に示す高周波モジュール101Cでは、フィルタ部21が、図9に示したWLP構造で実現されず、所謂ベアチップにより実現される。高周波モジュール101Cのその他の構成は、図9に示した高周波モジュール101と同様であり、説明は省略する。
フィルタ部21を構成するフィルタ基板200は、平板状の圧電基板からなる。フィルタ基板200の第1主面には、フィルタ電極や配線パターンが形成されている。フィルタ電極は、例えば、所謂IDT電極からなる。フィルタ基板200は、第1主面側が積層基板100の天面100Sに対して所定の間隔を空けて対向するように、第1主面側から突出する形状の接続電極293により実装されている。接続電極293の一方端は、フィルタ基板200の第1主面に形成された配線パターンに接続されている。接続電極293の他方端は、積層基板100の天面100Sに形成された配線パターンに接続されている。フィルタ基板200が配置された積層基板100の天面100Sには、フィルタ部200を封止するための樹脂層283が塗布されている。ただし、IDT電極には樹脂層283は塗布されておらず、IDT電極の部分は中空構造となっている。
この構成により、上述の各SAW共振子を実現することができる。また、接続電極293を複数設けることにより、上述のフィルタ部21の第1シリーズ接続端子P21’、第2シリーズ接続端子P22、第3端子P31,P32、第1シャント接続端子P23および第2シャント接続端子P24が実現される。
この構成においても、積層基板100の天面100Sに形成された線状の電極パターンからなるインダクタ42Lと、積層基板100内のスパイラル電極からなるインダクタ43Lとの間で、図13の太破線矢印に示すように、誘導性結合を生じさせることができる。これにより、上述の第1の構造と同様に、所望の減衰特性を有する高周波モジュール101Cを実現することができる。
なお、高周波モジュール101Cでは、積層基板100の天面100Sまたは内部に形成された電極によりインダクタ42L,43Lを実現しているが、実装型回路素子によりインダクタ42L,43Lを実現してもよい。
(第5の構造)
図14は、高周波モジュールの主要構造を示す側面概念図である。図14に示す高周波モジュール101Dは、所謂CSP(Chip Size Package)構造で実現されている。
高周波モジュール101Dは、フィルタ基板200を備える。フィルタ基板200の第1主面には、上述のようにフィルタ部21を実現するフィルタ電極や配線パターンが形成されている。
高周波モジュール101Dは、さらにフィルタ実装用基板280を備える。フィルタ実装用基板280は、例えばアルミナ基板からなり、平面視した面積がフィルタ基板200よりも所定量大きい。フィルタ実装用基板280には、所定パターンの電極が形成されている。
フィルタ基板200は、第1主面がフィルタ実装用基板280側になるように、バンプ導体281によってフィルタ実装用基板280の天面(実装面)280Sに実装されている。また、フィルタ実装用基板280の天面280Sには、インダクタ43Lを構成する実装型回路素子430が実装されている。フィルタ実装用基板280の底面280Rには、インダクタ42Lを構成する線状電極および外部接続用バンプ導体282が形成されている。
フィルタ実装用基板280の天面280Sには、樹脂層283が塗布されている。ただし、IDT電極には樹脂層283は塗布されておらず、IDT電極の部分は中空構造となっている。これにより、フィルタ電極および配線パターンが外部環境に曝されることを防止でき、SAW共振子の共振特性を向上させることができ、フィルタとしての所望の特性を精確に実現することができる。
そして、インダクタ42Lを構成する線状電極とインダクタ43Lを構成するスパイラル電極とが、平面視して少なくとも一部が重なるように配置する。これより、図14に示すように、インダクタ42Lとインダクタ43Lとの間に誘導性結合を生じさせることができる。特に、本実施形態の構成では、インダクタ42Lを構成する線状電極とインダクタ43Lを構成するスパイラル電極との間隔(距離)を短くすることができるので、より強い誘導性結合を容易に実現することができる。
また、高周波モジュール101D全体がCSP構造であるので、高周波モジュール101Dを小型且つ薄型で実現することができる。
なお、上述の各実現構造では、整合回路としてインダクタを用いる例を示したが、整合回路がキャパシタの場合についても、同様の構造で実現することができる。例えば、実装型の積層コンデンサ素子によってキャパシタを実現してもよい。また、積層基板やカバー層内の異なる層に互いに対向するように形成した複数の平板電極によって、キャパシタを実現してもよい。また、積層基板やフィルタ実装用基板の天面に形成した電極パターンによってキャパシタを実現してもよい。
また、上述のフィルタ部20は、所謂ラダー接続型フィルタであったが、フィルタ部は、例えば、縦結合共振器フィルタであってもよい。この場合でも、上述の第1整合回路と第2整合回路の間の誘導性結合また容量性結合を調整することにより、所望の減衰特性を有する高周波モジュールを実現することができる。
また、整合回路41−44は、インダクタを複数、キャパシタを複数、あるいは、インダクタとキャパシタとを組み合わせた複合回路としても構わない。
11,12,13,14,101,101A,101B,101C,101D:高周波モジュール、
20,21:フィルタ部、
22:第2のフィルタ部
201−208,211−214,221:SAW共振子、
231,232:縦結合型SAW共振子、
41,43:第1整合回路、
42,44:第2整合回路、
41L,42L,43L,44L:インダクタ、
41C,42C,43C,44C:キャパシタ、
401,402:接続ライン、
50,51,60:インダクタ、
P1:第1外部接続端子、
P2:第2外部接続端子、
P21,P21’:第1シリーズ接続端子、
P22:第2シリーズ接続端子、
P31,P32:第3端子、
P23,P231,P232:第1シャント接続端子、
P24:第2シャント接続端子、
100:積層基板、
100S,280S:天面、
100R,280R:底面、
200:フィルタ基板、
280:フィルタ実装用基板、
281:バンプ導体、
282:外部接続用バンプ導体、
283:樹脂層、
290:カバー層、
291:側面カバー層、
292:密閉空間
293:接続電極、
294:実装用電極、
420,430:実装型回路素子、
421V,431V,432V:ビア導体

Claims (14)

  1. 第1外部接続端子と、
    第2外部接続端子と、
    前記第1外部接続端子と前記第2外部接続端子との間に接続されたフィルタ部と、
    前記第1外部接続端子と前記フィルタ部との間に接続された第1整合回路と、
    前記第2外部接続端子と前記フィルタ部との間に接続された第2整合回路と、
    を備えた高周波モジュールであって、
    前記第1整合回路と前記第2整合回路とが誘導性結合もしくは容量性結合されている、高周波モジュール。
  2. 前記フィルタ部は、
    前記第1外部接続端子に接続する第1シリーズ接続端子と、
    前記第2外部接続端子に接続する第2シリーズ接続端子と、
    前記第1シリーズ接続端子と前記第2シリーズ接続端子との間に直列接続された複数のシリーズ接続型のフィルタ素子と、
    を備える、請求項1に記載の高周波モジュール。
  3. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記フィルタ部の通過帯域外のインピーダンスが変化するように前記誘導性結合もしくは前記容量性結合されている、請求項1または請求項2に記載の高周波モジュール。
  4. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記フィルタ部の通過帯域外の減衰極周波数が変化するように前記誘導性結合もしくは前記容量性結合されている、請求項3に記載の高周波モジュール。
  5. 前記第1整合回路は、前記第1外部接続端子と前記フィルタ部との間に直列接続されるシリーズ接続型の整合回路、または、前記第1外部接続端子と前記フィルタ部とを接続する接続ラインとグランドとの間に接続されるシャント接続型の整合回路であり、
    前記第2整合回路は、前記第2外部接続端子と前記フィルタ部との間に直列接続されるシリーズ接続型の整合回路、または、前記第2外部接続端子と前記フィルタ部とを接続する接続ラインとグランドとの間に接続されるシャント接続型の整合回路である、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波モジュール。
  6. 前記フィルタ部は、第3端子と、第2のフィルタ部とを備え、
    前記第2のフィルタ部は、前記第1シリーズ接続端子および該第1シリーズ接続端子に接続するフィルタ素子を接続する接続ラインと、前記第3端子との間に接続されている、
    請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の高周波モジュール。
  7. 前記フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、
    該フィルタ基板の前記第1主面に対して間隔を空けて対向する平板状のカバー層と、
    前記第1主面から突出し、前記カバー層を貫通する形状の接続電極と、
    前記第1整合回路および前記第2整合回路が実装または形成された積層基板と、を備え、
    前記フィルタ基板は、前記第1主面側が前記積層基板の実装面に向くように配置され、
    前記フィルタ基板は、前記接続電極を介して前記積層基板に接続されている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高周波モジュール。
  8. 前記フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、
    前記第1主面から突出する形状の接続電極と、
    前記第1整合回路および前記第2整合回路が実装または形成された積層基板と、
    前記フィルタ部を封止するための樹脂層と、を備え、
    前記フィルタ基板は、前記第1主面側が前記積層基板の実装面に対して間隔を空けて対向するように配置され、
    前記フィルタ基板は、前記接続電極を介して前記積層基板に接続され、
    前記樹脂層は、前記フィルタ基板が配置された前記積層基板の実装面を覆う、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高周波モジュール。
  9. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記積層基板の実装面に実装される実装型回路素子を含んでおり、
    前記第1整合回路と前記第2整合回路とは近接して配置されている、
    請求項7または請求項8に記載の高周波モジュール。
  10. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、
    直方体形状の筐体と、
    該筐体内に形成され、平面視して略長方形の外周形からなるスパイラル導体と、
    を備え、
    前記第1整合回路を構成する筐体の長辺は、前記第2整合回路を構成する筐体の長辺に近接して配置されている、
    請求項9に記載の高周波モジュール。
  11. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは前記積層基板の実装面または内部に形成され、
    前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記積層基板の積層方向から見て、重なっている、請求項7または請求項8に記載の高周波モジュール。
  12. 前記第1整合回路と前記第2整合回路とは前記積層基板の内部に形成され、
    前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記積層基板の実装面に平行な方向から見て、重なっている、請求項7または請求項8に記載の高周波モジュール。
  13. 前記第1整合回路または前記第2整合回路は、前記カバー層の内部に形成されている、請求項7に記載の高周波モジュール。
  14. 前記フィルタ部を構成するIDT電極が第1主面に形成された平板状のフィルタ基板と、
    該フィルタ基板の前記第1主面側に配置され、該フィルタ基板の前記第1主面側が実装された平板状のフィルタ実装用基板と、を備え、
    前記第1整合回路と前記第2整合回路とは、前記フィルタ実装用基板に実装または形成されている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高周波モジュール。
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