JP5620214B2 - 無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形性に優れ、複雑な形状の金型においても離型性に優れた無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性及び耐溶剤性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品などの種々の用途に広く利用されている。
一方、近年、環境・資源問題として、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加、将来の化石資源の枯渇への対応策が社会的に求められる中で、ポリ乳酸樹脂などのバイオベースプラスチックの検討が活発化している。また、化石原料をベースとしたプラスチックに対しては、バイオベースプラスチックを配合する検討が広く行われている。
ポリブチレンテレフタレート樹脂についても同様の観点で、バイオベースプラスチックを配合する検討が行われている。例えば、特許文献1では、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリ乳酸樹脂とを含有し、前記ポリ乳酸樹脂の含有量が組成物全量に対して5〜50質量%であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、末端カルボキシル基濃度が所定量のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部及びポリ乳酸系樹脂1〜99重量部を含有するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が提案されている。これらの先行例において、ポリ乳酸樹脂を含有したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、引張試験片形状や箱型形状などの比較的単純形状においては射出成形可能であることが示されている。
しかし、ポリ乳酸樹脂を含有したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の持つ優れた成形性をポリ乳酸樹脂が阻害するため、複雑形状の金型においては成形性が低下する傾向にあった。例えば、複雑な形状の金型から成形品を短時間で効率良く離型することが難しく、成形性の改善が望まれていた。
特開2006−008868号公報 特開2006−063199号公報
本発明の目的は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリ乳酸樹脂とを含有した無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の射出成形性を改善することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂、特定のポリ乳酸樹脂、及び特定の添加剤、充填材を組み合わせることにより、上記目的を達成し得る無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)水分量が0〜0.20重量%のポリブチレンテレフタレート樹脂および(B)水分量が0〜0.20重量%ポリ乳酸樹脂を用いて得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であり、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、(B)ポリ乳酸樹脂5〜100重量部、(C)窒化ホウ素0.001〜5重量部、(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックスより選ばれる少なくとも1種の化合物0.1〜10重量部、(E)ガラス系無機充填材3〜200重量部を添加混合してなり、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定における樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度が200〜210℃である無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物である。
本発明の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は射出成形性に優れ、複雑な形状の金型においても離型性に優れる。また、優れた機械的物性を有している。本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、自動車部品、電気・電子部品、雑貨、文房具類などに関連した射出成形品に好適である。
本発明の成形性(離型性)評価に用いる成形品の斜視図である。
<(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂>
本発明に用いる(A)成分のポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)は、テレフタル酸(テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体)と、炭素数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)及び/又はそのエステル形成誘導体を少なくとも重合成分とする熱可塑性樹脂である。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、ブチレンテレフタレートを主成分として含むホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)及び/又はコポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体、又はポリブチレンテレフタレートコポリエステル、又は変性PBT樹脂)などが挙げられる。
コポリエステルにおける前記共重合可能なモノマー(以下、単に共重合性モノマーと称する場合がある)としては、テレフタル酸を除くジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを除くジオール、オキシカルボン酸成分、ラクトン成分などが挙げられる。共重合性モノマーは、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸(又はジカルボン酸成分又はジカルボン酸類)としては、脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などのC4〜40ジカルボン酸、好ましくはC4〜14ジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸成分(例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などのC8〜12ジカルボン酸)、テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸成分(例えば、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸などのC8〜16ジカルボン酸)、又はこれらの反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル(ジメチルフタル酸、ジメチルイソフタル酸などのフタル酸又はイソフタル酸のC1〜4アルキルエステルなど)、酸クロライド、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体)などが挙げられる。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸又はそのエステル形成誘導体(アルコールエステルなど)などを併用してもよい。このような多官能性化合物を併用すると、分岐状のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることもできる。
ジオール(又はジオール成分又はジオール類)には、例えば1,4−ブタンジオールを除く脂肪族アルカンジオール[例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール(1,6−ヘキサンジオールなど)、オクタンジオール(1,3−オクタンジオール、1,8−オクタンジオールなど)、デカンジオールなどの低級アルカンジオール、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2〜12アルカンジオール、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2〜10アルカンジオールなど);(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、複数のオキシC2〜4アルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)など]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール[例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、ナフタレンジオールなどのジヒドキシC6〜14アレーン;ビフェノール(4,4’−ジヒドキシビフェニルなど);ビスフェノール類;キシリレングリコールなど]、及びこれらの反応性誘導体(例えば、アルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体などのエステル形成性誘導体など)などが挙げられる。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール又はそのエステル形成性誘導体を併用してもよい。このような多官能性化合物を併用すると、分岐状のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることもできる。
前記ビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタンなどのビス(ヒドロキシアリール)C1〜6アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)C4〜10シクロアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、及びこれらのアルキレンオキサイド付加体が例示できる。アルキレンオキサイド付加体としては、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールF)のC2〜3アルキレンオキサイド付加体、例えば、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールA、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ジプロポキシ化ビスフェノールAなどが挙げられる。アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのC2〜3アルキレンオキサイド)の付加モル数は、各ヒドロキシ基に対して1〜10モル、好ましくは1〜5モル程度である。
オキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸成分又はオキシカルボン酸類)には、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、オキシカプロン酸などのオキシカルボン酸又はこれらの誘導体などが含まれる。ラクトンには、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)などのC3〜12ラクトンなどが含まれる。
これらの共重合性モノマーのうち、好ましくはジオール類[C2〜6アルキレングリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキレングリコールなど)、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシC2〜4アルキレングリコール(ジエチレングリコールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノール類又はそのアルキレンオキサイド付加体など)]、ジカルボン酸類[C6〜12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、カルボキシル基がアレーン環の非対称位置に置換した非対称芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど]などが挙げられる。
これらの化合物のうち、芳香族化合物、例えば、ビスフェノール類(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサイド付加体、及び非対称芳香族ジカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸及びその反応性誘導体(ジメチルイソフタル酸などの低級アルキルエステル)など]などが好ましい。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)及び/又は共重合体(ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)が好ましく、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、共重合性モノマーの割合(変性量)が、通常、0〜30モル%、好ましくは0〜25モル%のホモ又はコポリエステル(特にホモポリエステル)であってもよい。
また、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)と共重合体(コポリエステル)とを組み合わせて使用する場合、ホモポリエステルとコポリエステルとの割合は、共重合性モノマーの割合が、全単量体に対して0.1〜30モル%(好ましくは1〜25モル%、さらに好ましくは5〜25モル%)程度となる範囲であり、通常、前者/後者=99/1〜1/99(重量比)、好ましくは95/5〜5/95(重量比)、さらに好ましくは90/10〜10/90(重量比)程度の範囲から選択できる。
なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、市販品を使用してもよく、テレフタル酸又はその反応性誘導体と1,4−ブタンジオールと必要により共重合可能なモノマーとを、慣用の方法、例えばエステル交換、直接エステル化法などにより共重合(重縮合)することにより製造したものを使用してもよい。また、その製造は、溶融状態、固相状態、溶液状態のいずれの状態で行ってもよい。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は0.40dL/g以上1.4dL/g以下であるのが好ましい。さらに好ましくは0.50dL/g以上1.0dL/g以下である。かかる範囲の固有粘度の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に成形性に優れたものとなる。また、異なる固有粘度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂をブレンドして、固有粘度を調整することもできる。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は、例えば、o−クロロフェノール中で温度35℃の条件で測定することができる。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されない。本発明において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、30meq/kg以下が好ましく、25meq/kg以下がより好ましい。かかる範囲の末端カルボキシル基量の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が湿熱環境下での加水分解による強度低下を受けにくくなる。
本発明において使用される(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有する水分量は0〜0.20重量%である。特に好ましくは0〜0.15重量%である。水分量が0.20重量%を上回る場合には、得られた樹脂組成物の射出成形性が低下し、複雑な形状の金型において離型性が悪化する傾向にあるので好ましくない。なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有する水分量は、実施例で後述するようにカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。また、ペレットとパウダーを併用する場合には、両者の測定値から合計の水分量を算出することができる。
本発明において、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度は200〜210℃である。ここで、結晶化ピーク温度は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定によって測定された値である。ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度が200℃を下回る場合には、得られた樹脂組成物の射出成形性が低下し、複雑な形状の金型において離型性が悪化し、また、210℃を超える場合には、得られた樹脂組成物の流動性が低下する傾向にあるので、いずれの場合も好ましくない。
<(B)ポリ乳酸樹脂>
本発明において使用される(B)ポリ乳酸樹脂は、L−乳酸及び/又はD−乳酸に由来する単位を主たる単位として構成されるポリエステル樹脂である。(B)ポリ乳酸樹脂における、L−乳酸及び/又はD−乳酸に由来する単位の量は、(B)ポリ乳酸樹脂を構成する全単位中70モル%以上が好ましく、80モル%以上が好ましく、90モル%以上であるのが特に好ましく、100%が最も好ましい。
(B)ポリ乳酸樹脂が、L−乳酸及び/又はD−乳酸に由来する単位のみから構成される場合、(B)ポリ乳酸樹脂は、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−乳酸(PDLA)、及びL−乳酸とD−乳酸とのコポリエステルの何れも好適に使用できる。また、ポリL−乳酸とポリ−D乳酸とから形成されるステレオコンプレックス型ポリ乳酸(sc−PLA)も(B)ポリ乳酸樹脂として好適に使用できる。
本発明に用いる(B)ポリ乳酸樹脂は、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、及びカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類が挙げられる。これら共重合成分は、(B)ポリ乳酸樹脂の全モノマーに対し、0〜30モル%、特に0〜10モル%であることが好ましい。
また、本発明に用いる(B)ポリ乳酸樹脂は、その成分の一部としてポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートコテレフタレート、ポリブチレンサクシネートコテレフタレートなどから選ばれる一種又は二種以上の樹脂を混合したものを使用してもよい。
本発明において、(B)ポリ乳酸樹脂の融点は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、140℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。ここで、(B)ポリ乳酸樹脂の融点は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定における融解ピーク温度を表す。
また、本発明において用いる(B)ポリ乳酸樹脂の溶融粘度(MV)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、260℃、せん断速度1216s−1で測定した値で5Pa・s以上100Pa・s以下が好ましく、10Pa・s以上50Pa・s以下が特に好ましい。かかる範囲の溶融粘度の(B)ポリ乳酸樹脂を用いる場合、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリ乳酸が混合、均一分散しやすく、樹脂組成物を調製しやすい。なお、(B)ポリ乳酸樹脂の溶融粘度は、予め送風乾燥機を用いて140℃で4時間乾燥した後、キャピラリー式レオメータで測定した値である。
本発明において使用される(B)ポリ乳酸樹脂の含有する水分量は0〜0.20重量%である。特に好ましくは0〜0.15重量%である。水分量が0.20重量%を上回る場合には、得られた樹脂組成物の射出成形性が低下し、複雑な形状の金型において離型性が悪化する傾向にあるので好ましくない。なお、(B)ポリ乳酸樹脂の含有する水分量は、実施例で後述するようにカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。
本発明において、(B)ポリ乳酸樹脂の割合は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部である。5重量部未満ではバイオベースプラスチックとしての添加量が少なく、また100重量部を超えるとポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を損なう場合があり、いずれも好ましくない。
<(C)窒化ホウ素>
本発明において使用される(C)窒化ホウ素は、六方晶構造(h−BN)、立方晶構造、(閃亜鉛鉱構造、c−BN)、ウルツ鉱構造(w−BN)など、複数の安定構造の中から選択することができ、その中でも特に、六方晶構造の窒化ホウ素が好ましい。
また、(C)窒化ホウ素の形状は、鱗片状、球状、凝集状などがあり、いずれも用いることができるが、鱗片状の形状が特に好ましい。また、鱗片状の窒化ホウ素粉体の平均粒径は、特に限定されないが、一般的には0.2〜50μm程度であり、かかる範囲の平均粒径の粉体の使用が好ましい。
(C)窒化ホウ素の具体的な商品としては、電気化学工業(株)製、デンカボロンナイトライドSGP、MGP、GP、HGP、水島合金鉄(株)製窒化ホウ素(粉末)などが挙げられる。
本発明において、(C)窒化ホウ素の割合は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。5重量部を超えるとポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を損なう場合があり、好ましくない。
本発明において、(C)窒化ホウ素を0.001〜5重量部使用し、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度を200〜210℃とした場合に、得られた樹脂組成物の射出成形性が向上し、複雑な形状の金型において離型性を向上させることができる。これに対し、比較例で後述するように、(B)ポリ乳酸樹脂に有効とされる結晶核剤を用いても、(C)窒化ホウ素を使用せず、かつ、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度を200〜210℃にすることができない場合には、複雑な形状の金型において離型性を向上させることは難しい。
従来、窒化ホウ素がポリブチレンテレフタレート樹脂の有効な結晶核剤であることは知られていたが、樹脂組成物中の結晶化温度は含まれている複数成分の相互の影響により決定されるため、(B)ポリ乳酸樹脂を含むポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度が、窒化ホウ素の使用により200〜210℃となることは明らかではなく、また、(C)窒化ホウ素の所定量の使用と、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度を200〜210℃を満たす場合に、複雑な形状の金型において離型性が向上できることは、従来技術からは予見されないものである。
<(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックス>
本発明において使用される(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックスとしては、具体的には、長鎖脂肪酸[一価の飽和又は不飽和脂肪酸(カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べヘン酸、モンタン酸等のC10−34飽和脂肪酸など)、二価の飽和又は不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸等のC10−34不飽和脂肪酸など)]のグリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビトールエステル等、又は、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリC2−4オレフィン系ワックス、エチレン共重合体ワックスなどのオレフィン共重合体ワックス)等が挙げられる。その中でも、脂肪酸エステル系ワックスの使用は、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の射出成形性が向上させつつ、弾性率などの機械的物性の低下を抑えることができるため、特に好ましい。
本発明において、(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックスの割合は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。10重量部を超えるとポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を損なう場合があり、好ましくない。
<(E)ガラス系無機充填材>
本発明において使用される(E)成分のガラス系無機充填材としては、目的に応じて繊維状(ガラスファイバー)、粒状(ガラスビーズ)、粉状(ミルドガラスファイバー)、板状(ガラスフレーク)の充填材、又は中空状(ガラスバルーン)又はこれらの混合物が用いられるが、特にその中でも、繊維状のガラスファイバーが好ましい。
また、これらの(E)成分のガラス系無機充填材としては、シラン系、或いは、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤により処理を施されている無機充填材を使用することが好ましい。
シラン系カップリング剤としては、例えばビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン等が挙げられる。
ビニルアルコキシシランとしては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
エポキシアルコキシシランとしては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノアルコキシシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランとしては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリルアルコキシシランとしては、例えばγ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、チタネート系表面処理剤としては、例えば、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン等が挙げられる。また、ガラスファイバーにおいては、さらにサイズ剤として、ポリマーバインダー、接着促進剤、他の助剤などを使用しているものが好適に使用される。ポリマーバインダーとして、一般に有機系の材料、例えば水分散性/水溶性の酢酸ポリビニル、ポリエステル、エポキシド、ポリウレタン、ポリアクリレート又はポリオレフィン樹脂、それらの混合物など、従来公知のものが好適に使用される。
本発明において、(E)ガラス系無機充填材の割合は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して3〜200重量部、好ましくは5〜150重量部である。3重量部よりも過少又は200重量部よりも過多の場合には、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を損なう場合があり、いずれも好ましくない。
<樹脂組成物の調製方法及び用途>
本発明の調製法の具体的態様は特に限定するものではなく、一般に合成樹脂組成物又はその成形品の調製法として公知の設備と方法により調製することができる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとして調製することができる。また、押出機又はその他の溶融混練装置は複数使用してもよい。また、樹脂組成物の混練温度(シリンダー温度)は225〜275℃、好ましくは、235〜265℃に設定することが好ましい。
なお、本発明の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂(熱可塑性樹脂など)、種々の添加剤・充填材を含んでいてもよい。
本発明の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、従来公知の成形方法(例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクション成形などの方法)で、種々の成形品を成形することができるが、その中でも特に射出成形に適する。また、これらの成形品は、自動車部品(内装部品、電気系統部品、車載電気・電子部品、機構部品、金属と接触する部品など)、電気・電子部品(オーディオ機器、OA機器のシャーシ、レバーなど)、雑貨、文房具類など各種用途に利用することができる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示す無機充填材を除く成分をそれぞれドライブレンドし、30mmφのスクリューを有する2軸押出機((株)日本製鋼所製TEX−30α)にホッパー口から供給するとともに、押出機のサイド口から無機充填材を供給して250℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂及び(B)ポリ乳酸樹脂については、表1に記載のように保管条件及び乾燥機による乾燥条件を変えることにより、水分量の異なる状態の樹脂をそれぞれ調製して使用した。続いて、得られた樹脂組成物を用いて、成形及び評価を行った。結果を表1に示す。
なお、使用した成分の詳細、物性評価の測定法は以下の通りである。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂
(A−1)ポリブチレンテレフタレート(ウィンテックポリマー(株)製、固有粘度0.69dL/g)、ペレットとパウダーを重量比8:1で併用して使用
(B)ポリ乳酸樹脂
(B―1)Ingeo 6252D(ネイチャーワークス社製、融点168℃、溶融粘度(260℃、1216s−1)19.8Pa・s)
(B−2)REVODE 110(浙江海生生物材料股?有限公司製、融点159℃、溶融粘度(260℃、1216s−1)27.8Pa・s)
(C)窒化ホウ素
(C−1)窒化ホウ素(粉末)(水島合金鉄(株)製、六方晶構造、鱗片状の粉体)
(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックス
(D−1)モンタン酸エステル(クラリアントジャパン(株)製、リコワックス E)
(D−2)ポリエチレンワックス(三洋化成工業(株)製、サンワックス165P)
(E)無機充填材
(E−1)ガラスファイバー(E−ガラス):ECS03T−187(日本電気硝子(株)製)
(F)その他
(F−1)フェニルホスホン酸亜鉛(日産化学(株)製、エコプロモート-NP、WO/2005−097894記載のポリ乳酸樹脂用の結晶核剤)
<水分量の測定>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂及び(B)ポリ乳酸樹脂について、カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、MKC−210[水分測定器]、ADP−351[水分気化装置])を用いて、水分量の測定を行った。なお、測定試薬は、アクアミクロンAS(三菱化学(株)製)及びアクアミクロンCXU(三菱化学(株)製)を使用し、気化装置の加熱管の温度は120℃とした。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂については、ペレットとパウダーの測定値から合計の水分量を算出した。
<溶融粘度の測定>
(B)ポリ乳酸樹脂を予め送風乾燥機を用いて140℃で4時間乾燥した後、東洋精機(株)製キャピログラフ1B(キャピラリー式レオメータ)を用い、温度260℃、せん断速度1216s−1、キャピラリーL/D=20/1の条件で、溶融粘度を測定した。
<融点の測定>
JIS K7121に準拠し、ペレットから切り出した試料をアルミニウムパンに閉封し、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用い、50℃から10℃/minにて200℃まで加熱した時に検出される(B)ポリ乳酸樹脂の融解ピーク温度を測定した。
<溶融混練条件>
押出機スクリュー:L/D=38.5
吐出量:15kg/h
スクリュー回転数:129rpm
バレル温度:C2=230℃,C3〜C11,D=250℃
<機械物性評価用試験片の成形条件>
成形機:ファナック(株)製 ROBOSHOT S2000i100B
シリンダ温度:260℃
金型温度:80℃(水温調)
射出速度:13mm/s(引張試験片)、26mm/s(曲げ試験片)
保圧:60MPa×20s
<引張強さ、引張伸び(破壊ひずみ)>
ISO527−1,2に定められている評価基準に従い評価した。
<曲げ強さ、曲げ弾性率>
ISO178に定められている評価基準に従い評価した。
<結晶化ピーク温度
レットから切り出した試料をアルミニウムパンに閉封し、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用い、JIS K7121に準拠して、樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度を測定した。
<成形性(離型性)評価>
東芝(株)製EC40を用いて、図1に示す形状の成形品を成形し、保圧を20MPa〜100MPaの範囲で変化させ、離型可能な最少時間(冷却時間)を測定した。なお、成形条件は、以下の通りである。
シリンダ温度:250℃
金型温度:60℃(水温調)
射出速度:20mm/s
射出・保圧:5s
ここで、成形品は薄型のT字型の形状(長面側:長さ30mm、幅15mm、厚さ1mm;短面側:長さ10mm、幅15mm、中央厚さ2mm、最大厚さ3mm)を有するとともに、長面側の片側に円柱(直径3mm、高さ7mm)が設置されており、さらに、イジェクトピンが長面側の別の片側の中央から突き出すように設定されており、複雑形状で離型し難い構造で構成されている。冷却時間が短い方が成形性に優れていることを示しており、15秒以内のものを実用上好ましい時間として判定した。なお、60秒経過しても、離型不能なものは×と表記した。
表1の実施例1、2および比較例1〜3の比較から、(C)窒化ホウ素を使用せず、樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度が200℃に満たない場合には、同等レベルの機械的物性は有するものの成形性(離型性)が悪化することがわかる。また、実施例1、2および比較例3、4の比較から、(B)ポリ乳酸樹脂中の水分量が本発明の規定を超える場合にも、成形性(離型性)が悪化することがわかる。これに対し、本発明の請求項1の条件を満足した実施例1〜5の場合には、機械的物性を保持しつつ、保圧条件を広い範囲で変化させても成形性(離型性)に優れていることがわかる。
Figure 0005620214
1 成形品の長面側
2 成形品の短面側
3 成形品の長面側に設けられた円柱
4 成形品の長面側のイジェクトピン突き出し部位

Claims (5)

  1. (A)水分量が0〜0.20重量%のポリブチレンテレフタレート樹脂および(B)水分量が0〜0.20重量%ポリ乳酸樹脂を用いて得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であり、
    (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、(B)ポリ乳酸樹脂5〜100重量部、(C)窒化ホウ素0.001〜5重量部、(D)脂肪酸エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックスより選ばれる少なくとも1種の化合物0.1〜10重量部、(E)ガラス系無機充填材3〜200重量部を添加混合してなり、
    JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定における樹脂組成物中の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化ピーク温度が200〜210℃であり、
    (B)ポリ乳酸樹脂の融点が140〜168℃である、無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. (B)ポリ乳酸樹脂の融点が150℃以上であり、温度260℃、せん断速度1216s−1で測定した溶融粘度が10〜50Pa・sである請求項1記載の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(o−クロロフェノール中で温度35℃の条件で測定)が0.50〜1.0dL/gである請求項1又は2記載の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. (C)窒化ホウ素が六方晶構造を有し、鱗片状の粉体である請求項1〜3のいずれか1項記載の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. (E)ガラス系無機充填材が、シラン系或いはチタネート系カップリング剤により表面処理を施されているガラスファイバーである請求項1〜4のいずれか1項記載の無機充填材強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
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