JP5632463B2 - 飲料を作成するための、コーヒーと可溶性製品のための硬いカートリッジ - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

本発明は、コーヒー、または例えば大麦、粉ミルク、紅茶、カモミール、ハーブティーなどの可溶性製品を収容し、それぞれの飲料を作成するためのカートリッジまたはカプセルについて言及する。

以下の記載により、本発明のカートリッジは上記の様々な飲料の作成のために用いられることが理解される。以下の記載では、具体的な言及はコーヒーと上記製品とについてされ、本発明のカートリッジは特に上記製品に合わせて設計されている。

基本的に、粉末状または細粒状のコーヒーを収容する、硬いカートリッジと柔らかいカートリッジの２つのタイプのカートリッジは広く市場に出ており、利用可能となっている。

本発明のカートリッジは硬いタイプのカートリッジである。そのため、この記載に従って、従来技術のこのタイプのカートリッジについてのみ言及する。

硬いカートリッジは、大体は円筒型の形をしており、ヒートシールまたは熱接着された２つの硬いプラスチック材料の半殻（half-shell）を備えている。また、硬いカートリッジは、その内部に、カートリッジの底壁と接触したフィルター上に置かれた粉末状のコーヒーを包み込む。

通常、カートリッジの底壁は穴が開けられており、上壁は、飲料の抽出に用いられる器具のタイプに応じて穴が開けられていたり、穴が開けられていなかったりする。すなわち上壁に穿孔（perforation）を備えていようと、単なる圧力による温水の注入であろうと、温水は粉末製品を通ることにより、カートリッジの中に入り、粉末の香りを捕らえ、粉末を抱えるフィルターを通り底壁に設けられた穴から流れ出す。このようにして、カートリッジの下の適当なグラスまたはカップに捕獲される飲料が生成される。

一方では、穴の開いた底壁を備えるこのタイプの硬いカートリッジは、さらなる保護包装によりきつく包囲されていなければ、内部の製品が外の環境にさらされ、これにより香りを失うという欠点を有する。また他方では、注入の間、適切な水圧に至らず、得られる飲料の質に影響するという欠点を有する。

穴が開けられていない（solid）底壁であって、飲料の排出の間に飲料抽出器具の先端により穴を開けられる底壁を備えるカートリッジも存在する。

このようなカートリッジは、例えば特許ＥＰ１３６４６０５に記載されており、その内容はここで参考により具体化される。

このようなカートリッジは、底に穴が開けられる前に適切な加圧状態を得ることを可能にし、これにより、すくなくとも上述した欠点を克服することができる。

同じような結果は、同じ出願人Ｉ．ＴＡ．ＣＡ Ｓ．ｒ．Ｌ．，の名義のＥＰ１５５５２１８に記載されているカートリッジを用いて得ることができる。このカートリッジの底壁は完全に閉じており、十字型に配されたエッチングにより弱化され、予め定められた圧力に達したときに開くことのできる中心部分を有し、飲料の流出を可能にする。

しかし、このようにして上記カートリッジにより得られた飲料は、十分に乳化されないと考えた上記出願人は、飲料の質を向上させることを目的として多数の研究を行った。

本発明の目的は、より乳化され、よりクリーミーな飲料を得ることができ、今までのものと比較して飲料の質を向上させた、コーヒー用のカートリッジを提供することである。

本発明の他の目的は、単純であり、安価に製造され、様々なタイプの従来の飲料ディスペンシングマシンに用いることのできる、コーヒー用のカートリッジを提供することである。

これらの目的は、添付される独立請求項１の特徴を有するコーヒーカートリッジの発明により達成される。

本発明の有利な実施例は、従属請求項から明白である。

基本的に、本発明による硬いタイプのカートリッジは、底壁に、底壁の周辺端部から、より薄く弱化した中心部に向かう複数の同心のらせん状の溝を有する。

弱化した中心部はドーナツ状または輪状であることが好ましく、飲料抽出工程の間に機械的手段により穴を開けられるか、または容器の内部で適切な水圧に達したときに、上記弱化した壁をたたき落とされる（knock out）エッチングを備えていてもよい。

このような、カートリッジ底壁のらせん状の溝の提供は、飲料排出の間、水の渦巻く動きを作り出し、数分間飲料の上に残るクリームとともに、クリーミーな飲料を得ることができる。

実はコーヒーは、植物性揮発油が豊富な食品であり、飲料の排出のときに、乳液すなわちコーヒーのクリームを作り出す。出願人により行われた実験は、本発明によるカートリッジにより得られるクリームは、底壁が通常平らであるかまたは放射状に配置されたリブを有する従来のカートリッジにより得られるクリームよりも質的に優れていることを実証した。

本発明のさらなる特徴は、単に典型例について言及し、非限定的な実施例について言及する以下の詳細な説明と、添付された図面により明らかにされる。ここで、図１は本発明のコーヒー用カートリッジを示す切断横断面であり、切断面は図３のＡ−Ａ線に沿っている。図２は、組み立てられたカートリッジを示す、図１と同様の視野である。図３は、カートリッジの容器の平面図である。

上記の図を参照して、本発明のコーヒーカートリッジは全体として参照数字１で指し示される。

コーヒーカートリッジは、コンテナボディ２を備えている。コンテナボディ２は、円錐台形状であり（しかし、円筒状でもよいことは明らかである）、上部が開口しており、底壁（低壁）２０を備えている。底壁２０は基本的に円盤状であり、底壁２０から側壁２１が、上方向へわずかに傾斜して直立している。

コンテナ２は、その底壁２０の上に後述するフィルター４を備えており、コーヒー１００を満たされた後に蓋６により閉じられる（図２）。

底壁２０は円形状の中央部２２を備えている。中央部２２は図の実施例では輪状であり、上記底壁の残りの部分よりも薄い。

後述するように、底壁２０の、上記のより薄く弱化された中央部２２は、飲料の排出のために、外部の機械部品またはカートリッジの内部の水圧により破壊されるのに適している。

特に、カートリッジ内部の圧力の増加が起こる場合に、上記のより薄く弱化された中央部２２の破壊を容易にするために、破損を容易にする切り込みまたはエッチングがその上に設けられていてもよい。

図３にわかりやすく示されるように、底壁２０の上には、複数の（図示される実施例では４）同心のらせん状の溝２４が設けられている。らせん状の溝２４は、底壁の輪状の周辺端部２３から始まり、側壁２１に隣接し、弱化した上記中央部２２で途切れている。

特に、図３にわかりやすく示されるように、各らせん２４は、上記周辺端部２３において大きく傾斜し、実質的に０の厚さから始まる冒頭部２５を有している。また各らせん２４は、底壁２０の弱化された上記中央部２２において途切れる、拡張された末端部２６（長さ）を有している。

カートリッジの底２２の形状は、上記らせん溝２４の間に、らせん溝２４と同数の隆起らせん２７が定められる形状となっている。らせん溝２４と隆起らせん２７は、上記周辺端部２３とともにフィルター４が置かれる基礎を形成する（特に図２参照）。

コンテナボディ２の側壁２１の内側には、底壁２０に対して垂直であり、コンテナ２の約半分の高さに達する複数の（図示される実施例では４）厚いリブ２９が設けられている。

上記厚いリブ２９の目的は、上記厚いリブ２９の上端で途切れさせ、互いに拘束することなく、コンテナの底２０にコンテナを積み重ねるようにすることである。

側壁２１の内側の表面において、コンテナ２の底２０の付近には、フィルター４の位置を止める役割を果たす輪状の突起またはカラー２８がある。

コンテナの側壁２１は、実質的に平らな上部表面３１を形成するように、外へ突き出ている輪状の上縁３０を有している。

コンテナは、食品用途のプラスチック、特にポリプロピレン、その他のプラスチック材料等の硬いプラスチック材料を射出形成することにより一体型で作られる。コンテナ２の底壁２０と側壁２１は、比較的長い時間高圧に耐えることができるように、穴は設けられておらず、コンテナ２が一定の剛性を有する設計となる厚さを有している。

フィルター４は実質的に円盤状の形状であり、コンテナの側壁２１の内側表面に形成されたカラー２８の下に位置することができるように、その周辺端部にはカラー４８を有する。フィルターがコンテナ内部に配置されるとき、底壁２０の隆起らせん２７と周辺端部２３との上に載る。これにより、フィルター４がコンテナの底壁の中央部２２を塞がず、飲料の排出の間、飲料が溝らせん２４を流れることができる。

図２に示すように、このようにして配置されたフィルター４は、好ましくは上記カラー４８、２８において、コンテナの側壁２に熱接着される。

フィルター４はその円盤状の表面に、複数の円錐または角錐台形状の穴４４を有する。穴４４は、飲料の上部から下部への通路として、またカートリッジ１の内部のフィルターの上に粒状または粉末状の製品を保持するのに適している。

フィルター４がコンテナ２の底壁２０の上に配置されたとき、コンテナ２はコーヒー１００またはその他の可溶性製品で満たされ、コンテナは蓋６により閉められる。蓋６は、熱接着、超音波接着、接着などの方法で輪状の縁３０の上部表面３１に取り付けられる。

蓋６は、圧力下で水および／または蒸気の通路となるのに適した極小の穿孔を有している。この目的のために蓋６は、１層以上の紙のフィルター、または極小の穴を開けられた１枚以上のプラスチック物質から作られている。

または、飲料抽出器具が穿孔の手段として上記蓋を設けられるならば、蓋６は、完全な気密の閉める道具であり、随意的に硬いプラスチック材料から作られている。

飲料の排出のために、本発明のカートリッジ１は特別な周知の抽出器具に配置される。例えば、コンテナの底２０の弱化された中央部２２の機械的なたたき落としがされるならば、上述した特許ＥＰ１３６４６０５に記載される抽出器具に配置され、上記弱化部分のたたき落としが、カートリッジ内部の水圧の増加によって起こるものであるならば、ＥＰ１５５５２１８に記載される抽出器具に配置される。

カートリッジが上記器具に配置された後、圧力下で温水は蓋６を通ってカートリッジ１に取り込まれ、コーヒー１００と接触する。

上述するように、カートリッジ内部の水圧が予め定められたレベルに達すると、コンテナの底２０の弱化された中央部２２のたたき落としが起こり、飲料のための排出開口部を生じさせ、飲料は特別な水路を流れ、下のグラスまたはカップに集められる。

上記排出開口部に達する前に、飲料は上記らせん溝２４において旋回の動きをする。これにより、濃く、長持ちするクリームの形成を伴って流れ出す飲料に高い乳化効果を与える。

出願人は、このような結果は、これまで用いられてきたカートリッジでは得られないことを検証した。

当然ながら、本発明は上記の具体的な実施例と添付図面の記載とに限定されず、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者がすることができる範囲で多数の細部の変更をすることができる。

本発明のコーヒー用カートリッジを示す切断横断面であり、切断面は図３のＡ−Ａ線に沿っている。 組み立てられたカートリッジを示す、図１と同様の視野である。 カートリッジの容器の平面図である。

Claims (9)

1. 飲料の作成のための、一般にコーヒーまたは可溶性製品のためのカートリッジであって、
   上記コーヒーまたは可溶性製品を収容するように設計されたコンテナ２と、
   上記飲料を作るために、圧力下の温水がコンテナに入る際に通る上壁を規定するために、上記コンテナ２の上に設けられた蓋６と、
   上記コンテナ２の内部であって、飲料が抽出される際に通る上記コンテナの底壁２０の上に位置するように設計されたフィルター４とを備えており、
   上記コンテナの上記底壁２０は、外部の機械的な手段または上記カートリッジの内部の液体の圧力により破壊されるように設計された弱化された薄い中央部を有しており、その結果、上記飲料が上記カートリッジから外部に流れ出すための少なくとも１つの穴を形成し、
   複数の同心のらせん状の溝２４は、上記底壁の周辺端部２３から始まり、上記弱化された薄い中央部２２で途切れ、かつ、上記コンテナの上記底壁２０に設けられており、
   上記複数の同心のらせん状の溝２４のそれぞれの間には隆起らせん２７が挿入されていることを特徴とするカートリッジ。
2. 上記各らせん状の溝２４は、上記コンテナの上記底壁２０の上記周辺端部２３に傾斜した冒頭部２５と、上記弱化された薄い中央部２２において途切れる拡張された末端部２６とを備えることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジ。
3. 上記弱化された薄い中央部２２は実質的に円形または輪状の形状を有していることを特徴とする請求項１または２に記載のカートリッジ。
4. 上記コンテナは、円錐台形または円筒などの形状を有していることを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載のカートリッジ。
5. 積み重ねられたコンテナが互いに拘束されないように設計されており、覆いかぶさるコンテナ２の上記底壁２０の障害物としての役割を果たす、厚くなった部分２９が上記コンテナ２の側壁２１の内側に設けられていることを特徴とする請求項４に記載のカートリッジ。
6. 上記蓋６は、圧力下の温水の上記カートリッジ１への通路となるように、極小の穴を開けられた材料の１以上の層から作られていることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載のカートリッジ。
7. 上記蓋６は、上記飲料を排出する間、上記コンテナ２を密封し、穴が開いていることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載のカートリッジ。
8. 上記フィルター４は少なくとも１つの上記隆起らせん２７の上に載り、これにより上記らせん状の溝２４において液体が旋回の流れをすることができることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載のカートリッジ。
9. 上記コンテナ２は、ポリプロピレンなどのプラスチック材料の射出形成により作られていることを特徴とする請求項１〜８の何れか１項に記載のカートリッジ。

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