JP5623892B2 - 2軸延伸白色ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
1.ボイド形成剤を含有するポリエステル組成物からなる光反射層と、下記の方法により求められるS10強度が98N/mm2以上の粒子を実質的に含有せず、S10強度が98N/mm 2 未満の粒子を含有するポリエステル組成物からなる支持層とを有するフィルムであって、支持層が該フィルムの少なくとも一方の最表層にあり、該支持層の表面における高さ0.1μm以上のうねりの個数が1〜300個/200μmであり、反射率が90%以上である2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
[S10強度の測定方法]
島津製作所社製の微小圧縮試験機MCTM2000を用いて粒子1個に対し、一定の負荷速度で9.8mN(1gf)まで荷重をかけたときの粒径の変形量と荷重を測定し、粒径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子半径を次式:
S10強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×(粒子半径(mm))2}
に算入して得られる値として求めた。なお、1kgf=9.8Nとして求めた。
[S10強度の測定条件]
・試料調製;各粒子をそれぞれエタノール中に分散させた後、試料台に塗布乾燥し、測定用試料を調製した。
・試験温度;常温
・試験用圧子;平面50(直径50μmの平面圧子)
・試験種類;圧縮試験(MODE1)
・試験荷重;1.00(gf)
・負荷速度;0.072500(gf/秒)
・変位フルスケール;10(μm)
2.少なくとも一方の最表層にある支持層の厚みが1〜25μmである上記1に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
3.光反射層が含有するボイド形成剤が無機粒子であり、かかる無機粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、含有量が光反射層の質量を基準として31〜60質量%である上記1または2に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
4.光反射層の両面に支持層を有する上記1〜3のいずれか1に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
5.反射板として用いられる上記1〜4のいずれか1に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
6.サイドライト方式バックライトユニットの反射板として用いられる上記5に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
本発明の2軸延伸白色ポリエステルフィルムは、光反射層と支持層とを有する。
本発明における光反射層は、ボイド形成剤をポリエステルに含有させたポリエステル組成物からなる。光反射層は、ボイド形成剤をポリエステル中に含有させることによって白色を呈し、光反射効果を奏する層である。
光反射層のポリエステルとしては、熱可塑性ポリエステルが好ましい。この熱可塑性ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いることが好ましい。ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。これらのポリエステルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、ホモポリマーであってもよいが、共重合ポリマーが好ましい。共重合ポリマーである場合、共重合成分としては、上記ジカルボン酸成分およびジオール成分を例示することができ、好ましくはイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。また、共重合成分の割合は、全酸成分を基準として、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%、さらに好ましくは3〜13モル%、特に好ましくは9〜13モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることによって、光反射層について優れた製膜性を得ることができ、熱寸法安定性に優れたフィルムを得ることできる。
本発明における光反射層は、ボイド形成剤を含有する。ボイド形成剤としては、光反射層を形成するポリエステルに添加して、延伸工程や加熱工程を経ることによりフィルム内部にボイドを形成し、反射効果を奏し得るものであれば特に限定はされないが、後述する無機粒子や、ポリエステルと非相溶な樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)が好ましい。なかでも、ボイドの形成がしやすく、反射率の向上効果を高くでき、また支持層表面におけるうねりを形成しやすいという観点から、無機粒子が好ましい。
光反射層においてボイド形成剤として用いる無機粒子としては、具体的には、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子、二酸化珪素粒子、炭酸カルシウム粒子等を例示することができる。なかでも、ボイドをより形成しやすく、また反射率の向上効果をより高くできるという観点から、硫酸バリウム粒子が好ましい。
光反射層においてボイド形成剤として用いる非相溶樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、または環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられる。これらは単独重合体であっても共重合体であっても良く、また2種類以上を併用しても良い。特にポリエステルとの臨界表面張力差が大きく、延伸後の熱処理によって変形しにくい樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂、中でもポリメチルペンテンや環状ポリオレフィンが特に好ましい。
支持層は、S10強度が98N/mm2(10kgf/mm2)以上の粒子を実質的に含有しないポリエステル組成物からなる。
支持層を形成するポリエステル組成物におけるポリエステルとしては、熱可塑性ポリエステルが好ましく、光反射層のポリエステルと同様のジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを好ましく用いることができる。これらのポリエステルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、ホモポリマーであってもよいし共重合ポリマーであってもよい。ホモポリマーや共重合割合が少ないポリエチレンテレフタレートであると、フィルムの耐熱性を向上することができ、たわみ等を改善することができる。他方、共重合割合を多くすると、製膜性に優れる。このような観点から、共重合成分の割合は、全酸成分を基準として、好ましくは0〜12モル%、より好ましくは0.1〜5モル%、さらに好ましくは0.2〜1モル%、特に好ましくは0.2〜0.5モル%である。なお、共重合ポリマーとする場合は、光反射層のポリエステルと同様の共重合成分を用いることができるが、支持層のポリエステルは、光反射層のポリエステルと同じ組成のものであっても良いし、異なる組成のものであっても良い。
本発明においては、支持層に無機粒子や有機粒子などの粒子を添加しなくとも、光反射層のボイド形成剤が形成するボイドによって支持層表面に後述するうねりが形成されるため、滑り性が確保でき、フィルムロール体として巻き取る事が容易となる。また、導光板との接触が抑制されるため、導光板の傷付きが抑制できる。
本発明における支持層は、後述する方法により求められるS10強度が98N/mm2(10kgf/mm2)以上の粒子を実質的に含有しない。ここで、粒子を実質的に含有しないとは、支持層における粒子の含有量が1000ppm以下であることを示す。光散乱や反射率などの光学特性、および導光板の傷付き抑制効果を考慮すると、粒子は少ないほど好ましく、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下であり、粒子を含有しない態様(0ppm)が最も好ましい。この範囲であると光散乱の影響を受け難いため光学特性においては良好となる。また、上記のようなS10強度の高い粒子の含有量が少ないことにより、導光板の傷付きを抑制することができる。導光板の傷付き抑制の観点からは、S10強度が49N/mm2(5kgf/mm2)以上の粒子を実質的に含有しないことが好ましく、S10強度が29.4N/mm2(3kgf/mm2)を超える粒子を実質的に含有しないことがさらに好ましい。
(光拡散度)
フィルムの一方の最表層にある支持層表面における光拡散度は、光ロスを抑制して輝度の向上効果を高くできるという観点から、変角光度計で測定した際の半値幅が5〜15°であることが好ましい。更に好ましくは5〜10°である。この範囲よりも大きいと拡散度が大きくなり、輝度としては低下し、またこの範囲よりも狭い際には光拡散力に劣り、部分的な輝度斑になり易い。かかる半値幅は、光反射層におけるボイド形成剤の態様を調整することにより達成することができる。例えば、ボイドのサイズを大きくしたり量を多くしたりすると、半値幅は大きくなる傾向にある。好ましくは、本発明が好ましく規定するボイド形成剤の態様を採用すればよい。
本発明の2軸延伸白色ポリエステルフィルムは、反射面側となる支持層表面において測定した波長550nmにおける反射率が、90%以上であり、このような態様とすることにより、バックライトユニットにおいて、また液晶表示装置において優れた輝度を得ることができる。反射率は、95%以上がより好ましく、96%以上がさらに好ましく、97%以上が特に好ましい。かかる反射率は、光反射層におけるボイドの態様や、支持層における粒子の態様を調整することにより達成することができる。例えば、反射層におけるボイドを増やしたり、支持層における粒子を調整して表面を平滑にすると、反射率は向上する傾向にある。好ましくは、それぞれ本発明における好ましい態様を採用すればよい。
本発明の2軸延伸白色ポリエステルフィルムは、後述する測定方法で得られる輝度が5400cd/m2以上であることが好ましく、5500cd/m2以上であることがより好ましく、バックライトユニット用として優れる。輝度の達成方法は、反射率の達成方法と同様であり、反射率を向上させる方向が、輝度向上の方向である。
本発明の2軸延伸白色ポリエステルフィルムは、フィルムの少なくとも一方の最表層にある支持層表面における中心線平均表面粗さRaが、30〜160nmであることが好ましい。このような粗さとすることによって、導光板の傷付き抑制の向上効果と、反射率の向上効果とを同時に向上させることができる。また、滑り性の向上効果を高くすることができる。Raが小さすぎると、導光板の傷付き抑制の向上効果が小さくなる傾向にある。また、滑り性の向上効果が小さくなる傾向にある。他方、Raが大きすぎると、反射率の向上効果が小さくなる傾向にある。このような観点から、Raは、より好ましくは40〜150nm、さらに好ましくは50〜140nmである。かかるRaは、支持層表面におけるうねりの態様や、支持層が含有する粒子の態様を調整することによって達成することができる。
本発明の2軸延伸白色ポリエステルフィルムは、少なくとも1層の光反射層、および少なくとも1層の支持層を有する。光反射層および支持層は、それぞれ複数層を有していても良い。
以下、本発明のフィルムを製造する方法の一例を説明する。以下、ポリマーのガラス転移温度をTg、融点をTmということがある。
なお、PETはポリエチレンテレフタレート、IPAはイソフタル酸を意味する。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%としたときのサンプルフィルムの反射率を波長550nmで測定した。
作成したフィルムを、実際に液晶表示装置におけるバックライトユニットの反射板として用いたときの輝度を評価した。ソニー(株)製32インチテレビ(ブラビアEX7)からバックライトユニットを取り出し、かかるバックライトユニットの反射フィルムを取り外し、かわりに評価対象のサンプルフィルムを設置し、輝度計(大塚電子製Model MC−940)を用いて、バックライトユニットの中心を真正面より測定距離500mmで輝度を測定した。なお、測定に用いたバックライトユニットの構成は、図1のようになる。
ソニー(株)製32インチテレビ(ブラビアEX7)で使用されている導光板上に、10cm角に裁断した反射フィルムを、反射面側としての支持層側が導光板側となるように乗せ、次いで反射フィルム上に300gの荷重を掛けて1cm/秒の速度で移動させた後、導光板表面の状態を20倍にてルーペを用いて観測し、傷の有無を確認した。傷が見えた場合を「有」、傷が見えない場合を「無」と評価した。
粒度分布計(堀場製作所製LA−950)にて、粒子の粒度分布を求め、d50での粒径を平均粒径とした。
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率500倍にて、フィルムの断面を観察し、測定数5点の平均にてフィルムの各層の厚みを求め、そこから厚み比を算出した。
接触式厚み計(アンリツ製 K−402B)を用いてフィルム厚みを測定した。
2枚のフィルムを用意し、それらの表裏を合わせ、ASTM D1894に準拠して測定し、静摩擦係数(μs)を測定した。
変角光度計(村上色彩研究所製ゴニオフォトメーターGP−200)を用い、光学フィルターND1、42Lフィルターを挿入し、試料に対し、75°で入射し、受光角度20〜85°の範囲で受光し、半値幅を測定した。なお、支持層表面を測定面とした。
粒子のS10強度は、島津製作所社製の微小圧縮試験機MCTM2000を用いて粒子1個に対し、一定の負荷速度で9.8mN(1gf)まで荷重をかけたときの粒径の変形量と荷重を測定し、粒径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子半径を次式:
S10強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×(粒子半径(mm))2}
に算入して得られる値として求めた。なお、1kgf=9.8Nとして求めた。
[S10強度の測定条件]
・試料調製;以下の実施例及び比較例で得られた各粒子をそれぞれエタノール中に分散させた後、試料台に塗布乾燥し、測定用試料を調製した。
・試験温度;常温
・試験用圧子;平面50(直径50μmの平面圧子)
・試験種類;圧縮試験(MODE1)
・試験荷重;1.00(gf)
・負荷速度;0.072500(gf/秒)
・変位フルスケール;10(μm)
走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡)を用い、倍率1000倍にて、フィルム面内の任意の方向とそれに直交する方向において、フィルム厚み方向の断面を観察した。ここで、フィルム断面観測用サンプルは、フィルムをエポキシ包埋後、ミクロトームによりスライスして作成した。フィルム最表層にある支持層表面に観測される凸部について、該凸部と最隣接する2つの凹部の極小点を直線で結びベースラインとし、凸部の極大点と該ベースラインとの距離をうねりの高さとした。観測は、上記直交する2つの方向に各々100μmずつ、合計200μmの長さにおいて実施し、その中における高さ0.1μm以上の凸部の個数をカウントし、高さ0.1μm以上のうねりの個数とした。
小坂研究所製の表面粗さ計(ET−30HK)を用い、JIS B0601−1976に基づき、カットオフ0.25mmで測定した。
測定サンプル0.3gに対し、o−クロロフェノール25ml加え100℃で溶解し、溶解後25℃に冷却された状態で測定した。なお、無機粒子を含んでいるものは、o−クロロフェノールに溶解後、遠心分離装置(日立工機製CF−15RXII型)を用いて12000rpmにて30分間遠心分離を行い、無機粒子とo−クロロフェノールに溶解したポリエステルとを分離した後、固有粘度を測定、算出した。固有粘度は下記換算式にて求めた。
固有粘度=測定値/{(100−無機粒子濃度)/100}
(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の合成)
テレフタル酸ジメチル133.5質量部、イソフタル酸ジメチル16.5質量部(得られるポリエステルの全酸成分を基準に11モル%となる)、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1を得た。このポリマーの固有粘度は0.72dl/gであった。この樹脂を光反射層のポリエステルとして用いた。
またテレフタル酸ジメチル149.5質量部、イソフタル酸ジメチル0.5質量部(得られるポリエステルの全酸成分を基準に0.3モル%となる)に変更した他は同様にして重合を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を得た。このポリマーの固有粘度は0.71dl/gであった。この樹脂を支持層のポリエステルとして用いた。
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の一部、および平均粒径1.0μmの硫酸バリウム粒子を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が63質量%となるように混合し、樹脂温度270℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の無機粒子マスターチップ1を作成した。作成したマスターチップの固有粘度は0.59dl/gであった。
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を用いる以外は、無機粒子マスターチップ1と同様にして、硫酸バリウム粒子含有の無機粒子マスターチップ2を作成した。作成したマスターチップの固有粘度は0.59dl/gであった。
上記で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と無機粒子マスターチップ1を光反射層(B層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2と無機粒子マスターチップ2を支持層(A層)の原料としてそれぞれ用い、それぞれの層が表1に記載した構成となるように混合し、押出機に投入し、表2に示すごとくA層/B層/A層となるような3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときA層/B層/A層の厚み比が2軸延伸後に5/90/5となるように各押出機の吐出量で調整した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、94℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に3.0倍に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら110℃の余熱ゾーンを通して127℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.7倍に延伸した。その後テンター内で191℃で熱固定を行い、幅入れ率2%、幅入れ温度140℃で横方向の幅入れを行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2%で熱弛緩し、室温まで冷やして二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示す。
表1に示す炭酸カルシウム粒子、ポリメチルペンテン、SBX−12(積水化成品工業製、架橋ポリスチレン樹脂粒子)、BM30X−15(積水化成品工業製、架橋アクリル樹脂粒子)について、上述の硫酸バリウム粒子のマスターチップと同様にして、それぞれマスターチップを作成し、それを用いて参考例1と同様にして表1、2に示す通りのフィルムを作成した。得られたフィルムの特性を表2に示す。
参考例1〜6、実施例7,8で得られたフィルムは、表に示すごとく、各特性に優れるものであった。
比較例1〜4で得られたフィルムは、反射率(輝度)が低いものであったり、滑り性が悪かったり、導光板の傷付きが生じたりするものであった。また、比較例5においては、フィルム破断多発により製膜できなかった。
2 光源
3 導光板
4 拡散フィルム
5 プリズムシート
6 反射偏光フィルム
61 輝度測定面
Claims (6)
- ボイド形成剤を含有するポリエステル組成物からなる光反射層と、下記の方法により求められるS10強度が98N/mm2以上の粒子を実質的に含有せず、S10強度が98N/mm 2 未満の粒子を含有するポリエステル組成物からなる支持層とを有するフィルムであって、支持層が該フィルムの少なくとも一方の最表層にあり、該支持層の表面における高さ0.1μm以上のうねりの個数が1〜300個/200μmであり、反射率が90%以上である2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
[S10強度の測定方法]
島津製作所社製の微小圧縮試験機MCTM2000を用いて粒子1個に対し、一定の負荷速度で9.8mN(1gf)まで荷重をかけたときの粒径の変形量と荷重を測定し、粒径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子半径を次式:
S10強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×(粒子半径(mm))2}
に算入して得られる値として求めた。なお、1kgf=9.8Nとして求めた。
[S10強度の測定条件]
・試料調製;各粒子をそれぞれエタノール中に分散させた後、試料台に塗布乾燥し、測定用試料を調製した。
・試験温度;常温
・試験用圧子;平面50(直径50μmの平面圧子)
・試験種類;圧縮試験(MODE1)
・試験荷重;1.00(gf)
・負荷速度;0.072500(gf/秒)
・変位フルスケール;10(μm) - 少なくとも一方の最表層にある支持層の厚みが1〜25μmである請求項1に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
- 光反射層が含有するボイド形成剤が無機粒子であり、かかる無機粒子の平均粒径が0.1〜3.0μmであり、含有量が光反射層の質量を基準として31〜60質量%である請求項1または2に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
- 光反射層の両面に支持層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
- 反射板として用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
- サイドライト方式バックライトユニットの反射板として用いられる請求項5に記載の2軸延伸白色ポリエステルフィルム。
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