JP5612491B2 - 照明用光源 - Google Patents
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このような照明用光源は、照射角(配光角)の狭いLEDを光源としているため、白熱電球と比べて配光特性が狭いという課題を有している。そこで、図7に示すように、特許文献1に記載の照明用光源900では、基台901が、第1基台部902と、第1基台部902の前面の一部の領域から逆錐台状に突出している第2基台部903とからなり、第1基台部902の前面には第1のLED904が配置され、第2基台部903の前面には第2のLED905が配置され、第2基台部903を前方から第1基台部902へ投影した場合において、その投影域内に第1のLED904の発光面が存在し、第2基台部903の側面が光反射面906となった構成を採用している。この構成によって、第1のLED904の出射光を光反射面906によって斜め後方へ反射させ、LEDの照射角の狭さを補って、比較的良好な配光特性を実現している。
図1は、半導体発光素子としてLEDを有する電球形LEDランプ10(以下、単に「LEDランプ10」という。)の概略構成を示す断面図である。ここで、「電球形」とは、一般的な白熱電球の代替光源となるものであって、白熱電球と同規格の口金と光源(LED)を点灯させるための回路ユニットを内蔵し、白熱電球用の照明器具に装着して使用することができるものをいう。
<全体構成>
LEDランプ10は、図1に示すように、LEDモジュール12と、LEDモジュール12が搭載された基台14と、LEDモジュール12を覆うグローブ16と、LEDモジュール12を点灯させるための回路ユニット18と、回路ユニット18を収容した回路ホルダ20と、回路ホルダ20を覆う筐体であるケース22と、回路ユニット18と電気的に接続された口金24と、LEDモジュール12からの出射光を受け入れ、受け入れた光を後述するように導光して出射する導光体26とを備える。
<各部構成>
(1)半導体発光モジュール
図2は、半導体発光モジュールであるLEDモジュール12を示す平面図である。図2に示すように、LEDモジュール12は、実装基板28と、実装基板28に実装された光源としての複数個の(本例では、16個の)LED30と、それらLED30を被覆するように実装基板28上に設けられた封止体32とを備える。
LED30の各々は、略直方体形状の封止体32によって個別に封止されている。したがって、封止体32も全部で16個である。
図1に戻って、基台14は、例えば、略円筒形状をしており、その中心軸(筒軸)がランプ軸Jと一致する姿勢で配置されている。したがって、基台14の中空部42は前後方向に貫通し、基台14の前面44および後面46はいずれも略円環形状の平面である。そして、基台14の前面44にLEDモジュール12が搭載されており、これにより各LED30がそれぞれの主出射方向を前方に向けた状態で円環状に平面配置された状態となっている。このように全てのLED30が基台14の前面44に平面配置された構成であるため、基台14へLED30を容易に搭載することでき、照明用光源の組立作業が簡単である。基台14へのLEDモジュール12の搭載は、例えば、ネジ止め、接着、係合などによって行なうことが考えられる。
グローブ16は、本実施の形態では、一般電球形状であるA型の電球のバルブを模した形状であり、グローブ16の開口側端部が基台14およびケース22に固定されている。LEDランプ10の外囲器は、グローブ16とケース22とで構成されている。なお、グローブ16の形状は、A型の電球のバルブを模した形状に限定されず、どのような形状であっても良い。
回路ユニット18は、LED30を点灯させるためのものであって、回路基板48と、回路基板48に実装された各種の電子部品50,52とを有している。なお、図面では一部の電子部品にのみ符号を付している。回路ユニット18は、回路ホルダ20内に収容されており、例えば、ネジ止め、接着、係合などにより回路ホルダ20に固定されている。
回路ホルダ20は、例えば、両側が開口した略円筒形状であって、大径部64と小径部66とで構成される。前方側に位置する大径部64には回路ユニット18の大半が収容されている。一方、後方側に位置する小径部66には口金24が外嵌されており、これによって回路ホルダ20の後方側開口が塞がれている。回路ホルダ20は、例えば、樹脂などの絶縁性材料で形成されていることが好ましい。
ケース22は、例えば、前方から後方へ向けて縮径したテーパ筒状をしている。ケース22の前方側端部(大径側端部)68内には基台14とグローブ16の開口側端部とが収容されており、ケース22、基台14およびグローブ16は、例えば、それらで囲まれた空間70に接着剤を流し込むなどして一体に固着されている。
ケース22は、例えば金属材料からなり、金属材料としては、例えばAl、Ag、Au、Ni、Rh、Pd、Cu、またはそれらの内の2以上からなる合金、またはCuの合金、特にAgの合金などが考えられる。このような金属材料は、熱伝導性が良好であるため、ケース22に伝搬した熱を効率良く口金24側に伝搬させることができる。
口金24は、LEDランプ10が照明器具に取り付けられ点灯された際に、照明器具のソケットから電力を受けるための部材である。口金24の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態ではエジソンタイプであるE26口金が使用されている。口金24は、略円筒形状であって外周面が雄ネジとなっているシェル部60と、シェル部60に絶縁部72を介して装着されたアイレット部62とを備える。シェル部60とケース22との間には絶縁部材74が介在している。
図1に示すように、導光体26は、略「L」字状の横断面(ランプ軸Jを含む平面で切断した断面)を有し、全体的に環状(本例では、円環状)をしている。導光体26は、ポリカーボネートで形成されている。なお、導光体26は、ポリカーボネートに限らず、他の透光性材料で形成することとしても構わない。導光体26は、円筒状部78と円筒状部78の一端部からその径方向外方に延出されたフレア部(フランジ部)82とを有する。
導光体26は、上記したように、ランプ軸J(図1)とその軸心を共通にする円筒状部78を有する。円筒状部78の他端部(LED30の光出射面と対向する面)80は、LED30から出射された光を導光体26内部へと受け入れる入射面80となっている。
フレア部82は、その内周縁部から外周縁部に至る外表面の、円筒状部78の軸心を通る平面で切断した断面(横断面)が、円筒状部78の前記軸心方向の延長方向に向けて凸状に湾曲形成された山形をしている。
上記の構成からなる導光体26によれば、LED30から出射され、入射面80から入射された光は、LEDランプ10の前方のみならず、側方および後方にも出射されることとなるのであるが、これについて、図4を参照しながら説明する。
進行した光は、スネルの法則に従い、内側部86における導光体26外部との境界面(換言すれば、フレア部82の内周縁部から前記山形に頂部84に至る外表面、以下、「第1の境界面90」と言う。)において、その一部は、透過して導光体26外部前方へ出射される(L2)。他の一部は、反射して導光体26内部をランプ軸Jから遠ざかる方向に進行する(L3)。
以上は、LED30から真直ぐ前方に出射される最も輝度の高い光(主出射光)が、導光体26によって導光され、図示する前方、側方および斜め後方の三方(L2、L4、L6)に出射されることについて説明したが、LED30からは、配光角120°の拡がりをもって光が出射されているため、これら三方のみならず、これら三方間においても導光体26からは光が広範囲に出射されることは言うまでもない。
次に、照明用光源であるLEDランプ10の配光特性が良好である理由を詳細に説明する。図5は、照明用光源の配光特性を説明するための配光曲線図である。図5に示すように、配光曲線図は、LEDランプ10の前後方向を含む360°の各方向に対する光度の大きさを表しており、LEDランプ10のランプ軸J方向前方を0°、ランプ軸J方向後方を180°として、時計回りおよび反時計回りにそれぞれ10°間隔に目盛を刻んでいる。配光曲線図の径方向に付した目盛は光度を表しており、光度は各配光曲線における最大値を1とする相対的な大きさで表されている。
(1)上記実施の形態では、半導体発光素子としてLEDを用いたが、これに限らず、例えば、LD(レーザダイオード)や、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)を用いても構わない。
(2)上記実施の形態では、LED30を円環状に配列したが、これに限らず、他の環状、例えば、三角形、四角形、または五角以上の多角形、あるいは楕円形の環状に配することとしても構わない。
(3)上記実施の形態において、グローブ16には上述したような拡散処理が施されているのであるが、さらに、グローブ16の開口部付近の内周面部には、当該内周面部以外の内周面部よりも拡散性が高くなる図6に示すような拡散処理を施しても構わない。
グローブ16の内周面16Aの開口部近傍には、半径R(例えば、R=40[μm])を有する半球状の第1の窪み16Bが一様に形成されており、第1の窪み16B各々の内周面には、第1の窪み16Bよりも小さい半径r(例えば、r=5[μm])を有する半球状の第2の窪み16Cが一様に形成されている。
なお、グローブ16全体に上記二重の窪み構造の拡散処理をしないのは以下の理由による。すなわち、拡散性の高い処理が施された領域ほど、そこを通過する光の損失が多くなる。そこで、拡散性と光の損失のバランスを考慮し、特に、拡散性を重視する箇所については、上記二重の窪み構造の拡散処理を施し、光の損失を可能な限り生じさせたくない箇所には、拡散性が過度にならず適度なものとなる処理を施すためである。
(4)キャップ状をした蓋材76(図1)は、図示した形状に限らないことは言うまでもなく、導光体26から出射される光の進路を可能な限り遮断しないような形状であれば構わない。
(5)上記実施の形態では、ケース22内に回路ホルダ20を設け、回路ユニット18を回路ホルダ20に取り付けることとしたが、これに限らず、回路ホルダ20を廃して、回路ユニットは、基台あるいは蓋材76に取り付けることとしても構わない。
14 基台
26 導光体
30 LED
44 前面
90 第1の境界面部
92 第2の境界面部
Claims (5)
- 基台の主面に複数個が環状に配された半導体発光素子と、
前記各半導体発光素子の光出射部に対面する入射面を有する導光体を備え、
前記導光体は、
前記入射面と対面する状態で形成され、環状をした第1の境界面部と、
前記第1の境界面部の端部から延長して形成された第2の境界面部とを有し、
前記第1の境界面部は、前記入射面から内部に入射された光の一部を外部前方へ透過させると共に、他の一部を前記第2の境界面部へと反射し、
前記第2の境界面部は、前記第1の境界面部からの反射光の一部を、前記基台の前記主面を避ける斜め後方へ反射することを特徴とする照明用光源。 - 前記複数個の半導体発光素子は円環状に配されていて、
前記導光体は、円筒状部と当該円筒状部の一端部から径方向外方に延出されたフレア部とを有し、
前記円筒状部の他端部が前記各半導体発光素子の光出射部に対面して、前記入射面を形成しており、
前記フレア部は、その内周縁部から外周縁部に至る外表面の、前記円筒状部の軸心を通る平面で切断した断面が、前記円筒状部の前記軸心方向の延長方向に向けて凸状に湾曲形成された山形をしており、
前記内周縁部から前記山形の頂部に至る外表面部が前記第1の境界面に構成され、前記頂部から前記外周縁部に至る外表面部が前記第2の境界面部に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明用光源。 - 口金と、
前記口金を介して給電された電力を、前記半導体発光素子を発光させるための電力に変換する回路ユニットと、
前記回路ユニットを内包すると共に、前記基台と前記口金とを連結する筐体と、
拡散透過性を有し、前記導光体を覆う状態で前記筐体に取り付けられているグローブと、
を有し、
前記第2の境界面部で反射し、前記基台の前記主面を避ける斜め後方へ進行する光が到達するグローブ内周面部分に、これ以外の内周面部分よりも拡散性が高くなる拡散処理が施されていることを特徴とする請求項2に記載の照明用光源。 - 前記拡散処理は、グローブ内周面に複数個が一様に形成された半球状の第1の窪みと、第1の窪み各々の内面に複数個形成され、前記第1の窪みよりも小さな第2の窪みであることを特徴とする請求項3に記載の照明用光源。
- 前記筐体はテーパ筒状をしており、
前記筐体の大径側に前記基台および前記グローブが、小径側に前記口金がそれぞれ取り付けられていて、
前記テーパ筒の中心軸方向において、前記グローブの前記口金側端部が前記導光体の前記フレア部よりも前記口金に近いことを特徴とする請求項4に記載の照明用光源。
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