JP5630982B2 - 多重通信用ジョイントコネクタ - Google Patents

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本発明は、複数の相手方コネクタと嵌合可能な多重通信用ジョイントコネクタに関する。
車両などにおいては、CAN(Control Area Network)通信によって複数の電装品を制御するため、多重通信用ジョイントコネクタを用いた接続が行われている。このような信号伝達用のコネクタには、ノイズの輻射や信号伝送に及ぼす悪影響を軽減するため、信号に重畳されるノイズを除去する機能が要求される。従来、ノイズ除去機能を有するコネクタとしては、フェライト磁心とチップコンデンサによって構成されるローパスフィルタ回路をコネクタに内蔵させたローパスフィルタ内蔵コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、アウターハウジングと、金属板によって一体成形されたジョイント回路としての連鎖バスバーと、第1および第2の抵抗およびコンデンサを有する終端抵抗回路と、から構成された多重通信用ジョイントコネクタも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−78658号公報 特開2003−123918号公報
図23に示す従来の多重通信用ジョイントコネクタ10は、複数のコネクタ嵌合部2を有する合成樹脂製のアウターハウジング1と、複数の貫通孔4が設けられて長方形板状に形成されたフェライト・プレート3と、バスバー6とピン状の端子7とが金属板によって一体成形された接続部5と、を備える。ローパスフィルタとして機能するフェライト・プレート3は、アウターハウジング1と一体にインサート成形されており、このフェライト・プレート3の貫通孔4に接続部5の端子7が挿通されてコネクタ嵌合部2に配置されている。この構成により、上下左右に隣り合う端子7の間にはフェライト・プレート3の一部が位置することになる。
しかし、フェライト・プレート3をアウターハウジング1にインサート成形すると、成形後の合成樹脂の収縮によって板状のフェライト・プレート3に曲げ応力が作用し、図24に示すように、反りなどの変形が生じる場合がある。このように変形するほどの応力がフェライト・プレート3に作用すると、ビラリ効果(Villari effect)として一般に知られている逆磁歪現象によって、フェライト・プレート3の透磁率が低下する。このため、フェライト・プレート3は、ローパスフィルタとして十分なインピーダンス特性が得られなくなって、伝送される波形ひずみの改善が不十分となる問題があった。また、このビラリ効果を考慮して十分な特性が得られるようにフェライト・プレート3を大きくすることは、多重通信用ジョイントコネクタ10のコストアップ要因となり、好ましくない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アウターハウジングへのインサート成形に起因するフェライト・プレートの変形を防止して、透磁率低下による多重通信用ジョイントコネクタの特性劣化を抑制し、伝送される波形ひずみを改善することができる多重通信用ジョイントコネクタを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る多重通信用ジョイントコネクタは、下記(1)〜()を特徴としている。
) 複数の相手方コネクタとそれぞれ嵌合するための複数のコネクタ嵌合部が形成されたアウターハウジングと、
前記コネクタ嵌合部内に突出するように前記アウターハウジングに配置され、且つ前記相手方コネクタが前記コネクタ嵌合部に嵌合した際に該相手方コネクタの相手方端子に接触して電気的に接続する端子と、
前記端子によって貫通されるように前記アウターハウジングに配置されたフェライト・プレートと、
を備え、
前記フェライト・プレートには、該フェライト・プレートの外側面から内部に向けて切り込まれたスリットが形成されていること。
) 上記()の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記フェライト・プレートは、前記コネクタ嵌合部に対応するように前記スリットにより区分けされた複数の小フェライト部を有していること。
) 上記(1)または(2)の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
一面が開口し、該開口を通して前記フェライト・プレートが収容されるプレート収容室を有するインナーハウジングをさらに備え、
前記アウターハウジングには、前記フェライト・プレートが前記プレート収容室に収容された前記インナーハウジングを嵌合するためのインナーハウジング嵌合部が形成され、
前記インナーハウジングは、該インナーハウジングが前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際に前記コネクタ嵌合部内に突出するように、且つ前記プレート収容室を挿通するように、前記端子を保持するとともに、前記プレート収容室を画成する内側面に設けられたバネ部材が前記端子によって貫通された前記フェライト・プレートをその側面から押圧することによって前記フェライト・プレートを前記プレート収容室に固定する、
こと。
) 上記()の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記バネ部材は、複数個に分割された前記フェライト・プレート毎に、前記プレート収容室を画成する内側面に設けられている、
こと。
) 上記()または()の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記バネ部材は、前記プレート収容室を画成する内側面のうちの、前記フェライト・プレートの側面に対向する一つの面に設けられている、
こと。
) 上記()から()のいずれか一つの構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記インナーハウジング嵌合部には、該インナーハウジング嵌合部を画成する内面のうちの、前記開口から露出する前記フェライト・プレートの一面に対向する面に、該フェライト・プレートに向けて突出する突起部が形成されている、
こと。
) 上記()の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記突起部の突出方向の高さは、前記インナーハウジングを前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際、前記プレート収容室に収容された、厚み方向の寸法公差が最小である前記フェライト・プレートに、与圧ゼロで接触する高さである、
こと。
) 上記()の構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記インナーハウジングを前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際の、該インナーハウジング嵌合部の前記突起部が形成された一面と、前記プレート収容室を画成する内面のうちの前記開口に対向する一面との距離は、前記突起部の突出方向の高さと、厚み方向の寸法公差が最小である前記フェライト・プレートの厚みの和に等しい、
こと。
) 上記()から()のいずれか一つの構成の多重通信用ジョイントコネクタであって、
前記突起部は、前記フェライト・プレート毎に、前記開口から露出する該フェライト・プレートの一面における対角線に臨むように、形成されている、
こと。
上記(1)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、フェライト・プレートが複数個に分割された状態でアウターハウジングに配置されているので、アウターハウジングの樹脂が収縮しても、各フェライト・プレートに作用する応力は小さく、フェライト・プレートの変形を大幅に抑制することができる。これによって、フェライト・プレートの変形に起因する特性劣化(透磁率低下)を小さくすることができ、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
上記(2)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、各コネクタ嵌合部内に配置される端子間において伝播する電磁波を、効果的に遮断することができる。この結果、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
上記(3)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、フェライト・プレートが複数個にスリットによって区分けされた状態でアウターハウジングに配置されているので、アウターハウジングの樹脂が収縮しても、スリットによって区分けされる各フェライト・プレートに作用する応力は小さく、フェライト・プレートの変形を大幅に抑制することができる。これによって、フェライト・プレートの変形に起因する特性劣化(透磁率低下)を小さくすることができ、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
上記(4)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、各コネクタ嵌合部内に配置される端子間において伝播する電磁波を、効果的に遮断することができる。この結果、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
上記(5)〜(7)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、インナーハウジング内においてバネ部材を用いてフェライト・プレートを支持することによって、フェライト・プレートの公差を吸収することができる。
上記(8)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、バネ部材が自身の反力により、端子によって貫通されたフェライト・プレートをプレート収容室内の側壁に押し付けるため、フェライト・プレートはプレート収容室内に保持される。また、フェライト・プレートの一面がフェライト・プレートに向けて突出する突起部に支持可能になっている。これによって、ジョイントコネクタが振動を受けることがあっても、フェライト・プレートがインナーハウジング内でガタツキを生じたり、異音を発生したりすることを回避することができる。
上記(9)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、厚み方向の公差が最小となるフェライト・プレートであっても、厚み方向の公差が最大となるフェライト・プレートであっても、そのフェライト・プレートに求められる最低限の特性値を満たしつつ、プレート収容室内に安定保持することができる。
上記(10)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、厚み方向の公差が最小となるフェライト・プレートであっても、厚み方向の公差が最大となるフェライト・プレートであっても、そのフェライト・プレートに求められる最低限の特性値を満たしつつ、プレート収容室内に安定保持することができる。
上記(11)の構成の多重通信用ジョイントコネクタによれば、フェライト・プレートの貫通孔から離れた位置でこのフェライト・プレートを突起部により支持でき、この突起部から受ける外部応力によるフェライト特性の劣化をも極力抑えることができる。
本発明の多重通信用ジョイントコネクタによれば、フェライト・プレートが複数個に分割された状態でアウターハウジングに配置されるので、アウターハウジングの樹脂が収縮しても、各フェライト・プレートに作用する応力は小さく、フェライト・プレートの変形を大幅に抑制することができる。これによって、フェライト・プレートの変形に起因する特性劣化(透磁率低下)を小さくすることができ、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
また、フェライト・プレートは、外側面から内部に向けて切り込まれたスリットが設けられているので、アウターハウジング内に配置後の樹脂収縮によるフェライト・プレートに作用する応力は、スリットによって緩和される。また、樹脂収縮によってフェライト・プレートに大きな応力が作用した場合、フェライト・プレートがスリット部で割れて複数個に分割される。これによって、分割後の各フェライト・プレートに作用する応力が緩和されて、フェライト・プレートの変形による特性劣化(透磁率低下)を防止することができる。従って、ローパスフィルタ機能を良好に維持することができる。
また、バネ部材が自身の反力により、端子によって貫通されたフェライト・プレートをプレート収容室内の側壁に押し付けるため、フェライト・プレートはプレート収容室内に保持される。さらに、フェライト・プレートの一面がフェライト・プレートに向けて突出する突起部に支持可能になっている。これによって、ジョイントコネクタが振動を受けることがあっても、フェライト・プレートがインナーハウジング内でガタツキを生じたり、異音を発生したりすることを回避することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。 図1におけるインサート成形されたフェライト・プレートの側面図である。 多重通信用ジョイントコネクタの特性(インピーダンス)の測定位置を示す平面図である。 多重通信用ジョイントコネクタの特性低下を従来の多重通信用ジョイントコネクタと比較して示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタにインサート成形されるフェライト・プレートの成形前後の変形状態を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのアウタ−ハウジングの横断面図である。 本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングの斜視図である。 図8におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を一部で縦断して示す斜視図である。 図8におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を別の一部で縦断して示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのアウタ−ハウジングの横断面図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのフェライト・プレートの平面図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングの斜視図である。 図15におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を一部で縦断して示す斜視図である。 図15におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を別の一部で縦断して示す斜視図である。 フェライト・プレートに働く外力とフェライト・プレートの特性値の関係を示す特性図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図である。 フェライト・プレートの厚みとフェライト・プレートの特性値の関係を説明する説明図である。 本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図である。(a)が2.9mmのフェライト・プレートが保持されているもの、(b)が3.1mmのフェライト・プレートが保持されているものである。 支持突起の先端の押し潰し長さに対するフェライト性能の低下量を示す特性図である。 従来の多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。 図23に示すインサート成形されたフェライト・プレートの変形状態を示す側面図である。
以下、本発明に係る多重通信用ジョイントコネクタの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図、図2は図1におけるインサート成形されたフェライト・プレートを示す側面図、図3は多重通信用ジョイントコネクタの特性(インピーダンス)の測定位置を示す平面図、図4は多重通信用ジョイントコネクタの特性低下を従来の多重通信用ジョイントコネクタと比較して示すグラフである。
図1及び図2に示すように、本実施形態の多重通信用ジョイントコネクタ100は、複数の相手方コネクタ(図示せず)とそれぞれ嵌合するための複数のコネクタ嵌合部22(図1では8個)を有する合成樹脂製のアウターハウジング21と、1対の貫通孔24が設けられて略矩形板状に分割されたフェライト・プレート23(図1では8個に分割されている。)と、コネクタ嵌合部22内に突出するようにアウターハウジング21に配置され、且つ相手方コネクタがコネクタ嵌合部22に嵌合した際に該相手方コネクタの相手方端子に接触して電気的に接続する1対の接続部25と、を備える。
接続部25は、ピン状に形成された複数の端子27(図1では各列につき8本)と、この複数の端子27を一端において接続するバスバー26(図1では2本)とを有している。左右方向に隣り合う一対の端子27は、一つのコネクタ嵌合部22内に配置される。各コネクタ嵌合部22内に配置される一対の端子27には、多重通信を実現する伝送方式に則った信号が伝送される。例えば、周波数分割多重化を伝送方式として採用した場合には、一対の端子27それぞれには異なる周波数帯が割り当てられる。周波数分割多重化を採用した場合、隣り合うコネクタ嵌合部22に配置された一対の端子27には、一方の一対の端子27を信号が伝播した際に生じる電磁波(ノイズ)によって、他方の一対の端子27に電圧が誘起されるおそれがある。このノイズによる電圧の誘起を防止するために、フェライト・プレート23によって、上記一方の一対の端子27から上記他方の一対の端子27への電磁波の伝播を遮断する。
より具体的な事例を以ってフェライト・プレート23の機能を説明する。多重通信用ジョイントコネクタがCANに利用される場合であって、一対の端子27に差動信号が入力される伝送路では、一方の一対の端子27に接続されるH側信号ラインと他方の一対の端子27に接続されるL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこと(H側信号ラインのインピーダンス特性≒L側信号ラインのインピーダンス特性)が必須である。このため、H側信号ラインとL側信号ラインの間に位置するフェライト・プレート23が、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこともまた必須である。
例えば、一対の端子27のそれぞれに、端子27を内部に挿通させるフェライト材を別々に装着するように多重通信用ジョイントコネクタを構成した場合、各端子27に装着された個々のフェライト材のインピーダンス特性にばらつきが生じる結果、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれないことが懸念される。H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれていない場合、H側信号ラインとL側信号ラインに誘導される同相モード(コモンモード)のノイズ成分が、差動成分として働き、その結果、このような差動成分がbitエラーの要因となってしまう。
一方、図1に示すフェライト・プレート23の形状によれば、一対の端子27の間にインピーダンス特性が均一のフェライト・プレート23が位置するため、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれる。この結果、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
また、フェライト・プレート23は、一列に並ぶ各コネクタ嵌合部22の底面(図1に図示せず。)に対向するように分割されており、この状態でアウターハウジング21に一体にインサート成形されている。なお、本発明は、フェライト・プレート23がアウターハウジング21にインサート成形される構成に限定されるものではなく、フェライト・プレート23がアウターハウジング内に配置される構成であればよい。接続部25の端子27は、フェライト・プレート23の貫通孔24に挿通されてコネクタ嵌合部22内に突出するようにそれぞれ配置されている。なお、フェライト・プレート23を分割する形態は、上述のものに限るものではなく、要は、複数個に分割されさえしていれば後述する効果を奏する。
合成樹脂によって成形されたアウターハウジング21は、成形後に樹脂収縮が生じるが、フェライト・プレート23は、図2に示すように、複数に分割された状態でインサート成形されているので、アウターハウジング21の樹脂収縮に起因して分割されたフェライト・プレート23各々に作用する応力は小さく、フェライト・プレート23の変形は抑制される。従って、逆磁歪現象によるフェライト・プレート23の透磁率の低下が防止され、フェライト・プレート23のローパスフィルタ機能が良好に維持されて、多重通信用ジョイントコネクタ100を介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
図4に、一枚のフェライト・プレートを備える従来の多重通信用ジョイントコネクタ10(図6参照)と、複数に分割されたフェライト・プレートを備える本発明の多重通信用ジョイントコネクタ100との特性を比較して示す。
図3に示すように、フェライト・プレートの設定された4箇所(点線で囲まれる1〜4の領域。該領域は、4個の貫通孔24を含む。)の測定位置にインピーダンス測定器30を接続し、アウターハウジング1、21にインサート成形される前のフェライト・プレート3、23のインピーダンスと、インサート成形後のフェライト・プレート3、23(多重通信用ジョイントコネクタ10、100)のインピーダンスと、を測定し、インサート成形前後(インサート成形前のインピーダンスを100%とする)におけるインピーダンスを求めた。
本発明の多重通信用ジョイントコネクタ100による特性の改善率を示したものが図4である。図4では、従来の多重通信用ジョイントコネクタ(一枚のフェライト・プレート)によるインサート成形後のインピーダンスを「1」とした場合の、本発明の多重通信用ジョイントコネクタ(複数に分割されたフェライト・プレート)によるインサート成形後のインピーダンスの数値を「改善率」として表している。図4に示すように、いずれの測定点においても、インピーダンス特性が改善されていることがわかる。
したがって、本発明の多重通信用ジョイントコネクタによれば、フェライト・プレートが複数個に分割された状態でアウターハウジングに配置されるので、アウターハウジングの樹脂が収縮しても、各フェライト・プレートに作用する応力は小さく、フェライト・プレートの変形を大幅に抑制することができる。これによって、フェライト・プレートの変形に起因する特性劣化(透磁率低下)を小さくすることができ、ローパスフィルタ機能を良好に維持して、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
また、複数に分割されたフェライト・プレートを用いることにより、ピン状の端子27との公差が小さくて済むため、貫通孔24の径を小さくすることができる。貫通孔24の径が小さくなる結果、インピーダンス値が向上するため、所望のインピーダンス値を得るために必要なフェライトの厚みをより薄く設計することができる。これは、フェライトの小型化につながる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタを図5に基づいて説明する。図5は第2実施形態の多重通信用ジョイントコネクタにインサート成形されるフェライト・プレートのインサート成形前後の変形状態を示す平面図である。なお、第2実施形態の多重通信用ジョイントコネクタは、フェライト・プレートの形状が異なる以外は、第1実施形態の多重通信用ジョイントコネクタと同様であるので、多重通信用ジョイントコネクタの構成については、図1を代用して説明する。
第2実施形態の多重通信用ジョイントコネクタ100は、第1実施形態の多重通信用ジョイントコネクタと同様に、フェライト・プレート33がアウターハウジング21に一体にインサート成形され、接続部25の端子27が、フェライト・プレート33の貫通孔24に挿通されてコネクタ嵌合部22にそれぞれ配置されている。
図5(a)に示すように、インサート成形前の第2実施形態のフェライト・プレート33は、その長手方向に対して略直角方向に複数のスリット34が設けられており、幅の狭い根元部35で連結された略櫛形に形成されている。スリット34によって隔てられるように区分けされたフェライト・プレート33の一部を小フェライト部33aと称する。図に示す実施形態においては、7本のスリット34によって隔てられるフェライト・プレート33の各小フェライト部33aの大きさは、それぞれコネクタ嵌合部22に対応している。なお、フェライト・プレート23にスリットを形成する形態は、上述の形状に限るものではなく、要は、フェライト・プレート23の外側面から内部に向けて切り込みが形成されさえしていれば、該切り込みによって分断されるフェライト・プレートが該切り込みによって根元部35を基点とする変形が可能になるため、後述する効果を奏する。
図5(b)に示すように、アウターハウジング21にインサート成形された櫛形のフェライト・プレート33は、成形後の樹脂収縮応力によって略扇型に変形する。このとき、フェライト・プレート33は、図5(c)に示すように、スリット34の幅が開くように変形するので、フェライト・プレート33の各小フェライト部33aに作用する応力は小さく、各小フェライト部33aの変形が抑制される。
アウターハウジング21の樹脂収縮が大きい場合、フェライト・プレート33には大きな応力が作用するが、この応力は根元部35に集中応力として作用する。この結果、幅が狭く、従って機械的強度が弱い根元部35付近で割れてフェライト・プレート33が複数個に分割されることがあるが、この場合は、上述した第1実施形態にて説明した構成に相当する。このため、分割後の各フェライト・プレートに作用する応力が緩和されて、フェライト・プレートの変形による特性劣化(透磁率低下)を防止することができる。従って、ローパスフィルタ機能を良好に維持することができる。
従って、逆磁歪現象によるフェライト・プレート33の透磁率の低下が防止され、フェライト・プレート33のローパスフィルタ機能が良好に維持されて、多重通信用ジョイントコネクタ100を介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタを図6〜図11に基づいて説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。図7は、本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのアウターハウジングの横断面図である。図8は、本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングの斜視図である。図9は、図8におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を一部で縦断して示す斜視図である。図10は、図8におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を別の一部で縦断して示す斜視図である。図11は、本発明の第3実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図である。
フェライト・プレート23は、衝撃に弱く、割れ易く、公差が大きい。このため、バネ形状の樹脂部材やゴム材などに挟み込んだり、樹脂モールドしたり、シリコン材で包んだりするなどして衝撃が緩和されるとともに、公差吸収が行われる。このように、フェライト・プレート23を保持する構造として、フェライト・プレートの公差を吸収することができるものが望まれている。第3実施形態では、インナーハウジング42内においてバネ部材である樹脂バネ41を用いてフェライト・プレートの支持を行っている(図10参照。)。なお、樹脂バネによるフェライト・プレートの支持構造の詳細は後述する。
図6に示すように、第3実施形態の多重通信用ジョイントコネクタ200は、複数の相手方コネクタ(図示せず)とそれぞれ嵌合するための複数のコネクタ嵌合部22(図6では8個)を有する合成樹脂製のアウターハウジング21と、1対の貫通孔24が設けられて略矩形板状に分割されたフェライト・プレート23(図6では8個に分割されている。)と、コネクタ嵌合部22内に突出し、且つ相手方コネクタがコネクタ嵌合部22に嵌合した際に該相手方コネクタの相手方端子に接触して電気的に接続する1対の接続部25と、接続部25を保持するとともにフェライト・プレート23を収容するインナーハウジング42と、を備える。
接続部25は、ピン状に形成された複数の端子27(図6では各列につき8本)と、この複数の端子27の一端に連設されるバスバー26(図6では2本)とを有している。図6では、8本の端子27が連設されたバスバー26が2本、並設されている。左右方向に隣り合う一対の端子27は、インナーハウジング42がアウターハウジング21に嵌合した際に、コネクタ嵌合部22に相手方コネクタが嵌合する側とは逆側から前記コネクタ嵌合部22内に突出するように、一つのコネクタ嵌合部22内に配置される。各コネクタ嵌合部22内に配置される一対の端子27には、多重通信を実現する伝送方式に則った信号が伝送される。例えば、周波数分割多重化を伝送方式として採用した場合には、一対の端子27それぞれには異なる周波数帯が割り当てられる。周波数分割多重化を採用した場合、隣り合うコネクタ嵌合部22に配置された一対の端子27には、一方の一対の端子27を信号が伝播した際に生じる電磁波(ノイズ)によって、他方の一対の端子27に電圧が誘起されるおそれがある。このノイズによる電圧の誘起を防止するために、フェライト・プレート23によって、上記一方の一対の端子27から上記他方の一対の端子27への電磁波の伝播を遮断する。
多重通信用ジョイントコネクタがCANに利用される場合であって、一対の端子27に差動信号が入力される伝送路では、一方の一対の端子27に接続されるH側信号ラインと他方の一対の端子27に接続されるL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこと(H側信号ラインのインピーダンス特性≒L側信号ラインのインピーダンス特性)が必須である。このため、H側信号ラインとL側信号ラインの間に位置するフェライト・プレート23が、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこともまた必須である。
例えば、一対の端子27のそれぞれに、端子27を内部に挿通させるフェライト材を別々に装着するように多重通信用ジョイントコネクタを構成した場合、各端子27に装着された個々のフェライト材のインピーダンス特性にばらつきが生じる結果、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれないことが懸念される。H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれていない場合、H側信号ラインとL側信号ラインに誘導される同相モード(コモンモード)のノイズ成分が、差動成分として働き、その結果、このような差動成分がbitエラーの要因となってしまう。
図6に示すフェライト・プレート23の形状によれば、一対の端子27の間にインピーダンス特性が均一のフェライト・プレート23が位置するため、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれる。この結果、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
アウターハウジング21は、図7に示すように、中壁21aの両側に該中壁21aとは垂直な側壁21b、21d、および側壁21c、21eが位置してしおり、中壁21a、および側壁21b、21c、21d、21eは、中壁21aが水平方向に見立てたときにH字形状となる。図7のアウタ−ハウジングの横断面図において、中壁21aと側壁21b、21cとに囲まれた空間がインナーハウジング嵌合部21gとなっている。インナーハウジング嵌合部21gは、開口21fを有しており、この開口21fを通してインナーハウジング42を嵌合する。一方、中壁21aと側壁21d、21eとに囲まれた空間がコネクタ嵌合部22となっている。コネクタ嵌合部22は、開口21hを有しており、この開口21hを通して相手方コネクタが挿入される。
さらに、中壁21aには、フェライト・プレート23の各貫通孔24に対向する位置に端子挿入孔37が穿設されている。端子挿入孔37は、インナーハウジング嵌合部21gにインナーハウジング42が嵌めこまれた際に、フェライト・プレート23の貫通孔24を貫通する端子27によって貫通される。これにより、端子27の一部は、インナーハウジング42がアウターハウジング21に嵌合した際に、インナーハウジング嵌合部21g側から端子挿入孔37を貫通し、コネクタ嵌合部22内に配置されることになる。
インナーハウジング42は、図8に示すように、一面が開口し、この開口42dを通してフェライト・プレート23を収容するプレート収容室42eが形成されている。プレート収容室42eは、底壁42a、側壁42b、42cによって囲まれている。側壁のうちの一方の側壁42bには、収容されたフェライト・プレート23に臨むその内側面に、複数個の樹脂バネ41が形成されている。樹脂バネ41は、プレート収容室42eに収容されたフェライト・プレート23の側面を、該樹脂バネ41が形成された側壁42bとは反対側の側壁42cの方向に向けて、押圧する。これらの樹脂バネ41は、同形、同サイズで、インナーハウジング42の長手方向に8個が等間隔配置されている。この樹脂バネ41により、複数個に分割された状態の8個のフェライト・プレート23はそれぞれ、一つの側面が図10に示すように樹脂バネ41に押圧され、もう一方の側面がプレート収容室42eの前記樹脂バネ41が設けられる側に対向する側壁42cの内側面に押し当てられるようにして保持される。なお、バネ部材としての樹脂バネ41は、プレート収容室42eの内側面のうちの一面において、その一部を切り起こすなどして形成される。
次に、図9および図10を参照して、インナーハウジング42に対するフェライト・プレート23の装着工程を説明する。図9は、図8のインナーハウジング42に装着された8対16本の端子27に8個のフェライト・プレート23の各貫通孔24を挿し通す直前の状態である。なお、この状態の前に、接続部25をプレート収容室42eの底壁42aに装着しておく必要がある(より詳細には、プレート収容室42eの底壁42aを穿つように該底壁42aに形成された端子保持部43に、端子27の一端が連設されたバスバー26を挿入、固定させておく。)。この結果、各端子27は、プレート収容室42eの底壁42aから開口42dに向けて真直ぐに延びるように突設されている。フェライト・プレート23は、このような端子27の尖端から貫通孔24が挿通され、開口42dを通過し、厚み方向の一面(図上、フェライト・プレート23の下面)が底壁42aに当接する状態で、プレート収容室42eに収容される。
フェライト・プレート23は、プレート収容室42eに収容された状態において、その幅方向の片面が側壁42bの内側に突出する各一の樹脂バネ41に前述のように押圧され、一方、幅方向の他の片面は側壁42cの内面に押し当てられるようにしてプレート収容室42eに保持される。
フェライト・プレート23が上述のようにしてプレート収容室42eに保持されたインナーハウジング42が、図7に示すアウターハウジング21のインナーハウジング嵌合部21gに嵌合される。インナーハウジング42がアウターハウジング21のインナーハウジング嵌合部21gに嵌合した状態を図11に示す。インナーハウジング42は、プレート収容室42eの開口42dから露出するフェライト・プレート23の一面がアウターハウジング21の中壁21aの内面Qに対向するように、インナーハウジング嵌合部21gに収容される。
このように、第3実施形態では、インナーハウジング42内においてバネ部材である樹脂バネ41を用いてフェライト・プレートを支持することによって、フェライト・プレートの公差を吸収することができる。この結果、多重通信用ジョイントコネクタ200が振動を受けるなどして、ガタツキなく、異音の発生を未然に防止できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタを図12〜図22に基づいて説明する。図12は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。図13は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのアウタ−ハウジングの横断面図である。図14は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのフェライト・プレートの平面図である。図15は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングの斜視図である。図16は、図15におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を一部で縦断して示す斜視図である。図17は、図15におけるインナーハウジングに対するフェライト・プレートの装着状況を別の一部で縦断して示す斜視図である。図18は、フェライト・プレートに働く外力とフェライト・プレートの特性値の関係を示す特性図である。図19は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図である。図20は、フェライト・プレートの厚みとフェライト・プレートの特性値の関係を説明する説明図である。図21は、本発明の第4実施形態に係る多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す横断平面図であり、(a)が2.9mmのフェライト・プレートが保持されているもの、(b)が3.1mmのフェライト・プレートが保持されているものである。図22は、支持突起の先端の押し潰し長さに対するフェライト性能の低下量を示す特性図である。
フェライト・プレート23は、衝撃に弱く、割れ易く、公差が大きい。このため、バネ形状の樹脂部材やゴム材などに挟み込んだり、樹脂モールドしたり、シリコン材で包んだりするなどして衝撃が緩和されるとともに、公差吸収が行われる。また、フェライト・プレート23であるフェライトコアは曲げなどの外部応力を受けると、ビラリ効果による逆磁現象によって誘磁率が低下する。この誘磁率の低下はローパスフィルタとしてのインピーダンス特性の劣化を招き、高周波信号の波形歪を招く。従って、フェライト・プレート23を保持する構造として、フェライト・プレートの公差を吸収することができ、且つフェライト・プレートに作用する外部応力をできるだけ抑制することができるものが望まれている。第4実施形態では、第3実施形態と同様、インナーハウジング42内においてバネ部材である樹脂バネ41を用いてフェライト・プレートの支持を行っている(図17参照。)。なお、樹脂バネによるフェライト・プレートの支持構造の詳細は後述する。
ところで、上述した樹脂バネ41は、複数に分割された状態の各フェライト・プレート毎に、フェライト・プレート23の側面を押圧することによりインナーハウジング42にフェライト・プレート23を固定しているが、樹脂バネ41の反力は、フェライト・プレート23の公差と特性(インピーダンス特性)の低下量を考慮して設定される必要がある。
具体的には、フェライト・プレート23の特性の低下量の許容値を、例えば2Ω以下にするためには、樹脂バネ41がフェライト・プレート23を押圧する反力が20N(ニュートン)以下となるように設計する必要がある。一方で、公差が最大となるフェライト・プレート23を樹脂バネ41が20Nで押圧するように設計すると、公差が最小となるフェライト・プレート23をその樹脂バネ41は3N程度の反力でしか押圧することができない。このような設計は、フェライト・プレート23の特性の低下量を2Ω以下にすることができるものの、寸法の小さいフェライト・プレート23を充分に保持することできない。このため、振動時にフェライト・プレートがガタツキ、異音を発生することになる。特に、インナーハウジング42が高温の環境におかれることになると、樹脂バネ自体が熱的ストレスを受けて軟化することで樹脂バネがフェライト・プレート23を充分に保持することができなくなるため、ガタツキ、異音が顕著になる。
他方、公差が最小となるフェライト・プレート23を樹脂バネ41が20Nで押圧するように設計すると、公差が最大となるフェライト・プレート23をその樹脂バネ41は20Nより大きい反力で押圧することになるため、フェライト・プレートの特性の低下量が2Ωを越えてしまう。
従って、樹脂バネ41を用いてフェライト・プレート23を固定または保持させる場合において、フェライトの特性を低下させることなく、このフェライト・プレートをガタツキなく安定して支持する必要がある。このような事情を鑑み、第4実施形態では、本発明の多重通信用ジョイントコネクタの構造を図12乃至図22を参照してさらに詳しく説明する。
図12に示すように、第4実施形態の多重通信用ジョイントコネクタ200は、第3実施形態の多重通信用ジョイントコネクタ200と同様、複数の相手方コネクタ(図示せず)とそれぞれ嵌合するための複数のコネクタ嵌合部22(図12では8個)を有する合成樹脂製のアウターハウジング21と、1対の貫通孔24が設けられて略矩形板状に分割されたフェライト・プレート23(図12では8個に分割されている。)と、コネクタ嵌合部22内に突出し、且つ相手方コネクタがコネクタ嵌合部22に嵌合した際に該相手方コネクタの相手方端子に接触して電気的に接続する1対の接続部25と、接続部25を保持するとともにフェライト・プレート23を収容するインナーハウジング42と、を備える。
接続部25は、ピン状に形成された複数の端子27(図12では各列につき8本)と、この複数の端子27の一端に連設されるバスバー26(図12では2本)とを有している。図12では、8本の端子27が連設されたバスバー26が2本、並設されている。左右方向に隣り合う一対の端子27は、インナーハウジング42がアウターハウジング21に嵌合した際に、コネクタ嵌合部22に相手方コネクタが嵌合する側とは逆側から前記コネクタ嵌合部22内に突出するように、一つのコネクタ嵌合部22内に配置される。各コネクタ嵌合部22内に配置される一対の端子27には、多重通信を実現する伝送方式に則った信号が伝送される。例えば、周波数分割多重化を伝送方式として採用した場合には、一対の端子27それぞれには異なる周波数帯が割り当てられる。周波数分割多重化を採用した場合、隣り合うコネクタ嵌合部22に配置された一対の端子27には、一方の一対の端子27を信号が伝播した際に生じる電磁波(ノイズ)によって、他方の一対の端子27に電圧が誘起される恐れがある。このノイズによる電圧の誘起を防止するために、フェライト・プレート23によって、上記一方の一対の端子27から上記他方の一対の端子27への電磁波の伝播を遮断する。
多重通信用ジョイントコネクタがCANに利用される場合であって、一対の端子27に差動信号が入力される伝送路では、一方の一対の端子27に接続されるH側信号ラインと他方の一対の端子27に接続されるL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこと(H側信号ラインのインピーダンス特性≒L側信号ラインのインピーダンス特性)が必須である。このため、H側信号ラインとL側信号ラインの間に位置するフェライト・プレート23が、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスを保つこともまた必須である。
例えば、一対の端子27のそれぞれに、端子27を内部に挿通させるフェライト材を別々に装着するように多重通信用ジョイントコネクタを構成した場合、各端子27に装着された個々のフェライト材のインピーダンス特性にばらつきが生じる結果、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれないことが懸念される。H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれていない場合、H側信号ラインとL側信号ラインに誘導される同相モード(コモンモード)のノイズ成分が、差動成分として働き、その結果、このような差動成分がbitエラーの要因となってしまう。
図12に示すフェライト・プレート23の形状によれば、一対の端子27の間にインピーダンス特性が均一のフェライト・プレート23が位置するため、H側信号ラインとL側信号ラインの間のインピーダンスのバランスが保たれる。この結果、多重通信用ジョイントコネクタを介して伝送される波形ひずみを改善することができる。
アウターハウジング21は、図13に示すように、中壁21aの両側に該中壁21aとは垂直な側壁21b、21d、および側壁21c、21eが位置してしおり、中壁21a、および側壁21b、21c、21d、21eは、中壁21aが水平方向に見立てたときにH字形状となる。図13のアウタ−ハウジングの横断面図において、中壁21aと側壁21b、21cとに囲まれた空間がインナーハウジング嵌合部21gとなっている。インナーハウジング嵌合部21gは、開口21fを有しており、この開口21fを通してインナーハウジング42を嵌合する。一方、中壁21aと側壁21d、21eとに囲まれた空間がコネクタ嵌合部22となっている。コネクタ嵌合部22は、開口21hを有しており、この開口21hを通して相手方コネクタが挿入される。
また、インナーハウジング嵌合部21gに嵌めこまれたインナーハウジング42に臨むアウターハウジング21の中壁21aの内面(より詳細には、図19に示すように、インナーハウジング42に装着されたフェライト・プレート23の一面に臨む面)Qには、フェライト・プレート23に向けて突出する尖端形状(例えば円錐形状や角錐形状)の支持突起36が設けられている。この支持突起36は、インナーハウジング嵌合部21gにインナーハウジング42が嵌めこまれた際に、フェライト・プレート23を支持するために、インナーハウジング42に装着されたフェライト・プレート23に対向する箇所に形成されており、各フェライト・プレート23に二つの支持突起36が割り当てられている。各フェライト・プレート23に割り当てられる二つの支持突起36は、図14に示すフェライト・プレート23の二箇所の位置Pに臨むように内面Q上に配置されている。これらの位置Pは、フェライト・プレート23の片面における対角線上の2つのコーナ部付近である。これらの位置Pは、フェライト・プレートの貫通孔24から離れた位置であり、仮に二つの支持突起36がフェライト・プレート23を押圧したとしても、該フェライト・プレート23の特性を低下させ難い部位である。
さらに、中壁21aには、フェライト・プレート23の各貫通孔24に対向する位置に端子挿入孔37が穿設されている。端子挿入孔37は、インナーハウジング嵌合部21gにインナーハウジング42が嵌めこまれた際に、フェライト・プレート23の貫通孔24を貫通する端子27によって貫通される。これにより、端子27の一部は、インナーハウジング42がアウターハウジング21に嵌合した際に、インナーハウジング嵌合部21g側から端子挿入孔37を貫通し、コネクタ嵌合部22内に配置されることになる。
インナーハウジング42は、第3実施形態で図8を参照して説明したインナーハウジング42と同様、図15に示すように、一面が開口し、この開口42dを通してフェライト・プレート23を収容するプレート収容室42eが形成されている。プレート収容室42eは、底壁42a、側壁42b、42cによって囲まれている。側壁のうちの一方の側壁42bには、収容されたフェライト・プレート23に臨むその内側面に、複数個の樹脂バネ41が形成されている。樹脂バネ41は、プレート収容室42eに収容されたフェライト・プレート23の側面を、該樹脂バネ41が形成された側壁42bとは反対側の側壁42cの方向に向けて、押圧する。これらの樹脂バネ41は、同形、同サイズで、インナーハウジング42の長手方向に8個が等間隔配置されている。この樹脂バネ41により、8個のフェライト・プレート23はそれぞれ、一つの側面が図17に示すように樹脂バネ41に押圧され、もう一方の側面がプレート収容室42eの前記樹脂バネ41が設けられる側に対向する側壁42cの内側面に押し当てられるようにして保持される。なお、バネ部材としての樹脂バネ41は、プレート収容室42eの内側面のうちの一面において、その一部を切り起こすなどして形成される。
次に、図16および図17を参照して、インナーハウジング42に対するフェライト・プレート23の装着工程を説明する。図16は、図15のインナーハウジング42に装着された8対16本の端子27に8個のフェライト・プレート23の各貫通孔24を挿し通す直前の状態である。なお、この状態の前に、接続部25をプレート収容室42eの底壁42aに装着しておく必要がある(より詳細には、プレート収容室42eの底壁42aを穿つように該底壁42aに形成された端子保持部43に、端子27の一端が連設されたバスバー26を挿入、固定させておく。)。この結果、各端子27は、プレート収容室42eの底壁42aから開口42dに向けて真直ぐに延びるように突設されている。フェライト・プレート23は、このような端子27の尖端から貫通孔24が挿通され、開口42dを通過し、厚み方向の一面(図上、フェライト・プレート23の下面)が底壁42aに当接する状態で、プレート収容室42eに収容される。
フェライト・プレート23は、プレート収容室42eに収容された状態において、その幅方向の片面が側壁42bの内側に突出する各一の樹脂バネ41に前述のように押圧され、一方、幅方向の他の片面は側壁42cの内面に押し当てられるようにしてプレート収容室42eに保持される。このように樹脂バネ41によって押圧されるフェライト・プレート23は、樹脂バネ41からの外力によって変形し、フェライト特性の低下を余儀なくされる。
図18に示すように、本実施形態のフェライト・プレート23は、外力が加わらないとき(0Nのとき)に特性値が37Ω(周波数5MHz時)以上となる厚みのもの(厚みが2.9mm以上のもの。特性値は厚みに比例して増加する。)を用いている。また、本実施形態の樹脂バネ41は、幅方向の公差が最大となるフェライト・プレート23を20Nで押圧するものである(つまり、樹脂バネ41の反力は20Nを越えることはない。)。この構成では、フェライト・プレート23の特性値は、樹脂バネ41による押圧によって最大で2Ω低下することになるが(図18の20Nのときを参照。)、この樹脂バネ41によってフェライト・プレート23の幅方向に作用する外力によってフェライト・プレート23が変形した場合であっても、フェライト・プレート23の特性値は35Ω以上となる。本実施形態は、プレート収容室42eに収容されたフェライト・プレート23を樹脂バネ41によって支持する構成に加え、アウターハウジング21のインナーハウジング嵌合部21gにインナーハウジング42を嵌合した際にフェライト・プレート23を支持突起36によっても支持する構成であるが、本発明のフェライト・プレート23に要求される特性値である35Ωを支持突起36による押圧によって下回らないようにしている。以下、支持突起36とフェライト・プレート23に加わる外力の関係を中心に説明する。
前述のように、インナーハウジング21には、樹脂バネ41によって幅方向に反力が加えられたフェライト・プレート23がプレート収容室42eに設けられている。さらに、両ハウジング21、42の連結時にフェライト・プレート23はアウターハウジング21内の支持突起36に2点で支持される。この支持突起36による支持によって、フェライト・プレート23は厚み方向のストレスをできるだけ受けないように、つまり、インピーダンス特性が35Ωを下回らないように支持されることが要求される。
ところで、外力を加えていない状態のフェライト・プレート23の特性値が37Ωを越える必要があることを考慮すると、フェライト・プレート23の厚みは2.9mm以上である必要がある。また、フェライト・プレート23の厚みの公差が0.1mmであることを考慮すると、フェライト・プレート23の厚みの寸法は3.0±0.1mm(ただし、公差0.1mm)である必要がある。すなわち、厚み方向の公差が最小となるフェライト・プレート23の厚みは2.9mm、厚み方向の公差が最大となるフェライト・プレート23の厚みは3.1mmである。図20に示すように、厚みの寸法が2.9mm、3.0mm、3.1mmのフェライト・プレート23それぞれに幅方向に20Nの外力を加えたとき、各フェライト・プレート23の特性値は順に、35Ω、36.3Ω、37.5Ωとなり、厚みの寸法の増加に比例してその特性値が増加する。
そこで、厚み方向の公差が最小となるフェライト・プレート23(2.9mmの厚さのもの)をインナーハウジング42のプレート収容室42eと支持突起36とによって挟持する場合には、支持突起36は、その特性値が35Ωを下回らないようにするために、図21(a)に示すように、支持突起36の先端がフェライト・プレート23にわずかに触れる程度の状態で、フェライト・プレート23を支持する必要がある。つまり、支持突起36の突出方向の高さは、インナーハウジング42をインナーハウジング嵌合部21gに嵌合した際、プレート収容室42eに収容された、厚み方向の寸法公差が最小であるフェライト・プレート23に、与圧ゼロで接触する(ゼロタッチする)高さである必要がある。これにより、厚みの寸法が最小となるフェライト・プレート23を、支持突起36によって厚み方向の外部応力を受けることなく、プレート収容室42e内に安定保持することができる。なお、インナーハウジング42をインナーハウジング嵌合部21gに嵌合する際、インナーハウジング42の側壁42b、42cの端部がアウターハウジング21の中壁21aの内面Qに当接することによって、プレート収容室42eに収容されたフェライト・プレート23が支持突起36によって過剰に押圧されることを防いでいる。
上述では、フェライト・プレート23の特性値が35Ωを下回らないようにするための構造を、支持突起36の突出方向の高さに着目して説明したが、次のようにその構造を説明することもできる。すなわち、インナーハウジング42をインナーハウジング嵌合部21gに嵌合した際の、該インナーハウジング嵌合部21gの支持突起36が形成された内面Qと、プレート収容室42eを画成する内面のうちの開口42dに対向する一面R(底壁42a)との距離は、支持突起の突出方向の高さと、厚み方向の寸法公差が最小であるフェライト・プレート23の厚みの和に等しい構造である。これにより、実用寸法として許容された厚みが最大寸法のフェライト・プレート23を、各一面Q、R間の距離内に収まるように支持突起36の一部が潰されることで、フェライト特性の劣化を招来することなく安定支持することができる。
一方、厚み方向の公差が最大となるフェライト・プレート23(3.1mmの厚さのもの)をプレート収容室42eに収容した場合には、インナーハウジング42をインナーハウジング嵌合部21gに嵌合した際、図21(b)に示すように、支持突起36の先端によってフェライト・プレート23が押圧される一方、支持突起36の先端から0.2mmまでの箇所が押し潰され、支持突起36が尖端ではなくなる。この場合には、支持突起36による押圧によってフェライト・プレート23は変形し、その特性値が減少してしまう。しかし、このように支持突起36によって押圧された場合であっても、フェライト・プレート23の特性値が35Ωを下回ることはない。この点を続いて説明する。
図22は、支持突起36の先端の押し潰し長さに対するフェライト性能の低下量を示す特性図である。この特性図に示すように、支持突起36の先端の押し潰し長さが0.2mm以下である場合、フェライト・プレートの特性値の低下量は2Ω以下であるところから、結果的にフェライト特性として許容できる最小値の35Ω以下になることはない。
このように、第4実施形態では、公差が生じえるフェライト・プレート23の最低限の特性値を確保しながら、フェライト・プレート23を確実に押さえ付ける(保持させる)ことができる。この結果、多重通信用ジョイントコネクタ200が振動を受けるなどして、ガタツキなく、異音の発生を未然に防止できる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
21 アウターハウジング
21a 中壁
21b、21c、21d、21e 側壁
21f 開口
21g インナーハウジング嵌合部
21h 開口
22 コネクタ嵌合部
23 フェライト・プレート
24 貫通孔
25 接続部
26 バスバー
27 端子
33 フェライト・プレート
33a 小フェライト部
34 スリット
35 根元部
36 支持突起(突起部)
41 樹脂バネ(バネ部材)
42 インナーハウジング
42a 底壁
42b、42c 側壁
42d 開口
42e プレート収容室
Q 中壁の内面
R 底壁42a一面
100、200 多重通信用ジョイントコネクタ

Claims (9)

  1. 複数の相手方コネクタとそれぞれ嵌合するための複数のコネクタ嵌合部が形成されたアウターハウジングと、
    前記コネクタ嵌合部内に突出するように前記アウターハウジングに配置され、且つ前記相手方コネクタが前記コネクタ嵌合部に嵌合した際に該相手方コネクタの相手方端子に接触して電気的に接続する端子と、
    前記端子によって貫通されるように前記アウターハウジングに配置されたフェライト・プレートと、
    を備え、
    前記フェライト・プレートには、該フェライト・プレートの外側面から内部に向けて切り込まれたスリットが形成されていることを特徴とする多重通信用ジョイントコネクタ。
  2. 前記フェライト・プレートは、前記コネクタ嵌合部に対応するように前記スリットにより区分けされた複数の小フェライト部を有していることを特徴とする請求項に記載した多重通信用ジョイントコネクタ。
  3. 一面が開口し、該開口を通して前記フェライト・プレートが収容されるプレート収容室を有するインナーハウジングをさらに備え、
    前記アウターハウジングには、前記フェライト・プレートが前記プレート収容室に収容された前記インナーハウジングを嵌合するためのインナーハウジング嵌合部が形成され、
    前記インナーハウジングは、該インナーハウジングが前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際に前記コネクタ嵌合部内に突出するように、且つ前記プレート収容室を挿通するように、前記端子を保持するとともに、前記プレート収容室を画成する内側面に設けられたバネ部材が前記端子によって貫通された前記フェライト・プレートをその側面から押圧することによって前記フェライト・プレートを前記プレート収容室に固定する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  4. 前記バネ部材は、複数個に分割された前記フェライト・プレート毎に、前記プレート収容室を画成する内側面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  5. 前記バネ部材は、前記プレート収容室を画成する内側面のうちの、前記フェライト・プレートの側面に対向する一つの面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項またはに記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  6. 前記インナーハウジング嵌合部には、該インナーハウジング嵌合部を画成する内面のうちの、前記開口から露出する前記フェライト・プレートの一面に対向する面に、該フェライト・プレートに向けて突出する突起部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  7. 前記突起部の突出方向の高さは、前記インナーハウジングを前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際、前記プレート収容室に収容された、厚み方向の寸法公差が最小である前記フェライト・プレートに、与圧ゼロで接触する高さである、
    ことを特徴とする請求項に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  8. 前記インナーハウジングを前記インナーハウジング嵌合部に嵌合した際の、該インナーハウジング嵌合部の前記突起部が形成された一面と、前記プレート収容室を画成する内面のうちの前記開口に対向する一面との距離は、前記突起部の突出方向の高さと、厚み方向の寸法公差が最小である前記フェライト・プレートの厚みの和に等しい、
    ことを特徴とする請求項に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
  9. 前記突起部は、前記フェライト・プレート毎に、前記開口から露出する該フェライト・プレートの一面における対角線に臨むように、形成されている、
    ことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の多重通信用ジョイントコネクタ。
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