JP2021507738A - 飲料調製用の最適化されたコーヒーポッド - Google Patents

Abstract

本発明は、コーヒー原材料を収容している容器（１）であって、圧力下で水を流通させるために穿刺されること又は他の方式で開口されることが可能な注入壁部（３）と、コーヒー送出壁部（４）とによって境界が定められたチャンバを備え、このチャンバ全体が上記のコーヒーで充填されている、容器（１）に関する。上記の注入壁部（３）の少なくとも一部分は、リング形状チャンバ部分（２）を画定するように、半トーラス又は半トロイダル多面体の形状を有する。【選択図】 図１

Description

本発明は、コーヒー容器、特に、圧縮形態のコーヒーを収容するためのポッドに関するものであり、この容器は、飲料調製マシン内で抽出が行われるためのものである。

単回使用の原材料容器と共に機能するコーヒー調製システムの殆どは、或る１つの固定された所定のサイズのみを有する、様々な原材料容器を備える。固定されたサイズを有するそのような容器の問題点は、それらの容器から最終的に調製される飲料のタイプ（ショートカップ、ミディアムカップ、ロングカップ、コーヒーのみ、又は別の原材料との混合）に応じて、適切な原材料（コーヒーのブレンド、粉砕サイズ、焙煎タイプなど）を選択する際の多大な努力にもかかわらず、それらの容器から得られる飲料の品質が最適となることが、殆どない点である。

より具体的には、「リストレット（Ｒｉｓｔｒｅｔｔｏ）」又は「エスプレッソ（Ｅｓｐｒｅｓｓｏ）」などのショートカップ（典型的には、１０ｍＬ〜２５ｍＬの飲料がカップに送出されるもの）は、容器からの過大な量の原材料を使用する場合があり、このことは、最終的に、苦味、乏しい風味、及び調子外れの香気をもたらす恐れがある、コーヒーの抽出不足につながる点が見出されている。更には、コーヒーの特定のブレンドを適切に管理することによって、ショートカップに関して味プロファイルを管理することができる場合であっても、最終的に調製されてカップに送出されるコーヒーの体積に対して、過度に多くのコーヒーが使用されるという問題が残されており、このことは、カップ容積の目的の観点からすれば、不合理なコスト超過である。

逆に、「ルンゴ（Ｌｕｎｇｏ）」又は「グランデ（Ｇｒａｎｄｅ）」のようなロングカップ（すなわち、１３０ｍＬを超えるカップ内飲料体積）は、典型的には、過小な量のコーヒーを使用する（カプセルは、多量の水が通過する際に全ての風味を抽出するために十分な原材料を収容するには、過度に小さい）。このことは、過抽出の香気、及び希薄で低品質の飲料をもたらす。

最良の場合のシナリオでは、貯蔵の利便性、及び環境に与える影響の低さの理由から、通常は小さい容積を有する容器、例えば、ポッド、パッド、又はカプセルは、限定されたコーヒー重量（５ｇ〜６ｇ）を収容しており、それゆえ、それらの容器は、良好なショートカップを提供する。しかしながら、よりロングなカップの調製における過抽出の欠点が残されている。

上述の欠点に対処するために、種々のサイズの原材料容器を受容する、いくつかのシステムが発明された。そのような容器の幅、又は、より一般的には深さ（又は、厚さ）は、カップに送出するための所望の量の飲料に対して、適切な量のコーヒーを収容するために、多様である。

しかしながら、そのようなシステムは、原材料容器が挿入される淹出チャンバが、飲料製造の安全性、機能性、又は品質に何ら影響を与えることなく、様々な容器のサイズ及び形状に機能的に適合することが可能となるように、複雑なマシン構成を必要とする。より正確には、そのような場合、マシンの淹出チャンバは、その形状壁部を容器の形状壁部に適合させるために、淹出チャンバが、そのサイズを増大又は減少させることを可能にする、可動要素を必要とする。淹出チャンバ内の可動要素は、必然的に、マシンの構成に複雑性を追加することにより、その開発、その製造、及びその保守管理のためのコストを増大させる。場合によってはまた、マシンは、その淹出チャンバのサイズ／形状を自動的に設定し、或る１つのタイプ又は他のタイプの原材料容器を適正に使用することが可能となるように、適切に淹出チャンバを適合させるためには、ユーザによる手動操作が必要となる。このことは、ユーザに対して、取り扱いステップを追加し、これは使い勝手が悪い。

それゆえ、本発明の目的は、既存の飲料調製システムの上述の欠点を取り除くことである。特に、本発明の目的は、適合されたサイズ及び形状を有する専用の原材料容器から、異なるコーヒー量が抽出されることを可能にして、マシンの淹出チャンバの複雑性を低減することである。

本発明は、全般的に、原材料容器、好ましくはコーヒーポッドであって、固定された深さと、その中央の調節可能な空きスペースとを有することにより、全体的な容器が「ドーナツ形状」を有する、原材料容器、好ましくはコーヒーポッドに存する。中央スペースのサイズは、所望のコーヒー量に応じて調節される。

より正確には、本発明は、食品又は飲料調製マシン内で使用するための、コーヒー原材料を収容している容器であって、圧力下で水を流通させるために穿刺されること又は他の方式で開口されることが可能な注入壁部と、コーヒー送出壁部とによって境界が定められたチャンバを備え、このチャンバが上記のコーヒーで充填されている、容器を目的とする。本発明の原理によれば、上記の注入壁部の少なくとも一部分は、リング形状チャンバ部分を画定するように、半トーラス又は半トロイダル多面体の形状を有する。

「半トーラス（ｈａｌｆ ａ ｔｏｒｕｓ）又は半トロイダル多面体（ｈａｌｆ ａ ｔｏｒｏｉｄａｌ ｐｏｌｙｈｅｄｒｏｎ）」とは、閉鎖された管を形成するように屈曲及び接合されている、管状構造体を意味する。この管は、様々な断面を有し得るが、好ましくは、半円形、三角形、又は正方形である。しかしながら、他のタイプの横断面も見出され得る。リングの全体的な外側形状は、好ましくは（図面に関連して、追って詳細に更に図示されるように）円形である。しかしながら、楕円形、正方形、三角形などの他のタイプの回転形状にも対応することができ、又は、用語「トロイダル多面体」において定義されるような、任意の他のタイプの全体的形状を有することもできる。

リング形状チャンバ部分内に収容されているコーヒー原材料は、好ましくは、焙煎粉砕コーヒーである。

有利には、リング形状チャンバ部分は、リング形状チャンバ部分内に収容されているコーヒー原材料とは異なる第２の原材料で充填された中央容器部分を包囲している。その場合、第２の原材料は、好ましくは、粉末状の可溶性コーヒー、又は、リング形状チャンバ部分内に収容されているコーヒーとは異なる焙煎特性、粉砕特性、及び／若しくは粉体圧縮特性を有する焙煎粉砕コーヒーである。

本発明の特に好ましい実施形態では、リング形状チャンバの幅は、５〜１５ｍｍで構成されている。

所与のタイプの食品又は飲料調製マシンと共に機能するように設計されている、或る１つの範囲の容器に関しては、種々のタイプの容器を消費者に提案することができ、その範囲内の容器のそれぞれは、異なる原材料チャンバ幅を有する。

或る１つのタイプのマシンと共に機能するように適合されている、同じ範囲内の全ての容器は、固定された高さを有する。

このことは、或る範囲の容器において、いくつかの容器チャンバのサイズが提案されている場合に、異なる容器間におけるそのような偏差が、それらの容器が機能的に挿入されるマシンの淹出チャンバ閉鎖位置の適合を必要とするものではない点を確実にするために、特に重要である。

より正確には、容器チャンバの容積の偏差は、その径方向寸法を変化させることによって得られるが、その高さ、又はその外側境界（具体的には、リングの外縁部の形状又は直径）を変化させることによるものではない。

好ましい実施形態では、注出壁部は平面状であり、正方形又はディスクの形状を有する。

注出壁部は、好ましくは、食品又は飲料調製マシンの穿孔手段によって穿孔可能な液体不透過性材料で作製されている。

有利には、注入壁部は、液体不透過性材料でコーティング又は積層されている、紙ベースの材料又は堆肥化可能な材料で作製されている。

更には、容器の中央空き領域は、マシンの淹出チャンバの水注入手段による引裂、損傷、又は穿孔に対して抵抗性である。

本発明の任意選択的であるが有利な実施形態では、チャンバ内に収容されているコーヒーは、圧縮コーヒー粉末である。

一般に、注入壁部と注出壁部は、好ましくは、互いに封止されること又は他の方式で接着若しくは溶着されることにより、閉鎖されたチャンバを形成している。

本発明の更なる特徴及び利点は、図面を参照して以下に提示される現在好ましい実施形態の説明において説明されており、それらの説明から明らかとなるであろう。

本発明による容器の一実施形態の斜視上面図である。 食品又は飲料マシンの淹出チャンバ内での、図１の容器の斜視切断図である。

図１は、コーヒー原材料を収容するための、本発明による容器１を示す。容器１は、単回使用の使い捨てポッドを使用するタイプのコーヒー調製マシンの、淹出チャンバ内に挿入して使用するように設計されている。

容器１は、圧力下で水を流通させるために穿刺されること又は他の方式で開口されることが可能な注入壁部３と、コーヒー送出壁部４とによって境界が定められたチャンバ２を備える。コーヒー送出壁部４は、容器内部の流体圧力の上昇の影響下で、少なくとも１つの、好ましくは一連の、マシンの開口要素に接触して穿孔され（又は、一般には開口され）、それら開口要素は、注入壁部を貫通して容器内に水が注入されることにより、容器内部の圧力が上昇すると、開口（例えば、材料に対する穿刺力又は引裂力）を行使する。

容器チャンバ２は、好ましくは焙煎粉砕コーヒーのブレンドである、コーヒーで充填されている。このチャンバは、好ましくは完全に充填されている（ヘッドスペースが存在しない）。本発明の原理によれば、注入壁部は、図１に示されるように、リング形状チャンバ部分を画定するように、半トーラスの形状を有する。

リング形状チャンバ２は、中央容器部分５を包囲しており、この中央容器部分は、図１に示されている実施形態では空であるが、代替案では、リング形状チャンバ部分内に収容されているコーヒー原材料とは異なる、第２の原材料で充填することも可能である。図１に示されている本実施形態では、中央部分は、チャンバ２を包囲している容器の外側部分６のように、注入壁部３を注出壁部４に直接取り付ける（例えば、封止する又は接着する）ことによって形成されている。リング形状チャンバの幅「Ｗ」は、１２ｍｍである。チャンバ２の高さ「Ｈ」は、８ｍｍである。

図２に示されるように、本発明による容器は、食品又は飲料調製マシン（マシン全体は図示されていない）の淹出チャンバ１０内に挿入されるように設計されている。

淹出チャンバ１０は、当該技術分野において既知のタイプのものであり、以降では、特に詳細には説明しないものとする。淹出チャンバは一般に、淹出チャンバを開閉するように互いに対して移動可能な２つの部分、注入部１１及び注出部１２を備える。図２は、淹出チャンバ１０を、その開放状態で示しており、コーヒー容器が、淹出チャンバ内で挿入ソケット１３内に部分的に挿入されている。容器１の正方形の形状の外側部分６は、挿入の間に、挿入ソケットの溝内に案内される。別の実施形態では、容器の外側境界は、正方形以外の別の形状（例えば、円形）を有することも可能である。

注入部は、飲料を調製するために、容器が淹出チャンバ１０の内部に挿入され、容器の周囲で淹出チャンバが閉鎖されると、容器チャンバ２を穿孔して、部分的に貫通して突出することが可能な、一連の注入スパイク１４を備える。スパイクの高さは、チャンバの高さＨよりも低いことにより、スパイクは、容器の注出壁部に決して接触することができない。注入部１１は、飲料マシンの流体システム（水供給源、例えば、パイプを介して水ポンプ及び好ましくは水ヒータに連結されている、水タンク）に連結されている水入口１５を備え、この水入口は、水、好ましくは加熱された水を、スパイク１４を介したコーヒー容器内部への注入のために、淹出チャンバに向けて特定の圧力で送出することが可能である。

淹出チャンバ１０の注出部１２は、上述のような一連の開口要素１６を備え、それら開口要素は、淹出チャンバが閉鎖されると、注出壁部の表面に接触する。

容器内部に水が注入されると、容器内で流体圧力が増大し、この流体圧力は、注出壁部の材料が開口して、水とコーヒーとを混合することによって調製されたコーヒーを排出するまで、注出壁部４を開口要素１６に押し付ける。次いで、コーヒーは、注出部１２の回収チャンバ１７及び注出出口１８を通って、カップ（図示せず）に向けて流れる。

或る１つの所与のタイプの食品又は飲料調製マシンに関しては、１つのサイズのコーヒー容器のみを、消費者に提案することができる。しかしながら、本発明の原理によれば、あらゆる範囲の容器を提案することができ、それらの容器のそれぞれは、異なる原材料チャンバ幅Ｗを有し、このことにより、容器内に収容されているコーヒーの量、またそれゆえ、そのコーヒーで調製することが可能なコーヒーの体積を変化させることが可能となる。重要なことには、リング形状チャンバの幅のみが、容器のタイプによって変化するため、異なるタイプの容器全てに適合することが必要とされるような複雑な淹出チャンバを必要とせずに、異なるタイプの容器を同じマシンで使用することができる。特に、本発明は、提案されている範囲の、異なる容器それぞれの高さに応じて、淹出チャンバの注入部と注出部との間の距離を増大又は減少させるための、複雑な適応システムを不要なものにする。

或る１つのタイプのマシンと機能するように適合されている、同じ範囲内の全ての容器は、固定された高さＨを有する。

リストレット又はエスプレッソなどのショートカップ（すなわち、高品質のクレマを有する１０ｍＬ〜２５ｍＬのカップ内体積）の調製に関しては、焙煎粉砕コーヒーを収容している、小型の容器が使用される。この場合、容器の原材料チャンバの容積は、３．５ｍＬ〜１５ｍＬ、好ましくは９ｍＬ〜１１ｍＬで構成されている。

中サイズのカップのコーヒー（８０ｍＬ〜１３０ｍＬ）の調製に関しては、中サイズの容器が使用される。この場合、容器の原材料チャンバの容積は、１５ｍＬ〜１７ｍＬで構成されている。

アメリカーノ（Ａｍｅｒｉｃａｎｏ）又はルンゴなどのロングカップ（すなわち、１３０ｍＬを超えるカップ内飲料体積）の調製に関しては、焙煎粉砕コーヒーを収容しており、その後、過抽出の香気を有さないロングカップを提供する、大型又は特大の容器サイズを使用することができる。この場合、ポッドの原材料チャンバの容積は、１７ｍＬ〜１１５ｍＬ、好ましくは１７ｍＬ〜２０ｍＬで構成されている。

上記の実施例の全てにおいて、チャンバ２内に収容されているコーヒー粉末は、細粉状又は圧縮状態のいずれかとすることができる。

本発明による容器は、飲料調製マシンに複雑性及びコストを追加することなく、１０ｍＬ〜最大５００ｍＬの最も定性的かつ定量的なコーヒーカップを提供するための、最良の解決策をもたらすことが見出された。

本明細書で説明されている現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつその付随する利点を減じることなく、実施することができる。それゆえ、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

Claims (10)

1. 食品又は飲料調製マシン内で使用するための、コーヒー原材料を収容している容器（１）であって、圧力下で水を流通させるために穿刺されること又は他の方式で開口されることが可能な注入壁部（３）と、コーヒー送出壁部（４）とによって境界が定められたチャンバを備え、前記チャンバが前記コーヒーで充填されている、容器（１）において、前記注入壁部（３）の少なくとも一部分が、リング形状チャンバ（２）を画定するように、半トーラス又は半トロイダル多面体の形状を有することを特徴とする、容器（１）。
2. 前記リング形状チャンバ（２）内に収容されている前記コーヒー原材料が、焙煎粉砕コーヒーである、請求項１に記載のコーヒー容器（１）。
3. 前記リング形状チャンバ（２）が、前記リング形状チャンバ（２）内に収容されている前記コーヒー原材料とは異なる第２の原材料で充填された中央容器部分（５）を包囲している、請求項２に記載のコーヒー容器（１）。
4. 前記第２の原材料が、粉末状の可溶性コーヒー、又は、前記リング形状チャンバ（２）内に収容されている前記コーヒーとは異なる焙煎特性、粉砕特性、及び／若しくは粉体圧縮特性を有する焙煎粉砕コーヒーである、請求項３に記載のコーヒー容器（１）。
5. 前記リング形状チャンバ（２）の幅が、５〜１５ｍｍで構成されている、請求項１〜４のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。
6. 前記注出壁部（４）が、平面状であり、正方形又はディスクの形状を有する、請求項１〜５のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。
7. 前記注出壁部（４）が、前記食品又は飲料調製マシンの穿孔手段によって穿孔可能な液体不透過性材料で作製されている、請求項１〜６のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。
8. 前記注入壁部（３）が、紙ベースの材料又は堆肥化可能な材料で作製されている、請求項１〜７のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。
9. 前記注入壁部（３）と前記注出壁部（４）が、互いに封止されること又は他の方式で接着若しくは溶着されることにより、閉鎖されたチャンバを形成している、請求項１〜８のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。
10. 前記チャンバ内に収容されている前記コーヒーが、圧縮コーヒー粉末である、請求項１〜９のいずれか一項に記載のコーヒー容器（１）。

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