JP2836205B2 - 炎中反応による高分子の表層改質方法および高分子成形品 - Google Patents

炎中反応による高分子の表層改質方法および高分子成形品

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JP2836205B2 JP17352090A JP17352090A JP2836205B2 JP 2836205 B2 JP2836205 B2 JP 2836205B2 JP 17352090 A JP17352090 A JP 17352090A JP 17352090 A JP17352090 A JP 17352090A JP 2836205 B2 JP2836205 B2 JP 2836205B2
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polymer
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/08Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by flame treatment ; using hot gases

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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、炎中反応により、繊維をはじめとする各種
高分子成形品の極限表層の特性を改質する方法に関する
ものである。
[従来の技術] 従来、繊維や布帛あるいはフィルムなどへ種々の特性
を付与するためや、また、例えば、親水性の付与、接着
性の向上などを図るための表面改質方法として種々の加
工方法が各種分野で広く行われている。
例えば、金属蒸着加工は、装飾関係としての金糸や銀
糸などのラメ糸の製造方法をはじめ、保温性などを目的
にした衣料関係、あるいは光学関係、包装関係、電気関
係分野への応用等として広く実施されているが、蒸着層
と被蒸着物である繊維、布帛、あるいはフィルムなどと
の接着力は充分満足されるレベルのものではないため、
繰り返しの屈曲などの外力を受けると、該蒸着層が剥
離、脱落するという問題があった。
また、布帛やフィルムに多孔質や非多孔質の膜など、
高分子物質などをコートあるいはラミネートして、例え
ば、防水性、透湿性の付与、あるいは、防湿性の付与や
酸素ガス透過性の改良など種々の特性を付与した布帛、
シート、ラッピング素材等々が広く応用展開されている
が、かかるコーティングあるいはラミネート布帛やフィ
ルムあるいはシート分野においても、基材である繊維布
帛やフィルム等とコーティング膜との接着強力やラミネ
ート強力が充分満足され得るレベルではないため、繰り
返し外力が加わったりすると、膜剥離やラミネート剥離
が生ずるといった問題があった。
さらに別の例としては、タイヤコードなどにおいて
は、繊維とゴムとの接着力の向上、耐久性の向上などを
目的として、従来から、熱板、スチームボックス、ある
いは特殊油剤の付与などの方法を用いて繊維表面の結晶
配向を乱す方法等の処理が種々行われていたが、かかる
方法にあっても得られる効果は必ずしも充分なものでは
なかった。
一方、合成樹脂成形品の表面の親水化、あるいは濡れ
性の改良、接着性の改良などとして、コロナ放電処理、
プラズマ処理、スパッタエッチング処理等が近年試みら
れてきているが、これらは、いずれも設備が過大なもと
となり、また、生産性にも劣り、コスト高になる等の問
題が存在するものであった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、繊維をはじめ、布帛、フィルム、シ
ートなど各種の高分子成形品の表面に、親水性、接着性
などの改良された機能性を極めて効果的に付与し得て、
かつ、その表面改質処理を非常に高速度で行うことので
きる高分子表面の改質方法を提供することにある。
また、別の目的は、タイヤコード、ベルト用コード、
ロープ、漁網、テグスなどの産業用繊維において、これ
らの繊維が本来有している諸特性を低下させることな
く、接着性を向上させたり、表面配向を乱し、クラック
などの欠陥が入りにくくし、耐屈曲性、耐疲労性、結節
強度の向上が大幅に期待でき、かつ、かかる処理が生産
性に富む高速度で実施することができる繊維表面の改質
方法を提供することにある。
特に、本発明は、これらの目的を達成するために、表
層といっても、特に極限表層とでも言うべきごく薄い表
面層の改質を良好に行なわしめるのに効果的な高分子表
面の改質方法を提供せんとするにある。
しかして、本発明の目的は、上述のような新規な高分
子の表層改質方法と、同方法により得られる新規な表層
の改質された各種の高分子成形品を提供せんとするにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上述した如き目的を達成するために鋭
意検討を重ねた結果、例えば、都市ガス、アセチレンガ
ス、プロパンガスなどの一般に用いられる燃料を、空気
または酸素などの酸化性ガス中で燃焼させるとともに、
かかる燃焼炎の中またはその燃焼炎の近傍に、該燃料と
は異なる1種以上の第三の成分が存在する状態かまたは
燃焼または化学反応しつつある状態に構成された炎の中
を通過せしめることにより、高分子成形品の極限表層と
でも言うべき薄い表面層を、非常に効果的に改質するこ
とができて、親水性や接着性などの機能性を付与するこ
とができるばかりでなく、また、詳細は明らかでない
が、該炎の熱的効果なども加わり、屈曲性や耐疲労性が
結節強度などにも優れた繊維等の高分子成形品を得るこ
とができることを見出し本発明に到達した。
本発明は、次の構成を有する。
すなわち、本発明の高分子の表層改質方法は、高分子
よりなる繊維、布帛、不織布、フィルム、シートおよび
それら以外の成形品の群から選ばれた少なくとも1種の
被処理物(これをAという)を、燃料(Bという)と酸
化性化合物または酸化剤(これらをCという)との燃焼
によって生じる燃焼炎中または該燃焼炎の近傍におい
て、前記燃料(B)とは異なる1種以上の第三の成分
(これをDという)が存在する状態かまたは燃焼または
化学反応しつつある状態に構成された炎の中を通過させ
ることを特徴とする炎中反応による高分子の表層改質方
法である。
あるいはまた、本発明の高分子の表層改質方法は、高
分子よりなる繊維、布帛、不織布、フィルム、シートお
よびそれら以外の成形品の群から選ばれた少なくとも1
種の被処理物(これをAという)を、燃料(Bという)
と酸化性化合物または酸化剤(これらをCという)との
燃焼によって生じる燃焼炎中に通過させ、引き続き、前
記燃料(B)とは異なりつつ可燃性を有する1種以上の
第三の成分(これをDという)と酸化性化合物または酸
化剤(これらをC′という)との燃焼により形成せしめ
た第二の炎の中を通過させることを特徴とする炎中反応
による高分子の表層改質方法である。
あるいはまた、高分子よりなる繊維、布帛、不織布、
フィルム、シートおよびそれら以外の成形品の群から選
ばれた少なくとも1種の被処理物(これをAという)
を、燃料(Bという)と酸化性化合物または酸化剤(こ
れらをCという)との燃焼によって生じる燃焼炎中また
は該燃焼炎の近傍において、前記燃料(B)とは異なる
1種以上の第三の成分(これをDという)が存在する状
態かまたは燃焼または化学反応しつつある状態に構成さ
れた炎の中を通過させ、さらに、これに引き続いて、前
記燃料(B)及び可燃性を有する1種以上の第三の成分
である前記物質(D)とは異なる物質(これをEとい
う)と酸化性化合物または酸化剤(これらをC′とい
う)との燃焼により形成せしめた第二の炎の中を通過さ
せることを特徴とする炎中反応による高分子の表層改質
方法である。
あるいは、本発明の高分子成形品は、高分子よりなる
繊維、布帛、不織布、フィルム、シートおよびそれら以
外の成形品の群から選ばれた少なくとも1種であって、
燃料(Bという)と酸化性化合物または酸化剤(これら
をCという)との燃焼によって生じる燃焼炎中または該
燃焼炎の近傍において、前記燃料(B)とは異なる1種
以上の第三成分(これをDという)が存在する状態かま
たは燃焼または化学反応しつつある状態に構成された炎
の中を通過せしめることにより改質された表層を有して
なることを特徴とする繊維、布帛、不織布、フィルム、
シート、またはそれら以外の高分子成形品である。
あるいはまた、本発明の高分子成形品は、特に、タイ
ヤコード、ベルト用コード、ロープ、漁網、あるいはテ
グス用等の産業用の繊維であって、燃料(Bという)と
酸化性化合物または酸化剤(これらをCという)との燃
焼によって生じる燃焼炎中または該燃焼炎の近傍におい
て、前記燃料(B)とは異なる1種以上の第三成分(こ
れをDという)が存在する状態かまたは燃焼または化学
反応しつつある状態に構成された炎の中を通過せしめる
ことにより改質された表層を有してなることを特徴とす
る産業用繊維である。
[作用] 本発明の高分子の表層改質方法は、「炎」の中での反
応を利用するという特異なものである。
かかる本発明の炎中反応による高分子の表層改質方法
は、燃料の燃焼によって生じた燃焼炎中またはその近傍
において、該燃料とは異なる1種以上の第三の成分が存
在する状態かまたは燃焼または化学化学反応をしつつあ
る状態に構成された炎の中に、被処理物たる高分子成形
品を通過させることにより、該炎中に生じた、燃料をは
じめ酸化性化合物・酸化剤に基づく、数多くの不安定な
各種の活性化された原子、分子、遊離基はもとより、か
かる燃焼炎中またはその近傍に存在するかまたは燃焼ま
たは化学反応しつつ存在する第三の成分が、かかる燃焼
熱などによって分解などして生じることに基づく、各種
の活性化された原子、分子、遊離基やあるいは各種活性
化されたイオン種などにより、被処理物たる繊維をはじ
めとする種々の高分子成形品の表面が活性化あるいは改
質されて、親水性、接着性などの機能が付与されること
となる。
本発明では、かかる炎中に生じた活性化された原子、
分子、遊離基やあるいは各種活性化されたイオン種など
を積極的に利用することを、以下「炎中反応」と呼び、
さらにその特異な技術思想などにつき詳細に説明をす
る。
従来、炎を用いる加工として毛焼き加工があった。か
かる毛焼き加工処理は、織おろしのままの織物では、表
面に粗雑な短毛が密生しているためこの毛羽がその外観
を害し、光沢を減じ色艶においても何となくボケてくる
ためにこれを焼却清掃して織目を判然とさせることを目
的として、いわゆる梳毛織物のクリア仕上げに採用され
てきている。しかしながら、従来のかかる毛焼き加工の
場合、毛羽を焼いて除去することに主眼がおかれ、すな
わちもとの形態を変化させることに主眼が置かれ、本発
明の如きに、燃焼炎処理で表層改質が達成され得るとの
技術思想は考えられもしていなかった。
なお、燃焼炎で表面処理する方法として、単なる燃焼
炎で処理する方法も考えられるが、単なる燃料を燃焼さ
せることによって生じる燃焼炎だけでは、その改質効果
は十分なものではない場合が多かった。
これに対して、本発明では、かかる燃焼炎中またはそ
の近傍において、少なくとも1種以上の第三の成分が存
在するかまたは燃焼または化学反応しつつある炎とさせ
て、その炎をうまく処理に用いることにより、活性化し
た遊離基などが数多く存在し、はじめて効率的に高分子
表面を改質させ得ることができるに至ったのである。
本発明において、上述の燃焼炎を発生させる燃料
(B)としては、特別には限定されず、一般に用いられ
ている都市ガス、アスチレンガス、プロパンガス、ブタ
ンガス、ジシアン、水素などの燃料ガスや石油などの液
体、石炭などの固体のものなどを用いることができる。
また、かかる燃料を燃焼させるために用いられる酸化
性化合物・酸化剤(C)としては、空気または酸素など
の酸化性気体が好適であるが、助燃剤や酸化剤を用いて
もよい。
例えば、かかる燃料ガスと酸化性気体(C)は、あら
かじめ、混合した後、バーナーから噴出させ、燃焼させ
て、層流炎を形成せしめてもよく、あるいは、燃料ガス
と酸化性気体をバーナーを出るまでは別々の流路から導
き、炎の中ではじめて混合させ、拡散炎を形成せしめて
もよい。前者のバーナーとしては、例えば、ブンゼンバ
ーナーなどの基本構造をもつバーナーなどを用いること
ができる。また、後者のバーナーとしては、例えば、噴
霧バーナーなどを用いることができる。かかるバーナー
の構造、種類については、処理する対象物、使用する燃
料ガスなどの種類により適宜選択することができる。
かかる第一の燃焼炎中またはその近傍に存在させてま
たは燃焼または化学反応させて、第二の炎中を形成させ
る少なくとも1種以上の第三の成分(D)としては、目
的とする改質・改質特性を得るために適宜選択して使用
することができ、特に限定されるものではなく、種々の
ものをその目的に合わせ用いることができる。第三の成
分としては、セルロース、タンパク、含フッ素化合物、
含シリコーン化合物、ポリエチレンオキシドのエーテル
系高分子、ポリアセタールのホルマリン系誘導体、アク
リル酸、メタクリル酸の誘導体から選ばれる有機物、炭
化ジルコニウム、炭化ケイ素の炭化物、チッ化ケイ素、
チッ化ホウ素のチッ化物から選ばれる無機系化合物、軽
金属単体、希土類、金属酸化物、金属チッ化物、各種金
属塩、金属鎖体化合物から選ばれる金属類を用いること
ができる。
かかる第三の少なくとも1種以上、上記燃焼炎中また
はその近傍に存在する状態または燃焼または化学反応し
つつある状態に構成することによって、本発明にかかる
炎は形成される。かかる炎の構成方法は、特に限定され
るものではなく、用いられる第三の成分に適宜最適な方
法を選択することで達成される。該炎は、燃焼炎中また
はその近傍に第三の成分(D)を位置させることにより
形成されるものであるが、「近傍」というのは、第三の
成分(D)が該燃焼炎の影響を受け、活性化したり、分
解したりあるいは化学反応するなどの影響を受ける距離
以内にあることを意味する。
本発明では、かかる第二の炎を用いて、被処理対象物
(A)である高分子の少なくとも極限表層を改質するも
のであるが、その被処理対象物としては、少なくともそ
の表面の一部が該炎中を通過できるものであれば、繊
維、布帛、不織布、フィルム、シートおよびその他の高
分子成形品であれば、いかなる形状のものであってもよ
い。
かかる炎中を通過させることにより、炎中反応にて高
分子表面の改質が達成されるが、かかる炎中の布帛やフ
ィルム、シートなどが通過する地点の温度については、
厳密な測定が困難であるが、高温であるほうが好まし
く、またより多く前述の活性種が発生していることが好
ましい。
また、本発明を実施するに際しては、例えば、空気ま
たは酸素などの酸化性気体の供給量は、上記活性種が多
く発生するよう適宜調整するのが好ましい。
被処理対象物(A)としては、高分子より成形された
なるものであればよく、例えば、繊維であれば、天然繊
維、化学繊維・合成繊維のいずれであってもよい。かか
る繊維を織り、編みなどして布帛形成した織編物などの
布帛形状のもの、あるいは抄紙法やニードルパンチ法な
どによる不織布となして後に処理に供してもよい。ま
た、フィルムやその他シート状、あるいは不定形の様々
な高分子成形品として処理してもかまわなく、所望に応
じて、いかなる形状のものであってもよい。
かかる炎で処理するとき、その通過速度(処理速度)
は、処理される繊維をはじめとする種々の高分子成形品
の形態、性状等にも依存し、一律的に定められるもので
はないが、予め予備試験を重ねることなどによって好適
な範囲を求めることは比較的簡単である。
なお、例えば、布帛などでは、拡布状態で走行させる
のが好ましく、繊維などでは、例えば、ベンディングロ
ールなどを用いて、繊維を開繊とした状態で処理するの
が好ましい。
もちろん、被処理物が固定されていて、炎側が通過す
る処理態様としてもよい。また、通過回数は複数回とし
てもよい。
また、燃焼炎と第二の炎の二種の炎を、二段階にして
使用した処理方法も効果的なものである。
すなわち、まず、被処理物を、燃料(Bという)と酸
化性化合物また酸化剤(これらをCという)との燃焼に
よって生じる燃焼炎中に通過させて、引き続き、前記燃
料(B)とは異なりかつ可燃性を有する1種以上の第三
の成分(これをDという)と酸化性化合物または酸化剤
(これらをC′という)との燃焼により形成せしめた炎
の中を通過させるのも表面の改質に効果的なものであ
り、特に、このような二段階にわたる処理を行なうと、
効率的に高分子表面を改質できるばかりか、単なる第一
の燃焼炎処理のみでは得られなかった特異な特性の付与
が可能となるのである。
さらにまた、前述の炎による処理を二段階、もしくは
それ以上にわたって行なうこと、それも、第三の成分と
しては、各段階で相異するものを用いた複数回処理を行
なうことも有効である。すなわち、被処理物(これをA
という)を、燃料(Bという)と酸化性化合物または酸
化剤(これらをCという)との燃焼によって生じる燃焼
炎中または該燃焼炎の近傍において、前記燃料(B)と
は異なる1種以上の第三の成分(これをDという)が存
在する状態かまたは燃焼または化学反応しつつある状態
に構成された炎の中を通過させ、さらに、これに引き続
いて、前記燃料(B)とは異なりかつ可燃性を有する1
種以上の第三の成分であり、かつ前記物質(D)とは異
なる物質(これをEという)と酸化性化合物または酸化
剤(これらをC′という)との燃焼により形成せしめた
炎の中を通過させるのも表面の改質に効果的なものであ
り、特に、このような二段階にわたる処理を行なうと、
改質効果が飛躍的に向上するとともに、特異な、複合さ
れた特性の付与も可能となる。
これら複数段階にわたる炎中処理において、それぞれ
の炎の形成に用いられる酸化性化合物または酸化剤は、
相異しているものであってもよい。
[実施例] 以下に実施例を示すが、本発明の有効性や権利の範囲
はこれによって限定されたり、制限を受けるものではな
い。
実施例1 燃料ガスとして、都市ガスを用い、酸化性ガスとして
空気を使用し、層流炎を形成した。しかる後、かかる燃
焼炎中に、第三の成分として、ポリアセタールの微粉末
を噴霧し、該ポリアセタールをも燃焼せしめることによ
り構成された炎を形成せしめた。
次いで、かかる炎中に、レーヨン・フィラメント糸
を、単糸が開繊した状態で、かつ、該フィラメント糸が
燃焼することのない速度(炎の強弱に合わせて、約50〜
1000m/分)で上記炎中を通過させた。
しかる後、かかるレーヨン・フィラメント糸と未処理
のフィラメント糸の2種に水を十分含ませた状態にした
後、土中にいれた。
一定期間ごとに、土中から取りだし強伸度を測定した
ところ、本発明にかかるレーヨン・フィラメント糸は未
処理品(比較例)に比べ強度劣化程度が極めて少なく劣
化しにくいものであった。
実施例2 燃料ガスとして、プロパンガスを用い、酸化性ガスと
しては空気を使用し、第一の燃焼炎を作成した。かかる
第一の燃焼炎とは別に、前記第一の燃焼炎と同じ燃焼炎
中に、第三の成分Dとしてポリエチレンオキシドを噴霧
し、該ポリエチレンオキシドも燃焼しつつある第二の炎
を形成させた。
次いで、ポリエチレンテレフタレートからなる高密度
タフタを、その布帛が燃焼しない範囲の速度(炎の強弱
に合わせて、約50〜1000m/分)で上記の第一及び第二の
炎中を通過させた。
しかる後、かかる処理を施した布帛に水滴を静かに滴
下したところ、直ちに水滴は染み込みはじめた。一方、
未処理の布帛は、同様に、水滴を滴下しても、しばらく
の間、水滴が布帛表面の上にのったままであり、染み込
みはじめるまでにある程度の時間を要した。また、プロ
パンガスの燃焼だけで生ずる燃焼炎中を通過させた布帛
は、未処理のものよりは水滴の染み込み程度は速かった
が、本発明のものに比べてかなり劣っていた。
[発明の効果] 本発明の炎中反応による高分子の少なくとも極限表層
の改質する方法によれば、被処理物の本来の形態や物性
を損なうことなく、相当な処理速度で、親水性や接着性
などの機能性を付与することができ、かつ、その効果も
著しいものを得ることができる。
さらに、熱的作用なども加わり、表面層が改質される
のみならず、耐久性や耐屈曲性、あるいは結節強度など
の特性に優れたタイヤ、コンベアベルトなど各種ベル
ト、ホース、ロープ、ゴムローラ、ダイヤフラム、テグ
スなどの工業製品にも好ましく用いることができる性能
の優れた産業用繊維をも提供することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−28533(JP,A) 特開 昭51−41770(JP,A) 特公 昭57−2814(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 10/00 - 11/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子よりなる繊維、布帛、不織布、フィ
    ルム、シートおよびそれら以外の成形品の群から選ばれ
    た少なくとも1種の被処理物(これをAという)を、燃
    料(Bという)と酸化性化合物または酸化剤(これらを
    Cという)との燃焼によって生じる燃焼炎中または該燃
    焼炎の近傍において、前記燃料(B)とは異なる1種以
    上の下記に示す第三の成分(これをDという)が存在す
    る状態かまたは燃焼または化学反応しつつある状態に構
    成された炎の中を通過させることを特徴とする炎中反応
    による高分子の表層改質方法。 (第三の成分:セルロース、タンパク、含フッ素化合
    物、含シリコーン化合物、ポリエチレンオキシドのエー
    テル系高分子、ポリアセタールのホルマリン系誘導体、
    アクリル酸、メタクリル酸の誘導体から選ばれる有機
    物、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素の炭化物、チッ化ケ
    イ素、チッ化ホウ素のチッ化物から選ばれる無機系化合
    物、軽金属単体、希土類、金属酸化物、金属チッ化物、
    各種金属塩、金属鎖体化合物から選ばれる金属類)
  2. 【請求項2】高分子よりなる繊維、布帛、不織布、フィ
    ルム、シートおよびそれら以外の成形品の群から選ばれ
    た少なくとも1種の被処理物(これをAという)を、燃
    料(Bという)と酸化性化合物または酸化剤(これらを
    Cという)との燃焼によって生じる燃焼炎中に通過さ
    せ、引き続き、前記燃料(B)とは異なりかつ可燃性を
    有する1種以上の下記に示す第三の成分(これをDとい
    う)と酸化性化合物または酸化剤(これらをC′とい
    う)との燃焼により形成せしめた第二の炎の中を通過さ
    せることを特徴とする炎中反応による高分子の表層改質
    方法。 (第三の成分:セルロース、タンパク、含フッ素化合
    物、含シリコーン化合物、ポリエチレンオキシドのエー
    テル系高分子、ポリアセタールのホルマリン系誘導体、
    アクリル酸、メタクリル酸の誘導体から選ばれる有機
    物、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素の炭化物、チッ化ケ
    イ素、チッ化ホウ素のチッ化物から選ばれる無機系化合
    物、軽金属単体、希土類、金属酸化物、金属チッ化物、
    各種金属塩、金属鎖体化合物から選ばれる金属類)
  3. 【請求項3】高分子よりなる繊維、布帛、不織布、フィ
    ルム、シートおよびそれら以外の成形品の群から選ばれ
    た少なくとも1種であって、燃料(Bという)と酸化性
    化合物または酸化剤(これらをCという)との燃焼によ
    って生じる燃焼炎中または該燃焼炎の近傍において、前
    記燃料(B)とは異なる1種以上の下記に示す第三の成
    分(これをDという)が存在する状態かまたは燃焼また
    は化学反応しつつある状態に構成された炎の中を通過せ
    しることにより改質された表層を有してなることを特徴
    とする繊維、布帛、不織布、フィルム、シートまたはそ
    れら以外の高分子成形品。 (第三の成分:セルロース、タンパク、含フッ素化合
    物、含シリコーン化合物、ポリエチレンオキシドのエー
    テル系高分子、ポリアセタールのホルマリン系誘導体、
    アクリル酸、メタクリル酸の誘導体から選ばれる有機
    物、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素の炭化物、チッ化ケ
    イ素、チッ化ホウ素のチッ化物から選ばれる無機系化合
    物、軽金属単体、希土類、金属酸化物、金属チッ化物、
    各種金属塩、金属鎖体化合物から選ばれる金属類)
  4. 【請求項4】タイヤコード、ベルト用コード、ロープ、
    漁網、あるいはテグス用等の産業用の繊維であって、燃
    料(Bという)と酸化性化合物または酸化剤(これらを
    Cという)との燃焼によって生じる燃焼炎中または該燃
    焼炎の近傍において、前記燃料(B)とは異なる1種以
    上の下記に示す第三の成分(これをDという)が存在す
    る状態かまたは燃焼または化学反応しつつある状態に構
    成された炎の中を通過せしめることにより改良された表
    層を有してなることを特徴とする産業用繊維。 (第三の成分:セルロース、タンパク、含フッ素化合
    物、含シリコーン化合物、ポリエチレンオキシドのエー
    テル系高分子、ポリアセタールのホルマリン系誘導体、
    アクリル酸、メタクリル酸の誘導体から選ばれる有機
    物、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素の炭化物、チッ化ケ
    イ素、チッ化ホウ素のチッ化物から選ばれる無機系化合
    物、軽金属単体、希土類、金属酸化物、金属チッ化物、
    各種金属塩、金属鎖体化合物から選ばれる金属類)
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