JP2008153015A - 負極および電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることが可能な電池を提供する。
【解決手段】負極活物質層2がケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する場合に、帯状の金属箔からなる負極集電体1が第1の厚さ部分P1(厚さT1)とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2(厚さT2)とを有している。第2の厚さ部分P2による伸長抑制機能により、充放電時に負極活物質層2が膨張した場合においても負極集電体1が伸長しにくくなるため、しわの発生が抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、負極集電体と負極活物質層とを含む負極およびそれを備えた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder )、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度が得られる二次電池の開発が進められている。
中でも、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも大きなエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
このリチウムイオン二次電池は、負極活物質を含有する負極活物質層が負極集電体に設けられた構成を有する負極を備えている。この負極活物質としては炭素材料が広く用いられているが、最近では、ポータブル電子機器の高性能化および多機能化に伴って電池容量のさらなる向上が求められていることから、炭素材料に代えてケイ素を用いることが検討されている。ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも格段に大きいため、電池容量の大幅な向上が期待されるからである。
負極活物質としてケイ素を用いた場合には、充放電時において負極活物質層が膨張する。この場合には、主に負極活物質層の厚さ方向における応力の影響を受けて押し潰されることにより負極集電体が伸長するため、負極全体にしわが生じやすくなる。負極にしわが生じると、負極集電体の伸長分だけ負極の体積が増大するため、二次電池が膨れやすくなると共に、負極活物質層が微粉化するため、放電容量が低下しやすくなる。このしわの発生を抑えるためには、負極集電体の伸長分に応じたクリアランスを設ければよいが、伸長の度合いによっては大きなクリアランスが必要となり、そのクリアランスがあまり大きくなりすぎると負極の容量不足を招いてしまう。
上記したしわの発生を抑える方法としては、クリアランスを設ける技術以外にも、いくつかの技術が提案されている。具体的には、微細な表面凹凸を有する集電体とシリコンなどの活物質からなる薄膜との間に、空隙を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この空隙の幅は、表面凹凸の谷部に向かうにしたがって広くなっている。また、厚さ方向に変形する変形部を有する集電体を用いることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。この集電体では、変形部の変形量および単位面積当たりの数や、変形部による開口率が規定されている。さらに、所定の実効厚さの凹凸を備えた集電体を用いることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2002−313319号公報 特開2003−017069号公報 特開2005−038797号公報
最近のポータブル電子機器は益々小型化および高性能化する傾向にあることから、二次電池の諸特性に関してより一層の向上が望まれている。具体的には、小型化の要望に応じて二次電池の膨れを抑えつつ、高性能化の要望に応じて放電容量の低下を抑える必要がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることが可能な負極および電池を提供することにある。
本発明の負極は、第1の厚さ部分とそれよりも薄い第2の厚さ部分とを有する帯状の金属箔からなる負極集電体と、その負極集電体に設けられ、ケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層とを含むものである。また、本発明の電池は、正極および負極と共に電解液を備え、負極が、第1の厚さ部分とそれよりも薄い第2の厚さ部分とを有する帯状の金属箔からなる負極集電体と、その負極集電体に設けられ、ケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層とを含むものである。
本発明の負極によれば、第1の厚さ部分とそれよりも薄い第2の厚さ部分とを有する帯状の金属箔からなる負極集電体と、ケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層とを含んでいるので、負極活物質層が膨張した場合においても負極集電体が伸長しにくくなり、しわの発生が抑制される。これにより、本発明の負極を備えた電池では、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る負極の断面構成を表し、図2〜図10は図1に示した負極集電体1の平面構成および断面構成を表している。なお、図2では、(A)に示したIIB−IIB線に沿った断面を(B)に示している。
この負極は、例えば、電池などの電気化学デバイスに用いられるものであり、図1に示したように、対向する一対の面を有する負極集電体1と、それに設けられた負極活物質層2とを含んでいる。この場合には、負極活物質層2が負極集電体1の両面に設けられていてもよいし、片面のみに設けられていてもよい。図1では、前者の場合を示している。
負極集電体1は、図2〜図10に示したように、幅W1(短手方向の寸法)を有する帯状の金属箔である。この負極集電体1は、いわゆる「原箔」であり、後述する電解銅箔の形成前(未処理)の状態の箔である。なお、負極集電体1の長さ(長手方向の寸法)および幅W1は、任意に設定可能である。
負極集電体1を構成する金属材料としては、例えば、電極反応物質と金属間酸化物を形成しない1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。電極反応物質と金属間酸化物を形成すると、電気化学デバイスの動作時(例えば、電池の充放電時)に膨張および収縮して破損するため、集電性が低下すると共に負極活物質層2が剥離しやすくなるからである。この金属元素としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、鉄あるいはクロム(Cr)などが挙げられる。
また、負極集電体1を構成する金属材料としては、例えば、負極活物質層2と合金化する1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。負極集電体1と負極活物質層2との間の密着性が向上するため、その負極活物質層2が負極集電体1から剥離しにくくなるからである。電極反応物質と金属間酸化物を形成せず、しかも負極活物質層2と合金化する金属元素としては、例えば、負極活物質層2の負極活物質がケイ素を構成元素として含有する場合には、銅、ニッケルあるいは鉄などが挙げられる。これらの金属元素は、強度および導電性の観点からも好ましい。
なお、負極集電体1は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。負極集電体1が多層構造である場合には、例えば、負極活物質層2と隣接する層がそれと合金化する金属材料によって構成され、隣接しない層が他の金属材料で構成されるのが好ましい。
負極集電体1は、厚さT1を有する第1の厚さ部分P1と、それよりも薄い厚さT2を有する第2の厚さ部分P2とを有している。この第2の厚さ部分P2は、負極集電体1の幅W1よりも狭い幅W2を有している。負極集電体1が部分的に厚さが薄い部分(第2の厚さ部分P2)を含んでいるのは、電気化学デバイスの動作時に負極集電体1が負極活物質層2の膨張により生じた応力の影響を受けた際に、その負極集電体1が周辺部よりも薄い第2の厚さ部分P2において押し潰されにくくなるため、全体として伸長しにくくなるからである。すなわち、第2の厚さ部分P2は、負極集電体1の伸長を抑制する機能を有する。これにより、負極全体にしわが生じにくくなる。この場合には、第2の厚さ部分P2の幅W2が大きくなるにしたがって伸長抑制機能が働く範囲が広くなる(伸長抑制機能が高まる)ため、負極集電体1がより伸長しにくくなる。
負極集電体1では、その表面に窪みHが設けられることにより、その窪みHの分だけ第2の厚さ部分P2の厚さT2が第1の厚さ部分P1の厚さT1よりも薄くなっている。この場合には、負極集電体1の両面に窪みHが設けられていてもよいし、片面のみに設けられていてもよい。ただし、負極集電体1の伸長をより抑制するためには、両面に窪みが設けられているのが好ましい。図2(B)では、前者の場合を示している。この場合には、窪みH同士が互いに対向していなければならないわけではなく、互いにずれていてもよい。確認までに、負極の設計仕様によっては、その長さが正極よりも長い場合や幅が正極よりも広い場合もあり得るが、それらの場合には、負極集電体1の伸長を効果的に抑制するために、そのうちの正極と対向する領域に窪みHが設けられているのが好ましい。
第2の厚さ部分P2は、第1の厚さ部分P1により四方を囲まれていてもよいし、四方を囲まれていなくてもよい。図2〜図10では、前者の場合を示している。第2の厚さ部分P2が第1の厚さ部分P1により四方を囲まれている場合、負極集電体1の表面上における第2の厚さ部分P2の位置(負極集電体1の端縁から第2の厚さ部分P2までの距離)は、任意に設定可能である。なお、第2の厚さ部分P2が第1の厚さ部分P1により四方を囲まれていない場合には、例えば、第2の厚さ部分P2が負極集電体1の端縁に隣接していてもよいし、負極集電体1の一端縁から反対側の端縁まで延在していてもよい。
第2の厚さ部分P2は、例えば、図2〜図8に示したように、負極集電体1の長手方向に沿った方向に延在していてもよいし、図9および図10に示したように、負極集電体1の長手方向と交差する方向に延在していてもよい。図9では、第2の厚さ部分P2が負極集電体1の長手方向に対して傾斜する方向に延在しており、図10では、第2の厚さ部分P2が負極集電体1の長手方向に対して直交する方向に延在している。この場合には、第2の厚さ部分P2が負極集電体1の長手方向に沿った方向に延在しているのが好ましい。電気化学デバイスに用いられる負極の態様として、負極集電体1が長手方向において巻回された状態で固定される場合には、負極活物質層2の膨張時に長手方向よりも短手方向において伸長しやすい傾向にあることから、負極集電体1の伸長抑制機能を有する第2の厚さ部分P2が伸長方向を横切るように延在することにより、その負極集電体1がより伸長しにくくなるからである。
第2の厚さ部分P2が負極集電体1の長手方向に沿った方向に延在する場合には、図2〜図6に示したように、連続的に(切れ目なく)延在していてもよいし、図7および図8に示したように、断続的に(途中で途切れながら)延在していてもよい。なお、第2の厚さ部分P2が断続的に延在する場合、その断続箇所の数(負極集電体1の長手方向における第2の厚さ部分P2の分割数)は任意に設定可能である。一例として挙げた第2の厚さ部分P2の分割数は、図7において3分割、図8において7分割である。この場合には、第2の厚さ部分P2が連続的に延在しているのが好ましい。第2の厚さ部分P2による伸長抑制機能が働く範囲が広くなるため、負極集電体1がより伸長しにくくなるからである。
第2の厚さ部分P2は、1列のみであってもよいし、複数列に渡って延在していてもよい。第2の厚さ部分P2が複数列に渡って延在する場合、その配列数および列間の間隔などは任意に設定可能である。一例として挙げた第2の厚さ部分P2の配列数は、図2〜図6においてそれぞれ1列〜5列、図7および図8において2列、図9において4列、図10において12列である。この場合には、第2の厚さ部分P2が複数列に渡って配列しているのが好ましい。第2の厚さ部分P2による伸長抑制機能が働く範囲が広くなるため、負極集電体1がより伸長しにくくなるからである。特に、第2の厚さ部分P2の配列数が多くなるにしたがって、負極集電体1が伸長しにくくなる。なお、第2の厚さ部分P2が負極集電体1の長手方向と交差する方向に延在する場合には、負極集電体1の伸長抑制範囲が働く範囲を広くするために、その第2の厚さ部分P2の配列数を多くするのが好ましい。
第1の厚さ部分P1の厚さT1に対する第2の厚さ部分P2の厚さT2の比T2/T1は、1/3以上1未満の範囲内、特に1/3以上24/25以下の範囲内であるのが好ましい。負極集電体1が第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する場合においても、その負極集電体1と負極活物質層2との間において十分な密着性が得られるからである。特に、負極が電池に用いられる場合には、その負極とセパレータとの間においても十分な密着性が得られる。詳細には、比T2/T1が1/3よりも小さくなる(厚さT1,T2間の差が大きくなりすぎる)と、負極活物質層2が負極集電体1から剥離する可能性があり、一方、24/25よりも大きくなる(厚さT1,T2間の差が小さくなりすぎる)と、第2の厚さ部分P2による伸長抑制機能が十分に働かなくなる可能性がある。
この負極集電体1の表面は、粗面化されているのが好ましい。いわゆるアンカー効果によって負極集電体1と負極活物質層2との間の密着性が高まるからである。粗面化の方法としては、例えば、電解処理によって微粒子を形成する方法などが挙げられる。この電解処理とは、電解槽中において電解法によって負極集電体1の表面に微粒子を形成することにより、その表面に凹凸を設ける方法である。この電解処理が施された銅箔は、一般に「電解銅箔」と呼ばれている。
粗面化された負極集電体1の表面の十点平均粗さRzは、例えば、1.5μm以上5μm以下の範囲内であるのが好ましい。十分なアンカー効果が得られるからである。
第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する負極集電体1は、例えば、以下の手順によって作製される。すなわち、まず、全体に渡って厚さT1を有する負極集電体1を準備する。こののち、押圧用の型などを用いて、厚さT2になるまで負極集電体1を部分的に押し潰す。これにより、負極集電体1のうちの押し潰された部分が第2の厚さ部分P2となり、押し潰されなかった部分が第1の厚さ部分P1となる。
負極活物質層2は、負極活物質を含有しており、必要に応じて結着剤や導電剤などを含有していてもよい。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられ、導電剤としては、例えば、黒鉛やアセチレンブラックなどの炭素材料が挙げられる。
負極活物質は、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な負極材料として、ケイ素を構成元素として有する材料を含んでいる。電極反応物質を吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。この負極材料は、ケイ素の単体、合金あるいは化合物であってもよいし、それらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有するものであってもよい。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてよい。なお、本発明における合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。もちろん、本発明における合金は、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらの2種以上が共存するものもある。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル、銅、鉄、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を有するものなどが挙げられる。
ケイ素の化合物としては、例えば、ケイ素以外の構成元素として、酸素および炭素(C)を有するものが挙げられる。なお、ケイ素の化合物は、例えば、ケイ素以外の構成元素として、ケイ素の合金について説明した一連の元素の1種あるいは2種以上を含んでいてもよい。
特に、負極活物質は、さらに、酸素を構成元素として有しているのが好ましい。負極活物質層2の膨張が抑制されるからである。この負極活物質層2では、少なくとも一部の酸素が一部のケイ素と結合しているのが好ましい。この場合には、結合の状態が一酸化ケイ素や二酸化ケイ素であってもよいし、他の準安定状態であってもよい。
負極活物質中における酸素の含有量は、3原子数%以上40原子数%以下の範囲内であるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。詳細には、酸素の含有量が3原子数%よりも少ないと、負極活物質層2の膨張が十分に抑制されず、一方、40原子数%よりも多いと、抵抗が増大するからである。なお、例えば、負極が電池に用いられた場合、電解液の分解により形成される被膜などは負極活物質層2に含めない。すなわち、負極活物質2中における酸素の含有量を算出する場合には、上記した被膜中の酸素は含めない。
負極活物質が酸素を有する負極活物質層2は、例えば、気相法を用いて負極活物質を堆積させる際に、チャンバ内に連続的に酸素ガスを導入することにより形成可能である。特に、酸素ガスを導入しただけでは所望の酸素含有量が得られない場合には、チャンバ内に酸素の供給源として液体(例えば水蒸気など)を導入してもよい。
この負極活物質層2は、例えば、塗布法、気相法、液相法、溶射法、焼成法あるいはそれらの2種以上の方法を用いて形成されている。この場合には、負極活物質層2が気相法により形成されており、それと負極集電体1とが界面の少なくとも一部において合金化しているのが好ましい。具体的には、両者の界面において、負極集電体1の構成元素が負極活物質層2に拡散していてもよいし、負極活物質層2の構成元素が負極集電体1に拡散していてもよいし、両者の構成元素が互いに拡散しあっていてもよい。充放電時の膨張に起因して負極活物質層2が破損しにくくなると共に、負極集電体1と負極活物質層2の間において電子伝導性が向上するからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法、より具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法あるいはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることが可能である。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質と結着材などとを混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が使用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法などが挙げられる。
特に、負極活物質層2は、その厚さ方向において、負極活物質がさらに酸素を構成元素として有する酸素含有層を有し、その酸素含有層における酸素の含有量がそれ以外の層における酸素の含有量よりも高くなっているのが好ましい。負極活物質層2の膨張が抑制されるからである。この酸素含有層以外の層における負極活物質は、酸素を構成元素として有していてもよいし、有していなくてもよい。もちろん、酸素含有層以外の層における負極活物質も酸素を構成元素として有している場合に、その酸素の含有量が酸素含有層における酸素の含有量よりも低くなっていることは言うまでもない。
この場合には、負極活物質層2の膨張をより抑制するために、酸素含有層以外の層における負極活物質も酸素を構成元素として有しており、すなわち負極活物質層2が、第1の酸素含有層(より低い酸素含有量を有する層)と、それよりも酸素の含有量が高い第2の酸素含有層(より高い酸素含有量を有する層)とを有しているのが好ましい。特に、第1の酸素含有層により第2の酸素含有層が挟まれているのが好ましく、第1の酸素含有層と第2の酸素含有層とが交互に繰り返して積層されているのがより好ましい。より高い効果が得られるからである。第1の酸素含有層における酸素の含有量は、できるだけ少ないのが好ましい。第2の酸素含有層における酸素の含有量は、例えば、上記した負極活物質中における酸素の含有量と同様である。
第1の酸素含有層および第2の酸素含有層を有する負極活物質層2は、例えば、気相法を用いて負極活物質を堆積させる際に、チャンバ内に断続的に酸素ガスを導入することにより形成可能である。もちろん、酸素ガスを導入しただけでは所望の酸素含有量が得られない場合には、チャンバ内に液体(例えば水蒸気など)を導入してもよい。
なお、第1の酸素含有層と第2の酸素含有層との間では、酸素の含有量が明確に異なっていてもよいし、明確に異なっていなくてもよい。すなわち、上記した酸素ガスの導入量を連続的に変化させた場合には、酸素の含有量も連続的に変化していてもよい。この場合には、第1の酸素含有層および第2の酸素含有層が「層」というよりもむしろ「層状」をなし、負極活物質層2では厚さ方向において酸素の含有量が高低を繰り返しながら分布する。特に、第1の酸素含有層と第2の酸素含有層との間において、酸素の含有量が段階的あるいは連続的に変化しているのが好ましい。酸素の含有量が急激に変化すると、イオンの拡散性が低下したり、抵抗が増大する可能性があるからである。
この負極は、例えば、以下の手順により製造される。すなわち、まず、第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する負極集電体1を準備する。続いて、必要に応じて、電解処理などを用いて負極集電体1の表面を粗面化する。最後に、気相法などを用いて、負極集電体1の両面にケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層2を形成する。
この負極によれば、負極活物質層2がケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する場合に、帯状の金属箔からなる負極集電体1が第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有しているので、第2の厚さ部分P2による伸長抑制機能によって負極活物質層2が膨張した場合においても負極集電体1が伸長しにくくなり、しわの発生が抑制される。しかも、しわの発生を抑制するためにクリアランスを設ける必要がない。したがって、負極を用いた電気化学デバイスにおいて、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることができる。
特に、第2の厚さ部分P2について、負極集電体1の長手方向に沿って延在し、連続的に延在し、あるいは複数列に渡って延在していれば、より高い効果を得ることができる。この効果は、第1の厚さ部分P1の厚さT1に対する第2の厚さ部分P2の厚さT2の比T2/T1が1/3以上24/25以下の範囲内である場合においても、同様に得られる。
また、負極活物質がさらに酸素を構成元素として有し、負極活物質中における酸素の含有量が3原子数%以上40原子数%以下の範囲内であれば、より高い効果を得ることができる。この効果は、負極活物質層2がその厚さ方向において酸素含有層(それ以外の層よりも酸素の含有量が高い層)を有する場合においても、同様に得られる。
さらに、負極活物質層2と対向する負極集電体1の表面が電解処理で形成された微粒子によって粗面化されていれば、負極集電体1と負極活物質層2との間の密着性を高めることができる。この場合には、負極集電体1の表面の十点平均粗さRzが1.5μm以上5μm以下の範囲内であれば、より高い効果を得ることができる。
次に、上記した負極の使用例について説明する。ここで、電気化学デバイスの一例として電池を例に挙げると、負極は以下のようにして電池に用いられる。
(第1の電池)
図11および図12は第1の電池の断面構成を表しており、図12では図11に示したXII−XII線に沿った断面を示している。ここで説明する電池は、例えば、負極の容量が電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池である。
この二次電池は、電池缶11の内部に、扁平な巻回構造を有する電池素子20が収納されたものである。
電池缶11は、例えば、角型の外装部材である。この角型の外装部材とは、図12に示したように、長手方向における断面が矩形型あるいは略矩形型(一部に曲線を含む)の形状を有するものであり、矩形状の角型電池だけでなくオーバル形状の角型電池も構成するものである。すなわち、角型の外装部材とは、矩形状あるいは円弧を直線で結んだ略矩形状(長円形状)の開口部を有する有底矩形型あるいは有底長円形状型の器状部材である。図12では、電池缶11が矩形型の断面形状を有する場合を示している。この電池缶11を含む電池構造は、いわゆる角型と呼ばれている。
この電池缶11は、例えば、鉄、アルミニウム(Al)あるいはそれらの合金を含有する金属材料により構成されており、負極端子としての機能も有している。この場合には、充放電時に電池缶11の固さ(変形しにくさ)を利用して二次電池の膨れを抑えるために、アルミニウムよりも固い鉄が好ましい。電池缶11が鉄により構成される場合には、例えば、ニッケル(Ni)などのめっきが施されていてもよい。
また、電池缶11は、一端部および他端部がそれぞれ閉鎖および開放された中空構造を有しており、その開放端部に絶縁板12および電池蓋13が取り付けられることにより密閉されている。絶縁板12は、電池素子20と電池蓋13との間に、その電池素子20の巻回周面に対して垂直に配置されており、例えば、ポリプロピレンなどにより構成されている。電池蓋13は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されており、それと同様に負極端子としての機能も有している。
電池蓋13の外側には、正極端子となる端子板14が設けられており、その端子板14は、絶縁ケース16を介して電池蓋13から電気的に絶縁されている。この絶縁ケース16は、例えば、ポリブチレンテレフタレートなどにより構成されている。また、電池蓋13のほぼ中央には貫通孔が設けられており、その貫通孔には、端子板14と電気的に接続されると共にガスケット17を介して電池蓋13から電気的に絶縁されるように正極ピン15が挿入されている。このガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
電池蓋13の周縁付近には、開裂弁18および注入孔19が設けられている。開裂弁18は、電池蓋13と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などに起因して電池の内圧が一定以上となった場合に、電池蓋13から切り離されることにより内圧を開放するようになっている。注入孔19は、例えば、ステンレス鋼球からなる封止部材19Aにより塞がれている。
電池素子20は、セパレータ23を介して正極21および負極22が積層されたのちに渦巻き状に巻回されたものであり、電池缶11の形状に応じて扁平状になっている。正極21の端部(例えば内終端部)にはアルミニウムなどにより構成された正極リード24が取り付けられており、負極22の端部(例えば外終端部)にはニッケルなどにより構成された負極リード25が取り付けられている。正極リード24は、正極ピン15の一端に溶接されることにより端子板14と電気的に接続されており、負極リード25は、電池缶11に溶接されることにより電気的に接続されている。
正極21は、例えば、帯状の正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。この正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。正極活物質層21Bは、正極活物質を含んでおり、必要に応じて結着剤や導電剤などを含んでいてもよい。これらの結着剤や導電剤として用いられる材料は、例えば、上記した負極の場合と同様である。
正極活物質は、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種あるいは2種以上を含んでいる。この正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムあるいはそれらを含む固溶体(Li(Nix Coy Mnz )O2 ;x、yおよびzの値はそれぞれ0<x<1,0<y<1,0<z<1,x+y+z=1である。)や、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn2 4 )あるいはその固溶体(Li(Mn2-v Niv )O4 ;vの値はv<2である。)などのリチウム複合酸化物が挙げられる。また、正極材料としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )などのオリビン構造を有するリン酸化合物も挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。なお、正極材料は、上記した他、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化鉄、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物や、硫黄や、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子であってもよい。
負極22は、例えば、帯状の負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。これらの負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成は、それぞれ上記した負極における負極集電体1および負極活物質層2の構成と同様である。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながら電極反応物質のイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などにより構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。
このセパレータ23には、液状の電解質として電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒と、それに溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒は、例えば、有機溶剤などの非水溶媒の1種あるいは2種以上を含有している。この非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの炭酸エステル系溶媒が挙げられる。優れた容量特性、保存特性およびサイクル特性が得られるからである。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒とを混合したものが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
特に、溶媒は、例えば、ハロゲン化炭酸エステルを含有しているのが好ましい。負極22の表面に安定な被膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。これにより、サイクル特性が向上する。このハロゲン化炭酸エステルとしては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどのハロゲン化環状炭酸エステルや、炭酸フルオロメチルメチルあるいは炭酸ビス(フルオロメチル)などのハロゲン化鎖状炭酸エステルなどが挙げられる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩の1種あるいは2種以上を含んでいる。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )あるいは六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )などが挙げられる。優れた容量特性、保存特性およびサイクル特性が得られるからである。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウムが好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。溶媒中における電解質塩の含有量は、例えば、0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下の範囲内である。優れた容量特性が得られるからである。
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
まず、正極21を作製する。すなわち、正極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードあるいはバーコータなどを用いて正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布したのち、乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などを用いて圧縮成型することにより、正極活物質層21Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
また、上記した負極の作製手順と同様の手順により、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bを形成する。
次に、電池素子20を作製する。すなわち、溶接などにより正極集電体21Aおよび負極集電体22Aにそれぞれ正極リード24および負極リード25を取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21および負極22を積層させたのち、長手方向において渦巻状に巻回させる。最後に、扁平な形状となるように成形することにより、電池素子20を形成する。
最後に、二次電池を組み立てる。すなわち、電池缶11の内部に電池素子20を収納したのち、その電池素子20上に絶縁板12を配置する。続いて、溶接などにより正極リード24および負極リード25をそれぞれ正極ピン15および電池缶11に接続させたのち、レーザ溶接などにより電池缶11の開放端部に電池蓋13を固定する。最後に、注入孔19から電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させたのち、その注入孔19を封止部材19Aで塞ぐ。これにより、図11および図12に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を経由して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、セパレータ23に含浸された電解液を経由して正極21に吸蔵される。
この角型の二次電池によれば、負極活物質層22Bがケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する場合に、負極22として上記した負極を備えているので、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることができる。この場合には、負極活物質が高容量化に有利なケイ素を構成元素として含有する場合に膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上するため、炭素材料などの他の負極材料を含有する場合よりも高い効果を得ることができる。
特に、正極21、負極22および電解液が電池缶11の内部に収納されていれば、膨れ特性をより改善することができる。この場合には、二次電池の電池構造が角型であれば、充放電時に膨れが顕在化しやすいため、著しい効果を得ることができる。しかも、電池缶11がアルミニウムよりも固い鉄などにより構成されていれば、より高い効果を得ることができる。
なお、二次電池に関する他の効果は、上記した負極と同様である。
(第2の電池)
図13は第2の電池の断面構成を表しており、図14は図13に示した巻回電極体40の一部を拡大して示している。この電池は、例えば、上記した第1の電池と同様にリチウムイオン二次電池であり、ほぼ中空円柱状の電池缶31の内部に、正極41および負極42がセパレータ43を介して巻回された巻回電極体40と、一対の絶縁板32,33とが収納されたものである。この電池缶31を含む電池構造は、いわゆる円筒型と呼ばれている。
電池缶31は、例えば、上記した第1の電池における電池缶11と同様の金属材料により構成されており、その一端部および他端部はそれぞれ閉鎖および開放されている。一対の絶縁板32,33は、巻回電極体40を挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶31の開放端部には、電池蓋34と、その内側に設けられた安全弁機構35および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)36とがガスケット37を介してかしめられることにより取り付けられている。これにより、電池缶31の内部は密閉されている。電池蓋34は、例えば、電池缶31と同様の材料により構成されている。安全弁機構35は、熱感抵抗素子36を介して電池蓋34と電気的に接続されている。この安全弁機構35では、内部短絡あるいは外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板35Aが反転することにより電池蓋34と巻回電極体40との間の電気的接続が切断されるようになっている。熱感抵抗素子36は、温度の上昇に応じて抵抗が増大することにより電流を制限し、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット37は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体40の中心には、例えば、センターピン44が挿入されている。この巻回電極体40では、アルミニウムなどにより構成された正極リード45が正極41に接続されており、ニッケルなどにより構成された負極リード46が負極42に接続されている。正極リード45は、安全弁機構35に溶接されることにより電池蓋34と電気的に接続されており、負極リード46は、電池缶31に溶接されることにより電気的に接続されている。
正極41は、例えば、帯状の正極集電体41Aの両面に正極活物質層41Bが設けられたものである。負極42は、例えば、帯状の負極集電体42Aの両面に負極活物質層42Bが設けられたものである。なお、正極集電体41A、正極活物質層41B、負極集電体42A、負極活物質層42Bおよびセパレータ43の構成、ならびに電解液の組成は、上記した第1の電池における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成、ならびに電解液の組成と同様である。
この二次電池は、例えば、以下のようにして製造される。
まず、例えば、上記した第1の電池における正極21および負極22の作製手順と同様の手順により、正極41および負極42を作製する。続いて、正極集電体41Aに正極リード45を取り付けると共に、負極集電体42Aに負極リード46を取り付ける。続いて、正極41および負極42をセパレータ43を介して巻回させることにより巻回電極体40を形成し、正極リード45の先端部を安全弁機構35に溶接すると共に負極リード46の先端部を電池缶31に溶接したのち、巻回電極体40を一対の絶縁板32,33で挟みながら電池缶31の内部に収納する。続いて、電池缶31の内部に電解液を注入してセパレータ43に含浸させる。最後に、電池缶31の開口端部に電池蓋34、安全弁機構35および熱感抵抗素子36をガスケット37を介してかしめることにより固定する。これにより、図13および図14に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極41からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極42に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極42からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極41に吸蔵される。
この円筒型の二次電池によれば、負極活物質層42Bがケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する場合に、負極42として上記した負極を備えているので、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることができる。これ以外の効果は、上記した第1の電池と同様である。
(第3の電池)
図15は第3の電池の分解斜視構成を表し、図16は図15に示したXVI−XVI線に沿った断面を拡大して示している。この電池は、正極リード51および負極リード52が取り付けられた巻回電極体50がフィルム状の外装部材60の内部に収納されたものである。この外装部材60を含む電池構造は、いわゆるラミネートフィルム型と呼ばれている。
正極リード51および負極リード52は、例えば、いずれも外装部材60の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード51は、例えば、アルミニウムなどの金属材料により構成されており、負極リード52は、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。これらは、例えば、薄板状あるいは網目状の構造を有している。
外装部材60は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムがこの順に貼り合わされたアルミラミネートフィルムにより構成されている。この外装部材60は、例えば、ポリエチレンフィルムが巻回電極体50と対向するように、2枚の矩形型のアルミラミネートフィルムの外縁部同士が融着あるいは接着剤によって互いに接着された構造を有している。
外装部材60と正極リード51および負極リード52との間には、外気の侵入を防止するために密着フィルム61が挿入されている。この密着フィルム61は、正極リード51および負極リード52に対して密着性を有する材料により構成されている。この種の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
なお、外装部材60は、上記したアルミラミネートフィルムに代えて、他の積層構造を有するラミネートフィルムにより構成されていてもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成されていてもよい。
電極巻回体50は、正極53および負極54がセパレータ55および電解質56を介して積層されたのちに巻回されたものであり、その最外周部は保護テープ57により保護されている。
正極53は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体53Aの両面に正極活物質層53Bが設けられたものである。負極54は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体54Aの両面に負極活物質層54Bが設けられたものであり、その負極活物質層54Bは、正極活物質層53Bと対向するように配置されている。なお、正極集電体53A、正極活物質層53B、負極集電体54A、負極活物質層54Bおよびセパレータ55の構成は、第1の電池における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
電解質56は、電解液と、それを保持する高分子化合物とを含んでおり、いわゆるゲル電解質である。ゲル電解質は、高いイオン伝導率(例えば室温で1mS/cm以上)が得られると共に漏液が防止されるので好ましい。この電解質56は、例えば、正極53とセパレータ55との間および負極54とセパレータ55との間に設けられている。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンあるいはポリカーボネートなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、高分子化合物としては、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。電気化学的に安定化するからである。
電解液の組成は、第1の電池における電解液の組成と同様である。ただし、この場合の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有するものまで含む広い概念である。したがって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、電解液を高分子化合物に保持させたもの(電解質56)に代えて、電解液がそのまま用いられてもよい。この場合には、電解液がセパレータ55に含浸される。
このゲル状の電解質56を備えた電池は、例えば、以下のようにして製造される。
まず、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を調製し、正極53および負極54のそれぞれに塗布したのちに混合溶剤を揮発させることにより、ゲル状の電解質56を形成する。続いて、正極集電体53Aに正極リード51を取り付けると共に、負極集電体54Aに負極リード52を取り付ける。続いて、電解質56が形成された正極53および負極54をセパレータ55を介して積層させたのち、長手方向に巻回させると共に最外周部に保護テープ57を接着させることにより、巻回電極体50を形成する。続いて、例えば、外装部材60の間に巻回電極体50を挟み込み、その外装部材60の外縁部同士を熱融着などで密着させることにより巻回電極体50を封入する。その際、正極リード51および負極リード35と外装部材60との間に、密着フィルム61を挿入する。これにより、図15および図16に示した二次電池が完成する。
なお、上記した電池は、以下のようにして製造されてもよい。まず、正極53および負極54にそれぞれ正極リード51および負極リード52を取り付けたのち、それらの正極53および負極54をセパレータ55を介して積層および巻回させると共に最外周部に保護テープ57を接着させることにより、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成する。続いて、外装部材60の間に巻回体を挟み込み、一辺の外周縁部を除く残りの外周縁部を熱融着などで密着させることにより、袋状の外装部材60の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製し、袋状の外装部材60の内部に注入したのち、外装部材60の開口部を熱融着などで密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質56を形成する。これにより、図15および図16に示した二次電池が完成する。
このラミネートフィルム型の二次電池によれば、負極活物質層54Bがケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する場合に、負極54として上記した負極を備えているので、膨れ特性を改善すると共にサイクル特性を向上させることができる。これ以外の効果は、上記した第1の電池と同様である。
本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1)
以下の手順により、図15および図16に示したラミネートフィルム型の二次電池を製造した。この際、負極54の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
まず、正極53を作製した。すなわち、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。続いて、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。最後に、帯状のアルミニウム箔(12μm厚)からなる正極集電体53Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層53Bを形成した。こののち、正極集電体53Aの一端に、アルミニウム製の正極リード51を溶接して取り付けた。
次に、負極54を作製した。すなわち、第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有する負極集電体54Aとして、図3に示した集電体構造を有する帯状の銅箔を準備した。この際、負極集電体54Aの構成条件として、厚さT1=18μm,比T2/T1=24/25,幅W1=30mm,幅W2=5mmとした。続いて、負極集電体54Aの表面に電解処理を施して粗面化した。この場合には、電解槽中においてやけめっきによって銅箔からなる負極集電体54Aの表面に島状に銅微粒子を成長させたのち、かぶせめっきによって負極集電体1の表面を全体に渡って被覆することにより、その銅微粒子を固定した。この際、負極集電体54Aの表面の十点平均粗さRzを3.5μmとした。最後に、チャンバ内に連続的に酸素ガスおよび必要に応じて水蒸気を導入しながら、偏向式電子ビーム蒸着源を用いた電子ビーム蒸着法によって負極集電体54Aの両面にケイ素を堆積させることにより、そのケイ素と共に酸素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層54Bを形成した。この際、蒸着源として純度99%のケイ素を用い、堆積速度を100nm/秒としたと共に、負極活物質中における酸素の含有量を3原子数%とした。完成した負極54について、FIB(Focused Ion Beam etching)法によって断面を露出させたのち、オージェ電子分光法(auger electron spectroscopy :AES)によって局所元素分析を行ったところ、負極集電体54Aと負極活物質層54Bとの界面において両者の構成元素が拡散しあっており、すなわち合金化していることが確認された。こののち、負極集電体54Aの一端に、ニッケル製の負極リード52を溶接して取り付けた。
次に、正極53と、多孔性のポリプロピレンを主成分とするフィルムにより多孔性ポリエチレンを主成分とするフィルムが挟まれた3層構造のポリマーセパレータ55(23μm厚)と、負極54とをこの順に積層し、長手方向に渦巻状に多数回巻回させたのち、粘着テープからなる保護テープ57で巻き終わり部分を固定することにより、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成した。続いて、外側から、ナイロン(30μm厚)と、アルミニウム(40μm厚)と、無延伸ポリプロピレン(30μm厚)とが積層された3層構造のラミネートフィルム(総厚100μm)からなる外装部材60の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺を除く外縁部同士を熱融着することにより、袋状の外装部材60の内部に巻回体を収納した。続いて、外装部材60の開口部から電解液を注入してセパレータ55に含浸させることにより、巻回電極体50を形成した。
この電解液を調製する際には、溶媒として4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)と炭酸ジエチル(DEC)とを混合した混合溶媒を用い、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を用いた。この際、混合溶媒の組成(FEC:DEC)を重量比で50:50とし、電解質塩の濃度を1mol/kgとした。
最後に、真空雰囲気中において外装部材60の開口部を熱融着して封止することにより、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。
(実施例1−2〜1−15)
比T2/T1を24/25に代えて、17/18(実施例1−2)、8/9(実施例1−3)、15/18(実施例1−4)、7/9(実施例1−5)、13/18(実施例1−6)、2/3(実施例1−7)、11/18(実施例1−8)、5/9(実施例1−9)、1/2(実施例1−10)、4/9(実施例1−11)、7/18(実施例1−12)、1/3(実施例1−13)、5/18(実施例1−14)あるいは2/9(実施例1−15)としたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。
(比較例1)
負極集電体54Aとして、全体に渡って一律な厚さT1(=18μm)を有する帯状の銅箔を用いたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。
これらの実施例1−1〜1−15および比較例1の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表1に示した結果が得られた。
膨れ特性を調べる際には、以下の手順よって二次電池を充電させることにより、膨れ率を求めた。まず、電池状態を安定化させるために23℃の雰囲気中において1サイクル充放電させたのち、2サイクル目の充電前の厚さを測定した。続いて、同雰囲気中において再び充電させたのち、2サイクル目の充電後の厚さを測定した。最後に、膨れ率(%)=[(充電後の厚さ−充電前の厚さ)/充電前の厚さ]×100を算出した。この際、充電条件としては、3mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに到達するまで充電したのち、引き続き4.2Vの定電圧で電流密度が0.3mA/cm2 に到達するまで充電した。また、放電条件としては、3mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに到達するまで放電した。
サイクル特性を調べる際には、以下の手順によって二次電池を充放電させることにより、放電容量維持率を求めた。まず、膨れ特性を調べた場合と同様に、電池状態を安定化させるために23℃の雰囲気中において1サイクル充放電させたのち、再び充放電させることにより、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、同雰囲気中において99サイクル充放電させることにより、101サイクル目の放電容量を測定した。最後に、放電容量維持率(%)=(101サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。この際、充放電条件としては、膨れ特性を調べた場合と同様にした。
なお、膨れ特性およびサイクル特性を調べる際の手順および条件等は、以降の一連の実施例および比較例に関する同特性の評価についても同様である。
Figure 2008153015
表1に示したように、図3に示した集電体構造を有する負極集電体54Aを用いた実施例1−1〜1−15では、それを用いなかった比較例1よりも膨れ率が大幅に減少したと共に放電容量維持率が大幅に増加した。このことから、負極集電体54Aを備えた二次電池では、第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有するように負極集電体54Aを構成することにより、膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例1−1〜1−15では、比T2/T1が小さくなるにしたがって、膨れ率は単調に減少する傾向を示し、放電容量維持率は増加したのちに減少する傾向を示した。この場合には、比T2/T1が1/3よりも小さくなると、放電容量維持率が極端に減少した。このことから、上記した二次電池では、比T2/T1が1/3以上1未満の範囲内であり、特に1/3以上24/25以下の範囲内であれば、より高い効果が得られることが確認された。
(実施例2−1〜2−8)
負極集電体54Aの集電体構造を図3に代えて、図2(実施例2−1)、図4(実施例2−2)、図5(実施例2−3)、図6(実施例2−4)、図7(実施例2−5)、図8(実施例2−6)、図9(実施例2−7)あるいは図10(実施例2−8)としたことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
これらの実施例2−1〜2−8の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表2に示した結果が得られた。なお、表2には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表2に示したように、集電体構造が異なる実施例2−1〜2−8においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有する二次電池では、集電体構造を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、膨れ率が減少すると共に放電容量維持率が増加する効果は、以下の傾向を示した。第1に、第2の厚さ部分P2の延在方向に着目すると、負極集電体54Aの延在方向に対して直交する方向に延在する実施例2−8、傾斜する方向に延在する実施例2−7、沿った方向に延在する実施例2−1〜2−6の順に、より高い効果が得られた。第2に、第2の厚さ部分P2の延在の仕方に着目すると、断続的に延在する実施例2−5,2−6よりも連続的に延在する実施例2−1〜2−5において、より高い効果が得られた。第3に、第2の厚さ部分P2が負極集電体54Aの延在方向に沿った方向に延在する場合に、その第2の厚さ部分P2の配列数に着目すると、その配列数が1列である実施例2−1、2列である実施例1−5、3列である実施例2−2、4列である実施例2−3、5列である実施例2−4の順に、より高い効果が得られた。第4に、第2の厚さ部分P2が断続的に延在する場合に、その分割数に着目すると、7分割である実施例2−6よりも3分割である実施例2−5において、より高い効果が得られた。これらのことから、より高い効果を得るためには、第2の厚さ部分P2について、負極集電体54Aの延在方向に沿った方向に延在し、連続的であり、配列数が多いのが好ましいと共に、断続的である場合には分割数が多いのが好ましいことが確認された。
(実施例3−1〜3−4)
第1の厚さ部分P1の厚さT1を18μmに代えて、9μm(実施例3−1)、12μm(実施例3−2)、15μm(実施例3−3)あるいは24μm(実施例3−4)としたことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
これらの実施例3−1〜3−4の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表3に示した結果が得られた。なお、表2には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表3に示したように、厚さT1が異なる実施例3−1〜3−4においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有する二次電池では、その第1の厚さ部分P1の厚さT1を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例1−5,3−1〜3−4では、厚さT1が厚くなるにしたがって、膨れ率はほぼ一定であったが、放電容量維持率は増加する傾向を示した。このことから、上記した二次電池では、第1の厚さ部分P1の厚さT1が厚くなれば、より高い効果が得られることが確認された。
(実施例4−1〜4−4)
第1の厚さ部分P1の幅W1に対する第2の厚さ部分P2の幅W2の比W2/W1を5/30に代えて、1/30(実施例4−1)、2.5/30(実施例4−2)、8/30(実施例4−3)あるいは10/30(実施例4−4)としたことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
これらの実施例4−1〜4−4の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表4に示した結果が得られた。なお、表4には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表4に示したように、比W2/W1が異なる実施例4−1〜4−4においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する二次電池では、比W2/W1を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例1−5,4−1〜4−4では、比W2/W1が大きくなるにしたがって、膨れ率は減少する傾向を示し、放電容量維持率は増加する傾向を示した。このことから、上記した二次電池では、比W2/W1が大きくなれば、より高い効果が得られることが確認された。
(実施例5−1〜5−3)
電子ビーム蒸着法に代えて、RFマグネトロンスパッタ法を用いて負極活物質層54Bを形成したことを除き、実施例1−2,1−5,1−9と同様の手順を経た。この際、純度99.99%のケイ素をターゲットとして用い、堆積速度を0.5nm/秒とした。
(実施例5−4〜5−6)
電子ビーム蒸着法に代えて、CVD法を用いて負極活物質層54Bを形成したことを除き、実施例1−2,1−5,1−9と同様の手順を経た。この際、原材料および励起ガスとしてそれぞれシラン(SiH4 )およびアルゴン(Ar)を用い、堆積速度および基板温度をそれぞれ1.5nm/秒および200℃とした。
(実施例5−7〜5−9)
電子ビーム蒸着法に代えて、焼結法を用いて負極活物質層54Bを形成したことを除き、実施例1−2,1−5,1−9と同様の手順を経た。この負極活物質層54Bを形成する場合には、負極活物質としてケイ素粉末(平均粒径=1μm)90質量部と、結着剤としてポリイミド10質量部とを混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーとした。そして、負極集電体54Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、真空雰囲気中において220℃で12時間に渡って加熱した。
これらの実施例5−1〜5−9の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表5に示した結果が得られた。なお、表5には、実施例1−2,1−5,1−9および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表5に示したように、負極活物質層54Bの形成方法が異なる実施例5−1〜5−9においても、実施例1−2,1−5,1−9と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。これらの実施例5−1〜5−9では、膨れ率および放電容量維持率が比T2/T1ごとに実施例1−2,1−5,1−9とほぼ同等であった。しかも、実施例5−1〜5−9では、実施例1−2,1−5,1−9と同様に、比T2/T1が小さくなるにしたがって膨れ率が減少すると共に放電容量維持率が増加する傾向を示した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する二次電池では、負極活物質層54Bの形成方法を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
(実施例6−1〜6−4)
負極集電体54Aの表面の十点平均粗さを3.5μmに代えて、1μm(実施例6−1)、1.5μm(実施例6−2)、5μm(実施例6−3)あるいは5.5μm(実施例6−3)としたことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
これらの実施例6−1〜6−4の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表6に示した結果が得られた。なお、表6には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表6に示したように、十点平均粗さRzが異なる実施例6−1〜6−4においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有する二次電池では、その負極集電体54Aの表面の十点平均粗さRzを変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例1−5,6−1〜6−4では、十点平均粗さRzが大きくなるにしたがって、膨れ率は一定であったが、放電容量維持率は増加したのちに減少する傾向を示した。この場合には、十点平均粗さRzが1.5μmよりも小さくなるか、5μmよりも大きくなると、放電容量維持率が極端に減少した。このことから、上記した二次電池では、十点平均粗さRzが1.5μm以上5μm以下の範囲内であれば、より高い効果が得られることが確認された。
(実施例7−1〜7−8)
負極活物質中における酸素の含有量を3原子数%に代えて、2原子数%(実施例7−1)、5原子数%(実施例7−2)、10原子数%(実施例7−3)、20原子数%(実施例7−4)、30原子数%(実施例7−5)、40原子数%(実施例7−6)あるいは50原子数%(実施例7−7)としたことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
これらの実施例7−1〜7−8の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表7に示した結果が得られた。なお、表7には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表7に示したように、酸素の含有量が異なる実施例7−1〜7−7においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1とそれよりも薄い第2の厚さ部分P2とを有する二次電池では、負極活物質中における酸素の含有量を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例1−5,7−1〜7−7では、酸素の含有量が多くなるにしたがって、膨れ率は減少する傾向を示し、放電容量維持率は増加したのちに減少する傾向を示した。この場合には、含有量が3原子数%よりも少なくなるか、40原子数%よりも多くなると、放電容量維持率が極端に減少した。このことから、上記した二次電池では、負極活物質中における酸素の含有量が3原子数%以上40原子数%以下の範囲内であれば、より高い効果が得られることが確認された。
(実施例8−1〜8−3)
チャンバ内に連続的に酸素ガス等を導入しながらケイ素を堆積させることにより負極活物質に酸素を含有させる代わりに、チャンバ内に断続的に酸素ガス等を導入しながらケイ素を堆積させることにより、第1の酸素含有層とそれよりも酸素の含有量が高い第2の酸素含有層とが交互に積層された負極活物質層54Bを形成したことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。この際、第2の酸素含有層における酸素の含有量を3原子数%としたと共に、その第2の酸素含有層の層数を2層(実施例8−1)、4層(実施例8−2)あるいは6層(実施例8−3)とした。
これらの実施例8−1〜8−3の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表8に示した結果が得られた。なお、表8には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表8に示したように、負極活物質層54Bが第1の酸素含有層と第2の酸素含有層とを有する実施例8−1〜8−3においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する二次電池では、第1の酸素含有層と第2の酸素含有層とを有するように負極活物質層54Bを構成した場合においても、膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例8−1〜8−3では、実施例1−5よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。この場合には、特に、第2の酸素含有層の層数が2層である実施例8−1、4層である実施例8−2、6層である実施例8−3の順に、膨れ率が減少すると共に放電容量維持率が増加する傾向を示した。このことから、上記した二次電池では、第1の酸素含有層と第2の酸素含有層とを有するように負極活物質層54Bを構成することにより、より高い効果が得られると共に、第2の酸素含有層の層数を増やせば、さらに高い効果が得られることが確認された。
(実施例9−1)
以下の手順により、ラミネートフィルム型の二次電池に代えて、図11および図12に示した角型の二次電池を製造したことを除き、実施例1−5と同様の手順を経た。
まず、正極21および負極22を作製したのち、正極集電体21Aおよび負極集電体22Aにそれぞれアルミニウム製の正極リード24およびニッケル製の負極リード25を溶接した。続いて、正極21と、セパレータ23と、負極22とをこの順に積層し、長手方向において渦巻き状に多数回に渡って巻回させたのち、扁平状に成形することにより、電池素子20を作製した。続いて、アルミニウム製の電池缶11の内部に電池素子20を収納したのち、その電池素子20上に絶縁板12を配置した。続いて、正極リード24および負極リード25をそれぞれ正極ピン15および電池缶11に溶接したのち、電池缶11の開放端部に電池蓋13をレーザ溶接して固定した。最後に、注入孔19を通じて電池缶11の内部に電解液を注入し、その注入孔19を封止部材19Aで塞ぐことにより、角形電池が完成した。
(実施例9−2)
アルミニウム製の電池缶11に代えて、鉄製の電池缶11を用いたことを除き、実施例9−1と同様の手順を経た。
これらの実施例9−1,9−2の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表9に示した結果が得られた。なお、表9には、実施例1−5および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表9に示したように、電池構造が異なる実施例9−1,9−2においても、実施例1−5と同様に、比較例1よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。このことから、負極集電体54Aが第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を有する二次電池では、電池構造を変更した場合においても膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上することが確認された。
また、実施例9−1,9−2では、実施例1−5よりも膨れ率が減少したと共に放電容量維持率が増加した。この場合には、特に、電池缶11がアルミニウム製である実施例9−1よりも鉄製である実施例9−2において、膨れ率が大幅に減少すると共に放電容量維持率が大幅に増加する傾向を示した。このことから、上記した二次電池では、電池構造を角型とすることにより、より高い効果が得られると共に、鉄製の電池缶11を用いれば、さらに高い効果が得られることが確認された。なお、ここでは具体的な実施例を挙げて説明しないが、外装部材が金属材料からなる角型の二次電池においてラミネートフィルム型の二次電池よりも膨れ特性が改善されたと共にサイクル特性が向上したことから、外装部材が金属材料からなる円筒型の二次電池においても同様の結果が得られることは明らかである。
(比較例10−1)
負極活物質としてケイ素に代えて、炭素材料を用いて負極活物質層54Bを形成したことを除き、比較例1と同様の手順を経た。この負極活物質層54Bを形成する場合には、負極活物質としてメソフェーズ炭素マイクロビーズ(平均粒径=25μm)87質量部および黒鉛粉末3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の負極合剤スラリーとした。そして、負極集電体54Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型した。
(比較例10−2〜10−4)
比較例10−1と同様の手順により負極活物質層54Bを形成したと共に、負極集電体54Aとして全体に渡って一律な厚さT1(=18μm)を有する帯状の銅箔を用いたことを除き、実施例1−2,1−5,1−9と同様の手順を経た。
これらの比較例10−1〜10−4の二次電池について膨れ特性およびサイクル特性を調べたところ、表10に示した結果が得られた。なお、表10には、実施例1−2,1−5,1−9および比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2008153015
表10に示したように、負極活物質が炭素材料を含有する比較例10−2〜10−4では、負極集電体54Aに第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を設けても、膨れ率および放電容量維持率は比較例10−1とほぼ同等であった。これに対して、負極活物質がケイ素を含有する実施例1−2,1−5,1−9では、負極集電体54Aに第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を設けることにより、比較例1よりも膨れ率が大幅に減少したと共に放電容量維持率が大幅に増加した。この結果は、負極活物質が炭素材料を含有する場合には、充放電時に負極活物質層54Bがほとんど膨張しないため、膨れ率および放電容量維持率が負極集電体54Aの集電体構造の影響をほとんど受けないことを表している。これらのことから、負極集電体54Aに第1の厚さ部分P1および第2の厚さ部分P2を設けることにより膨れ特性が改善されると共にサイクル特性が向上する効果は、負極活物質が炭素材料を含有する場合にはほとんど発揮されず、ケイ素を含有する場合に顕著に発揮されることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記した実施の形態および実施例では、電池の種類として、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。本発明の電池は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分とリチウムの析出および溶解に基づく容量成分とを含み、かつ、それらの容量成分の和により表される二次電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態または実施例では、電池構造が角型、円筒型およびラミネートフィルム型である場合、ならびに電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げて説明したが、本発明の電池は、コイン型あるいはボタン型などの他の電池構造を有する場合や、電池素子が積層構造などの他の構造を有する場合についても同様に適用可能である。また、本発明の電池は、二次電池に限らず、一次電池などの他の種類の電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他の1A族元素や、マグネシウム(Mg)あるいはカルシウム(Ca)などの2A族元素や、アルミニウムなどの他の軽金属を用いてもよい。これらの場合においても、負極活物質として、上記した実施の形態で説明した負極材料を用いることが可能である。
また、上記した実施の形態および実施例では、本発明の電池における比T2/T1について、実施例の結果から導き出された数値範囲を適正範囲として説明しているが、その説明は、比T2/T1が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本発明の効果が得られるのであれば、比T2/T1が上記した範囲から多少外れてもよい。このことは、上記した比T2/T1に限らず、負極集電体の表面の十点平均粗さおよび負極活物質中における酸素の含有量についても同様である。
本発明の一実施の形態に係る負極の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第1の構成を表す平面図および断面図である。 図1に示した負極集電体の第2の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第3の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第4の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第5の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第6の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第7の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第8の構成を表す断面図である。 図1に示した負極集電体の第9の構成を表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る負極を備えた第1の電池の構成を表す断面図である。 図11に示した第1の電池のXII−XII線に沿った断面図である。 本発明の一実施の形態に係る負極を備えた第2の電池の構成を表す断面図である。 図13に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る負極を備えた第3の電池の構成を表す断面図である。 図15に示した巻回電極体のXVI−XVI線に沿った断面図である。
符号の説明
1,22A,42A,54A…負極集電体、2,22B,42B,54B…負極活物質層、11,31…電池缶、12,32…絶縁板、13,34…電池蓋、14…端子板、15…正極ピン、16…絶縁ケース、17,37…ガスケット、18…開裂弁、19…注入孔、19A…封止部材、20…電池素子、21,41,53…正極、21A,41A,53A…正極集電体、21B,41B,53B…正極活物質層、22,42,54…負極、23,43,55…セパレータ、24,45,51…正極リード、25,46,52…負極リード、35…安全弁機構、36…熱感抵抗素子、40,50…巻回電極体、44…センターピン、56…電解質、57…保護テープ、60…外装部材、H…窪み、P1…第1の厚さ部分、P2…第2の厚さ部分、T1,T2…厚さ、W1,W2…幅。

Claims (22)

  1. 第1の厚さ部分とそれよりも薄い第2の厚さ部分とを有する帯状の金属箔からなる負極集電体と、
    その負極集電体に設けられ、ケイ素(Si)を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層と
    を含むことを特徴とする負極。
  2. 前記第2の厚さ部分は、前記負極集電体の長手方向に沿った方向に延在することを特徴とする請求項1記載の負極。
  3. 前記第2の厚さ部分は、前記負極集電体の長手方向と交差する方向に延在することを特徴とする請求項1記載の負極。
  4. 前記第2の厚さ部分は、連続的あるいは断続的に延在することを特徴とする請求項1記載の負極。
  5. 前記第2の厚さ部分は、複数列に渡って延在することを特徴とする請求項1記載の負極。
  6. 前記第1の厚さ部分の厚さT1に対する前記第2の厚さ部分の厚さT2の比T2/T1は、1/3以上24/25以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の負極。
  7. 前記負極活物質は、さらに、酸素(O)を構成元素として有し、
    前記負極活物質中における酸素の含有量は、3原子数%以上40原子数%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1記載の負極。
  8. 前記負極活物質層は、その厚さ方向において、前記負極活物質がさらに酸素を構成元素として有する酸素含有層を有し、
    前記酸素含有層における酸素の含有量は、それ以外の層における酸素の含有量よりも高い
    ことを特徴とする請求項1記載の負極。
  9. 前記負極活物質層と対向する前記負極集電体の表面は、電解処理で形成された微粒子によって粗面化されていることを特徴とする請求項1記載の負極。
  10. 前記負極集電体の表面の十点平均粗さRzは、1.5μm以上5μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項9記載の負極。
  11. 正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
    前記負極は、
    第1の厚さ部分とそれよりも薄い第2の厚さ部分とを有する帯状の金属箔からなる負極集電体と、
    その負極集電体に設けられ、ケイ素を構成元素として有する負極活物質を含有する負極活物質層と
    を含むことを特徴とする電池。
  12. 前記第2の厚さ部分は、前記負極集電体の長手方向に沿った方向に延在することを特徴とする請求項11記載の電池。
  13. 前記第2の厚さ部分は、前記負極集電体の長手方向と交差する方向に延在することを特徴とする請求項11記載の電池。
  14. 前記第2の厚さ部分は、連続的あるいは断続的に延在することを特徴とする請求項11記載の電池。
  15. 前記第2の厚さ部分は、複数列に渡って延在することを特徴とする請求項11記載の電池。
  16. 前記第1の厚さ部分の厚さT1に対する前記第2の厚さ部分の厚さT2の比T2/T1は、1/3以上24/25以下の範囲内であることを特徴とする請求項11記載の電池。
  17. 前記負極活物質は、さらに、酸素を構成元素として有し、
    前記負極活物質中における酸素の含有量は、3原子数%以上40原子数%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項11記載の電池。
  18. 前記負極活物質層は、その厚さ方向において、前記負極活物質がさらに酸素を構成元素として有する酸素含有層を有し、
    前記酸素含有層における酸素の含有量は、それ以外の層における酸素の含有量よりも高い
    ことを特徴とする請求項11記載の電池。
  19. 前記負極活物質層と対向する前記負極集電体の表面は、電解処理で形成された微粒子によって粗面化されていることを特徴とする請求項11記載の電池。
  20. 前記負極集電体の表面の十点平均粗さRzは、1.5μm以上5μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項11記載の電池。
  21. 前記正極、前記負極および前記電解液は、角型あるいは円筒型の外装部材の内部に収納されていることを特徴とする請求項11記載の電池。
  22. 前記外装部材は、鉄(Fe)あるいは鉄合金を含有することを特徴とする請求項21記載の電池。
JP2006338558A 2006-12-15 2006-12-15 負極および電池 Pending JP2008153015A (ja)

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