JP5607392B2 - 光干渉測定装置 - Google Patents
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Description
図9(a)(b)は、光源に広帯域光を用いて得られる干渉縞の一例である。図9(a)は、各波長の干渉縞の輝度であり、図9(b)は、合成された干渉縞の輝度である。
図9(a)(b)に示すように、光源に広帯域光を用いた場合、ピント位置では各波長の干渉縞のピークが重なり合い合成される干渉縞の輝度が大きくなるが、ピント位置から離れるにつれて各波長の干渉縞のピーク位置のずれが大きくなり、次第に合成される干渉縞の輝度の振幅が小さくなっていく。
従って、この光干渉測定装置では、視野内の各位置で輝度がピークとなる位置を検出することで、例えば測定対象物の三次元の形状などを測定することができる。
図10に示すように、ミロータイプの干渉対物レンズの場合、干渉対物レンズから出射した光は、ビームスプリッタによって、参照ミラーを有する参照光路(図中の破線)と測定対象物を配置した測定光路(図中実線)とに分岐され、その後、参照ミラーからの反射光(参照光)と測定対象物からの反射光とが合波される。
ここで、ピント位置、即ち参照光と反射光の光路長が等しいとき、それぞれの光は、図11(a)に示すように、位相がそろった光波となる。
このため、ピント位置における参照光と反射光との干渉は、各光波が強めあい、図11(b)のような干渉波となる。このような光学系における実際の干渉縞の様子を図11(c)に示す。図11(c)では、ピント位置に明の0次干渉光が観察され、その周辺に明の1次干渉光が観察される。
ここで、図13(a)は、高反射率部に合わせて光量を調節した場合に得られる干渉縞のコントラストを示し、図13(b)は、低反射率部に合わせて光量を調節した場合に得られる干渉縞のコントラストを示す一例である。なお、図13(a)(b)では、高反射率部の干渉縞を実線で示し、低反射率部の干渉縞を破線で示している。
図13(a)に示すように、高反射率部に合わせて光量を調節すると、低反射率部では干渉縞の輝度が低くなり、ピーク位置の検出が困難となる。
また、図13(b)に示すように、低反射率部に合わせて光量を調節すると、高反射率部の輝度が撮像素子の許容範囲を超えサチュレーションを起こしてしまう場合がある。
このため、従来、反射率の異なる箇所が存在する測定対象物を測定する場合には、異なる光量で2回測定を実施し、その後データを合成する等の処理が必要となり、スループットの低下につながるという問題があった。
白色光を出力する光源と、
前記光源から出力された白色光を、参照ミラーを有する参照光路と測定対象物を配置した測定光路とに分岐させ、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光とを合成波として出力させる対物レンズ部と、
前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段と、
前記対物レンズ部から出力された合成波の干渉画像を撮像する撮像手段と、
を備えた光干渉測定装置であって、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光との位相差を制御し、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる位相差制御部材と、
前記撮像手段により撮像された干渉画像に基づいて、光路差ゼロの位置において発生した暗の干渉縞のピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
を備え、
前記対物レンズ部は、前記光源から出力された白色光を、前記参照光路と前記測定光路とに分岐させるビームスプリッタを備え、
前記位相差制御部材は、前記ビームスプリッタに付設され、
前記測定光路を通過する光は、前記位相差制御部材を2回透過することによって位相が180°反転されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
白色光を出力する光源と、
前記光源から出力された白色光を、参照ミラーを有する参照光路と測定対象物を配置した測定光路とに分岐させ、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光とを合成波として出力させる対物レンズ部と、
前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段と、
前記対物レンズ部から出力された合成波の干渉画像を撮像する撮像手段と、
を備えた光干渉測定装置であって、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光との位相差を制御し、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる位相差制御部材と、
前記撮像手段により撮像された干渉画像に基づいて、光路差ゼロの位置において発生した暗の干渉縞のピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
を備え、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーはガラスプレート上に搭載して備えられ、
前記位相差制御部材は、前記ガラスプレートの下面に付設され、
前記参照光路を通過する光は、前記位相差制御部材を2回透過することによって位相が180°反転されることを特徴とする。
前記位相差制御部材は、誘電多層膜を含んだ薄膜であることを特徴とする。
前記誘電多層膜には、金属膜が積層されることを特徴とする。
よって、反射率の異なる箇所が存在する測定対象物を測定する場合でも、容易に測定を行うことができる。
本実施形態における形状測定装置1は、ミロータイプの光学ヘッドを用いたものである。
この形状測定装置1は、図1に示すように、光出射部10と、光学ヘッド部20、対物レンズ部30と、結像レンズ41と、撮像部40と、駆動機構部50と、表示部60と、制御部70と、測定対象物(被測定部)Wを載置するためのステージSと、を備える。
まず、入射光は対物レンズ31で収束光となり、位相差制御部材34付きビームスプリッタ35に入射する。ここで、入射光は、参照ミラー32を有する参照光路(図2中破線)を進む反射光と、測定対象物Wを配置した測定光路(図2中実線)を進む透過光とに分岐する。
反射光は、収束して参照ミラー32で反射され、その後、位相差制御部材34付きビームスプリッタ35で反射される。一方、透過光は、収束して測定対象物Wの一点を照射し、そこで反射されて位相差制御部材34付きビームスプリッタ35に入射して透過する。ここで、参照ミラー32からの反射光と測定対象物Wからの反射光とは位相差制御部材34付きビームスプリッタ35により合波されて合成波となる。
合成波は、対物レンズ31で平行ビームになり上方へ進み、結像レンズ41に入射する(図1中一点鎖線)。このとき、参照光路(光路1+光路2)と、測定光路(光路3+光路4)の光路長が等しいときに、干渉縞が発生する。
その後、合成波は、結像レンズ41で収束して撮像部40に入射し、撮像部40上に結像して干渉画像を形成する。干渉画像は制御部70に取り込まれて画像処理が施される。
位相差制御部材34は、例えば、TiO2などの誘電多層膜を含んだ薄膜であり、透過する光の位相を90°反転させる。
本実施形態においては、位相差制御部材34がビームスプリッタ35に付設されているため、測定光路を通過する光は、位相差制御部材34を2回透過することとなり、これによって位相が180°反転されるようになっている。
従って、ピント位置、即ち参照ミラー32からの反射光と測定対象物Wからの反射光の光路長が等しいとき、それぞれの光は、図4(a)〜(c)に示すように、互いに逆相の光波となり、ピント位置においては互いに弱め合うため、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞が発生することとなる。
このように、位相差制御部材34は、対物レンズ部30において、参照ミラー32からの反射光と測定対象物Wからの反射光との位相差を制御し、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる機能を有するものである。
撮像部40により撮像された干渉画像の画像データは電気信号として制御部70に取り込まれ、所定の画像処理が施された後、表示部60上に表示される。
対物レンズ31のフォーカス位置は、測定対象物Wの表面の所定位置に設定されている。
ここで、図2において、位相差制御部材34付きビームスプリッタ35から参照ミラー32までの距離をd1、位相差制御部材34付きビームスプリッタ35からフォーカス位置までの距離をd2とすると、d1=d2の位置において光路長差0となる。
従って、駆動機構部50は、測定に際しては、光路長差0(d1=d2)となるように、光学ヘッド20を光軸L方向に移動させることでd2の距離を調整する。
なお、上記では光学ヘッド20を移動させる場合を例示して説明したが、ステージSを移動させることでd2の距離を調整する構成としても良い。
また、ビームスプリッタ35から参照ミラー32までの距離d1を可変とする構成としても良い。
このように、駆動機構部50は、光路長可変手段として、参照光路又は測定光路の何れか一方の光路長を変化させる。
なお、撮像データ記憶部731に記憶された画像データは、例えば撮像部40の感度特性等の影響を排除するため、予め作成された補正テーブル等により、干渉強度値などを適正に補正されて、記憶される。
具体的に、CPU71は、干渉縞が発生した場合、その干渉縞の強度変化から最少強度を示す位置を光路差ゼロの位置として検出する。
CPU71は、かかるピーク位置検出プログラム732を実行することで、ピーク位置検出手段として機能する。
まず、ステージS上に測定対象物Wを搭載し、測定対象物Wと対物レンズ部30間の距離を駆動機構部50により調整し、そのピント位置を、上述のような原理にて発生した干渉縞を認識することで検出する。
このとき、形状測定装置1においては、ビームスプリッタ35に、透過光の位相を90°変化させる位相差制御部材34を備えている。
そのため、ピント位置、即ち参照ミラーから反射した反射光(参照光)と、測定対象物Wからの反射光との光路長が等しいとき、それぞれの光は、図4(a)に示すように、位相が互いに180°ずれた光波となる。そして、位相が180°ずれているため互いに弱めあい、図4(b)のような干渉波となる。
このような光学系における実際の干渉縞の様子を図4(c)に示す。図4(c)では、ピント位置に暗の0次干渉光が観察され、その周辺に暗の1次干渉光が観察される。
図5は、本実施形態の形状測定装置1を用いて、低反射率部に合わせて光量を調節した場合に得られる干渉縞のコントラストを示す一例である。なお、図5では、高反射率部の干渉縞を実線で示し、低反射率部の干渉縞を破線で示している。
図5に示すように、形状測定装置1によれば、低反射率部に光量を調節すると、高反射率部はサチュレーションを起こす部分があるが、検出する暗部のピーク位置はサチュレーションを起こさないため、高反射率部及び低反射率部ともに検出が可能であることわかる。
即ち、縞の白黒を反転させると、反射率が違うところがある対象に対しても測定ができる。
よって、反射率の異なる箇所が存在する測定対象物を測定する場合でも、容易に測定を行うことができる。
位相差制御部材34は、ビームスプリッタ35に付設され、測定光路を通過する光は、位相差制御部材34を2回透過することによって位相が180°反転されるようになっている。
このため、ビームスプリッタ35に位相差制御部材34を付設するだけで光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる構成とすることができ、設置が容易である。
変形例1の対物レンズ部30Aは、その基本的構成は、第1実施形態と同様であるが、図6に示すように、位相差制御部材34Aが、誘電多層膜に金属膜を積層して構成されている。
対物レンズ部30Aでは、この位相差制御部材34Aにより、参照ミラー32から反射した反射光と、測定対象物Wからの反射光との偏光状態をそろえることが可能となり、干渉縞のコントラストを向上させることができる。
従って、変形例1によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、干渉縞の暗部をより黒くすることができるため、より高精度な測定が可能となる。
変形例2の対物レンズ部30Bは、その基本的構成は、第1実施形態と同様であるが、図7に示すように、位相差制御部材34Bが、参照ミラー32側に備えられて構成されている。
具体的には、対物レンズ部30Bにおいて、参照ミラー32はガラスプレート33上に搭載して備えられ、位相差制御部材34Bは、ガラスプレート33の下面に設けられ、参照光路を通過する光は、位相差制御部材34Bを2回透過することによって位相が180°反転される。そして、参照ミラー32から反射した反射光と、測定対象物Wからの反射光との光路長が等しいとき、それぞれの光は、互いに位相が180°ずれた光波となる。つまり、参照光路を進む光は、1回の透過で90°位相のずれる誘電多層膜を備えたガラスプレート33を2回透過するため、合計で180°位相のずれた光波となる。
従って、ピント位置における2つの光の干渉は、位相が互いに180°ずれているために弱めあった干渉波となる。
なお、ここで用いる位相差制御部材34Bは、変形例1で示した誘電多層膜に金属膜を積層した構成としても良いのは勿論である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の形状測定装置(図示省略)は、マイケルソンタイプの干渉対物レンズである対物レンズ部80を備えて構成されている。
対物レンズ部80は、図8に示すように、対物レンズ81、プリズム82、参照ミラー83、等を備えて構成される。
対物レンズ部80においては、上方から平行ビームが対物レンズ81に入射した場合、入射光は対物レンズ81で収束光となり、プリズム82の内部の反射面821に入射する。ここで、入射光は、参照ミラー83を有する参照光路(図中破線)を進む反射光と、測定対象物Wを配置した測定光路(図中実線)を進む透過光とに分岐する。
反射光は、収束して参照ミラー83で反射され、更にプリズム82の反射面821により反射される。一方、透過光は、収束して測定対象物Wで反射され、プリズム82の反射面821を透過する。このとき、参照ミラー83からの反射光と測定対象物Wからの反射光とはプリズム82の反射面821により合波されて合成波となる。
ここで、プリズム82の反射面821には、位相差制御部材84が形成されている。
このため、測定光路を進む透過光は、位相差制御部材84を2回透過するため、位相が180°反転することとなる。従って、参照ミラー83からの反射光と測定対象物Wからの反射光は、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させることができる。
なお、位相差制御部材84は、参照ミラー83、又はプリズム82の測定対象物Wと対向する面822に設けることとしても良い。
また、位相差制御部材は、第1実施形態で示した誘電多層膜であっても良いし、変形例1で示した誘電多層膜と金属膜との積層体であっても良い。
10 光出射部(光源)
20 光学ヘッド部
21 ビームスプリッタ
22 コリメータレンズ
30、30A、30B 対物レンズ部
31 対物レンズ
32 参照ミラー
33 ガラスプレート
34、34A、34B 位相差制御部材
35 ビームスプリッタ
40 撮像部(撮像手段)
50 駆動機構部(光路長可変手段)
60 表示部
70 制御部
71 CPU
72 RAM
73 記憶部
731 撮像データ記憶部
732 ピーク位置検出プログラム(ピーク位置検出手段)
S ステージ
W 測定対象物
Claims (4)
- 白色光を出力する光源と、
前記光源から出力された白色光を、参照ミラーを有する参照光路と測定対象物を配置した測定光路とに分岐させ、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光とを合成波として出力させる対物レンズ部と、
前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段と、
前記対物レンズ部から出力された合成波の干渉画像を撮像する撮像手段と、
を備えた光干渉測定装置であって、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光との位相差を制御し、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる位相差制御部材と、
前記撮像手段により撮像された干渉画像に基づいて、光路差ゼロの位置において発生した暗の干渉縞のピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
を備え、
前記対物レンズ部は、前記光源から出力された白色光を、前記参照光路と前記測定光路とに分岐させるビームスプリッタを備え、
前記位相差制御部材は、前記ビームスプリッタに付設され、
前記測定光路を通過する光は、前記位相差制御部材を2回透過することによって位相が180°反転されることを特徴とする光干渉測定装置。 - 白色光を出力する光源と、
前記光源から出力された白色光を、参照ミラーを有する参照光路と測定対象物を配置した測定光路とに分岐させ、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光とを合成波として出力させる対物レンズ部と、
前記参照光路又は前記測定光路のいずれか一方の光路長を変化させる光路長可変手段と、
前記対物レンズ部から出力された合成波の干渉画像を撮像する撮像手段と、
を備えた光干渉測定装置であって、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーからの反射光と前記測定対象物からの反射光との位相差を制御し、光路差ゼロの位置において暗の干渉縞を発生させる位相差制御部材と、
前記撮像手段により撮像された干渉画像に基づいて、光路差ゼロの位置において発生した暗の干渉縞のピーク位置を検出するピーク位置検出手段と、
を備え、
前記対物レンズ部において、前記参照ミラーはガラスプレート上に搭載して備えられ、
前記位相差制御部材は、前記ガラスプレートの下面に付設され、
前記参照光路を通過する光は、前記位相差制御部材を2回透過することによって位相が180°反転されることを特徴とする光干渉測定装置。 - 前記位相差制御部材は、誘電多層膜を含んだ薄膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光干渉測定装置。
- 前記誘電多層膜には、金属膜が積層されることを特徴とする請求項3に記載の光干渉測定装置。
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