JP5631806B2 - 発電装置及び発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素発生剤と反応液との反応で発生させた水素を燃料電池に供給して発電を行う発電装置及び発電方法に関し、特に電力消費量に応じた水素発生を簡易な装置構成で自動的に行える技術として有用である。
水素発生剤と反応液との反応で発生させた水素を燃料電池に供給して発電を行う発電装置としては、例えば、下記特許文献1に開示されている。特許文献1の発電装置は、一方の表面から燃料ガスが供給され、他方の表面から酸素が供給されることで発電を行なう複数の発電セルと、その複数の発電セルを前記一方の表面を内部に向けて保持することで、前記複数の発電セルと共に内部空間を形成するセル保持体と、そのセル保持体の前記内部空間に配置され、燃料ガスを発生させる燃料発生部と、を備えるものである。
この発電装置では、燃料発生部において最初に反応液を水素発生剤に供給した後、一定の速度で水素を発生させることで発電を行う方式を採用しており、電力消費量に応じで水素発生量を制御する方式は採用されていなかった。
一方、電力消費量に応じた水素発生を簡易な装置構成で行える技術としては、例えば、下記特許文献2に開示されている。特許文献2の発電装置は、反応液を加圧して排出する加圧容器と、反応液と反応して水素を発生させる水素発生剤を収容する反応容器と、発生した水素をアノード側供給部から供給して発電を行う燃料電池とを備え、反応容器から排出される水素を加圧容器に供給することで、加圧容器内の圧力を一定以上に保つ方式が採用されている。
国際特開WO2009/122910号公報 国際特開WO2006/101214号公報
しかしながら、特許文献2の発電装置では、燃料電池のアノード側空間又は流路に存在した空気(主に窒素ガス)を最初に排出しないと、水素分圧の低下により十分な発電を行うことができず、また、前記排出を行った後も、加圧容器内に最初に存在した空気が、発生した水素と共に燃料電池のアノード側空間に導入されて濃縮されることで、発電効率の低下が生じるという問題があった。
このような窒素ガスの濃縮による問題は、ガスの排出を頻繁に行うことで解消できるが、その場合、ガスの排出のための制御機構や排出機構が複雑化するため、発電装置を実用化する際の障壁となっていた。
そこで、本発明の目的は、電力消費量に応じた水素発生が自動的に行え、しかも、燃料電池からの窒素ガス等の排出を簡易な装置構成で自動的に行える発電装置及び発電方法を提供することにある。
上記目的は、以下の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の発電装置は、反応液を加圧して排出する加圧容器と、反応液と反応して水素を発生させる水素発生剤を収容する反応容器と、水素を供給するアノード側供給部及びガスを排出するアノード側排出部を有し、アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、前記加圧容器から排出される反応液を、逆止弁を介して前記反応容器に供給する反応液供給路と、前記反応容器から排出される水素を前記アノード側供給部に供給する水素供給路と、前記燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して前記加圧容器に供給する排出ガス導入路と、を備えることを特徴とする。
本発明の発電装置によると、加圧容器内の圧力より反応容器内の圧力が大きい時には、加圧容器からの反応液の供給が停止しており、反応液の新たな供給による水素発生は起らない。但し、既に発生した水素が十分残存するため、燃料電池による発電は行える状態にある。燃料電池の発電によって水素が消費され、反応容器内の圧力が低下して加圧容器内より圧力が低下すると、加圧容器からの反応液の供給が開始し、水素発生により反応容器内の圧力が増加する。これらの繰り返しによって、電力消費量に応じて、反応液が供給されることで、簡易な装置構成により水素発生を自動的に行える。
上記の発電を行う際、燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して加圧容器に供給する排出ガス導入路を設けてあるため、水素発生で加圧容器より反応容器の圧力が高くなった際に、水素供給路、燃料電池、排出ガス導入路を介して、加圧容器を加圧できるので、長期間にわたり加圧容器の圧力低下を防止することができる。その際、反応容器から水素が燃料電池に供給されるが、これによってアノード側排出部から窒素ガス等を排出することができる。その結果、電力消費量に応じた水素発生が自動的に行え、しかも、燃料電池からの窒素ガス等の排出を簡易な装置構成で自動的に行える発電装置を提供することができる。
上記において、前記反応液供給路には、反応液の流量を制限する流量制限部を有することが好ましい。このような流量制限部を設けることで、反応液の供給速度と水素の消費速度とのバランスを良好にして、安定した水素の圧力で発電を行うことができる。
また、前記反応液供給路には2以上の逆止弁を備えると共に、これら逆止弁同士の中間部に接続されたバッファ容器を有し、そのバッファ容器は加圧部を備えており、加圧部に抗した反応液の導入及び加圧部による反応液の排出を行い得るものであることが好ましい。このようなバッファ容器を設けることで、加圧容器内の急激な圧力上昇の影響を緩和することができるため、より安定した反応液の供給により、より安定した水素の圧力で発電を行うことができる。
また、前記水素供給路及び/又は前記排出ガス導入路には、一定以上の圧力でガスを開放する安全弁を有することが好ましい。このような安全弁を設けることで、系内の圧力が過剰に上昇することを防止して、燃料電池等の機器の破損等を効果的に防止することができる。
一方、本発明の発電方法は、加圧容器内の反応液を加圧して排出し、逆止弁を介して反応容器に供給する工程と、前記反応容器に供給された反応液を水素発生剤と反応させて水素を発生させる工程と、前記反応容器から排出される水素を燃料電池のアノード側供給部に供給して発電を行う工程と、前記燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して前記加圧容器に供給する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の発電方法によると、加圧容器内の圧力より反応容器内の圧力が大きい時には、加圧容器からの反応液の供給が停止しており、反応液の新たな供給による水素発生は起らない。但し、水素が十分残存するため、燃料電池による発電は行える状態にある。燃料電池の発電によって水素が消費され、反応容器内の圧力が低下して加圧容器内より圧力が低下すると、加圧容器からの反応液の供給が開始し、水素発生により反応容器内の圧力が増加する。これらの繰り返しによって、電力消費量に応じて、反応液が供給されることで、水素発生が自動的に行える。
上記の発電を行う際、燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して前記加圧容器に供給する工程を含むため、水素発生で加圧容器より反応容器の圧力が高くなった際に、水素供給路、燃料電池、排出ガス導入路を介して、加圧容器を加圧できるので、長期間にわたり加圧容器の圧力低下を防止することができる。その際、反応容器から水素が燃料電池に供給されるが、これによってアノード側排出部から窒素ガス等を排出することができる。その結果、電力消費量に応じた水素発生が自動的に行え、しかも、燃料電池からの窒素ガス等の排出を簡易な装置構成で自動的に行える発電装置を提供することができる。
上記において、反応液を反応容器に供給する際、反応液の流量を制限する流量制限部を介して反応液の供給を行うことが好ましい。このような流量制限部を介して反応液の供給を行うことで、反応液の供給速度と水素の消費速度とのバランスを良好にして、安定した水素の圧力で発電を行うことができる。
また、反応液を反応容器に供給する際、加圧部を有するバッファ容器を用いて、加圧部に抗した反応液の導入又は加圧部による反応液の排出を行いながら、反応液の供給を行うことが好ましい。このようなバッファ容器を設けることで、加圧容器内の急激な圧力上昇の影響を緩和することができるため、より安定した反応液の供給により、より安定した水素の圧力で発電を行うことができる。
また、反応液を反応容器に供給する際、及び/又は、排出ガスを加圧容器に供給する際、安全弁により一定以上の圧力でガスを開放することが好ましい。このような安全弁により一定以上の圧力でガスを開放することで、系内の圧力が過剰に上昇することを防止して、燃料電池等の機器の破損等を効果的に防止することができる。
本発明の発電装置の一例を示す概略構成図 本発明の発電装置の要部の一例を示す縦断面図 本発明の発電装置の他の例を示す概略構成図 実施例1における結果を示すグラフ 実施例2における結果を示すグラフ 比較例1における結果を示すグラフ
本発明の発電装置は、図1に示すように、反応液1aを加圧して排出する加圧容器1と、反応液1aと反応して水素を発生させる水素発生剤2bを収容する反応容器2と、水素を供給するアノード側供給部3d及びガスを排出するアノード側排出部3eを有し、アノード3aに供給された水素で発電を行う燃料電池3とを備える。
また、本発明の発電装置は、加圧容器1から排出される反応液1aを、逆止弁4aを介して反応容器2に供給する反応液供給路4と、反応容器2から排出される水素をアノード側供給部3dに供給する水素供給路5と、燃料電池3のアノード側排出部3eから排出される排出ガスを逆止弁6aを介して加圧容器1に供給する排出ガス導入路6とを備える。
本実施形態では、加圧容器1に対する初期の加圧を、排出ガス導入路6に設けた加圧ガス導入部6dに接続した初期加圧用経路7から行う例を示す。
加圧容器1は、内部に収容した反応液1aを加圧して排出する構造であればよく、密閉容器内に、直接反応液1aを収容する形態でも、内部に設けた別の容器を介して反応液1aを収容する形態でもよい。本実施形態では、密閉容器内に、別の容器を介して反応液1aを収容する場合の例を示す。
この例では、膨張可能又は変形可能な内部容器1bが用いられ、その内部に反応液1aを収容する。加圧容器1内の圧力が大きくなると、内部容器1bを介して反応液1aが加圧され、加圧容器1から排出することができる。反応液としては、水素発生剤2bと反応して水素を発生させるものであればよく、中性の水、酸水溶液、アルカリ水溶液などが用いられる。
膨張可能又は変形可能な内部容器1bとしては、ゴム製や樹脂製などの袋、蛇腹部を有する容器、シリンジ型容器などが挙げられる。また、これらにバネ、弾性体などの付勢手段を組み合わせたものでもよい。付勢手段を組み合わせることにより、加圧容器1内の圧力に加えて、付勢手段による押圧力を内部容器1bに付与することができる。本発明では、加圧容器1の設置状態が変化しても反応液1aを排出できるようにする(天地無用)観点から、内部容器1bを用いる方式が好ましい。
内部容器1bを用いる場合の体積(反応液の体積)は、空気の残存による問題を抑制しつつ、安定した加圧を行う観点から、加圧容器1の容積の50〜90%が好ましい。
加圧容器1内の圧力は、大気圧以上であればよいが、好ましくはゲージ圧として、500kPa以下の一定範囲、より好ましくは300kPa以下の一定範囲で制御されていることが望ましい。このような圧力の制御は、系内に設ける安全弁の圧力設定によって制御することができる。また、上記の圧力制御を、二次側の圧力に応じた弁の開閉によって、二次側の圧力一定に制御する圧力レギュレータを用いて行ってもよい。
反応液供給路4は、加圧容器1から排出される反応液1aを、逆止弁4aを介して反応容器2に供給するものである。本実施形態では、反応液供給路4に反応液1aの流量を制限する流量制限部4bを有する例を示す。
逆止弁4aは、液体の一方向の流動のみを許容する弁であれば何れのものも使用可能である。ただし、装置全体の小型化を図る上で、一次側が二次側の圧力より大のときに開口し、小のときには閉口するくちばし状の弾性部材を備える逆止弁が好ましい。このような逆止弁4aは、ダックビルと呼ばれており、各種のものが市販されている。
流量制限部4bとしては、反応液1aの流量を制限できるものであればよく、開度調整が可能なものでもよいが、流量制限の性能の再現性を高める観点から、開度が固定されているものが好ましい。
流量制限部4bとしては、具体的には、直径又は断面が一定の細管を用いることが好ましく、細管の内径又は内面積と長さによって、流動抵抗(圧力損失)を調節することができる。なお、反応液供給路4の配管を長さや太さを調整することにより、同様の流量制限を行うことが可能である。
流量制限部4bによって制限される反応液1aの流量は、発電量や使用する水素発生剤などに応じて決定される。出力3W程度の発電装置の場合、反応液の供給速度と水素の消費速度とのバランスを良好にして、安定した水素の圧力で発電を行う観点より、例えば圧力50kPaのときに、制限される反応液1aの流量は、5〜40mL/分が好ましく、10〜20mL/分がより好ましい。
反応容器2は、反応液1aと反応して水素を発生させる水素発生剤2bを収容するものである。反応容器2としては、密閉容器が用いられるが、水素発生剤2bを収容する際に、開閉可能なものが好ましい。なお、反応容器2としては、水素発生剤2bの反応でアルカリが生じる場合があるため、耐アルカリ性を有する材料を用いるのが好ましい。
反応容器2の容積は、反応時の水素発生剤2bの膨張を考慮しつつ、初期の空気の量を減らす観点から、水素発生剤2bの体積の1.2〜3倍が好ましく、1.5〜2倍がより好ましい。
水素発生剤2bとしては、粒状等の水素発生物質を単独で使用する(樹脂包埋せずに使用する)ことも可能であるが、反応液との反応速度を制御する観点から、樹脂の母材中に粒状の水素発生物質を含有するものが好ましい。その際、使用する樹脂としては、反応を適度に調整する観点から、水溶性樹脂以外のものが好ましい。
水素発生物質としては、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム、又は水素化マグネシウムなどの水素化金属、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム等の金属、水素化ホウ素化合物等の金属水素錯化合物などが挙げられる。中でも、水素化金属が好ましく、特に水素化カルシウムが好ましい。水素化金属化合物、金属、金属水素錯化合物は、何れかを複数組み合わせて使用することもでき、また、それぞれを組み合わせて使用することも可能である。
即ち、水素発生剤としては、水溶性樹脂を除く樹脂の母材中に、粒状の水素化カルシウム(CaH)を含有するものが特に好ましい。この水素発生剤では、粒状の水素化カルシウムが樹脂のマトリックス中に分散又は埋設された状態となり、これにより、水素化カルシウムの反応性が抑制され、水との反応の際の取り扱い性が改善される。また、水素発生物質として水素化カルシウムを使用することで、水等との反応性が高くなり、水等と反応した際に生成する反応物(水酸化カルシウム)の体積膨張率が高くなるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きくなり、水等との反応が自然に内部まで進行し易くなる。
水素発生物質の含有量は、好ましくは水素発生剤中60重量%以上であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、60〜90重量%であることが好ましく、70〜85重量%がより好ましい。
粒状の水素発生物質の平均粒径は、樹脂中への分散性や反応を適度に制御する観点から、1〜100μmが好ましく、6〜30μmがより好ましく、8〜10μmが更に好ましい。
水素化カルシウムに他の水素発生物質を添加する場合、その水素発生物質の含有量は、水素発生剤中、0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましく、0〜5重量%が更に好ましい。
樹脂としては、好ましくは水溶性樹脂以外のものが使用され、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などが挙げられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を使用することで、一般的に樹脂母材がもろくなり易く、反応の際に樹脂母材がより容易に崩壊して、反応が自然に進行し易くなる。
なお、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、芳香族系のポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、水素発生反応中に樹脂母材が適度な崩壊性を有する観点から、エポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を硬化させる際には、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤などが適宜併用される。
樹脂の含有量は、好ましくは40重量%未満であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
用いられる水素発生剤には、上記の成分以外の任意成分として、触媒、充填材、などのその他の成分を含有してもよい。触媒としては、水素発生剤用の金属触媒の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ化合物も有効である。
水素発生剤は、多孔質化された構造でもよいが、実質的に中実の構造が好ましい。つまり、本発明の水素発生剤は、空孔率(%)=空孔体積/全体積×100が5%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。用いられる水素発生剤は、シート状、粒状(粉砕物)、塊状(成形品)など何れの形状でもよいが、粉砕を行う場合、その粒径は、1〜10mmが好ましく、2〜5mmがより好ましい。
水素供給路5は、反応容器2から排出される水素を燃料電池3のアノード側供給部3dに供給するものである。本実施形態では、水素供給路5に、一定以上の圧力でガスを開放する安全弁5bと、アンモニア除去剤5aと、流量調整弁5cを有する例を示す。
本発明では、発生した水素から、不純物であるアンモニアを除去するために、水素供給路5にアンモニア除去剤を設けてもよい。具体的には、シート状のアンモニア除去剤を容器内に充填したものを使用することができる。このようなアンモニア除去剤は、シート状に形成されたものが市販されているが、粒状の吸着剤等を通気性の袋に収容したものを使用することも可能である。
アンモニア除去剤としては、例えば、水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤(吸着・分解や反応吸着などの化学吸着を含む)、アンモニアを溶解除去する吸収剤、アンモニアを反応により除去する反応剤、アンモニアを分解(加熱分解・触媒反応分解等)により除去する分解手段、などが挙げられるが、アンモニアを物理吸着又は化学吸着により除去する吸着剤を備えることが好ましい。
中でも吸着剤が、物理吸着又は化学吸着によりアンモニアを除去するものであることがより好ましく、固体酸、活性炭(固体酸に相当するものを除く)、ゼオライト(固体酸に相当するものを除く)、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上であることが更に好ましい。中でも、アンモニアの吸着除去能力やより高温で吸着可能な観点から、固体酸を用いることが好ましい。
固体酸としては、固体酸自体が粒状であるものや、粒状体に固体酸や液体酸を担持させたものなどがあるが、活性炭に金属塩を担持したものがコストや製造性などの観点からより好ましい。金属塩としては、硫酸塩、リン酸塩、塩化物塩、硝酸塩が挙げられ、塩を形成する金属としては、金属塩として酸性を示す金属が好適に使用できる。
活性炭(固体酸に相当するものも含む)としては、GW48/100、GW−H48/100、GG10/20、2GG、GLC10/32、2GS、GW10/32、GW20/40、KLY10/32、KW10/32、KW20/42(以上、クラレケミカル(株)製)、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤、S剤(酸用)(以上、アニコジャパン(株)製)、4T−B、4T−C、4G−H、4SA、2GS、GW20/4042(以上、クラレケミカル(株)製)などが挙げられ、好ましくは4T−B、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤である。
ゼオライトとしては、BX、HISIV、R−3(以上、ユニオン昭和(株)製)などが挙げられ、好ましくはBXである。
モレキュラーシーブとしては、ゼオラムA−3、ゼオラムA−4(以上、東ソー(株)製)などが挙げられ、好ましくはゼオラムA−4である。
安全弁5bは、一定以上の圧力でガスを開放するものであれば何れのものも使用可能であるが、小型化及び軽量化を図る観点から、安全弁5bとしては、アンブレラ型、ダックビル型、金属製のボールバルブ型などの弁を用いることが好ましい。なお、安全弁5bの設定圧力は、系の耐圧性に応じて決定されるが、例えば30〜500kPa程度に設定される。
流量調整弁5cとしては、燃料電池3に供給する水素の流量を調整する弁が使用され、開度の調整によって、水素の流量が調整される。流量調整弁5cによって調整される水素の流量は、発電装置の電力等によって決定されるが、出力3W程度の発電装置の場合、安定した水素の圧力で発電を行う観点より、30〜100mL/分が好ましく、40〜60mL/分がより好ましい。なお、流量調整弁5cは必ず設置しなければならないわけではなく、小型化、低コスト化の観点から、省略することも可能である。
燃料電池3は、アノード3aに供給された水素で発電を行うものであり、水素を供給するアノード側供給部3d及びガスを排出するアノード側排出部3eを有している。燃料電池3としては、水素を供給して発電を行うものが何れも使用できる。本発明では、スタック型の燃料電池を使用することも可能であるが、装置の小型化・軽量化の観点から、単位セルを平面状に配置したものが好ましい。なお、燃料電池3は、複数の単位セルを備えるものでよく、その場合、単位セル同士は接続部により直列又は並列に電気的に接続される。
燃料電池3を構成する単位セルは、例えば、固体高分子電解質層3bと、この固体高分子電解質層3bの両側に設けられた第1電極層3a及び第2電極層3cと、これら電極層3a,3cの更に外側に各々配置された第1導電層及び第2導電層とを有する。本実施形態では、図2に示すように、第1導電層及び第2導電層が、第1電極層3a及び第2電極層3cを部分的に露出させる露出部を有する第1金属層14及び第2金属層15とからなる例を示す。これらの各層は、インサート成形により樹脂で一体化されていることが好ましい。インサート成形により単位セルを製造する方法は、国際公開WO2009/145090号公報に詳述されている。
本実施形態の燃料電池3では、図2に示すように、単数又は複数の単位セルのアノード側を覆うように、空間形成部3gが単位セルと一体的に設けられ、空間形成部3gの内部にアノードに水素を供給するための空間3fが設けられている。空間形成部3gの両側の側壁には、水素を供給するアノード側供給部3d及びガスを排出するアノード側排出部3eが形成されている。
固体高分子電解質層3bとしては、従来の固体高分子膜型の燃料電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質層3bの厚みは、薄くするほど全体の薄型化及び高出力化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、15〜50μmが好ましい。
電極層3a,3cは、固体高分子電解質層3bの表面付近でアノード側およびカソード側の電極反応を生じさせるものであれば何れでもよい。なかでも、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガス、燃料液、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが好適に使用できる。電極層3a,3cとしては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質層3bと接する内面側に少なくとも担持させるのが好ましい。
電極層3a,3cの電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。また、固体高分子電解質層3bに触媒を直接付着させたり、カーボンブラックなどの導電性粒子に担持させて固体高分子電解質層3bに付着させた電極層3a,3cを用いることも可能である。
一般に、電極層3a,3cは、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極層3a,3cや固体高分子電解質層3bは、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスを用いる。
空気が自然供給される側のカソード側の第2電極層3c(本明細書では、アノード側を第1電極層、カソード側を第2電極層と仮定する)では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極層3a,3cの厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、1〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。電極層3a,3cと固体高分子電解質層3bとは、予め接着、融着、又は塗布形成等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
アノード側電極層3aの表面にはアノード側の第1金属層14が配置され、カソード側電極層3cの表面にはカソード側の第2金属層15が配置される(本明細書では、アノード側を第1金属層、カソード側を第2金属層と仮定する)。第1金属層14は、第1電極層3aを部分的に露出させる露出部を有するが、本実施形態では、アノード側金属層14には燃料ガス等を供給するための開孔が設けられている例を示す。
第1金属層14の露出部は、アノード側電極層3aが露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。アノード側金属層14の開孔14aは、例えば、規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開孔を設けてもよい。開孔部分の面積が締める割合(開孔率)は、電極との接触面積とガスの供給面積のバランスなどの観点から、10〜50%が好ましく、15〜30%がより好ましい。
また、カソード側の第2金属層15は、第2電極層3cを部分的に露出させる露出部を有するが、本実施形態では、カソード側金属層15には、空気中の酸素を供給(自然吸気)するための多数の開孔15aが設けられている例を示す。開孔の形状、大きさ、開孔率等は、アノード側の第1金属層と同様である。
金属層としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、導電性、コスト、形状付与性、加圧のための強度などの観点から、銅、銅合金、ステンレス板などが好ましい。また、上記の金属に金メッキなどの金属メッキを施したものでもよい。
なお、金属層の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、導電性、コスト、重量、形状付与性、加圧のための強度などを考慮すると、10〜1000μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
第1金属層14及び第2金属層15は、少なくとも一部が樹脂から露出することにより、その部分を電極として電気を外部に取り出すことができる。このため、樹脂成形体に対して、第1金属層14及び第2金属層15を一部露出させた端子部を設けてもよい。金属層の形成や開孔の形成は、プレス加工(プレス打ち抜き加工)を利用して行うことができる。
燃料電池3には、燃料電池3で発電した電力を、所定の電圧等で出力する出力回路9を設けてもよい。出力回路9には、例えば、直流電圧を変換するためのDC/DCコンバータや、電力を一時的に蓄電する蓄電手段などが設けられる。
排出ガス導入路6は、燃料電池3のアノード側排出部3eから排出される排出ガスを逆止弁6aを介して加圧容器1に供給するものである。本実施形態では、排出ガス導入路6に、一定以上の圧力でガスを開放する安全弁6cと、流量調整弁6bとを設けた例を示す。
逆止弁6aとしては、気体の一方向の流動のみを許容する弁であれば何れのものも使用可能である。ただし、装置全体の小型化を図る上で、一次側が二次側の圧力より大のときに開口し、小のときには閉口するくちばし状の弾性部材を備える逆止弁が好ましい。このような逆止弁6aは、ダックビルと呼ばれており、各種のものが市販されている。ボールバルブを用いた小型の逆止弁もシステムの小型化には有効である。
安全弁6cとしては、水素供給路5に設けられる安全弁5bと同様のものを使用することができる。但し、安全弁6cの設定圧力は、安全弁5bの設定圧力より小さくすることが好ましい。このような圧力設定の関係により、系内の圧力が高すぎる場合に、排出ガス導入路6に設けられる安全弁6cの方が優先的に開放されるため、排出ガス導入路6側への流動が起り易くなり、しかも、燃料電池3のアノード側排出部3eから排出される窒素ガス等を安全弁6cを介して排出し易くなる。
流量調整弁6bとしては、燃料電池3から排出されたガスの流量を調整する弁が使用され、開度の調整によって、排出ガスの流量が調整される。本発明において、流量調整弁6bを省略することは可能であるが、流量調整弁6bを設けることにより、加圧容器1内の圧力が急激に変動することを防止でき、安定した反応液1aの供給が可能となる。この調整弁の代わりに微細な経を持ったキャピラリーチューブを用いてもよい。
本実施形態では、排出ガス導入路6に設けた加圧ガス導入部6dに接続した初期加圧用経路7から、初期の加圧を行うが、初期加圧用経路7には、加圧ガスの逆流(漏洩)を防止するための、逆止弁7aが設けられている。逆止弁7aの代わりに、開閉が可能な弁を利用することもできる。その場合、開状態で加圧を行った後、閉状態とされる。逆止弁7aとしては、反応液供給路4に設けられる逆止弁4aと同様のものを使用することができる。
初期の加圧には、何れのガスを用いてもよいが、安全性やコストの観点から、空気を用いるのが好ましい。
一方、本発明の発電方法は、以上のような本発明の発電装置を用いて好適に実施することができる。即ち、本発明の発電方法は、加圧容器1内の反応液1aを加圧して排出し、逆止弁4aを介して反応容器2に供給する工程と、前記反応容器2に供給された反応液1aを水素発生剤2aと反応させて水素を発生させる工程と、前記反応容器2から排出される水素を燃料電池3のアノード側供給部3dに供給して発電を行う工程と、前記燃料電池3のアノード側排出部3eから排出される排出ガスを、逆止弁6aを介して前記加圧容器1に供給する工程と、を含むものである。
本発明では、反応液1aを反応容器2に供給する際、反応液1aの流量を制限する流量制限部4bを介して反応液1aの供給を行うことが好ましい。また、反応液1aを反応容器2に供給する際、加圧部8bを有するバッファ容器8を用いて、加圧部8bに抗した反応液1aの導入又は加圧部8bによる反応液1aの排出を行いながら、反応液1aの供給を行うことが好ましい。
また、反応液1aを反応容器2に供給する際、及び/又は、排出ガスを加圧容器1に供給する際、安全弁5b,6cにより一定以上の圧力でガスを開放することが好ましい。このような安全弁により一定以上の圧力でガスを開放することで、系内の圧力が過剰に上昇することを防止して、燃料電池等の機器の破損等を効果的に防止することができる。
(他の実施形態)
(1)前述の実施形態では、加圧容器内に内部容器を設ける例を示したが、加圧容器内に反応液を直接収容してもよい。その場合、加圧容器の内部空間が加圧されることで、圧力を受けた反応液が配管から外部に排出する。また、可動隔壁を内部空間と反応液との間に設けて、可動隔壁が移動することで、反応液が排出されるようにしてもよい。
(2)前述の実施形態では、加圧容器に対する初期の加圧を、排出ガス導入路に設けた加圧ガス導入部に接続した初期加圧用経路から行う例を示したが、初期加圧は、加圧容器に対して、直接行うことも可能である。また、初期加圧に水素ガスを用いる場合、反応容器、水素供給路などに対して、加圧を行うことが可能となる。
また、反応液供給路に開閉可能な弁を設けて、弁を閉じた状態で予め加圧容器を加圧状態にしておき、弁を開けることで、発電を開始するようにしてもよい。
(3)前述の実施形態では、単位セルのアノード側を覆うように、空間形成部が単位セルと一体的に設けられ、その内部にアノードに水素を供給するための空間が設けられている例を示したが、水素を供給するためのガス流路が、燃料電池に予め形成されたものを用いてもよい。
また、このような燃料電池としては、少なくとも一方の側に、燃料等を供給するための流路を設けた単位セルが独立して構成された構成燃料電池、又はセパレータを介在させたスタックタイプの燃料電池などを使用することが可能である。
(4)前述の実施形態では、反応液供給路にバッファ容器を設けない例を示したが、本発明では、図3に示すように、加圧部8bを備え、加圧部8bに抗した反応液1aの導入及び加圧部8bによる反応液1aの排出を行い得るバッファ容器8を設けてもよい。バッファ容器8を設ける場合、反応液供給路4には2以上の逆止弁4aが設けられ、これら逆止弁4a,4a同士の中間部にバッファ容器8が接続される。
図示した例では、ピストンに相当する加圧部8bがコイルバネ8aによって付勢されているが、ジャバラ式容器やゴム容器などで加圧部を構成してもよい。
(5)前述の実施形態では、排出ガス導入路に、一定以上の圧力でガスを開放する安全弁を設けた例を示したが、本発明では、排出ガス導入路は省略することも可能である。また、安全弁の代わりに、二次側の圧力に応じた弁の開閉によって、二次側の圧力一定に制御する圧力レギュレータを用いてもよい。安全弁の代わりに圧力レギュレータを用いることで、余剰の水素ガスが系外に放出されるのを抑制することができる。
つまり、水素供給路に設けた安全弁と、排出ガス導入路に設けた圧力レギュレータとの組合せによって、系内の圧力を一定以下に保ちながら、系外に排出する水素ガスを少なくすることとができ、更に加圧容器の圧力を独立して制御できるようになる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
燃料電池として、図2に示す構造を有し、次の材料でインサート成形した平面型セル(単位セル4枚分を直列接続したもの)を、空間形成部と一体化することにより製造したものを用いた。即ち、金属板として金メッキした複数の開口を有するニッケル板、固体高分子電解質層としてのナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112、33mm×12mm、厚み15μm)、触媒層としての白金担持カーボン触媒、電極層としてのカーボンペーパー(厚み370μm、33mm×12mm)、成形用樹脂として樹脂((株)プライムポリマー製、ポリプロピレン樹脂、J−700GP)を用いた。
水素発生剤として、次のようして製造した成形体を用いた。即ち、未硬化のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、jER828)11.7gにCaH(和光純薬社製、平均粒径10μm)37.5gを添加して撹拌後、更にジシアンジアミド系硬化剤(ジャパンエポキシレジン(株)製、DICY7)0.7g、変性脂肪族(3級アミン)硬化促進剤(ジャパンエポキシレジン(株)製、3010、トリスジメチルアミノメチルフェノール)0.12gを添加して撹拌した。フラットな金属板上にアルミニウムシートを置き、更にその表面に金属枠材を置き、前記の混合物を金属枠材の内側(30mm×46mm)に塗布して、金属枠材の上面にフラットな金属板を置いた状態(圧力2MPa相当)で、乾燥機(120℃設定)にて約60分間乾燥硬化させた。得られた硬化物は、厚みが0.6mm、CaHの含有量が75重量%であり、実質的に中実の成形体であった。
図1及び図2に示す装置において、反応液である水20gを加圧容器(容積50mL)に収容し、水素発生剤12gを反応容器(容積50mL)に収容し、アノード側空間を容積9mLとした燃料電池を用い、反応液供給路の流量制限部を内径0.1mm長さ10mmのPEEK樹脂チューブとし、水素供給路の安全弁の設定圧力を100kPaとし、排出ガス導入路の安全弁の設定圧力を50kPaとし、初期の加圧を行って、発電を開始した。発電は、出力電力が一定になるように、電子負荷機で出力電流を制御しながら行った。発電を約6時間行った際の測定点P1における水素圧と、測定点P2における圧力(水圧)と、出力電力とを、図4に示す。
その結果、水圧の低下は見られず、加圧容器への加圧が有効であることが判明した。また、水素圧の変化が多少見られるものの、一定の出力電力が確保でき、窒素の濃縮による問題も生じなかった。
実施例2
実施例1において、図1に示す装置の代わりに、図3に示す装置を用いて、次のように条件を設定したこと以外は、実施例1と全く同じ条件で発電を行った。バッファ容器の容積60mLとし、約70kPaを界にして、加圧部に抗した反応液の導入及び加圧部による反応液の排出を行い得るように、コイルバネによる付勢力とピストンの位置を調整した。その際の測定点P1における水素圧と、測定点P2における圧力(水圧)と、出力電力とを、図5に示す。
その結果、水圧の低下は見られず、加圧容器への加圧が有効であることが判明した。また、水素圧の変化が多少見られるものの、一定の出力電力が確保でき、窒素の濃縮による問題も生じなかった。実施例1との比較により、上記のようなバッファ容器を設けることで、反応液の供給速度が安定し、水素圧の変化がより小さくなることが分かった。
比較例1
実施例1において、図1に示す装置の排出ガス導入路6を設けずに、燃料電池3のアノード側排出部3eを塞いだこと以外は、実施例1と全く同じ条件で発電を行った。この装置では、窒素が排出されずに燃料電池3のアノード側空間に濃縮するため、初期と発電中の一定期間にアノード側排出部3eからガスを一部排出する必要があった。
その際の測定点P1における水素圧と、測定点P2における圧力(水圧)と、出力電力とを、図6に示す。この結果から明らかなように、排出ガス導入路を設けない場合、水圧が徐々に低下して、水圧による反応液の供給が安定して行えなくなる。
比較例2
実施例1において、図1に示す装置の排出ガス導入路6を燃料電池3のアノード側排出部3eに接続する代わりに、反応容器に接続したこと以外は、実施例1と全く同じ条件で発電を行った。この装置でも、窒素が排出されずに燃料電池3のアノード側空間に濃縮するため、初期と発電中の一定期間にアノード側排出部3eからガスを一部排出する必要があった。
1 加圧容器
1a 反応液
1b 内部容器
2 反応容器
2b 水素発生剤
3 燃料電池
3a 電極層(アノード)
3b 固体高分子電解質層
3c 電極層(カソード)
3d アノード側供給部
3e アノード側排出部
4 反応液供給路
4a 逆止弁
4b 流量制限部
5 水素供給路
5a アンモニア除去剤
5b 安全弁
5c 流量調整弁
6 排出ガス導入路
6a 逆止弁
6b 流量調整弁
6c 安全弁
6d 加圧ガス導入部
7 初期加圧用経路
7a 逆止弁
8 バッファ容器
8a コイルバネ
8b 加圧部
9 出力回路
14 金属層(アノード側)
14a 開孔
15 金属層(カソード側)
15a 開孔

Claims (4)

  1. 反応液を加圧して排出する加圧容器と、
    反応液と反応して水素を発生させる水素発生剤を収容する反応容器と、
    水素を供給するアノード側供給部及びガスを排出するアノード側排出部を有し、アノードに供給された水素で発電を行う燃料電池と、
    前記加圧容器から排出される反応液を、2以上の逆止弁を介して前記反応容器に供給する反応液供給路と、
    前記逆止弁同士の中間部に接続され、加圧部を備えることで、加圧部に抗した反応液の導入及び加圧部による反応液の排出を行い得るバッファ容器と、
    前記反応液供給路に設けられ、反応液の流量を制限する流量制限部と、
    前記反応容器から排出される水素を前記アノード側供給部に供給する水素供給路と、
    前記燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して前記加圧容器に供給する排出ガス導入路と、を備える発電装置。
  2. 前記水素供給路及び/又は前記排出ガス導入路には、一定以上の圧力でガスを開放する安全弁を有する請求項1に記載の発電装置。
  3. 加圧容器内の反応液を加圧して排出し、2以上の逆止弁を介して反応容器に供給する工程と、
    前記反応容器に供給された反応液を水素発生剤と反応させて水素を発生させる工程と、
    前記反応容器から排出される水素を燃料電池のアノード側供給部に供給して発電を行う工程と、
    前記燃料電池のアノード側排出部から排出される排出ガスを、逆止弁を介して前記加圧容器に供給する工程と、を含む発電方法であって、
    反応液を前記反応容器に供給する際、前記2以上の逆止弁同士の中間部に接続され、加圧部を有するバッファ容器を用いて、加圧部に抗した反応液の導入又は加圧部による反応液の排出を行いながら、反応液の流量を制限する流量制限部を介して反応液の供給を行う発電方法
  4. 反応液を反応容器に供給する際、及び/又は、排出ガスを加圧容器に供給する際、安全弁により一定以上の圧力でガスを開放する請求項3に記載の発電方法。
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