JP5626068B2 - レンズバリア装置 - Google Patents
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Description
しかし、このようなモータ駆動による自動開閉機構を採用しようとすると、それに伴って生じる課題が少なくとも二点ある。
例えば、モータでバリア羽根を駆動している際に、ユーザが誤ってバリア羽根を指で押さえてしまったり、閉動作中にバリア羽根の間に異物が挟まってしまうことがありうる。
このような場合に、バリア羽根にモータ動力が継続して作用すると、バリア羽根か、モータか、あるいは、モータからバリア羽根に動力を伝達する動力伝達列、に故障が生じてしまう恐れがある。そこで、モータ動力が所定値を超えてバリア羽根に掛からないようにリミッタ機構を設ける必要がある。リミッタ機構としては、例えば、動力伝達列の途中にバネ等の弾性部材をかませることが一例として挙げられる。これにより、バリア羽根の開閉動作を妨げるものがあっても、部品の損傷を回避することができる。
撮像機能自体に異常が無いにも関わらず、バリア羽根の自動開閉機構が故障したために時間と費用をかけてその部分だけを修理しなければならないとすると、ユーザフレンドリーとは言えない。
そこで、バリア羽根の自動開閉機構が故障したとしても、カメラの撮像機能自体に故障が無ければ、手動操作でバリア羽根を開閉してカメラとしての継続した使用ができることが好ましい。したがって、バリア羽根の自動開閉機構が故障した場合であっても手動操作を受け付け、かつ、開き位置と閉じ位置とでそれぞれ位置を保持できるようにする位置保持機構が必要である。
図16を参照して、このレンズバリア装置10の要部を説明する。
レンズバリア12は、図示しないレンズバリア支持枠13の支持軸13dによって回転可能に軸支されている。
レンズバリア12には、トグルレバー係合用ボス部12eが突設されている。
リング14の外周部位には、凹状切欠部14dが形成されており、この凹状切欠部14d内に前記トグルレバー係合用ボス部12eが遊嵌している。
リング駆動用欠歯歯車25に回転力を与える図示しないモータからの動力はバネ26を介してリング14に伝達される。
リング14がモータ動力によって回動すると、凹状切欠部14dの内側端面が前記トグルレバー係合用ボス部12eを押し上げまたは押し下げる。
これにより、レンズバリア12が自動開閉動作を行う。また、バネ26が介装されているので、リミッタ機構が働く。
指でレンズバリア12を開閉した場合でも、トグルレバー係合用ボス部12eが三角状カム部15dの山を越えると、トグルレバー係合用ボス部12eにトグルレバー15からの付勢力が掛かる。
これにより、レンズバリア12は、開き位置と閉じ位置とでそれぞれ位置を保持できる。
よって、このバネ26がリミッタ機構となり、レンズバリア12の開閉動作を妨げるものがあっても部品の損傷が回避される。
しかしながら、動力伝達列にバネ26が介装されていると、モータ動力の一部がバネ26で吸収されてしまう。
したがって、モータ動力でリング14を回動させるにあたっては、このバネ26の弾性によって吸収される力の分を考慮してモータトルクをかなり大きくする必要があるなど、改善の余地がある。
これにより位置保持機構が実現され、モータが故障したとしても、レンズバリア12は、開き位置と閉じ位置とでそれぞれ位置が保持される。
しかしながら、通常動作としてレンズバリア12が開閉する際にも、トグルレバー係合用ボス部12eは三角状カム部15dに沿って摺動することになる。すると、通常動作であっても、トグルレバー係合用ボス部12eが三角状カム部15dの山を乗り越える動作が発生することになる。したがって、レンズバリア12を開閉するには、トグルレバー15に係合したバネ16の付勢力に抗してレンズバリア12を回動させなければならない。このためのモータトルクもかなり大きなものが必要になってくる。すなわち、モータトルクとしては、先に説明したリミッタ機構としてのバネ26に加え、さらに、この位置保持機構としてのバネ16に抗するトルクが必要になってくる。
整理すると、力関係としては、モータトルク>バネ26>バネ16となる。
このように、通常動作を行うにあたってもモータ動力はかなり大きなものが要求される。すると、部品の大型化、消費電力の増大などに対する改善の余地があり、リミッタ機構と位置保持機構とを両立させようとすると、製品の小型化が難しかった。
撮影レンズを保護するレンズバリア装置であって、
光軸に沿って光を前記撮影レンズに向けて通過させる光通過部を有するとともに、光軸を回転中心として回転が可能に設けられた駆動リングと、
前記光軸に垂直な面内で揺動するように前記駆動リングに軸支されたトグルレバーと、
回動動作によって前記光通過部に対して進退する羽根部を先端側に有し、この羽根部を光軸に垂直な面内で回動させるように前記羽根部の付け根において軸支されたバリア羽根と、
前記トグルレバーおよび前記バリア羽根のいずれか一方に設けられた操作ピンと、
前記トグルレバーおよび前記バリア羽根のいずれか他方に設けられ、前記操作ピンを内側に受け入れる凹み部を有するカム部と、
前記操作ピンが前記カム部の凹み部内に入る方向に前記トグルレバーを付勢する付勢手段と、を備え、
前記カム部の凹み部は前記操作ピンと当接する第1の内面と第2の内面を有し、
前記カム部の前記凹み部に前記操作ピンが受け入れられた状態で前記トグルレバーが前記駆動リングとともに回転すると、前記操作ピンと前記凹み部の前記第1または第2の内面との係合によって前記駆動リングの回転力が前記バリア羽根に伝達されて回転力が作用し、
前記カム部の前記凹み部は、前記操作ピンが前記付勢手段の付勢力に抗して前記凹み部の前記第1の内面を摺動した場合であっても前記第2の内面を摺動した場合であっても前記操作ピンが前記凹み部の外部に脱出するような形成を有している
ことを特徴とする。
前記カム部の前記凹み部の形状は、V字形状である
ことが好ましい。
前記カム部は、前記凹み部の外部に第1の外面と第2の外面を有し、
前記操作ピンが前記付勢手段の付勢力に抗して前記凹み部から脱出した場合、
前記第1または第2の外面と前記操作ピンとが前記付勢手段の付勢力で係合し、前記第1の外面は前記操作ピンを前記バリア羽根が開く方向へ付勢し、前記第2の外面は前記操作ピンを前記バリア羽根が閉じる方向へ付勢することで、前記バリア羽根が開きまたは閉じ位置でその位置が保持される
ことが好ましい。
前記操作ピンは、前記バリア羽根に突設され、
前記カム部の前記凹み部は、前記トグルレバーに設けられている
ことが好ましい。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について説明する。
図1は、レンズバリア装置100を取り付けたビデオカメラ30を示す図である。
図1(A)は、バリア羽根130、160が閉じている状態を示す図である。
図1(B)は、バリア羽根130、160が開いている状態を示す図である。
図1(C)は、ビデオカメラ30の側面図である。
レンズバリア装置100は、撮影レンズ3を保護するために、カメラ筺体20の前面側に取り付けられている。レンズバリア装置100は、前面カバー110の裏面側に、開閉可能に設けられた四枚のバリア羽根130、130、160、160を備える。前面カバー110には、略矩形状の光通過孔Hが設けられており、バリア羽根130、130、160、160でこの光通過孔Hが開閉される。バリア羽根は、上下一対のメインバリア羽根130、130と、上下一対のサブバリア羽根160、160と、で構成されている。メインバリア羽根130、130が開閉動作を行うと、サブバリア羽根160、160はメインバリア羽根130、130に従動するようになっている。バリア羽根130、130、160、160は、上下で向きを変えて同じ部品を組み合わせるようになっている。
図2は、レンズバリア装置100の分解斜視図である。
図3は、駆動リング210を後方から見た背面図である。
図4は、バリア羽根130、130、160、160が閉じている状態を示す図である。
図5は、図4の部分拡大図である。
なお、バリア羽根130、130、160、160は、上下で向きを変えて同じ部品を組み合わせるようになっている。
上下で同じ構造であるので、上側のメインバリア羽根130と下側のメインバリア羽根130とには同じ符号を付し、上側のサブバリア羽根160と下側のサブバリア羽根160とには同じ符号を付すが、詳細な構造については適宜、対応する要素の上下左右を反転させて理解されたい。
ここでは、主として、光通過孔Hの下側を開閉するメインバリア羽根130およびサブバリア羽根160について説明する。
メインバリア羽根130は、光通過部の一部を塞ぐ所定面積を持った主羽根部140と、主羽根部140の付け根に構成された主操作部150と、を有する。
光通過孔Hの下側を開閉するメインバリア羽根130を例にすると、主羽根部140がほぼ水平位置にあるときに光通過孔Hを塞ぎ、軸孔151を中心にして主羽根部140が下方に回動すると光通過孔Hが開口された状態になる。
サブバリア羽根160は、従動羽根部161と、従動羽根部161の付け根に構成された従動操作部162と、を有する。
従動羽根部161は、主羽根部140でカバーされる中央帯よりも外側の光通過孔Hを塞ぐ形状に形成されている。
従動操作部162は、嵌通孔163と、凹状切欠部164と、を備える。
ここで、嵌通孔163は、前記円筒突起部152が嵌通できる径を有する。そして、嵌通孔163に円筒突起部152が挿入されることにより、サブバリア羽根160は回動可能に軸支される。さらに、軸孔151に支持軸172が挿通されると、メインバリア羽根130とサブバリア羽根160とは同軸で回動支持されることになる。
これにより、サブバリア羽根160がメインバリア羽根130の回動に従動する。
メインバリア羽根130が閉じ方向に回転するとき(主羽根部140が上方に回転するとき)、凹状切欠部164はボス部153によって下方向に押される。すると、嵌通孔163を中心にサブバリア羽根160は、閉じ方向に回転する(従動羽根部161が上方に回転する)。
また、メインバリア羽根130が開き方向に回転するとき(主羽根部140が下方に回転するとき)、凹状切欠部164はボス部153によって上方向に押される。すると、嵌通孔163を中心にサブバリア羽根160は、開き方向に回転する(従動羽根部161が下方に回転する)。
このように、メインバリア羽根130に連動してサブバリア羽根160も回動する。
さらに、開閉機構部200は、羽根ユニット部120を開き位置または閉じ位置で保持する位置保持機構として機能する。
さらに、開閉機構部200は、モータ動力が所定値を超えてバリア羽根に掛からないようにするリミッタ機構として機能する。
駆動リング210は、リング本体部220と、長孔部230と、レバー保持部240と、動力連結部224と、を備えている。
長孔部230の位置は支持軸172に対応し、支持軸172が通過できるようになっている。さらに、支持軸172が長孔部230に挿通した状態で駆動リング210が所定角度範囲内で回動できるように、長孔部230は、リング本体部220の円周に沿った所定長さを有する長孔になっている。
ここで、フランジ221が部分的に幅広になることにより、レバー保持部240を構成するための基面223となる。
図3のように駆動リング210を背面から見た場合、左側のレバー保持部240においてレバー支持軸241は前記基面223のなかでもやや上側位置に配設されている。
なお、右側のレバー保持部240においては、上下左右を反対にすればよく、すなわち、右側のレバー保持部240においてレバー支持軸241は前記基面223のなかでもやや下側位置に配設されている。
レバー支持軸241にトグルレバー250が挿通されることにより、トグルレバー250が回動可能に軸支される。
バネ掛止部243は、ネジリバネ290の一方の足292が引っ掛かるようになっており、これにより、ネジリバネ290の他方の足293に付勢力を与える。
図3のように駆動リング210を背面から見た場合、左側のレバー保持部240において、バネ支持片242は前記基面223のなかでもやや下側位置に配設されている。そして、バネ掛止部243は、レバー支持軸241よりも下側、バネ支持片242よりも上側において、筒壁222の一部から外側方向に向けて突出形成されている。
なお、本第1実施形態では、モータから駆動リング210に動力を伝える動力伝達列にはバネ等の弾性体が介装されることはない。
また、モータ動力が所定値を超えてバリア羽根130、160に掛かる場合には、トグルレバー250がネジリバネ290に抗して揺動することによりリミッタ機構が作動する。
さらにまた、トグルレバー250がメインバリア羽根130の操作ピン154に付勢力を与えることにより、羽根ユニット部120を開き位置または閉じ位置で保持する位置保持機構が実現される。
ここで、図4および図5は、レンズバリア装置100を組み立てた状態で、駆動リング210、トグルレバー250および羽根ユニット部120を抽出して、これを背面側からみた図である。
この図4および図5において、左側のトグルレバー250を例にして説明する。
V字状凹み部270は、第1内面271と、第2内面272と、により構成される。
ここで、左側のトグルレバー250において、下側の斜面を第1内面271とし、上側の斜面を第2内面272とする。
図4および図5では、第2内面272が操作ピン154を斜め下方に押下げている状態である。
まず、羽根ユニット部120を組み合わせる。すなわち、サブバリア羽根160を前面側からメインバリア羽根130に近づけ、嵌通孔163に円筒突起部152を挿通させる。このとき、下側のサブバリア羽根160は下側のメインバリア羽根130と組み合わせ、上側のサブバリア羽根160は上側のメインバリア羽根130と組み合わせる。すると、メインバリア羽根130のボス部153がサブバリア羽根160の凹状切欠部164に遊嵌した状態になる。
(通常動作)
(羽根を閉じた状態から開く動作)
図6は、通常動作で羽根を閉じた状態から開く動作を示す図である。
駆動リング210の位置を説明するのに、左側のレバー支持軸241を用い、光通過孔Hの中心点とレバー支持軸241とを結ぶ仮想線を駆動リング210の基線とし、この基線の位置によって駆動リング210の回転を表現する。
また、駆動リング210がバリア羽根130、160を閉じた状態にする回転位置を閉位置(図6(A))とし、駆動リング210がバリア羽根130、160を開いた状態にする回転位置を開位置(図6(C))と、する。
図6(A)から図6(C)に至る変化で分かるように、駆動リング210は、バリア羽根130、160を閉じた状態にする閉位置(図6(A))と、バリア羽根130、160を開いた状態にする開位置(図6(C))と、の間で回動する。そして、図6(A)の状態では、基線は閉位置に一致しており、図6(C)の状態では、基線は開位置に一致しており、図6(C)では駆動リング210は閉位置を開位置との中間にある。
また、図面を見やすくする都合上、動作に関連する主要な符号に限って図面中に付し、その他の符号は割愛する。
動作説明中で適宜使用する時計回りや右回りといった回転方向は、レンズバリア装置100を背面側から見た場合を基準とし、すなわち、図6から図12の図面を正面から見た場合の回転方向に合致する。
正確に述べると、後述する図7(C)と同じ状態で、閉動作により上下のバリア羽根130が接触したストップしたところから更に駆動リング210が少し反時計回りに回転した状態で、操作ピン154は第1内面271から離れて第2内面272に当接した状態である。この状態から、駆動リング210の動力連結部224にモータ動力が掛かり、駆動リング210が時計回り(右回り)に駆動される。すると、駆動リング210とともにトグルレバー250も一体となって時計回りに移動することになる。操作ピン154がトグルレバー250のV字状凹み部270の内側に位置しているところ、トグルレバー250が時計回り(右回り)に移動すると、操作ピン154に対して上側の第2内面272が当接していたのが、次第に下側の第1内面271が操作ピン154に当接するようになる(図6(B))。図6(B)では上下のバリア羽根130がフリーな状態であり、操作ピン154はV字状凹み部270の谷部に位置し、第1内面271と第2内面272の両方に当接した状態で移動する。
操作ピン154が押し上げられると、主羽根部140は下側に回動する。
サブバリア羽根160は、メインバリア羽根130に従動して下側に回動する。これにより、羽根が開いて光通過部Hが開かれることになる。図6(C)に示すように、第1内面271だけが操作ピン154に当接して操作ピン154を押し上げ、第2内面272は操作ピン154からわずかに離間する状態になるまで駆動リング210が回転する。
図6(C)は、バリア羽根130が開ききって図示しないストッパに当たったところから更に駆動リング210が時計回りに少し回転して操作ピン154が第2内面272から離れて第1内面271に当接した状態を示している。
図7は、通常動作で羽根を開いた状態から閉じる動作を示す図である。
図7(A)は、バリア羽根130、160が開いている状態である。
この状態から、駆動リング210の動力連結部224にモータ動力が掛かり、駆動リング210が反時計回り(左回り)に駆動される。すると、駆動リング210とともにトグルレバー250も一体となって反時計回りに移動することになる。操作ピン154がトグルレバー250のV字状凹み部270の内側に位置しているところ、トグルレバー250が反時計回り(左回り)に移動すると、操作ピン154に対して下側の第1内面271が当接していたのが、次第に上側の第2内面272が操作ピン154に当接するようになる(図7(B))。
操作ピン154が押し下げられると、主羽根部140は上側に回動する。サブバリア羽根160は、メインバリア羽根130に従動して上側に回動する。これにより、羽根130、160が閉じて光通過孔Hが閉じられることになる。図7(C)に示すように、第2内面272だけが操作ピン154に当接して操作ピン154を押し下げ、第1内面271は操作ピン154からわずかに離間する状態になるまで駆動リング210が回転する。
次に、リミッタ機構が作動する場合を説明する。
(開き動作を行ったが、羽根が閉じたまま動かなかった場合)
羽根130、160が閉じた状態から羽根130、160を開く操作を行ったが、例えばユーザが指で羽根130、160を押さえてしまった等により羽根が動かなかった場合について、図8を参照して説明する。
図8(A)のように羽根130、160が閉じた状態から、駆動リング210が時計回り(右回り)に駆動される。
ただし、ユーザの指がメインバリア羽根130を押さえているので、メインバリア羽根130の回動は阻害されている。
駆動リング210が時計回り(右回り)に駆動されると、駆動リング210の回転に伴ってトグルレバー250は時計回りに移動することになる。トグルレバー250が時計回りに移動すると、V字状凹み部270の第1内面271が操作ピン154を押し上げようとするが、操作ピン154は動かない。すると、トグルレバー250は、ネジリバネ290の付勢力に抗して外側に開くように揺動する。そして、操作ピン154が第1内面271を摺動して第1山部261を越え、操作ピン154が第1外面281に当接する。
図9(A)のように、駆動リング210が開位置まで回転したにも関わらず、バリア羽根130、160が開かなかったとする。リミッタ機構が作動したので、操作ピン154はV字状凹み部270を脱出して第1外面281に当接している。
このとき、トグルレバー250は、操作ピン154に押されて外側に開くように揺動し、操作ピン154は第1外面281の斜面を登って第1山部261を越え、操作ピン154がV字状凹み部270の内側に戻る(図9(B))。
このように、リミッタ機構が作動した場合でも、通常動作を行えば、操作ピン154がV字状凹み部270の内側に復帰し、その後は通常の動作が可能である。
次に、羽根130、160が開いた状態から閉じる操作を行ったが、例えばユーザが指で羽根130を押さえてしまった等により、羽根130、160が動かなかった場合について、図10を参照して説明する。
図10(A)のように羽根130、160が開いた状態から、駆動リング210が反時計回り(左回り)に駆動される。
ただし、ユーザがメインバリア羽根130を押さえているので、メインバリア羽根130の回動は阻害されている。駆動リング210が反時計回り(左回り)に駆動されると、駆動リング210の回転に伴ってトグルレバー250も反時計回りに移動することになる。
図11(A)のように、駆動リング210が閉位置まで回転したにも関わらず、バリア羽根130、160が閉じなかったとする。
リミッタ機構が作動したので、操作ピン154はV字状凹み部270を脱出して第2外面282に当接している。
次に、バリア羽根130、160を手動で操作する場合について説明する。
これは例えば、モータが故障してしまった等の理由により、自動で駆動リング210が回転しなくなった場合に、指で直接にバリア羽根130、160の開閉を行うような場合である。
(手動で開く場合)
バリア羽根130、160が閉じた状態で自動では開かなくなったので、バリア羽根130、160を手動で開く操作を行う場合について図12を参照して説明する。
図12(A)のように、バリア羽根130、160が閉じた状態で駆動リング210が自動で回転しなくなったとする。
この状態から、下側のメインバリア羽根130を指で下側に押し開いたとする。すると、主羽根部140が下側に回動するので、操作ピン154は上方へ移動する。このとき、トグルレバー250はネジリバネ290の付勢力に抗して外側に開くように揺動し、操作ピン154は第2内面272を摺動ししながら上方へ移動する。そして、操作ピン154が第2山部262を乗り越えて第2外面282に当接するようになる。
なお、手動動作の場合は上下のバリアは連動しないので、上下のバリアをそれぞれ動作させる必要がある。
バリア羽根が開いた状態で自動では閉じなくなったので、バリア羽根130、160を手動で閉じる操作を行う場合について図13を参照して説明する。
図13(A)のように、バリア羽根130、160が開いた状態で駆動リング210が自動で回転しなくなったとする。
この状態から、下側のメインバリア羽根130を指で上側に引っ張り上げるとする。すると、主羽根部140が上側に回動するので、操作ピン154は下方へ移動する。このとき、トグルレバー250はネジリバネ290の付勢力に抗して外側に開くように揺動し、操作ピン154は第1内面271を摺動しながら下方へ移動する。そして、操作ピン154が第1山部261を乗り越えて第1外面281に当接するようになる。
(1)通常動作では、駆動リング210とトグルレバー250とが一体的に回転移動すると、その動力がトグルレバー250からV字状凹み部270を介して操作ピン154へと直接伝達される。したがって、モータからメインバリア羽根130の操作ピン154までの経路において動力がバネ等に吸収されず、動力のロスなくバリア羽根130、160に動力を伝達できる。したがって、通常動作を行うにあたってはモータトルクは小さくてよく、消費電力も少なくて済む。
本発明は上記第1実施形態に限られず、種々の変更が可能である。
上記実施形態では、トグルレバー250のカム部260は、操作ピン154に対して外側から接触していた。
これに対し、カム部260が操作ピン154を内側に受け入れるような状態でカム部260と操作ピン154とが係合していればよいので、例えば、図14に示すように、カム部260が操作ピン154に対して内側から接触するようになっていてもよい。
この点、操作ピンをトグルレバー250およびバリア羽根130のいずれか一方に設け、カム部をトグルレバー250およびバリア羽根130のいずれか他方に設ければよいのであって、例えば、図15のように、ピン310をトグルレバー250に設け、カム部320をバリア羽根130に設けてもよい。
羽根ユニット部120は、メインバリア羽根130、130とサブバリア羽根160、160との4枚構成としたが、羽根は上下一枚ずつの合計二枚で構成されてもよく、あるいは逆にもっと多くの羽根が組み合わされていてもよいのはもちろんである。メインバリア羽根以外の羽根がメインバリア羽根に従動するようになっていれば、本発明が適用できるのはもちろんである。
カム部と操作ピンとの摩擦力が適切になるように、ネジリバネの付勢力とカム部の形状とを適宜設計すればよい。
Claims (4)
- 撮影レンズを保護するレンズバリア装置であって、
光軸に沿って光を前記撮影レンズに向けて通過させる光通過部を有するとともに、光軸を回転中心として回転が可能に設けられた駆動リングと、
前記光軸に垂直な面内で揺動するように前記駆動リングに軸支されたトグルレバーと、
回動動作によって前記光通過部に対して進退する羽根部を先端側に有し、この羽根部を光軸に垂直な面内で回動させるように前記羽根部の付け根において軸支されたバリア羽根と、
前記トグルレバーおよび前記バリア羽根のいずれか一方に設けられた操作ピンと、
前記トグルレバーおよび前記バリア羽根のいずれか他方に設けられ、前記操作ピンを内側に受け入れる凹み部を有するカム部と、
前記操作ピンが前記カム部の凹み部内に入る方向に前記トグルレバーを付勢する付勢手段と、を備え、
前記カム部の凹み部は前記操作ピンと当接する第1の内面と第2の内面を有し、
前記カム部の前記凹み部に前記操作ピンが受け入れられた状態で前記トグルレバーが前記駆動リングとともに回転すると、前記操作ピンと前記凹み部の前記第1または第2の内面との係合によって前記駆動リングの回転力が前記バリア羽根に伝達されて回転力が作用し、
前記カム部の前記凹み部は、前記操作ピンが前記付勢手段の付勢力に抗して前記凹み部の前記第1の内面を摺動した場合であっても前記第2の内面を摺動した場合であっても前記操作ピンが前記凹み部の外部に脱出するような形成を有していることを特徴とするレンズバリア装置。 - 請求項1に記載にレンズバリア装置において、
前記カム部の前記凹み部の形状は、V字形状であることを特徴とするレンズバリア装置。 - 請求項1または請求項2に記載のレンズバリア装置において、
前記カム部は、前記凹み部の外部に第1の外面と第2の外面を有し、
前記操作ピンが前記付勢手段の付勢力に抗して前記凹み部から脱出した場合、
前記第1または第2の外面と前記操作ピンとが前記付勢手段の付勢力で係合し、前記第1の外面は前記操作ピンを前記バリア羽根が開く方向へ付勢し、前記第2の外面は前記操作ピンを前記バリア羽根が閉じる方向へ付勢することで、前記バリア羽根が開きまたは閉じ位置でその位置が保持されることを特徴とするレンズバリア装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレンズバリア装置において、
前記操作ピンは、前記バリア羽根に突設され、
前記カム部の前記凹み部は、前記トグルレバーに設けられていることを特徴とするレンズバリア装置。
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