JP5621228B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電界効果トランジスタなどの半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ、特に、GaN系トランジスタは、その物性的性質から、高耐圧・高速デバイスとしての応用が期待されている。
GaN系トランジスタは、一部実用化が始まっているが、更なる特性向上のために、大電流動作時・高温環境下においても動作可能なものを開発することが必要である。
現在、GaN系トランジスタでは、オーミック電極としてAl層を含む電極が用いられ、配線として低抵抗配線材料であるAuからなる配線が用いられている。
この場合、Au配線とAl層とを直接接触させた状態でトランジスタを動作させると、容易にAu−Al化合物が生成され、高抵抗化を引き起こすことになる。
この現象を防ぐために、Au配線とAl層との間にバリアメタル層としてTiWN層やTaN層などを設けることが考えられる。
特開2006−173386号公報
しかしながら、検証実験を行なったところ、バリアメタル層としてTaN層を用いた場合、GaN系トランジスタを動作させるために必要なボンディングワイヤをオーミック電極に設ける際に、高温になるため、Au配線がTaNバリアメタル層から剥がれ、歩留まりが低下してしまうことがわかった[図5中、TaN→Au構造参照]。
そこで、バリアメタル層として単層のTaN層を用いたもの、即ち、Al層、TaN層、Au層を順に積層した構造のものについて、熱劣化加速実験(450℃;450℃アニール実験)を行なった。
そして、X解回折実験から得られたX線回折パターンのピーク位置における2θの値から、ブラッグの式nλ=2dsinθにより、格子定数(ここではa軸)を求めた。
ここでは、図3(a)に示すように、Au層のピーク位置における2θの値は、アニール処理前が155.9で、アニール処理後が158.4であった。また、TaN層のピーク位置における2θの値は、アニール処理前が34.8で、アニール処理後が35.4であった。
この結果、熱劣化加速実験前後(アニール前後)におけるX線回折パターンから得られた熱劣化加速実験前後におけるAu層の格子定数は、図3(a)に示すように、4.10Åから4.08Åになっており、−0.02Å変化していることがわかった。
これに対して、熱劣化加速実験前後におけるTaN層の格子定数は、図3(a)に示すように、4.47Åから4.40Åになっており、−0.07Å変化していることがわかった。
このように、Au層とTaN層との間で格子定数の変化量が異なっているため、Au層とTaN層との界面に隙間が生じ、Au層が剥がれやすくなったと考えられる。
また、上述のバリアメタル層として単層のTaN層を用いたもののほかに、バリアメタル層として、Ta層、TaN層を順に積層した構造を用いたもの、TaN層、Ta層を順に積層した構造を用いたものについても、熱劣化加速実験(450℃)を行なった。
なお、バリアメタル層としてTa層、TaN層を順に積層した構造を用いたものは、Al層、Ta層、TaN層、Au層を順に積層した構造になる。さらに、バリアメタル層としてTaN層、Ta層を順に積層した構造を用いたものは、Al層、TaN層、Ta層、Au層を順に積層した構造になる。
そして、それぞれの構造について、バリアメタル層が崩壊し、Au−Al化合物ができるまでの時間[図4中、(a)に示す状態から(b)に示す状態になるまでの時間;反応時間]を計った。
この結果、図4(c)に示すように、バリアメタル層として、単層のTaN層を用いたものよりも、Ta層、TaN層を順に積層した構造(Ta→TaN構造)を用いたものの方が、熱的安定性が高いことがわかった。一方、バリアメタル層として、TaN層、Ta層を順に積層した構造(TaN→Ta構造)を用いたものは、熱的安定性が極端に低くなることもわかった。
しかしながら、バリアメタル層として、Ta層、TaN層を順に積層した構造(Ta→TaN構造)を用いたものであっても、450℃に加熱されると6分でバリアメタル層が崩壊し、Au−Al化合物ができてしまう。この結果、高抵抗化が引き起こされ、トランジスタの特性が低下してしまうことになる。
GaN系トランジスタの更なる特性向上のためには、より高い電流密度での動作が必要であるため、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層が必要である。
なお、ここでは、GaN系トランジスタの課題について説明したが、Al層を含む電極と、Au配線と、Al層とAu配線との間に設けられるバリアメタル層とを備える半導体装置において、同様の課題がある。
そこで、Au配線との密着性が強く、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層を実現し、更なる特性向上、歩留まり向上を実現したい。
このため、本半導体装置は、GaN系半導体層と、GaN系半導体層上方に形成された、Al層を含むオーミック電極と、Au配線と、Al層とAu配線との間に設けられ、Al層上方に第1Ta層、第1Ta層上方に第1TaN層、第1TaN層上方に第1Pt層を積層した構造を有するバリアメタル層とを備えることを要件とする。
また、本半導体装置の製造方法は、GaN系半導体層を形成し、GaN系半導体層上方にAl層を含むオーミック電極を形成し、Al層上方にTa層、Ta層上方にTaN層、TaN層上方にPt層を順に積層してバリアメタル層を形成し、Pt層上にAu配線を形成することを要件とする。
したがって、本半導体装置及びその製造方法によれば、Au配線との密着性が強く、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層を実現することができ、更なる特性向上、歩留まり向上を実現することができるという利点がある。
第1実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかる半導体装置の効果を説明するための図であって、熱劣化加速実験(450℃)前後におけるX線回折パターンを示す図である。 (a),(b)は、第1実施形態にかかる半導体装置の効果を説明するための図である。(a)は、Al→TaN→Au構造の熱劣化加速実験(450℃)前後におけるX線回折パターンから得られた熱劣化加速実験前後におけるAu層、TaN層の格子定数の変化を示す図である。(b)は、Al→Ta→TaN→Pt→Au構造の熱劣化加速実験(450℃)前後におけるX線回折パターンから得られた熱劣化加速実験前後におけるAu層、Pt層、TaN層の格子定数の変化を示す図である。 (a)〜(c)は、各実施形態にかかる半導体装置の効果を説明するための図である。(a)は、熱劣化加速実験前の状態を示す顕微鏡写真である。(b)は、熱劣化加速実験においてバリアメタル層が崩壊してAu−Al化合物ができた状態を示す顕微鏡写真である。(c)は、バリアメタル層が崩壊してAu−Al化合物ができるまでの時間[(a)から(b)になるまでの時間;反応時間]を、バリアメタル層の構造毎に示した図である。 各実施形態にかかる半導体装置の効果を説明するための図であって、ワイヤボンディング工程における歩留まり(%)を、バリアメタル層の構造毎に示した図である。 (a)〜(f)は、第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第2実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。 (a)〜(f)は、第2実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第3実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。 (a)〜(f)は、第3実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
以下、図面により、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体装置は、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ、ここでは、GaN系トランジスタである。
本GaN系トランジスタは、半導体基板上に、複数のGaN系半導体層を積層してなる半導体積層構造を備える。ここでは、図1に示すように、SiC基板1上に、i−GaN電子走行層2、i−AlGaN層3、n−AlGaN電子供給層4、n−GaN層5を順に積層させた半導体積層構造を備える。
そして、n−GaN層5上に、例えばNi/Auからなるゲート電極6が形成されている。また、n−AlGaN電子供給層4上に、例えばTi層7とAl層8とからなるソース電極9及びドレイン電極10(オーミック電極)が形成されている。なお、オーミック電極(オーミック接合部)としてのソース電極9及びドレイン電極10は、Al層8を含む電極であるため、Al含有オーミック電極ともいう。
また、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、バリアメタル層11が形成されている。さらに、バリアメタル層11上に、低抵抗配線材料であるAuからなる配線12(Au配線;Au配線層;Au層;Au配線電極)が形成されている。つまり、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間にバリアメタル層11が設けられている。この場合、Al含有オーミック電極9,10の上側の層、かつ、Au配線12の下側の層として、バリアメタル層11が設けられていることになる。
さらに、表面は、SiN膜13(絶縁膜)で覆われている。なお、ここでは、絶縁膜としてSiN膜13を用いているが、他の材料からなる絶縁膜を用いても良い。
なお、図1ではそのように図示していないが、本実施形態では、バリアメタル層11は、Al含有オーミック電極9,10上からSiN膜13上まで延びるように形成されている[図6(f)参照]。
特に、本実施形態では、バリアメタル層11は、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側から順にTa層14(第1Ta層)、TaN層15(第1TaN層)、Pt層16(第1Pt層)を積層した構造になっている。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Au配線12が順に積層された構造になる。なお、このように構成されるバリアメタル層11を、図面において、Ta→TaN→Pt構造と表記する場合がある。
このようなTa層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造を有するバリアメタル層11を備えるもの、即ち、Al層8、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Au層12を順に積層した構造のものについて、熱劣化加速実験(450℃)を行なった。
そして、X解回折実験によって、図2に示すようなX線回折パターンが得られた。このX線回折パターン(図2参照)のピーク位置における2θの値から、ブラッグの式nλ=2dsinθにより、格子定数(ここではa軸)を求めた。
ここでは、図3(b)に示すように、Au層12のピーク位置における2θの値は、アニール処理前が156.7で、アニール処理後が161.0であった。また、Pt層16のピーク位置における2θの値は、アニール処理前が84.8で、アニール処理後が86.15であった。また、TaN層15のピーク位置における2θの値は、アニール処理前が35.0で、アニール処理後が35.6であった。
この結果、熱劣化加速実験前後におけるX線回折パターン(図2参照)から得られた熱劣化加速実験前後におけるAu層12の格子定数は、図3(b)に示すように、4.09Åから4.06Åになっており、−0.03Å変化していることがわかった。
また、熱劣化加速実験前後におけるPt層16の格子定数は、図3(b)に示すように、3.96Åから3.91Åになっており、−0.05Å変化していることがわかった。
さらに、熱劣化加速実験前後におけるTaN層15の格子定数は、図3(b)に示すように、4.45Åから4.37Åになっており、−0.08Å変化していることがわかった。
このように、TaN層15とAu層12との間にPt層16を設けることで、Al層、TaN層、Au層を順に積層した構造の場合[図3(a)参照]と比較して、熱劣化加速実験前後におけるTaN層15とAu層12との間に生じる格子定数の変位差が小さくなった。
これは、Pt層16が、TaN層15とAu層12との間に生じる格子定数の変位差(格子定数の変化量の差)を緩和しているためであると考えられる。このように、Pt層16によってTaN層15とAu層12(Au配線)との間に生じる格子定数の変位差を緩和することで、Au配線12が剥がれないようにすることができる。
また、上述の熱劣化加速実験(450℃)において、バリアメタル層11が崩壊し、Au−Al化合物ができるまでの時間[図4中、(a)に示す状態から(b)に示す状態になるまでの時間;反応時間]を計った。
この結果、図4(c)に示すように、バリアメタル層11として、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造(Ta→TaN→Pt構造)を用いたものは、Ta層、TaN層を順に積層した構造(Ta→TaN構造)を用いたものよりも、熱的安定性が高くなることがわかった。このように、Pt層16を設けることで、より熱的安定性を高くすることができる。
このように、バリアメタル層11として、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造を用いることで、Au配線12が剥がれることがなく、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11を実現できる。
これにより、トランジスタを動作させるために必要なボンディングワイヤを設ける際に、Au配線12が剥がれないため、本構造(Ta→TaN→Pt→Au構造)は、従来構造(TaN→Au構造)と比較して高い歩留まりを実現することができる(図5参照)。
また、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11を実現できるため、GaN系トランジスタにおいて、より高い電流密度での動作が可能となり、GaN系トランジスタの更なる特性向上を実現することができる。
なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間にTi層を設けても良い。つまり、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8と、バリアメタル層11の最下層のTa層14との間にTi層(密着層)を設けても良い。これにより、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間の密着性を向上させることができる。この結果、熱的安定性も向上することになる。
次に、本実施形態にかかる半導体装置(GaN系トランジスタ)の製造方法について、図6を参照しながら説明する。
なお、ここでは、Al層8を含むオーミック電極9,10、バリアメタル層11、Au配線12を形成する工程を中心に説明する。ゲート電極6を形成する工程については、通常どおりであるため、説明を省略している。
まず、図6(a)に示すように、SiC基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、i−GaN電子走行層2、i−AlGaN層3、n−AlGaN電子供給層4、n−GaN層5を順に成長させる。これにより、半導体基板1上に複数のGaN系半導体層2,3,4,5からなる半導体積層構造が形成される。
ここでは、i−GaN電子走行層2は例えば厚さ3μmである。また、i−AlGaN層3は例えば厚さ5nmである。また、n−AlGaN電子供給層4は、例えば、厚さ30nmであり、Siドーピング濃度5×1018cm−3である。また、n−GaN層5は例えば厚さ10nmである。
次に、図6(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィを用いて、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のレジスト17に開口部18を設ける。そして、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のn−GaN層5を除去する。なお、この際、n−GaN層5を少し残しても良いし、n−AlGaN電子供給層4を少し削っても良い。また、オーミック電極形成予定領域をオーミック電極部ともいい、ソース電極形成予定領域をソース電極部ともいい、ドレイン電極形成予定領域をドレイン電極部ともいう。
その後、n−AlGaN電子供給層4上に、例えば蒸着・リフトオフの技術を用いて、例えばTi/Al(ここではTi:30nm,Al:300nm)からなるAl含有オーミック電極(ここではソース電極9及びドレイン電極10)を形成する。つまり、n−AlGaN電子供給層4上に、Ti層7、Al層8を順に積層させて、Al層8を含むオーミック電極(Al含有オーミック電極)9,10を形成する。そして、例えば、窒素雰囲気中にて400℃から1000℃の間(ここでは600℃)で熱処理を行ない、オーミック特性を確立する。なお、上述のドライエッチングの際にn−GaN層5を少し残した場合には、n−GaN層5上にAl含有オーミック電極9,10が形成されることになる。
次に、図6(c)に示すように、全面にSiN膜13(絶縁膜)を例えば5nmから500nmの間の厚さ(ここでは500nm)になるように形成する。
その後、図6(d)に示すように、例えばドライエッチングにより、ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域のSiN膜13に開口部を設ける。なお、ここでは、ドライエッチングによって絶縁膜13をエッチングするようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、ウェットエッチングやイオンミリング等の他の方法によってエッチングするようにしても良い。
次いで、図6(d)に示すように、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成する。
なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間の密着性を向上させるために、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間にTi層を設けても良い。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ti層、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成すれば良い。これにより、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8と、バリアメタル層11の最下層のTa層14との間に、密着層としてのTi層を備えるものとなる。
次に、図6(e)に示すように、Pt層16、第1Au層12Aを順に例えばスパッタ法により形成する。Auは、低抵抗金属であり、酸化しにくいため、配線に適している。
ここで、スパッタ法によるTa層14の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)1.3Pa、電力1kWである。また、第1Au層12A,Ti層の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)0.67Pa、電力1kWである。また、Pt層16の形成時の条件は、真空度(圧力)2.67Pa、電力1kWである。また、TaN層15の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)1.3Pa、電力1kWであり、TaN金属の窒素含有率は50%である。また、ターゲット−基板間距離は例えば100mmである。
このようなスパッタ工程の終了後、図6(f)に示すように、例えばめっき処理を施すことで、第2Au層12Bを形成する。
このようにして、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層してバリアメタル層11を形成する。そして、バリアメタル層11の最上層のPt層16上に、第1Au層12Aと第2Au層12BとからなるAu配線12を形成する。
この場合、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、Al層8の側から順に、Ta層14、TaN層15、Pt層16を積層した構造を有するバリアメタル層11を備えるものとなる。なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間にTi層を設ける場合には、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、密着層としてのTi層、及び、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造を有するバリアメタル層11を備えるものとなる。
これにより、半導体装置(GaN系トランジスタ)が製造される。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法によれば、Au配線12との密着性が強く、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11を実現することができ、更なる特性向上、歩留まり向上を実現することができるという利点がある。
つまり、Au配線12がバリアメタル層11から剥がれることがないため、歩留まりが高く、また、バリアメタル層11がより高い熱的安定性を有するため、信頼性の高いトランジスタを提供することができるという利点がある。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について、図7、図8を参照しながら説明する。
本実施形態では、上述の第1実施形態(図1参照)のものに対し、バリアメタル層の構成が異なる。
本半導体装置(GaN系トランジスタ)は、図7に示すように、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に設けられるバリアメタル層11Aが、Pt層16上に、さらにTa層20、Pt層21を順に積層した構造を有する。なお、図7では、上述の第1実施形態(例えば図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
つまり、本半導体装置は、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側から順に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を積層した構造を有するバリアメタル層11Aを備える。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21、Au配線12が順に積層された構造になる。
なお、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を、それぞれ、第1Ta層、第1TaN層、第1Pt層、第2Ta層、第2Pt層ともいう。また、上述のように構成されるバリアメタル層11Aを、図面において、Ta→TaN→Pt→Ta→Pt構造と表記する場合がある。
このようなTa層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Aを備えるもの、即ち、Al層8、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21、Au層12を順に積層した構造のものについて、熱劣化加速実験(450℃)を行なった。
上述のように、Ta層20とAu配線(Au層)12との間にPt層21を設けることで、上述の第1実施形態の場合と同様に、Al層、TaN層、Au層を順に積層した構造の場合[図3(a)参照]と比較して、熱劣化加速実験前後におけるTa層20とAu層12との間に生じる格子定数の変位差が小さくなった。このようにして、Pt層21によってTa層20とAu層(Au配線)12との間に生じる格子定数の変位差を緩和することで、Au配線12が剥がれないようにすることができる。
また、上述の熱劣化加速実験(450℃)において、バリアメタル層11Aが崩壊し、Au−Al化合物ができるまでの時間[図4中、(a)に示す状態から(b)に示す状態になるまでの時間;反応時間]を計った。
この結果、図4(c)に示すように、本実施形態のバリアメタル層11A(Ta→TaN→Pt→Ta→Pt構造)は、上述の第1実施形態のバリアメタル層11(Ta→TaN→Pt構造)よりも、熱的安定性が高くなることがわかった。つまり、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Aは、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造を有するバリアメタル層11よりも、熱的安定性が高くなることがわかった。
また、ここでは、上述の第1実施形態のPt層16と同一の厚さになるように、Pt層16、Ta層20、Pt層21を形成した。この結果、同一の厚さの場合、Pt層16、Ta層20、Pt層21を積層させた方が、より高い熱的安定性が得られることがわかった。これは、Taは、Ptよりも熱的安定性が高いからである。つまり、ここでは、Au配線12に接する層をPt層21にしながら、一部をTa層20にすることで、より高い熱的安定性が得られるようにしている。なお、TaN層15に接する層をPt層16にしているのは、TaN層15上にTa層を積層した構造は熱的安定性が低いからである。また、Pt層16、Ta層20、Pt層21は、上述の第1実施形態のPt層16と同一の厚さになるように形成しなくても良い。
このように、バリアメタル層11Aとして、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造を用いることで、Au配線12が剥がれることがなく、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層を実現できる。
これにより、トランジスタを動作させるために必要なボンディングワイヤを設ける際に、Au配線12が剥がれないため、本構造(Ta→TaN→Pt→Ta→Pt→Au構造)は、従来構造(TaN→Au構造)と比較して高い歩留まりを実現することができる(図5参照)。
また、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11Aを実現できるため、GaN系トランジスタにおいて、より高い電流密度での動作が可能となり、GaN系トランジスタの更なる特性向上を実現することができる。
なお、その他の構成については、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施形態にかかる半導体装置(GaN系トランジスタ)の製造方法について、図8を参照しながら説明する。
なお、ここでは、Al層8を含むオーミック電極9,10、バリアメタル層11A、Au配線12を形成する工程を中心に説明する。ゲート電極6を形成する工程については、通常どおりであるため、説明を省略している。
まず、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(a)に示すように、SiC基板1上に、例えばMOVPE法を用いて、i−GaN電子走行層2、i−AlGaN層3、n−AlGaN電子供給層4、n−GaN層5を順に成長させる。これにより、半導体基板1上に複数のGaN系半導体層2,3,4,5からなる半導体積層構造が形成される。
次に、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィを用いて、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のレジスト17に開口部18を設ける。そして、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のn−GaN層5を除去する。なお、この際、n−GaN層5を少し残しても良いし、n−AlGaN電子供給層4を少し削っても良い。
その後、上述の第1実施形態の場合と同様に、n−AlGaN電子供給層4上に、例えば蒸着・リフトオフの技術を用いて、例えばTi/Al(ここではTi:30nm,Al:300nm)からなるAl含有オーミック電極(ソース電極9及びドレイン電極10)を形成する。つまり、n−AlGaN電子供給層4上に、Ti層7、Al層8を順に積層させて、Al層8を含むオーミック電極(Al含有オーミック電極)9,10を形成する。そして、例えば、窒素雰囲気中にて400℃から1000℃の間(ここでは600℃)で熱処理を行ない、オーミック特性を確立する。なお、上述のドライエッチングの際にn−GaN層5を少し残した場合には、n−GaN層5上にAl含有オーミック電極9,10が形成されることになる。
次に、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(c)に示すように、全面にSiN膜13(絶縁膜)を例えば5nmから500nmの間の厚さ(ここでは500nm)になるように形成する。
その後、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(d)に示すように、例えばドライエッチングにより、ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域のSiN膜13に開口部を設ける。
次いで、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(d)に示すように、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成する。
なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間の密着性を向上させるために、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間にTi層を設けても良い。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ti層、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成すれば良い。これにより、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8と、バリアメタル層11の最下層のTa層14との間に、密着層としてのTi層を備えるものとなる。
次に、図8(e)に示すように、Pt層16、Ta層20、Pt層21、第1Au層12Aを順に例えばスパッタ法により形成する。
ここで、スパッタ法によるTa層14,20の形成時の条件は、例えば真空度1.3Pa、電力1kWである。また、第1Au層12A,Ti層の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)0.67Pa、電力1kWである。また、Pt層16,21の形成時の条件は、真空度(圧力)2.67Pa、電力1kWである。また、TaN層15の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)1.3Pa、電力1kWであり、TaN金属の窒素含有率は50%である。また、ターゲット−基板間距離は例えば100mmである。
本実施形態では、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側のTa層14(第1Ta層)と、Au配線12の側のTa層20(第2Ta層)とを同一の条件で形成するため、膜質が同じになる。つまり、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側のTa層14と、Au配線12の側のTa層20とは、グレインサイズがほぼ同じになっている。
このようなスパッタ工程の終了後、上述の第1実施形態の場合と同様に、図8(f)に示すように、例えばめっき処理を施すことで、第2Au層12Bを形成する。
このようにして、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層してバリアメタル層11Aを形成する。そして、バリアメタル層11Aの最上層のPt層21上に、第1Au層12Aと第2Au層12BとからなるAu配線12を形成する。
この場合、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、Al層8の側から順に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を積層した構造を有するバリアメタル層11Aを備えるものとなる。なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11Aとの間にTi層を設ける場合には、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、密着層としてのTi層、及び、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Aを備えるものとなる。
これにより、半導体装置(GaN系トランジスタ)が製造される。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、Au配線12との密着性が強く、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11Aを実現することができ、更なる特性向上、歩留まり向上を実現することができるという利点がある。
つまり、Au配線12がバリアメタル層11Aから剥がれることがないため、歩留まりが高く、また、バリアメタル層11Aがより高い熱的安定性を有するため、信頼性の高いトランジスタを提供することができるという利点がある。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について、図9、図10を参照しながら説明する。
本実施形態では、上述の第1実施形態(図1参照)のものに対し、バリアメタル層の構成が異なる。
本半導体装置(GaN系トランジスタ)は、図9に示すように、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に設けられるバリアメタル層11Bが、Pt層16上に、さらにTaN層22、Pt層23を順に積層した構造を有する。なお、図9では、上述の第1実施形態(例えば図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
つまり、本半導体装置は、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側から順に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を積層した構造を有するバリアメタル層11Bを備える。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23、Au配線12が順に積層された構造になる。
なお、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を、それぞれ、第1Ta層、第1TaN層、第1Pt層、第2TaN層、第3Pt層ともいう。また上述のように構成されるバリアメタル層11Bを、図面において、Ta→TaN→Pt→TaN→Pt構造と表記する場合がある。
このようなTa層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Bを備えるもの、即ち、Al層8、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23、Au層12を順に積層した構造のものについて、熱劣化加速実験(450℃)を行なった。
上述のように、TaN層22とAu配線(Au層)12との間にPt層23を設けることで、上述の第1実施形態の場合と同様に、Al層、TaN層、Au層を順に積層した構造[図3(a)参照]と比較して、熱劣化加速実験前後におけるTaN層22とAu層12との間に生じる格子定数の変位差が小さくなった。このようにして、Pt層23によってTaN層22とAu層(Au配線)12との間に生じる格子定数の変位差を緩和することで、Au配線12が剥がれないようにすることができる。
また、上述の熱劣化加速実験(450℃)において、バリアメタル層11Bが崩壊し、Au−Al化合物ができるまでの時間[図4中、(a)に示す状態から(b)に示す状態になるまでの時間;反応時間]を計った。
この結果、図4(c)に示すように、本実施形態のバリアメタル層11B(Ta→TaN→Pt→TaN→Pt構造)は、上述の第1実施形態のバリアメタル層11(Ta→TaN→Pt構造)よりも、熱的安定性が高くなることがわかった。つまり、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Bは、Ta層14、TaN層15、Pt層16を順に積層した構造を有するバリアメタル層11よりも、熱的安定性が高くなることがわかった。
また、ここでは、上述の第1実施形態のPt層16と同一の厚さになるように、Pt層16、TaN層22、Pt層23を形成した。この結果、同一の厚さの場合、Pt層16、TaN層22、Pt層23を積層させた方が、より高い熱的安定性が得られることがわかった。これは、TaNは、Ptよりも熱的安定性が高いからである。つまり、ここでは、Au配線12に接する層をPt層23にしながら、一部をTaN層22にすることで、より高い熱的安定性が得られるようにしている。なお、TaN層15に接する層をPt層16にしているのは、TaN層15上にTa層を積層した構造は熱的安定性が低いからである。また、Pt層16、TaN層22、Pt層23は、上述の第1実施形態のPt層16と同一の厚さになるように形成しなくても良い。
さらに、本実施形態のバリアメタル層11B(Ta→TaN→Pt→TaN→Pt構造)は、上述の第2実施形態のバリアメタル層11A(Ta→TaN→Pt→Ta→Pt構造)よりも、熱的安定性が高くなることがわかった。つまり、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Bは、Ta層14、TaN層15、Pt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Aよりも、熱的安定性が高くなることがわかった。
このように、上述の第2実施形態のPt層16、Ta層20、Pt層21を順に積層した構造に代えて、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造にすることで、より高い熱的安定性が得られることがわかった。これは、TaNは、Taよりも熱的安定性が高いからである。
このように、バリアメタル層11Bとして、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造を用いることで、Au配線12が剥がれることがなく、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層を実現できる。
これにより、トランジスタを動作させるために必要なボンディングワイヤを設ける際に、Au配線12が剥がれないため、本構造(Ta→TaN→Pt→TaN→Pt→Au構造)は、従来構造(TaN→Au構造)と比較して高い歩留まりを実現することができる(図5参照)。
また、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11Bを実現できるため、GaN系トランジスタにおいて、より高い電流密度での動作が可能となり、GaN系トランジスタの更なる特性向上を実現することができる。
なお、その他の構成については、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施形態にかかる半導体装置(GaN系トランジスタ)の製造方法について、図10を参照しながら説明する。
なお、ここでは、Al層8を含むオーミック電極9,10、バリアメタル層11B、Au配線12を形成する工程を中心に説明する。ゲート電極6を形成する工程については、通常どおりであるため、説明を省略している。
まず、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(a)に示すように、SiC基板1上に、例えばMOVPE法を用いて、i−GaN電子走行層2、i−AlGaN層3、n−AlGaN電子供給層4、n−GaN層5を順に成長させる。これにより、半導体基板1上に複数のGaN系半導体層2,3,4,5からなる半導体積層構造が形成される。
次に、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(b)に示すように、例えばフォトリソグラフィを用いて、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のレジスト17に開口部18を設ける。そして、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、オーミック電極形成予定領域(ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域)のn−GaN層5を除去する。なお、この際、n−GaN層5を少し残しても良いし、n−AlGaN電子供給層4を少し削っても良い。
その後、上述の第1実施形態の場合と同様に、n−AlGaN電子供給層4上に、例えば蒸着・リフトオフの技術を用いて、例えばTi/Al(ここではTi:30nm,Al:300nm)からなるAl含有オーミック電極(ソース電極9及びドレイン電極10)を形成する。つまり、n−AlGaN電子供給層4上に、Ti層7、Al層8を順に積層させて、Al層8を含むオーミック電極(Al含有オーミック電極)9,10を形成する。そして、例えば、窒素雰囲気中にて400℃から1000℃の間(ここでは600℃)で熱処理を行ない、オーミック特性を確立する。なお、上述のドライエッチングの際にn−GaN層5を少し残した場合には、n−GaN層5上にAl含有オーミック電極9,10が形成されることになる。
次に、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(c)に示すように、全面にSiN膜13(絶縁膜)を例えば5nmから500nmの間の厚さ(ここでは500nm)になるように形成する。
その後、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(d)に示すように、例えばドライエッチングにより、ソース電極形成予定領域及びドレイン電極形成予定領域のSiN膜13に開口部を設ける。
次いで、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(d)に示すように、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成する。
なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間の密着性を向上させるために、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11との間にTi層を設けても良い。この場合、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ti層、Ta層14、TaN層15を順に例えばスパッタ法により形成すれば良い。これにより、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8と、バリアメタル層11の最下層のTa層14との間に、密着層としてのTi層を備えるものとなる。
次に、図10(e)に示すように、Pt層16、TaN層22、Pt層23、第1Au層12Aを順に例えばスパッタ法により形成する。
ここで、スパッタ法によるTa層14の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)1.3Pa、電力1kWである。また、第1Au層12A,Ti層の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)0.67Pa、電力1kWである。また、Pt層16,23の形成時の条件は、真空度(圧力)2.67Pa、電力1kWである。また、TaN層15,22の形成時の条件は、例えば真空度(圧力)1.3Pa、電力1kWであり、TaN金属の窒素含有率は50%である。また、ターゲット−基板間距離は例えば100mmである。
本実施形態では、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側のTaN層15(第1TaN層)と、Au配線12の側のTaN層22(第2TaN層)とを同一の条件で形成するため、膜質が同じになる。つまり、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8の側のTaN層15と、Au配線12の側のTaN層22とは、グレインサイズがほぼ同じになっている。
このようなスパッタ工程の終了後、上述の第1実施形態の場合と同様に、図10(f)に示すように、例えばめっき処理を施すことで、第2Au層12Bを形成する。
このようにして、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8上に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層してバリアメタル層11Bを形成する。そして、バリアメタル層11Bの最上層のPt層23上に、第1Au層12Aと第2Au層12BとからなるAu配線12を形成する。
この場合、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、Al層8の側から順に、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を積層した構造を有するバリアメタル層11Bを備えるものとなる。なお、Al含有オーミック電極9,10とバリアメタル層11Bとの間にTi層を設ける場合には、GaN系トランジスタは、Al含有オーミック電極9,10に含まれるAl層8とAu配線12との間に、密着層としてのTi層、及び、Ta層14、TaN層15、Pt層16、TaN層22、Pt層23を順に積層した構造を有するバリアメタル層11Bを備えるものとなる。
これにより、半導体装置(GaN系トランジスタ)が製造される。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、Au配線12との密着性が強く、より高い熱的安定性を有するバリアメタル層11Bを実現することができ、更なる特性向上、歩留まり向上を実現することができるという利点がある。
つまり、Au配線12がバリアメタル層11Bから剥がれることがないため、歩留まりが高く、また、バリアメタル層11Bがより高い熱的安定性を有するため、信頼性の高いトランジスタを提供することができるという利点がある。
[その他]
なお、上述の各実施形態では、本発明をGaN系トランジスタに適用した場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。つまり、本発明は、Al層を含む電極と、Au配線と、Al層とAu配線との間に設けられるバリアメタル層とを備える半導体装置に広く適用することができる。例えば、半導体積層構造として他の構造を備える電界効果トランジスタに本発明を適用することもできる。
1 SiC基板(半導体基板)
2 i−GaN電子走行層
3 i−AlGaN層
4 n−AlGaN電子供給層
5 n−GaN層
6 ゲート電極
7 Ti層
8 Al層
9 ソース電極
10 ドレイン電極
11,11A,11B バリアメタル層
12 Au配線
12A 第1Au層
12B 第2Au層
13 SiN膜
14 Ta層(第1Ta層)
15 TaN層(第1TaN層)
16 Pt層(第1Pt層)
17 レジスト
18 開口部
20 Ta層(第2Ta層)
21 Pt層(第2Pt層)
22 TaN層(第2TaN層)
23 Pt層(第3Pt層)

Claims (5)

  1. GaN系半導体層と、
    前記GaN系半導体層上方に形成された、Al層を含むオーミック電極と、
    Au配線と、
    前記Al層と前記Au配線との間に設けられ、前記Al層上方に第1Ta層、前記第1Ta層上方に第1TaN層、前記第1TaN層上方に第1Pt層を積層した構造を有するバリアメタル層とを備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記バリアメタル層が、前記第1Pt層上方に第2Ta層、前記第2Ta層上方に第2Pt層を積層した構造を有することを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記バリアメタル層が、前記第1Pt層上方に第2TaN層、前記第2TaN層上方に第3Pt層を積層した構造を有することを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記Al層と前記第1Ta層との間にTi層を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置
  5. GaN系半導体層を形成し、
    前記GaN系半導体層上方にAl層を含むオーミック電極を形成し、
    前記Al層上方にTa層、前記Ta層上方にTaN層、前記TaN層上方にPt層を積層してバリアメタル層を形成し、
    前記Pt層上にAu配線を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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