JP5616332B2 - 水圧転写方法、水圧転写品及び水圧転写フィルム用塗布剤 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、水圧転写方法、水圧転写品及び水圧転写フィルム用塗布剤に関し、更に詳細に述べると、水圧転写品の表面に微細な凹凸触感を得るための転写フィルムを用いて水圧転写する方法及びこの方法によって製造された立体的な凹凸表面を有する水圧転写品及びこの水圧転写方法に用いられるのに好適な水圧転写フィルム用塗布剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水圧転写方法は、一般には、ポリビニールアルコール製の水溶性フィルムの上に所定の非水溶性の印刷パターンが施されている転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かばせ、この転写フィルムの水溶性フィルムを水で湿潤し、この転写フィルムに接触させながら物品(被転写体)を転写槽内の水に浸漬し、この際に発生する水圧を利用して転写フィルム上の印刷パターンを物品の表面に転写して印刷層を形成する方法である。
【0003】
この水圧転写方法において、転写フィルムは、水溶性フィルムにグラビア印刷等によって印刷パターンを印刷して得られるが、この転写フィルムは、一般的には、印刷パターンのインクを乾燥し、ロール状態で出荷して水圧転写作業現場に供給される。
【0004】
また、この転写フィルムは、水溶性フィルムを膨潤又は溶解させる際に水溶性フィルムであるポリビニールアルコール上のインクによる絵柄を安定させるための全外表面固定層を有している。この全外表面固定層については後に詳細に説明するが、特に、転写品の表面(下地色)が見える印刷パターン、即ち、着色インク層の一部にインクがなく絵柄が抜けた部分がある印刷パターンにおいては、透明又は半透明のインクによってインクのない部分と着色インク層を有する部分とが全面的に均一の厚さとなるように転写フィルムの全表面に全外表面固定層が設けられている。この全外表面固定層は、もし、この固定層がないと、水溶性フィルムであるポリビニールアルコールが膨潤又は溶解するにつれて水上で絵柄を固定することができなくなるのを防止するために、また水溶性フィルムのインクのない部分とインク層を有する部分との厚みの差に起因して生ずる水溶性フィルムの膨潤や溶解の不安定を防止するために、所望の意匠性を得る上で転写フィルムに必須とされている層である。
【0005】
この水圧転写は、被転写体である物品の表面を加飾する目的で行われるが、近年、物品を加飾すると同時に、物品の表面に立体感を付与することが要求され、この要求に応えるために、従来から種々の凹凸付与技術が採用されてきている(特許文献1乃至4参照)。
【0006】
従来技術による凹凸付与方法は、予め微細な凹凸表面を有する化粧板の凹凸表面に絵柄を印刷して凹凸を付与する第1の従来技術(特許文献1参照)、転写フィルムの印刷パターンのインク層等の中に木粉を混入して水圧転写品の表面に微細な凹凸を付与する第2の従来技術(特許文献2参照)、又は印刷パターンの転写前に施される表面凹凸付きのベースコートや転写後に施され硬化前にプレス成形機等によって異形凹凸が形成されたトップコートによって物品の表面に微細な凹凸を付与する第3の従来技術(特許文献3参照)による方法であった。
【0007】
しかし、これらの従来技術による方法は、化粧版のエンボス加工(第1の従来技術)やベースコートやトップコートへの機械的凹凸付与(第3の従来技術)の如き水圧転写とは別途の工程を必要としたり、ドット状以外の凹凸を得ることが難しく(第2の従来技術)、木肌の如き筋状の凹凸パターンを得ることが難しかったりする欠点があった。また、いずれの従来技術も印刷パターン自体に立体的な微細凹凸を形成するのではなく、リアルな凹凸触感を得ることができなかった。
【0008】
このような従来技術の欠点を解消するために、本出願人は、特別な工程を必要とすることなく、印刷パターン自体に立体的な微細凹凸を形成してリアルな凹凸触感を得ることができる水圧転写方法を提案した(特許文献5の特願2007−277501号)。
【0009】
本出願人の提案によるこの新水圧転写方法は、転写フィルムとして印刷パターンがインク層を有する第1の領域とインク層を有しないか第1の領域よりも薄いインク層を有する第2の領域とから成っていて全外表面固定層を有しない転写フィルムを用意し、この転写フィルムの表面に塗布して第1の領域のインクを活性化した活性剤の余剰分を水圧転写時に物品の表面で押されて第2の領域に集合しつつ活性剤余剰分を物品の表面に突出させて活性剤凸状集合部分を形成し、物品上の印刷パターンの硬化時にこの活性剤凸状集合部分を収縮させることによって第1の領域に相応するインク印刷部分よりも第2の領域に相応する部分が突出して物品表面に立体的凹凸形状が付与されるようにした方法である。
【0010】
この新水圧転写方法において、第2の領域に活性剤凸状集合部分を形成するために、第1の領域内の活性剤の余剰分を第1の領域のインク層によるはじき作用と活性剤の集合力とによって第2の領域に凸状に集合させて形成することができ、この場合、活性剤の余剰分の集合は、第1の領域のインクが活性剤を引き付ける力よりも第2の領域での活性剤集合力が大きく作用して行われるように第1の領域と第2の領域の活性剤に対する界面張力を設定して行われ、この界面張力の設定は、転写フィルムの第1の領域の活性剤に対する界面張力が第2の領域の活性剤に対する界面表面よりも低くなるように行われる。なお、本明細書において、「はじき作用」とは、活性剤がインク組成物に渾然と一体化されるまで浸透した後のインク上に残る活性剤の過剰分がインク層を有する部位の表面とインク層を有さない部位の表面との極性の差によって活性剤がインク層を有する部位の表面からインクを有さない部位の表面へと引き寄せられる現象をいう。従って、この「はじき作用」によって活性剤がインク層内に浸透するのが妨げられることはない。
【0011】
この新水圧転写方法に用いられる活性剤として、有機溶剤ではなく、紫外線硬化型樹脂成分から成っている活性剤を用いるのが好ましい。紫外線硬化型樹脂活性剤は、紫外線硬化型樹脂成分が印刷パターンのインクに浸透して乾燥インクを活性化すると共に、インク内の紫外線硬化型樹脂成分が紫外線硬化すると、物品の表面に転写された印刷パターンから成る表面加飾層に機械的、化学的な表面保護機能を付与することができる。
【0012】
本出願人は、水圧転写に用いられるのに好適な紫外線硬化型樹脂活性剤を別途提案している(特許文献4参照)。この活性剤は、有機溶剤を含むことがなく、少なくとも光重合性プレポリマー(光重合性オリゴマー)と光重合性モノマーと光開始剤とを含み、光重合性プレポリマーは、9〜40質量%、光重合モノマーは、50〜90質量%、光重合開始剤は、0.5〜5質量%、残部は0.5〜5質量%であって、10〜100CPS(25℃)の粘度とSP値で10以上のインク溶解度とを有するものである。
【0013】
この紫外線硬化樹脂組成物中の光重合性モノマーは、光重合性プレポリマーに対する溶解力と共に、印刷パターンのインクに対する溶解力があり、硬化性がよく、水圧転写されるべき基材であるABSやPC材等への付着性がよく、硬化時には収縮性が少なく、平滑性があり、透明性が確保されている。このため、紫外線硬化樹脂組成物の適正な粘度とインク溶解度とによって水圧転写フィルムの乾燥固化した印刷パターンの付着性を確実に再現することができる上に、紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターンの塗布側の表面から反対側の表面までの全厚みに浸透し入り込んで、紫外線硬化後に印刷パターンの全体(全面積、全厚み)に亘って確実に渾然一体化することができるので、印刷パターンが転写して得られる装飾層は、その外表面を含む全体に渡って紫外線硬化され、従って印刷パターンを物品の表面に強固に付着することができる上に、装飾層自体に紫外線硬化による表面保護機能が確実に付与される。
【0014】
この紫外線硬化樹脂組成物の10〜100CPS(25℃)の特定の粘度とSP値で10以上の特定のインク溶解度とは、紫外線硬化樹脂組成物の溶解度を、印刷パターンのインク組成物の溶解度に近づけることができるようにし、また、紫外線硬化樹脂組成物のこの特定の粘度は、印刷パターンのインク組成物への平滑なコーティングとインク組成物への紫外線硬化樹脂組成物の浸透性を確保することができるのに必要な値である。
【0015】
更に、光重合性プレポリマーの3〜30CPS(25℃)の特定の粘度とSP値で9以上の特定のインク溶解度とは、高粘度の傾向がある光重合性プレポリマーの粘度を下げると共に紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターンのインク組成物の溶解度に近づけることができ、印刷パターンのインク組成物に平滑に塗布することができる性質(平滑塗布性)とインク組成物に紫外線硬化樹脂組成物を良好に浸透することができる性質(浸透性)とを確保することができる紫外線硬化樹脂組成物を得ることができ、更に、この紫外線硬化樹脂組成物は、基材であるABSやPC材等への付着性も良好で、硬化時の平滑性や透明性が充分に確保されている。
【0016】
上記の活性剤凸状集合部分の収縮によって立体的な凹凸触指感を付与する新水圧転写方法において、この活性剤凸状集合部分とその周りの凹部との高低差を大きくするためには、体積収縮率の高い光重合性モノマーの配合割合を例えば70%以上の高い割合にする必要があるが、このようにすると、活性剤の主たる骨格となるべき成分であって硬化後における膜性能(摩耗性やオイレン酸等の耐薬品性)を左右する光重合性プレポリマーの配合割合が低くなるため、膜性能が低下する欠点がある。従って、本出願人が先に提案している紫外線硬化型樹脂成分から成る活性剤を新水圧転写方法に用いると、凹凸の高低差の大きい製品を得ることはできるが、十分な膜性能が得られないため、良好な凹凸触指感と良好な膜性能とを両立させることが困難であった。
【0017】
ちなみに、装飾層の膜性能を高めるために活性剤の光重合性プレポリマーの配合割合を多少高く設定しようとすると、光重合性プレポリマーの体積収縮率が光重合性ポリマーよりも小さいため、結果として凹凸の高低差の大きい製品を得ることができないので、好ましくない。
【0018】
他方、凹凸を付与すべき物品は、凹凸による触指感を必要とする転写品であるので、人体が触れることによって製品の表面の防汚性を評価するのに通常用いられているオレイン酸に対する耐薬品性が重視される。即ち、この種の転写品に要求される対薬品性の性能評価の一つとして、人体の汗や皮脂に含まれるオイレン酸により人体からの汗や指紋跡、汚れの原因に対する防汚性を評価することが極めて重要である。従って、凹凸が付与される物品(転写品)は、オイレン酸に対する耐久性が重要な性能であり、単に凹凸を形成することができたり、その高さ調整ができたりというだけでは不充分(不良)である。このように、特許文献4に記載されているような従来技術の活性剤を用いて新水圧転写による凹凸を付与しようとすると、凹凸を得るために平滑性を下げると、膜性能が著しく低下するので、塗工性や浸透性等を加味した上で全体的にバランスよく凹凸を付与することができないため、これを改良することが望まれる。
【0019】
本発明の更に他の重要な課題は、転写フィルムが全外表面固定層を有していなくても、印刷パターンの絵柄を水上で安定して維持できるようにすることであるが、転写フィルムに絵柄安定用の全外表面固定層を有しなくても、この転写フィルムに特許文献4の従来技術による活性剤を塗布すると、水上での印刷パターンの絵柄の安定性が充分ではない。
【0020】
上記の理由から、本出願人が先に提案した特許文献4の活性剤を用いて物品の表面に高低差の大きい凹凸を付与するように水圧転写することは決して望ましいものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平05−270199号公報
【特許文献2】特開平06−040198号公報
【特許文献3】特開平07−276899号公報
【特許文献4】特許第4166816号公報
【特許文献5】特願2007−277501号(特開2009−101657号公報)
【特許文献6】PCT/JP2008/69304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明が解決しようとする第1の課題は、表面加飾層の膜性能(摩耗性やオイレン酸等の耐薬品性等)を低下することなく、凹凸高低差を大きくして立体的な凹凸触感を一層向上することができ、また凹凸を付与するために全外表面固定層を有しないことが必要な転写フィルムの印刷パターンの絵柄を水上で安定して維持できる高い意匠性を確保できる水圧転写方法を提供することにある。
【0023】
本発明が解決しようとする第2の課題は、表面加飾層の膜性能や高い意匠性を維持しつつ、大きな凹凸高低差で一層向上される立体的な凹凸触感を有する水圧転写品を提供することにある。
【0024】
本発明が解決しようとする第3の課題は、全外表面固定層を有していないことが要求される転写フィルムの印刷パターンを水上で安定して維持することができて高い意匠性を確保することができ、また表面加飾層の膜性能を低下することなく、凹凸高低差を大きくして立体的な凹凸触感を一層向上することができる水圧転写用の活性剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の課題解決手段は、水溶性フィルム上に印刷パターンを施して形成された転写フィルムの印刷パターンを活性剤で活性化し、その後この印刷パターンを物品の表面に水圧転写する方法において、転写フィルムとして印刷パターンがインク層を有する第1の領域とインク層を有しないか第1の領域よりも薄いインク層を有する第2の領域とから成っていて全外表面固定層を有しない転写フィルムを用意し、この転写フィルムの表面に塗布して第1の領域のインクを活性化した紫外線硬化型樹脂成分から成る活性剤の余剰分を水圧転写時に物品の表面で押されて第2の領域に集合しつつ活性剤余剰分を物品の表面に突出させて活性剤凸状集合部分を形成し、物品上の印刷パターンの硬化時にこの活性剤凸状集合部分を収縮させることによって第1の領域に相応するインク印刷部分よりも第2の領域に相応する部分が突出して物品表面に立体的凹凸形状が付与されるようにし、転写フィルムの表面に塗布すべき紫外線硬化型樹脂成分の活性剤は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートから選ばれる少なくとも一つの3官能基以上の第1の光重合性モノマーAとジプロピレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートから選ばれる少なくとも一つの2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを少なくとも有し、前記樹脂成分は、20〜70重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと30〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーBとの配合割合を有することを特徴とする水圧転写方法を提供することにある。
【0026】
本発明の第1の課題解決手段において、第2の光重合性モノマーは、100〜1000の分子量を有するのが好ましい。
【0027】
本発明の第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段による水圧転写方法によって形成された立体的凹凸表面を有することを特徴とする水圧転写品を提供することにある。
【0028】
本発明の第3の課題解決手段は、第1の課題解決手段による水圧転写方法に用いられる活性剤であって、前記活性剤を構成する紫外線硬化型樹脂成分は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートから選ばれる少なくとも一つの3官能基以上の第1の光重合性モノマーAとジプロピレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートから選ばれる少なくとも一つの2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを有し、前記樹脂成分は、20〜70重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと30〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーBとの配合割合を有することを特徴とする水圧転写用活性剤を提供することにある。
【0029】
本発明の第3の課題解決手段において、第2の光重合性モノマーは、100〜1000の分子量を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、転写フィルムの印刷パターンを活性すべき活性剤は、特定の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと特定の2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを有する紫外線硬化型樹脂成分を含み、この樹脂成分は、20〜70重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと30〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーBとの配合割合を有し、従って従来技術の紫外線硬化型樹脂活性剤で用いられている体積収縮率の低い光重合性オリゴマーを使用することなく、従来技術の紫外線硬化型樹脂活性剤では得ることができなかった高い体積収縮率(好ましくは10〜20%)を得ることができるため、表面加飾層の凹凸高低差を極めて大きくすることができるので、一層リアルな凹凸触感を得ることができ、立体的な加飾性を一層向上することができ、転写フィルムが全外表面固定層を有していなくても高い意匠性を確保することができる。
【0031】
また、本発明に用いられる活性剤は、3官能基以上の第1の光重合性モノマーが従来技術の活性剤の光重合性オリゴマーに替わって表面加飾層に機械的、化学的な表面保護機能を付与することができるので、表面飾層の膜性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による水圧転写方法の概略を示す概略図である。
【図2】本発明の方法によって得られた水圧転写品の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の水圧転写方法の1例を工程順に示し、図3(A)は、転写フィルムの断面図、図3(B)は、転写フィルムに活性剤を塗布した状態の断面図、図3(C)は、転写後の物品の表面に活性剤余剰分による凸部が形成された状態を示す断面図、図3(D)は、水圧転写後紫外線を照射する状態の断面図、図3(E)は、物品から水溶性フィルムを水洗する状態の断面図、図3(F)は、物品の表面を乾燥する状態の断面図である。
【図4】本発明の第1の形態による方法の工程を示す概略系統図である。
【図5】本発明の第1の形態で転写フィルムが物品に付き回る状態を説明する概略断面図である。
【図6】本発明の第2の形態による方法の工程を順次示す概略系統図である。
【図7】本発明の第2の形態で転写フィルムが物品に付き回る状態を説明する概略断面図である。
【図8】本発明の実施例1によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真ある。
【図9】本発明の実施例2によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真である。
【図10】本発明の実施例4によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真である。
【図11】本発明の実施例5によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真である。
【図12】本発明の実施例6によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真である。
【図13】比較例1によって得られた製品の実物表面と断面とを拡大して示す写真ある。
【図14】本発明の実施例1乃至6と比較例1に用いられた転写フィルムの印刷パターンを拡大して寸法とともに示す図である。
【図15】硬化前の収縮不良の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明が適用される水圧転写方法を概略的に示し、この水圧転写方法は、印刷パターン340が施された水溶性フィルム314から成る転写フィルム316(図3(A)参照)の印刷パターン340上に後に詳細に述べる紫外線硬化型樹脂の活性剤320を塗布してインクを活性化した後、この転写フィルム316を印刷パターン340が上面となるようにして図示しない転写槽内の水318上に供給して浮かばせ、水圧転写すべき物品10をこの転写フィルム316を介して水318の中に押し込んで(図1及び図3(B)参照)物品10の表面に印刷パターン340に相応するパターンを有する印刷層(又は表面加飾層)30(図2及び図3(C)参照)を有する加飾物品10Dを形成する方法である。印刷パターン340のインクの成分や、水溶性フィルム314、その他の構成要素(活性剤を除く)の材料は、後に述べる実施の形態及び実施例に記載されたものに限定されるものではなく、また物品10は、この水圧転写前に下地処理を適宜施すことができる。
【0034】
水溶性フィルム314は、水を吸収して湿潤し軟化する例えばポリビニールアルコールを主成分とする水溶性材料から成っている。この水溶性フィルム314は、水圧転写時に、転写槽内の水に触れて軟化し、水圧転写を容易にする。印刷パターン340は、水溶性フィルム314の上にグラビア印刷等によって施され、この転写フィルム316は、印刷パターン340のインクを乾燥した状態で保管し、水圧転写時に活性剤を用いて活性化される。
【0035】
その後、印刷層30が形成された加飾物品10Dは、活性剤を硬化する硬化工程(図3(D)参照)、水溶性フィルム314を除去するシャワー洗浄工程(図3(E)参照)、物品の表面を乾燥する乾燥工程(図3(F)参照)を経て、完成品となる。
【0036】
図示していないが、実際には、物品10は、適宜のコンベヤで搬送されたり、ロボットアームに支持されたりしながら水中に押し入れられる。また、場合によっては、印刷パターン340上に活性剤320を塗布する工程と転写フィルム316を水に浮かばせる工程とは、その工程の順序を逆にして、水に浮かばせた転写フィルム316の印刷パターン340上に活性剤320をスプレー塗布してもよい。
【0037】
本発明の方法は、本出願人が先に出願した特願2007−277501号及びPCT/JP2008/069304号に開示されている方法に特定の活性剤を適用することにあるが、以下、この先の特許出願の内容を再現しつつ詳細に説明する。
【0038】
本発明の方法においては、図4(A)及び図6(A)に示すように、印刷パターン340は、インク層312Iを有する第1の領域312Aと、インク層を有しないか第1の領域312Aよりも薄いインク層を有する第2の領域312Bとから成り、第2の領域312B内に活性剤の余剰分を集合するのに必要な空間を有し、且つ印刷パターン340の上に全外表面柄固定層を有しない転写フィルム316が用いられる。第1の領域312Aの活性剤に対する界面張力は、第2の領域312Bの活性剤に対する界面張力よりも低く設定されているのが好ましいが、その理由は、後述する。
【0039】
紫外線硬化型樹脂の活性剤320が転写フィルム316に塗布されると、この活性剤320は、印刷パターン312の第1の領域312Aのインク層312Iに浸透しながらこのインク層312Iを活性化してインク層の印刷時の状態と同じような付着性を復元して印刷パターン340の水圧転写を可能にするが、それと同時に以下に詳細に述べるように、物品10の表面に転写フィルム316の印刷パターン340を水圧転写して形成される印刷層(表面加飾層)30(図2参照)のインク印刷部分30Aとインク印刷部分30Aとの間の空間(中間空間)30Bに印刷パターン340を活性化するのに用いられる紫外線硬化型樹脂の活性剤320の余剰分320Rを凸状に集合しながら転移させてこの中間空間30Bにインク印刷部分30Aよりも高い凸部30BPを形成して立体的な凹凸触感を付与する。
【0040】
このように、転写フィルム316の印刷パターン340を活性化するための活性剤余剰分を物品の印刷層30のインク印刷部分30Aの間に凸状に集合して凸部30BPを形成するためには、次の2つの形態がある。第1の形態は、後に図4及び図5を参照して詳細に述べるが、転写フィルム316に塗布された活性剤の余剰分320Rを印刷パターン340のインク印刷部分312Aの間に流し込むようにして転写時にその余剰分320Rをインク印刷部分312Aの間に集合させながら物品の表面に転移させて凸部30BPを形成する形態であり、第2の形態は、後に図6及び図7を参照して詳細に述べるが、活性剤の余剰分320Rを印刷パターン340の第1の領域312Aのインク層312Iによるはじき作用と活性剤320の集合力とによって第2の領域312Bで凸状に集合させた後、転写時に、第2の領域312Bの活性剤凸状集合部分320Cを物品の表面に凹凸反転させて凸部30BPを形成する形態である。なお、「はじき作用」とは、既に述べたように、インク上に残る活性剤の過剰分がインク層を有する部位の表面とインク層を有さない部位の表面との極性の差によって活性剤がインク層を有する部位の表面からインクを有さない部位の表面へと引き寄せられる現象のことであり、従って、この「はじき作用」は、インクを有さない部位から見ると、両部位の間の極性差による「引き寄せ現象」と言い換えることができる。この「はじき作用」又は「引き寄せ現象」によって活性剤がインクを活性化するためにインク層内に浸透するのが妨げられることはないことに注目すべきである。
【0041】
この第1の形態の方法と第2の形態の方法とは、単独で又は両者相俟って行われると考えられるが、以下にそれぞれの方法を具体的に述べる。いずれの場合も、活性剤320は、インク印刷部分312に浸透してインクを活性化するのに必要な量を越えて凸部32BPを形成するのに必要な余剰量を塗布する必要がある。
【0042】
第1の形態の方法が図4及び図5に示されており、図4(A)に示される転写フィルム316に、図4(B)に示すように、紫外線硬化型樹脂の活性剤320が塗布されると、この活性剤320は、印刷パターン340の乾燥している第1の領域312Aのインク層312Iに浸透してこのインク層312Iに付着性を復元するので、この転写フィルム316と共に物品10を上方から水中に押し込むと、印刷パターン340が物品10の表面に印刷層(表面加飾層)30として水圧転写されるが、この際、第1の領域312Aの上方にある活性剤320の余剰分320RAと第2の領域312B内にある活性剤320の余剰分320RBとがその流動性によって物品10の表面に押されて第2の領域312B内に流れ込みながら集合し(図4(C)参照)、第1の領域312Aのインク印刷部分312Iに相応する隣り合うインク印刷部分(印刷層30のインクを有する部分)30Aの間の空間(第2の領域312Bに相応する部分)30B内に凸状に転移し、この空間30B内に活性剤の集合による凸部30BPを形成する(図4(C)参照)。なお、この凸部30BPは、第2の形態に関連して図6(F)を参照して詳細に述べるように、紫外線硬化時に収縮差を生じさせて凸部30BPの周りにインク印刷部分30Aよりも低い凹部を形成して高低差を一層顕著にすることができる。
【0043】
物品10が転写フィルム316を介して水中に押し込まれる状態が図5に詳細に示されており、この場合、物品10が水に付き回る速さよりも転写フィルム316が物品に付き回る速さの方を速くすると、凸部30BPの高さが一層顕著になるので好ましい。その理由は、後に図7を参照して述べる第2の形態による方法と同じである。なお、図1及び図4では、物品10は、便宜的に扁平であるのが示されているが、図5では、物品10は、転写フィルム316の付き回りの説明を容易にするために、高さと丸みとがある形態で示されている。
【0044】
活性剤320は、インクに活性作用を付与することができる光重合性モノマー含有の紫外線硬化樹脂組成物から構成されているが、特に、無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物から構成されているのが好ましい。この活性剤の詳細な成分は、後に詳細に述べる。この活性剤320は、例えば、グラビアロール、ミヤバー又はスプレーの何れかの方法で転写フィルム316に塗布することができる。活性剤には、増感剤、充填材、不活性有機ポリマー、チキソトロピー付与剤、熱重合禁止剤、艶消し成分等を添加することができる。空間30に形成された凸部分30BPは、紫外線硬化されて形成された活性剤の樹脂成分である。
【0045】
次に、第2の形態による方法が図6及び図7に示されており、図6(A)に示される転写フィルム316に、図6(B)に示すように、活性剤320が塗布されると、この活性剤320は、印刷パターン340の乾燥している第1の領域312Aのインク層312Iに浸透してこのインク層312Iに付着性を復元するが、図6(C)に示すように、活性剤の余剰分320Rがインク層312Iの低い界面張力によってはじかれながら第2の領域312Bに移行し、またこの第2の領域312B内で活性剤自体の集合力が作用して第2の領域312Bで活性剤が凸状に集合する。図6(C)を参照すると、活性剤320の余剰分がインク層312Iを有する第1の領域312Aからインク層を有しない(又は薄いインク層を有する)第2の領域312Bに集合してやや盛り上がっているのが解る。このインクの盛り上がり部分を以下に活性剤凸状集合部分320Cと称する。この活性剤凸状集合部分320Cの盛り上がり高さは、数μm程度である。
【0046】
インク層312Iの活性剤320に対する界面張力の調整は、活性剤320中のレベリング剤を調整することによって行うことができる。活性剤320中のレベリング剤を増加すると、第1の領域312Aのインク層312Iの活性剤320に対する界面張力が低下し、第2の領域312Bへの活性剤320の集合力を高めることができる。なお、第2の領域312Bに第1の領域312Aのインク層312Iよりも薄いインク層を設ける場合に、この第2の領域312Bのインク層の厚みは、後述する凹凸反転を阻害しない程度に設定する。例えば、グラビア印刷により第2の領域312Bに薄いインク層を設ける場合には、この薄いインク層は、例えば、極めて微細で相互に独立するドット状に設けられ、またインク層が活性剤で完全に溶解され活性剤を着色するものを用いるのが好ましい。この第2の領域312Bに充填される材料(薄いインク層又は活性剤)が着色されていると、着色を施さない場合に視認される物品の表面の肌色を隠蔽し、物品の表面の印刷層又は表面加飾層30の外観を良好にすることができる。
【0047】
活性剤中に配合されるレベリング剤は、印刷パターン340のインクの組成との相性に応じて適宜調整されるが、レベリング剤が少なすぎる(レベリング性が全くない)と、第1の領域312Aのインク層312Iに対する活性剤の浸透性が著しく低下するため、活性剤のインク層312Iへの十分な浸透(活性化)を確保することができなくなる上に活性剤がインク組成物に渾然と一体化されなくなり、その結果、インクの良好な付着性が再現しないという問題が発生し、また活性剤がインク組成物に渾然一体化することによって得られる機械的、化学的に良好な特性を期待することができなくなる。また、逆に、レベリング剤が多すぎると、インクのはじき作用が低くなって活性剤の集合力が低下して活性剤凸状集合部分320Cの高さが小さくなり凹凸反転によって形成される凸部30BPもレベリングされて低くなってしまう傾向が発生する欠陥がある。従って、レベリング剤は、このような欠陥を生ずることがないような範囲で調整される。好ましいレベリング剤としては、有機変性ポリシロキサンの如きシリコーン系レベリング剤やポリアクリレートの如きアクリル系レベリング剤やBYK―UV3500(BYKはビックケミー・ジャパン社の登録商標)で市販されているジメチルポリシロキサンを骨格とするUVコーティング用レベリング剤がある。これらのレベリング剤は、3官能基以上の第1の光重合性モノマーと2官能基の第2の光重合性モノマーの合計量(重量)に対して0.01乃至3重量%の割合で活性剤に含有するのが好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。なお、後述するように、多官能基モノマーの一部をオリゴマーに置き換えた場合には、レベリング材の上記配合割合は、このオリゴマーも含んだモノマーの合計量(重量)に対する割合である。また、活性剤の集合力が高まると、第2の領域312Bの活性剤凸状集合部分320Cの高さが第1の領域の高さよりも高くなる傾向が発生するが、その高さは、それぞれの領域の特性、すなわちインクの固形分や顔料の如き成分や領域の間隔、活性剤の塗布量等によって異なり、レベリングの調整によって、例えば2〜10μm程度、第2の領域312Bが第1の領域312Aよりも高くなるように活性剤の集合力を高くするとよい。
【0048】
第2の形態に用いられる活性剤320も、好ましくは、レベリング剤を所定量配合した光重合性モノマー含有の無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物から成っている。この活性剤320も、グラビアロール、ミヤバー又はスプレーの何れかの方法で転写フィルム316に塗布することができ、またこの活性剤には、レベリング剤の他に、必要に応じて、活性剤のはじき作用(引き寄せ作用)と集合力を阻害しない程度において、増感剤、充填材、不活性有機ポリマー、チキソトロピー付与剤、熱重合禁止剤、艶消し成分等を添加することができる。
【0049】
活性剤320に対する界面張力を高める(水溶性フィルムの第2の領域となる表面の濡れ性をよくする)ために、予め印刷パターンを施す前の水溶性フィルム314に、例えば、UV照射による表面改質等の如き表面処理を施してもよく、このようにすると、第2の領域312Bの活性剤320の集合力を一層高めることができる。
【0050】
このようにして、印刷パターン活性剤320を塗布して第2の領域312Bに活性剤凸状集合部分320Cが形成された転写フィルム316を用いて、図6(D)に示すように、物品10に印刷パターン340を水圧転写するが、このとき、図6(E)に示すように、第2の領域312Bの活性剤凸状集合部分320Cが転写フィルム316の水溶性フィルム314側に押し上げられるように、凹凸反転されながら、転写フィルム316の印刷パターン340が物品10の表面に転写される。即ち、転写フィルム316の水溶性フィルム314とは反対側に凸であった活性剤凸状集合部分320Cは、水圧転写によって、物品10の表面によって今まで凸であった部分が物品10の表面に反動的に押されて水溶性フィルム314側に凸となるように反転されて物品の表面上に装飾層(印刷パターン340の付着によって形成された層)30側に凸となる部分30BPを形成する。活性剤凸状集合部分320Cのこの凹凸反転は、印刷パターン340にインク層を有しない部分かインク層の薄い部分があり、且つこの印刷パターン340の全外表面を覆う全外表面柄固定層を有しないことによって達成される。
【0051】
なお、活性剤凸状集合部分320Cの凹凸反転は、転写フィルム316を縦横の少なくともいずれかに収縮するように物品10の表面に付き回させて行うのが好ましいが、この転写フィルム316の収縮による物品10の表面への付き回しは、物品が水に付き回る速さよりも転写フィルムが物品に付き回る速さが速くなるようにして行うことができる。このようにすると、この部分320C(凸部30BP)の突出を一層顕著にすることができる。
【0052】
この動きを図7を参照して一層具体的に説明すると、図7(A)に示すように、物品10を印刷パターン340に押しつけるときに、図7(B)及び図7(C)に示すように、印刷パターン340をその長手方向に沿って物品10側に寄せるようにして転写すると、第2の領域312Bと第1の領域312Aの間隔が狭められつつ物品10に沿うように転写されるが、実際には、第1の領域312Aは、インク層312Iを有するのに対して第2の領域312Bは、インク層を有しないかあってもインク層が薄いので、第1の領域312Aの幅よりも先に第2の領域312Bの幅の方がより狭められ、従って、狭くなった第2の領域312Bの空間内に活性剤余剰分が一層高く突出するように集合される(図7(B)参照)。このように活性剤余剰分が一層高く突出した状態で上方から物品10と接触するので、物品10の表面に押されて凹凸反転した時に、水溶性フィルム314側へ顕著に凸となるのである(図7(D)参照)。なお、印刷パターン340を物品10側に寄せるように収縮するために、バッチ式の転写槽の場合には、その内部の水上で十分に膨潤した水溶性フィルム314を物品10を水没させる位置の両側から物品10の着水点へ寄せるようにしつつ物品10を水没させたり、あるいは水318が上流から下流に流れる転写槽を用いる場合には物品10と水流との相対速度を物品側が遅くなるように(水流速度が速くなるように)移動させつつ水溶性フィルム314上の印刷パターン340を物品10へ一層寄せるようにして印刷パターン340を狭めたりすることができる。
【0053】
図6(E)、図7(C)(D)の凹凸反転工程後、UV照射硬化装置322を用いて印刷層又は表面加飾層30(当初の印刷パターン340)をUV硬化させ(図3(D)、図6(F)参照)、その後、図3(E)を参照して説明したように、表面の残留した水溶性フィルム314をシャワー洗浄機324によって除去し、最後に物品の表面を乾燥機(例えばエアブロアー)326によって乾燥して微細な凹凸表面を有する加飾物品10Dを完成する。なお、本発明においては、装飾層30を硬化する工程(図3(D)参照)と水溶性フィルム314を除去する工程(図3(E)参照)とを逆にしてもよい。また、表面の乾燥は、自然乾燥であってもよい。
【0054】
この装飾層30の硬化は、装飾層30の表面から硬化させるのが好ましい。このようにすると、図6(F)に示すように、装飾層30の凸部30BPのトップからサイドにかけて表面が先に硬化して収縮が開始し、この表面硬化に追従するように、内部が次第に収縮し始める。このため、柔軟性を有する内部の変形がおこり、内部を細くさせることで上方に凸形状を先細るように変形させることになり触指感が向上する。特に、この硬化速度を速めると、凸部30BPの収縮が一層大きくなってその高さ(先細り)が増大するので、この速度を調整することによっても凹凸差を適宜設定することができる(図5(D)及び図7(D)参照)。
【0055】
また、インク層312Iを有する第1の領域312Aは、インクの固形分を多くしたり顔料の濃度を高くしたりすることによってその収縮を抑制することができる。このように、インクの収縮を抑制することによって、第1の領域312Aと第2の領域312Bとの間に大きな収縮差を生じさせて凸部分30BPの凸形状を一層先細るように変形させることができる。
【0056】
表面装飾層30を硬化するUV照射硬化装置322は、低圧又は高圧の水銀ランプ、メタルハライドランプの如き光源ランプと照射器(ランプハウス)を含む任意の形態とすることができる。
【0057】
UV照射硬化装置322は、UV照射によって活性剤凸状集合部分320C(凸部30BP)の表面を一気に硬化させるようにするのが好ましい。このように、一気に表面の皮膜を形成すると、第1の領域312Aに相応するインク印刷部分(第1の表面部分)30Aと第2の領域312Bに相応する部分(第2の表面部分)30Bとの収縮変形を顕著にすることができる。即ち、このように活性剤凸状集合部分320Cを一気に表面硬化させて収縮変形を高めると、第1の表面部分30Aと第2の表面部分30Bとの境目で両方から同時に「引け」を起こし、図6(F)に示すような凸部30BPの側面に高低差の低い(装飾層30のインク印刷部分=第1の表面部分30Aより低い)凹部分を形成しつつ、「引け」の部分の樹脂を第2の表面部分30Bの凸部30BPへと変形移行させることになり、凹部の減少した体積分を凸部へ移行させつつ、凸部30BPを一層高くすることができ、一層顕著な凹凸を形成することができる。紫外線硬化樹脂組成物(溶剤含有型又は溶剤非含有型のいずれでもよい)の活性剤は、印刷パターンに浸透された主要部分の紫外線硬化時に活性剤凸状集合部分も紫外線硬化するが、その後表面の水溶性フィルムを洗浄し除去することによって、凸部30BPが水溶性フィルム314で覆われて空気に接触しない状態で紫外線硬化させることができるので、表面の硬化を一層速めて凹凸差を一層顕著にすることができる。
【0058】
なお、本発明においては、表面保護層(トップコート層)を設けると、装飾層30の凹凸による立体感を損ねるため、表面保護層を設けない方が好ましいが、装飾層30の凹凸に倣った表面保護層であれば、表面保護層を設けることを必ずしも否定しない。
【0059】
本発明に使用するのに好適な紫外線硬化型樹脂の活性剤は、3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを少なくとも有し、この第1と第2との光重合性モノマーA、Bは、添加剤も含めた全体の体積収縮率が10〜20%となり、且つ100〜500CPSの粘度となるような成分と配合割合を選択して配合されているが、この成分と配合割合は、後に詳細に述べる。全体の体積収縮率が10%に満たないと、所望する凹凸が形成することができないし、逆に全体の体積収縮率が20%を超過すると、所望の凹凸を形成うることができても体積収縮が強すぎるため印刷パターン自体の膜性能を低下させることになり、従って全体の体積収縮率は、10〜20%が最適である。なお、活性剤の溶解度を印刷パターンのインク組成物の溶解度に近づけるために、第1と第2との光重合性モノマーA、Bは、7以上のSP値のインク溶解度となるように配合されていることがより好ましい。
【0060】
このように、本発明に用いられる紫外線硬化型樹脂活性剤は、従来技術で用いられていた体積収縮率が低い光重合性オリゴマー(プレポリマー)を主成分として使用することを回避して活性剤の体積収縮率を高くすることができるようにし、また第1と第2の光重合性モノマーの配合割合を適宜設定して従来技術の活性剤の光重合性オリゴマー(プレポリマー)が担っていた膜性能を維持しつつ活性剤のインクへの浸透と転写と物品10の表面への付着性を維持するために所定の粘度とインク溶解度を得るものである。
【0061】
本発明において、3官能基以上の第1の光重合性モノマーAは、活性剤全体の体積収縮率を調整し、かつ膜性能を向上させることを主たる役割とし、また2官能基の第2の光重合性モノマーBは、体積収縮率により凹凸高低差を出しつつ活性剤の粘度を塗工性に望ましい範囲に調整する(低下する)役割と、インク溶解性や所望する付着性と塗工性を維持する役割を有している。
【0062】
このような活性剤は、以下に述べるような第1の光重合性モノマー(3官能基以上)Aと第2の光重合性モノマー(2官能基)Bとを使用するが、上記の所定の粘度とインク溶解度とを得るために、活性剤の樹脂成分は、20〜60重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーと40〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーとの配合割合とすることによって得られる。第2の光重合性モノマーBの配合量が多すぎると、活性剤の硬化時の収縮性だけでなく、平滑性(レベリング性)も強くなるために塗工性は向上するが、平滑性が不必要に強くなりすぎると、所望する凹凸高さが得難くなるばかりでなく、硬化前の収縮不良(ちぢみ不良)が発生したり、膜性能が低下したりする。従って、塗工性と凹凸高さや硬化前の収縮性や膜性能とのバランスを保つ必要性があるが、活性剤は100〜500CPSの粘度とすることが必要であり、更に好ましくは、7以上のSP値のインク溶解度にとなるように設定される。なお、活性剤のSP値の好ましい範囲を、従来の活性剤(特許文献4)の10以上よりも下限値が低い「7以上」としたのは、本発明の活性剤を発明する過程で、印刷パターンのインク組成物と活性剤との相性などによっては、SP値が7〜10未満の範囲でも、実用上問題ない程度のインク溶解性が得られる、という知見によるものである。
【0063】
上記の「硬化前の収縮不良」とは、平滑性が強すぎる場合に起こる不良であり、具体的には、紫外線を硬化させる前において、活性剤の浸透力で素材が過剰に膨潤し界面張力が強く働きすぎて活性剤の自由度が過度に増加するために、特に、物品表面の曲率が高い部位(物品の角や端部)において意匠の密着性が維持できないで、転写後初期の時点で柄のズレを起こす意匠の不良が生ずる現象であり、図14にその不良となった状態が示されている。この柄のズレは、物品表面の曲率が高い部位には応力が集中し易く、硬化される前のインクや形成された凹凸に不要なストレスがかかり易くなり、意匠的に「ちぢみ」や「切れ」の発生として表れる。このため、所望の膜性能や塗工性だけでなく、このような「硬化前の収縮不良」も発生しないように第1と第2の光重合性モノマーA、Bを選択して調整することが重要となるのである。
【0064】
上記の「硬化前の収縮不良」を抑制するために、活性剤には非反応性樹脂を添加してもよい。この非反応性樹脂としては、例えばアクリルポリマーを用いることができる。非反応性樹脂の好ましい添加量は、紫外線硬化製樹脂組成物(第1の光重合性モノマーと第2の光重合性モノマーと光重合開始剤の重量合計)に対して2〜30重量%(固形分として)である。非反応性樹脂の添加量が30重量%を超えると、紫外線硬化樹脂組成物のゲル化が起こる場合があるので好ましくない。また、非反応性樹脂の分子量は、本発明の紫外線硬化樹脂組成物の諸特性を損なわない範囲で適宜選択できるが、好ましくは50000〜100000、特に好ましいのは、60000〜80000である。
【0065】
第1の光重合性モノマーA(3官能基以上の光重合性モノマー)は、5〜35%の体積収縮率を有し、粘度が50〜6000CPSである成分を用いるのが好ましく、更にインク溶解度が7以上のSP値である成分を用いるのが一層好ましい。
【0066】
第1の光重合性モノマーAの体積収縮率を5〜35%としたのは、体積収縮率が5%未満では、活性剤凸状集合部分320Cとその周りとの凹凸高低差を大きくすることができない上に、この凹凸高低差の調整が難しく、また体積収縮率が35%を超えると、体積収縮率が大きすぎて、転写後の硬化工程を経て得られた印刷層又は表面加飾層30の膜と物品との密着性が低下し易くなり、その表面保護機能が低下する虞があるからである。従って、第1の光重合性モノマーAの体積収縮率は、5〜35%の範囲であるのが好ましい。
【0067】
また、第1の光重合性モノマーAの粘度を50〜6000CPSとし、インク溶解度を7以上のSP値とした理由は、この範囲の粘度とインク溶解度であると、活性剤の塗布及び浸透が容易であるからである。
【0068】
本発明の活性剤の樹脂成分に用いられる第1の光重合性モノマーは、次の成分である。これらの成分の1つ又は複数を組み合わせて使用することができる。
(1)3官能基モノマー
これには、体積収縮率が15.1〜28で、粘度(mPa・s)/25℃が60〜1100の範囲のもので、下記のものがある。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリクリレート
(2)4官能基以上モノマー
これには、体積収縮率が7〜33で、粘度(mPa・s)/25℃が160〜5250の範囲のもので、下記のものがある。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
【0069】
第2の光重合性モノマーB(2官能基の光重合性モノマー)は、10〜22%の体積収縮率と100〜1000の分子量とを有し、粘度が3〜30CPSである成分を用いるのが好ましく、更に、インク溶解度が7以上のSP値である成分を用いるのが、一層好ましい。
【0070】
第2の光重合性モノマーの体積収縮率を10〜22%としたのは、このモノマーの体積収縮率が10%未満とすると、活性剤の粘度が高くなりすぎるため、活性剤凸状集合部分320Cの凹凸反転が困難となる上に転写作業性を著しく損なう虞があるからであり、またこのモノマーの体積収縮率が22%を超えると、印刷層又は表面加飾層30の平滑性が強くなって凹凸の大きな高低差を得ることが難しくなる上に、印刷層又は表面加飾層30が過剰に硬化収縮して残留応力で膜性能が低下する虞があるからである。第2の光重合性モノマーBの体積収縮率が10〜22%であると、このような不利益を解消すると共に、第1の光重合性モノマーAの高い粘度を調整して活性剤全体の粘度を所定の粘度に調整して凹凸高低差を所定の値にすることができる。
【0071】
第2の光重合性モノマーBの分子量を100〜1000としたのは、この分子量であると、第2の光重合性モノマーBの第1の光重合性モノマーAに対する溶解力及び印刷パターンの340のインクに対する溶解力が向上して活性剤の作製、印刷パターンへの浸透性を保持し、また紫外線硬化性がよく、更に水圧転写されるべき物品10の基材、特にこの基材がABS樹脂やPC樹脂である場合に、この基材への付着性がよく、印刷層又は表面加飾層の接着強度を向上することができることにある。
【0072】
また、第2の光重合性モノマーBの粘度を3〜30CPS、インク溶解度を7以上0のSP値としたのは、第2の光重合性モノマーBを第1の光重合性モノマーAに配合することによって活性剤の所定の粘度100〜500CPSとSP値が7以上の所定のインク溶解度を得るように調整することができるからである。
【0073】
本発明の活性剤の樹脂成分に用いられる第2の光重合性モノマーBは、体積収縮率が7.1〜22で、粘度(mPa・s)/25℃が65〜1400の次の成分であり、これらの成分の1つ又は複数を組み合わせで使用される。
ジプロピレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート
【0074】
なお、活性剤の好ましい体積収縮率を得るために用いられる第1の光重合性モノマーと第2の光重合性モノマーとの配合比率が所定の範囲であることを条件に、第1の光重合モノマーの一部を、選択的にウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、アミン変性ポリエーテルアクリレート等の光重合性オリゴマーに置き換えて使用してもよい。この場合、意匠の凹凸の高低差は、若干低下するものの、従来技術の活性剤を使用する場合よりも良好な凹凸意匠性を得ることができるとともに、耐オレイン酸浸透性等の膜性能を強化することができる。
【0075】
光重合開始剤は、第1の光重合性モノマー及び第2の光重合性モノマーの光重合反応を開始させるためのものであり、表面硬化型光重合開始剤と内部硬化型光重合開始剤との両方を含んでいるのが好ましい。表面硬化型光重合開始剤としては、例えばヒドロキシケトン系を用いることができ、また内部硬化型光重合開始剤としては、例えばアシルホスフィンオキサイド系を用いることができる。
【0076】
既に述べたように、紫外線硬化型樹脂活性剤は、転写フィルム316の印刷パターン340に浸透してインクを活性化するのに必要な量を超えて第2の領域に移行することができるように通常よりも過剰に塗布されるが、適正な塗布量は、厚みが3〜30μmであるが、一層望ましくは10〜25μmである。
【0077】
なお、本発明で言う無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物における「無溶剤型」とは、溶剤成分が絶対零という意味ではなく、本発明の作用を損なわない範囲で補助成分として含有してもよく、本発明を回避する目的で溶剤成分が添加されたり、難分散性の添加成分を溶剤分散されて紫外線硬化樹脂組成物に添加されたり、光重合性モノマーを製造する際に用いた溶剤成分が残留していたりするのを排除するものではない。また同様に、「無溶剤型」は、光重合性モノマー等の揮発性が絶対零と言うのではなく、溶剤ほど高くはないという意味であり、実用上無視できる程度の揮発性を有していてもよいことは勿論である。更に、「溶剤」は、活性剤の主成分である紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーによる印刷パターンの活性化を阻害することがない特性(溶解力)と添加量とで使用されるべきであることを理解すべきである。溶剤系活性剤と紫外線硬化樹脂組成物の非溶剤性活性化成分との根本的な相違は、前者の活性剤では塗布後に溶剤成分が揮発するため、インクの付着性の再現による可塑状態が経時的に変化するが、後者の活性剤(本発明で用いられる活性剤成分)では揮発性が小さい(主に第2の)光重合モノマー成分でインクの付着性を再現するので、インクの可塑状態が変化することがないことである。本発明の活性剤は、その光重合モノマーの配合量が特定の範囲であれば、上記の条件を満たす範囲で溶剤が共存していてもインクの過疎状態を損なうことがない。このように非反応性樹脂を分散させる目的の溶剤の好ましい添加量は、紫外線硬化製樹脂組成物(第1の光重合性モノマーと第2の光重合性モノマーと光重合開始剤との合計)に対して、5重量%〜50重量%であり、より好ましくは5重量%〜30重量%であり、特に好ましくは5重量%〜20重量%である。
【0078】
(SP値の定義について)
上記の「SP値」は、特許文献4で述べたように、溶解性パラメータ(Solubility parameter)の略称であり、スー(K.W.SUE)とクラーク(D.H.CLARKE)が発表している濁度滴定法によるもので、この濁度滴定法は、「Journal of Polymer Science PARTA-1,Vol.5,1671-1681(1967)に記載されている。
【実施例】
【0079】
本発明の8つの実施例を2つの比較例と比較しがら以下に詳細に述べる。
【0080】
本発明の実施例1乃至8及び比較例1乃至4は、それぞれ活性剤の組成を変えて次の要領で実施した。
(1)転写フィルムは、図14に示すように、楕円形のドットが点在する印刷パターン部分(第1の領域)とドット間の印刷パターンのない部分(第2の領域)とから成る印刷パターンを有し、本出願人である株式会社タイカが水圧転写技術のライセンス先に「スターバックSI」と称する商品名で販売しているものであって、この商品から全外表面柄固定層又は全面インク層を有していないものを用いた。なお、「スターバックSI」の転写フィルムのパターンについて具体的に説明すると、図14に示すように、A部(縦)600μm、B部(横)400μmの整列間隔で互い違いに整列した楕円(C部(横)470μm、D部(縦)590μm)サークル状にパール顔料系インク層から成る印刷パターンを有し、この楕円サークル状のインク層は約2μmの厚さを有し、また、水溶性フィルムは、約40μmの厚さを有している。なお、実際に販売しているものは、この全表面にさらにシルバー顔料インク等からなる全外表面固定層を設けたものであるが、本発明では、全外表面固定層を設ける前の状態の転写フィルムを用いている。
(2)被転写体である物品には、10cm×20cm×3mmのABS樹脂製の平板が用いられ、この物品に、図3(A)乃至図3(F)に示す工程順で上記転写フィルムを水圧転写した。
(3)活性剤は、表1及び表2に示される組成の無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物を調製して得られたものが用いられた。ただし、実施例8は、実施例4において、紫外線硬化樹脂主成分(多官能モノマーと二官能モノマーと光重合開始剤の合計)に対して、20重量%のメチルエチルケトン(後述するように硬化収縮時の応力緩和を目的とし添加されるアクリルポリマーを溶解するための溶剤)を添加した場合の実施例である。本発明の実施例及び比較例に用いられた活性剤の多官能モノマー及び本発明の実施例に用いられた2官能モノマーは、いずれもアクリレート系モノマーで、多官能モノマーの成分は、4官能モノマーとしてペンタエリスリトールテトラエトキシアクリレートを、5官能モノマーとしてジペンタエリトリスリトールペンタアクリレートをそれぞれ使用し、2官能モノマーの成分として1.6−ヘキサンジオールジアクリレートを使用した。また、レベリング剤としては、市販のジメチルポリシロキサンを骨格とするUVコーティング用レベリング剤(ビックケミー・ジャパン社製BYK―UV3500(BKYは登録商標)を使用し、その添加量は、多官能モノマーと2官能モノマーの合計重量に対して0.25重量%とした。また、表中のポリマーとしては、「硬化前の収縮不良」の低減と合わせて、硬化収縮時の応力緩和を目的とし、重量平均分子量が75000のアクリルポリマーを使用し、このポリマーは、2官能モノマーに溶解させて添加した。ただし、実施例8では、アクリルポリマーは、その固形分が40重量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)に溶解して添加した。なお、表1及び表2のポリマー添加量は、希釈液の添加量から固形分換算した量である。また、艶消剤としては、平均粒径10μmのポリエチレンビーズが用いられた。実施例5及び実施例6に用いられた活性剤は、本発明に必要な組成の樹脂成分に、凹凸意匠性が損なわれない程度でオリゴマーが添加されており、比較例1及び2に用いられたものととともに、この光重合性オリゴマーとして、6官能のウレタンアクリレート系オリゴマー(重量平均分子量1500、粘度:40000Pa・s)が用いられた。なお、各実施例及び比較例で用いられた光重合性オリゴマーの成分は、(メタ)アクリロイ基を官能基とするウレタン(メタ)アクリレートであった。なお、この場合には、レベリング剤の添加量は、多官能モノマーと2官能モノマーと光重合性オリゴマーの合計重量に対して、0.25重量%とした。この活性剤は、転写フィルムを転写槽内に導入する直前にミヤバー塗布方法によって転写フィルムの印刷パターン上に約20μmの厚みで塗布した。
(4)このような活性剤を塗布して活性化された転写フィルムを転写槽の水面上に浮かばせ、活性剤のはじき作用(引き寄せ作用)と集合力によって凹凸を形成した後に、図1に示すように、転写フィルムを介して物品を水中に押し込んで水圧転写し、物品を水中から取り出した後、紫外線を照射し、水洗、乾燥を行って水圧転写品(加飾物品10D)を得た。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
実施例1乃至8は、いずれも、第1及び第2の光重合性モノマーを所定の割合で配合した結果体積収縮率が11〜20%の範囲で粘度が50〜500CPSの紫外線硬化型樹脂活性剤が得られたが、比較例1は、第1の光重合性モノマー(多官能基モノマー)を用いない活性剤、比較例2は、実施例6のポリマー成分の一部を艶消し剤に換えて、所定の活性剤の体積収縮率を下回るものとしたことを除いて実施例6と同じである。また、比較例3と比較例4は、いずれも第1と第2の光重合性モノマー(多官能基モノマーと2官能基モノマー)の配合割合が好ましい所定の配合割合を外れた活性剤を用いている点で異なり、比較例3は、第1の光重合性モノマーの配合量が第2の光重合性モノマーの配合量よりも過大であり、比較例4は、第2の光重合性モノマーの配合量が第1の光重合性モノマーの配合量よりも過大である例である。
【0084】
実施例1乃至8と比較例1乃至4で得られた加飾物品について、次の評価を行った結果が表1の下方の4つの欄に示されている。これらの評価の方法と条件は次の通りである。
(塗工性)
転写フィルムを転写槽内に導入する直前に、各活性剤をミヤバー塗布方法によって転写フィルムの印刷パターン上に約20μmの厚みで塗布したときに、塗布作業性が良好な場合を○、塗布が困難な場合を×とした。
(外観意匠性)
硬化収縮が大きすぎて加飾物品の周端部に生じる意匠不良が発生しない場合を○、このような意匠不良が発生するが製品として問題ない場合を△、このような意匠不良が発生して製品として不良である場合を×とした。
(凹凸意匠性)
加飾物品の表面の凹凸の高低差をレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK8710)で測定し、高低差が6μm未満を×、6〜10μm未満の範囲を△ 、10〜20μm未満の範囲を○、20μm以上を◎とした。
(オレイン酸浸透遮断性)
10%のオレイン酸含有の試験液(溶媒は石油ベンジン)をスポイトで0.2ml抽出し、これを凹凸意匠面に滴下した後、80℃のオーブン内に24時間放置し、被試験物品を取り出した後、室温まで自然冷却し、被試験物品の表面の油分を拭き取った。その後、ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)で引き剥がして付着性の評価を行った。この評価において、印刷層(表面加飾層)の外観変化(膨れ等)や剥がれ全くない場合を○、外観変化はあるものの剥がれが観察されない(製品として問題がない)場合を△、外観変化と剥がれがともにある(製品として使用することができない)場合を×とした。
【0085】
表1の実施例1乃至8の評価の結果から次のことが解る。
(1)3官能基以上の第1の光重合性モノマーと2官能基の第2の光重合性モノマーとを所定の配合で割合した紫外線硬化型樹脂を活性剤の主成分とし、所定の体積収縮率と粘度とインク溶解度とすることにより、従来では実現することができなかった大きな凹凸高低差を得ることができ、リアルな立体感を付与された意匠が実現することができた。なお、表1には活性剤のインク溶解度が記載されていないが、加飾物品の柄意匠の状態を目視判定してみると、インクの溶解性に起因する不具合が見られないことから、実施例に記載の活性剤は、従来の活性剤と同等か実用上問題がないレベルのインク溶解性(7以上のSP値)を有していることが明らかである。
(2)上記の活性剤の成分とすることにより耐オレイン酸浸透性が良好であり、人体(主に手)との接触における、皮脂などの汚れに起因する硬化被膜の劣化に対して高い耐性を有するので、特に高温環境に晒される車等に用いられる場合に要求される高い意匠耐久性を有することが解る。
(3)実施例3及び実施例4と比較例1とを比較すると、光重合性オリゴマーと2官能モノマーからなる従来の活性剤構成である比較例1の活性剤では、耐オレイン酸浸透性は良好であるが、凹凸高低差が劣るのに対し、実施例3及び実施例4のように光重合性オリゴマーの代わりに多官能モノマーを用いると、大きな凹凸高低差を維持しながら耐オレイン酸浸透性の改善に寄与していることが解る。
(4)表2の比較例1乃至比較例4の結果から解るように、本発明の活性剤で得られた体積収縮率の範囲の下限値よりも小さいと充分に大きな凹凸高低差を得ることができないし、逆に上限値よりも大きいと、大きな凹凸高低差は得られるが、硬化収縮が大きすぎて硬化塗膜にクラック等が発生して、耐オレイン酸浸透性が著しく低下する。
(5)第1の光重合性モノマーと第2の光重合性モノマーの配合割合に関し、比較例3のように、第1の光重合性モノマーの配合量が第2の光重合性モノマーの配合量に対して本発明の所定の配合割合を大きく外れて過大となると、体積収縮率が小さくなるとともに、活性剤の粘度が極端に高くなり、その結果、活性剤の塗工ができなくなり、逆に、比較例4のように、第1の光充合成モノマーの配合量に対して第2の光重合性モノマーの配合量が本発明の所定の配合割合を外れて過大となると、活性剤の体積収縮率が過大となって、耐オレイン酸浸透性の低下することが解る。
(6)実施例1と実施例6の触指感を比較すると解るように、アクリルポリマーが添加されていると、同じ凹凸高低差であっても滑らかな触指感となっている。これは、アクリルポリマー添加による活性剤の硬化収縮速さと応力緩和作用によって、硬化収縮後の表面の粗さが小さい状態で凹凸形成された結果と推測される。
(7)実施例4及び実施例5並びに実施例7のように、ポリマーや光重合性オリゴマー、更には艶消し剤を適宜添加しても、所定の体積収縮率と所定の粘度の範囲内であれば、凹凸高低差が大きく、リアルな立体感を付与された意匠が実現できることが解る。
(8)実施例8では、アクリルポリマーの重量%を適宜度設定するために溶剤(MEK)を含んでいるにも拘らず、凹凸高低差が大きく、リアルな立体感を付与された意匠が実現できることが解る。これは、既に述べたように、この実施例で添加されている溶剤が印刷パターンの活性化を担う光重合性モノマーによる印刷パターンの活性化を阻害することがない特性(溶解力)と添加量で添加されているからである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、表面加飾層の膜性能(摩耗性やオイレン酸等の対薬品性等)を低下することなく、凹凸高低差を大きくして立体的な凹凸触感を一層向上することができ高い産業上の利用性を有する。
Claims (5)
- 水溶性フィルム上に印刷パターンを施して形成された転写フィルムの前記印刷パターンを活性剤で活性化し、その後前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写する方法において、前記転写フィルムとして印刷パターンがインク層を有する第1の領域とインク層を有しないか第1の領域よりも薄いインク層を有する第2の領域とから成っていて全外表面固定層を有しない転写フィルムを用意し、前記転写フィルムの表面に塗布して第1の領域のインクを活性化した紫外線硬化型樹脂成分から成る活性剤の余剰分を水圧転写時に前記物品の表面で押されて第2の領域に集合しつつ活性剤余剰分を物品の表面に突出させて活性剤凸状集合部分を形成し、前記物品上の前記印刷パターンの硬化時に前記活性剤凸状集合部分を収縮させることによって第1の領域に相応するインク印刷部分よりも第2の領域に相応する部分が突出して物品表面に立体的凹凸形状が付与されるようにし、前記転写フィルムの表面に塗布すべき紫外線硬化型樹脂成分の活性剤は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートから選ばれる少なくとも一つの3官能基以上の第1の光重合性モノマーAとジプロピレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートから選ばれる少なくとも一つの2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを少なくとも有し、前記樹脂成分は、20〜70重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと30〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーBとの配合割合を有することを特徴とする水圧転写方法。
- 請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記第2の光重合性モノマーは、100〜1000の分子量を有することを特徴とする水圧転写方法。
- 請求項1又は2に記載の水圧転写方法によって形成された立体的凹凸表面を有することを特徴とする水圧転写品。
- 請求項1又は2に記載の水圧転写方法に用いられる活性剤であって、前記活性剤を構成する紫外線硬化型樹脂成分は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートから選ばれる少なくとも一つの3官能基以上の第1の光重合性モノマーAとジプロピレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG600ジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PEG400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートから選ばれる少なくとも一つの2官能基の第2の光重合性モノマーBとを含む樹脂主成分と光重合開始剤とを有し、前記樹脂成分は、20〜70重量%の3官能基以上の第1の光重合性モノマーAと30〜80重量%の2官能基の第2の光重合性モノマーBとの配合割合を有することを特徴とする水圧転写用活性剤。
- 請求項4に記載の水圧転写用活性剤であって、前記第2の光重合性モノマーは、100〜1000の分子量を有することを特徴とする水圧転写用活性剤。
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