JP5414295B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに係り、特に後面衝突時における衝撃の低減を図った乗物用シートに関する。
一般に、自動車などの乗物用シートの後部が追突されたり、後退走行時に大きく衝突したりするなど、いわゆる後面衝突の際には、着座している乗員の頭部が慣性力によって急激に後傾し、頸部が衝撃を受ける虞がある。
そのため、従来から自動車などの乗物用シートには、後面衝突時による衝撃から乗員の頭部や頚部を保護し、頸部への衝撃を軽減するために、シートバック上方に乗員の頭部を後方から受けるヘッドレストを設けている。
しかし、ヘッドレストを設けているだけでは、身体への衝撃を軽減できないだけでなく、後面衝突時に乗員の頭部とヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させないと、頸部へ加わる衝撃を十分に軽減できない場合がある。
このような問題を解消するために、後面衝突時に乗員の後方への移動荷重によってヘッドレストを前方に可動させ、乗員の頭部を支持して頸部への衝撃を軽減するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、シートバックフレームで、シートバッククッションを支持しているシートバックを備えた乗物用シートにおいて、シートバックの後面衝突時に乗員の背中部分が当接する部位を、他の部位よりもばね係数を小さくかつ減衰係数を大きくした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ヘッドレストを有する背凭シートにおいて、上部にヘッドレストを装着する固定フレームに、クッション材を支持するばね体を有する可動フレームを、この可動フレームの上部がその下部を中心に後方に回動するように取り付け、固定フレームと可動フレームとの間には通常の着座荷重は支持するが所定以上の衝撃荷重がかかると、可動フレームの後方回動を許容するばねを設けた乗物用シートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−341402号公報 特開2005−028956号公報 特開2000−272395号公報
特許文献1及び特許文献2で開示される技術は、いずれも乗員の衝撃を緩和することにあるが、特許文献1に開示された技術は、後面衝突時に、乗員の胸部後方への移動を受圧部材で受け、この受圧部材の後方への移動に連動してヘッドレストを前方に移動させるものである。このような技術においては、ヘッドレストと連動させるため、別途ヘッドレストの移動機構を設ける必要があり、機構が複雑でコスト高になるだけでなく、シートバックフレームにヘッドレストを動かすための可動部分が必要であるため、剛性が弱くなるのを防ぐ必要があり、通常より剛性を高める必要が生じてしまう。
特許文献2に開示された技術は、シートバックの背中部分(特許文献2では「胸部」としている)が当接する部位のばね係数を小さくすることで、上半身の後方移動を大きくして頭部と背中部分の相対移動量を小さくするとともに、低反発クッション材を用いて減衰係数を大きくすることで、上半身の跳ね返りを抑制して頭部と背中部分の相対速度を低減することにより、頸部に作用するせん断力の低減を図っている。
しかし、ばね係数を小さくする技術や、低反発クッション部材による技術では、乗物の後方への身体の沈み込みを大きくする(即ち、移動量を大きくする)ことができないという不都合があった。
また、特許文献3で開示される技術は、ばねの弾力を衝撃荷重に対して設定するだけであるので、中央支持部の後方移動する作動荷重を確実に予測でき、必ず後方移動し、作動は確実なものとなる利点を有するものである。
しかし、特許文献3で示される技術は、固定フレームと可動フレームが、下部の取付軸で固定されているため、下部位置近傍での固定フレームと可動フレームの可動が非常に少なく、着座している身体の全体を乗物の後方側へ沈み込ませることができないという不都合がある。また特許文献3のばねは、大きく移動するに従って反力が大きくなって動きにくくなるだけでなく、固定フレームと可動フレームとの可動範囲は、極めて限定された移動範囲となり、大きく沈み込ませる移動量を確保することが難しいという問題があった。そして、可動フレームを用いているため、全体として装置が大きくなり、軽量化が困難であるという不都合もあった。
また、受圧部材をワイヤでシートフレームに取り付け、ヘッドレストを動かす技術では、受圧部材による姿勢保持や、受圧部材に生じた荷重でヘッドレストを可動させるため、連結部材としてのワイヤの変形ができるだけ生じないようにする必要があり、ワイヤが変形しないため、沈み込み量を阻害してしまい、移動量を大きくすることが難しく、着座フィーリングとの両立が困難であるという不都合があった。
上記のようにアクティブヘッドレストの場合には、受圧部材(プレート体)で受けた荷重をヘッドレストへ伝達する必要があるため、別途ヘッドレストの移動機構が必要となり、同時に荷重を伝えるための大きなリンク機構が必要であるが、このような大きなリンク機構は着座者に違和感を与えることになる。上述のような移動機構や大きなリンク機構が不要で、構造が簡単な技術が望まれている。
また、着座者に違和感を与えず、乗員の動きに合わせて乗員が後方に移動しやすくした、ヘッドレストと独立して後面衝突時における身体、頸部等への衝撃を効果的に軽減できる乗物用シートが望まれている。さらに、部品点数が少なく、組付けが容易で、コンパクト化が図れる技術が望まれている。
本発明の目的は、付勢手段と連結部材と衝撃低減部材を用いた、ヘッドレストと独立して後面衝突時における身体、頸部等への衝撃を効果的に軽減できる乗物用シートであって、乗員の動きに合わせて乗員が後方に移動しやすく、乗員の違和感を防止し、且つ沈み込み移動のための荷重伝達効率が良い乗物用シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、剛性が低くなりやすい部分を避けた位置に、コンパクトに衝撃低減部材を配置することができ、乗員との干渉を防止できる乗物用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、両側に位置するサイド部と、上方に配設されたアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、前記シートバックフレームの内側で連結部材を介して連結されると共に、前記ヘッドレストと独立して可動する受圧部材と、前記シートバックフレームの両側のサイド部の少なくとも一方側に配設され、前記連結部材と連結される連結部を有すると共に、前記ヘッドレストと独立して回動軸を中心に回動する衝撃低減部材と、該衝撃低減部材に形成された取付部と前記シートバックフレームに形成された取付部に配設された付勢部材と、を備え、前記衝撃低減部材に形成された連結部と、前記衝撃低減部材に形成された取付部のうち少なくとも一方より、前記衝撃低減部材の回動軸が、下方位置に形成されて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動し、前記衝撃低減部材と前記連結部材との前記連結部を下方に移動させて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動すること、により解決される。
前記衝撃低減部材に形成された連結部と取付部のうち少なくとも一方より、前記衝撃低減部材の回動軸が、下方位置に形成されているので、衝撃低減部材全体が乗員から離れた位置に形成できるので、乗員に近づかず、違和感を防止することが可能となる。
た、前記衝撃低減部材と前記連結部材との前記連結部を下方に移動させて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動するように構成すると好適である。このように構成すると、乗員が沈み込み方向に移動しやすく、衝撃が大きい場合にも乗員の浮き上がりを抑制することが可能となる。
た、前記衝撃低減部材と前記連結部材との前記連結部を上方向に移動後、下方に移動させて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動するように構成すると好適である。このように、衝撃低減部材と連結部材との連結部を上方向に移動後、下方に移動させて、受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動するため、後面衝突によって、シートバックが後方へ傾倒しても、傾倒方向に沿って受圧部材を移動させることができ、後面衝突時に、荷重伝達効率の良い身体の全体の沈み込み移動を確保することができる。
さらに、前記両側のサイド部の少なくとも一方には、ハーネス挿入孔を備え、前記シートバックフレームに形成された取付部は、前記ハーネス挿入孔より上方側で、前記ハーネス挿入孔と前記回動軸の間に形成されていると、好適である。このように構成すると、剛性が低くなりやすいハーネス挿入孔を避けた位置で、コンパクトな配置が可能となる。
た、前記衝撃低減部材には、前記付勢部材と対向する位置に切り欠き部が形成され、前記付勢部材の後端が前記切り欠き部より前方に配置されていると、干渉を防止できるので、近接して配置することが可能となり、コンパクト化に寄与することができる。
同様に請求項6のように、前記衝撃低減部材には、前記連結部材と対向する位置に切り欠き部が形成されていると、干渉を防止できるので、近接して配置することが可能となり、コンパクト化に寄与することができる。
また、衝撃低減部材は、連結部材を介して受圧部材をシートバックフレームの前方側に付勢する付勢手段と連結され、受圧部材はヘッドレストと独立して可動するので、衝撃低減部材は、後面衝突時に受圧部材からの荷重で可動し、乗員の身体が着座姿勢を保持した状態で、乗員の頭部がヘッドレストに当接できるようになる。このため、ヘッドレストを前方へ移動させるためのヘッドレストと連携した機構を設けなくても、乗員の頭部を支持して頭部或いは頸部に加わる衝撃を軽減することが可能となる。
また衝撃低減部材及び受圧部材はそれぞれヘッドレストと独立しているので、衝撃低減部材及び受圧部材に生じる荷重をヘッドレストへ伝達する機構等が不要となり、単純化が図れると共に軽量化を図ることが可能となる。
以上のように、後面衝突時などにより大きな衝撃荷重が生じた場合には、付勢手段の付勢力に抗して衝撃低減部材が可動又は回動して、連結部材を動かし、受圧部材を後方側へ移動させて、乗員を乗物後方へ沈み込ませることが可能となる。
このように構成すると、通常の着座荷重で生じる荷重領域で衝撃低減部材が可動又は回動しないことから、着座フィーリングに影響を及ぼさず、着座フィーリングを良好に保つことができる。また付勢手段が、衝撃低減部材を可動又は回動する力に抗して初期状態に復帰させる力が、初期は高く、可動するに従って低くなり、通常着座時に衝撃低減部材が回動できにくい状態となり、後面衝突時に衝撃低減部材が動き易い状態となる。
本発明の乗物用シートによれば、衝撃低減部材全体が乗員から離れた位置に形成できるので、乗員に近づかず、違和感を防止することが可能となる。また、乗物用シートによれば、乗員が沈み込み方向に移動しやすく、衝撃が大きい場合にも乗員の浮き上がりを抑制することが可能となる。
本発明の乗物用シートによれば、後面衝突によって、シートバックが後方へ傾倒しても、傾倒方向に沿って受圧部材を移動させることができ、後面衝突時に、荷重伝達効率の良い身体の全体の沈み込み移動を確保することができる。
本発明の乗物用シートによれば、剛性が低くなりやすいハーネス挿入孔を避けた位置で、コンパクトな配置が可能となる。
本発明の乗物用シートによれば、干渉を防止できるので、近接して配置することが可能となり、コンパクト化に寄与することができる。
シートの概略斜視図である。 シートフレームの概略斜視図である。 衝撃低減部材の可動前のシートバックフレームの概略断面説明図である。 衝撃低減部材の可動後のシートバックフレームの概略断面説明図である。 シートバックフレームの背面からの概略説明図である。 衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の関係を示す拡大説明図である。 衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の分解説明図である。 衝撃低減部材の説明図である。 後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。 後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。 他の実施形態の後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。 他の実施形態の後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。 さらに他の実施形態を示す図6と同様な拡大説明図である。 さらに他の実施形態を示す図2と同様な概略斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。また、本明細書において、乗物とは、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物、地上以外を移動する航空機や船舶など、シートを装着できる移動用のものをいうものとする。また通常の着座荷重とは、着座するときに生じる着座衝撃、乗物の急発進によって生じる加速時の荷重などを含むものである。また後面衝突時の荷重とは、後面衝突によって生じる大きな荷重であり、後方側からの乗物による大きな追突、後退走行時における大きな衝突などを指すものであり、通常の着座時に生じる荷重と同様な荷重領域のものは含まないものである。
図1乃至図10は本発明に係る実施の形態を示し、図1はシートの概略斜視図、図2はシートフレームの概略斜視図、図3は衝撃低減部材の可動前のシートバックフレームの概略断面説明図、図4は衝撃低減部材の可動後のシートバックフレームの概略断面説明図、図5はシートバックフレームの背面からの概略説明図、図6は衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の関係を示す拡大説明図、図7は衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の分解説明図、図8は衝撃低減部材の説明図、図9及び図10は後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。
本実施の形態に係る乗物用シートSは、図1で示すように、シートバックS1(背部)、着座部S2、ヘッドレストS3より構成されており、シートバックS1(背部)及び着座部S2はシートフレームFにクッションパッド1a,2aを載置して、表皮材1b,2bで被覆されている。なお、ヘッドレストS3は、頭部の芯材(不図示)にパッド材3aを配して、表皮材3bで被覆して形成される。また符号19は、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラーである。
乗物用シートSのシートフレームFは、図2で示すように、シートバックS1を構成するシートバックフレーム1、着座部S2を構成する着座フレーム2から構成されている。
着座フレーム2は、上述のようにクッションパッド2aを載置して、クッションパッド2aの上から表皮材2bによって覆われており、乗員を下部から支持する構成となっている。着座フレーム2は脚部で支持されており、この脚部には、図示しないインナレールが取り付けられ、車体フロアに設置されるアウタレールとの間で、前後に位置調整可能なスライド式に組み立てられている。
また着座フレーム2の後端部は、リクライニング機構11を介してシートバックフレーム1と連結されている。
シートバックS1は、シートバックフレーム1に、上述のようにクッションパッド1aを載置して、クッションパッド1aの上から表皮材1bにより覆われており、乗員の背中を後方から支持するものである。本実施の形態において、シートバックフレーム1は、図2で示すように、略矩形状の枠体となっており、サイド部とアッパー部とロアー部を備えている。
サイド部は、シートバック幅を構成するため、左右方向に離間して配設され、上下方向に延在する2本のサイドフレーム15を有している。そして、サイドフレーム15の上端部側を連結する上部フレーム16が、サイド部から上方に延出し、アッパー部を構成している。
また、シートバックフレーム1のロアー部は、サイドフレーム15の下端部側を下部フレーム17で連結して形成されている。下部フレーム17は、サイドフレーム15の下側に連結され下方に延長した延長部17aと、両側を連結する中間部17bを有しており、延長部17aは、着座フレーム2との関係で、支障のない範囲で延長されている。
なお、本実施形態のシートバックフレーム1は、サイドフレーム15と上部フレーム16と下部フレーム17との別部材で形成されているが、一体のパイプフレーム、一体の板状フレーム等で形成することもできる。
本実施形態のサイドフレーム15は、シートバックフレーム1の側面を構成する延伸部材であり、図6で示すように、平板状の側板15aと、この側板15aの前端部(乗物前方側に位置する端部)からU字型に内側に折り返した前縁部15bと、後端部からL字型に内側へ屈曲した後縁部15cとを有しており、乗物前後方向に配置された側板15aの両端部(前縁部15bと後縁部15c)が、シートバックフレーム1(即ちシート)の内側方向へ屈曲した断面略コ字状をしたものとなっている。そして、サイドフレーム15は、図3で示すように、側板15aが下方ほど乗物前後方向に広くなって形成されている。
本実施形態の両方の側板15aには、図2で示されるように、サイドフレーム15の下方位置であるが、下部フレーム17より上方側に、電装部品(モーターなど)のワイヤーハーネス等の配線用の穴40が形成されている。また本実施形態では、サイドフレーム15の左外側(図2)に公知のエアバッグ装置(不図示)が取り付けられ、右外側には、箱体からなる電装部品(不図示)が取り付けられている。上記エアバッグ装置や電装部品は、不図示のビス、ねじ等の取付具により、サイドフレーム15に取り付けられている。
本実施形態の前縁部15bには、図3、図6、図7で示すように、後縁部15c方向へ張り出した突起部15dが形成されており、この突起部15dには、ばねを係止するための係止部としての係止孔34が形成されている。この係止孔34は、上記したワイヤーハーネス等の配線用の穴(ハーネス挿入孔)40より上方側で、後述する回動部材30の回転軸32の間に形成されている。このように構成すると、剛性が低くなりやすい穴40を避けた位置で、コンパクトな配置が可能となる。
また、前縁部15bの突起部15dから付勢手段としての引張りコイルばね35が配設される位置には、乗物前方側に切り欠いて幅を少なくした切り欠き部15eが形成されている。この切り欠き部15eにより、引張りコイルばね35との干渉を防止することができる。
図2で示すように、上部フレーム16は、略U字状のパイプ部材であり、上部フレーム16の側面部16aは、サイドフレーム15の側板15aと一部が重なるように配設され、この重なり部分においてサイドフレーム15に固着接合される。
また、アッパー部を構成する上部フレーム16の上方には、ヘッドレストS3が配設されている。ヘッドレストS3は、前述のように芯材(不図示)の外周部にパッド材3aを設け、パッド材3aの外周に表皮材3bを被覆して構成している。上部フレーム16には、ピラー支持部18が配設されている。このピラー支持部18には、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラー19(図1参照)がガイドロック(不図示)を介して取り付けられて、ヘッドレストS3が取り付けられるようになっている。
シートバックフレーム1の一部を構成するサイド部としてのサイドフレーム15は、前述のように、上下方向に所定の長さで構成されており、左右方向に所定間隔を有して対向して配設されている。そして、シートバックフレーム1内(両側のサイドフレーム15の間)でシートバックフレーム1の内側領域には、クッションパッド1aを後方から支える姿勢保持部材としての受圧部材20が配設されている。
本実施形態の受圧部材20は、ヘッドレストS3と連携されずに構成されるもので、樹脂を板状の略矩形状に形成した部材であり、クッションパッド1aと接する側の表面には滑らかな凹凸が形成されている。受圧部材20の裏側の上部側と下部側には、図5で示されるように、ワイヤ21,22を係止するための爪部24,24,・・・が形成されている。
本実施形態の受圧部材20は、連結部材に支持されている。すなわち、連結部材としての2本のワイヤ21,22が両側のサイドフレーム15間に架設され、受圧部材20の裏側の上部側と下部側で、所定位置に形成された爪部24によって受圧部材20と係合し、受圧部材20をクッションパッド1aの背面で、支持している。ワイヤ21,22は、ばね性を有するスチール線材から形成され、図5で示されるように、両側のサイドフレーム15の途中に、屈曲部である凹凸部21a,22aが形成されている。
特に本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、下方に位置するワイヤ22は、凹凸部22aが形成されていることによって、所定以上の荷重(後述する衝撃低減部材の可動又は回動の荷重より大きな荷重)によって大きく変形し、受圧部材20が、より多くの移動量をもって後方へ動くように構成されている。
図3,4及び図6で示すように、本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、上部側に係止されたワイヤ21の両端部は、両側のサイドフレーム15に設けられた取付けフック37に掛着されている。一方、下部側に係止されたワイヤ22の両端部は、左右のサイドフレーム15に装着された回動部材30の係止部31に掛着されている。
衝撃低減部材としての回動部材30は、後面衝突等により所定以上の衝撃荷重が受圧部材20に加わったときに、連結部材(ワイヤ22)を介して伝わる衝撃荷重により乗物後方に可動、すなわち回動するものであり、この回動部材30の乗物後方への移動により受圧部材20を乗物後方へ大きく移動させることができ、乗員にかかる衝撃を低減することができる。
本実施形態の回動部材30は、図6乃至図8で示すように、両側のサイドフレーム15の側板15aの内側に軸部32(後述)を介して回動自在に軸支され、下方位置の連結部材としてのワイヤ22を係止すると共に、ワイヤ22を付勢する付勢手段としての引張りコイルばね35と連結されるものである。つまり、回動部材30は、付勢手段と連結しており、連結部材を介して受圧部材20をシートバックフレーム1の前方側に付勢するように構成されている。
そして、本実施形態の回動部材30は、回動可能な軸部32と、この軸部32から所定距離の位置に形成された連結部材の係止部31と、付勢手段の係止部(係止孔33)と、回動を阻止する回動阻止部39(ストッパ部39a,39b)と、を備えている。
軸部32は、図7で示すように、軸部材32aと、回動部材30に設けられた軸孔32bと、サイドフレーム15の側板15aに設けられた孔部32cと、嵌め合わせ部材32dとから構成されており、軸部材32aを軸孔32bに挿通して孔部32cに嵌着し、軸部材32aの先端側から嵌め合わせ部材32dを嵌合して、回動部材30を回転自在に軸支している。
このように回動部材30は、サイドフレーム15の側板15aに沿って設けられており、側板15aと、前縁部15bと、後縁部15cとで囲まれた断面略コ字状のサイドフレーム15の内側に設けられているので、回動部材30がサイドフレーム15からシート内側方向へ突出する量を抑制でき、コンパクトな配置が可能となり、乗員との干渉を抑制できる。
また、本実施形態のサイドフレーム15ように、下方ほど乗物前後方向の幅が広く形成されている場合には、次述する連結部材(ワイヤ22)の係止部31や付勢手段(引張りコイルばね35)の係止孔33よりも下方に軸部32を設けると、配置領域を確保でき、スペース上も有利である。
本実施形態の連結部材(ワイヤ22)の係止部31は、連結部材であるワイヤ22の折れ曲がった鈎状端部を取り付けるのを容易とするために、長孔から形成されている。この係止部31の形成部30cは、回動部材30を構成するベース部30aの外周側に連続して第1立上り部30bをベース部30aから立ち上がるように形成し、この第1立上り部30bから外周方向に延出して形成されている。第1立上り部30bは、軸部32を中心とした場合に、回動阻止部39のストッパ部39a,39b間の所定間隔の間の位置から概略90度離れた位置に形成している。
本実施形態の付勢手段の係止部(係止孔33)は、付勢手段である引張りコイルばね35の端部を係止するものであり、上記係止部31が形成される形成部30cの、係止部31より乗物前方側に形成されている。すなわち、図6に示すように、係止孔33は軸部32と係止部31のワイヤ22が掛着される位置を結ぶ線Yより乗物前方の位置に形成されている。
本実施形態における付勢手段は、ばね線材をコイリング成形した引張りコイルばね35であり、図6で示すように、回動部材30の係止孔33とサイドフレーム15の突起部15dの係止孔34に係止され、これによって、回動部材30をシートバックフレーム1の前方側へ付勢するものである。また、引張りコイルばね35の両端部には、それぞれ係止するためのフック35aが半円状に成形されている。
本実施形態の回動阻止部39(ストッパ部39a,39b)は、回動部材30が回動したときに、回動を阻止するためのものであり、図8に示すように、軸部32を中心に回動した時に側板15aと摺接するベース部30aの外周側に連続してベース部30aより立ち上がった第2立上り部30dから更に外周方向に延出した延出部が2箇所、所定間隔で(凹部を介して)形成されている。
この延出部がストッパ部39a,39bとなっており、回動部材30の回動の規制を行うものである。ストッパ部39a,39b間の所定間隔は、回動部材30の回動設定範囲の上限と下限位置で回動を規制するために、常時にはストッパ部39aがサイドフレーム15の後縁部15cに当接して、回動部材30の回動を阻止しているが、後面衝突によって回動部材30が回動したときに、ストッパ部39bが後縁部15cに当接して回動が止まるように設定されている。つまり、回動部材30の回動設定範囲の上限と下限位置で回動を規制するために、回動前の初期位置を設定するストッパ部39aと、回動後の停止位置を設定するストッパ部39bとが、所定の間隔をおいて形成されている。
この回動阻止部39(ストッパ部39a,39b)は、付勢手段(引張りコイルばね35)と干渉しない位置に形成される。
上述した回動部材30は、両側のサイドフレーム15に取り付けられており、両側のそれぞれの回動部材30の係止部31に、ワイヤ22の両端部である鈎部22cが掛着されており、各々の回動部材30が個別に作動するように構成されている。また、回動部材30は、ヘッドレストS3と関係せずに、独立して作動するように構成されている。
本実施形態では、回動部材30が、両側のサイドフレーム15に取り付けられているが、これら両側に取り付けられた回動部材30は、互いに独立して回動するように構成されている。このため、荷重が偏って生じた場合において、荷重に合わせて両側のサイド部で回動部材30が、各々独立して回動することになり、衝撃荷重の大きさに応じて、乗員の身体を沈み込ませることができる。
乗員が着座した通常の着座時において、シートバックS1内のクッションパッド1a、受圧部材20、ワイヤ22を介して、回動部材30を後方回動させる張力が生じるが、一方、引張りコイルばね35が回動部材30をシートバックフレーム1の前方側へ回動させるように付勢している。ここで、回動部材30に連結されている引張りコイルばね35は、通常の着座時において生じる荷重領域ではたわまない荷重特性を有しているため、回動部材30は常に初期位置側のストッパ部39aがサイドフレーム15の後縁側15cに当接し、初期位置に制止されている。つまり、回動部材30を回動させる力に抗して初期状態に復帰させる力が、通常の着座時に最も大きくなるように構成している。
後面衝突時の回動部材30について、図3は衝撃低減部材の回動前、図4は衝撃低減部材の回動後を示し、図9において鎖線は後面衝突前、実線は後面衝突後の状態を示しており、図10において図10(a)は後面衝突前、図10(b)は後面衝突後の状態を示している。後面衝突時においては、図9及び図10で示すように、後方から衝撃を受けて慣性で乗員が後方に移動しようとすると、この荷重が受圧部材20(図9及び図10では不図示)と、受圧部材20に係止されたワイヤ22を介して、回動部材30を後方(図9及び図10では右側)に回動させる方向に張力がかかる。このときの張力は、回動部材30を初期位置に留めている引張りコイルばね35を伸長させ、回動部材30を後方に回動させるのに十分な荷重となる。
回動部材30が回動を始める力の閾値は、通常の着座荷重よりも大きな値に設定されている。
ここで、回動部材30が回動を始める力の閾値について、通常着座している状態(ここでは、着座衝撃や乗物の急発進によって生じる小さな衝撃は除いている)でシートバックS1にかかる荷重は150N程度であるので、閾値は150Nより大きい値が好ましい。この値より小さいと、通常の着座時に移動してしまい、安定性に欠けるため、好ましくない。
さらに通常の着座時に生じる着座衝撃や、乗物の急発進等によって生じる加速時の荷重を考慮して、250Nより大きな値に設定することが好ましく、このようにすると、後面衝突以外では回動部材30が作動せず、安定した状態を維持することができる。
前記のように、回動部材30を後方に回動させることで、係止部31に掛着されているワイヤ22が後方に移動し、それと共にワイヤ22に係止されている受圧部材20と、受圧部材20に支持されているクッションパッド1aが後方に移動し、乗員をシートバックS1内に沈み込ませることができる。
以下に、後面衝突時の回動部材30の回動特性について、図9及び図10を参照してさらに詳しく説明する。
回動部材30の回動前の初期位置においては、ワイヤ22を係止する係止部31と引張りコイルばね35の上端部を係止する係止孔33は、地面と垂直な線と軸部32とを結ぶ線Xと略同じ位置から乗物の前方側に位置するように配置されており、引張りコイルばね35の下端部は回動部材30の下方に位置するサイドフレーム15の突起部15dに形成された係止孔34に係止されている。因みに、本実施形態では、軸部32と係止部31のワイヤ22が掛着される位置を結ぶ線Yと、地面と垂直な線と軸部32とを結ぶ線Xが同じ位置となっており、係止孔33は乗物の前方側に位置している。
つまり、初期状態において、引張りコイルばね35は若干伸びており、これにより回動部材30は、図10(a)で示す矢印の回動方向に付勢されており、この回動部材30と連結された連結部材(ワイヤ22)が前方側に付勢されている。このとき、回動阻止部39のストッパ部39aが、サイドフレーム15の後縁部15cと当接して、回動部材30が回動するのを阻止している。
後面衝突により、ワイヤ22に所定以上の張力が生じ、引張りコイルばね35に抗して回動部材30が回動を始めると、引張りコイルばね35が伸びて、図9の鎖線で示すように、回動部材30に設けた係止孔33は、軸部32の回動中心Oを中心に回動しつつ後方へ移動することになる。このとき、ワイヤ22の係止部(連結部)31は、地面と垂直な線と軸部32とを結ぶ線Xと略同じ位置にあるので、図10(b)で示すように、回動部材30が回動するときには、線Xより後方位置側へ動くことになる。つまり、ワイヤ22の係止部(連結部)31は、下方方向に移動する。そして、図9の鎖線で示すように、回動部材30は、回動阻止部39のストッパ部39bが、サイドフレーム15の後縁部15cと当接して、回動部材30の回動を阻止するまで回動する。このときに、移動量は距離Z(図9)で示すように下方位置に移動することになる。これにより、図3で示す状態から図4で示す状態に、受圧部材20はシートフレーム1の後方へ大きく移動して、沈み込み量が大きくなる。このように構成すると、乗員が沈み込み方向に移動しやすく、衝撃が大きい場合にも乗員の浮き上がりを抑制することが可能となる。
本実施形態では、回動部材30がストッパ39bで制止される位置の後方回動量が、引張りコイルばね35の最大荷重点の直前になるように設定されている。
このため、回動部材30が回動を始める時の、ワイヤ22を介して生じる張力に対して、ストッパ39bに当接して回動が抑止されるとき(回動が終了するとき)に生じる張力は、略同じ値となっている。
以上のように、回動部材30が回動を始めるときの張力の閾値は、通常の着座荷重では回動しない高い値に設定されている。一方、後面衝突時にワイヤ22を介して回動部材30に掛かる張力は衝撃エネルギーであるため、閾値に比して大きな値を有している。
図11及び図12は、他の実施形態を示すもので、図11は後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図、図12は後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の状態を示す説明図である。本実施形態において、前記実施形態と同様部材、同様配置等には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、軸部32と係止部31のワイヤ22が掛着される位置が、地面と垂直な線と軸部32とを結ぶ線Xより、乗物の前方側に位置している例を示すものである。他の構成は、前記実施形態と同様である。
本実施形態によれば、後面衝突により、ワイヤ22に所定以上の張力が生じ、引張りコイルばね35に抗して回動部材30が回動を始めると、引張りコイルばね35が伸びて、図9の鎖線で示すように、回動部材30に設けた係止孔33は、軸部32の回動中心Oを中心に回動しつつ後方へ移動することになる。このとき、地面と垂直な線と軸部32とを結ぶ線Xより、乗物の前方側に位置しているので、回動部材30が回動するときには、線Xまでは、上方向へ円弧を描くように回動し、線Xを越えて後方へ回動するときには、図10(b)で示すように、線Xより後方位置側へ動くことになる。つまり、ワイヤ22の係止部(連結部)31は、上方方向に移動し、線Xのところで水平になり、線Xを越えると下方方向に移動する。そして、図9の鎖線で示すように、回動部材30は、回動阻止部39のストッパ部39bが、サイドフレーム15の後縁部15cと当接して、回動部材30の回動を阻止するまで回動する。
このように構成すると、乗員の動きに合わせて乗員が後方に移動しやすく、衝撃が大きい場合にも乗員の浮き上がりを抑制することが可能となる。
図13は、さらに他の実施形態を示す衝撃低減部材と付勢手段と連結部材の関係を示す拡大説明図である。
本実施形態では、図13で示すように、回動部材30のベース部30aを変形させたものであり、連結部材であるワイヤ22と対向する位置に切り欠き部30fが形成されているものである。より具体的には、回動阻止部39のストッパ部39aとストッパ部39bとの間を大きく切り欠いて、ワイヤ22と干渉しないように構成している。このようにワイヤ22と回動部材30との干渉を防止できるので、ワイヤ22と回動部材を近接して配置することが可能となり、コンパクト化に寄与することができる。
また本実施形態では、回動部材30のベース部30aが、引張りコイルばね35のコイル部が配設される対向部側に相当する部分で、図6で示す実施形態に比して、幅が狭くなるように、切り欠き部30gを形成している。この切り欠き部39gは、乗物の上方側で引張りコイルばね35と回動部材30との間隙が確保できるように形成されている。このように構成すると、切り欠き部30gによって、引張りコイルばね35との干渉を防止することが可能となる。このように、干渉を防止できるので、引張りコイルばね35と回動部材30とを近接して配置することが可能となり、コンパクト化に寄与することができる。
回動部材30は、ワイヤ22を介して生じる張力に対し、上述したような回動特性を有しているために、後面衝突が生じた場合は確実に、且つ効率よく乗員をシートバックS1のクッションパッド1aに沈み込ませることができる。
このとき、乗員の背部がシートバックS1に沈み込むことで後方に移動しているが、ヘッドレストS3の位置は相対的に変わらないため、ヘッドレストS3と頭部の隙間が縮まり、ヘッドレストS3で頭部を支持することができるため、頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減する効果を奏する。
前記各実施形態では、衝撃低減部材をサイドフレームの両側に設けた例を示しているが、一方側のサイドフレームのみに設ける構成としてもよい。この場合には、衝撃低減部材が設けられていない側のサイドフレームには、連結部材(ワイヤ)を直接係止するように構成することができる。
図14は、さらに他の実施形態を示す図2と同様な概略斜視図である。
本実施形態では、図14で示すように、サイドフレーム15の下側端部が連結される下部フレーム17の両端部を上方に延出させた上方延出部17cを設け、この上方延出部17cに回動部材30の回動軸である軸部32を取り付けている。このとき、下部フレーム17の上方延出部17cのみに軸部32を取り付けることもできるが、サイドフレーム15と下部フレーム17の上方延出部17cが重合した部分に軸部32を取り付けると、軸部32の取り付け剛性が大幅に向上する。
さらに、図14で示すように、パイプ状の上部フレーム16の側面部16aと回動部材30との間に、電装部品(エアバッグ、モーターなど)用のハーネス挿入孔としての穴40が形成されている。このように、回動部材30の上方のスペースを有効活用してハーネス挿入孔を形成しても良い。
また、本発明によれば、乗員がシートバックに沈み込む際に、ヘッドレストの前方への移動と連動しないため、後面衝突時の乗員の後方への移動エネルギーのロスが少なく、乗員をより深くシートクッションへ沈み込ませることができる。
なお、前記各実施形態では、具体例として、自動車のフロントシートのシートバックS1について説明したが、これに限らず、後部座席のシートバックについても、同様の構成を適用可能であることは勿論である。
S 乗物用シート
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
1a,2a,3a クッションパッド(パッド材)
1b,2b,3b 表皮材
11 リクライニング機構
15 サイドフレーム
15a 側板
15b 前縁部
15c 後縁部
15d 突起部
15e 切り欠き部
16 上部フレーム
16a 側面部
17 下部フレーム
17a 延長部
17b 中間部
17c 上方延出部
18 ピラー支持部
19 ヘッドレストピラー
20 受圧部材
21,22 ワイヤ(連結部材)
21a,22a 凹凸部
22c 鈎部
24 爪部
30 回動部材(衝撃低減部材)
30a ベース部
30b 第1立上り部
30c 形成部
30d 第2立上り部
30f,30g 切り欠き部
31 係止部
32 軸部
32a 軸部材
32b 軸孔
32c 孔部
32d 嵌め合わせ部材
33,34 係止孔
35 引張りコイルばね(付勢手段)
35a フック
37 取付けフック
39 回動阻止部
39a,39b ストッパ部
40 穴

Claims (6)

  1. 両側に位置するサイド部と、上方に配設されたアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、
    該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、
    前記シートバックフレームの内側で連結部材を介して連結されると共に、前記ヘッドレストと独立して可動する受圧部材と、
    前記シートバックフレームの両側のサイド部の少なくとも一方側に配設され、前記連結部材と連結される連結部を有すると共に、前記ヘッドレストと独立して回動軸を中心に回動する衝撃低減部材と、
    該衝撃低減部材に形成された取付部と前記シートバックフレームに形成された取付部に配設された付勢部材と、を備え、
    前記衝撃低減部材に形成された連結部と、前記衝撃低減部材に形成された取付部のうち少なくとも一方より、前記衝撃低減部材の回動軸が、下方位置に形成されて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動し、
    前記衝撃低減部材と前記連結部材との前記連結部を下方に移動させて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動することを特徴とする乗物用シート。
  2. 両側に位置するサイド部と、上方に配設されたアッパー部とを少なくとも備えたシートバックフレームと、
    該シートバックフレームの上方に配設されるヘッドレストと、
    前記シートバックフレームの内側で連結部材を介して連結されると共に、前記ヘッドレストと独立して可動する受圧部材と、
    前記シートバックフレームの両側のサイド部の少なくとも一方側に配設され、前記連結部材と連結される連結部を有すると共に、前記ヘッドレストと独立して回動軸を中心に回動する衝撃低減部材と、
    該衝撃低減部材に形成された取付部と前記シートバックフレームに形成された取付部に配設された付勢部材と、を備え、
    前記衝撃低減部材に形成された連結部と、前記衝撃低減部材に形成された取付部のうち少なくとも一方より、前記衝撃低減部材の回動軸が、下方位置に形成されて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動し、
    前記衝撃低減部材と前記連結部材との前記連結部を上方向に移動後、下方に移動させて、前記受圧部材の全体が、通常の着座荷重よりも大きな所定の衝撃荷重により乗物後方へ移動することを特徴とする乗物用シート。
  3. 前記両側のサイド部の少なくとも一方には、ハーネス挿入孔を備え、前記シートバックフレームに形成された取付部は、前記ハーネス挿入孔より上方側で、前記ハーネス挿入孔と前記回動軸の間に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記両側のサイド部の少なくとも一方には、ハーネス挿入孔を備え、前記衝撃低減部材の下端部は、前記衝撃低減部材の作動前から作動後にわたって前記ハーネス挿入孔より上方側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  5. 前記衝撃低減部材には、前記付勢部材と対向する位置に切り欠き部が形成され、前記付勢部材の後端が前記切り欠き部より前方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  6. 前記衝撃低減部材には、前記連結部材と対向する位置に切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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