JP5629514B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに係り、特にサイドフレーム周辺部材の取付作業性を向上させた乗物用シートに関する。
一般に、自動車などの乗物用シートの後部が追突されたり、後退走行時に大きく衝突したりするなど、いわゆる後面衝突の際には、着座している乗員の頭部が慣性力によって急激に後傾し、頸部が衝撃を受ける虞がある。
そのため、従来から自動車などの乗物用シートには、後面衝突時による衝撃から乗員の頭部や頸部を保護し、頸部への衝撃を軽減するために、シートバック上方に乗員の頭部を後方から受けるヘッドレストを設けている。
しかし、ヘッドレストを設けているだけでは、身体への衝撃を軽減できないだけでなく、後面衝突時に乗員の頭部とヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させないと、頸部へ加わる衝撃を十分に軽減できない場合がある。
このような問題を解消するために、乗員の荷重を受ける受圧部材が備えられたシートバックフレームにおいて、サイドフレームに対して可動式のリンク部材を配設し、さらに連結部材を介してリンク部材に受圧部材を取り付け、後面衝突時、乗員をシートバック側へ十分に沈み込ませることにより衝撃を効果的に軽減する技術が知られている(特許文献1参照)。
一方、乗物用シートにおいては、後面衝突による衝撃だけではなく、側面衝突を受けた際、その衝撃エネルギーによって乗物用シートが変形することなく、乗員の着座空間を保持し、乗員の安全を確保することが必要である。
このような側面衝突に対して乗員の安全を確保する技術として、乗物用シートの側方に、車体のドア側に臨むようにしてサイドブラケットを配設する技術が開示されている(特許文献2参照)。この技術によれば、側方からの衝撃が加わった際、受け部材(サイドブラケット)を介してその衝撃を乗物用シートに伝達し、乗物用シートの変形を伴わずに車体の中心側に傾倒させることにより、乗員は車体の構造物と接触することがない。
特開2009−023517号公報 特開2000−103275号公報
特許文献1で開示されたシートバックフレームは、後面衝突時、乗員の後方移動を受圧部材で受け、その結果リンク部材が回動することにより、十分に乗員をシートバックフレーム側へ沈み込ませることができる。そして、リンク部材には付勢手段が取り付けられており、常時には付勢手段により受圧部材の回動が抑制されるため、着座感が損なわれることがない。そしてリンク部材の近傍には、リンク部材の可動許容範囲を調整するストッパが複数配設されており、乗員を沈み込ませる範囲を調整することができる。
また、特許文献2で開示された技術においては、側面衝突時、車体側に設けられた押し部材から、乗物用シートの側方(より詳細には、シートバックフレームの側方)に突出するように配設された受け部材(サイドブラケット)に対してその荷重が伝達し、その結果、乗物用シートが車体側に傾倒する。このように、側面衝突の衝撃を車体側に伝達することにより、乗物用シートにおける乗員の着座空間を確保し、乗員の安全を確保することができる。
しかし、後面衝突及び側面衝突の衝撃について、両者に対する安全性を高めるため、特許文献1に開示されたリンク部材を伴った受圧部材と、特許文献2に開示された受け部材とを乗物用シートに配設した場合、シートバックフレームの側方、すなわちサイドフレームの周辺に部材が集中して配設される。このように、サイドフレーム周辺に多くの部材が配設される場合には、その部品点数の多さから、各部材の取り付け構造が複雑になり、取り付け作業時、作業性が低下するという不都合がある。
本発明の目的は、サイドフレーム周辺部材の取付作業性を向上させた乗物用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の第一の乗物用シートによれば、側方に位置するサイド部と、該サイド部の上方を連結するアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、前記シートバックフレームの側方に配設され、他部材からの荷重が入力される荷重入力部材と、前記シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、前記シートバックフレームのサイド部の少なくとも一方側に配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、前記サイド部は、平板状の側板と、該側板の乗物後方側に位置する端部から内側へ屈曲した後縁部とを備え、該後縁部は、前記サイド部の上下方向に沿って重なるように配設された管状部材が接合され、前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記荷重入力部材と左右方向において重ならない位置にあり、かつ、前記管状部材の乗物前方側に離間して配設されてなること、により解決される。
このように、シートバックフレームの側方に荷重入力部材を備えると共に、移動する衝撃低減部材と連結された受圧部材を備えることにより、本発明の乗物用シートは、衝突による荷重を受け止め、さらにシートバックフレームを構成する部材に対してその荷重を伝達し、さらに後面衝突時には乗員の身体を後方に沈み込ませることにより、乗員にかかる荷重を効果的に低減することができる。
そして、衝撃低減部材の少なくとも一部が、シートバックフレームの側方に設けられる荷重入力部材に対し、左右方向において、離間して重ならない位置に配設されている。したがって、衝撃低減部材周辺の構成が複雑化することがない。また、各部材が重なって配設された構造としないことにより、組み立て時、作業者は容易に各部材を取り付けていくことができる。その結果、側面衝突や後面衝突等に対する荷重を効果的に低減することが可能であると共に、シートバックフレーム側方、すなわちサイド部(サイドフレーム)の周辺構造を簡素化することができる。したがって、乗物用シートの製造時、サイド部(サイドフレーム)回りの作業が複雑化することがないため、作業性が向上する。さらに、衝撃低減部材周辺の取り付け作業が簡素化されるため、作業者の熟練度を必要とせず、均一な品質の乗物用シートとすることができる。
また、サイド部において、後端部を内側へ屈曲させ、荷重入力部材をこの後縁部と対向し、ほぼ面一となるように配設することにより、荷重(特に、側方からの衝突による荷重)に対する強度が向上する。さらに、側面衝突時の大きな荷重が加わった際、荷重入力部材からサイド部の後縁部にその荷重がスムーズに伝達されるため、より側方からの荷重に対する強度が向上する。
一方、前記課題は、本発明の第二の乗物用シートによれば、側方に位置するサイド部と、該サイド部の上方を連結するアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、前記シートバックフレームの側方に配設され、他部材からの荷重が入力される荷重入力部材と、前記シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、前記シートバックフレームの前記サイド部の少なくとも一方側に配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、前記サイド部は、平板状の側板と、該側板の乗物後方側に位置する端部から内側へ屈曲した後縁部とを備え、該後縁部は、前記サイド部の上下方向に沿って重なるように配設された管状部材が接合され、前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記荷重入力部材と左右方向において重ならない位置にあり、かつ、前記管状部材の乗物前方側に離間して配設されてなること、により解決される。
このように、シートバックフレームの側方に荷重入力部材を備えると共に、移動する衝撃低減部材と連結された受圧部材を備えることにより、本発明の乗物用シートは、衝突による荷重を受け止め、さらにシートバックフレームを構成する部材に対してその荷重を伝達し、さらに後面衝突時には乗員の身体を後方に沈み込ませることにより、乗員にかかる荷重を効果的に低減することができる。そして、衝撃低減部材の少なくとも一部が、シートバックフレームの側方に設けられる荷重入力部材に対し、左右方向において、離間して重ならない位置に配設されている。したがって、衝撃低減部材周辺の構成が複雑化することがない。また、各部材が重なって配設された構造としないことにより、組み立て時、作業者は容易に各部材を取り付けていくことができる。その結果、側面衝突や後面衝突等に対する荷重を効果的に低減することが可能であると共に、シートバックフレーム側方、すなわちサイド部(サイドフレーム)の周辺構造を簡素化することができる。したがって、乗物用シートの製造時、サイド部(サイドフレーム)回りの作業が複雑化することがないため、作業性が向上する。さらに、衝撃低減部材周辺の取り付け作業が簡素化されるため、作業者の熟練度を必要とせず、均一な品質の乗物用シートとすることができる。
また、サイド部に沿って配設される管状部材(メインパイプ)の取り付け強度や、荷重に対する剛性が向上する。さらに、管状部材は、衝撃低減部材と離間して配設されているため、互いに干渉することなく、衝撃低減部材の動作を妨げることがない。したがって、荷重に対する強度を向上させると共に、衝撃低減部材をスムーズに可動させることができる。
また、本発明の第一の乗物用シートにおいて、前記後縁部は、前記サイド部の上下方向に沿って重なるように配設された管状部材が接合され、前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記管状部材の乗物前方側に離間して配設されてなると好適である。
このような構成とすると、サイド部に沿って配設される管状部材(メインパイプ)の取り付け強度や、荷重に対する剛性が向上する。さらに、管状部材は、衝撃低減部材と離間して配設されているため、互いに干渉することなく、衝撃低減部材の動作を妨げることがない。したがって、荷重に対する強度を向上させると共に、衝撃低減部材をスムーズに可動させることができる。
さらにまた、前記サイド部は、前記衝撃低減部材の少なくとも一部が配設される位置に、内側に向かって膨出した凸部を備え、前記管状部材は、前記凸部と前記後縁部との間に配設されてなると好適である。
このように、サイド部(サイドフレーム)において内側に向かって膨出した凸部を設け、この凸部内に衝撃低減部材の少なくとも一部を配設する構成とすることにより、衝撃低減部材を構成する部材を配設する際、その位置決めが容易になる。さらに、凸部とサイド部において内側に屈曲した後縁部との間に形成される空間内に管状部材を配設することにより、空間を無駄なく使うことができ、その結果、サイド部(サイドフレーム)周辺の構成のコンパクト化を図ることができる。
なお、上記の構成において、前記衝撃低減部材は、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により軸部を回動軸として回動し、前記サイド部の前記凸部には、前記衝撃低減部材の前記軸部が嵌め込まれているとよい。このようにサイド部の凸部に衝撃低減部材の軸部を嵌め込む構成となっていれば、サイド部に対する軸部の設置作業が容易になる。
請求項1の乗物用シートによれば、衝撃低減部材の少なくとも一部が、荷重入力部材と重ならない位置に離間して配設されるため、サイド部回りの構造を簡素化することができ、各部品の取り付け作業の作業性が向上する。さらに、各部品の取り付け作業後の確認が容易に行えるようになる。その上、荷重入力部材とサイド部の後縁部を対向するように配設することにより、荷重に対する強度が向上すると共に、部材間の荷重の伝達を効率よく行うことができる。
請求項2の乗物用シートによれば、衝撃低減部材の少なくとも一部が、荷重入力部材と重ならない位置に離間して配設されるため、サイド部回りの構造を簡素化することができ、各部品の取り付け作業の作業性が向上する。さらに、各部品の取り付け作業後の確認が容易に行えるようになる。その上、シートバックフレームを構成する管状部材をサイド部に沿わせることにより、シートバックフレームの強度が向上し、衝突時の荷重に対する剛性が向上する。
請求項3の乗物用シートによれば、請求項1の乗物用シートの構成においてシートバックフレームを構成する管状部材をサイド部に沿わせることにより、シートバックフレームの強度が向上し、衝突時の荷重に対する剛性が向上する。
請求項4の乗物用シートによれば、サイド部に凸部を設けることにより、衝撃低減部材の衝撃低減部材を構成する部材の設置時、位置決めが容易となり、さらに、凸部と後縁部の間に管状部材を配設する構成とすることにより、サイド部周辺の構成がコンパクト化される。
請求項5の乗物用シートによれば、サイド部の凸部に衝撃低減部材の軸部を嵌め込む構成となっていることにより、サイド部に対する軸部の設置作業が容易になる。
本発明の一実施形態に係るシートの概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシートフレームの概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る荷重入力部材とサイドフレームとの関係を示す拡大説明図である。 図3のA−A線に相当する概略断面説明図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃低減部材の回動前のシートバックフレームの概略断面説明図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃低減部材の回動後のシートバックフレームの概略断面説明図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃低減部材と付勢手段との関係を示す拡大説明図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃低減部材と付勢手段との分解説明図である。 本発明の一実施形態に係る後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段の状態を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることはもちろんである。また、本明細書において、乗物とは、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物、地上以外を移動する航空機や船舶など、シートを装着できる移動用のものをいうものとする。また通常の着座荷重とは、着座するときに生じる着座衝撃、乗物の急発進によって生じる加速時の荷重などを含むものである。また後面衝突時の荷重とは、後面衝突によって生じる大きな荷重であって、後方側からの乗物による大きな追突、後退走行時における大きな衝突などを指すものであり、通常の着座時に生じる荷重と同様な荷重領域のものは含まないものである。さらに、側面衝突時の荷重とは、側面衝突によって生じる大きな荷重であって、側方側からの乗物による大きな追突などを指すものであり、通常の着座時に生じる荷重と同様な荷重領域のものは含まないものである。
図1乃至図9は本発明に係る実施の形態を示し、図1はシートの概略斜視図、図2はシートフレームの概略斜視図、図3は荷重入力部材とサイドフレームとの関係を示す拡大説明図、図4は図3のA−A線に相当する概略断面説明図、図5は衝撃低減部材の回動前のシートバックフレームの概略断面説明図、図6は衝撃低減部材の回動後のシートバックフレームの概略断面説明図、図7は衝撃低減部材と付勢手段との関係を示す拡大説明図、図8は衝撃低減部材と付勢手段との分解説明図、図9は後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段の状態を示す説明図である。
本実施の形態に係る乗物用シートSは、図1で示すように、シートバックS1(背部)、着座部S2、ヘッドレストS3より構成されており、シートバックS1(背部)及び着座部S2はシートフレームFにクッションパッド1a,2aを載置して、表皮材1b,2bで被覆されている。なお、ヘッドレストS3は、頭部の芯材(不図示)にパッド材3aを配して、表皮材3bで被覆して形成される。また符号19は、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラーである。
乗物用シートSのシートフレームFは、図2で示すように、シートバックS1を構成するシートバックフレーム1、着座部S2を構成する着座フレーム2から構成されている。
着座フレーム2は、上述のようにクッションパッド2aを載置して、クッションパッド2aの上から表皮材2bによって覆われており、乗員を下部から支持する構成となっている。着座フレーム2は脚部で支持されており、この脚部には、図示しないインナレールが取り付けられ、車体フロアに設置されるアウタレールとの間で、前後に位置調整可能なスライド式に組み立てられている。
また着座フレーム2の後端部は、リクライニング機構11を介してシートバックフレーム1と連結されている。
シートバックS1は、シートバックフレーム1に、上述のようにクッションパッド1aを載置して、クッションパッド1aの上から表皮材1bにより覆われており、乗員の背中を後方から支持するものである。本実施の形態において、シートバックフレーム1は、図2で示すように、略矩形状の枠体となっており、サイド部とアッパー部とロアー部を備えている。
サイド部は、シートバック幅を構成するため、左右方向に離間して配設され、上下方向に延在する2本のサイドフレーム15を有している。そして、サイドフレーム15の上端部側を連結する管状部材としてのメインパイプ16が、サイド部から上方に延出し、アッパー部を構成している。なお、メインパイプ16は、アッパー部を構成するだけでなく、一方のサイドフレーム15から上方に延設された後、他方のサイドフレーム15まで延設され、さらに下方まで延設され、ロアー部を構成している。本実施形態では、メインパイプ16はアッパー部、サイド部、ロアー部を一周する環状に形成され、枠体を構成した例を示しているが、側面衝突時の荷重に耐えうる剛性を備えるものであれば、その他の形状としても良い。
また、シートバックフレーム1のロアー部は、サイドフレーム15の下端部側を下部フレーム17で連結して形成されている。下部フレーム17は、サイドフレーム15の下側に連結され下方に延長した延長部17aと、両側を連結する中間部17bを有しており、延長部17aは、着座フレーム2との関係で、支障のない範囲で延長されている。
なお、本実施形態のシートバックフレーム1は、サイドフレーム15とメインパイプ16と下部フレーム17とが別部材で形成されているが、一体の板状フレーム等で形成することもできる。また、ロアー部においてパワーモータ等の装置を取り付けた構成としても良い。
図2で示すように、管状部材としてのメインパイプ16は、略矩形状に屈曲されており、メインパイプ16の側面部16aは、サイドフレーム15の側板15aに対して上下方向に沿って一部が重なるように配設され(図4参照)、この重なり部分においてサイドフレーム15に固着接合される。
また、アッパー部を構成するメインパイプ16の上方には、ヘッドレストS3が配設されている。ヘッドレストS3は、前述のように芯材(不図示)の外周部にパッド材3aを設け、パッド材3aの外周に表皮材3bを被覆して構成している。メインパイプ16には、ピラー支持部18が配設されている。このピラー支持部18には、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラー19(図1参照)がガイドロック(不図示)を介して取り付けられて、ヘッドレストS3が取り付けられるようになっている。
シートバックフレーム1の一部を構成するサイド部としてのサイドフレーム15は、図2で示すように、上下方向に所定の長さで構成されており、左右方向に所定間隔を有して対向して配設されている。
本実施形態のサイドフレーム15は、シートバックフレーム1の側面を構成する延伸部材であり、平板状の側板15aと、この側板15aの前端部(乗物前方側に位置する端部)からU字型に内側に折り返した前縁部15bと、後端部から略L字型に内側へ屈曲した後縁部15cとを有している(図7参照)。
本実施形態の前縁部15bには、図7で示すように、後縁部15c側へ張り出した突起部15dが形成されており、この突起部15dには、ばねを係止するための係止部としての係止孔33が形成されている。
また、本実施形態の後縁部15cの内側は、パイプ状のメインパイプ16の表面と当接して配設されている(図4参照)。なお、図3に示すように、側板15aの一部は屈曲すると共に開口部が設けられており、その開口部からメインパイプ16の表面の一部が突出するように配設されている。
そして、本実施形態のサイドフレーム15の内側には、後述の移動部材30が係止されている。なお、移動部材30の構成、作用は後述する。
シートバックフレーム1の側方(より詳細には、サイドフレーム15の外側)であって、且つ乗物ドア側(図2において、図面右側)となる位置には、側面衝突時の荷重を受ける荷重入力部材40が接合されている。
この荷重入力部材40は、側面衝突時の荷重を受け、その荷重をさらにサイドフレーム15、メインパイプ16等、シートフレームFを構成する他の部材に伝達させるために配設されるものである。
なお、本実施形態では荷重入力部材40として、車両の側面衝突時の荷重を受ける部材としたが、これに限定されず、アームレストを取り付けるために配設されるアームレスト取付部材のように、乗員から荷重を受ける部材でも良く、エアバッグ取付部材のようにエアバッグユニットが作動した時にエアバッグから荷重を受ける部材でも良く、また、モータのように自重により取付部材が荷重を受けるような部材であっても良い。
図3に示すように、荷重入力部材40は、前後において離間して対向し、互いに接合された第1板材41及び第2板材42によって構成されている。乗物前方側に配設された第1板材41は、前板41aの上端からL字型に後方へ屈曲した上縁部41bと、前板41aの、サイドフレーム15に対して反対側の側端からL字型に後方へ屈曲した側縁部41cと、前板41aの下端からL字型に後方へ屈曲した下縁部41dとを有している。
乗物後方側に配設された第2板材42は、第1板材41の各縁部と重なるようにして、後板42aの上端からL字型に前方へ屈曲した上縁部42bと、後板42aの、サイドフレーム15に対して反対側の側端からL字型に前方へ屈曲した側縁部42cと、後板42aの下端からL字型に前方へ屈曲した下縁部42dとを有している。
そして、第1板材41の上縁部41bと、側縁部41cと、下縁部41dは、第2板材42の上縁部42bと、側縁部42cと、下縁部42dとそれぞれ重なって接合される。
本実施形態の荷重入力部材40は、サイドフレーム15と、サイドフレーム15から一部突出したメインパイプ16に対して接合されることにより、四方が閉じた筐体構造になるため、側方からの荷重に対する耐久性が向上する。また、メインパイプ16に対して荷重入力部材40が直接接合されているため、側方からの荷重がかかった際、メインパイプ16を捻れさせることによってもその荷重を分散させることができる。
図3に示すように、荷重入力部材40は、サイドフレーム15に対し、サイドフレーム15の後縁部15cと荷重入力部材40の後板42aとが対向し、ほぼ面一で連続するように配設されている。このような構成とすることにより、荷重入力部材40の取付剛性が向上し、さらに側方からの荷重伝達が容易になる。
第1板材41の前板41a、第2板材42の後板42aにはそれぞれ表面に凹凸が形成されており、前板41aと後板42aにはそれぞれ凹部41e,42eが形成されている。
そして、前板41aと後板42aにおいて、上下方向に複数配設された凹部41e及び凹部42eの間には、前方向又は後方向に幅が拡大するように設けられた膨出部41g及び膨出部42gがそれぞれ形成されている。なお、膨出部は、前板41a、後板42aの何れか一方に設けられた構成としても良い。このように、膨出部41g,42g及び凹部41e,42eが形成されることにより、荷重入力部材40は、その稜線部分によって側方からの荷重を受けやすくなるため、さらに剛性が向上する。
そして、凹凸構造を構成する凹部41eと凹部42eとは対向した位置に形成されており、凹部41eと凹部42eの面は互いに接合されている(図4参照)。凹部41e,42eを接合しない場合と比較して、凹部41e,42eを接合した場合は、板厚を薄くしても同等の強度を確保することができる。したがって、乗物用シートSを軽量化することができる。
また、第1板材41の前板41a、第2板材42の後板42aにはそれぞれ孔41f,42fが形成されている。この孔41f,42fの形状は特に限定されないが、孔41f,42fを切除することにより、荷重入力部材40を軽量化することができる。なお、側方からの荷重に対する強度を確保するため、孔41f,42fは、第1板材41及び第2板材42のサイドフレーム15又はメインパイプ16に当接する側の端部を避けて形成されていると好ましい。なお、孔41f,42fは第1板材41、第2板材42において、複数個形成されていても良い。
そして、シートバックフレーム1内(両側のサイドフレーム15の間)でシートバックフレーム1の内側領域には、クッションパッド1aを後方から支える姿勢保持部材としての受圧部材20が配設されている。
本実施形態の受圧部材20は、樹脂を板状の略矩形状に形成した部材であり、クッションパッド1aと接する側の表面には滑らかな凹凸が形成されている。受圧部材20の裏側の上部側と下部側には、図2で示されるように、ワイヤ21,22を係止するための爪部が形成されている。
本実施形態の受圧部材20は、連結部材に支持されている。すなわち、連結部材としての2本のワイヤ21,22が両側のサイドフレーム15間に架設され、受圧部材20の裏側の上部側と下部側で、所定位置に形成された爪部によって受圧部材20と係合し、受圧部材20をクッションパッド1aの背面で、支持している。ワイヤ21,22は、ばね性を有するスチール線材から形成され、屈曲部である凹凸部が形成されている。
特に本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、下方に位置するワイヤ22は、凹凸部が形成されていることによって、所定以上の荷重(後述する衝撃低減部材の可動又は回動の荷重より大きな荷重)によって大きく変形し、受圧部材20が、より多くの移動量をもって後方へ動くように構成されている。
図5及び図6で示すように、本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、上部側に係止されたワイヤ21の両端部は、両側のサイドフレーム15に設けられた取付けフック37に掛着されている。一方、下部側に係止されたワイヤ22の両端部は、左右のサイドフレーム15に装着された移動部材30の係止部31に掛着されている。
衝撃低減部材としての移動部材30は、後面衝突等により所定以上の衝撃荷重が受圧部材20に加わったときに、連結部材(ワイヤ22)を介して伝わる衝撃荷重により乗物後方に移動すると共に受圧部材20を後方へ移動させ、乗員を後方へ移動するものである。なお、「移動」とは、水平移動、回動等の動きを指す。本実施形態では、軸部32を回動軸として回動する移動部材30について説明する。この移動部材30の乗物後方への移動により受圧部材20を乗物後方へ大きく移動させることができ、その結果、乗員を後方へ移動させるため、乗員にかかる衝撃を低減することができる。
本実施形態の移動部材30は、図7、図8で示すように、両側のサイドフレーム15の側板15aの内側に、回動軸としての軸部32(後述)を介して回動自在に軸支され、連結部材としての下方位置のワイヤ22を係止すると共に、ワイヤ22を付勢する付勢手段としてのばね(引張りコイルばね35)と連結されるものである。つまり、移動部材30は、付勢手段35と連結しており、連結部材22を介して受圧部材20をシートバックフレーム1の前方側に付勢するように構成されている。
そして、本実施形態の移動部材30は、回動可能な軸部32によって、サイドフレーム15の内側に配設されている。
軸部32は、図8で示すように、軸部材32aと、移動部材30に設けられた軸孔32bと、サイドフレーム15の側板15aに設けられた孔部32cと、嵌め合わせ部材32dとから構成されており、軸部材32aを軸孔32bに挿通して孔部32cに嵌着し、軸部材32aの先端側から嵌め合わせ部材32dを嵌合して、移動部材30を回動自在に軸支している。なお、サイドフレーム15の側板15aには、軸部32が配設される位置において内側に向かって膨出した凸部15eが形成されている。
そして、メインパイプ16は、サイドフレーム15の凸部15eと後縁部15cとの間に接合されて配設されている。このような構成により、メインパイプ16は、凸部15eと後縁部15cとによって形成される空隙に配設されるため、メインパイプ16の設置箇所が大型化することなく、サイドフレーム15周辺の構成をコンパクト化することができる。
回動軸としての軸部32は、サイドフレーム15に設けられた軸孔32bの位置に位置決めされて配設される。このとき、図4のように、移動部材30の少なくとも一部は、左右方向において、荷重入力部材40に重ならない位置に配設されている。すなわち、軸部32は、その回動軸方向において、荷重入力部材40に重ならない位置に配設されている。なお、本実施例では軸部32は、荷重入力部材40の前板41aよりも前方に配設され、軸部32(より詳細には、軸部材32a及び嵌め合わせ部材32d)がその回動軸方向において荷重入力部材40に重ならないように離間して配設されている。この構成により、軸部32は筐体状に形成された荷重入力部材40の外側に設置されるため、軸部32の取り付け時、荷重入力部材40に妨げられることなく、作業性が向上する。また、荷重入力部材40によって遮られることなく、作業者は軸部32を目視できるため、軸部32の設置状態を確認することができる。なお、本実施形態では前板41aの前方に軸部32が離間して配設される例を示したが、後板42aよりも後方に離間して配設された構成としても良い。
また、荷重入力部材40には、上述のように、孔41f,42fが形成されている。したがって、荷重入力部材40の内側に別部材を設置する場合であっても、孔41f,42fを介して目視することができるため、移動部材30の設置を容易に行うことができる。さらに、孔41f,42fを介して工具を差し込むことも可能であるため、その他の部材を荷重入力部材40の周辺に設置することも可能である。
また、荷重入力部材40は、軸部32よりも後方に離間して設けられており、さらに上述のように、荷重入力部材40を構成する第2板材42の後板42aは、サイドフレーム15の後縁部15cに対して対向し、面一で配設されている。その結果、側面衝突時の荷重に対する荷重入力部材40の剛性が向上すると共に、側面衝突時の荷重の伝達がスムーズに行われるようになるため、側面衝突時の荷重をシートフレームFを構成する部材に対して効果的に伝達することが可能である。
さらに、軸部32は、荷重入力部材40よりも前方、且つサイドフレーム15の後縁部15cに接合されたメインパイプ16よりも前方に離間して配設されている。この構成により、メインパイプ16がサイドフレーム15によって補強されると共に、メインパイプ16と軸部32が接触することがないため、軸部32を軸として、次述の移動部材30がスムーズに可動できる。
そして、図4のようにサイドフレーム15において、軸部32の配設位置にサイドフレーム15の内側に向かって膨出した凸部15eが形成されている。この構成により、軸部32(より詳細には、嵌め合わせ部材32d)は、凸部15eに嵌め込まれる構成となっている。これにより、嵌め合わせ部材32dの位置決めが容易になるため、サイドフレーム15に対する軸部32の設置作業が容易になる。
そして、本実施形態の移動部材30は、回動可能な軸部32と、この軸部32から所定距離の位置に形成された連結部材の係止部31と、付勢手段の係止部(係止凹部31a)と、移動(回動)を阻止する移動阻止部39と、を備えている。
本実施形態の連結部材(ワイヤ22)を係止するための係止部31は、連結部材であるワイヤ22の折れ曲がった鈎状端部(鈎部22a)の取り付けを容易とするために、長孔によって形成されている。そして、係止部31は、後述の付勢手段(引張りコイルばね35)を係止するための係止凹部31aが一体に連続して形成されている。
係止部31の形成部30cは、移動部材30を構成するベース部30aの外周側に連続して立ち上がるように形成された立上り部30bから外周方向に延出して形成されている。
本実施形態の付勢手段の係止部(係止凹部31a)は、付勢手段である引張りコイルばね35の端部を係止するものであり、上記係止部31が形成される形成部30cの、係止部31の一部を乗物後方へ切り欠くように形成されている。そして、図7に示すように、係止凹部31aは、軸部32の中心と係止部31のワイヤ22が掛着される位置を結ぶ線Yより乗物前方の位置に形成されている。
本実施形態における付勢手段としての引張りコイルばね35は、図7で示すように、ばね線材をコイリング成形することによって形成されており、その両端部には、それぞれフック35aが半円状に成形されている。そして、引張りコイルばね35のフック35aは、移動部材30の係止凹部31aとサイドフレーム15の突起部15dの係止孔33とに係止されている。このような構成により、引張りコイルばね35によって、移動部材30がシートバックフレーム1の前方側へ付勢されている。
本実施形態の移動阻止部39は、移動部材30が移動(回動)したときに、移動(回動)を阻止するためのものであり、図5、図6、図7に示すように、軸部32を中心に移動(回動)した時に側板15aと摺接するベース部30aの外周側に連続してベース部30aより一部が突出し、さらに略垂直に立ち上がるようにして形成されている。この移動阻止部39が移動部材30の移動(回動)の規制を行うものである。
すなわち、図7に示すように、移動阻止部39はサイドフレーム15の側板15aから離間する方向に屈曲して立ち上がるように形成されている。
移動阻止部39はそれぞれ移動部材30の移動(回動)後にメインパイプ16と当接して移動(回動)を阻止する当接部である。そして、メインパイプ16と当接する移動阻止部39のシート内側方向の端部の高さは、当接時にメインパイプ16の表面に対して当接するように形成されている。
また、移動阻止部39のシート内側方向の端部の高さは、メインパイプ16の中心軸(線X)よりも内側に配設されていればよい(図4参照)。このように、移動阻止部39が、メインパイプ16の表面に対して確実に当接するため、安定して移動部材30の動きを制御することができる。
移動阻止部39は、移動部材30の移動(回動)設定範囲を規制するため設けられ、後面衝突時の荷重によって移動部材30が移動(回動)したときに、移動阻止部39がメインパイプ16に当接して移動(回動)が止まるように設定されている。
このように、移動部材30の移動阻止部39は移動部材30を外周方向に延出させて一体に形成されており、その当接面が移動(回動)後においてメインパイプ16と当接するので、簡単且つ強度を確保した構成で、移動部材30の移動(回動)を安定して確実に停止させることができる。
この移動阻止部39は、後述する付勢手段(引張りコイルばね35)や連結部材(ワイヤ22)と干渉しない位置に形成される。
なお、本実施形態においては、移動部材30の移動阻止部39がメインパイプ16に直接当接して移動(回動)を阻止するように構成されているが、移動阻止部39とメインパイプ16との間に、当接時に発生する異音を消すために、移動部材30の移動(回動)停止の安定を阻害しない程度の厚さを有するラバーなどの消音部材を取り付けることもでき、このように構成すると、安定した移動(回動)阻止ができるとともに、消音効果が期待できる。
上述した移動部材30は、両側のサイドフレーム15に取り付けられており、両側のそれぞれの移動部材30の係止部31に、ワイヤ22の両端部である鈎部22aが掛着されており、各々の移動部材30が個別に作動するように構成されている。
本実施形態では、移動部材30が、両側のサイドフレーム15に取り付けられているが、これら両側に取り付けられた移動部材30は、互いに独立して移動(回動)するように構成されている。このため、荷重が偏って生じた場合において、荷重に合わせて両側のサイド部で移動部材30が、各々独立して移動(回動)することになり、衝撃荷重の大きさに応じて、乗員の身体を沈み込ませることができる。
乗員が着座した通常の着座時において、シートバックS1内のクッションパッド1a、受圧部材20、ワイヤ22を介して、移動部材30を後方へ移動(回動)させる張力が生じるが、一方、引張りコイルばね35が移動部材30をシートバックフレーム1の前方側へ移動(回動)させるように付勢している。ここで、移動部材30に連結されている引張りコイルばね35は、通常の着座時において生じる荷重領域ではたわまない荷重特性を有しているため、移動部材30は常に初期位置に制止されている。つまり、移動部材30を移動(回動)させる力に抗して初期状態に復帰させる力が、通常の着座時に最も大きくなるように構成している。
後面衝突時の移動部材30について、図5は衝撃低減部材の回動前、図6は衝撃低減部材の回動後を示し、図9において鎖線は後面衝突前、実線は後面衝突後の状態を示している。後面衝突時においては、図9で示すように、後方から衝撃を受けて慣性で乗員が後方に移動しようとすると、この荷重が受圧部材20(図9では不図示)と、受圧部材20に係止されたワイヤ22を介して、移動部材30を後方(図9では左側)に移動(回動)させる方向に張力がかかる。このときの張力は、移動部材30を初期位置に留めている引張りコイルばね35を伸長させ、移動部材30を後方に移動(回動)させるのに十分な荷重となる。
移動部材30が移動(回動)を始める力の閾値は、通常の着座荷重よりも大きな値に設定されている。
ここで、移動部材30が移動(回動)を始める力の閾値について、通常着座している状態(ここでは、着座衝撃や乗物の急発進によって生じる小さな衝撃は除いている)でシートバックS1にかかる荷重は150N程度であるので、閾値は150Nより大きい値が好ましい。この値より小さいと、通常の着座時に移動してしまい、安定性に欠けるため、好ましくない。
さらに通常の着座時に生じる着座衝撃や、乗物の急発進等によって生じる加速時の荷重を考慮して、250Nより大きな値に設定することが好ましく、このようにすると、後面衝突以外では移動部材30が作動せず、安定した状態を維持することができる。
上述のように、移動部材30を後方に移動(回動)させることで、係止部31に掛着されているワイヤ22が後方に移動し、それと共にワイヤ22に係止されている受圧部材20と、受圧部材20に支持されているクッションパッド1aが後方に移動し、乗員をシートバックS1内に沈み込ませることができる。
以下に、後面衝突時の移動部材30の移動(回動)特性について、図9を参照してさらに詳しく説明する。
移動部材30の移動(回動)前の初期位置においては、ワイヤ22を係止する係止部31と引張りコイルばね35の下端部を係止する係止凹部31aは、軸部32よりも乗物前方に位置するように配置されており、引張りコイルばね35の上端部は移動部材30の上方に位置するサイドフレーム15の突起部15dに形成された係止孔33に係止されている。
後面衝突により、ワイヤ22に所定以上の張力が生じ、引張りコイルばね35に抗して移動部材30が移動(回動)を始めると、引張りコイルばね35が伸びて、移動部材30に設けられた係止凹部31aは、軸部32の回動中心を軸として回動しつつ後方へ移動することになる。そして、図9で示すように、移動部材30は、移動阻止部39が、サイドフレーム15に接合して配設されたメインパイプ16と当接して、移動部材30の移動(回動)を阻止するまで移動(回動)する。これにより、図5で示す状態から図6で示す状態に、受圧部材20はシートフレーム1の後方へ大きく移動して、沈み込み量が大きくなる。
本実施形態では、移動部材30が移動(回動)して受圧部材20が移動するとき、引張りコイルばね35の上端部は、移動部材30よりも上方に形成された係止孔33に固定されているため、係止凹部31aの移動方向と、引張りコイルばね35が伸長する方向が一致しない構成となっている。
すなわち、移動部材30の移動(回動)量と、引張りコイルばね35の引張り荷重(たわみ量)は比例しない構成となっており、さらに換言すれば、移動部材30の回動角度と、引張りコイルばね35により与えられる前方回動方向のトルク(回転力)は単純に比例しない関係となっている。
つまり、引張りコイルばね35の下端部を係止する係止凹部31aは、軸部32を回転中心とした円弧状の軌跡を描くのに対し、引張りコイルばね35の上端部を係止する係止孔33は、移動部材30の上方に固着接合されている固定端として形成されている。
移動部材30は、ワイヤ22を介して生じる張力に対し、上述したような移動(回動)特性を有しているために、後面衝突が生じた場合は確実に、且つ効率よく乗員をシートバックS1のクッションパッド1aに沈み込ませることができる。
このとき、乗員の背部がシートバックS1に沈み込むことで後方に移動しているが、ヘッドレストS3の位置は相対的に変わらないため、ヘッドレストS3と頭部の隙間が縮まり、ヘッドレストS3で頭部を支持することができるため、頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減する効果を奏する。
上記実施形態では、移動部材30を左右両側のサイドフレーム15に設けた例を示しているが、荷重入力部材40が配設されたサイドフレーム15のみに設ける構成としてもよい。この場合には、移動部材30が設けられていない側のサイドフレーム15には、連結部材(ワイヤ)21,22を直接係止するように構成することができる。
また、上記実施形態では移動部材30がシートバックフレーム1(サイドフレーム15)の内側に配設された例を示したが、外側に設けられた構成であっても良い。ただし、シートバックフレーム1の外側に荷重入力部材40を設け、移動部材30を内側に、設けた構成とすると、空間を有効に活用でき、設計の自由度が高いため好ましい。
さらに、上記実施形態では、移動部材30をシートバックフレーム1の内側に、荷重入力部材40をシートバックフレーム1の外側に設けた例を示したが、移動部材30と荷重入力部材40とを、シートバックフレーム1の内側、又は外側の何れか一方の側において、重ならない位置に配設した構成としても良い。
なお、上記実施形態では、具体例として、自動車のフロントシートのシートバックS1について説明したが、これに限らず、後部座席のシートバックについても、同様の構成を適用可能であることは勿論である。
S 乗物用シート
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
1a,2a,3a クッションパッド(パッド材)
1b,2b,3b 表皮材
11 リクライニング機構
15 サイドフレーム
15a 側板
15b 前縁部
15c 後縁部
15d 突起部
15e 凸部
16 メインパイプ(管状部材)
16a 側面部
17 下部フレーム
17a 延長部
17b 中間部
18 ピラー支持部
19 ヘッドレストピラー
20 受圧部材
21,22 ワイヤ(連結部材)
22a 鈎部
30 移動部材(衝撃低減部材)
30a ベース部
30b 立上り部
30c 形成部
31 係止部
31a 係止凹部
32 軸部
32a 軸部材
32b 軸孔
32c 孔部
32d 嵌め合わせ部材
33 係止孔
35 引張りコイルばね(付勢手段)
35a フック
37 取付けフック
39 移動阻止部
40 荷重入力部材
41 第1板材
41a 前板
41b 上縁部
41c 側縁部
41d 下縁部
41e 凹部
41f 孔
41g 膨出部
42 第2板材
42a 後板
42b 上縁部
42c 側縁部
42d 下縁部
42e 凹部
42f 孔
42g 膨出部

Claims (5)

  1. 側方に位置するサイド部と、該サイド部の上方を連結するアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、
    該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、
    前記シートバックフレームの側方に配設され、他部材からの荷重が入力される荷重入力部材と、
    前記シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、
    前記シートバックフレームの前記サイド部の少なくとも一方側に配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、
    前記サイド部は、平板状の側板と、該側板の乗物後方側に位置する端部から内側へ屈曲した後縁部とを備え、
    前記荷重入力部材の一部は、前記後縁部と対向する位置に配設され、
    前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記荷重入力部材と左右方向において重ならない位置にあり、かつ、前記荷重入力部材の乗物前方側に離間して配設されてなることを特徴とする乗物用シート。
  2. 側方に位置するサイド部と、該サイド部の上方を連結するアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、
    該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、
    前記シートバックフレームの側方に配設され、他部材からの荷重が入力される荷重入力部材と、
    前記シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、
    前記シートバックフレームの前記サイド部の少なくとも一方側に配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、
    前記サイド部は、平板状の側板と、該側板の乗物後方側に位置する端部から内側へ屈曲した後縁部とを備え、
    該後縁部は、前記サイド部の上下方向に沿って重なるように配設された管状部材が接合され、
    前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記荷重入力部材と左右方向において重ならない位置にあり、かつ、前記管状部材の乗物前方側に離間して配設されてなることを特徴とする乗物用シート。
  3. 前記後縁部は、前記サイド部の上下方向に沿って重なるように配設された管状部材が接合され、
    前記衝撃低減部材の少なくとも一部は、前記管状部材の乗物前方側に離間して配設されてなることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  4. 前記サイド部は、前記衝撃低減部材の少なくとも一部が配設される位置に、内側に向かって膨出した凸部を備え、
    前記管状部材は、前記凸部と前記後縁部との間に配設されてなることを特徴とする請求項2又は3に記載の乗物用シート。
  5. 前記衝撃低減部材は、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により軸部を回動軸として回動し、
    前記サイド部の前記凸部には、前記衝撃低減部材の前記軸部が嵌め込まれていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
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