JP5626871B2 - ヒドロピラン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物担体に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒を用いた気相プロセスによるテトラヒドロフルフリルアルコール(以下、THFAと記載する)の転位/脱水反応によって、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(以下、DHPと記載する)を製造する方法に関する。DHPは、医薬品中間体の製造におけるアルコールの保護試薬などに利用され、工業的に有用である。
固体触媒を用いた気相法によるTHFAの転位/脱水反応によるDHPの合成は、比較的簡便な装置で効率よく実施することが可能であるため、工業的に好ましい製造方法であり、いくつかの方法が公知である。
特許文献1には、管束反応器中で、酸化物系触媒を用いて、THFAからDHPを製造する方法が、開示されている。当該製造方法では、窒素ガスが、キャリアガスとして用いられている。しかしながら、特許文献1に記載の方法には、触媒の単位体積当たりの生産速度が低く反応器が大型化してしまうという問題点がある。例えば、実施例1〜3で開示されている触媒の単位体積当たりの生産速度は、0.07〜0.09 kg_DHP/L_触媒/hである。
特許文献2には、流動床反応器中で、酸化物系触媒を用いて、THFAからDHPを製造する方法が、開示されている。当該製造方法では、窒素ガスが、キャリアガスとして用いられている。しかしながら、流動床反応器による製造は、固定床反応に比べ運転操作が困難であり、また、プロセス流体の循環に伴うエネルギー消費が大きいという問題点がある。加えて、触媒粒子による設備の磨耗などが起こるため、設備メンテナンスの負担も大きい。
特許文献3には、アルミナに酸化バナジウム又は酸化モリブデンが担持された触媒を用いて、THFAからDHPを製造する方法が、開示されている。当該製造方法では、窒素ガスが、キャリアガスとして用いられている。しかしながら、酸化バナジウムが担持された触媒を用いる製造方法は、DHPの収率が56%と低く効率的でない(実施例1)。一方、酸化モリブデンを用いる製造方法では、DHPの収率は76%まで向上しているが(実施例8)、触媒の単位体積当たりの生産速度は、0.75kg_DHP/L_触媒/hであって、更なる改善の余地がある。
特許文献4には、アルミナに酸化チタンが担持された触媒を用いて、THFAからDHPを製造する方法が、開示されている。当該製造方法では、窒素ガスが、キャリアガスとして用いられている。しかしながら、当該方法も、触媒の単位体積当たりの生産速度が低いという問題を有している。実施例には供給したTHFAに対するDHPの収率は明記されていないが、触媒の単位体積当たりのTHFA供給速度は、高々0.11kg_THFA/L_触媒/hである。
非特許文献1には、クロムで修飾したゼオライト(CrZSM−5)を用いて、THFAからDHPを合成する方法が、開示されている。しかしながら収率が38%と低く、満足できる水準にない。
非特許文献2には、アルミナを触媒として用いて、THFAからDHPを製造する方法が、開示されている。当該方法では、触媒充填層の温度を検知しながらDHPを気相接触させるなど触媒の煩雑な前処理を必要とする。煩雑な前処理を行わなければ、350℃での反応操作において触媒層温度が525℃まで急上昇するなどの現象が認められ、早期に触媒が失活すると記載されている。
特表2004−505962号公報 欧州特許0691337号(EP0691337 B1) 英国特許1017313号(GB−A−1017313) 英国特許858626号(GB858626)
J.Org.Chem.,59(1994),3998−4000. J.Am.Chem.Soc.,68(1946),1646−1648.
本発明は、前記のような従来技術の状況に鑑み、固体触媒を用いた気相法によるTHFAからのDHPの製造において、触媒の単位体積当たりの生産速度を高め、反応設備を小型化した効率的な製造方法を提供することを課題とする。更に、簡便で工業的に運転操作が容易な製造方法を提供することも課題とする。
本願の発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、固体酸化物触媒に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒の存在下でTHFAから3,4−ジヒドロ−2H−ピランを製造する工程において、THFA及び水素ガスを気相で供給することにより、上記の課題が解決されることを見いだして、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の通りである。
1.固体酸化物担体に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒の存在下、THFA及び水素ガスを、気相にて供給することを特徴とする、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
2.気相にて供給するTHFAと水素ガスの体積比率が、70〜10:30〜90であることを特徴とする、前記1記載の製造方法。
3.気相にて供給するTHFAと水素ガスの体積比率が、70〜20:30〜80であることを特徴とする、前記1記載の製造方法。
4.触媒重量に対して、酸化銅(II)が5〜20wt%担持された触媒を用いることを特徴とする、前記1〜3記載の製造方法。
5.触媒重量に対して、ロジウムが0.1〜1.0wt%担持された触媒を用いることを特徴とする、前記1〜3記載の製造方法。
6.固体酸化物担体が、アルミナであることを特徴とする、前記1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明の方法により、固体触媒を用いた気相法によるTHFAからのDHPの製造において、供給ガス中のTHFA濃度や触媒の単位体積当たりの生産速度及び収率を高めることができ、また、簡便で工業的に運転操作が容易な製造方法を提供することができる。この結果、回収設備や反応設備を小型化でき、DHPを効率的かつ工業的に簡便に製造することが可能となる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法によるDHPの製造は、固体酸化物担体に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒を充填した反応器に、THFA及び水素ガスを気相にて供給して反応させることにより実施される。
本発明の方法において、原料として使用されるTHFAは、特に制限はないが、例えば、トウモロコシの穂軸から得られるフルフラールの水素化により製造されたTHFAを用いることができる。
本発明の方法では、固体酸化物担体に金属成分が担持された触媒を用いる。固体酸化物担体とは、アルミニウム、チタン、若しくはクロムの酸化物、シリカ、又はこれらの混合物であり、好ましくは、アルミナである。
本発明の方法に用いる触媒に用いる金属成分は、酸化銅(II)又はロジウムである。
本発明の方法に用いる固体酸化物担体に酸化銅(II)が担持された触媒は、触媒重量を基準とした重量百分率で、好ましくは1〜30wt%、更に好ましくは5〜20wt%の酸化銅(II)を含有する。
本発明の方法に用いる固体酸化物担体にロジウムが担持された触媒は、触媒重量を基準とした重量百分率で、好ましくは0.1〜5.0wt%、更に好ましくは0.1〜1.0wt%のロジウムを含有する。
本発明の方法に用いる触媒は、任意の方法で調製することができる。担体に金属を担持させる方法は、特に制限はなく、通常の含浸法等を適宜選択することができる。好ましい含浸法は、Incipient Wetness法である。通常、担持させる金属を塩もしくは錯体として、水、エタノールもしくはアセトンなどの溶媒に溶解させ、担体に含浸させる。担持させる金属塩もしくは金属錯体としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩等が好適に用いられ、具体的には、硝酸銅、塩化ロジウム、硝酸ロジウムのような化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明の方法を実施するには、上記の触媒をあらかじめ反応器に充填する。反応器としては、公知の気相反応用反応器を適宜選択することができる。そして、水素ガス雰囲気下で反応器の温度を調節し、系内の温度が安定したら、THFAおよび水素ガスを共に気相にて適切な流量に調整して供給する。反応器を通過した混合ガスを回収し、DHPを得る。
本発明の方法における、反応器に気相供給されるガス中の水素ガスの濃度をx[vol%]とすると、水素ガス濃度は、通常、30≦x≦90であり、好ましくは30≦x≦80である。
すなわち、気相にて供給するTHFAと水素ガスの体積比率は、通常70〜10:30〜90、好ましくは70〜20:30〜80である。
本発明の方法における、触媒の単位体積当たりのTHFA供給速度をr[kg_THFA/L_触媒/h]とすると、THFA供給速度は、通常、1≦r≦5.0であり、好ましくは1.3≦r≦4.0、更に好ましくは1.3≦r≦3.0である。
本発明の方法を実施する温度は、通常250〜400℃であり、好ましくは250〜350℃である。
本発明の方法を実施する圧力に特に制限は無く、気相反応を実施できる限りにおいて様々な圧力で行うことができる。常圧での実施が装置製作や操作の上で簡便である。
本発明の方法により、反応器にTHFAおよび水素ガスを気相で供給して反応させることにより、3,4−ジヒドロ−2H−ピランガスが生成する。生成した3,4−ジヒドロ−2H−ピランガスを含む混合ガスからは、3,4−ジヒドロ−2H−ピランを任意の方法で回収することができるが、例えば、氷冷トラップにより回収することができる。
以下に本発明を実施例によって説明する。
<実施例1>
[触媒調製]
市販品のアルミナ3.0gをるつぼに取り分けた。ビーカーに硝酸銅三水和物を1.58g量り取り、蒸留水10mlで溶解して硝酸銅水溶液を調製した。アルミナを加えたるつぼを白熱ランプ照射下に置き、加熱して乾燥させながら硝酸銅水溶液を滴下することでアルミナにCuOを担持させた(Incipent wetness法)。すべての硝酸銅水溶液の滴下が完了したら、110℃で一晩乾燥後、500℃で3時間焼成した。焼成の際は100℃/minで昇温した。焼成後の銅が、すべてCuOの状態で存在すると仮定すると、触媒の全質量に対しCuOの質量は、15wt%に相当する。
[DHP合成]
内径1.7cm、全長50.5cmの石英製反応管に前記触媒を0.5g充填した。触媒充填層の高さは、0.5cmであり、容積は、1.1mLであった。熱電対保護管を触媒に接触するように挿入した後、反応管に電気炉を取り付けた。電気炉の、反応管に沿った方向における、有効加熱部分の長さは26cmであり、触媒充填層の上端は、この有効加熱部分の上端から下向きに9cmのところに位置していた。水素ガスを20mL/minの流量で反応管内に流通させ、1時間保持して反応管内の雰囲気を置換した。次に、水素ガスを流通させたまま、前記の熱電対保護管に熱電対を挿入し、この熱電対による制御温度を500℃に設定して反応系を加熱した。500℃にて1時間保持することにより触媒の前処理を行った後、設定温度を300℃に変更した。
この温度で系内が安定したところで、水素ガスの流量を20mL/minに調整するとともにTHFAを室温での液流量1.5mL/hで反応管上部に供給し、ガス状のTHFA及び水素ガスとを混合した後、触媒と接触させ反応を実施した。この条件における供給ガス中のTHFA及び水素ガスの濃度は、それぞれ22及び78vol%であった。また、触媒充填層の単位体積当たりのTHFA供給速度は、1.4kg_THFA/L_触媒/hであった。
触媒充填層を通過した混合ガスは、氷冷トラップにより回収した。このトラップを1時間毎に交換して、回収液のGC分析を行った。反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、99.0%であり、DHP選択率は、72.5%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.0kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてテトラヒドロピラン(以下、THP)とδ−バレロラクトン(DVL)が、それぞれ選択率2.0及び0.3%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、96.2%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ77.1、0.7、0.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.1kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<比較例1>
実施例1で調製した触媒を使用し、水素ガスの代わりに窒素をキャリアガスとして20mL/分の流量で反応管内に流通させたほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、90.5%であり、DHP選択率は、56.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.7kg_DHP/L_触媒/hであった。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率0.1及び0.5%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、73.0%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、47.4、0.1、0.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.5kg_DHP/L_触媒/hと急速に低下した。
<実施例2>
実施例1で調製した触媒を使用し、DHP合成の段階において、反応管内に流通させる水素ガスの流量を10mL/分に変更したほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。この条件における供給ガス中のTHFA及び水素ガスの濃度は、それぞれ37及び63vol%であった。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、97.0%であり、DHP選択率は、72.6%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.0kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率2.2及び0.5%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、79.8%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ77.4、0.3、0.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.9kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<実施例3>
実施例1で調製した触媒を使用し、DHP合成の段階において、反応管内に流通させる水素ガスの流量を5mL/分に変更したほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。この条件における供給ガス中のTHFA及び水素ガスの濃度は、それぞれ54及び46vol%であった。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、97.8%であり、DHP選択率は、79.4%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.1kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率2.8及び0.5%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、91.9%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ93.1、0.8、0.4%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.2kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<実施例4>
[触媒調製]
市販品のアルミナ及び硝酸銅三水和物の使用量をそれぞれ1.6、1.21gとした他は、実施例1と同様の方法により触媒を調製した。焼成後の銅が、すべてCuOの状態で存在すると仮定すると、触媒の全質量に対しCuOの質量は、20wt%に相当する。
[DHP合成]
本例で調製した触媒を使用し、DHP合成の段階において、供給するTHFAの室温での液流量を2.1mL/hに変更したほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。この条件における供給ガス中のTHFA及び水素ガスの濃度は、それぞれ29及び71vol%であった。また、触媒充填層の単位体積当たりのTHFA供給速度は、2.0kg_THFA/L_触媒/hであった。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、97.8%であり、DHP選択率は、87.7%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.7kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率2.1及び0.5%で検出された。次に、4時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、84.4%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ93.4、0.4、0.2%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.6kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<実施例5>
実施例4で調製した触媒を使用し、DHP合成における反応温度を275℃に変更したほかは、実施例4と同様の操作で反応を実施した。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、79.5%であり、DHP選択率は、66.4%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.1kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率2.3及び0.6%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、70.5%であり、DHP、THP、DVLの選択率はそれぞれ66.4、0.7、0.4%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.9kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<実施例6>
[触媒調製]
市販品のアルミナ及び硝酸銅三水和物の使用量をそれぞれ1.9、0.30gとした他は、実施例1と同様の方法により触媒を調製した。焼成後の銅が、すべてCuOの状態で存在すると仮定し、触媒の全質量に対しCuOの質量は、5wt%に相当する。
[DHP合成]
本例で調製した触媒を使用し、DHP合成における反応温度を325℃に変更したほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、99.8%であり、DHP選択率は、52.9%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.8kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率1.1及び0.2%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、93.5%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ76.5、0.3、0.2%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、1.0kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<実施例7>
[触媒調製]
市販されている、日本エンゲルハルド(現エヌ・イー ケムキャット株式会社)製の、アルミナにRhを0.5wt%担持させた触媒を使用した。
[DHP合成]
市販の、アルミナにRhを0.5wt%担持させた触媒を使用し、石英製反応管への触媒充填量を1.0gに変更したほかは実施例1と同様の操作で触媒の前処理及びDHP合成を行った。触媒充填層の容積は、1.2mLであった。また、触媒充填層の単位体積当たりのTHFA供給速度は、1.3kg_THFA/L_触媒/hであった。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、93.3%であり、DHP選択率は、56.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.7kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率3.6及び0.2%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、84.5%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ64.7、0.8、0.1%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.7kg_DHP/L_触媒/hであって、一定であった。
<比較例2>
実施例7と同じ触媒を使用し、水素ガスの代わりに窒素をキャリアガスとして20mL/分の流量で反応管内に流通させたほかは、実施例7と同様の操作で反応を実施した。反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率83.0%であり、DHP選択率は、62.4%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.7kg_DHP/L_触媒/hであった。回収液には副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率3.0及び0.4%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、42.6%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、48.9、0.0、0.3%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.3kg_DHP/L_触媒/hと急速に低下した。
<実施例8>
実施例7で調製した触媒を使用し、DHP合成の段階において、反応管内に流通させる水素ガスの流量を10mL/分に変更したほかは、実施例7と同様の操作で反応を実施した。この条件における供給ガス中のTHFA及び水素ガスの濃度は、それぞれ37及び63vol%であった。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、93.7%であり、DHP選択率は、43.7%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.5kg_DHP/L_触媒/hに達した。回収液には、副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率4.4及び0.0%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、76.1%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ55.6、0.5、0.0%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.6kg_DHP/L_触媒/hであって、ほぼ一定であった。
<比較例3>
[触媒調製]
実施例1と同様の方法によりアルミナにNiOを15wt%担持させた触媒を調製した。硝酸銅三水和物の代わりに硝酸ニッケル六水和物を使用し、アルミナと硝酸ニッケル六水和物をそれぞれ、1.42、2.07g使用したほかは、実施例1と同様の方法によって触媒を調製した。焼成後のニッケルが、すべてNiOの状態で存在すると仮定すると、触媒の全質量に対しNiOの質量は、15wt%に相当する。
[DHP合成]
前記で調製した、アルミナにNiOを15wt%担持させた触媒を用いたほかは実施例1と同様の操作で触媒の前処理及びDHP合成を行った。
反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、98.0%であったが、DHPの選択率は19.6%と低く、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.3kg_DHP/L_触媒/hであった。回収液には副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率8.8及び0.2%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、93.0%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ48.4、4.5、0.2%であり、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.5kg_DHP/L_触媒/hであった。
<比較例4>
[触媒調製]
実施例1と同様の方法によりアルミナにCoを15wt%担持させた触媒を調製した。硝酸銅三水和物の代わりに硝酸コバルト六水和物を使用し、アルミナと硝酸コバルト六水和物をそれぞれ、0.70、1.10g使用したほかは、実施例1と同様の方法によって触媒を調製した。焼成後のコバルトが、すべてCoの状態で存在すると仮定すると、触媒の全質量に対しCoの質量は、15wt%に相当する。
[DHP合成]
前記で調製した、アルミナにCoを15wt%担持させた触媒を用いたほかは実施例1と同様の操作で触媒の前処理及びDHP合成を行った。反応を開始してから1時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は91.1%であったが、DHPの選択率は34.4%と低く、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.5kg_DHP/L_触媒/hであった。回収液には副生物としてTHPとDVLが、それぞれ選択率2.8及び1.0%で検出された。次に、5時間目の回収液を分析したところ、THFA転化率は、75.7%であり、DHP、THP、DVLの選択率は、それぞれ39.0、1.4、0.9%であった。触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度は、0.4kg_DHP/L_触媒/hであった。
実施例1〜8、比較例1〜4の反応条件を表1にまとめた。なお、表1において触媒当りTHFA供給負荷とは、触媒充填層の単位体積当たりに供給されるTHFAの供給速度のことであり、単位は[kg_THFA/L_触媒/h]である。また、触媒当りDHP生産速度とは、触媒充填層の単位体積当たりのDHP生産速度であり、単位は[kg_DHP/L_触媒/h]である。THFA転化率は、(供給THFAモル量−未反応THFAモル量)/供給THFAモル量×100[%]で求め、DHP選択率は、生成DHPモル量/(供給THFAモル量−未反応THFAモル量)×100[%]で算出した。
Figure 0005626871
表1より、固体酸化物系触媒を使用した気相反応によるTHFAからのDHP合成において、水素ガスを使用することによって、DHPが、高転化率/高選択率で得られ、そして触媒の失活を抑制できることがわかる。

Claims (6)

  1. 固体酸化物担体に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒の存在下、テトラヒドロフルフリルアルコール及び水素ガスを、気相にて供給することを特徴とする、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  2. 気相にて供給するテトラヒドロフルフリルアルコールと水素ガスの体積比率が、70〜10:30〜90であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 気相にて供給するテトラヒドロフルフリルアルコールと水素ガスの体積比率が、70〜20:30〜80であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  4. 触媒重量に対して、酸化銅(II)が5〜20wt%担持された触媒を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 触媒重量に対して、ロジウムが0.1〜1.0wt%担持された触媒を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 固体酸化物担体が、アルミナであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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