JP5610473B2 - 磁性流体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性流体を作動媒体としショックアブソーバ等の衝撃や振動を減衰するための緩衝装置として適用される磁性流体装置に関する。
支持部材に対して往復動自在に装着された移動部材が往復動ストローク端の位置まで移動したときに、移動部材が支持部材に対して衝撃力を加えることを防止したり、振動の発生を防止したり、衝撃音の発生を防止するためにショックアブソーバつまり緩衝装置が使用されている。ショックアブソーバは、相対移動する2つの部材の間に装着されて一方の部材から他方の部材に加わる振動を減衰するためにも使用されており、ダンパとも言われている。例えば、車両と車輪との間に装着される懸架装置には、車輪から車体に振動が加わるのを防止して乗員の乗り心地を良好とするために、ばね部材に加えてショックアブソーバが用いられている。
ショックアブソーバやダンパとしては、油などの流体を作動媒体としてその流動抵抗を利用して衝撃や振動を吸収するようにした流体粘性型のものがある。この流体としてMR流体(magnetorheological fluid)を作動媒体としたショックアブソーバやダンパが特許文献1〜3に記載されている。MR流体は、磁性流体や磁気粘性流体とも言われている。
米国特許第5284330号公報 特開2002−195339号公報 特開2007−225023号公報
特許文献1に記載されたショックアブソーバは、下端部が閉塞され内部にMR流体が収容されたハウジングと、ハウジング内に軸方向に移動自在に装着されるピストン組立体とを有しており、ピストン組立体に取り付けられたピストンロッドはハウジングの上端部から外部に突出している。ピストン組立体によりハウジング内は2つの作動室に仕切られており、ピストン組立体の外周面とハウジングの内周面との間は一方の作動室から他方の作動室にMR流体を案内する隙間が形成されている。この隙間を流れるMR流体に流動抵抗を加えるために、ピストン組立体の外周部にはコイルが装着されている。
特許文献2には、上記ショックアブソーバを改良したショックアブソーバが記載されている。このショックアブソーバは、下端部が閉塞されたハウジングと、大径部と小径部とが形成されハウジング内に配置されてその上端部に固定されるシリンダとを有している。大径部内に組み込まれたピストンにはピストンロッドが取り付けられ、ピストンロッドは小径部を摺動して小径部内に上部作動室を形成するロッド本体部と、これよりも小径となって外部に突出する突出部とを有している。ピストンには浮動ピストンによりアキュムレータ室と下部作動室とに仕切られた容器が取り付けられており、下部作動室と上部作動室にはMR流体が収容され両方の作動室はピストンロッドに形成された連通孔により連通されている。一方、ケースとシリンダとの間の空間とシリンダの大径部内には作動流体が収容されている。
上述したそれぞれのショックアブソーバにおいては、コイルに電流を印加することによりMR流体の粘度を調整してピストンロッドに加わる衝撃力を減衰するようにしている。
特許文献3に記載されたダンパは、下端部が閉塞され内部に磁気粘性流体が収容されたシリンダと、シリンダ内に軸方向に移動自在に装着されるピストンとを有しており、ピストンに取り付けられたピストンロッドはシリンダの上端部から外部に突出している。ピストンによりシリンダ内は2つの流体室に仕切られており、ピストンには2つの流体室を連通させる流体通路が形成され、流体流路はピストンの両端面に配置されたバルブプレートにより開閉されるようになっている。2つのバルブプレートに対応させてピストンには2つのコイルが組み込まれており、コイルにより発生する磁界によりそれぞれのバルブプレートの開度を変化させるようにしている。
MR流体は炭化水素油などの分散媒体中に0.1〜10μmの強磁性体粉粒を懸濁化剤によって分散させたコロイド溶液であり、無磁界時には水などと同様のニュートン流体として振る舞うのに対し、外部から磁界が印加されるとそれぞれの粉粒間に結合力が生じ、磁界の方向に沿って架橋構造のクラスターが形成される。このような性質を有するMR流体を作動媒体としたショックアブソーバやダンパ等の磁性流体機器ないし磁性流体装置においては、架橋構造によってMR流体の流動抵抗が発生し、見かけ上の粘性抵抗が増加することになる。
ショックアブソーバ等の磁性流体機器の小型化を達成するには、コイルを小型化して小電力でMR流体の粘性抵抗を高める必要がある。MR流体の粘性抵抗を高めるには、流体の流れに抵抗するように架橋構造つまりクラスターを形成するとともにMR流体に印加される磁界の密度を高めることが望ましいことから、クラスターによるMR流体の流動抵抗発生メカニズムについて研究開発が行われた。その結果、コイルによってMR流体の流れる方向に磁界を発生させた場合に比較して流体の流れ方向に対して直角方向ないし交差する方向に磁界を印加すると、流動抵抗を高められることが判明した。つまり、より少ないコイル電流でMR流体の流動抵抗が得られることになる。
本発明の目的は、磁性流体を作動媒体とするショックアブソーバなどの磁性流体装置を小型化することにある。
本発明の磁性流体装置は、相対移動する2つの部材の間に磁性流体を介在させて磁性流体の流動抵抗を部材相互間に加えるようにした磁性流体装置であって、非磁性材料により形成され磁性流体を収容するケース体と、前記ケース体の内部に軸方向に往復動自在に装着され、前記ケース体の内部を第1の磁性流体室と第2の磁性流体室とに仕切り、磁性材料により形成されるピストンと、非磁性材料により形成され、前記ピストンに連結されるとともに前記ケース体の端部から外部に吐出するピストンロッドと、前記ピストンの内部に組み込まれ、前記第1の磁性流体室と前記第2の磁性流体室とを連通させるとともに径方向に延びる径方向スリットを有する流体案内スリットを前記ピストンとの間で形成するコイル組立体とを有し、前記コイル組立体は、非磁性材料により形成されコイルが装着されるコイルホルダーと、磁性材料により形成され前記コイルホルダーの径方向内側に組み込まれる磁界案内スリーブとを備え、前記コイルにより形成された磁界を前記径方向スリットの径方向内方部で交差する方向に横断させる磁界横断部を、前記磁界案内スリーブの両端面に対応する部分により形成することを特徴とする。
本発明の磁性流体装置は、前記コイルに供給される電力を制御し、磁束を変化させて磁性流体の流動抵抗を調整することを特徴とする。本発明の磁性流体装置は、前記ピストンの一端部に形成された第1の貫通孔を介して前記第1の磁性流体室に連通し径方向に延びる第1の径方向スリット部と、前記ピストンの他端部に形成された第2の貫通孔を介して前記第2の磁性流体室に連通し径方向に延びる第2の径方向スリット部と、それぞれの前記径方向スリット部の径方向外方端を連通させる軸方向スリット部とにより前記流体案内スリットを形成し、前記磁界案内スリーブの両端面と前記ピストンとの間で前記磁界横断部を形成することを特徴とする。
本発明の磁性流体装置は、前記ケース体の内面に摺動接触する円筒部と、当該円筒部の両端部に設けられる径方向部とにより前記ピストンを形成し、前記円筒部の内周面と前記コイル組立体の外周面との間で軸方向スリット部を形成し、前記径方向部の内面と前記コイル組立体の端面との間で形成される径方向スリット部と前記軸方向スリット部とにより前記流体案内スリットを形成することを特徴とする。本発明の磁性流体装置は、前記ピストンロッドに案内孔を形成し、前記コイルに電力を供給する給電ケーブルを前記案内孔に配置することを特徴とする。本発明の磁性流体装置は、前記ケース体の一方の端部から突出する第1のロッド突出部と前記ケース体の他方の端部から突出する第2のロッド突出部とをそれぞれ前記ピストンに連結するとともに前記第1のロッド突出部と前記第2のロッド突出部の外径は相互にほぼ同一径であることを特徴とする。本発明の磁性流体装置は、相互に相対移動する2つの部材のうち一方の部材に前記ケース体を取り付け、他方の部材が前記ピストンロッドに衝突する際の衝撃を粘性流体の流動抵抗により吸収するショックアブソーバに適用されることを特徴とする。本発明の磁性流体装置は、前記流体案内スリットを流れる粘性流体の流動抵抗により前記ピストンロッドの前記ケース体に対する相対移動速度を制御する速度調整器に適用されることを特徴とする。
本発明によれば、ピストンの内部にコイル組立体を設けてコイル組立体とピストンとの間にピストン両側の磁性流体室を連通させる流体案内スリットを形成し、ピストン組立体をコイルホルダーとその内側の磁界案内スリーブとにより形成し、磁界案内スリーブにより径方向スリット部に磁界横断部を形成したので、ピストンがケース体に対して相対移動する際に磁界横断部を流れる磁性流体には磁性流体の流れを横断する方向にクラスターが形成される。これにより、コイルに印加する消費電力を大きくすることなく、磁性流体の流動抵抗を高めることができる。
コイル組立体の両端面とピストン両端部の径方向部との間に径方向スリット部を形成し、それぞれの径方向スリット部のうち径方向内方部の磁界横断部を横断する磁界により粘性流体にクラスターを形成するようにすると、より少ない消費電力により磁性流体の流動抵抗を高めることができる。
この磁性流体装置は、ショックアブソーバつまりダンパや速度調整器として適用することができるとともにそれぞれを小型化することができる。
本発明の磁性流体装置の一実施の形態である磁性流体式ショックアブソーバを示す断面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB部の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、ショックアブソーバ10は、内部にMR流体つまり磁性流体Fを収容する円筒形状のケース体11を有している。ケース体11の一端部にはロッドカバー12aが取り付けられ、他端部にはロッドカバー12bが取り付けられており、それぞれのロッドカバー12a,12bは止め輪13a,13bによりケース体11に固定されている。ケース体11とロッドカバー12a,12bはアルミニウム合金等の非磁性材料により形成されている。
ケース体11の内部には軸方向に往復動自在にピストン14が装着されており、ピストン14によりケース体11の内部は第1の磁性流体室15aと第2の磁性流体室15bとに仕切られている。ピストン14はケース体11の内周面に摺動接触する円筒部16を有し、この円筒部16の一端部には径方向部17aが設けられ、他端部には径方向部17bが設けられており、ピストン14の内部にはコイル収容室18が形成されている。ピストン14を形成する円筒部16および径方向部17a,17bはそれぞれ軟鉄や鋼等の磁性材料により形成されている。
それぞれの径方向部17a,17bの径方向中央部には環状の貫通孔19a,19bが形成されている。ピストン14は円筒片16aと径方向部17aとが一体となったピストン片14aと、円筒片16bと径方向部17bとが一体となったピストン片14bとを組み合わせることにより形成されている。
ピストン14の内部のコイル収容室18にはコイル組立体20が組み込まれている。コイル組立体20は、非磁性材料からなるコイルホルダー21aと、このコイルホルダー21aの径方向内側に組み込まれる磁性材料からなる磁界案内スリーブ21bとを有している。この磁界案内スリーブ21bの中心部には非磁性材料からなる中空のピストンロッド22が設けられている。磁界案内スリーブ21bはピストンロッド22に固定され、コイルホルダー21aは磁界案内スリーブ21bに固定されており、ピストンロッド22はコイル組立体20によりピストン14に連結されている。これらの固定方式としては、ピストンロッド22と磁界案内スリーブ21bとコイルホルダー21aとを相互に圧入する形態と、それぞれを組み合わせた状態のもとでねじ部材等により固定する形態とがある。
ピストンロッド22はコイル組立体20の両端部からそれぞれ突出するロッド突出部22a,22bを有し、一方のロッド突出部22aは貫通孔19aを貫通するとともにロッドカバー12aの貫通孔23aを貫通して外部に突出している。他方のロッド突出部22bは貫通孔19bを貫通するとともにロッドカバー12bの貫通孔23bを貫通して外部に突出している。両方のロッド突出部22a,22bは相互にほぼ同一の外径となっている。
それぞれのロッドカバー12a,12bの貫通孔23a,23bにはロッド突出部22a,22bを支持する軸受24a,24bが装着されている。軸受24a,24bの内側にはロッドパッキン25a,25bが装着され、それぞれのロッドカバー12a,12bの外周面にはOリング26a,26bが装着されている。ケース体11の内部に収容された磁性流体Fは、ロッドパッキン25a,25bとOリング26a,26bによりシールされて磁性流体Fの外部への漏れが防止されている。さらに、ピストン14の外周面とケース体11の内周面との間はシール材30a,30bによりシールされている。
コイル組立体20の外径はピストン14の円筒部16の内径よりも小さく設定されており、図3に示されるように、コイル組立体20の外周面27と円筒部16の内周面28との間で軸方向に延びる環状の軸方向スリット部29が形成されている。コイル組立体20の軸方向長さはピストン14の径方向部17a,17bの内面間距離よりも短く設定されており、コイル組立体20の一方の端面31aと径方向部17aの内面32aとの間で径方向に延びる径方向スリット部33aが形成され、この径方向スリット部33aの径方向外方端は軸方向スリット部29に連通している。同様に、コイル組立体20の他方の端面31bと径方向部17bの内面32bとの間で径方向に延びる径方向スリット部33bが形成され、この径方向スリット部33bの径方向外方端は軸方向スリット部29に連通している。
図1に示されるように、コイル組立体20のコイルホルダー21aの端面31aと径方向部17aの内面32aとの間には位置決めピン34aが取り付けられ、コイルホルダー21aの端面31bと径方向部17bの内面32bとの間には位置決めピン34bが取り付けられている。これらの位置決めピン34a,34bにより軸方向スリット部29と径方向スリット部33a,33bの隙間寸法が設定されるとともに、コイル組立体20と円筒部16とが連結されている。位置決めピン34aは図2に示されるように、円周方向に間隔を置いて3つ設けられており、同様に位置決めピン34bも3つ設けられている。
径方向スリット部33aの径方向内方端は貫通孔19aを介して磁性流体室15aに連通し、径方向スリット部33bの径方向内方端は貫通孔19bを介して磁性流体室15bに連通している。ピストン14の両端部側の径方向スリット部33a,33bと軸方向スリット部29と貫通孔19a,19bとにより、両方の磁性流体室15a,15bを連通させる流体案内スリット36が形成されている。したがって、ピストン14がロッドカバー12aに向けて移動すると、磁性流体室15a内の磁性流体Fは流体案内スリット36を介して磁性流体室15b内に流れ、ピストン14がロッドカバー12bに向けて移動すると、磁性流体室15b内の磁性流体Fは流体案内スリット36を介して磁性流体室15a内に流れることになる。
ショックアブソーバ10が、相対的に移動する2つの部材の一方に取り付けられ、他方の部材がピストンロッド22の突出部22aに衝突してピストン14が図1において左側に軸方向に移動したときには、磁性流体室15b内の磁性流体Fが、上述のように、流体案内スリット36を介して磁性流体室15a内に流入することになる。このときには、それぞれロッドカバー12a,12bを貫通する両方のロッド突出部22a,22bの外径がほぼ同一に設定されているので、両方の磁性流体室15a,15bの合計容積は一定となり、ピストン14が軸方向に移動しても外部に磁性流体Fが漏出したり、外部から空気が漏入したりすることがない。
コイルホルダー21aには、図1に示されるように、コイル収容溝37が形成され、コイル収容溝37の軸方向両側はフランジ部38a,38bとなっている。コイル収容溝37にはコイル39が巻き付けられており、コイル39の外周面はフランジ部38a,38bの外周面とほぼ同一となっている。コイル39の給電ケーブル41は、図1に示されるように、ピストンロッド22に形成された案内孔42を通って外部の電源端子に接続されるようになっている。コイル39に電流を供給すると、上述したように、それぞれ磁性材料からなるピストン14と磁界案内スリーブ21bとには、図3に矢印で示すように、磁界が形成される。
それぞれの径方向スリット部33a,33bのうち磁界案内スリーブ21bの両端面とそれぞれの径方向部17a,17bとの間により形成される径方向スリットの径方向内方部は磁界横断部43a,43bとなっている。磁界案内スリーブ21bの内径は貫通孔19a,19bの内径とほぼ同一に設定されており、径方向スリット部33a,33bのうち磁界案内スリーブ21bの軸方向端面に対応する部分が磁界横断部43a,43bとなっている。磁界案内スリーブ21bと径方向部17a,17bの間では、コイル39により形成された磁界が磁界横断部43a,43bを交差する方向に横断することになる。
磁界案内スリーブ21bの半径は、ピストン14の円筒部16の半径よりも小径となっているので、それぞれの径方向部17a,17bに形成される磁束密度は、径方向内方から径方向外方に向かうに従って低くなる。これに対し、磁界案内スリーブ21bに軸方向に形成される磁束密度は、円筒部16に軸方向に形成される磁束密度よりも高くなる。それぞれの磁界横断部43a,43bを交差するように横断する磁束密度は、磁界案内スリーブ21bに形成される磁界の磁束密度とほぼ同様となっている。
磁界横断部43a,43bにこれに交差して径方向スリット部33a,33bの径方向内方部を流れる磁性流体Fを横断するように磁界が形成されると、磁界により形成されるクラスターは、磁性流体の流れを阻止する方向に磁性流体Fの強磁性体の粉粒が結合することから、コイル39への供給電力を高めることなく、磁性流体Fの流動抵抗を高めることができる。つまり、ケース体11の外径を大きくすることなく、ショックアブソーバ10を小型化しても、磁性流体Fの流動抵抗を高めることができる。
図1に示されるショックアブソーバ10は、支持部材に対して往復動自在に装着された移動部材が往復動ストローク端の位置まで移動したときに移動部材から支持部材に加えられる衝撃力を緩和するために使用される。その場合にはケース体11は支持部材に固定され、移動部材をピストンロッド22の突出部に衝突させることになる。ただし、ケース体11に移動部材を衝突させるようにして衝撃力を緩和するようにしても良い。一方、このショックアブソーバ10は、相対移動する2つの部材の間に装着されて一方の部材から他方の部材に加わる振動を減衰するためにも使用される。その際には、相対移動する2つの部材の一方にケース体11が取り付けられ、他方の部材にピストンロッド22の突出部が取り付けられることになる。
いずれの使用形態においても、コイル39に通電して径方向スリット部33a,33bの径方向内方部に形成された磁界横断部43a,43bを横断する方向に磁界を形成すると、横断する方向に磁性流体中の粉粒が結合してクラスターが形成されることから、少ない消費電力で磁性流体Fの流動抵抗を高めることができる。これにより、ショックアブソーバ10を小型化することができる。
図1に示されたショックアブソーバ10においては、コイル組立体20の両端面31a,31bとピストン14の径方向部17a,17bとの間に径方向スリット部33a,33bを形成しているが、例えば、一方の端面31aと一方の径方向部17aとの間にのみ径方向スリット部33aを形成するようにしても、磁性流体Fが流体案内スリット36を通過する際における流動抵抗を高めることができる。その場合には、径方向部17bに軸方向スリット部29の左端部に直接連通させるスリット部を設けることになる。
図1に示されるショックアブソーバ10においては、ピストンロッド22がコイル組立体20の中心部を貫通しているが、コイル組立体20にピストンロッド22を貫通させることなく、ショックアブソーバ10のそれぞれのロッド突出部22a,22bを磁界案内スリーブ21bにねじ結合するようにしても良く、それぞれのロッド突出部22a,22bにフランジ部を設けてピストン14の端面にフランジ部の部分でロッド突出部22a,22bを取り付けるようにしても良い。その場合には、フランジ部にはそれぞれの貫通孔19a,19bと磁性流体室15a,15bを連通させる連通孔を形成することになる。
ケース体11の両端部にロッドカバー12a,12bを設けることなく、ロッドカバー12aのみを設けるようにし、ケース体11の他端部を閉塞するようにしても良い。その場合には、磁性流体室15bの内部にフローティング式のピストンを配置してピストン14とフローティング式のピストンとの間に磁性流体室15bとアキュムレータ室とを形成することになる。このような形態のショックアブソーバないしダンパとしても本発明の磁性流体装置を適用することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。本発明の磁性流体装置は、図示する実施の形態においてはショックアブソーバやダンパとして適用されているが、例えば、ピストンロッド22の移動速度を制御する速度調整器つまりスピードレギュレータとしても適用され、ピストンロッド22の移動速度をコイル39への通電量により制御することができる。
10 ショックアブソーバ
11 ケース体
12a,12b ロッドカバー
14 ピストン
15a,15b 磁性流体室
16 円筒部
17a,17b 径方向部
18 コイル収容室
19a,19b 貫通孔
20 コイル組立体
21a コイルホルダー
21b 磁界案内スリーブ
22 ピストンロッド
23a,23b 貫通孔
27 外周面
28 内周面
29 軸方向スリット部
31a,31b 端面
32a,32b 内面
33a,33b 径方向スリット部
36 流体案内スリット
37 コイル収容溝
39 コイル
41 給電ケーブル
42 案内孔
43a,43b 磁界横断部
F 磁性流体

Claims (8)

  1. 相対移動する2つの部材の間に磁性流体を介在させて磁性流体の流動抵抗を部材相互間に加えるようにした磁性流体装置であって、
    非磁性材料により形成され磁性流体を収容するケース体と、
    前記ケース体の内部に軸方向に往復動自在に装着され、前記ケース体の内部を第1の磁性流体室と第2の磁性流体室とに仕切り、磁性材料により形成されるピストンと、
    非磁性材料により形成され、前記ピストンに連結されるとともに前記ケース体の端部から外部に吐出するピストンロッドと、
    前記ピストンの内部に組み込まれ、前記第1の磁性流体室と前記第2の磁性流体室とを連通させるとともに径方向に延びる径方向スリットを有する流体案内スリットを前記ピストンとの間で形成するコイル組立体とを有し、
    前記コイル組立体は、非磁性材料により形成されコイルが装着されるコイルホルダーと、磁性材料により形成され前記コイルホルダーの径方向内側に組み込まれる磁界案内スリーブとを備え、
    前記コイルにより形成された磁界を前記径方向スリットの径方向内方部で交差する方向に横断させる磁界横断部を、前記磁界案内スリーブの両端面に対応する部分により形成することを特徴とする磁性流体装置。
  2. 請求項記載の磁性流体装置において、前記コイルに供給される電力を制御し、磁束を変化させて磁性流体の流動抵抗を調整することを特徴とする磁性流体装置。
  3. 請求項1または2記載の磁性流体装置において、前記ピストンの一端部に形成された第1の貫通孔を介して前記第1の磁性流体室に連通し径方向に延びる第1の径方向スリット部と、前記ピストンの他端部に形成された第2の貫通孔を介して前記第2の磁性流体室に連通し径方向に延びる第2の径方向スリット部と、それぞれの前記径方向スリット部の径方向外方端を連通させる軸方向スリット部とにより前記流体案内スリットを形成し、前記磁界案内スリーブの両端面と前記ピストンとの間で前記磁界横断部を形成することを特徴とする磁性流体装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性流体装置において、前記ケース体の内面に摺動接触する円筒部と、当該円筒部の両端部に設けられる径方向部とにより前記ピストンを形成し、前記円筒部の内周面と前記コイル組立体の外周面との間で軸方向スリット部を形成し、前記径方向部の内面と前記コイル組立体の端面との間で形成される径方向スリット部と前記軸方向スリット部とにより前記流体案内スリットを形成することを特徴とする磁性流体装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性流体装置において、前記ピストンロッドに案内孔を形成し、前記コイルに電力を供給する給電ケーブルを前記案内孔に配置することを特徴とする磁性流体装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性流体装置において、前記ケース体の一方の端部から突出する第1のロッド突出部と前記ケース体の他方の端部から突出する第2のロッド突出部とをそれぞれ前記ピストンに連結するとともに前記第1のロッド突出部と前記第2のロッド突出部の外径は相互にほぼ同一径であることを特徴とする磁性流体装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性流体装置において、当該磁性流体装置は、相互に相対移動する2つの部材のうち一方の部材に前記ケース体を取り付け、他方の部材が前記ピストンロッドに衝突する際の衝撃を粘性流体の流動抵抗により吸収するショックアブソーバに適用されることを特徴とする磁性流体装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性流体装置において、当該磁性流体装置は、前記流体案内スリットを流れる粘性流体の流動抵抗により前記ピストンロッドの前記ケース体に対する相対移動速度を制御する速度調整器に適用されることを特徴とする磁性流体装置。
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