JP5625318B2 - リチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池に関する。
従来、負極活物質にシリコンを用いたリチウム二次電池が知られている。シリコンは電池の大容量化に適しているものの、充放電におけるリチウムの吸蔵放出に伴う体積変化が大きいため、活物質粒子の割れや集電体からの剥離などが生じやすくサイクル特性が低下することがあった。そこで、例えば、負極活物質薄膜について、シリコンを主成分とする2以上のシリコン薄膜を含む多層構造とすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。こうすれば、負極活物質全体の厚さを増大させても、1層の厚さが小さいため、シリコン薄膜内でシリコン粒子径が粗大化せず、サイクル特性が劣化しないとされている。
特開2005−183364号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものなどでは、サイクル特性を良好なものとすることができるが、負荷特性が劣ることがあった。そこで、サイクル特性および負荷特性をより良好なものとすることが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、サイクル特性および負荷特性を高めることのできるリチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者は、リチウム二次電池の負極として、負極集電体と、ビスマスおよびシリコンを含む負極活物質と、を備え、ビスマスおよびシリコンの厚さや体積と集電体の表面粗さとが所定の関係を満たすものを用いたところ、サイクル特性及び負荷特性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウム二次電池用負極は、
負極集電体と、
ビスマスおよびシリコンを含む負極活物質と、
を備え、
前記ビスマスの換算厚さをtB(μm)、リチウムを吸蔵するまえの前記ビスマス1mol当たりの体積をVB 0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとの前記ビスマス1mol当たりの体積をVB(ml/mol)とし、前記シリコンの換算厚さをtS(μm)、リチウムを吸蔵するまえの前記シリコン1mol当たりの体積をVS 0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとの前記シリコン1mol当たりの体積をVS(ml/mol)とし、前記負極集電体の表面粗さをRzjis(μm)とすると、
式(1)の関係を満たすものである。
Figure 0005625318
また、本発明のリチウム二次電池は、
上述したリチウム二次電池用負極と、
リチウムを吸蔵放出可能な正極と、
前記負極と前記正極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
このリチウム二次電池用負極およびリチウム二次電池では、サイクル特性及び負荷特性を高めることができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、負極活物質にビスマスとシリコンとを含むものとすることで何らかの相乗効果が得られるためと推察される。特に、負極活物質の体積や換算厚さと負極集電体の表面粗さとが式(1)の関係を満たすから、負極活物質の膨張収縮の影響を緩和することができ、サイクル特性をより良好にすることができるものと考えられる。
コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。本発明のリチウム二次電池は、リチウム二次電池用負極と、リチウムを吸蔵放出可能な正極と、負極と正極との間に介在し、リチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
本発明のリチウム二次電池において、リチウム二次電池用負極は、負極集電体と、ビスマスおよびシリコンを含む負極活物質と、を備え、ビスマスの換算厚さをtB(μm)、リチウムを吸蔵するまえのビスマス1mol当たりの体積をVB 0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとのビスマス1mol当たりの体積をVB(ml/mol)とし、シリコンの換算厚さをtS(μm)、リチウムを吸蔵するまえのシリコン1mol当たりの体積をVS 0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとのシリコン1mol当たりの体積をVS(ml/mol)とし、前記負極集電体の表面粗さをRzjis(μm)とすると、式(1)の関係を満たすものである。
本発明のリチウム二次電池において、負極集電体は、導電性材料で形成されたものであれば特に限定されないが、例えば、銅やステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの金属で形成されている箔を用いることができる。負極集電体の表面は粗面化されていることが好ましく、その表面粗さRzjis(μm)は0.4μm以上10μm以下であることが好ましく、1.8μm以上7μm以下であることがより好ましい。表面粗さRzjisが0.4μm以上では負極活物質全体の厚さを確保しやすいからである。また、集電体の表面に凹凸を形成するには、それに見合う負極集電体の厚さが必要となるが、表面粗さRzjisが10μm以下では、負極集電体の厚さを30μm程度に抑えることができるため、電極エネルギー密度の低下を抑制できる。ここで、表面粗さRzjisは、十点平均粗さともいい、JIS−B0601:2001附属書1(参考)に基づいて求めた表面粗さをいう。
本発明のリチウム二次電池において、負極活物質は、ビスマスおよびシリコンを含むものである。本発明において、ビスマスとシリコンとが何らかの相乗効果を発現することにより、サイクル特性および負荷特性が向上するものと考えられる。このとき、ビスマス及びシリコンは非晶質であることが好ましい。ビスマスとシリコンとではリチウムの吸蔵放出電位が異なり、これらが非晶質で混在することで、リチウムの吸蔵放出をより良好に行うことができるからである。このビスマスとシリコンとは、別々の層に分かれることなく混在して層をなしていることが好ましい。例えば、共スパッタリング法によって形成されたものであることが好ましい。なお、ビスマスおよびシリコンを含むものであれば、ビスマスおよびシリコンのみから成る場合のほか、これら以外のもの(不純物や添加物など)を含んでもよい。
本発明におけるビスマスの換算厚さおよびシリコンの換算厚さについて説明する。上述したように、本発明のリチウム二次電池において、負極活物質は、ビスマスとシリコンとが混在していることが好ましいが、この場合、ビスマスの厚さとシリコンの厚さとを別々に特定することができない。そこで、負極活物質の形成条件のうちビスマスの形成条件でビスマスのみを形成して測定した厚さをビスマスの換算厚さtB(μm)とし、負極活物質の形成条件のうちシリコンの形成条件でシリコンのみを形成して測定した厚さをシリコンの換算厚さtS(μm)と定義して、ビスマスとシリコンとを別々に形成した場合に得られるであろう各層の厚さに換算して用いることとする。このビスマスの換算厚さtBは、具体的には、以下のように求めることができる。まず、表面粗さ0.15μm程度のガラス板を準備し、マイクロメーターでその厚さを測定する。次に、負極集電体上に負極活物質を形成する場合のビスマスの形成条件と同一の条件で、準備したガラス板にビスマスを形成する(共スパッタにより形成する場合には、シリコン側のスパッタ装置の電源を切るなどしてビスマスのみを形成する)。そして、ビスマスを形成したガラス板の厚さをマイクロメーターで測定し、ビスマス形成前後のガラス板の厚さの差を求め、これをビスマスの換算厚さtB(μm)とする。シリコンの換算厚さtS(μm)についても同様に求めるものとする。このとき、ビスマスの換算厚さtBは、0.1≦tB≦5.0であることが好ましく、シリコンの換算厚さtSは、0.1≦tS≦5.0であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池において、リチウム二次電池用負極は、上述した式(1)の関係を満たすものである。式(1)において、VB/VB0はリチウム吸蔵前後でのビスマスの体積変化率を示す。よって、VB/VB0の3乗根は負極活物質からビスマスだけを直方体の要素として取り出したと仮定した場合の一辺の長さの変化率を示すものと考えることができ、これに上述したビスマスの換算厚さを乗じた値は、リチウム吸蔵後のビスマスの厚さを示すものといえる。シリコンについても同様に考えることができる。以上より、式(1)を満たすものであれば、リチウム吸蔵後のビスマスの厚さとシリコンの厚さとの和が集電体の表面粗さを超えないため、充放電サイクルの繰り返しにおいても、負極活物質の体積変化を負極集電体の表面粗さRzjisの範囲内、つまり表面の凹凸の間に収まるようにすることができ、負極集電体と負極活物質との剥離を抑制することができると考えられる。これによってサイクル特性をより良好にすることができる。
ここで、Journal of The Electrochemical Society、154(9)A849(2007)によれば、合金系薄膜負極のリチウム吸蔵放出に伴うビスマスの体積変化は、以下のように求めることができるとされている。即ち、例えば、リチウムを吸蔵するまえのビスマスの体積をVB0(cm3)、リチウムを吸蔵したあとのビスマスの体積をVB(cm3)、ビスマスの体積変化に関する係数をkB(ml /mol)、ビスマス1molに対するリチウムの吸蔵量をx(mol)とした場合、リチウムを吸蔵したあとのビスマスの体積VBはリチウムの吸蔵量xに依存し、VB=VB0+kBxで表されると報告されている。ここで、リチウムの吸蔵放出において、xは0≦x ≦3の範囲で変化可能と見積もられており、この場合のkBは8.17(ml/mol)であると報告されている。また、リチウムを吸蔵するまえのビスマスの体積VB0は21.15ml/molであると報告されている。以上の内容から、ビスマスに最大限リチウムが吸蔵された場合を仮定すると、リチウムを吸蔵したあとのビスマスの体積は、VB=VB0+kBx=21.15+8.17×3=45.66(ml/mol)となる。よって、リチウムを最大限吸蔵したときのビスマスの体積変化率はVB/VB0=2.159となる。一辺の長さの変化率はこれらの三乗根であり、それに換算厚さをかけることでリチウムを最大限吸蔵した場合のビスマスの厚さが算出される。シリコンについても同様に考えることができる。即ち、例えば、リチウムを吸蔵するまえのシリコンの体積をVS0(cm3)、リチウムを吸蔵したあとのシリコンの体積をVS(cm3)、シリコンの体積変化に関する係数をkS(ml/mol)、シリコン1molに対するリチウムの吸蔵量をy(mol)とした場合、リチウムを吸蔵したあとのシリコンの体積は、VS=VS0+kSyで表されると報告されている。リチウムの吸蔵放出において、yは0≦y≦3.75の範囲で変化可能と見積もられており、この場合のkSは9.00(ml/mol)であると報告されている。また、リチウムを吸蔵するまえのシリコンの体積VS0は10.96ml/molであると報告されている。よって、シリコンに最大限リチウムが吸蔵された場合を仮定すると、シリコンの体積はVS=VS0+kSy=10.96+9.0×3.75=44.71(ml/mol)となる。よって、リチウムを最大限吸蔵したときのシリコンの体積変化率はVS/VS0=4.079となる。一辺の長さの変化率はこれらの三乗根であり、それに換算厚さをかけることでリチウムを最大限吸蔵した場合の活物質層の厚さが算出される。以上から、ビスマスおよびシリコンがリチウムを最大限含むものと仮定した場合には、式(1)は、1.292tB+1.598tS Rzjisで表すことができる。
また、本発明のリチウム二次電池において、リチウム二次電池用負極は、ビスマスの換算密度をdB(g/cm3)、真密度をdB0(g/cm3)とし、シリコンの換算密度をdS(g/cm3)、真密度をdS0(g/cm3)とすると、式(2)の関係を満たすものであることが好ましい。以下、換算密度について説明する。本発明のリチウム二次電池において、負極活物質は、ビスマスとシリコンとが混在していることが好ましいが、この場合、ビスマスの密度とシリコンの密度とを別々に特定することができない。そこで、負極活物質の形成条件のうちビスマスの形成条件でビスマスのみを形成して測定した密度をビスマスの換算密度dB(g/cm3)とし、負極活物質の形成条件のうちシリコンの形成条件でシリコンのみを形成して測定した密度をシリコンの換算密度dS(g/cm3)と定義して、ビスマスとシリコンとを別々に形成した場合に得られるであろう各層の密度に換算して用いることとする。このビスマスの換算密度dB(g/cm3)は、具体的には、以下のように求めることができる。まず、負極集電体上に負極活物質を形成する場合のビスマスの形成条件と同一の条件で、アルミ箔上にビスマスを形成する(共スパッタの場合には、シリコン側のスパッタ装置の電源を切るなどしてビスマスのみを形成する)。堆積したビスマスの重量(g)を測定し、これをビスマスが形成された面積(cm2)と上述のように求めた換算厚さ(cm)とで除した値をビスマスの換算密度dB(g/cm3)とする。シリコンの換算密度(g/cm3)についても同様に求めるものとする。このとき、ビスマスの換算密度dB(g/cm3)は、7.2≦dB≦7.4であることが好ましく、シリコンの換算密度dS(g/cm3)は、2.1≦dS≦2.2であることが好ましい。なお、ビスマスの真密度dB0及びシリコンの真密度dS0は、一般的にdB0=9.75g/cm3、dS0=2.34g/cm3である。
Figure 0005625318
以下では、式(2)について説明する。式(2)においてdB0はビスマスの真密度(g/cm3)であり、dS0はシリコンの真密度(g/cm3)である。よって、(1−dB/dB0)はビスマスの空隙率を示し、(1−dS/dS0)はシリコンの空隙率を示す。さらに、(1−dB/dB0)×tBはビスマス全体の空隙厚さを示し、(1−dS/dS0)×tSはシリコン全体の空隙厚さを示す。以上より、ビスマスの空隙厚さがシリコンの空隙厚さよりも大きい場合には、リチウムの吸蔵放出が円滑になるなどしてより負荷特性を高めることができるものと考えられる。
なお、本発明のリチウム二次電池において、シリコンの換算厚さに対するビスマスの換算厚さは4/8以上9/8以下であることが好ましい。また、シリコンに対するビスマスのモル比は0.20以上0.55以下であることが好ましい。また、負極活物質全体の厚さは0.5μm以上5.5μm以下であることが好ましい。また、負極活物質全体の密度は3.0g/cm3以上5.0g/cm3以下であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池の正極は、例えば正極活物質に導電材及びバインダーを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、正極集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。正極集電体としては、導電性材料で形成されたものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウムや銅、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの金属で形成されている箔やメッシュを用いることができる。正極活物質としては、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物、又はポリアニオン系化合物を用いることができる。具体的には、例えばリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム鉄複合リン酸化物などが挙げられる。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類などの炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。バインダーは、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂などを用いることができる。正極活物質、導電材、バインダーを分散させる溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
本発明のリチウム二次電池において、イオン伝導媒体は、支持塩を有機溶媒に溶かした非水電解液やイオン性液体、ゲル電解質、固体電解質などを用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。ゲル電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子類またはアミノ酸誘導体やソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明のリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、二次電池の使用範囲に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明のリチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。このリチウム二次電池の一例を図1に示す。図1は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、この電池ケース21の内部に設けられた正極22と、正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、支持塩を含む非水電解液27と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、リチウム二次電池用負極をリチウム二次電池の構成要素の一つとして説明したが、リチウム二次電池用負極単独であってもよい。
以下には、本発明のリチウム二次電池用負極を具体的に作成した例を実施例として説明する。
(実施例1)
負極は以下のように作成した。まず、負極集電体として、厚さ18μmの粗面化銅を用意した。この粗面化銅は、電解法によって表面に銅を析出させることにより表面粗さをRzjisを7μmとしたものである。この負極集電体上に、スパッタリング装置(トッキ社製ロードロック式スパッタ成膜装置)を用いて、ビスマス(Bi)とシリコン(Si)との共スパッタを行い、ビスマス換算厚さ:シリコン換算厚さ=4:8で、ビスマス換算厚さとシリコン換算厚さとの和が1.2μmとなるように負極活物質を堆積させた。このときの堆積条件を表1に示す。表1には、実施例2〜4及び比較例1〜4の堆積条件についても示した。具体的には、スパッタリング装置のチャンバ内を5×10-5Paまで真空排気した後、チャンバ内にアルゴンを導入し(30sccm)、チャンバ内のガス圧が0.5Paになるようにガス圧を安定させた後、チャンバ内のガス圧が安定した状態で高周波電源によりシリコンのスパッタ源およびビスマスのスパッタ源に高周波電圧(13.56MHz)を所定時間印加し、ビスマスとシリコンとを負極集電体上に堆積させて、実施例1の負極を得た。ビスマスの換算厚さは、以下のようにして求めた。まず、20mm×20mmのガラス小片を用意し、マイクロメーターでその厚さを測定した。次に、ビスマスとシリコンとを負極集電体上に共スパッタしたときのビスマスのスパッタ条件と同一の条件で、上述したガラス小片上にビスマスのみをスパッタリングする処理を行った。そして、スパッタリング後のガラス小片の厚さをマイクロメーターで測定し、この測定値からスパッタリング前の測定値を減じて求めた値をビスマス換算厚さとした。また、ビスマスの換算密度は、以下のようにして求めた。まず、直径100mmのアルミ箔を用意し、その重量を測定した。次に、ビスマスとシリコンとを負極集電体上に共スパッタしたときのビスマスの形成条件と同一の条件で、上述したアルミ箔上にビスマスのみをスパッタリングする処理を行った。そして、スパッタリング後のアルミ箔の重量を測定し、この測定値からスパッタリング前の測定値を減じた値をアルミ箔の面積および上述した換算厚さで除して求めた値をビスマス換算密度とした。シリコンの換算厚さおよび換算密度も同様にして求めた。なお、表1には、上述したもののほか、実施例1〜4および比較例1〜4の負極活物質全体についてICPで成分分析をした結果や、負極活物質全体の密度も記載した。ここで、負極活物質全体の密度は、各実施例の負極を作成するのと同一の条件でスパッタリングしたこと以外はビスマスの換算密度と同様にして求めた。
Figure 0005625318
(実施例2〜4)
ビスマス換算厚さ:シリコン換算厚さ=9:8でビスマス換算厚さとシリコン換算厚さとの和が1.7μmとなるように負極活物質を堆積させるために、ビスマス側の高周波電力を40Wに設定した以外は実施例1と同様にして実施例2の負極を得た。また、負極集電体の表面粗さRzjisを1.8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の負極を得た。また、負極集電体の表面粗さRzjisを4.5μmとしたこと以外は実施例2と同様にして実施例4の負極を得た。
(比較例1〜4)
換算厚さ0.4μmのビスマスのみを堆積させるようにシリコンの高周波電源を切り、ビスマスの高周波電力を300Wとし、スパッタ時間を6分40秒としたこと以外、実施例1と同様に比較例1の負極を得た。また、換算厚さ0.9μmのビスマスのみを堆積させるようにスパッタ時間を15分としたこと以外比較例1と同様に比較例2の負極を得た。また、換算厚さ0.8μmのシリコンのみを堆積させるようにビスマスの高周波電源を切り、シリコンの高周波電力を600Wとしたこと以外は実施例1と同様にして比較例3の負極を得た。また、負極集電体の表面粗さRzjisを1.8μmとしたこと以外は実施例2と同様に比較例4の負極を得た。
[二極セルの作成]
次に、二極セルを以下のようにして作製した。まず、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で30:70の割合で混合した非水溶媒に6フッ化リン酸リチウムを1mol/Lとなるように添加して非水電解液を調製した。そして、上記の負極を作用極とし、これと略同じ面積のリチウム箔(厚さ300μm)を対極とし、この作用極と対極との間にセパレータ(東燃タピルス)を介し、調製した非水電解液を満たして二極セルを作製した。
[充放電試験]
次に、以下のようにして充放電試験を実施した。まず、作製した二極セルを用い、0.05C(0.075mA)で0.01Vまで作用極を還元(充電)したのち、0.05Cで1.5Vまで作用極を酸化(放電)して初期充電容量Qcp(mAh)及び初期放電容量Qdp(mAh)を測定し、(Qdp/Qcp)×100で表される初期充放電効率(%)を算出した。続いて、0.1C(0.15mA)で20サイクル充放電を行い、充放電サイクルの1サイクル目の放電容量Qd1(mAh)と20サイクル目での放電容量Qd20(mAh)を測定し、(Qd20/Qd1)×100で表される容量維持率(%)を算出した。さらにその後、20℃において0.2C(0.3mA)、2C(3mA)の負荷特性を測定し、0.2C電流値での充電容量に対する2C電流値での充電容量の比(以下2C/0.2C値とする)を求めた。その結果を表2に示す。表2には実施例1〜4および比較例1〜4の試験結果として、初期充電容量、初期放電容量、初期充放電効率、2C電流値での放電容量、0.2C電流値での放電容量、2C/0.2C値、20サイクル後の放電容量、容量維持率、式(1)左辺、式(2)左辺、式(2)右辺を示した。ここで、設計容量は換算厚さ0.4μmで密度7.3g/cm3のビスマスを用いたときの容量0.25mAh、および、換算厚さ0.8μm密度2.1g/cm3のシリコンを用いたときの容量1.28mAhから換算した値である。
Figure 0005625318
[実験結果]
ビスマスおよびシリコンを含み、式(1)の関係を満たす実施例1〜4では、ビスマスのみの比較例1,2と比較してサイクル特性が良好であり、また、シリコンのみの比較例3と比較してサイクル特性が同等で、かつ、負荷特性が良好であった。また、この実施例1〜4では、ビスマスとシリコンの両方を有し、式(1)の関係を満たさない比較例4と比較して負荷特性およびサイクル特性のいずれもが良好であった。よって、式(1)の関係を満たす場合、即ち、リチウム吸蔵後の負極活物質の厚さ(μm)が、負極集電体の表面粗さRzjis(μm)以下の場合に、負荷特性及びサイクル特性を良好にすることができることが分かった。
20 コイン型セル、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、28 非水電解液。

Claims (3)

  1. 負極集電体と、
    ビスマスおよびシリコンを含む負極活物質と、
    を備え、
    前記ビスマスの換算厚さをtB(μm)、リチウムを吸蔵するまえの前記ビスマス1mol当たりの体積をVB0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとの前記ビスマス1mol当たりの体積をVB(ml/mol)とし、前記シリコンの換算厚さをtS(μm)、リチウムを吸蔵するまえの前記シリコン1mol当たりの体積をVS0(ml/mol)、リチウムを吸蔵したあとの前記シリコン1mol当たりの体積をVS(ml/mol)とし、前記負極集電体の表面粗さをRzjis(μm)とすると、
    式(1)の関係を満たすものである、リチウム二次電池用負極。
    Figure 0005625318
  2. 前記ビスマスの換算密度をdB(g/cm3)、真密度をdB0(g/cm3)とし、前記シリコンの換算密度をdS(g/cm3)、真密度をdS0(g/cm3)とすると、式(2)の関係を満たすものである、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
    Figure 0005625318
  3. 請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極と、
    リチウムを吸蔵放出可能な正極と、
    前記負極と前記正極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えたリチウム二次電池。
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