JP5610224B2 - 弾性中間転写ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
高強度な中間転写体は、その表面硬度も高いので、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。
高強度な中間転写体は感光体や用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらが発生することがある。
また、特許文献2には、ホッパーから供給した無機粒子をブレードで規制し、搬送体表面に無機粒子を固着させる方法も開示されているが、表面に柔軟性を有する中間転写体に採用すると、ブレードに規制された粒子が滞るため、粒子が逃げ場を失って転写体表面を傷付ける虞があり、また付着した粒子が規制された粒子に押えつけられ、樹脂層内に完全に埋没したり、移動したりして、均一な表面を形成することが困難である。
すなわち、上記課題は、本発明の下記(1)〜(11)によって解決される。
(1)「少なくとも樹脂層の表面に樹脂粒子が埋め込まれ、該樹脂粒子によって凹凸形状を形成している電子写真用中間転写体の製造方法であって、(1)固化前の樹脂層表面上に樹脂粒子を供給・付着させる工程、(2)該供給・付着された樹脂粒子を摺擦し、面方向に配列させ、埋没させる工程、(3)前記樹脂層を固化させ、樹脂粒子を固着させる工程を具備し、前記(2)の樹脂粒子を配列・埋没させる工程は、前記樹脂粒子を包接可能な繊維体を圧接触させ、供給・付着された樹脂粒子を摺擦したものであることを特徴とする電子写真用中間転写体の製造方法」、
(2)「前記繊維体は再生繊維の不織布、起毛布等の弾力性を有する布、または合成繊維のパフであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用中間転写体の製造方法」、
(3)「前記繊維体は、中心をくり貫いたドーナッツ形状の弾性体を、前記再生繊維の不織布で包み込んだものであることを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真用中間転写体の製造方法」、
(4)「前記(2)の配列・埋没させる工程は、前記繊維体で複数回摺擦し、余剰に付着した樹脂粒子の除去及び/または不足する樹脂粒子を供給するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法」、
(5)「前記(1)の樹脂粒子を供給・付着させる工程は、ブラシを用いて樹脂粒子を供給するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法」、
(6)「前記樹脂粒子は、平均粒子径が0.5〜5.0μmである単分散粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法」、
(7)「前記樹脂粒子は、シリコーン樹脂粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法」、
(8)「前記樹脂層は、弾性を有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
(9)「前記樹脂層は、熱硬化性エラストマー、もしくはゴム材料であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法」、
(10)「金型、粒子供給手段、及び粒子配列手段を有する電子写真用中間転写体の製造装置であって、前記粒子供給手段は、金型上の中間転写体に粒子を供給するものであり、前記粒子配列手段は、粒子を包接可能な繊維体を有し、中間転写体に供給された粒子に前記繊維体を圧接触させ、摺擦するものであることを特徴とする電子写真用中間転写体の製造装置」、
(11)「少なくとも樹脂層の表面に樹脂粒子が埋め込まれ、該樹脂粒子によって凹凸形状を形成している電子写真用中間転写体あって、(1)固化前の樹脂層表面上に樹脂粒子を供給・付着させる工程、(2)該供給・付着された樹脂粒子を摺擦し、面方向に配列・埋没させる工程、(3)前記樹脂層を固化させ、樹脂粒子を固着させる工程により作製されたものであり、前記(2)の樹脂粒子を配列・埋没させる工程は、前記樹脂粒子を包接可能な繊維体を圧接触させ、供給・付着された樹脂粒子を摺擦したものであることを特徴とする電子写真用中間転写体」。
図1に示すように、樹脂粒子による表面凹凸を有するものであり、これに限るものではないが、比較的屈曲性が得られる剛性の高い基層の上に弾性を有する樹脂層が積層されており、この樹脂層の最表面に球形の樹脂粒子が埋没固着しているものである。
図2に中間転写体の表面を真上から観察した拡大模式図を示す。このように、均一な粒径の球状粒子が独立して整然と配列する形態を採る。樹脂粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。
この表面を構成する各粒子の樹脂層面における断面の径も均一な方が好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としてもよい。
本発明においては、上記球形樹脂粒子は樹脂層中へ一部埋設された形態を採るが、その埋没率は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%〜90%であることが、より好ましい。50%以下では、電子写真装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。一方、100%では、粒子による転写性への効果が低減し好ましくない。
埋没率とは、粒子の深さ方向の径の樹脂層に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければよい。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、樹脂層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(樹脂層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。
さらにこの粒子は、樹脂層に対して、厚み方向に単一の状態で含有される方が好ましい。
また、図5に示されるように、樹脂層表面に露出している粒子に、樹脂層中に完全埋没している粒子が混在する状態であると、粒子の単一形成が困難になる。
<基層の作製方法>
本発明の少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわち前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層を製造する方法について説明する。
ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂製の基体は、円筒状支持体(型)表面に前記前駆体液をノズルやディスペンサーによる螺旋塗工、または広幅のダイによるダイ塗工、または塗布ロールを用いたロール塗工などにより塗工することができる。ここでは、ロール塗工について説明する。図13に示すような装置により塗工できる。Aは塗料である脱泡した前駆体液を貯留するための塗料パンであり、Cは塗料パンAから塗料を連続的に汲み上げるための塗布ローラであり、Dは連続的に汲み上げられた塗料の厚みを塗布ローラCとの隙間で調節して所定塗料厚みにするための規制ローラであり、Eは所定厚みにした塗料(塗膜)を塗布ローラCから転移させて付着させるための円筒状支持体(金型)である。
上記した製造装置に、先ず予め十分に脱泡された前駆体塗料を塗料パンに流し込む。 塗料粘度は、有機極性溶媒により、0.5〜10Pa・sに調整しておくことが望ましい。次いで、塗布ローラの下部に塗料を流し込んだ塗料パンを近づけ塗料中に浸漬し、10〜100mm/secのゆっくりとした周速度で塗布ローラ表面に塗料を付着、上方に汲み上げていく。 その後、塗布ローラ上部に設置され、塗布ローラと任意の隙間を調整することができる規制ローラにより、塗布ローラ上の塗料厚みを調整する。 規制する塗料厚みとしては、円筒状芯体へ転写する塗料厚みの2倍量程度が好ましい。
次に塗布ローラCに円筒状支持体Eをゆっくり回転させながら、塗布ローラの塗料厚み以下まで近づける。塗布ローラ上の塗料は、塗布ローラCと同方向(図13示す方向では「時計回り方向」)に回転する円筒状支持体E上に、塗布ローラCからの塗料が転移され、円筒状支持体E上に所定膜厚の塗料が付着される。
塗布後、円筒状支持体を回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行う。
十分に冷却後、引き続き、樹脂層を積層する。
この樹脂層は、射出成形、押し出し成形などにより基層上に形成することも可能であるが、本発明においては樹脂塗工液を塗布することにより形成することが有効である。
樹脂塗工液においては、液状樹脂または液状エラストマー、液状ゴム、ゴムを有機溶剤に溶かしたゴム塗料等を用いることができる。ここでは、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層上に塗布形成する方法について説明する。塗布成形法としては、基層と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性を良くするためには樹脂層の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、及び螺旋塗工が優れている。ここでは、螺旋塗工について説明する。基層を周方向に回転させながら、丸型、又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層の軸方向に移動させて、基層上に塗料を螺旋状に塗工する。樹脂層の厚さは、用紙凹凸への追従性の観点から最終的な膜厚が50〜1000μmであることが好ましく、250〜650μmであることが、より好ましい。
固化前の樹脂層とは塗膜中に溶媒が一部含有している状態を言う。
中間転写体の樹脂層が固化前の状態で粒子供給を行うことで、樹脂層中に樹脂粒子を埋没させることが可能となる。樹脂粒子の供給は、樹脂粒子を荷電しエアースプレーする静電スプレー法や、加圧ローラ等を転がして粘着させる圧着法、ホッパー等により供給してもよいが、ブラシローラを用いる場合は、固化前の樹脂層にキズを付けないためと樹脂層表面との密着性を上げ確実な供給を実施するために、弾力性を持ったブラシ毛(例えばデュポンNY612等)を使用することが好ましい。そして、一般的なブラシローラの形成方法である芯金にブラシ毛を植毛したテープを螺旋状に巻きつけ固定する場合は、樹脂粒子供給量のムラを少なくするために、ブラシローラの回転方向が同じ場合には図11が示すようにブラシ植毛テープの螺旋を対向させるように2本のブラシローラを配置し、等速回転させることが好ましい。
また、ブラシローラへの樹脂粒子補給は図12で示すように、ブラシローラを埋没させるハウジングを設け、その内部を樹脂粒子にて充填させておくことが好ましい。
樹脂粒子を配列させ、埋没させる工程は、前記樹脂粒子を包接可能な繊維体を圧接触させることにより行なう。繊維体は樹脂粒子を包接することが可能な隙間と厚さを有し、かつ、樹脂粒子を押えつけ樹脂層表面に埋没させることが可能な弾力性を有する。このような繊維体で圧接し、摺擦すると、樹脂層表面に余剰に付着した樹脂粒子を除去でき、かつ繊維に付着した樹脂粒子は、図6に示すように、樹脂層に付着した樹脂粒子によって動かされ、コロの役割をするため、スムーズでかつ樹脂層表面を傷つけることなく樹脂粒子が配列し、さらに樹脂粒子が不足する箇所には、前記除去された樹脂粒子を供給でき、樹脂層表面に均一に配列した単一層の樹脂粒子層を形成でき、かつ一様に埋没させることができる。
図7に樹脂粒子を包接した繊維体の表面の状態を示す。余剰に付着した樹脂粒子が繊維に幾重にもまとわりつき、繊維間に樹脂粒子を保持できるが、繊維に直接接触していない樹脂粒子は、繊維による保持力が弱く脱落しやすいため、樹脂粒子が不足する箇所では樹脂層に移動すると考えられる。
ここで言う単分散粒子とは、単一粒子径の粒子という意味ではなく、粒度分布が極めてシャープなもののことを指し、上記のように±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のものでよい。
繊維体(パフ)(6)を、回転モータ(7)により回転可能に軸支した配列ユニット(8)は、サイドにセットされるとともに図示しない付勢手段により、回転しながら金型表面を前進し、金型表面に接触し、金型の軸線に沿って金型の一端から他端に向かって(図9の矢印方向)繊維体(パフ)(6)が移動し樹脂粒子が配列されながら埋め込まれる。
回転する繊維体(6)の移動方向前方の回転方向と金型回転方向とをカウンター方向、つまり、図9の配列ユニットの繊維体(6)を反時計まわりに左手前から右奥方向に回転させ摺擦することが好ましい。繊維体(6)の移動方向前方の回転方向と金型回転方向とがカウンター方向であると、繊維体(6)の移動方向前方では、繊維の間に「粒子だまり」を作り、繊維体(6)の移動方向後方では、「粒子だまり」から樹脂粒子が供給され、より粒子付着を促進できる。
必ずしも必要ではないが、配列ユニット(8)が後進し回転が止まり、繊維体(6)を有する除去ユニット(9)が前進し、少なくとも金型一回転分以上、金型表面に接触し、クリーニングがされる(かき取られる)。
図8に示すように、金型回転方向を除去ユニット(9)の繊維体の下端から上端に向かうように回転させることで、パフと金型の間に溜まった粒子を落としやすくする。除去ユニットの繊維体(6)を回転させると前記溜まった樹脂粒子が浮遊するため、繊維体(6)は回転させないことが好ましい。
クリーニング終了後、除去ユニット(9)が後進し金型の回転が止まり、図示しないリフターにより次工程(加硫工程)へ運ばれる。
繊維体(パフ)は、図10に示すように、保持具(21)、弾性体(22)および再生繊維(23)からなり、弾性体(22)の一面全体を覆うように再生繊維(23)で包み、保持具(21)に貼合されている。
弾性体をドーナッツ形状にし、再生繊維(23)と共に中央を保持具(21)に固定することで、繊維体パフの回転摺動で起こる繊維のよれを防止でき、耐久性を向上できる。
前記弾性体(22)は、ゴム硬度が25度以下であることが望ましく、特に5度以下であることがより望ましい。
下記により基層用塗工液を調製し、この塗工液を用いて中間転写体基層を製造した。
<基層用塗工液の調製>
先ず、ポリイミド樹脂前駆体を主成分とするポリイミドワニス(U−ワニスA;宇部興産社製)に、予めビーズミルにてN−メチル−2−ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の17重量%になるように調合し、よく攪拌混合して基層用塗工液Aを調製した。
次に、外径340mm、長さ360mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製の円筒状支持体を型として用い、ロールコート塗工装置に取り付けた。
次に、基層用塗工液Aをパンに流し込み、塗布ローラの回転速度40rpmで塗料を汲み上げ、規制ローラと塗布ローラのギャップを0.6mmとして、塗布ローラ上の塗料厚みを制御した。 円筒状支持体の回転速度を35rpmに制御して塗布ローラに近づけ、塗布ローラとのギャップ0.4mmとして塗布ローラ上の塗料を均一に円筒状支持体上に転写塗布した後、回転を維持しながら熱風循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して30分加熱、 さらに昇温して200℃で30分加熱し、回転を停止した。その後、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。
下記に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて、十分に混練することでゴム組成物を作成した。
<樹脂層構成材料>
・アクリルゴム ニポールAR12(日本ゼオン株式会社) 100重量部
・ステアリン酸 ビーズステアリン酸つばき(日油株式会社) 1重量部
・赤リン ノーバエクセル140F(燐化学工業株式会社) 10重量部
・水酸化アルミニウム ハイジライトH42M(昭和電工株式会社) 60重量部
・架橋剤 Diak.No1(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)
(デュポン ダウ エラストマージャパン) 0.6重量部
・ 架橋促進剤 VULCOFAC ACT55
(70%1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7と二塩基酸との塩、30%アモルファスシリカ)(Safic alca社) 1重量部
・ 導電剤 QAP−01(過塩素酸テトラブチルアンモニウム)
(日本カーリット株式会社) 0.3重量部
次いで、このようにして得られたゴム組成物を有機溶剤(MIBK:メチルイソブチルケトン)に溶かして固形分35wt%のゴム溶液を作製した。この作製したゴム溶液を先に作製したポリイミド基層が形成された円筒状支持体を回転させながらポリイミド基層上に、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方法に移動させ螺旋状に塗工した。塗布量としては最終的な膜厚が500μmになるような液量の条件とした。
所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、ゴム塗料が塗工された円筒状支持体をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分で90℃まで昇温して30分加熱し、自己支持性のある固化前の弾性層を形成した。
次いで、図11、12に示す粒子供給ユニットを用い、円筒状支持体の回転数を10rpm、粒子供給のためのブラシローラの回転数を100rpmとし、ブラシが円筒状支持体2回転接触する条件で、ゴム塗料が固化前の状態の円筒状支持体に球形樹脂粒子として、シリコーン樹脂粒子(トスパール130(体積平均粒子径3.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)を円筒状支持体全周に供給した。
次いで、図8、9の装置を用い、ドーナッツ形状の弾性体に再生繊維の不織布(リヨセル(登録商標))で包み込んだ繊維体(パフ)が円筒状支持体に200rpmで回転しながら接触し、円筒状支持体の軸線に沿って一端から他端に向かって繊維体が2mm/secの速度で円筒状支持体を摺擦しながら移動し、樹脂粒子を面方向に均一に配列・埋没させ樹脂粒子層を形成した。
実施例1における球状樹脂粒子を、シリコーン樹脂粒子(トスパール120(体積平均粒子径2.0μm品)に代えた他は同じとして、中間転写体Bを得た。
実施例1における粒子層の作製において、円筒形状支持体全周に樹脂粒子を供給させたあと、円筒状ゴムローラを円筒形状支持体の軸方向に圧接触させ樹脂粒子を配列・埋没させた他は同じとして、中間転写体Cを得た。
実施例1における再生繊維の不織布を、合成繊維(ポリエステル)の平織布に代えた他は同じとして、中間転写体Dを得た。
実施例1における粒子供給のためのブラシローラを、圧着空気により球状樹脂粒子を投射するエアーブラストに代え、繊維体で摺擦しない他は同じとして、中間転写体Eを得た。
<ベルト表面粒子面積率の測定>
各ベルトの表面を走査電子顕微鏡にて観察し、その画像を画像処理ソフト(Image−proplus;cyber netics社)を用いて画像を2値化し、弾性体の露出部分と粒子の露出部分の投影面積率を算出した。
<転写率の測定>
転写紙として、表面に凹凸模様を施してある紙(連量215kg紙レザック紙)を用い、これに、青色のベタ画像を出力する操作を実施し、紙に転写する前の中間転写ベルト上の画像トナー量と紙に転写した後に中間転写ベルト上に残ったトナー量を計測し、転写率を算出した。
実施例1及び2については優れた性能を発揮した。
円筒状ゴムローラを用いて樹脂粒子を配列・埋没した比較例1では、一方向のみの不均一な粒子配列になり、表面の凹凸形状の間隔がばらついている。そのため面方向に均一に配列されている実施例1、2に比べ転写率が劣った。
合成繊維(ポリエステル)の平織布で包み込んだ繊維体で円筒状支持体を摺擦した比較例2では、前記合成繊維が樹脂粒子を保持できず、摺擦の際にゴム表面を傷つけ、樹脂粒子を剥がしてしまい均一な粒子層を形成することができなかった。
圧着空気により樹脂粒子を投射するエアーブラストを用いた比較例3では、樹脂粒子を均一に配列させることができず、粒子が弾性体を完全に覆っていない状態となっている。そのため、弾性体が露出している部分へのトナー固着やクリーニング不良などの不具合が発生した。
2 金型受けコロ
3 金型駆動ユニット
4 粒子供給ユニット
5 ブラシローラ
6 繊維体(パフ)
7 回転モータ
8 配列ユニット
9 除去ユニット
11 樹脂粒子
12 樹脂層
13 基層
21 保持具
22 弾性体
23 再生繊維
Claims (11)
- 少なくとも樹脂層の表面に樹脂粒子が埋め込まれ、該樹脂粒子によって凹凸形状を形成している電子写真用中間転写体の製造方法であって、(1)固化前の樹脂層表面上に樹脂粒子を供給・付着させる工程、(2)該供給・付着された樹脂粒子を摺擦し、面方向に配列させ、埋没させる工程、(3)前記樹脂層を固化させ、樹脂粒子を固着させる工程を具備し、前記(2)の樹脂粒子を配列・埋没させる工程は、前記樹脂粒子を包接可能な繊維体を圧接触させ、供給・付着された樹脂粒子を摺擦したものであることを特徴とする電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記繊維体は再生繊維の不織布、起毛布等の弾力性を有する布、または合成繊維のパフであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記繊維体は、中心をくり貫いたドーナッツ形状の弾性体を、前記再生繊維の不織布で包み込んだものであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記(2)の配列・埋没させる工程は、前記繊維体で複数回摺擦し、余剰に付着した樹脂粒子の除去及び/または不足する樹脂粒子を供給するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記(1)の樹脂粒子を供給・付着させる工程は、ブラシを用いて樹脂粒子を供給するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記樹脂粒子は、平均粒子径が0.5〜5.0μmである単分散粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記樹脂粒子は、シリコーン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記樹脂層は、弾性を有するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 前記樹脂層は、熱硬化性エラストマー、もしくはゴム材料であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに電子写真用中間転写体の製造方法。
- 金型、粒子供給手段、及び粒子配列手段を有する電子写真用中間転写体の製造装置であって、前記粒子供給手段は、金型上の中間転写体に粒子を供給するものであり、前記粒子配列手段は、粒子を包接可能な繊維体を有し、中間転写体に供給された粒子に前記繊維体を圧接触させ、摺擦するものであることを特徴とする電子写真用中間転写体の製造装置。
- 少なくとも樹脂層の表面に樹脂粒子が埋め込まれ、該樹脂粒子によって凹凸形状を形成している電子写真用中間転写体あって、(1)固化前の樹脂層表面上に樹脂粒子を供給・付着させる工程、(2)該供給・付着された樹脂粒子を摺擦し、面方向に配列・埋没させる工程、(3)前記樹脂層を固化させ、樹脂粒子を固着させる工程により作製されたものであり、前記(2)の樹脂粒子を配列・埋没させる工程は、前記樹脂粒子を包接可能な繊維体を圧接触させ、供給・付着された樹脂粒子を摺擦したものであることを特徴とする電子写真用中間転写体。
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