JP5621692B2 - 太陽電池バックシート用フィルム、それを用いた太陽電池バックシート、および太陽電池 - Google Patents

太陽電池バックシート用フィルム、それを用いた太陽電池バックシート、および太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、薄くても高部分放電電圧を有する太陽電池バックシート用フィルム、それを用いた太陽電池バックシートおよびそれを用いた太陽電池に関するものである。
近年、半永久的で無公害の次世代のエネルギー源としてクリーンエネルギーである太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池は急速に普及しつつある。
一般的な太陽電池の代表構成を図1に示す。太陽電池は、発電素子3をEVA(エチレン−ビニルアセテート共重合体)などの透明な充填材2により封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、バックシート1と呼ばれる樹脂シートを張り合わせて構成される。太陽光は透明基板4を通じて太陽電池内に導入される。太陽電池内に導入された太陽光は、発電素子3にて吸収され、吸収された光エネルギーは、電気エネルギーに変換される。変換された電気エネルギーは発電素子3に接続したリード線(図1には示していない)にて取り出されて、各種電気機器に使用される。ここで、バックシート1とは太陽に対して、発電素子3よりも背面側に設置され、発電素子3とは直接接していないシート部材のことである。この太陽電池のシステムや各部材について、種々の提案がなされているが、バックシート1については、ポリエチレン系やポリエステル系、フッ素系の樹脂製のフィルムが主に用いられている。(特許文献1〜3参照)
ここで、太陽電池は一般家庭や公共施設などの屋根に取り付けられたり、大規模発電として広大な敷地内に設置され、耐候性、光反射性、耐電気特性、密着性などの諸特性が要求される。特に、太陽電池システム作動時に高い電圧が長期間かかるため、太陽電池の電気的な安全性に大きな注意が払われるようになり、バックシートには耐電気特性が高いことが望まれる。耐電気特性に劣ると、太陽電池システム作動時に部分放電と呼ばれるフィルム内部での微小電荷の放電が発生し、これが延々と続くとバックシートを構成する樹脂の化学的な劣化が進行する。部分放電現象により化学的な劣化が進行すると、落雷などでシステムに瞬間的に高電圧がかかった場合に、絶縁破壊を発生する可能性がある。したがって、バックシートとしては部分放電現象の発生を少しでも抑えるために、部分放電現象の発生する電圧(以後、「部分放電電圧」と称する)を高めることが要求されている。
加えて、太陽電池システムの省スペース化、軽量化の観点から、バックシートの薄型化が望まれている。そのため、フィルム表面を凹凸形状に加工し、高低差を設けることで部分放電電圧を高める検討(特許文献4参照)や、公知の方法によりフィルム内部に気泡を生成させることで部分放電電圧を高める検討(例えば、特許文献5参照)が行われている。
特開平11−261085号公報 特開平11−186575号公報 特開2006−270025号公報 特開2008−305822号公報 特開2004−339403号公報
しかしながら、近年、太陽電池の電気的な安全性に大きな注意が払われるようになり、特許文献4および5の従来のフィルムの部分放電電圧よりも高い部分放電電圧を有したフィルムが求められている。フィルムのマトリックス樹脂とは非相溶な樹脂の添加量を増加させ、部分放電電圧を向上させる従来の方法では、機械強度などの機械特性が低下する問題があった。このため、機械特性を低下させることなく部分放電電圧を向上させるには、単純にフィルムの厚みを厚くすることで単位体積あたりに受ける電界量を見かけ上低減させる方法がある。しかし、フィルムの厚みを厚くすることで部分放電電圧を向上させる方法では、部分放電電圧を100V向上させるためには、フィルム厚みを50μm厚くする必要がある。このため、例えば、フィルム厚みが50μmであり、部分放電電圧が500Vのフィルムの部分放電電圧を10%向上させるためには、フィルム厚みを約25μm厚くしなければ達成できない。
従って、フィルムの薄型化に限界があり、高い部分放電電圧、薄型化の両立が困難であった。
そこで、本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、薄くても高い部分放電電圧を有する太陽電池バックシート用フィルム、それを用いた太陽電池バックシートおよびそれを用いた太陽電池を提供せんとするものである。すなわち、本発明は、樹脂(A)を用いてなる気泡含有層(P1層)を有するフィルムであって、P1層が樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)を含有し、該熱可塑性樹脂(B)の含有量がP1層の総重量に対して4重量%以上15重量%以下であり、該気泡が下記(1)〜(3)を満たす太陽電池バックシート用フィルムならびにそれを用いてなる太陽電池バックシートおよび太陽電池である。
(1)平均最大垂直弦長が1μm以上であること。
(2)平均アスペクト比(平均最大水平弦長(μm)/平均最大垂直弦長(μm))が6以上であること。
(3)P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が5個以上10個以下であること。
本発明によれば、薄くても高い部分放電電圧を満足する太陽電池バックシート用フィルムを提供することができる。さらには、かかる太陽電池バックシート用フィルムを用いることで、高い耐久性を有した太陽電池バックシートおよびそれを用いた太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池の概略断面図である。 本発明の太陽電池バックシート用フィルムのフィルム面に垂直な方向における断面の電子顕微鏡写真である。 公知の太陽電池バックシート用フィルムのフィルム面に垂直な方向における断面の電子顕微鏡写真である。
本発明は、前記課題、つまり薄くても高い部分放電電圧と優れた機械特性を有する太陽電池バックシート用フィルムについて鋭意検討した結果、樹脂(A)を用いてなる気泡含有層(P1層)を有するフィルムであって、P1層が樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)を含有し、該熱可塑性樹脂(B)の含有量がP1層の総重量に対して4重量%以上15重量%以下であり、該気泡が下記(1)〜(3)を満たすことによって、上記課題を一挙に解決することを究明したものである。
(1)平均最大垂直弦長が1μm以上であること。
(2)平均アスペクト比(平均最大水平弦長/平均最大垂直弦長)が6以上であること。
(3)P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が5個以上
10個以下であること。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、樹脂(A)を用いてなる気泡含有層(P1層)中の気泡の平均最大垂直弦長が1μm以上である必要がある。
P1層中の気泡の平均最大垂直弦長の上限は特に設けられるものではないが、4μm以下であることが好ましい。P1層中の気泡の平均最大垂直弦長を4μm以下とすることにより、該太陽電池バックシート用フィルムの機械特性を良好とすることができるので好ましい。
また、P1層中の気泡の平均最大垂直弦長が1μm未満の場合には、該フィルムに高電圧を印加した場合に気泡のフィルム厚み方向における一端から他端への部分放電を抑制することが出来ず、耐電気特性をフィルムに付与できない。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、P1層中の気泡の平均最大垂直弦長を1μm以上とすることにより、耐電気特性に優れた太陽電池バックシート用フィルムを得ることが出来る。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、気泡の平均アスペクト比(平均最大水平弦長/平均最大垂直弦長)は6以上である必要がある。好ましくは10以上である。平均アスペクト比の上限は特に設けられるものではないが、17以下であることが好ましい。平均アスペクト比が17を超えると、製膜延伸時にフィルム破れが生じやすくなり好ましくない。また、平均アスペクト比が6未満では、フィルム厚み方向の誘電率が低く絶縁性能の劣る部分が生じやすくなる。そのため、該フィルムに高電圧を印加した場合に、この絶縁性能の劣る部分における部分放電現象の発生を抑制することができなく好ましくない。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が5個以上10個以下である必要がある。好ましくは、P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が7個以上8個以下の範囲である。P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が5個未満であると、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向における気泡が少ないために、厚み方向におけるフィルムの誘電率が高くなり、十分な耐電気特性が得られない。
P1層における、フィルム厚み方向10μmあたりの扁平気泡の平均存在個数が10個を超えると、該太陽電池バックシート用フィルムの機械特性が低くなってしまい、該フィルムを用いたバックシートを太陽電池に組み込んで使用した際に、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、運搬時の振動や、運搬、施工時の作業中に何らかの荷重がかかった場合)に、バックシートが破断することがある。P1層における、フィルム厚み方向10μmあたりの扁平気泡の平均存在個数を5個以上10個以下の範囲とすることで、機械特性と耐電気特性に優れた太陽電池バックシート用フィルムを得ることが出来る。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、P1層における空孔率が25体積%以上65体積%以下であることが好ましい。
P1層における空孔率は、より好ましくは13体積%以上40体積%以下、さらに好ましくは13体積%以上35体積%以下である。最も好ましくは13体積%以上25体積%以下である。P1層における空孔率が40体積%以下とすることにより、良好な機械特性を有する太陽電池バックシート用フィルムを得ることができ、該フィルムを用いたバックシートを太陽電池に組み込んで使用した際に、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、運搬時の振動や、運搬、施工時の作業中に何らかの荷重がかかった場合)に、バックシートの破断を抑制することができるため好ましい。さらに、長期使用した際、該フィルムを用いたバックシートを有する太陽電池の使用中に、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、落石などが太陽電池に当たった場合など)に、バックシートの破断を抑制することができる。さらに、延伸工程にてフィルム破れが頻発せず、生産性にも優れる。また、P1層における空孔率が13体積%以上であると、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向において十分な気泡含有量を得られ、フィルム厚み方向において低誘電率とすることができ、太陽電池バックシート用フィルムに高電圧を印加した場合においても、絶縁性能の劣る部分への電界の集中を抑えることでき、部分放電現象の発生を抑制することができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムのP1層の厚みは、20μm以上400μm以下が好ましく、25μm以上240μm以下がより好ましい。P1層の厚みが20μm以上であると、P1層に十分な量の気泡ができ、フィルム厚み方向において低誘電性を得ることができ、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量を低減させて、部分放電現象の発生を抑制することができるため好ましい。一方、400μm以下であると、良好な機械特性を有する太陽電池バックシート用フィルムを得ることができ、また製膜性も良好であるため好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを構成する樹脂(A)としては、溶融押出しによってフィルムを形成し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミドおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等を挙げることができる。特に、本発明においては、機械特性や製膜性が良好である点より、樹脂(A)が結晶性ポリエステル樹脂(a1)であることが好ましい。本発明における結晶性ポリエステル樹脂(a1)とは、1)二官能のカルボン酸成分もしくはそのエステル形成性誘導体(以下、「カルボン酸成分」と総称する)と二官能のアルコール成分の重縮合、2)一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体骨格と水酸基を有する化合物の重縮合、および1)2)の組み合わせの総称である。
1)において、かかる結晶性ポリエステル樹脂(a1)を構成する二官能のカルボン酸成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体などが代表例としてあげられるがこれらに限定されない。
また、1)においてかかる結晶性ポリエステル樹脂(a1)を構成する二官能のアルコール成分として、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、述のアルコール成分のヒドロキシ末端にジオール類を付加させたアルコール成分も好ましく用いられる。また、2)における、一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体骨格と水酸基を有する化合物としては、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸など二官能のオキシ酸類、リンゴ酸、ヒドロキグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸などの三官能以上のオキシ酸類、およびその誘導体、そのオキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させた化合物等があげられる。
上述の化合物を適宜組み合わせて、重縮合させることで本発明における結晶性ポリエステル樹脂(a1)を得ることができる。なお、上記共重合成分に限られず、多官能の共重合成分などを含んでいても構わない。反応触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などの公知のものを用いることができる。好ましくは、通常ポリエステルの製造方法が完結する以前の任意の段階に置いて、重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物を例に取ると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂(a1)における結晶性とは、JIS K7122(1999)に準じて、昇温速度20℃/minで25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)して得られる示差走査熱量測定チャートにおいて、融解に伴う吸熱ピークが観察される樹脂のことである。より詳しくは、結晶融解ピーク温度(TmA)における吸熱ピークの面積から求められる融解熱量ΔHmAが10J/g以上の樹脂を結晶性樹脂とする。好ましくは融解熱量ΔHmAが20J/g以上、より好ましくは30J/g以上である。融解熱量ΔHmAが10J/gを下回ると、延伸、熱処理を行ったといえども十分な配向結晶化部を形成できることはなく、ポリマーの結晶部が少なくなり、密度が低く水分が浸入しやすい非晶部が多いため、耐湿熱性に劣るものとなる。また、フィルムの耐熱性、寸法安定性の面でも好ましくない結果となり易い。結晶性を有する樹脂を用いることで、延伸、熱処理による配向結晶化をもより高めることが可能となり、その結果、より機械特性、寸法安定性に優れたポリエステルフィルムとすることができる。
結晶性ポリエステル樹脂(a1)の中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレートおよびこれら混合物からなるものが好適に用いられ、より好ましくは製膜性が良好という点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、P1層が熱可塑性樹脂(B)を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂(B)としては、樹脂(A)と同一ではなく、かつ樹脂(A)に非相溶であって、溶融混練後、フィルム化した状態において相分離構造を示す樹脂が好適に用いられる。
本発明の効果を十分得るためには、ポリメチルペンテン樹脂(b1)や環状ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が特に良い。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)の含有量は、P1層の総重量に対して4重量%以上15重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、5重量%以上10重量%以下である。
前記含有量が4重量%以上であれば、P1層に十分な空孔率を得られ、十分な低誘電率を得ることができ、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量を低減させて、部分放電現象の発生を抑制することができるため好ましい。一方、15重量%以下であれば、良好な機械特性を有する太陽電池バックシート用フィルムを得ることができ、該フィルムを用いたバックシートを太陽電池に組み込んで使用した際に、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、運搬時の振動や、運搬、施工時の作業中に何らかの荷重がかかった場合)に、バックシートの破断を抑制することができるため好ましい。さらに、長期使用した際、該フィルムを用いたバックシートを有する太陽電池の使用中に、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、落石などが太陽電池に当たった場合など)に、バックシートの破断を抑制することができる。さらに、延伸工程にてフィルム破れが頻発せず、生産性にも優れる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、一軸、もしくは二軸に延伸されていることが好ましい。例えば、フィルム内部に熱可塑性樹脂(B)を含有せしめた場合には、延伸することにより、樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との界面剥離により気泡を生成せしめ、さらに平均アスペクト比が6以上の気泡とすることができる。また、炭酸ガスなどの気体を注入して押出発泡させて気泡を生成せしめた場合においても、延伸することにより、発泡により生成した球状の気泡を平均アスペクト比が6以上の気泡とすることができる。平均アスペクト比平均アスペクト比が6以上の気泡とすることにより、樹脂(A)および他の添加粒子に比べて誘電率の低い気泡をより充填させることが可能となり、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向における気泡の割合を増加させることができ、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量を低減させることが可能となる。その結果、高電圧を印加した場合においても、絶縁性能の劣る部分への電界の集中を抑えることが可能となり、部分放電現象の発生を抑制することができる。より好ましくは、耐電気特性、機械特性、耐熱性がより優れるという点で、二軸に延伸されていることが好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、2層以上の複合フィルムよりなり、少なくとも1層がP1層であることが好ましい。P1層を内層とし、P1層の片側に位置する層(P2層)を他フィルムとラミネートせしめる構成、または両側に位置するP2層の少なくとも一方を他フィルムとラミネートせしめる構成など、何れの構成でも構わないが、P1層の両側にP2層を設ける構成が、バックシートのラミネート強度を低下させず、耐久性に優れるという点で好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、P2層を構成する樹脂(以後、樹脂(C))としては、溶融押出しによってフィルムを形成し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、樹脂(A)として上記した樹脂、あるいはこれら混合物等を用いることができる。特に、本発明においては、機械特性、製膜性、層間密着性が良好である点より、樹脂(A)に用いる樹脂と同様であることが好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法としては、以下の工程をその順に有する製造方法が好ましい。
(工程1)樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を押出機内で溶融せしめ、これら混合物の未延伸シートを得る工程。
(工程2)該未延伸シートを一軸または二軸に延伸し、延伸シートを得る工程。
(工程3)該延伸シートを、(1−1)式を満足する温度Th(℃)で熱処理する工程。
TmB+5≦Th≦TmA−5 (1−1)
ただし、樹脂(A)の融点をTmA(℃)、熱可塑性樹脂(B)の融点をTmB(℃)、熱処理温度をTh(℃)とする。
以下、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法の詳細を説明する。
P1層の製造方法は、P1層用原料の樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を均一に混合した原料を押出機に投入し、該押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。その他の方法として、P1層用原料の樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を均一に混合した原料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
また、P1層にP2層を積層する方法は、二つ以上の押出機を用い、一つの押出機にP1層用原料の樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を均一に混合した原料を投入し、その他の押出機にP2層用原料の樹脂(C)を投入し、溶融状態でP1層とP2層を合流させ、口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したP1層にP2層用原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、P1層とP2層それぞれ別々に作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、接着剤を介して張り合わせる方法(接着法)、その他、P2層用原料を溶媒に溶解・分散させ、その塗液をあらかじめ作製していたP1層上に塗布する方法(コーティング法)、およびこれらを組み合わせた方法等が使用することができる。
また、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおいて、P1層および/またはP2層として、一軸もしくは、二軸延伸されたフィルム基材を選択した場合、その製造方法として、まず、押出機(共押出法で積層する場合は複数台の押出機)に原料を投入し、溶融して口金から押出し(共押出法で積層する場合は共押出)し、冷却した表面温度を10℃以上60℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。
この未延伸フィルムを一軸または二軸延伸することによって、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを得ることが可能となる。なお、二軸延伸する方法としては、長手方向と幅方向の延伸とを分離して行う逐次二軸延伸方法の他に、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらであっても構わない。
逐次二軸延伸法により、二軸延伸する場合は、上述の未延伸フィルムをP1層のガラス転移温度Tg+1℃以上Tg+60℃以下の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2.0倍以上5倍以下より好ましくは3.0倍以上4.5倍以下に延伸し、20℃以上50℃以下の温度のロール群で冷却する。縦方向の延伸倍率が2.0倍以上であると、P1層に十分な空孔率を得られ、十分な低誘電率を得ることができ、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量を低減させて、部分放電現象の発生を抑制することができるため好ましい。一方、縦方向の延伸倍率が5倍以下であれば、延伸工程にてフィルム破れが頻発せず、生産性に優れるため好ましい。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、P1層のガラス転移温度Tg+1℃以上Tg+70℃以下の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に2.0以上5倍以下より好ましくは3.0倍以上4.5倍以下に延伸する。幅方向の延伸倍率が2.0倍以上であると、P1層に十分な空孔率を得られ、十分な低誘電率を得ることができ、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量を低減させて、部分放電現象の発生を抑制することができるため好ましい。一方、幅方向の延伸倍率が5倍以下であれば、延伸工程にてフィルム破れが頻発せず、生産性に優れるため好ましい。
より好ましくは、長手方向には、P1層のTg+1℃以上Tg+15℃以下、幅方向にはP1層のTg+5℃以上Tg+30℃以下の温度範囲とすることで、P1層を高配向としつつ、良好にP2層を共延伸することが可能となる。
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ2.0倍以上5倍以下とするが、その面積倍率(縦延伸倍率*幅延伸倍率)は4.0倍以上15倍以下であることが好ましい。面積倍率が4.0倍以上であると、得られる太陽電池バックシート用フィルムのP1層に十分な空孔率を得られ、十分な耐電気特性が得ることができるため好ましい。また、十分な機械強度を有し、平面性にも優れる。また、面積倍率が15倍以下であると、延伸時に破れが頻発せず、生産性に優れるため好ましい。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて熱可塑性樹脂(B)の融点TmB+5℃以上、樹脂(A)の融点TmA−5℃以下の温度にて1秒以上30秒以下の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却する。
熱可塑性樹脂(B)の融点TmB+5℃以上で熱処理を実施することにより、P1層の気泡の平均アスペクト比を6以上とすることができ、熱可塑性樹脂(B)を含有する気泡においては、樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を通しての部分放電現象の発生を抑制することができ、フィルムに優れた耐電気特性を付与することができるため好ましい。樹脂(A)の融点TmA−5℃以下の温度において熱処理を実施することにより、延伸工程により生成させた気泡を潰すことなく、空孔率の大きいフィルムを得ることができるため、フィルムの厚み方向の誘電率を低くでき、十分な耐電気特性が得られる。よって、太陽電池バックシート用フィルムの厚さ方向に高電圧が印加された時に、フィルムの厚み方向の単位体積あたりに受ける電界量の十分な低減効果が得られ、その結果、高電圧を印加した場合においても、絶縁性能の劣る部分への電界の集中を抑えることができ、部分放電現象の発生を抑制することができる。さらに、フィルムの平面性の悪化も起こらない。
また、上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。さらに、平均アスペクト比を上げる観点より、本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、上記製膜工程の他に再熱処理工程を施してもよい。
続いて必要に応じて、異素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを形成することができる。
また、他のフィルムを積層する場合は前記の共押出法のほか、作製したフィルム上に他の熱可塑性樹脂を溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと他の樹脂からなるフィルムとを熱圧着する方法(熱ラミネート法)、本発明の太陽電池バックシート用フィルムと他の樹脂からなるフィルムとを接着剤を介して貼り合わせる方法(接着法)、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの表面に別の材料を塗布して積層する方法(コーティング法)およびこれらを組み合わせた方法等を使用することができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、フィルム厚みが薄くても優れた耐電気特性、機械特性を有する特徴を生かして、太陽電池バックシートの用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の太陽電池用バックシートについて詳細に説明する。
本発明の太陽電池用バックシートの構成は、上述の太陽電池バックシート用フィルムを用いていれば任意の構成を用いることができ、本発明の太陽電池バックシート用フィルムに発電素子を封止するエチレン−ビニルアセテート共重合体(以下EVAと略すことがある。)等の封止材との密着性を向上させる封止材密着層、封止材密着層との密着性を挙げるためのアンカー層、水蒸気バリア層、紫外線劣化を防ぐための紫外線吸収層、発電効率を高めるための光反射層、意匠性を発現させるための光吸収層、各層を接着するための接着層などを形成させることによって本発明の太陽電池用バックシートを構成する。また、本発明の太陽電池バックシート用フィルムのみで太陽電池用バックシートとして用いられることもある。
封止材密着層は発電素子を封止するEVA系樹脂などの封止材との密着性を向上させる層であって、最も発電素子に近い側に設置され、バックシートとシステムとの接着に寄与する。その材料は封止材との密着性が発現されれば特に制限はなく、例えばEVAや、EVAとエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂などの混合物が好ましく用いられる。また、必要に応じて封止材密着層のバックシートへの密着性を向上させるため、アンカー層を形成することも好ましく行われる。その材料は封止材密着層との密着性が発現されれば特に制限はなく、例えばアクリル樹脂やポリエステルなど樹脂を主たる構成成分とする混合物が好ましく用いられる。
水蒸気バリア層は太陽電池を構成した際に発電素子の水蒸気の劣化を防ぐため、バックシート側からの水蒸気の進入を防ぐための層である。酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物やアルミニウム等の金属層を真空蒸着やスパッタリングなどの周知の方法でフィルム表面に設けることにより形成される。その厚みは通常100オングストローム以上200オングストローム以下の範囲であるのが好ましい。この場合、本発明の太陽電池バックシート用フィルム上に直接ガスバリア層を設ける場合と別のフィルムにガスバリア層を設け、このフィルムを本発明のフィルム表面に積層する場合いずれも好ましく用いられる。また、金属箔(たとえばアルミ箔)をフィルム表面に積層する方法も用いることができる。この場合の金属箔の厚さは10μm以上50μm以下の範囲が、加工性とガスバリア性から好ましい。
紫外線吸収層は、内層の樹脂の紫外線劣化を防ぐために紫外線を遮断するための層であって、波長380nm以下の紫外線を遮断する機能を有していれば任意のものを用いることができる。光反射層は、光を反射する層であって、本層を形成することによって、内層の樹脂の紫外線劣化を防止したり、太陽電池システムに吸収されずにバックシートまで到達した光を反射してシステム側に返すことで発電効率を高めるために用いる層であって、酸化チタンや硫酸バリウムなどの白色顔料や、気泡などを含有した層である。光吸収層は、光を吸収する層であって、本層を形成することによって、内層の樹脂の紫外線劣化を防止したり、太陽電池の意匠性を向上させるために用いる層である。
上記の各層と本発明の太陽電池バックシート用フィルムを、組み合わせることで、本発明の太陽電池用バックシートが形成される。なお、本発明の太陽電池用バックシートにおいて、上述の層はすべて独立した層として形成する必要はなく、複数の機能を兼ね備えた機能統合層として形成するのも好ましい形態である。また、本発明の太陽電池バックシート用フィルムがすでに機能を有する場合は省略することも可能である。例えば、本発明の太陽電池バックシート用フィルムが白色顔料や気泡を含有した層を含む構成で、光反射性を有する場合は光反射層を、光吸収剤を含有した層を含む構成で光吸収性を有している場合には吸収層を、紫外線吸収剤を含有した層を含む構成の場合は紫外線吸収層を省略することができる場合がある。
本発明の太陽電池用バックシートの厚みは30μm以上500μm以下が好ましく、100μm以上300μm以下がより好ましい。更に好ましくは、125μm以上200μm以下である。厚みが30μm以上の場合、フィルムの平面性を確保することができるため好ましい。一方、500μm以下では、太陽電池に搭載した場合、太陽電池全体の厚みが大きくなりすぎることなく好ましい。
また、本発明は太陽電池に関する。本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池用バックシートを含むことを特徴とする。本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池用バックシートは従来のバックシートより耐電気特性が高いという特徴を生かして、従来の太陽電池と比べて高耐久としたり、薄くすることが可能となる。その構成の例を図1に示す。電気を取り出すリード線(図1には示していない)を接続した発電素子をEVA系樹脂などの透明な封止材2で封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、バックシート1と呼ばれる樹脂シートを貼り合わせて構成されるが、これに限定されず、任意の構成に用いることができる。
ここで、本発明の太陽電池において、上述の太陽電池用バックシート1は発電素子を封止した封止材層2の背面に設置される。
以上のように、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池用バックシートを太陽電池システムに組み込むことにより、従来の太陽電池と比べて、高耐久および/または薄型の太陽電池システムとすることが可能となる。本発明の太陽電池は、太陽光発電システム、小型電子部品の電源など、屋外用途、屋内用途に限定されず各種用途に好適に用いることができる。
[特性の評価方法]
(1)融点TmA、TmB、融解熱量ΔHmA、ガラス転移温度TgB JIS K7122(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて測定を実施した。
融点TmA、融解熱量ΔHmAの測定は以下の手順により行った。サンプルパンに、本発明の太陽電池バックシート用フィルムを5mg秤量し、該フィルムを25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷した(1stRUN)。
引き続き、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って測定を行った(2ndRUN)。得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおける結晶融解ピーク温度でもって融点TmAとした。なお、2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、複数の結晶融解ピークが確認された場合には、最も高い結晶融解ピーク温度を融点TmAとした。さらに、1stRUNにおいて、結晶融解ピーク温度TmAにおける吸熱ピークの面積から求められる融解熱量をΔHmAとした。
次に、融点TmBおよびガラス転移温度TgBの測定は、以下の手順により、太陽電池バックシート用フィルムより熱可塑性樹脂(B)を分離して、該熱可塑性樹脂(B)の融点TmBおよびガラス転移温度TgBを求めた。まず、太陽電池バックシート用フィルム5gをメタノール−クロロホルム混液(混率1:1)によりソックスレー抽出を行い、さらに、該抽出の抽出残物をクロロホルムによりソックスレー抽出を行った。次に、該クロロホルムによるソックスレー抽出の抽出残物をクロロホルム−ヘキサフルオロイソプロパノール混液(混率1:1)に溶解させ、遠心分離を5時間実施することにより、該抽出残物を可溶物と不溶物に分離した。当該不溶物を温度180℃、真空度0.5mmHgの条件で、4時間真空乾燥させ、上記と同様の手順により測定を行った。得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、結晶融解ピーク温度でもってTmBを、結晶化ピーク前の変曲点でもってガラス転移点温度TgBを求めた。
(2)機械特性
機械特性は、太陽電池バックシート用フィルムの破断強度により評価した。破断強度は、ASTM−D882(1999)に基づいて、サンプルを1cm*20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断強度を測定した。なお、測定は5サンプルについて測定を実施し、その平均値でもって破断強度E0とした。また、フィルムの縦方向、横方向のそれぞれについて測定した後、それらの平均値として求めた。
得られた太陽電池バックシート用フィルムの機械特性について、以下のように判定した。
破断強度E0が140MPa以上:S
破断強度E0が120MPa以上140MPa未満の場合:A
破断強度E0が100MPa以上120MPa未満の場合:B
破断強度E0が90MPa以上100MPa未満の場合:C
破断強度E0が75MPa以上90MPa未満の場合:D
破断強度E0が75MPa未満の場合:E
S〜Dが良好であり、その中でもSが最も優れている。
(3)耐電気特性
耐電気特性は、部分放電電圧により判定を行い、部分放電試験器KPD2050(菊水電子工業(株)製)を用い、部分放電電圧を求めた。なお試験条件は下記のとおりとする。
・出力シートにおける出力電圧印加パターンは、1段階目が0Vから所定の試験電圧までの単純に電圧を上昇させるパターン、2段階目が所定の試験電圧を維持するパターン、3段階目が所定の試験電圧から0Vまでの単純に電圧を降下させるパターンの3段階からなるパターンのものを選択する。
・周波数は50Hzとする。試験電圧は1kVとする。
・1段階目の時間S1は10sec、2段階目の時間S2は2sec、3段階目の時間S3は10secとする。
・パルスカウントシートにおけるカウント方法は「+」(プラス)、検出レベルは50%とする。
・レンジシートにおける電荷量はレンジ1000pcとする。
・プロテクションシートでは、電圧のチェックボックスにチェックを入れた上で2kVを入力する。また、パルスカウントは100000とする。
・計測モードにおける開始電圧は1.0pc、消滅電圧は1.0pcとする。
なお、測定は、各実施例および比較例における太陽電池バックシート用フィルム面内において任意の10カ所で測定を実施し、その平均値を求め、当該平均値の値でもって、部分放電電圧とした。なお、測定試料は、温度23℃、相対湿度65%RHの室内で一晩放置したものを用いて測定を実施した。
また、得られた太陽電池バックシートの部分放電電圧について、上記と同様に、各実施例および比較例における太陽電池バックシート用フィルムを用いて作成したバックシート面内において任意の10カ所で測定を実施し、その平均値を求め、当該平均値の値でもって、部分放電電圧とした。なお、測定試料は、温度23℃、相対湿度65%RHの室内で一晩放置したものを用いて測定を実施した。
(4)気泡の平均最大垂直弦長、平均最大水平弦長、平均アスペクト比
本発明における平均最大垂直弦長は以下の手順により求めた。
(A1)ミクロトームを用いて、フィルムを厚み方向に潰すことなく、フィルム面方向に対して垂直かつフィルム長手方向および/または幅方向に平行に切断した。ここで、長手方向かつ幅方向に延伸したフィルムの場合には、該フィルムの長手方向あるいは幅方向の任意の一方向に平行にフィルム切断した。長手方向あるいは幅方向のいづれか一方向のみに延伸したフィルムの場合には、該延伸方向に平行にフィルムを切断した。
(A2)次いで、電子顕微鏡を用いてサンプルの切断面を観察し、2000倍に拡大観察した画像を得る。なお、観察場所は層(P1層)内において無作為に定めるものとするが、画像の上下方向がフィルムの厚み方向と、画像の左右方向がフィルム面方向とそれぞれ平行になるようにするものとした。
(A3)(A2)で得られた観察画像内の気泡の最大垂直弦長を求めた。
(A4)画像中のP1層内の他の気泡についても(A3)と同様に最大垂直弦長を求めた。
ただし、計測対象とするのは、気泡の全体が画像内に収まっているものに限られず、画像内に一部のみが現われている気泡も含むものとする。2000倍画像にて、気泡の全体が入りきらない場合は、観察位置をずらした画像を得て、それらを隙間なくつなぎ合わせて、観察画像とした。
(A5)フィルムの切断場所を無作為に変更して、(A1)から(A4)と同様の手順を計10回行った。
(A6)以上の手順で得られた全気泡の最大垂直弦長の相加平均値を求め、当該相加平均値をP1層における気泡の平均最大垂直弦長(μm)とした。
また、同様の方法で、気泡の平均最大水平弦長(μm)を算出した。ただし、計測対象とするのは、気泡の全体が画像内に収まっているものに限られず、画像内に一部のみが現われている気泡も含むものとする。2000倍画像にて、気泡の全体が入りきらない場合は、観察位置をずらした画像を得て、それらを隙間なくつなぎ合わせて、観察画像とした。
なお、本発明において最大垂直弦長とは、フィルム厚み方向と平行であり、気泡界面上にある2点間を結ぶ線分の長さが最大のものであり、最大水平弦長とは、最大垂直弦長と垂直かつフィルム長手方向および/または幅方向に平行であり、気泡界面上にある2点間を結ぶ線分の長さが最大のものである。
また、下記式により平均アスペクト比を算出した。
平均アスペクト比=平均最大水平弦長(μm)/平均最大垂直弦長(μm)
公知の太陽電池バックシート用フィルムのように、フィルムを構成する樹脂中に非相溶成分を含有させ、延伸工程にてフィルムを構成する樹脂と非相溶成分との界面を剥離させて核を有する気泡を形成したフィルムでは、気泡は核によりふたつに分断されている。このような場合、ふたつの気泡はそれぞれ独立の気泡と見なして算出した(図2 T2、L2)。
(5)気泡の平均存在個数
下記(D1)〜(D5)の手順にて求めた。
(D1)ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく、フィルム面方向に対して垂直に切断する。
(D2)次いで切断した断面を、電子顕微鏡を用いて観察し、2000倍に拡大観察したP1層の画像を得る。なお、観察場所は気泡含有層内において無作為に定めるものとするが、画像の上下方向がフィルムの厚み方向と、画像の左右方向がフィルム面方向とそれぞれ平行になるようにするものとする。
(D3)前記(D2)で得られる画像中、任意の位置においてフィルム表面に垂直な直線を引き、この直線と交わる気泡の数を測定し、Aとする。
(D4)前記(D3)のフィルム表面に垂直な直線の長さ(μm)を測定し、Bとする。
(D5)AをBで除し(A/B)、それに10を乗じることにより、フィルム厚み方向10μmあたりの気泡の存在個数を算出する。
(D6)10ヶ所測定場所を変えて、上記(D1)〜(D5)と同様の測定を行い、その平均値でもってフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数とする。
(6)P1層の厚みd1、P2層の厚みd2
下記(E1)〜(E3)の手順にて求めた。なお、測定は10ヶ所場所を変えて測定し、その平均値でもってP1層の厚みd1、P2層の厚みd2とした。
(E1)ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく、フィルム面方向に対して垂直に切断する。
(E2)次いで切断した断面を、電子顕微鏡を用いて観察し、500倍に拡大観察した画像を得る。なお、観察場所は無作為に定めるものとするが、画像の上下方向がフィルムの厚み方向と、画像の左右方向がフィルム面方向とそれぞれ平行になるようにするものとする。また、500倍画像にて、P1層およびP2層が入りきらない場合は、観察位置をずらした画像を得て、それらを隙間なくつなぎ合わせて、観察画像とする。
(E3)前記(E2)で得られる画像中におけるP1層の厚みd1、P2層の厚みd2を求める。なお、上記の方法で界面が不鮮明で確認できない場合は、(E1)の作業の後、四酸化ルテニウムなどを用いて染色を実施してから(E2)の作業を実施する。
(7)空孔率
下記(F1)〜(F7)の手順にて求めた。
(F1)フィルムを5cm*5cmの大きさに切り出したものを比重測定用として、温度23℃、相対湿度65%RHの環境下に24時間静置する。
(F2)該フィルム面内10ヶ所場所を変えてフィルム厚みを測定し、測定された厚みの相加平均値を求め、当該相加平均値をtμmとする。
(F3)該フィルムの重さwgを求める。
(F4)温度23℃、相対湿度65%RHの雰囲気にて、電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて比重σを求める。
(F5)下記式により空孔率を算出する。
空孔率(体積%)={100−(w/(5*5*t*σ*10−4)*100)}
(F6)10サンプルについて、上記(F1)〜(F5)と同様の測定・計算を行い、求められた各空孔率の相加平均値を求め、当該相加平均値を該フィルム全体の空孔率Pとする。
(F7)該フィルム全体の空孔率Pに、(5)に記載の手順により求めたP1層の厚みd1、P2層の厚みd2を用いて(d1+d2)/d1を乗ずることにより、P1層における空孔率Qを算出する。
Q=P*(d1+d2)/d1。
(8)溶融粘度
樹脂温度285℃、剪断速度100/秒における溶融粘度を、フローテスターCFT−500形A((株)島津製作所製)を用いて測定した。なお、剪断速度100/秒における溶融粘度の測定は、剪断速度100/秒に固定して行うことが困難であるため、適当な荷重を用い、100/秒未満の任意の剪断速度および当該速度よりも大きい任意の剪断速度で溶融粘度を測定した。横軸に剪断速度、縦軸に得られた溶融粘度をとり、両対数グラフにプロットした。前記2点を直線で結び、内挿により剪断速度100/秒での溶融粘度(ポイズ)を求めた。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
[太陽電池バックシート用フィルムの製造]
樹脂(A)を構成する結晶性ポリエステル樹脂(a1)として固有粘度0.75、融点TmA255℃のポリエチレンテレフタレート(以後PET)90重量、熱可塑性樹脂(B)を構成する樹脂として融点TmB235℃、溶融粘度1500ポイズのポリメチルペンテン(以後PMP−1)5重量%を、温度180℃、真空度0.5mmHgの条件で、4時間真空乾燥を行った後、これらを均一に混合せしめ、主押出機に供給した。また、主押出機とは別に副押出機を用い、この副押出機に、樹脂(C)を構成する結晶性ポリエステル樹脂(a2)として、結晶性ポリエステル樹脂(a1)と同じPET100重量%を温度180℃、真空度0.5mmHgの条件で、4時間真空乾燥した後に供給した。主押出機は、窒素雰囲気下280℃の温度で、副押出機は、窒素雰囲気下280℃の温度でそれぞれ溶融させ、次いで主押出機に供給した成分層の両側表層に副押出機に供給した成分層が厚み比率で、副押出機の成分層:主押出機の成分層:副押出機の成分層=1:8:1、となるよう合流させ、Tダイ口金内より、溶融3層積層共押出しを行い、積層シートとし、25℃に保った冷却ドラムに静電印加密着してキャストし、未延伸積層フィルムを得た。
続いて、該未延伸積層フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸積層フィルムを得た。
得られた一軸延伸積層フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで240℃の温度で20秒間の熱処理を施し、さらに240℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って厚さ50μmの二軸延伸(二軸配向)太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
[バックシートの作製]
得られた太陽電池バックシート用フィルムに接着剤(「タケラック」(登録商標)A310(三井武田ケミカル(株)製)90重量%、「タケネート」(登録商標)A3(三井武田ケミカル(株)製)10重量%を混合したもの)を塗布し150℃30秒乾燥させたのち、厚さ75μm二軸延伸ポリエステルフィルム「ルミラー」(登録商標)X10S(東レ(株)製)を重ね合わせて、50℃に加熱したラミネーターに通して貼り合わせた。さらに、厚さ12μmのガスバリアフィルム「バリアロックス」(登録商標)VM−PET1031HGTS(東レフィルム加工(株)製)を蒸着層が外側となるようにして、二軸延伸太陽電池バックシート用フィルム側に上記接着剤で貼り合わせ、厚さ188μmの太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例2〜13)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例14〜17)
溶融粘度1500ポイズのPMP(PMP−1)の代りに、融点TmB235℃、溶融粘度4300ポイズのPMP(以後PMP−2)を用いたこと、および表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例18)
長手方向に延伸を行わなかったこと、長手方向に直角な方向(幅方向)に4倍延伸を行なったこと、表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの一軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例19)
表1に示すフィルム厚みとなるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ225μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、実施例1と同様の方法により、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて厚さ350μmの太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例20)
結晶性ポリエステル樹脂(a1)および(a2)として固有粘度0.60、融点265℃のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)を用い、主押出機の温度を290℃、副押出機の温度を290℃に変更したこと、長手方向(縦方向)に140℃の温度で延伸したこと、長手方向に直角な方向(幅方向)に140℃の温度で延伸したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例21)
熱可塑性樹脂(B)として、PMPの代わりに環状ポリオレフィン樹脂APL6013T(三井化学(株)製、ガラス転移温度TgB125℃、以後APL)を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例22)
P1層のみから構成される単層太陽電池バックシート用フィルムとした以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(実施例23)
熱可塑性樹脂(B)を用いなかったこと以外は実施例1と同様の方法によって未延伸フィルムのロールを作成した。また、目付量55g/mのオレフィン系不織布のロール(FT300グレード、日本バイリーン(株)製)を準備した。両者を重ねて、未延伸フィルムの表面同士が接触する部分がないように新たなロールを作成した。次に、該ロールを耐圧容器に入れ、炭酸ガスを4MPaに加圧し、未延伸フィルムに炭酸ガスを48時間浸透させた。さらに、耐圧容器からロールを取り出し、オレフィン系不織布を取り除きながら未延伸フィルムを220℃で設定した熱風循環式発泡炉で1分間静置させ、発泡させた。該発泡した未延伸フィルムを、縦方向に100℃にて2.0倍、幅方向に140℃にて2.5倍に延伸した以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、耐電気特性、機械特性に優れる太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、良好な耐電気特性を有することが分かった。
(比較例1〜2)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1と比較して、耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例1と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例3)
溶融粘度1500ポイズのPMP(PMP−1)の代りに、融点TmB225℃、溶融粘度1100ポイズのPMP(以後PMP−3)を用いたこと、表1に示す熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例1と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例4)
表1に示す熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例3と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例3と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例3と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例5)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量となるように製膜した以外は、実施例3と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例3と比較して機械特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
(比較例6)
溶融粘度1500ポイズのPMP(PMP−1)の代りに、融点TmB225℃、溶融粘度1100ポイズのPMP(以後PMP−3)を用いたこと、表1に示す熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例3と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例3と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例3と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例7)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量となるように製膜した以外は、実施例4と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例4と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例4と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例8)
溶融粘度1500ポイズのPMP(PMP−1)の代りに、融点TmB225℃、溶融粘度1100ポイズのPMP(以後PMP−3)を用いたこと、表1に示す熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例4と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例4と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例4と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例9)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量となるように製膜した以外は、実施例5と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例5と比較して機械特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
(比較例10)
溶融粘度1500ポイズのPMP(PMP−1)の代りに、融点TmB225℃、溶融粘度1100ポイズのPMP(以後PMP−3)を用いたこと、表1に示す熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例5と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例5と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例5と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例11〜12)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例14と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例14と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例14と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例13)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例15と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例15と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例15と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例14)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量、熱処理温度となるように製膜した以外は、実施例15と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例15と比較して機械特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
(比較例15)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量となるように製膜した以外は、実施例16と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例16と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例16と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例16)
表1に示す熱可塑性樹脂(B)の含有量となるように製膜した以外は、実施例17と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例17と比較して機械特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
(比較例17)
表1に示す熱処理温度となるようにした以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得るように製膜を行った。しかし、フィルム破れが多発し、太陽電池バックシート用フィルムを製膜することができなかった。
(比較例18)
PMPの代りにポリスチレン(PS)樹脂(三井化学(株)製、T575−57U)を5重量%用いた以外は、実施例2と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例2と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例2と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
(比較例19)
PMPの代りにポリプロピレン(PP)樹脂(三井化学(株)製、JHH−M)を5重量%用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ50μmの二軸延伸太陽電池バックシート用フィルムを得た。
得られた太陽電池バックシート用フィルムのP1層における気泡の電子顕微鏡観察の結果、空孔率評価の結果、および該太陽電池バックシート用フィルムの耐電気特性、機械特性の評価を行った結果を表1に示す。表1に示すように、実施例2と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシート用フィルムであった。
また、得られた太陽電池バックシート用フィルムを用いて実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを作製した。得られたバックシートの耐電気特性の評価を実施したところ、表1の通り、実施例2と比較して耐電気特性に劣る太陽電池バックシートであることが分かった。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、長期に渡って高い耐電気特性と機械強度の両立に優れたポリエステルフィルムで、その特性を生かして太陽電池バックシート、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、自動車用材料、建築材料を初めとした用途に好適に使用することができる。
1:太陽電池バックシート
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
T1:最大垂直弦長
T2:最大垂直弦長
L1:最大水平弦長
L2:最大水平弦長

Claims (7)

  1. 樹脂(A)を用いてなる気泡含有層(P1層)を有するフィルムであって、P1層が樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)を含有し、該熱可塑性樹脂(B)の含有量がP1層の総重量に対して4重量%以上15重量%以下であり、該気泡が下記(1)〜(3)を満たす太陽電池バックシート用フィルム。
    (1)平均最大垂直弦長が1μm以上であること。
    (2)平均アスペクト比(平均最大水平弦長(μm)/平均最大垂直弦長(μm))が6以上であること。
    (3)P1層におけるフィルム厚み方向10μmあたりの気泡の平均存在個数が5個以上10個以下であること。
  2. P1層における空孔率が13体積%以上40体積%以下である請求項1に記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  3. 樹脂(A)が結晶性ポリエステル樹脂(a1)である請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  4. P1層が二軸配向されてなる請求項1〜のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池バックシート。
  6. 請求項に記載の太陽電池バックシートを用いた太陽電池。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法であって、以下の(工程1)〜(工程3)をその順に含む製造方法。
    (工程1)結晶性ポリエステル樹脂(a1)とポリメチルペンテン樹脂(b1)を押出機内で溶融せしめ、これら混合物の未延伸シートを得る工程。
    (工程2)該未延伸シートを一軸または二軸に延伸し、延伸シートを得る工程。
    (工程3)該延伸シートを(1−1)式を満足する温度Th(℃)で熱処理する工程。
    TmB+5≦Th≦TmA−5 (1−1)
    ただし、結晶性ポリエステル樹脂(a1)の融点をTmA(℃)、ポリメチルペンテン樹脂(b1)の融点をTmB(℃)、熱処理温度をTh(℃)とする。
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