JP5631610B2 - 固体製品の表面改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体製品(被処理物)の表面改質方法に関する。さらに詳しくは、熱分解性の表面改質剤と可燃性ガスと酸化性ガスとを混合させた燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品(被処理物)の表面に対して、全面的又は部分的に吹き付けて固体の表面濡れ性を改善する表面改質方法に係る発明である。
ここで、被処理物である固体製品の形態としては、各種成形品、板材、棒材、筒材、シート、フィルム、線材(繊維を含む。)さらには粉粒体も含む。
また、固体製品の材質としては、高分子材(ゴム、プラスチック)、金属、半金属、セラミックス、ガラス等を含む。
上記のような固体製品の表面濡れ性を改善する表面改質方法を開示した先行技術文献として、特許文献1・2等が存在する。特許文献2の<従来技術>の項の一部を、以下に適宜編集を加えて引用する。括弧内は編集追記したものである。
なお、図1〜4は、特許文献1・2または先願1・2における図符号に変更に加えずに引用しており、各図の図符号相互も無関係である。
「固体物質、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の非極性高分子の固体表面は、疎水性や撥水性であることが多く(密着性が良好でなく)、他部材との接着、印刷、紫外線塗装等が一般的に困難である。
また、ステンレスやマグネシウム等の金属表面は、金属の中では密着力や表面平滑性が不足しており、紫外線硬化型塗料等を直接的に適用した場合には、塗膜が容易に剥離してしまうという問題点が見られた。」
そこで、所定の表面改質装置を用いた固体物質の表面改質方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、図1(特許文献1の図1)に示すように、固体製品(固体物質)50に対して、特定沸点を有する改質剤化合物14を含む燃料ガスの燃焼火炎34を吹き付け処理(ケイ酸化炎処理等)することにより、シラン原子等を含有する改質剤化合物を比較的多量に使用した場合であっても、燃焼しやすくして、酸化炎処理工程を省いた場合であっても、固体物質50に対する表面改質を均一かつ十分に実施できる固体物質の表面改質方法である(段落0005等)。
そして、特許文献2では、上記固体の表面改質方法の改良発明として、下記構成のものが提案されている(請求項9、図1:本願添付図2)。
「シラン原子、チタン原子またはアルミニウム原子を含む改質剤化合物を貯蔵するための貯蔵室21と、前記改質剤化合物を気液平衡状態下に蒸発させ、気体状態の改質剤化合物を生成するための気化室11と、前記気体状態の改質剤化合物を、燃料ガスの一部として、噴射部に移送するための移送部31cと、前記燃料ガスの燃焼火炎を吹き付けるための噴射部41と、を含む表面改質装置10を用いた固体物質の表面改質方法であって、
前記気化室11の温度をT1(℃)とし、前記貯蔵室温度をT2(℃)としたときに、当該T1およびT2が、以下の温度関係式(1)を満足するように、当該T1およびT2の値を調整することを特徴とする固体物質の表面改質方法。
T2−15℃≦T1≦T2+15℃ (1)」
さらに、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、本願出願人は下記内容の上記特許文献1・2の改良発明(装置発明)に係る特願2009−130292号(出願日:平成21年5月29日、以下「先願1」)および、該先願1におけるバーナ構造を改良した発明に係る特願2009-163675号(出願日:平成21年7月10日、以下「先願2」)を他の出願人と共同で行なっている。
(1)先願1の要約書を選択図(本願添付図3)とともに次に引用する。
「本発明の表面改質装置10は、金属原子、半金属原子、または非金属原子、及び有機基を有し固体物質Sの表面を改質する改質化合物を収容するとともに、改質化合物を液体状態から気体状態に気化する気化室12と、液体状態の改質化合物が含まれる気化室12の液相13中に、燃焼性のガスをバブリングして導入するガス導入部16と、気体状態の改質化合物と燃焼性のガスを含む表面改質ガス、及び酸素を含むガスを混合して燃料ガスとする混合室18と、気化室12から表面改質ガスを混合室18に移送する移動部17と、混合室18に接続され燃料ガスの燃焼火炎を固体物質Sの表面に吹付ける噴射部19と、を備える。」
(2)先願2の要約書を、図1・2(本願添付図4(A)、(B))とともに以下に引用する。
「本発明のバーナ30は、固体物質Sの表面を改質する改質化合物を気化してなる気体状の改質化合物を含む燃料ガスの燃焼火炎を固体物質Sの表面に吹付けるためのバーナ30である。燃料ガスは、気体状の改質化合物と、空気または可燃性ガスと、を含む。バーナ30は、燃料ガスを燃焼させた火炎を噴射する第1の噴射部32と、可燃性ガスを含むガスを燃焼させた第2の噴射部33とが、交互に配された多重構造の噴射部31を備える。第一の噴射部32の周縁には第二の噴射部33が配されている。」
なお、固体物質(固体製品)の表面濡れ性の増大(表面改質)のための、コロナ処理や火炎処理、オゾン処理、プラズマ処理等の手段は周知である(特許文献1段落0003の第1・4段、特許文献3段落0020等)。
特許第3557194号公報 特開2008−50629号公報 特開2002−29009号公報
本発明の目的は、上記特許文献1・2に記載された、熱分解性の表面改質剤を含む燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品の所定表面(被処理面)に対して吹き付けて被処理面の濡れ性を改善する固体製品の表面改質方法において、特許文献1・2における表面改質剤(改質剤化合物)とは異質の有機化合物(従来は無機化合物)を使用する新規な固体製品の表面改質方法を提供することにある。
本発明者らは、上記固体製品の表面改質方法に更なる改良を加えるべく開発に努力をする過程で、金属乃至半金属を中心元素とした有機金属・半金属化合物(無機化合物)でなくても、炭素を中心元素としたエーテル構造を2個以上有する炭素と水素と酸素のみからなる有機化合物でも表面改質剤(改質化合物)として十分に使用可能であることを知見して下記構成の本発明に想到した。
熱分解性の表面改質剤(濡れ性改善剤)を含む燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品(被処理物)の表面(被処理面)に対して、全面的又は部分的に吹き付けて固体製品の表面濡れ性を増大させる表面改質方法において、表面改質剤として、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)とからなり、エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素、又は、C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を、有する含酸素有機化合物の群から1種又は2種以上選択することを特徴とする。
本発明の表面改質剤を火炎中に含ませることによる固体の表面濡れ性の改善作用は下記の如くであると推定される。
熱分解時に中心原子である炭素のC−H結合が脱水素してフリーラジカルが発生する。そして、火炎により高エネルギー化した固体表面と含酸素有機化合物とがラジカル結合する。さらに、エーテル構造の先端アルキル基等が水素置換されて、又は、C=O基の二重結合が開いて水素付加されて、水酸基が多数生成する。
最初から中心原子に裸の状態で水酸基が結合している第一・二級アルコール類(多価アルコールを含む)は、火炎による熱分解により発生したフリーラジカルが不安定で、固体表面に水酸基を有する状態で有機化合物が結合し難い。また、C=O基が一個では、濡れ性を改善するほど(例えば、濡れ指数:50mN/m以上)の密度の水酸基の生成が期待できない。
そして、本発明によれば、炭素と水素と酸素のみからなる含酸素有機化合物は、有機金属・半金属化合物に比して、沸点が相対的に低く、且つ、コスト的にも安価で入手し易いものが多い。このため、表面改質剤(改質剤化合物)の自由度が増大する。
熱分解性の表面改質剤(濡れ性改善剤)を含む燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品(被処理物)の表面(被処理面)に対して、全面的又は部分的に吹き付けて固体製品の表面濡れ性を増大させる表面改質方法において、
前記表面改質剤として、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)とからなり、エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素、又は、C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を、有する含酸素有機化合物の群であって、常温液体又は融点100℃以下の固体であるものから1種又は2種以上選択することを特徴とする。
特許文献1の表面改質装置の説明図に係る図1の引用図である。 特許文献2の表面改質装置の説明図に係る図1の引用図である。 先願1の表面改質装置の説明図に係る図1の引用図である。 先願2の表面改質装置の説明図に係る図1・2の引用図である。 本発明の一実施形態に係る表面改質装置の全体流れ図である。 図5の6−6線概略断面図である。 図6の7−7線概略断面図である。
本発明に係る固体製品の表面改質方法は、熱分解性の表面改質剤と可燃性ガスと酸化性ガスとを混合させた燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品(被改質物)の表面に対して、全面的又は部分的に吹き付けて固体製品の表面濡れ性を増大させる方法であることを前提とする。
そして、本発明は、表面改質剤として、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)とからなる下記(A)エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素を有する含酸素有機化合物群、(B)C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を有する含酸素有機化合物の群であって、常温液体又は融点100℃以下の固体であるものから1種又は2種以上選択する。
(A) 上記エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素を有する含酸素有機化合物群としては、下記(1)オルトエステル類、(2)環状ジエーテル類、(3)アセタール類を好適に使用できる。なお、沸点(b.p.)の後に気圧表示のないものは、大気圧(101.3kPa)におけるものである。
(1)オルトエステル類:下記構造式で示されるものを好適に使用できる。
RC(OR´) [但し、R:水素又は炭素数1〜6のアルキル基、R´:炭素数1〜6のアルキル基]
より具体的には、下記のものを例示できる。
オルトプロピオン酸トリエチル(Triethyl orthopropionate;CH3CH2C-(OCHCH3)3 )、性状:液体、b.p.:150〜152℃
オルト酢酸トリエチル(Triethyl orthoacetate;CH3C(OCH2CH3)3 )、性状:液体、b.p:約142〜143℃
オルトギ酸トリエチル(Triethyl orthoformate;HC(OCH2CH3)3 )、性状:液体、b.p.:143℃(100.6kPa)
オルト酪酸トリメチル.(Triethyl orthobutyrate;CHCH2C(OCH2CH3)3)、性状:液体、b.p.:63℃(1.33kPa)
オルト吉草酸トリメチル(Triethyl orthovalerate; H3CH2CH2CH2C(OCH2CH3)3)、性状:液体、b.p.:164〜166℃
オルトギ酸トリ-n-ブチル(Tri-n-buthyl orthoformate; HC(OCH2CH2CH2 CH3)3)、性状:液体、b.p :122〜124℃(1.33kPa)
オルトギ酸トリイソプロピル(Triisopropyl orthoformate;HC-(OCH(CH3)2)3 )、性状:液体、b.p.:56℃(1.33kPa)
(2)環状ジエーテル類:酸素1,3位置の5・6員環(2位置ケトン基のものを含む。)のものを好適に使用できる。
これらの内で、1,3−ジオキソラン又は2C位置の炭素数1〜3のアルキル基の水素置換体の群から選択することが望ましい。
より具体的には、下記のものを例示できる。
2-メチル-1,3-ジオキソラン(2-Methyl-1,3-dioxolane ; CH3CH(-OCH2CH2O-))、性状:液体、b.p.:181℃
1,3-ジオキサン(1,3-Dioxane ;CH2(O-CH2CH2CH2O-))、性状:液体、b.p.:106℃
炭酸エチレン(Ethylene carbonate ;-CH2CH2O-CO-O-)、性状:固体(m.p.:39℃)、b.p.:152℃
炭酸プロピレン(Propylene carbonate ; -CH2CHCH3O-CO-O-)、性状:液体、b.p.:240℃
(3)アセタール類:下記構造式で示されるものを好適に使用できる。
C(OR)(OR) [但し、R,R:水素又は炭素数1〜4のアルキル基、R,R:炭素数1〜6のアルキル基]
具体的には、下記のものを例示できる。
アセトアルデヒド=ジエチルアセタール(ジエトキシエタン)(Acetaldehyde diethyl acetal ;CH3CH-(OCH2CH3)2 )、性状:液体、b.p.:102.73℃
ジエトキシメタン( Diethoxy methane ;CH2-(OCH2CH3)2 )、性状:液体、b.p.:120〜121℃
(B) C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を有する含酸素有機化合物群として、下記の総炭素数5〜10の(1)ジケトン類、(2)ジケト酸エステル、又は(3)ジカルボン酸ジエステル類から選択することが望ましい。下記に例示するが、それらに限られるものではない。
(1)ジケトン類:
アセチルアセトン(acetyl acetone;
CH3COCH2COCH3)、性状:液体、b.p.:140.5℃
(2)ジケト酸エステル:
アセト酢酸メチル(Methyl acetoacetate CH3COCH2COOCH3)、性状:液体、b.p.:171.7℃
(3)ジカルボン酸ジエステル:
マロン酸ジメチル(Dimethyl malonate ;CH2(COOCH3)2)、性状:液体、b.p.:181.4℃
次に、上記特定の含酸素有機化合物群を用いての、本発明の固体製品の表面改質方法について説明する。
ここで本発明の表面改質方法は、材質的、形態的にも特に限定されるものではなく、濡れ性増大が必要なあらゆる固体製品に適用可能である。
より具体的には、下記の如くである(特許文献1の段落0040〜0045を適宜編集上の変更を加えて引用する。)。
「1.固体物質
(1)ゴム
また、表面改質された固体製品を構成するゴムとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、オレフィンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレンープロピレン−ジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびウレタン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのゴム類が挙げられる。
これらのゴム類のうち、特に接触角が大きく、濡れ指数が小さいシリコーンゴム、フッ素ゴム、オレフィンゴム、エチレン−プロピレンゴムに対して、本発明の表面改質を実施することにより、優れた改質効果を発現することができる。したがって、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等からなる防汚性ゴムや防汚性カバーの表面に、数字や文字等を容易に印刷することが可能となる。
(2)熱可塑性樹脂
また、表面改質された固体製品を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、中圧法ポリエチレン、低圧法ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、高圧法線状低密度ポリエチレン、超固体量ポリエチレン、架橋ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリフェニレンサルファイド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニル樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロクロロエチレン樹脂、およびエチレン−トリフルオロクロロエチレン共重合体等が挙げられる。
これらの樹脂のうち、特に接触角が大きく、濡れ指数が小さいポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等に対して本発明の表面改質を実施することにより、優れた改質効果を発揮することができる。したがって、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂からなるフィルム、あるいはポリエステル樹脂からなる容器上に、文字や模様を印刷したり、ポリカーボネート樹脂からなるコンパクトディスク基板上に、アルミニウムの反射膜を強固に接着したり、さらには、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる防汚材料上に、数字や文字等を容易に印刷することが可能となる。
(3)熱硬化性樹脂
また、表面改質された固体製品を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等の熱硬化型樹脂が挙げられる。これらの熱硬化型樹脂のうち、例えば、エポキシ樹脂である場合、本発明の表面改質を実施することにより、半導体封止用樹脂におけるレーザーマーキングを容易に実施することができる。
(4)金属材料
また、表面改質された固体製品を構成する金属としては、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、ニッケル、クロム、タングステン、金、銅、鉄、銀、亜鉛、スズ、鉛等の一種単独または二種以上の金属材料の組み合わせが好ましい。
例えば、アルミニウムは軽量金属として多用されているが、表面に酸化膜を形成しやすく、紫外線硬化型塗料等を直接適用しても容易に剥離してしまうという問題が見られた。そこで、アルミニウム表面に対してケイ酸化炎処理等を施すことにより、紫外線硬化型塗料等を直接適用しても剥離することを有効に防止することができるようになった。
また、マグネシウムはリサイクル可能な金属部材として、パ−ソナルコンピューター等の筐体に近年多用されているが、表面の平滑性が乏しいことから、紫外線硬化型塗料等を直接適用しても容易に剥離してしまうという問題が見られた。 そこで、マグネシウム表面に対してケイ酸化炎処理等を施すことにより、紫外線硬化型塗料等を直接適用した場合であっても、剥離することを有効に防止することができ、カラー化マグネシウム板等を提供できるようになる。
さらに、従来、半導体素子における金バンプや半田バンプを、フィルムキャリアや回路基板に電気接続した場合、高温高湿条件で、界面剥離が生じるという問題が見られた。そこで、金バンプや半田バンプにケイ酸化炎処理等を施すことにより、あるいは、フィルムキャリアや回路基板の導体部分に対してケイ酸化炎処理等を施すことにより、これらの界面剥離を有効に防止することができるようになる。
(5)無機フィラー
上記固体製品がゴムや樹脂で構成される場合、無機フィラーが添加されていてもよい。無機フィラーとしては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、石灰、ゼオライト、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、鉛、半田、ガラス、セラミック等の一種単独または二種以上の組み合わせからなる無機フィラーを挙げることができる。
このように無機フィラーが添加されることにより、無機フィラーの種類によって、固体物質の機械的強度、耐熱性、導電性あるいは電気絶縁性等の物理特性を向上させることができる。そればかりか、このように無機フィラーを添加することにより、無機フィラー自体の表面も優先的に改質されるため、結果として、固体製品単体の場合よりも、表面改質効果をさらに発現することが可能である。
なお、ゴムや樹脂に対して、無機フィラーを添加する場合、全体量に対して、その添加量を0.01〜80重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜50重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜30重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)形態
被処理物である固体製品の形態は特に制限されるものではないが、例えば、板状、シート状、フィルム状、テープ状、短冊状、パネル状、紐状などの平面構造を有するものであってもよいが、筒状、柱状、球状、ブロック状、チューブ状、パイプ状、凹凸状、膜状、繊維状、織物状、束状等の三次元構造を有するものであっても良い。例えば、繊維状のガラスやカーボンファイバーに対して、ケイ酸化炎処理等を施すことにより、表面改質をして、活性化することができ、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂中に均一に分散することができる。したがって、FRPやCFRPにおいて、優れた機械的強度や耐熱性等を得ることができる。
また、このような被処理物の形態として、このような固体物質からなる構造体と、金属部品、セラミック部品、ガラス部品、紙部品、木部品等と組み合わせた複合構造体であることも好ましい。例えば、金属管やセラミック管の内面に、ケイ酸化炎処理等を施すことにより、表面改質をして、活性化することができ、樹脂ライナーが極めて強固に積層されたパイプを得ることができる。
また、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、あるいはCRT等における基板としてのガラス基板やプラスチック基板の全面または一部に、ケイ酸化炎処理等を施すことにより、カラーフィルター、偏向板、光散乱板、ブラックマトリックス板、反射防止膜、帯電防止膜等の有機フィルムを極めて均一かつ強固に積層することができる。」
当該固体製品の表面改質方法は、前述の特許文献1・2に記載の表面改質装置(本願添付図1・2)を用いての表面改質方法でもよいが、先願1・2に記載の表面改質装置(本願添付図3・4)を用いて先願1・2に記載された方法で行なうことが望ましい。
さらには、図5に示すようなナノポンプを介して表面改質剤をバーナへ供給する表面改質装置を用いて固体製品の表面改質をすることもできる。
以下、図5〜7に示す本発明に好適な表面改質装置について詳細に説明する。なお、図5〜7に係る図符号は前述の引用図におけるものと無関係に付してある。
本装置は、熱分解して濡れ性増大作用を奏する表面改質剤と可燃性ガスと酸化性ガス(助燃性ガス:支燃性ガス)とを混合させた燃料ガスの燃焼火炎を火炎バーナから、固体製品(被処理物)の表面(被処理面)に対して、全面または部分的に吹き付ける固体の表面改質法に使用する表面改質装置に係るものである。
ここで酸化性ガスとは、「酸素を供給することにより、空気以上に他の物質を発火させたり、燃焼を助けたりするガス」のことをいうが、本発明では、空気(例えば、圧縮空気)のみからなるものも酸化性ガスに含める。
そして、本装置は、一台のナノポンプ15で液体改質剤及び固体改質剤の双方に対応できるように、改質剤供給系統が二系統とされている。即ち、処理液タンク11から火炎バーナ(ユニット)13への表面改質剤(含酸素有機化合物)の供給を、ナノポンプ(液送ポンプ)15により、切替弁(3ポート2位置)17で、固体改質剤は第一改質剤供給路19を、液体改質剤は第二改質剤供給路21を経て行なえるようになっている。
当然、使用する表面改質剤が液体又は固体の一方である場合は、一方の改質剤供給路19又は21のみでよい。
さらに、火炎バーナ13に火炎を発生させるための燃料ガス構成成分となる可燃性ガスおよび酸化性ガスをそれぞれ供給する可燃性ガスタンク23および酸化性ガスタンク25とを備えている。
ここで「ナノポンプ」とは、超微量(1〜1000nL/s)の送液量調整可能な液送ポンプを意味する。
バーナユニット13は、固体改質剤噴射ノズル27を内設する内側バーナ29と、該内側バーナ29の外周壁を囲繞するように配される外側バーナ31とからなる横断面二重構造を有している。図例では、内側バーナ29および外側バーナ31は、同心長円(平行直線の両側が半円とされたもの)の二重構造であるが、楕円、矩形、円形の同心二重構造であってもよい。
また、固体改質剤噴射ノズル27は、図例では、5個のノズル要素27aが連結されたマルチ形であるが、シングル形でもよい。マルチ形とした場合の個数も、2〜4個、さらには、6個以上であってもよい。
上記固体改質剤噴射ノズル27と切替弁17の第一出口17aとの間には第1改質剤供給路19が配されている。そして、内側バーナ29の第一燃料ガス入口29aには第一燃料ガス供給路33が接続されている。そして、内側バーナ29からの表面改質火炎の外側に酸化防止火炎を噴射させる外側バーナ31の第二燃料ガス入口31aには第二燃料ガス供給路35が接続されている。
そして、上記第一燃料ガス供給路33の元部には第一混合器37を備え、第一混合器37には酸化性ガスタンク25及び可燃性ガスタンク23が、それぞれ第一酸化性・可燃性ガス供給路41、43を介して接続されている。同様に、第二燃料ガス供給路35の元部には第二混合器39を備え、第二混合器39には酸化性ガスタンク25及び可燃性ガスタンク23が、それぞれ第二酸化性・可燃性ガス供給路45、47を介して接続されている。第一酸化性・可燃性ガス供給路41、43には第一酸化性・可燃性ガス開閉弁V1、V2を、第二酸化性・可燃性ガス供給路45、47には第二酸化性・可燃性ガス開閉弁V3、V4を、それぞれ備えている。
さらに第二改質剤供給路(液体改質剤供給路)21は、下記の如く構成されている。
第一酸化性ガス供給路41に、側路開閉弁V5および改質剤一次混合器51を備えた酸化性ガス側路(バイパス)53を形成し、酸化性ガス側路53の合流箇所を改質剤二次混合器55で接続する。各混合器37、39はエジェクタ形として、改質剤一次混合器51の吸引側にナノポンプ15から液体改質剤送液路の出口側を接続し、さらに、酸化性ガス側路53の出口側を改質剤二次混合器55の吸引側に接続する。こうして、改質剤一次備混合器51で液体改質剤が少量の酸化性ガス(液体改質剤比率:0.2〜20gm−3、望ましくは、2〜10gm−3)で一次混合され、さらに、改質剤二次混合器55で多量の酸化性ガス(液体改質剤比率:0.01〜1.0gm−3、望ましくは、0.1〜0.5gm−3)と二次混合されて、液体改質剤が酸化性ガス中に良好均一分散されて霧化乃至気化されるようになっている。
なお、本実施形態では、液体改質剤と搬送ガス(担持ガス)である酸化性ガスとの混合を、拡散促進の見地から一次混合器と二次混合器を使用する二段方式としたが、二次混合器のみの一段方式でも勿論よい。
上記各混合器V1〜V5は、図例ではエジェクタ形で、酸化性ガスを第一流体とし、可燃性ガスを第二流体として吸引混合するものである。混合器はこれに限られるものではなく、例えば、単なる合流混合器であってもよい。
また、本実施形態ではバーナへの燃料ガスの供給は、酸化性ガス供給路、可燃性ガス供給路を合流させた燃料ガス供給路で行う構成としたが、バーナへ直接的に酸化性ガス供給路、可燃性ガス供給路を接続してバーナ内で燃料ガスを形成したり、予め、燃料ガスを調製しておきバーナへ燃料ガス供給路のみを介して行なったりする構成としてもよい。
次に、上記構成の表面改質装置の使用態様について、表面改質剤を固体改質剤(1)と液体改質剤(2)とに分けて説明する。
当然、酸化性ガスタンク25内には、加圧状態の酸化性ガスが充填されている。酸化性ガスとしては、例えば、圧縮空気と酸素との混合ガスを好適に使用できる。酸化性ガスタンクの内圧は例えば、大気圧(101.3kPa)より若干高い、0.2〜1.0MPa(200〜1000kPa)とする。
また、可燃性ガスタンク23内は、可燃性ガスが充填されている。可燃性ガスは加圧状態とはしない。第一・第二混合器37、39を通過させる酸化性ガスの流速を第一・第二開閉弁V1、V2で調節することにより、エジェクタ効果で可燃性ガスと酸化性ガスとの混合比を調節可能なためである。
ここで、可燃性ガスとしては、通常、天然ガス、液化石油ガス(LPG)等の炭化水素系のものを使用するが、適宜、一酸化炭素、水素、それらの混合ガスも使用可能である。
(1)固体改質剤:
固体改質剤とは、酸化性ガス、可燃性ガス又は燃料ガスに混合分散させて内側バーナ(改質剤噴射バーナ)29に搬送するに際して、乾燥固化してしまうものをいう。したがって、溶媒(水を含む。)に溶解させて溶液化可能なものばかりでなく、固体微粒子の状態で分散媒(水を含む。)に均質分散液化可能なものも含む。ここで、固体微粒子(分散質)の大きさは、固体改質剤噴射ノズルに目詰まりを発生させない大きさ(例えば、10μm以下、望ましくは1μm以下)とする。
なお、常温固体のものでも、後述の如く、加温した酸化性ガスで融解可能な、常温より若干高い融点(例えば、80℃以下、望ましくは50℃以下)を有するものは、第一・第二改質剤供給路の双方が使用可能である。
先ず、切替弁17の出口を固体改質剤供給路の入口である第一出口17a位置として、側路開閉弁V5を閉じるとともに、残りの開閉弁V1〜V4を開とする。すると、第一・第二混合器37、39で酸化性ガスと可燃性ガスとが混合されて燃料ガスとして内側バーナ29および外側バーナ31に供給される。この状態で各バーナ29、31を点火する。
次いで、ナノポンプ15を稼働させると、固体改質剤含有液は、第一改質剤供給路19を経て固体改質剤噴射ノズル27に至り微量噴射されて、内側バーナ29からの火炎により、固体改質剤が固体製品(被処理物)Sの被処理面に噴射される。
このときのバーナ29の火口29bと固体製品Sの被処理面との距離は、バーナ形状、火炎の強さ、固体製品(被処理物)の種類、要求性能等により異なるが、10〜500mmの範囲から適宜選定する。
なお、本実施形態では、表面改質装置の構成簡易化の見地から、ナノポンプを共用する構成としたが、固体改質剤噴射ノズル27への、固体改質剤含有液の供給は、ナノポンプでなくても、高速ポンプを使用することも可能である。
(2)液体改質剤
液体改質剤とは、常温で液体のものばかりでなく、常温より若干高い温度で液化する固体改質剤も含む。即ち、固体改質剤であっても、若干の加温(例えば、80℃以下、望ましくは50℃以下)で液化でき、さらに加温した高温の搬送ガス(本実施形態では酸化性ガス)にさらされたとき、霧化ないし気化可能であれば、本発明における液体改質剤に含まれる。
先ず、切替弁17の出口を液体改質剤供給路の入口である第二出口17b位置とする。残りの開閉弁V1〜V4も開く。ここで、酸化性ガスの本路に対する側路の酸化性ガスの流量は側路開閉弁V5の絞り量で調節する。
そして、固体改質剤の場合と同様、第一・第二混合器37、39で酸化性ガスと可燃性ガスとが混合されて燃料ガスとして内側バーナ29および外側バーナ31に供給される。この状態で内側・外側バーナ29、31を点火する。
次いで、側路開閉弁V5を開くとともにナノポンプ15を稼働させると、液体改質剤は、改質剤一次混合器51に微量噴射される。
すると、液体改質剤は、改質剤一次・二次混合器51、55位置で、酸化性ガスにより一次・二次混合されて霧化乃至気化される。こうして酸化性ガスでエーロゾル化された液体改質剤は、さらに、第一混合器37で可燃性ガスと混合されて燃料ガスで内側バーナ(改質剤噴射バーナ)29まで搬送される。内側バーナ29からの火炎を介して、液体改質剤が固体製品Sの被処理面に噴射される。
上記固体改質剤および液体改質剤は改質剤噴射バーナ29の火口29bから火炎により熱分解ラジカル化して固体製品Sの被処理面に付着して濡れ性を増大させる。さらに、ナノポンプ15による微量供給により、含酸素有機化合物のラジカル化が、前述の理由により、さらに促進される。
また、ナノポンプ15を使用した酸化性ガス等への供給による気化方法は、先願1等におけるバブリングによる気化に比して、液体改質剤の定量供給を安定化させることができる。したがって、固体製品の表面改質の品質安定化に寄与する。
なお、このときの改質剤噴射バーナ29の火口29bと固体製品Sの被処理面との距離は、前記と同様、バーナ形状、火炎の強さ、固体製品の種類、要求性能等により異なるが、10〜500mmの範囲から適宜選定する。
また、外側バーナからの火炎により改質剤噴射バーナの外側火炎が酸化作用を受け難く、良好な表面改質効果(濡れ性改善効果)を得ることができる。
なお、本発明の固体製品の表面改質方法を実施するにあたり、望ましい態様は、下記の如くである(特許文献1の段落0014〜0016から編集上の変更を加えて引用する。)
「 濡れ指数(測定温度25℃)を50mN/m以上、さらには、55〜80mN/mの範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、通常の接着剤はもちろんのこと、印刷用インキや紫外線硬化型塗料等であっても、極めて強固に接着することができる。また、このように実施することにより、より長時間にわたって、表面改質効果を持続させることができる。
また、本発明の固体製品の表面改質方法を実施するにあたり、火炎温度を500〜1、500℃の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、改質剤化合物の不完全燃焼等を防止することができるとともに、通常の接着剤はもちろんのこと、印刷用インキや紫外線硬化型塗料等であっても、固体物質に対して、極めて強固に接着することができる。
また、このような火炎温度であれば、処理時間にも多少影響されるが、固体物質の変形を効果的に防止することができる。
また、本発明の固体物質の表面改質方法を実施するにあたり、火炎の処理時間を0.1秒〜100秒の範囲内の値とすることが好ましい。
このように実施することにより、表面改質剤(改質剤化合物)の不完全燃焼等を防止することができるとともに、通常の接着剤はもちろんのこと、印刷用インキや紫外線硬化型塗料等であっても、固体製品に対して、極めて迅速に接着することができる。
また、このような処理時間であれば、火炎温度にも多少影響されるが、固体物質の変形を効果的に防止することができる。」
次に、本発明の効果を確認するために行なった実施例・比較例について説明する。
なお、濡れ指数はJISK6768に準じて測定した。即ち、市販の濡れ指数試験用の標準液(25℃)を用いて、綿棒に浸し、それを被試験体の表面に塗布し、撥水すること無しに、べったり濡れる試験用標準液の最小値を被試験体の濡れ指数とした。
表1〜4に示す各素材に対して前記例示の含酸素有機化合物(表面改質剤)を用いて、下記条件で表面改質処理を行った。
・バーナ移動速度:30m/min、改質剤/燃料ガス混合比:0.3g/m
・燃料ガス:可燃性ガス/酸化性ガス(圧縮空気のみ)(容量比)=1/22.5
その結果の、オルトエステル類は全て、73mN/m以上を示し、環状ジエーテル類及びアセタール類、C=O基が2個以上結合している炭素を有する含酸素有機化合物類は、73mN/m以上又は55〜65mN/mを示した。これに対して、本発明の範囲外の含酸素有機化合物の各比較例は、せいぜい、45〜50mN/m又は全く表面濡れ性(親水性)の増大(改善)効果を示さなかった。代表的なものを表1〜5に示す。
それらの試験結果の代表的なものを、実施例1〜12として表1〜4に示すとともに、比較例1〜3として表5に示す。
実施例1〜3(表1)はオルトエステル類について、実施例4〜7(表2・3)は環状ジエーテル類についての、実施例8・9(表3)はアセタール類についての、実施例10〜12(表4)は、C=O基(カルボキシルエステル基を含む。)が2個以上結合している炭素を有する、各含酸素有機化合物の例である。
なお、比較例1〜3(表5)は本発明の範囲外の含酸素有機化合物の例である。
Figure 0005631610
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11 処理液タンク
13 バーナユニット
15 ナノポンプ(液送ポンプ)
23 可燃性ガスタンク
25 酸化性ガスタンク
27 固体改質剤噴射ノズル
29 改質剤噴射バーナ(内側バーナ)
31 酸化防止炎噴射バーナ(外側バーナ)

Claims (11)

  1. 熱分解性の表面改質剤(濡れ性改善剤)を含む燃料ガスの燃焼火炎を、固体製品(被処理物)の表面(被処理面)に対して、全面的又は部分的に吹き付けて固体製品の表面濡れ性を増大させる表面改質方法において、
    前記表面改質剤として、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)とからなり、エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素、又は、C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を、有する含酸素有機化合物の群であって、常温液体又は融点100℃以下の固体であるものから1種又は2種以上選択することを特徴とする固体製品の表面改質方法。
  2. 前記エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素を有する含酸素有機化合物として、下記構造式で示されるオルトエステル類から選択することを特徴とする請求項1記載の固体製品の表面改質方法。
    RC(OR´)3 [但し、R:水素又は炭素数1〜6のアルキル基、R´:炭素数1〜6のアルキル基]
  3. 前記エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素を有する含酸素有機化合物として、酸素1,3位置の5・6員環(2位置ケトン基のものを含む。)の環状ジエーテル類から選択することを特徴とする請求項1記載の固体製品の表面改質方法。
  4. 前記環状ジエーテル類として、1,3−ジオキソラン又は、該1,3−ジオキソランの炭素数1〜3アルキル基の2C(β)位置水素置換体の群から選択することを特徴とする請求項3記載の固体製品の表面改質方法。
  5. 前記エーテル構造(−O−)を2個以上有している炭素を有する含酸素有機化合物として、下記構造式で示されるアセタール類から選択することを特徴とする請求項1記載の固体製品の表面改質方法。
    12C(OR3)(OR4) [但し、R1,R2:水素又は炭素数1〜4のアルキル基、R3,R4:炭素数1〜6のアルキル基]
  6. 前記C=O基(カルボキシル基及びその誘導基を含む。)が2個以上結合している炭素を有する含酸素有機化合物として、総炭素数5〜10のジケトン類、ジケト酸エステル、又はジカルボン酸ジエステル類の群から選択することを特徴とする請求項1記載の固体製品の表面改質方法。
  7. 前記燃料ガス中の前記含酸素有機化合物の含有量を、処理用の燃料ガスの全体量を100モル%としたときに、1×10-10〜5モル%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の固体製品の表面改質方法。
  8. 固体の前記含酸素有機化合物を分散媒で液状とし、ナノポンプ又は高速ポンプでバーナに内設された固体改質剤噴射ノズルまで移送させるとともに、該固体改質剤噴射ノズルの噴射位置に、燃料ガスを供給することを特徴とする請求項7記載の固体製品の表面改質方法。
  9. 液体の前記含酸素有機化合物を気化(霧化を含む。)と同時又は気化させた後、酸化性ガス、可燃性ガス又は燃料ガスを介してバーナへ移送することを特徴とする請求項7記載の固体製品の表面改質方法。
  10. 前記含酸素有機化合物を含む処理用の燃料ガスを囲繞するように空気遮断用燃料ガスを噴射させることを特徴とする請求項1〜9いずれか一記載の固体製品の表面改質方法。
  11. 前記被処理物の表面の濡れ指数(JIS K 6768:測定温度25℃)を50mN/m以上の値とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一記載の固体製品の表面改質方法。
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