JP5610088B2

JP5610088B2 - 車両用充電装置

Info

Publication number: JP5610088B2
Application number: JP2013540528A
Authority: JP
Inventors: 清司大澤; 清水　徹; 徹清水; 一尾　敏文; 敏文一尾
Original assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Current assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date: 2011-10-25
Filing date: 2011-10-25
Publication date: 2014-10-22
Anticipated expiration: 2031-10-25
Also published as: JPWO2013061402A1; CN103702859A; EP2712761A1; WO2013061402A1; US20140184158A1

Description

本発明は、ロック機構部に改良を加えた車両用充電装置に関する。

電気自動車やプラグインハイブリッド車等のバッテリを搭載した車両において充電する場合、家庭やスタンド等において、電源に接続された電源側コネクタを、車両に搭載されてバッテリと接続された車両側コネクタと嵌合することにより、商用電源をバッテリに送り込んで充電するようになっているが、同充電には比較的長時間を要するために、両コネクタが嵌合された状態に放置される場合が多い。その間、例えば電源コードに脚を引っ掛ける等で不用意に電源側コネクタが外れてしまったり、盗電を目的として不正に電源側コネクタが引き抜かれることも懸念されるため、その防止策を講じる必要がある。

従来、防止策の一例として、電磁ロック機構を備えた充電装置が提案されている。このものは、電源側コネクタのハウジングに被係止部が設けられる一方、車両側コネクタにソレノイド式のアクチュエータが装備されており、車両側コネクタに電源側コネクタが嵌合されて両コネクタが正規に嵌合されたことが検知されると、アクチュエータが励磁されることに伴い係止部が進出して被係止部に係止することによりロックが掛かり、そののち充電用の給電路が導通状態とされて充電が行われる。経時後、所定の充電が完了すると給電路が遮断され、続いてアクチュエータが非励磁とされることに伴い係止部が後退して被係止部から外れることによりロックが解除され、電源側コネクタの取り外しができるようになっている。なお、この種の電磁ロック機構を備えた充電装置は、下記特許文献１に記載されている。

特開２０１１−８１９５２号公報

（発明が解決しようとする課題）
ところで上記従来の電磁ロック機構において、何らかの原因によって電源側コネクタに設定された被係止部が欠落してしまうことがないとは言えない。被係止部が欠落していると、アクチュエータが励磁されて係止部が進出しても、相手の被係止部に係止することがなく、結果、ロックが掛かっていない状態で充電が行われることになる。言い換えると、充電中において電源側コネクタの取り外しが可能な状態にあって、取り外しの初めの段階で両コネクタの接続端子間でスパークが生じたり、盗電を許容する結果を招く不具合があり、その対策が急務となっていた。

なお、上記のような不具合は、電磁ロック機構に限らず、両コネクタが嵌合されたところで車両側コネクタに設けられた係止部が、電源側コネクタに設定された被係止部に弾性的に係止するようにした機械式のロック機構を適用した場合にも、同様に生じるところである。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ロック機構の一方を構成する被係止部が欠落している場合にこれを検知し、充電動作が実行されないようにするところにある。

（課題を解決するための手段）
本発明は、外部電源に接続された電源側コネクタと、車両に搭載されたバッテリと接続され前記電源側コネクタと嵌合されることで給電路を構成するべく車両に設けられた車両側コネクタと、前記電源側コネクタに設けられた被係止部と、前記車両側コネクタに設けられ前記被係止部に係止する位置と同係止が解除される位置との間で移動可能な係止部と、が具備され、前記両コネクタが嵌合されたのち前記係止部が前記被係止部に係止する位置に移動することで前記両コネクタが嵌合状態にロックされるようにした車両用充電装置において、前記両コネクタの嵌合の有無を検知する嵌合検知部と、前記嵌合検知部により前記両コネクタが嵌合されたことが検知された場合に、前記電源側コネクタの前記被係止部が所定位置にあるか否かを検知する被係止部検知部と、前記被係止部検知部により前記被係止部が所定位置にあることを検知したことを条件に前記給電路を導通状態とする給電制御部と、が設けられているところに特徴を有する。

車両側コネクタに被係止部が正規に存在している場合は、係止部の進出動作に伴いロックが掛かるとともに、給電路が導通して充電が実行される。一方、被係止部が欠落していると、ロックが不完全となる可能性があるが、被係止部検知部で間接的に被係止部が欠落していることが検知がされることによって、給電路は遮断状態に留められる。そのため、充電中に不用意あるいは不正に両コネクタが離脱することが防止され、両コネクタ間でスパークが発生したり、盗電される事態を未然に防止することができる。

また、以下のような構成としてもよい。
（１）前記車両側コネクタには前記被係止部に係止する前記係止部を進退駆動可能に備えたソレノイド式のアクチュエータが設けられ、前記両コネクタが嵌合されたことが前記嵌合検知部で検知されると、前記アクチュエータの前記係止部が進出して前記被係止部に係止する構成となっている。電磁ロック機構を採用したものについても、同様に機能することができる。

（２）前記給電制御部には、前記嵌合検知部が前記両コネクタが嵌合されたことを検知したにも拘わらず、前記被係止部検知部によって前記被係止部が所定位置にあることを検知できなかった場合にはエラー信号を送出するロックエラー判別部が設けられ、かつ、前記エラー信号を受けて警告する警告部が設けられている。
両コネクタが嵌合されたことが検知されたにも拘わらず被係止部が所定位置にあることが検知できなかった場合には、被係止部が欠落していると見なされてエラー信号が出され、同エラー信号を受けて警告部で警告される。警告を受けることで、修復等に迅速に対応できる。

（３）前記電源側コネクタのハウジングには、前記車両側コネクタのハウジングが内側に嵌合可能なフード部が設けられ、同フード部に被係止孔が開口されてこの被係止孔の前側の口縁部により前記被係止部が構成されているとともに、
前記車両側コネクタの前記ハウジングには、前記被係止孔を貫通して進退可能な係止ピンが設けられて、同係止ピンが前記係止部を構成しており、
かつ、前記車両側コネクタのハウジングにおける前記フード部が進入する進入路の奥方には、前記フード部が正規位置まで進入した場合に前記被係止部で押圧されることにより開閉状態が反転する検知スイッチが設けられ、同検知スイッチにより前記被係止部検知部が構成されている。

電源側コネクタのハウジングに開口された被係止孔の前側の口縁部である被係止部が欠落することなく正規に存在している場合は、係止ピンが進出した場合に相手の被係止孔を貫通して被係止部に係止することでロックが掛かるとともに、被係止部が検知スイッチを押圧して開閉状態が切り換えられ、これを以て給電路が導通して充電が実行される。一方、被係止部が欠落していると、ロックが不完全となる可能性があるが、検知スイッチが押圧されないことで被係止部が欠落していることが検知され、それにより給電路は遮断状態に留められ、すなわち充電は行われない。

（発明の効果）
本発明によれば、ロック機構の一方を構成する被係止部が欠落している場合にこれを検知し、充電動作の実行を禁止することができる。

本発明の一実施形態に係る電源側コネクタと車両側コネクタの嵌合前の状態の斜視図その縦断面図車両側コネクタの斜視断面図電源側コネクタと車両側コネクタとが正規嵌合した状態の縦断面図アクチュエータの係止ピンの進退動作に不具合があった場合の縦断面図アクチュエータの係止ピンに損傷があった場合の縦断面図被係止部に損傷があった場合の縦断面図充電制御機構を示すブロック図充電制御システムの概要を示すフローチャート給電制御形態を示すフローチャートアクチュエータの係止ピンの戻り不良を検知する形態を示すフローチャート

＜実施形態＞
本発明の一実施形態を図１ないし図１１に基づいて説明する。
本実施形態の車両用充電装置は、図１及び図２に示すように、電源と接続される電源側コネクタ１０と、車両に搭載されたバッテリと接続されて同車両に設けられた車両側コネクタ２０とから構成されている。

電源側コネクタ１０は、いずれも合成樹脂製のグリップ部１１Ａを設けたコネクタ本体１１の先端部に雌ハウジング１２が設けられた構造である。雌ハウジング１２は、小フード部１３（本発明のフード部に相当）内に、互いに独立した７本の端子収容筒１４が奥壁から突出した形態で設けられた構造である。各端子収容筒１４は、後記する相手の雄ハウジング２１に設けられた７個のキャビティ２５の配置と対応して、上段に２個、中段に３個、下段に２個がそれぞれ並んだ配置で設けられている。

上記した端子収容筒１４のうち、中段の両側の端子収容筒１４Ａには、ＡＣ用の雌側のパワー端子が、中央の端子収容筒１４Ａには雌側のアース端子１５が、また、上段の両端子収容筒１４Ｂには雌側の信号端子が、それぞれ収容されている。なお、下段の両端子収容筒１４Ｃは、ＤＣ用の雌側のパワー端子を収容するためのものであるが、本コネクタ１０では空室となっている。各雌側の接続端子に接続された電線は、コネクタ本体１１内で一纏めにされ、多芯ケーブル１６の形態でコネクタ本体１１におけるグリップ部１１Ａの後端から引き出されている。

車両側コネクタ２０は、同じく合成樹脂製の雄ハウジング２１を備えている。雄ハウジング２１は、上記した雌ハウジング１２の小フード部１３内に前端側が嵌合可能な端子収容部２２と、同端子収容部２２の前端側の回りを覆うようにして小フード部１３の外周に嵌合可能に形成された大フード部２４とを有している。雄ハウジング２１の端子収容部２２には、一部既述したように、上記した雌ハウジング１２の各端子収容筒１４が前方から嵌合可能な７個のキャビティ２５が、対応した配置で形成されている。

各キャビティ２５内には、雄側の接続端子が奥壁から突出した形態で収容されている。詳細には、中段の両側のキャビティ２５Ａには、ＡＣ用の雄側のパワー端子２６Ａが、中央のキャビティ２５Ａには雄側のアース端子２６Ｂが、また、上段の両キャビティ２５Ｂには雄側の信号端子２６Ｃが、それぞれ収容されている。下段の両キャビティ２５Ｃには、ＤＣ用の雄側のパワー端子が収容されるか、あるいは空室とされていてもよい。

雄ハウジング２１における大フード部２４の外周面の先端寄りの位置には、方形状をなす取付板２８が張り出し形成されており、同取付板２８の四隅が、車両のボディに開口された給電口の内部に配された取付部材にねじ止めにより固定されることで、雄ハウジング２１は、その嵌合面を給電口に臨ませた形態で装着されるようになっている。

電源側コネクタ１０の雌ハウジング１２が車両側コネクタ２０の雄ハウジング２１に対して嵌合されると、図４に示すように、雄ハウジング２１の端子収容部２２が雌ハウジング１２の小フード部１３内に進入するとともに、雌ハウジング１２の小フード部１３が、雄ハウジング２１における端子収容部２２と大フード部２４との間に形成されたフード部進入溝２９に進入し、端子収容部２２の前面が小フード部１３の奥壁１３Ａに、小フード部１３の先端縁がフード部進入溝２９の奥壁２９Ａに当たることで嵌合が停止され、この位置が正規嵌合位置となる。

両コネクタ１０，２０が正規嵌合されると、両コネクタ１０，２０に設けられた対応する雌雄の接続端子同士が接続され、アース端子１５，２７を含めて両パワー端子が接続されると、電源と、車両に搭載されたバッテリ間に給電路が構成される。この給電路には、同給電路を導通状態と遮断状態とに切り換える給電スイッチ３０（図８参照）が設けられている。
一方、２組の雌雄の信号端子同士が接続されると、２本の信号線が構成され、本実施形態では、そのうちの１本が両コネクタ１０，２０の嵌合検知用に利用されている。そのため、対応する雌雄の信号端子（雄側の信号端子２６Ｃのみが図３に図示）が嵌合検知端子となり、同嵌合検知端子同士の接続部分が嵌合検知部３１となる。

両コネクタ１０，２０のハウジング１２，２１を正規嵌合状態にロックする電磁ロック機構４０が設けられている。
図２に示すように、電源側コネクタ１０に設けられた雌ハウジング１２側では、小フード部１３の上面における先端部寄りの位置に被係止孔１７が開口されている。
一方、車両側コネクタ２０には、ソレノイド式のアクチュエータ４１が設けられている。このアクチュエータ４１は、本体４２に対して係止ピン４３が後退位置（図２）と前進位置（図４）との間で移動可能に設けられ、常にはばね弾力により係止ピン４３が後退位置に後退付勢され、同アクチュエータ４１に通電して励磁すると、係止ピン４３が付勢力に抗して前進位置に進出するようになっている。
なお、雌ハウジング１２の小フード部１３の被係止孔１７は、アクチュエータ４１が上記した上方位置以外に、下方位置並びに左右の位置に配された場合にも対応できるように、下面並びに左右の面にも開口されている。

車両側コネクタ２０の雄ハウジング２１には、大フード部２４の上面における後端部寄りの位置、詳細には雌雄のハウジング１２，２１が正規嵌合された場合における小フード部１３の被係止孔１７の直上位置に、アクチュエータ４１の係止ピン４３を緊密に挿通可能なガイド孔４６が開口されている。また、端子収容部２２の上面、言い換えるとフード部挿入溝２９の下面におけるガイド孔４６の直下位置には、係止ピン４３の先端部を逃がす逃がし凹部４７が形成されている。なお、ガイド孔４６並びに逃がし凹部４７は、上記したアクチュエータ４１の配設位置に対応して、下面並びに左右の面にも設けられている。
そしてアクチュエータ４１は、係止ピン４３の先端をガイド孔４６内に挿入した形態で真下を向いた姿勢において、車両側コネクタ２０に対して装着されている。

電磁ロック機構４０によるロック動作を含めた基本的な充電制御システムを、図８及び図９を参照して説明すると、以下のとおりである。
両コネクタ１０，２０が正規に嵌合されたことが、嵌合検知部３１を構成する一対の信号端子が接続されることで検知されると、アクチュエータ４１が励磁されることにより後退位置にあった係止ピン４３が前進位置に進出し、同係止ピン４３の先端が小フード部１３の被係止孔１７を貫通して逃がし凹部４７にまで達し、係止ピン４３が被係止孔１７における前側の縁部（被係止部１８）に係止することで、両コネクタ１０，２０が正規の嵌合状態にロックされ、続いて給電スイッチ３０がオン状態に切り換えられて給電路が導通状態とされ、充電が行われる。

車両側コネクタ２０に設けられた充電終了検知部３２（図８）により、所定の充電が終了したことが検知されると、給電スイッチ３０がオフ状態に切り換えられて給電路が遮断される。続いて、ロック解除指令部３３（図８）からロック解除の指令が出されると、アクチュエータ４１への通電が遮断されて励磁解除されことにより係止ピン４３が後退位置に戻ってロックが解除され、電源側コネクタ１０の取り外しが可能な状態となる。なお、ロック解除指令部３３からの解除指令信号は、充電終了の検知に伴って送出するようにしてもよく、車両側に別途設けた操作部の操作によってもよい。

さてこの実施形態では、電磁ロック機構４０が正規に作動しない場合があることに鑑み、作動不良があったことを表示したり、さらには同作動不良があった場合には給電動作を規制する等の対策が講じられており、以下それについて説明する。
基本的には、電磁ロック機構４０の構成部品の不具合の有無を検知する各種検知部を備え、その検知部からの信号等を給電制御部７１（図８）によって演算処理し、その演算結果により各種部材を制御するようになっている。

まず、アクチュエータ４１の係止ピン４３に不具合があった場合を検知する手段として、図２に示すように、第１検知スイッチ５１（係止部検知部）が設けられている。この第１検知スイッチ５１は、一対の可動接点５１Ａと固定接点５１Ｂとを有する常開式のスイッチであって、上記した雄ハウジング２１におけるフード部挿入溝２９の底面に設けられた逃がし凹部４７内に、可動接点５１Ａを上側にした形態で配設されている。

アクチュエータ４１が励磁されて係止ピン４３が正規の前進位置まで進出すると、同係止ピン４３の先端が可動接点５１Ａを押して固定接点５１Ｂに接触させることで第１検知スイッチ５１がオンされる。
一方、例えば係止ピン４３が何らかの事情で正規位置まで進出できなかった場合、あるいは係止ピン４３の先端部が欠損しているような場合は、係止ピン４３が進出したにも拘わらず、係止ピン４３の先端が可動接点５１Ａを押圧できず、第１検知スイッチ５１がオフ状態に留められる。

また、電磁ロック機構４０の一方を構成する被係止部１８が欠落したとの不具合があった場合を検知する手段として、第２検知スイッチ５２（被係止部検知部）が設けられている。この第２検知スイッチ５２も同様に、一対の可動接点５２Ａと固定接点５２Ｂとを有する常開式のスイッチである。
第２検知スイッチ５２の配設位置については、図３にも示すように、雄ハウジング２１の端子収容部２２の上面におけるフード部挿入溝２９の奥壁２９Ａよりも後方領域、より詳細には、第１検知スイッチ５１の配設位置の後方に対応する領域には、前後方向に沿ったガイド路５４が形成され、第２検知スイッチ５２は、同ガイド路５４の後端部において、可動接点５２Ａを手前側に配した形態で装着されている。
ガイド路５４には、作動板５５が前後方向へ摺動可能に載置されており、同作動板５５の前面に突設された被押圧片５５Ａが、奥壁２９Ａに形成されたガイド孔５４Ａを貫通してフード部挿入溝２９内に突出している。

電源側コネクタ１０の雌ハウジング１２が車両側コネクタ２０の雄ハウジング２１に対して正規に嵌合されると、被係止部１８が正規に存在している場合は、同被係止部１８が被押圧片５５Ａを押して作動板５５を所定量後退させ、作動板５５の後縁が可動接点５２Ａを押して固定接点５２Ｂに接触させることで第２検知スイッチ５２がオンされる。
一方、被係止部１８が損傷を受けて欠落している場合は、例え両コネクタ１０，２０が正規嵌合されたとしても、被押圧片５５Ａすなわち作動板５５を後方に押し込むことができず、すなわち可動接点５２Ａを押圧できず、第２検知スイッチ５２がオフ状態に留められる。

また、アクチュエータ４１の係止ピン４３の進退動作を検知する動作検知部が設けられている。
具体的には、アクチュエータ４１における係止ピン４３の進退路の側方にマイクロスイッチ６０が配設される一方、係止ピン４３の基端部の外周には、マイクロスイッチ６０の作動レバー６１と係合可能なフランジ４４が形成されている。

マイクロスイッチ６０は例えば常開式であって、係止ピン４３が後退位置にあるときには、図２に示すように、フランジ４４が作動レバー６１を介してボタン６２を押すことで同マイクロスイッチ６０をオン状態とする。一方、図４に示すように、係止ピン４３が所定量以上進出すると、フランジ４４が離間して作動レバー６１に対する押圧力が除去されてボタン６２が戻ることにより、マイクロスイッチ６０がオフ状態となる。

上記に説明した動作検知部であるマイクロスイッチ６０と、係止部検知部である第１検知スイッチ５１と、被係止部検知部である第２検知スイッチ５２とが、図８示すように、充電制御装置７０の入力側に接続されている。
充電制御装置７０には、電磁ロック機構４０が正規に作動しない場合、具体的には、アクチュエータ４１の係止ピン４３に不具合があった場合と、被係止部１８が欠落した不具合があった場合の両方に対応するために、ロックエラー判別部７２を含む給電制御部７１が構築されている。

給電制御部７１では、図１０に示すようなプログラムが実行される。端的には、両コネクタ１０，２０が正規嵌合されたことが検知されるとアクチュエータ４１が励磁され、そののち両検知部がオンして初めて給電路が導通される。両検知部の一方がオフ状態であるとエラー信号が出され、同エラー信号を受けて表示部７５により表示される。
この表示部７５は、発光ダイオードからなる表示ランプを有しており、図１に示すように、車両側コネクタ２０の雄ハウジング２１における取付板２８の上部位置に設けられ、給電口を通して目視可能に配されている。

さらに本実施形態では、ロック解除がなされるに際して、アクチュエータ４１の係止ピン４３が後退位置まで正規に戻らない場合に対応して、充電制御装置７０に、アクチュエータエラー判別部７３が構築されている。
そのため、充電制御装置７０の入力側には、一部既述したようにロック解除指令部３３が接続されている。ロック解除指令部３３は、充電終了検知部３２と連動しており、充電終了が検知されたことに伴いロック解除指令信号を出すようになっている。なお、同ロック解除指令部３３は、車両側に別途備えたロック解除操作部の操作によりロック解除指令信号を出すようにしてもよい。

アクチュエータエラー判別部７３では、図１１に示すようなプログラムが実行される。すなわち、充電が完了したことが検知されると、給電路が遮断され、そののちロック解除指令を受けると、アクチュエータの励磁が解除されるが、そのとき係止ピン４３が後退位置に戻ったことが検知されないと、エラー信号が出され、同エラー信号を受けて表示部７５より表示されるようになっている。なお、表示部７５において、上記した表示ランプとは別の表示ランプを点灯させるようにしてもよい。

続いて、本実施形態の作用を説明する。
まず、図１０のフローチャートを参照し、電源側コネクタ１０を車両側コネクタ２０に嵌合して、図４に示すように正規嵌合されると、一対の信号端子が接続されて嵌合検知部３１がオンとなることで（ステップＳ１０が「ＹＥＳ」）、アクチュエータ４１に通電されて励磁され（ステップＳ１１）、これにより係止ピン４３が、雄ハウジング２１の被係止孔１７に貫通するべく進出する。続いて、ステップＳ１２において、第１検知スイッチ５１がオンであるか否かが判別され、オンであったら（ステップＳ１２が「ＹＥＳ」）、係止ピン４３の先端が正規の進出位置に達し、すなわち係止ピン４３が被係止孔１７を正規に貫通したと見なされてステップＳ１３に移る。ステップＳ１３では、第２検知スイッチ５２がオンであるか否かが判別され、オンであったら（ステップＳ１３が「ＹＥＳ」）、雄ハウジング２１の被係止孔１７の前縁である被係止部１８が存在して係止ピン４３に係止しており、すなわち電磁ロック機構４０が正規に作動してロックが掛かったと見なされ、ステップＳ１４で給電スイッチ３０が導通状態に切り換えられて充電が開始される。

ここで、電磁ロック機構４０に作動不良があった場合、例えば図５の矢線Ａに示すように、アクチュエータ４１の係止ピン４３が進出動作をしているにも拘わらず、何らの事情で正規の前進位置まで進出していない場合、すなわちハーフロックの状態にある場合は、係止ピン４３が第１検知スイッチ５１の可動接点５１Ａを押すことがないためにオフのままであり（ステップＳ１２が「ＮＯ」）、ステップＳ１５において、ロックエラーがあったと見なされてエラー信号が送出される。このエラー信号を受けて表示部７５の表示ランプが点灯し、電磁ロック機構４０に不具合があることが知らされる。一方、給電スイッチ３０はオフのままに留められ、充電は行われない。

また、図６に示すように、アクチュエータ４１の係止ピン４３の先端部が欠損している場合も、係止ピン４３が進出動作をしたとしても、係止ピン４３の先端が可動接点５１Ａを押すことがないために第１検知スイッチ５１はオフのままであり（ステップＳ１２が「ＮＯ」）、同じくステップＳ１５において、ロックエラーがあったと見なされてエラー信号が送出され、表示部７５の点灯ランプが点灯する。同様に充電は実行されない。

別のケースとして、図７に示すように、電磁ロック機構４０の一方を構成する被係止部１８が損傷を受けて欠落している場合は、係止ピン４３が正規位置に進出して第１検知スイッチ５１がオンしたとしても（ステップＳ１２が「ＹＥＳ」）、第２検知スイッチ５２の可動接点５２Ａが押されなくて同第２検知スイッチ５２がオフのままであるため（ステップＳ１３が「ＮＯ」）、ステップＳ１５においてロックエラーがあったと見なされてエラー信号が送出され、このエラー信号を受けて表示部７５の表示ランプが点灯し、電磁ロック機構４０に不具合があることが知らされる。一方、給電スイッチ３０はオフのままに留められ、充電は行われない。

以上のように、ハーフロック状態、アクチュエータ４１の先端部が欠損している場合、あるいは被係止部１８が欠落している場合はいずれも、ロックが不完全であって車両側コネクタ２０が不用意に若しくは不正に取り外されるおそれがあるが、このような電磁ロック機構４０の不具合があると、それが検知されて充電が規制される一方、同不具合があったことが表示部７５で表示され、不具合の修復等が喚起されることになる。

一方、上記のように電磁ロック機構４０が正規に作動すると、それに続いて充電が実行され、経時後に所定の充電が完了する等でロック解除指令を受けて、ロックが解除されるのであるが、その際、アクチュエータ４１の係止ピン４３が後退位置まで正規に戻らない、すなわちロックが正規に解除されない場合もあり得、そのときの制御形態を図１１のフローチャートによって説明する。

正常時には、充電が終了したことが検知されると（ステップＳ２０が「ＹＥＳ」）、ステップＳ２１において給電スイッチ３０がオフとなって給電路が遮断され、そののちロック解除指令が出たところで（ステップＳ２２が「ＹＥＳ」）、ステップＳ２３においてアクチュエータ４１への通電が遮断されて励磁が解除され、図５の矢線Ｂに示すように係止ピン４３が後退し、図２に示すように、係止ピン４３が正規に後退位置まで戻ったことがマイクロスイッチ６０がオンしたことで検知されると（ステップＳ２４が「ＹＥＳ」）、プログラムが終了する。

ここで、アクチュエータ４１の励磁が解除されたのち、故障等の何らかの事情によって係止ピン４３が正規の後退位置まで戻り切らない状態となり、これがマイクロスイッチ６０がオンとならないことにより検知されると（ステップＳ２４が「ＮＯ」）、ステップＳ２５において、エラーがあったと見なされてエラー信号が送出される。このエラー信号を受けて表示部７５の表示ランプが点灯し、アクチュエータ４１の係止ピン４３が正規の後退位置に戻っていないこと、すなわちロックが完全に解除されていないことが知らされる。
このような状態で車両側コネクタ２０を無理に外そうとすると、電磁ロック機構４０に損傷を与えるおそれがあるため、ユーザー等には車両側コネクタ２０の引き抜き操作を待機させ、併せてアクチュエータ４１の修理等を喚起するところとなる。

本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。ロックを掛けるべくアクチュエータ４１の係止ピン４３が進出駆動されたとしても、相手の被係止部１８が欠落していると、ロックができない可能性があるが、このような被係止部１８の欠落があると、第２検知スイッチ５２がオンしないことによってそれが検知され、それに伴い給電路は遮断状態に留められて充電が実行されず、併せて、被係止部１３が欠落していることが車両側コネクタ２０に設けられた表示部７５において表示される。
そのため、充電中に不用意にあるいは不正に電源側コネクタ１０が外れることが防止され、両コネクタ１０，２０間でスパークが発生したり、盗電される事態を未然に防止することができる。また、車両側コネクタ１０の被係止部１３が欠落していることの表示が表示部７５で目視できるから、同表示を受けて修復等に迅速に対応することができる。

＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
（１）電源側コネクタに設ける被係止部は、アクチュエータの係止部に係止し得る限り、突部等の他の形状であってもよい。
（２）車両側コネクタに被係止部が正規に存在しているか否かを検知する係止部検知部として、上記実施形態では常開式の第２検知スイッチを例示したが、常閉式であって被係止部により作動板を介して押圧されることにより開く形式の検知スイッチであってもよい。

（３）上記実施形態では、ロック機構として電磁ロック機構を採用した場合を例示したが、両コネクタが嵌合されたところで車両側コネクタに設けられた係止部が、電源側コネクタに設定された被係止部に弾性的に係止するようにした機械式のロック機構を適用した場合にも、被係止部が欠落しているとロックが掛からないという事情は同様であるから、このような機械式のロック機構を採用したものについても、本発明は同様に適用することができる。
（４）上記実施形態では、ロックエラーがあったことを警告する手段として、ランプを点灯する点灯表示手段を採用したが、それに代わってブザーを鳴らす等の警告音発生手段を採用したり、両手段を併用するようにしてもよい。

（５）上記実施形態に例示した充電制御システムはあくまでも一例であって、適宜に変更し得るものである。例えば、充電終了検知部が充電終了を検知するのは、バッテリの満充電以外に、予めセットした充電時間のタイムアップ、充電終了スイッチの手動操作等を採用してもよい。
（６）上記実施形態では、車両側コネクタとして普通充電と急速充電とに兼用して対応し得るものを例示したが、普通充電と急速充電のいずれか一方のみに対応する車両側コネクタが装備されている場合についても、本発明は同様に適用することができる。

１０…電源側コネクタ
１２…雌ハウジング（電源側コネクタのハウジング）
１３…小フード部（フード部）
１７…被係止孔
１８…被係止部
２０…車両側コネクタ
２１…雄ハウジング（車両側コネクタのハウジング）
２９…フード部挿入溝（進入路）
３０…給電スイッチ
３１…嵌合検知部
４０…電磁ロック機構
４１…アクチュエータ
４３…係止ピン（係止部）
５２…第２検知スイッチ（被係止部検知部）
５５…作動板
７０…充電制御装置
７１…給電制御部
７２…ロックエラー判別部
７５…表示部（警告部）

Claims

外部電源に接続された電源側コネクタと、
車両に搭載されたバッテリと接続され前記電源側コネクタと嵌合されることで給電路を構成するべく車両に設けられた車両側コネクタと、
前記電源側コネクタに設けられた被係止部と、
前記車両側コネクタに設けられ前記被係止部に係止する位置と同係止が解除される位置との間で移動可能な係止部と、
が具備され、
前記両コネクタが嵌合されたのち前記係止部が前記被係止部に係止する位置に移動することで前記両コネクタが嵌合状態にロックされるようにした車両用充電装置において、
前記両コネクタの嵌合の有無を検知する嵌合検知部と、
前記嵌合検知部により前記両コネクタが嵌合されたことが検知された場合に、前記電源側コネクタの前記被係止部が所定位置にあるか否かを検知する被係止部検知部と、
前記被係止部検知部により前記被係止部が所定位置にあることを検知したことを条件に前記給電路を導通状態とする給電制御部と、が設けられていることを特徴とする車両用充電装置。
前記車両側コネクタには前記被係止部に係止する前記係止部を進退駆動可能に備えたソレノイド式のアクチュエータが設けられ、前記両コネクタが嵌合されたことが前記嵌合検知部で検知されると、前記アクチュエータの前記係止部が進出して前記被係止部に係止する構成となっていることを特徴とする請求項１記載の車両用充電装置。
前記給電制御部には、前記嵌合検知部が前記両コネクタが嵌合されたことを検知したにも拘わらず、前記被係止部検知部によって前記被係止部が所定位置にあることを検知できなかった場合にはエラー信号を送出するロックエラー判別部が設けられ、
かつ、前記エラー信号を受けて警告する警告部が設けられていることを特徴とする請求項１または請求項２記載の車両用充電装置。
前記電源側コネクタのハウジングには、前記車両側コネクタのハウジングが内側に嵌合可能なフード部が設けられ、同フード部に被係止孔が開口されてこの被係止孔の前側の口縁部により前記被係止部が構成されているとともに、
前記車両側コネクタの前記ハウジングには、前記被係止孔を貫通して進退可能な係止ピンが設けられて、同係止ピンが前記係止部を構成しており、
かつ、前記車両側コネクタのハウジングにおける前記フード部が進入する進入路の奥方には、前記フード部が正規位置まで進入した場合に前記被係止部で押圧されることにより開閉状態が反転する検知スイッチが設けられ、同検知スイッチにより前記被係止部検知部が構成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか一項に記載の車両用充電装置。