JP5630508B2 - 車体前部の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車幅方向左右一対のヘッドライトと、車幅方向左右一対のサイドメンバと、一対のサイドメンバの間で車幅方向に沿って配置されるロアクロスメンバとを備えている車体前部の構造に関する。
最近の車両においては、車体前部に接触した歩行者を保護することが要求されている。そのため、車体前部には、特に接触した歩行者の脚部を保護するように、車両前方から加えられる荷重を吸収する構造が採用されている。
例えば、特許文献1及び特許文献2の構造では、車幅方向左右一対のフロントサイドメンバの前端部に、一対のフロントサイドメンバの間で車幅方向に延びるバンパーメンバが取付けられ、バンパーメンバの前方側にバンパーパネルが配置され、バンパーメンバとバンパーパネルとの間に衝撃吸収性を有する弾性部材が配置されている。
特許文献3の構造では、車幅方向左右一対のフロントサイドメンバの間で車幅方向に延びるバンパーメンバが、一対のフロントサイドメンバの前端部に取付けられ、バンパーメンバの前方側にバンパーパネルが配置されている。バンパーメンバの上方には、車幅方向に延びるアッパービームが配置され、アッパービームの後部には変形し易いように折り曲げて形成された上側バンパーステーが取付けられ、アッパービームは上側バンパーステーによって支持され、アッパービームの前部にバンパーパネルの上部が取付けられている。バンパーメンバの下方には下側バンパーステーが配置され、下側バンパーステーは、その後端部を中心に上下方向に回動可能に取付けられ、下側バンパーステーの前端部にバンパーパネルの下部が取付けられている。
特開2006−256463号公報 特開2003− 11750号公報 特開2002−178862号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の構造では、車体前部に接触した歩行者の脚部が緩衝部材に受け止められた後、さらに車体前部の変形が進んだ場合に、脚部の一部が剛性の高いバンパーメンバによって受け止められることとなる。また、特許文献3の構造では、歩行者の脚部の一部が剛性の高いアッパービーム及び下側バンパーステーに受け止められた後、さらに車体前部の変形が進んだ場合に、脚部の別の一部がさらに剛性の高いバンパーメンバによって受け止められることとなる。そのため、歩行者の脚部をさらに保護するためには、歩行者の脚部の一部を剛性の高い部分で受け止めることを防止し、さらには歩行者の脚部全体を車体前部の構造によって受け止めることが望ましい。特に、車体前部に接触する脚部をさらに保護するためには、脚部を車体前部との接触時に直線状に維持することが望ましいとされている。しかしながら、特許文献1〜特許文献3の構造では、脚部を直線状に維持することができない。
また、特許文献3の構造では、バンパーパネルの下部に取付けられた下側バンパーステーの後端部が回動可能に取付けられており、車体前部の構造が複雑になっている。そのため、車両の製造コストが高くなり、問題である。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、シンプルな構造であり、車両の製造コストを高めず、かつ車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる車体前部の構造を提供することにある。
課題を解決するために、本発明の車体前部の構造は、車幅方向左右一対のヘッドライトと、前記ヘッドライトの下方に配置される車幅方向左右一対のサイドメンバと、前記一対のサイドメンバの下方で、かつ前記一対のサイドメンバの間で車幅方向に沿って配置されるロアクロスメンバとを備え、前記サイドメンバの車両前方にバンパーメンバが設けられていない車体前部の構造において、前記サイドメンバの前面の前方に緩衝部が配置され、前記ヘッドライトの前面と、前記緩衝部の前面と、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端とが、車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されている。
本発明の車体前部の構造では、前記緩衝部が樹脂製のバンパーネットの一部となっている。
本発明の車体前部の構造では、車両上下方向に延びる歩行者の脚部が、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端、前記緩衝部の前面、車幅方向中央側に位置する前記ヘッドライトの内側端部の前面という順に受け止められた際に、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバが変形し、前記緩衝部が車両後方側に移動し、かつ前記ヘッドライトが車両後方側に移動するように構成されている。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が前記ヘッドライトの内側端部の前面と接触することによって、前記ヘッドライトの内側端部が、前記ヘッドライトの車幅方向外側の外側端部を中心に回転して、前記ヘッドライトの車両後方への移動がもたらされる構成となっている。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記サイドメンバの前面が車両上下方向に沿って形成されている。
本発明の車体前部の構造では、前記サイドメンバの前端部と前記ロアクロスメンバとが車両上下方向に延びるブレースによって連結され、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ブレースの前面が前記サイドメンバの前面に沿って形成されている。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバに脆弱部が形成されている。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
課題を解決するために、本発明の車体前部の構造は、車幅方向左右一対のヘッドライトと、前記ヘッドライトの下方に配置される車幅方向左右一対のサイドメンバと、前記一対のサイドメンバの下方で、かつ前記一対のサイドメンバの間で車幅方向に沿って配置されるロアクロスメンバとを備え、前記サイドメンバの車両前方にバンパーメンバが設けられていない車体前部の構造において、前記サイドメンバの前面の前方に緩衝部が配置され、前記ヘッドライトの前面と、前記緩衝部の前面と、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端とが、車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されている。
そのため、前記車体構造の変形が進行する前では、歩行者の脚部の全体が、前記ヘッドライトの前面と、前記緩衝部の前面と、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端とによって受け止められることとなる。特に、前記ヘッドライトの前面と、前記緩衝部の前面と、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端とが、前面視で車両上下方向に延び、かつ側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されているので、脚部が前記車体前部との接触時に車両上方側斜め後方に傾く直線状に維持されることとなる。また、従来用いられていたバンパーメンバを設けていないので、脚部の一部がバンパーメンバのような剛性の高い部材に受け止められることを防止でき、脚部を剛性の低い構造によって受け止めることができる。よって、車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる。また、シンプルな構造であり、車両の製造コストを増加させることがない。
本発明の車体前部の構造では、前記緩衝部が樹脂製のバンパーネットの一部となっているので、前記緩衝部として別途部品を追加する必要がなくなり、車両の製造コストを低減できる。
本発明の車体前部の構造では、車両上下方向に延びる歩行者の脚部が、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端、前記緩衝部の前面、車幅方向中央側に位置する前記ヘッドライトの内側端部の前面という順に受け止められた際に、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバが変形し、前記緩衝部が車両後方側に移動し、かつ前記ヘッドライトが車両後方側に移動するように構成されているので、前記車体前部の変形が進んだ後にもまた、歩行者の脚部が前記略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。よって、前記車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が前記ヘッドライトの内側端部の前面と接触することによって、前記ヘッドライトの内側端部が、前記ヘッドライトの車幅方向外側の外側端部を中心に回転して、前記ヘッドライトの車両後方への移動がもたらされる構成となっているので、脚部の上側部分をさらに保護できる。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記サイドメンバの前面が車両上下方向に沿って形成されているので、前記車体前部の変形が進んだ後に、歩行者の脚部がより確実に前記略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。よって、前記車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる。
本発明の車体前部の構造では、前記サイドメンバの前端部と前記ロアクロスメンバとが車両上下方向に延びるブレースによって連結され、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ブレースの前面が前記サイドメンバの前面に沿って形成されているので、前記車体前部の変形が進んだ後に、歩行者の脚部がより確実に前記略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。よって、前記車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる。
本発明の車体前部の構造では、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバに脆弱部が形成されているので、脚部の下側部分に接触する前記ロアクロスメンバが確実に変形して、歩行者の脚部が、前記車体前部の接触時から前記車体前部の変形進行時に、直線状に維持されることとなる。よって、前記車体前部に接触した歩行者の脚部をさらに保護することができる。
本発明の実施形態において、車体前方に棒状障害物を配置した状態で車体前部の外観を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態において、車体前部の前面に棒状障害物全体が接触した際の車体前部を、外装用のパネル部品を省略した状態で示す概略斜視図である。 本発明の実施形態において、車体前部の前面に棒状障害物全体が接触した際の車体前部を、外装用のパネル部品を省略した状態で示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部のヘッドライト周辺を、外装用のパネル部品を取り外した状態で示す概略正面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部のヘッドライト周辺を、外装用のパネル部品を取り外した状態で車両前方側斜め上方から見た概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部のヘッドライト周辺を、外装用のパネル部品を取り外した状態で車両前方側斜め下方から見た概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部に用いるロアクロスメンバの外観を示す概略斜視図である。 図7のロアクロスメンバをA−A線で切断して見た概略斜視図である。 本発明の実施形態において、車体前部の前面に棒状障害物全体が接触した後に変形が進行した時の車体前部を、外装用のパネル部品を省略した状態で示す概略側面図である。
本発明の実施形態に係る車体前部の構造について説明する。
図1及び図2を参照すると、車体前部1の前面には、互いに車幅方向に間隔を空けてヘッドライト2が設けられている。図2を参照すると、一対のヘッドライト2の下方には、それぞれ車両前後方向に沿ってサイドメンバ3が配置されている。一対のサイドメンバ3の前端部3aの下方かつ一対のサイドメンバ3の間で、車幅方向に沿ってロアクロスメンバ4が配置されている。一対のサイドメンバ3の前端部3aと、ロアクロスメンバ4とが、それぞれロアブレース5によって連結されている。再び図1を参照すると、車体前部1の前面におけるヘッドライト2の下方には、バンパーパネル6が設けられている。バンパーパネル6の背面側には、樹脂製のバンパーネット7が設けられている。サイドメンバ3の前端部3aの前方に位置するバンパーネット7の部分は、車両前方からの荷重を吸収可能な緩衝部7aとして構成されている。このようなヘッドライト2における車幅方向中央側の内側端部の前面と、バンパーネット7の緩衝部7aの前面と、ロアクロスメンバ4の前端とが、車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されている。なお、本発明の実施形態に係る車体前部の構造では、バンパーメンバが設けられていない。
また、図1を参照すると、車体前面における一対のヘッドライト2の間には、フロントガーニッシュ8が設けられている。このようなフロントガーニッシュ8と、ヘッドライト2の前面と、バンパーパネル6の前面とが、車体前部1の前面に沿って配置されている。図2を参照すると、エンジンフードのロック機構(図示せず)を設けたフードロックメンバ9が、一対のヘッドライト2の間で車幅方向に沿って配置されている。このようなフードロックメンバ9の車幅方向両端部9aと、一対のサイドメンバ3の前端部3aとが、アッパーブレース10によって連結されている。図5を参照すると、ヘッドライト2の後方側にて車両前後方向に沿ってカウリングサイドパネル11が配置されている。カウリングサイドパネル11の上端部11aには、車両側面視で断面略ハット形状に形成されたダンパーブラケット12が接合されている。カウリングサイドパネル11の車幅方向外側には、車体前部1の車幅方向側面に沿ってフェンダーパネル13が配置されている。図6を参照すると、フェンダーパネル13の上端部には、車幅方向中央側に突出するように上側取付部13aが形成されている。フェンダーパネル13の前方下部13bには、バンパーパネル6を取付可能に構成されたバンパーホルダ14が配置されている。
図2、図4、図5、及び図6を参照して、ヘッドライト2及びその周辺の構造について説明する。
図2及び図4を参照すると、ヘッドライト2の車幅方向中央側の前方下側部分には、内側取付部2aが設けられている。内側取付部2aは、車両前面視でヘッドライト2の車幅方向中央側下方部分の中でヘッドライト2の重心G(図4を参照)から最も遠い位置に配置されている。なお、ヘッドライト2の車幅方向中央側下方部分は、車両前面視にて、ヘッドライト2の重心Gに対して車幅方向中央側かつ下方側の部分となっている。このような内側取付部14は、アッパーブレース10の上下方向中間部10aに取付けられている。この中間部10aは、アッパーブレース10の中でヘッドライト組立体2に最も接近している。また、アッパーブレース10の上部10bは車幅方向中央側に向かって湾曲して形成されており、ヘッドライト2の車幅方向中央側部とアッパーブレース10の上部10bとの間に空間が形成されている。ヘッドライト2に設けられたガーニッシュ取付部2bは、このような空間に配置されている。図5に示すように、このガーニッシュ取付部2bに、フロントガーニッシュ8から車両後方に突出する取付部8aを取付けている。
図5を参照すると、ヘッドライト2の車幅方向外側の上側部分には、外側上方取付部2cが設けられている。外側上方取付部2cは、車両後方に向かって延びるように形成されている。このような外側上方取付部2cと、フェンダーパネル13の上側取付部13aとが、カウリングサイドパネル11の上端部のダンパーブラケット12に共締めされて取付けられている。
図6を参照すると、ヘッドライト2の車幅方向外側の前方下端部分には、外側下方取付部2dが設けられている。外側下方取付部2dは、ヘッドライト2の車幅方向外側部の前方下端部分から下方に突出して形成されている。このような外側下方取付部2dと、フェンダーパネル13の前方下部13bとが、バンパーホルダ14に共締めされて取付けられている。特に図示しないが、このようなバンパーホルダ14にバンパーパネル6が取付けられている。
図2、図3、図7、及び図8を参照して、サイドメンバ3、ロアクロスメンバ4、及びこれらの周辺の構造を説明する。
図2及び図3を参照すると、サイドメンバ3は、車体前部1の主骨格を構成する剛性部品となっている。このサイドメンバ3の前面3bは、車両上下方向及び車幅方向に沿って形成されている。ロアブレース5の前面5aは、サイドメンバ3の前面3bに沿って形成されており、サイドメンバ3の前面3bと同様に、車両上下方向及び車幅方向に沿って形成されている。なお、アッパーブレース10の前面10cもまた、サイドメンバ3の前面3bと、ロアブレース5の前面5aとに沿って形成されていると好ましい。
図7及び図8を参照すると、ロアクロスメンバ4の上部にはアッパーパネル15が設けられており、ロアクロスメンバ4の下部にはロアパネル16が設けられている。アッパーパネル15とロアパネル16とは、ロアクロスメンバ4に閉断面を形成するように、互いに接合されている。
アッパーパネル15は、車幅方向に沿って配置されるパネル部材となっている。アッパーパネル15の車幅方向の長さは、アッパーパネル15をその左右両側に位置するサイドメンバ3に連結可能とする長さとなっている。アッパーパネル15は、水平方向の平面部15aと、該平面部15aの車両前方側に形成され、かつ車両下方に延びる前側垂直面部15bと、該前側垂直面部15bの車両前方側に形成される水平方向の前側フランジ部15cとを有しており、さらに平面部15aの車両後方側に形成され、かつ車両下方に延びる後側垂直面部15dと、該後側垂直面部15dの車両後方側に形成され、かつ車両下方に延びる後側垂直面部15eとを有している。すなわち、アッパーパネル15は、車両側面視で断面略ハット形状に形成されている。さらに、アッパーパネル15の車幅方向の中間部から車幅方向左右両端部がそれぞれ立ち上がるように形成されている。また、アッパーパネル15の車幅方向左右両端には、それぞれ水平方向に延びる連結部15fが設けられている。この連結部15fに、ロアブレース4の下部が取付けられ、連結部15fがロアクロスメンバ4の車幅方向端部に対応している。このようなアッパーパネル15は、車両前面視で断面略ハット形状に形成されている。
ロアパネル16は、車幅方向に沿って配置されるパネル部材となっている。ロアパネル16の車幅方向の長さは、ロアパネル16をアッパーパネル15の車幅方向の中間部に配置可能な長さとなっている。ロアパネル16は、少なくとも水平方向の平面部16aと、該平面部16aの車両前方側に形成され、かつ車両上方に延びる前側垂直面部16bと、該前側垂直面部16bの車両前方側に形成される水平方向の前側フランジ部16cとを有している。平面部16aの後部16dは、車両後方側に向かって延び、かつ車両側面視で断面略クランク形状に屈曲形成されている。ロアパネル16の前側垂直面部16bは、サイドメンバ3の前面3bと、ロアブレース5の前面5aとに沿って配置されている。
このようなロアクロスメンバ4について、図8を参照すると、アッパーパネル15の平面部15aにおける前側垂直面部15b寄りの下面に、ロアパネル16の前側フランジ部16cが重ねられて、スポット溶接等により接合されている。また、アッパーパネル15の後側フランジ部16eの下面に、ロアパネル16の後部16dが重ねられて、スポット溶接等により接合されている。その結果、アッパーパネル15とロアパネル16とによって、略四角形状の閉断面が形成されている。当該閉断面が略四角形状に形成されているので、閉断面構造体の剛性を高める要求がある場合に、閉断面の角部を傾斜辺に形成することによって、このような要求に応じることができる。
アッパーパネル15とロアパネル16との接合状態において、ロアクロスメンバ4の閉断面構造部分の前方には、アッパーパネル15の平面部15aの前端と、当該前端からさらに前方に続くとともに下方に延びる前側垂直面部15bとによって、車両側面視で略L字形状の部分が構成されている。また、このような略L字形状の部分にアッパーパネル15の前側フランジ部15cを含めた略クランク形状の部分が構成されている。このような略L字形状の部分又は略クランク形状の部分は、剛性の高い閉断面構造部分と比較して、変形容易で、かつ荷重吸収可能な脆弱部として構成されている。
本発明の実施形態において、歩行者の脚部が車体前部1に接触した際に車体前部1に生じる作用について、図1、図2、図3、図7、図8、及び図9を参照して説明する。ここでは、図1に示すような上下方向に延びる棒状障害物Lを歩行者の脚部の代わりに用いる。
図1及び図2に示すように、垂直に立つ棒状障害物Lに車体前部1が接触した際、棒状障害物Lの下部が、バンパーパネル6の下部に接触して、棒状障害物Lは車両後方側に向かって傾斜するように倒れる。図3に示すように、倒れた棒状障害物Lの下部はロアクロスメンバ4の車幅方向端部の前端に受け止められ、棒状障害物Lの中間部はバンパーネット7の緩衝部7aの前面(仮想線で示す)に受けとめられ、棒状障害物Lの上部はヘッドライト2における車幅方向中央側の内側端部の前面に受け止められる。このとき、棒状障害物Lは車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に沿った姿勢となっている。
このような状態から車体前部1の変形が進んだ場合、棒状障害物Lの下部に接触した部分では、ロアクロスメンバ4の脆弱部におけるアッパーパネル15の前側垂直面部15b及び前側フランジ部15c(図7及び図8参照)が、車両後方側に移動するように変形する。棒状障害物Lの中間部に接触した部分では、バンパーネット7の緩衝部7aが車両後方側に移動する。棒状障害物Lの上部に接触した部分では、ヘッドライト2の内側端部がヘッドライト2の車幅方向外側の外側端部を中心に回転するように、ヘッドライト2が車両後方側に移動する。このような変形が進む際、棒状障害物Lは直線状に維持されており、このような変形の最終的な状態では、図9に示すように、棒状障害物Lは、車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されることとなる。
以上のように本発明の実施形態によれば、車体構造1の変形が進行する前では、棒状障害物Lの全体が、ヘッドライト2における車幅方向中央側の内側端部の前面と、バンパーネット7の緩衝部7aの前面と、ロアクロスメンバ4の車幅方向端部の前端とによって受け止められる。このようなヘッドライト2における車幅方向中央側の内側端部の前面と、バンパーネット7の緩衝部7aの前面と、ロアクロスメンバ4の車幅方向端部の前端とは、車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されているので、棒状障害物Lが車体前部1との接触時に車両上方側斜め後方に傾く直線状に維持されることとなる。また、従来用いられていたバンパーメンバを設けていないので、棒状障害物Lの一部がバンパーメンバのような剛性の高い部材に受け止められることを防止でき、棒状障害物Lを剛性の低い構造によって受け止めることができる。よって、車体前部1に接触した棒状障害物Lをさらに保護することができる。また、シンプルな構造であり、車両の製造コストを増加させることがない。
本発明の実施形態によれば、緩衝部7aが樹脂製のバンパーネット7の一部となっているので、緩衝部として別途部品を追加する必要がなくなり、車両の製造コストをさらに低減できる。
本発明の実施形態によれば、車体前部1の変形が進んだ後にもまた、棒状障害物Lが略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。そのため、車体前部1に接触した棒状障害物Lをさらに保護することができる。
本発明の実施形態によれば、棒状障害物Lが車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、棒状障害物Lの上部に接触した部分では、ヘッドライト2の内側端部がヘッドライト2の車幅方向外側の外側端部を中心に回転するように、ヘッドライト2が車両後方側に移動する。そのため、棒状障害物Lの上部をさらに保護できる。
本発明の実施形態によれば、棒状障害物Lが車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、サイドメンバ3の前面3bが車両上下方向に沿って形成されているので、車体前部1の変形が進んだ後に、棒状障害物Lがより確実に略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。そのため、車体前部1に接触した棒状障害物Lをさらに保護することができる。
本発明の実施形態によれば、棒状障害物Lが車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、サイドメンバ3の前端部3aとロアクロスメンバ4とを連結するロアブレース5の前面5aが、サイドメンバ3の前面3aに沿って形成されているので、車体前部1の変形が進んだ後に、棒状障害物Lがより確実に略垂直姿勢で直線状に維持されることとなる。そのため、車体前部1に接触した棒状障害物Lをさらに保護することができる。
本発明の実施形態によれば、棒状障害物Lが車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、ロアクロスメンバ4に脆弱部が形成されているので、棒状障害物Lの下部を受け止めるロアクロスメンバ4が確実に変形することとなる。そのため、棒状障害物Lの下部をさらに保護できる。また、棒状障害物Lが、前記車体前部の接触時から前記車体前部の変形進行時に、直線状に維持されるので、車体前部1に接触した棒状障害物Lをさらに保護できる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 車体前部
2 ヘッドライト
3 サイドメンバ
3a 前端部
3b 前面
4 ロアクロスメンバ
5 ロアブレース
5a 前面
6 バンパーパネル
7 バンパーネット
7a 緩衝部
G 重心
L 棒状障害物

Claims (7)

  1. 車幅方向左右一対のヘッドライトと、
    前記ヘッドライトの下方に配置される車幅方向左右一対のサイドメンバと、
    前記一対のサイドメンバの下方で、かつ前記一対のサイドメンバの間で車幅方向に沿って配置されるロアクロスメンバと
    を備え、
    前記サイドメンバの車両前方にバンパーメンバが設けられていない車体前部の構造において、
    前記サイドメンバの前面の前方に緩衝部が配置され、
    前記ヘッドライトの前面と、前記緩衝部の前面と、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端とが、車両前面視で車両上下方向に延び、かつ車両側面視で車両上方側斜め後方に傾く直線上に配置されていることを特徴とする、車体前部の構造。
  2. 前記緩衝部が樹脂製のバンパーネットの一部となっていることを特徴とする、請求項1に記載の車体前部の構造。
  3. 車両上下方向に延びる歩行者の脚部が、前記ロアクロスメンバの車幅方向端部の前端、前記緩衝部の前面、車幅方向中央側に位置する前記ヘッドライトの内側端部の前面という順に受け止められた際に、歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバが変形し、前記緩衝部が車両後方側に移動し、かつ前記ヘッドライトが車両後方側に移動するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車体前部の構造。
  4. 歩行者の脚部が前記ヘッドライトの内側端部の前面と接触することによって、前記ヘッドライトの内側端部が、前記ヘッドライトの車幅方向外側の外側端部を中心に回転して、前記ヘッドライトの車両後方への移動がもたらされる構成となっていることを特徴とする、請求項3に記載の車体前部の構造。
  5. 歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記サイドメンバの前面が車両上下方向に沿って形成されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の車体前部の構造。
  6. 前記サイドメンバの前端部と前記ロアクロスメンバとが車両上下方向に延びるブレースによって連結され、
    歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ブレースの前面が前記サイドメンバの前面に沿って形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の車体前部の構造。
  7. 歩行者の脚部が車両上下方向に沿った略垂直姿勢に規制されるように、前記ロアクロスメンバに脆弱部が形成されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一項に記載の車体前部の構造。
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