JP5625330B2 - 手乾燥装置 - Google Patents

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本発明は、トイレ等に設置され、濡れた手に噴流を当てて乾燥させる手乾燥装置に関するものである。
従来、ノズルを可動させることにより手乾燥性能を向上させた手乾燥装置は、例えば特許文献1に記載するような方法が提案されている。
図4に示すように、本体101に、本体101の前面から手を挿入できる空間を有する手乾燥室102と、手乾燥室102に挿入された手に噴流を当て、且つ噴流の方向を本体101の前面から奥行き方向に向かって変化させることができる可動ノズル103と、可動ノズル103に高圧空気を供給する送風装置104を備えている。
特開2004−321485号公報
このような従来の手乾燥装置では、手乾燥をすばやく行うために、ノズルを可動させて手に噴流を効率良く当てるようにした手乾燥装置は、ノズルの可動部と手乾燥室を構成する壁面との境界部に手から飛散した水滴が付着して水汚れが発生し、不衛生であるという課題を有していた。
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、可動するノズルの可動部分と手乾燥室を構成する壁面との境界部分への水滴の付着を防止することができる手乾燥装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明の手乾燥装置は、本体に、手を挿入できる空間を有する手乾燥室と、前記手乾燥室内に向かい、且つノズルを可動させて噴流方向を変化することができる可動ノズルユニットと、前記ノズルに空気を送る吹出ダクトと、前記吹出ダクトに空気を圧送する送風装置を有し、前記手乾燥室に面して且つ前記可動ノズルユニットの可動部分と前記手乾燥室を構成する壁面との境界部分を覆うカバーを設置したものである。この手段により可動ノズルユニットの可動部分と手乾燥室を構成する壁面との境界部分への水滴の付着を防止することができる手乾燥装置が得られる。
本発明によれば可動ノズルユニットの可動部分と手乾燥室を構成する壁面との境界部分への水滴の付着を防止することにより水汚れを防止し、衛生的な手乾燥装置を提供できる。
また、カバーにより可動部分の一部を覆うため、外部に露出した可動部分の面積を小さくできることから、外部からの侵入した異物と可動部分との衝突を防止することができ、可動部分の破損や動作不良を生じにくくすることができるという効果がある。
本発明の実施の形態1の手乾燥装置の構成を示す断面斜視図 同手乾燥装置の可動ノズルユニットの構成を示す断面斜視図 同手乾燥装置のカバーの形状を示す断面図 従来の手乾燥装置の構成を示す断面図
本発明の請求項1記載の手乾燥装置は、本体に、手を挿入できる空間を有する手乾燥室と、前記手乾燥室内に向かい、且つノズルを可動させて噴流方向を変化することができる可動ノズルユニットと、前記ノズルに空気を送る吹出ダクトと、前記吹出ダクトに空気を圧送する送風装置を有し、前記手乾燥室に面して且つ前記可動ノズルユニットの可動部分と前記手乾燥室を構成する壁面との境界部分を覆うカバーを設置したものであり、手に付着した水滴が飛散して直接付着すること、及び手乾燥室を構成する壁面に付着した水滴が移動することにより、可動ノズルユニットの可動部分と手乾燥室を構成する壁面との境界部分に水滴が付着すると水アカなどの汚れの原因となり、不衛生となるため、境界部分にカバーを設置することにより、境界部分に水滴が付着することを防止することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の手乾燥装置は、手乾燥室は、少なくとも上方から手挿入できるように開口を有し、可動ノズルユニットはノズルを水平方向に往復運動させて噴流方向を変化させ、且つ前記可動ノズルユニットは前記手乾燥室の壁面側及びその対面側に噴流が対向するように配置した構成であって、カバーは両側の可動ノズルユニットそれぞれに設置したものであり、手から飛散する水滴や手乾燥室を構成する壁面に付着した水滴は、手乾燥室の壁面側及びその対向側両面に設置した可動ノズルユニットに付着するため、両側いずれの可動ノズルユニットの境界部分にカバーを設けることにより、境界部分に水滴が付着することを防止することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項3記載の手乾燥装置は、カバーはノズルより上方の上部境界部分と、ノズルより下方の下部境界部分の少なくとも一方に設置したものであり、いずれの境界部分にもカバーを設置することにより、境界部分に水滴が付着することを防止することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項4記載の手乾燥装置は、カバーはノズルに近づくにつれて手乾燥室の内側に向かうように傾斜を備えたものであり、カバーの表面に付着した水滴が可動ノズルユニットの可動部分に極力付着しないようにすることができる。さらに詳細に説明すると、上部境界部分に設置したカバーにおいては、カバー表面に付着した水滴が下方に向かって流れ落ちる際に、水滴は上部境界部分から遠ざかる位置となるため、上部境界部分へ水滴が付着しにくくすることができる。また、下部境界部分に設置したカバーにおいては、カバー表面に付着した水滴が手乾燥室内の風の乱れ等によって上方に吹き上がってきた場合に、前述の上部境界部分に設置したカバーと同様に、水滴は下部境界部分から遠ざかる位置となるため、下部境界部分へ水滴が付着しにくくすることができるという作用を有する。
また、本発明の請求項5記載の手乾燥装置は、下部境界部分に設置したカバーの一部に、手乾燥室の内側に向かう凸状の壁部を備えたものであり、カバーの表面に付着した水滴が、手乾燥室内の風の乱れ等によって吹き上がってきた場合に、上方に向かって移動してくる水滴を堰き止めることができ、水滴が下部境界部分に付着することを防止することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項6記載の手乾燥装置は、カバーを着脱可能に構成したものであり、清掃などのお手入れをし易くすることができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に実施の形態1の手乾燥装置の構成を示す断面斜視図を示して説明する。
壁面に固定された本体1は、使用者が濡れた手を挿入できる空間としての手乾燥室2を備えており、挿入された手に対して噴流を当てるため、手乾燥室2内に向かって噴流を吹き出す円筒状のノズル3を複数配列し、手の挿入方向に対して略垂直方向に往復運動するように構成した可動ノズルユニット4を備えている。
可動ノズルユニット4は、手乾燥室2内の対向する面にそれぞれ備えている。
また、本体1の内部には高圧空気を発生する送風装置5として例えば高速ターボブロワを備え、送風装置5より送風される空気流をノズル3に案内する吹出ダクト6を備えている。
一方、本体1の下面には外部から空気を取り入れる吸込口7と、吸込口7から送風装置5に外部から取り入れた空気を案内する吸込ダクト8を備えることにより、吸込口7から送風装置5を経由してノズル3まで空気の送風が可能となっている。
以下、可動ノズルユニット4について説明する。
図2に示すように、ノズル3は根元が自由端となるように弾性体(一例としてシリコン)で形成し、空気を漏れなく案内しつつノズル3が外部からの力によって傾斜可能に構成している。ノズル3の近傍にはノズル3を往復運動させる板状の案内板9が複数のローラ10によって直線運動可能に支持され、案内板9に設けられた複数の開口穴11にノズル3を貫通させることにより、案内板9が往復運動した際には開口穴11とノズル3が干渉し、ノズル3は案内板9の往復運動方向に繰り返し傾斜する構成となっている。さらに、モータ回転軸12(図では破線)を有したモータ13(一例としてDCモータ)と、モータ回転軸12に対して偏心した軸を有するクランク14を備え、クランク14と案内板9をリンク15により回転自在に連結することにより、モータ13の回転運動を案内板9の往復運動に変換するクランク14機構となっている。
また、可動ノズルユニット4は、ノズル3の出口近傍に備えて且つノズル3と連動して往復運動する防水シート16を手乾燥室2の壁面26と近接した位置に設置することにより本体1内部への水滴の侵入を防止している。
また、本体1内には送風装置5及びモータ13の運転を制御する制御手段17(一例としてマイコンを搭載した回路基板)が設置され、手乾燥室2内には手が挿入されたことを検知して制御手段17に検知信号を送る手検知手段18(一例として赤外線センサ)が設置されている。
また、手乾燥室2に挿入された手から分離した水滴を回収するため、手乾燥室2の底面に開口させた穴からドレンパイプ19が接続され、本体1の下面に設置された水受け20まで水を案内している。
これらの構成により、手乾燥の一連の状況について説明する。
図1、図2に示すように、使用者が手乾燥室2内に手を挿入すると、手検知手段18が手を検知して制御手段17に検知信号を送り、制御手段17によって送風装置5及びモー
タ13を運転させる。送風装置5により発生する空気流により吸込口7から外気を取り込み、吸込ダクト8を経由して送風装置5まで空気が供給され、送風装置5により昇圧されて高圧となった空気は吹出ダクト6からノズル3に案内されて手乾燥室2内に噴射される。また、モータ13が回転することによりノズル3が往復運動し、ノズル3から噴射される噴流が往復運動することにより、手に万遍なく噴流が当たることで乾燥ムラをなくし、且つ高い速乾性を有している。
ここで、手から分離した水滴は、手乾燥室2の内部で且つ四方に飛散するため、飛散した水滴は手乾燥室2を構成する壁面26や可動ノズルユニット4の可動部分としての防水シート16に付着する。
大量に付着した水滴は重力により手乾燥室2を構成する壁面26を流れ落ちてドレンパイプ19から排水されるが、細かな水滴は付着したまま留まり、そのまま自然乾燥するため、水滴内に含まれていた汚れ(例えば粉塵や皮脂、石鹸成分など)が表面に残って固着した状態となり、不衛生となってしまう。
定期的なメンテナンスにより、手乾燥室2を構成する壁面26や、防水シート16の表面に付着した汚れはふき取れるが、手乾燥室2を構成する壁面26と可動ノズルユニット4の可動部分としての防水シート16との境界部分21に付着した汚れは容易に取り除くことができない。
したがって、汚れが残ることで不衛生になることが課題となっている。
本発明の実施の形態1では、手乾燥室2を構成する壁面26と可動ノズルユニット4の可動部分としての防水シート16との境界部分21を覆うカバー22を手乾燥室2内に設置することにより、境界部分21に水滴が付着することを防止することで、汚れの発生を抑制し、衛生的な手乾燥装置を提供することができるとともに、可動するノズル3や防水シート16の一部がカバー22で覆われることによって可動部分の露出が少なくなり、外部からの侵入した異物と可動部分との衝突を防止することができ、可動部分の破損や動作不良を生じにくくすることができるという効果がある。
また、手乾燥室2の対向する壁面26それぞれに設置された可動ノズルユニット4にカバー22を設置することで、それぞれの境界部分21に水滴が付着することを防止することができる。
さらに、図3に示すように、境界部分21のうち、防水シート16の上部と壁面26との上部境界部分23と、防水シート16の下部と壁面26との下部境界部分24のそれぞれにカバー22を設置することで、より汚れが付着しにくくすることができ、同様の効果が得られる。
ここで、カバー22の形状を工夫することで、境界部分21への水滴の付着をより効果的に抑制することができるため、以下に詳細を説明する。
カバー22の設置により手から分離した水滴は、カバー22の表面にも付着する。カバー22の表面に付着した水滴は、重力により下方に流れようとするが、手乾燥室2内の風の流れ方向によっては上方に吹き上がる動きをすることがある。
その際、下部境界部分24を覆うカバー22については、表面の水滴が上方に吹き上がると、可動部分に近づき、カバー22の上端まで移動した水滴は防水シート16や下部境界部分24に向かって飛散する恐れがある。
したがって、本発明の実施の形態1では、カバー22の表面形状をノズル3に近づくにつれて手乾燥室2の内側に向かうように傾斜をつけている。この傾斜により、カバー22表面に付着した水滴が手乾燥室2内の風の乱れ等によって上方に吹き上がってきた場合に、水滴は下部境界部分24から遠ざかる位置となるため、下部境界部分24へ水滴が付着しにくくすることができる。
一方、上部境界部分23に設置したカバー22においても上記の傾斜は有効であり、カバー22表面に付着した水滴が下方に向かって流れ落ちる際に、水滴は上部境界部分23から遠ざかる位置となるため、上部境界部分23へ水滴が付着しにくくすることができ、同様の効果が得られる。また、傾斜はR形状であっても同様の効果がある。
さらに、下部境界部分24に設置したカバー22の一部に、手乾燥室2の内側に向かう凸状の壁部25を設置することにより、カバー22の表面に付着した水滴が、手乾燥室2内の風の乱れ等によって吹き上がってきた場合に、上方に向かって移動してくる水滴を堰き止めることで水滴が下部境界部分24に侵入することを防止することができ、同様の効果が得られる。
また、カバー22を着脱可能にすることで、清掃などのお手入れをし易くすることができ、衛生的な手乾燥装置を提供することができる。
本発明にかかる手乾燥装置は、噴流を用いて液体を吹き飛ばして乾燥させる乾燥装置に適用できる。
1 本体
2 手乾燥室
3 ノズル
4 可動ノズルユニット
5 送風装置
6 吹出ダクト
7 吸込口
8 吸込ダクト
9 案内板
10 ローラ
11 開口穴
12 モータ回転軸
13 モータ
14 クランク
15 リンク
16 防水シート
17 制御手段
18 手検知手段
19 ドレンパイプ
20 水受け
21 境界部分
22 カバー
23 上部境界部分
24 下部境界部分
25 壁部
26 壁面

Claims (6)

  1. 本体に、手を挿入できる空間を有する手乾燥室と、前記手乾燥室内に向かって噴流を吹き出して且つノズルを可動させて噴流方向を変化することができる可動ノズルユニットと、前記ノズルに空気を送る吹出ダクトと、前記吹出ダクトに空気を圧送する送風装置を有し、前記手乾燥室に面して且つ前記可動ノズルユニットの可動部分と前記手乾燥室を構成する壁面との境界部分を覆うカバーを設置した手乾燥装置。
  2. 手乾燥室は、少なくとも上方から手挿入できるように開口を有し、可動ノズルユニットはノズルを水平方向に往復運動させて噴流方向を変化させ、且つ前記可動ノズルユニットは前記手乾燥室の壁面側及びその対面側に噴流が対向するように配置した構成であって、カバーは両側の可動ノズルユニットそれぞれに設置した請求項1に記載の手乾燥装置。
  3. カバーはノズルより上方の上部境界部分と、ノズルより下方の下部境界部分の少なくとも一方に設置した請求項1または2のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
  4. カバーはノズルに近づくにつれて手乾燥室の内側に向かうように傾斜を備えた請求項1または2のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
  5. 下部境界部分に設置したカバーの一部に、手乾燥室の内側に向かう凸状の壁部を備えた請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
  6. カバーを着脱可能に構成した請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
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