JP2005189069A - 表面形状測定方法及び表面形状測定装置 - Google Patents

表面形状測定方法及び表面形状測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高さ測定の測定精度を高め、測定時間の短縮化を図ることができる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供する。
【解決手段】 波長の異なる複数の系の単色光を各々干渉させ、各系の干渉光を生成する。そして、干渉計を高さ方向(フォーカス軸方向)へ走査させることによって照明光の光路差を変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉光毎に強度ピーク(極値)を検出する。そして、これらピーク間の距離(位相差)から当該干渉光の縞次数を特定し、高さ基準となる縞次数0までの距離を算出する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、測定物表面に形成された段差やパターンの高さを非接触で測定するための表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関し、更に詳しくは、照明光を分割して測定物表面と参照面とにそれぞれ照射し、その各反射光を干渉計で干渉させた干渉光を利用して、測定点の高さ基準を測定する表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関する。
近年、半導体ウェーハや液晶ガラス基板等の表面に形成された機能膜、各種能動素子等の欠陥検出技術に対する需要が高まっている。特に近年における半導体プロセス技術は微細化の一途を辿っており、測定物表面の形状測定技術には精細化、高精度化あるいは高分解能化が求められている。
従来、このような要望に応えるための表面形状測定装置が種々提案されている。この種の表面形状測定装置としては、光学的に(即ち非接触で)測定物表面の形状や高さを測定するものが一般的である。そのなかでも代表的なものとして、位相シフト干渉法やコンフォーカル(共焦点)法をベースとした表面形状測定方法が公知である。
位相シフト干渉法は、照明光を分割して測定物表面及び参照面に照射し、干渉光学系において測定物表面からの反射光と参照面からの反射光とを干渉させたときに、照明光の波長の1/2の光路差ごとに明暗の縞が観測されることを利用したもので、縞のピッチ、光路長差を既知量変化させたときの位相シフト量に基づいて測定物表面の凹凸情報を取得することを基本としている。
一般に、位相シフト干渉法は平滑面の精密測定に利用される技術であり、測定物表面の急峻な段差の高さ測定には馴染まない。そこで、この位相シフト干渉法をベースに改良を施して測定物表面の形状検出や高さ情報を取得する技術が、例えば下記特許文献1,2等に開示されている。
また、コンフォーカル法は、回折限界まで収束させた照明光で測定物表面を照明し、測定物表面からの反射光を光検出器上で再び回折限界まで収束させ、合焦点位置における測定物表面からの反射光のみ通過する大きさのピンホールを光検出器の光検出面上に配置した光学系を採用した手法である(下記特許文献3参照)。
なお、下記特許文献4には、光源波長の1/2以上の段差を測定可能とした多波長位相干渉法に関するもので、異なる波長の光の合成波を利用し、当該合成波の波長ピッチで光路長を移動させ、干渉縞の可視度が最大になるときに縞次数ゼロ(高さ基準)と判定する手法が開示されている。
また、下記特許文献5には、多波長干渉縞のスペクトル分布から2系の光束の光路差長を求める場合に、光学系に分散効果を発生させ、干渉色のスペクトル分布において各色強度ピークが光路長差0の位置から互いに少しずつずれるようにし、2系の光束の光路長差を求め、正負の特定をも行えるようにした多波長干渉縞による形状測定方法が開示されている。
特開2002−340524号公報 特開2001−174232号公報 特開2002−13917号公報 特許第2993835号公報 特開2000−337836号公報
上述の位相シフト干渉法及びコンフォーカス干渉法においては、分解能がレンズの被写界深度に依存するために、数100nm以下の高さ精度、例えば、10nm以下の表面凹凸を精度よく測定できない。また、測定物表面の形状測定を行うに当たり、高さ測定領域を全て走査する必要があるために、例えば、±1μmの高さ測定領域を600×480程度の水平解像度で測定するのに走査時間に数秒、その後の演算処理を含めると10数秒以上かかる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、測定物表面の高さ測定の測定精度を高め、更には測定時間の短縮化を図ることができる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明は、照明光を分割して測定物表面と参照面とにそれぞれ照射し、その各反射光を干渉させて結像面に干渉縞を形成させる干渉計を用いて、測定物表面の高さ基準位置を測定する表面形状測定方法であって、
波長の異なる複数の系の単色光をそれぞれ上記干渉計を用いて干渉させるステップと、
分割した照明光の光路差を変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉縞毎にピークを検出するステップと、
上記各系の干渉縞のピーク間の位相差から干渉縞の縞次数を特定するステップと、
上記縞次数がゼロとなる位置を上記高さ基準位置として算出するステップとを有する
ことを特徴としている。
本発明においては、波長の異なる複数の系の単色光を干渉計を用いて各々干渉させ、各系の干渉光を生成する。そして、例えば干渉計を高さ方向へ走査させることによって照明光の光路差を変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉光毎に強度ピーク(極値)を検出する。そして、これらピーク間の距離(位相差)から当該干渉光の縞次数を特定し、高さ基準となる縞次数0までの距離を算出するようにしている。
また、本発明の表面形状測定装置は、波長の異なる複数の系の単色光を照射する照明光源と、上記照明光源からの照明光を分割して測定物表面と参照面とにそれぞれ照射し、その各反射光を干渉させて結像面に干渉縞を形成させる干渉計と、上記結像面に配置され上記干渉縞の画像データを取得する画像取得手段と、上記測定物表面に対して上記干渉計を高さ方向に変化させる駆動手段と、上記各系の干渉縞毎のピーク間の位相差から干渉縞の縞次数を特定し、当該縞次数がゼロとなる位置を高さ基準位置として算出する演算手段とを備えている。
上記複数の系の単色光は、少なくとも2系統あればよい。好適には、赤、緑及び青の3系統の可視波長領域の単色光を用いると共に、画像取得手段としてカラーCCDカメラを採用することによって、これら各系の単色光についての干渉縞を容易に区別、処理することができる。
なお、各系の単色光は同時に照射し、各系の干渉光を同時に形成することによって、測定の高精度化及び測定時間の短縮化が図られる。
また、画像取得手段により取得された画像をその画面内において複数の領域に分割し、その分割領域毎に高さ基準位置を算出することにより、測定領域の水平分解能の向上を図ることができる。特に、画素単位で高さ基準位置を算出するのが効果的である。
本発明によれば、異なる複数の系の単色光を照明光として用い、当該照明光の光路差を一定範囲変化させたときの各系の干渉光のピークを検出すると共に、これらピーク間の位相差から縞次数を特定し、縞次数0となる高さ基準位置を求めることによって、高さ測定の高精度化及び測定時間の短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態による表面形状測定装置1の概略構成を示している。
光学部2は、干渉対物レンズ部3と、鏡筒4と、画像取得手段としてのカラーCCD(Charge Coupled Device)カメラ5とで構成されており、鏡筒4の側壁部にはライトガイドを介して照明光源18(図2)が取り付けられている。これら干渉対物レンズ部3、鏡筒4及び照明光源18により本発明の「干渉計」が構成される。
図2は光学部2を構成する干渉計20の概略構成を示している。
照明光源18からの照明光は、鏡筒4内のビームスプリッタ21に入射する。ビームスプリッタ21で反射した照明光は干渉対物レンズ部3に入射する。この干渉対物レンズ部3は、対物レンズ22とビームスプリッタ23と参照ミラー24とで構成されている。
対物レンズ22を透過した照明光は、ビームスプリッタ23によって測定物Wに向かう光と参照ミラー24に向かう光とに分割される。測定物Wの表面及び参照ミラー24の表面(参照面)で反射した各照明光の反射光は、ビームスプリッタ23及び対物レンズ22を介して、鏡筒4内の結像レンズ25に平行入射する。
結像レンズ25に入射した測定物W表面及び参照ミラー24からの各反射光は、結像レンズ25の結像面26に結像され、明暗の干渉縞を形成する。結像面26にはカラーCCDカメラ5の検出面が設置されており、測定物W表面の画像データと共に上記干渉縞の画像データが取得されるようになっている。
なお、本実施の形態では干渉対物レンズ部3をマイケルソン(Michelson)型干渉計で構成しているが、これに限らず、ミロー(Mirau)型等の他の干渉計で構成することも可能である。
照明光源18は、波長の異なる複数の系の単色光を同時に照射するように構成されている。ここでいう「単色光」とは、単一波長の光、又は単一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲に含まれる光(狭帯域光)をいう。本実施の形態において、照明光源18は、赤(R:中心波長625nm)、緑(G:中心波長530nm)及び青(B:中心波長470nm)の可視光単色光を各々照射するLED(Light Emitting Diode)で構成されている。
そして、この照明光源18から照射された3系統の単色光は、干渉対物レンズ部3において各系毎に干渉が生じ、各系の干渉縞が結像面26上に形成され、その縞画像がカラーCCDカメラ5により取得されるようになっている。
次に、図1を参照して、駆動部6は、光学部2を取付フレーム7に対して高さ方向(フォーカス軸方向)Zに送り駆動する電動ステージとして構成されている。本実施の形態では、測定物W表面から光学部2が遠ざかる方向を+Z方向、逆に近づく方向を−Z方向としている。駆動部6と取付フレーム7との間には粗調整用ステージ8が介装されているが、必要に応じて省略可能である。駆動部6は本発明の「駆動手段」に対応する。
取付フレーム7はベース9に支持されている。このベース9の上面には、測定物Wが載置されるプレート10が設けられている。測定物Wは、プレート10に載置されることによって、光学部2の干渉対物レンズ部3と対向する。
図3は制御部11の構成を示すブロック図である。
カラーCCDカメラ5は、駆動部6による光学部2の+Z方向への微小送りピッチ(サンプリング間隔)で、結像面26に結像された測定物Wの表面画像及び各系の干渉縞画像を取得し映像信号に変換する。変換された映像信号は、コンピュータ等で構成される制御部11に供給される。
制御部11に供給された映像信号は、フレームグラバ等のA/D変換器13を介してデジタル化された後、これを画像データとして1画面(1フレーム)単位で画像メモリ14に格納される。画像メモリ14は、複数の画面の画像データを格納するのに十分な容量のメモリを有している。
演算部15は、後述するように、取得した複数の画面の画像データに基づいて、各系の干渉縞毎にピークを検出し、検出した各系の干渉縞のピーク間の位相差から当該干渉縞の縞次数を特定した後、当該縞次数がゼロとなる位置を算出する機能を有する。この演算部15は、本発明の「演算手段」に対応する。
なお、この演算部15は、干渉縞を包含する測定物Wの表面画像から縞画像を取り除く処理を行う機能をも有するが、その詳細については後述する。
表示装置12には、カラーCCDカメラ5により取得された映像が表示されると共に、制御部11の演算部15で処理された画像が表示される。また、必要に応じて、測定条件や演算部15における演算データ、光学部2のZ軸方向への移動量に対する各系の干渉縞の強度分布等が表示されるようになっている。
制御部11は、駆動部6の送り動作を制御するためのステージコントローラ17と、照明光源18を制御するための照明コントローラ19を有している。駆動部6はピエゾステージあるいはサーボモータ付きステージで構成され、ステージコントローラ17の駆動制御により、10nm程度の微小送り分解能で光学部2を高さ方向(Z軸方向)に連続送り駆動するように構成されている。なお、駆動方法は連続駆動に限らず、間欠駆動としてもよい。
次に、干渉計20を利用した測定物Wの表面形状測定法について説明する。
図2に示したように、干渉対物レンズ部3は、照明光源18から照射された照明光を分割し、測定物W表面からの反射光と参照ミラー24表面からの反射光とをそれぞれ干渉させる。そして、対物レンズ22から測定物W表面までの光路長と、対物レンズ22から参照ミラー24までの光路長との差、すなわち光路差(OPD:Optical Path Difference)に対応した干渉縞を結像面26上に形成する。
図4にR,G,B各系の単色光についての干渉光の強度分布を示す。図において、Rを破線、Gを一点鎖線、Bを二点鎖線で示しており、縦軸は光の強度(明るさ)、横軸は高さ方向(Z軸方向)を示している。
図4において、最も強度(振幅)の大きなピークは0(ゼロ)次の干渉縞(干渉光)であり、これは、光路差OPDが0の位置に相当する。光学部2が光路差0の高さ位置(Z座標)にあるとき、結像面26には明るさの最も強い干渉縞が形成される。0次の縞の位置(縞次数0の位置)は、各系の干渉光においてそれぞれ一致し、測定物W表面の着目点における高さ基準位置、すなわち最表面となる。
光路差OPDが±方向に大きくなるに従い、0次の干渉光の左右に1次、2次、・・・の縞のピークが順に現れている。隣接するピーク間の位相差すなわち光路差は、λ/2である。ここで、λは単色光の波長である。
なお、図の例においては0次の干渉光を境として左右に分布する干渉光のピークは徐々に振幅が小さくなり、±4次程度のピークまでしか認めることができないが、これは光のコヒーレント性によるものである。なお、レーザー等、コヒーレント性の比較的高い光を用いることにより、図示の例よりも振幅の減衰が小さく、更に高次の縞ピークを認めることが可能となる。
従って、干渉光の振幅の最大となる位置(縞次数0の位置)を検出することによって、光学部2の高さ位置(Z座標)に基づいて測定点の高さ基準位置を求めることができる。
ここで、高さ基準の位置を求めるために、高さ基準の位置を含む広範囲にわたって画像を取り込み、高さ基準の位置を求める方法がある。この場合、着目点が1カ所ではなく、既存の「山登り法」などの手法は取れないため、時間短縮は難しい。開始点から終了点までの範囲を仮に設定し、やみくもに取込み画像を画像メモリに格納する方法は、探索時間が長くなる。また、ハードウェアに要求される仕様も大がかりになりがちである。画像取込み間隔(高さ方向の距離)を広げ短時間で探索する方法もあるが、振動、電気ノイズ等の外乱により、高さ基準の位置の繰り返し再現性を確保するのは難しい。
そこで、本発明では、以下のような手法を採用して、短時間かつ高精度に高さ基準位置を求めるようにしている。
すなわち本実施の形態においては、波長の異なる複数の系の単色光をそれぞれ干渉対物レンズ部3を用いて干渉させる第1のステップと、分割した照明光の光路差OPDを変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉縞毎にピークを検出する第2のステップと、各系の干渉縞のピーク間の位相差から干渉縞の縞次数を特定する第3のステップと、縞次数が0となる位置を高さの基準位置として算出する第4のステップとを有している。
以下、各ステップの詳細について説明する。
(第1のステップ)
このステップでは、波長の異なる複数の系の単色光をそれぞれ干渉対物レンズ部3を用いて干渉させる。
本実施の形態では、上述のように、中心波長がそれぞれ625nm、530nm及び470nmのR(赤)、G(緑)及びB(青)の3系統の単色光を同時に照射する照明光源18を用いている。そして、これら3系統の単色光を系毎に各々干渉させるようにしている。図4に示したように、各系の干渉光はλ/2周期で極値(ピーク)を迎える干渉光波形を呈する。各系の干渉光はそれぞれ波長λが異なるため、各々干渉光の周期が異なっている。
また、図5は、照明光源18から照射される各系の単色光R,G,Bの分光発光特性と
カラーCCDカメラ5の分光感度特性Ra,Ga,Baとを示している。
各系の単色光R,G,Bの分光発光特性は、半値幅がおよそ20〜30nm程度と比較的鋭敏であるため、それぞれ中心波長で代表させることができる。なお、更に鋭敏にするためバンドパスフィルタを使用してもよい。各系の単色光R,G,Bは、対応するカラーCCDカメラ5の色プレーン(カラーフィルタ)に包含されるため、画像を取り込んだときにR,G,Bの色信号を排他的に分別することが可能である。
(第2のステップ)
このステップでは、分割した照明光の光路差OPDを変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉縞毎にピークを検出する。
このステップでは、駆動部6の駆動により光学部2をZ軸方向に移動させ、測定物Wと光学部2との間の距離を相対的に変化させながら、カラーCCDカメラ5により複数枚の画像を画像メモリ14に取り込む。測定物Wと光学部2との間の相対距離の変化により、分割した照明光の光路差OPDが変化するので、この光路差OPDに対する各系の干渉光の強度は図4に示したごとく、λ/2ピッチで変動する。そこで、取り込んだ複数の高さ位置における各画面の縞画像の明るさ、輝度データ等から探索範囲における最大値、すなわちピークを各系の縞毎に検出するようにしている。
一方、図7に模式的に示すように、測定物Wの着目点(測定点)が平面Waか、その上に形成された構造体Wbなのかによって高さ基準位置が異なる。カラーCCDカメラ5により取得される画像の中に上記平面Waと構造体Wbが混在する場合、高さ基準を求めることが困難となる。
そこで、本実施の形態では、図6に模式的に示すように、取得した複数の画像平面P1,P2,・・・の同一座標領域を串刺しして画像メモリ14から画素情報を抽出し、当該座標領域毎に各系の干渉縞のピークを検出するようにしている。
特に、本実施の形態では、当該座標領域の大きさを画面の一画素単位としている。そして、測定物Wを高さ方向に走査して、画面(フレーム)を構成する画素単位で高さ基準位置を求めるようにし、画面領域各点の高さ基準位置を、画像取得間隔で決まる高さ方向分解能にて測定するようにしている。
さて、各系の干渉光の縞のピークは以下のようにして検出される。
R,G,B各系の単色光についての干渉光は図4に示したとおりであり、結像面26にはこれら各系の干渉光の合成波が形成される。0次の干渉光が現れる高さ位置において、R,G,B全ての位相が一致し、最大輝度を有し、色も白色となる。各系の干渉光はそれぞれ波長が異なるため、図示するように干渉光の周期が異なっている。
各系の干渉光を振幅1の三角関数で正規化したときの特性を図8に示す。図中、縦軸は干渉光の強度(振幅)、横軸は高さ方向(Z軸方向)を示しており、縞次数0の位置を原点としている。また、図において破線は赤(R:中心波長625nm)、一点鎖線は緑(G:中心波長530nm)、二点鎖線は青(B:中心波長470nm)をそれぞれ示している。
また、各系の干渉光のn次(nは整数)の縞のピーク(極値)の発生位置のプロットを図9に示す。図中丸は「R」について、三角は「G」について、四角は「B」について、それぞれ示している。なお、図9において縦軸は強度を示し、図8と同様、各系の干渉光を振幅1の三角関数で正規化しているが、各系のピーク強度は各々一致するため、図では相互にずらして分かり易くしている。また、横軸は高さ方向(Z軸方向)であり、0次縞からn次縞までの距離(位相差)を示している。
R(赤),G(緑),B(青)各系の単色光のうち最も波長λが長いのはR(赤)の光であるので、各系の干渉光のうち最も縞ピッチ(λ/2)が大きいのはRの干渉光である。従って、図8及び図9から明らかなように、R,G,B各系の単色光のうち、最も波長の長い光(R)の波長の1/2の範囲(干渉光Rの縞ピッチ)において、R,G,B各系について縞のピークが出現する。
そこで、単色光Rの1/2波長の大きさをピークの探索距離(走査範囲)とすることにより、短時間で効率良く、各系の干渉光の縞のピークを検出することができる。
干渉光のピークは、上記走査範囲で取り込んだ複数の画像の中から抽出することができる。あるいは、取得した画像間にピークが位置することも考えられるため、三角関数を前提とした近似法を採用したり、振動モード解析(FFT解析)を行う等して分解能向上を図ることもできる。この場合、画像取込み数と取込み間隔を緩やかにし高速計測が可能になる。
(第3のステップ)
このステップでは、検出した各系の干渉縞のピーク間の位相差から、干渉縞の縞次数を特定する。
本実施の形態では、R,G,B各系の干渉光のうち、RG間のピーク間の距離(位相差)に注目し、これからR及びGの縞次数nを特定するようにしている。図10は、RG間のピーク距離(位相差)から縞次数nを特定するための変換テーブルを示し、使用する単色光の組合せに応じて固有の値をとるものである。この変換テーブルは、制御部11に予め格納され、縞次数の特定に参照される。
例えば、図8において探索範囲(走査距離)1の場合には、上記第2のステップで検出したRのピークからGのピークまでの位相差は「−95nm(−Z方向に95nm)」となり、図10よりR及びGの縞次数は共に2と特定される。また、探索範囲2の場合には、RのピークからGのピークまでの位相差は「+48nm(+Z方向に48nm)」となり、Rの縞次数は共に−1と特定される。また、探索範囲3の場合には、R,Gピーク間の位相差は「0」となり、各々の縞次数は0と特定される。
なお、具体的な処理手順については後述する。
図10に示したように、縞次数の特定に用いるR,Gピーク間距離の各々は、画像取得のサンプリング間隔(10nm)、ピーク検出位置のバラツキ等を考慮しても、20nm以上の間隔をもった十分に識別可能な値であることから、±約1μmの範囲においては、RとGの極値(ピーク)の距離と方向(正負)を見つけることにより、各々の干渉光のn次数を特定することが可能である。
なお、RとGの各干渉光のピークに注目して縞次数を特定する場合に限らず、RとB、GとB、あるいはRGB全てのピークを適宜参照して縞次数を特定するようにしてもよい。このように複数の異なる波長の単色光を用いることにより、被検体によって例えば赤の特性が取れない場合は緑と青の縞を適用する等、応用範囲が広げられる。また、測定結果に対する信頼性の向上が図れる。
(第4のステップ)
このステップでは、縞次数が0となる位置を高さの基準位置として算出する。
上述したように、測定点における高さ基準位置においては、各系の干渉光の縞次数は0である。上記第3のステップにおいて特定された縞次数nから縞次数0までの距離(位相差)は、隣接するピーク(極値)間の位相差がλ/2であるために、nλ/2となる。
従って、探索開始位置から「R」の極値までの距離(位相差)Dsr、縞次数n、及び、「R」の中心波長λrより、探索開始位置から高さ基準(縞次数0)までの距離Drは、後述するように、
Dr=−n×λr/2+Dsr (1)
として求められる(図9)。
以上のようにして、測定点の高さ基準位置が算出される。探索開始位置がどの位置であろうと、高さ基準位置までの距離を適正に算出することができる。また、高さ基準位置の算出は画素単位で行われるので、取り込み画像の領域内において、測定物W表面の高さ分布、表面形状が高精度に測定できることになる。
次に、以上のようにして構成される本実施の形態の表面形状測定装置1の動作について説明する。図11はその工程フローを示している。
ステップ1では、照明光源18から照射されるR,G,B各系の単色光のうち一番波長の長い単色光(R)の波長の1/2の大きさだけ光学部2を一定方向に走査する。本実施の形態では、光学部2を高さ方向(+Z方向)に走査して光路差OPDを変化させ、光路差OPDが異なる複数の高さ位置で各系の干渉光の縞画像を取得する。
ステップ2では、走査範囲において干渉光Rの縞のピークと干渉光Gの縞のピークを検出する。上述したように、最も波長の長い単色光Rの1/2波長に相当する範囲を走査することによって全ての系の干渉光のピークを検出することができる。本実施の形態ではR及びGのピークを検出するようにしているが、これ以外にも、R及びB、G及びB、又はR,G,B全てのピークを検出するようにしてもよい。
ステップ3では、検出したRのピークとGのピークとの間の距離(位相差)から、検出したRのピークの縞次数nを特定する。図10に示したように、R及びGのピーク間の距離は、個々の縞次数の組合せおいて固有である。即ち、重複して同一の値を示すものはない。従って、算出したピーク間距離からR(及びG)の縞次数nが一義的に特定される。
ここで、図10に示した変換テーブルは、本実施の形態において、図中網掛けした領域が縞次数の特定に参照されることはない。つまり、単色光Rの半波長分の探索範囲で検出され得るR,G各系のピークは、図10の網掛け領域以外のデータの中の1つである。従って、制御部11に格納される参照データとしては、図10において網掛けされていない領域のデータ群で十分とされる。
そして、ステップ4では、縞次数n、光学部2の走査開始位相差Dsr、波長λrより、光学部2の走査開始位置から高さ基準までの距離Drを上記(1)式を用いて算出する。本実施の形態ではRのピーク位置を基準として距離Drを算出するが、勿論、Gのピーク位置を基準としてもよい。
以下、これらステップ1〜4を幾つかの具体例を挙げて詳細に説明する。
先ず、表面形状測定装置1のプレート10の上に測定物Wを載置する。測定物Wとしては、処理済あるいは処理途中の半導体ウェーハやガラス基板等が適用される。そして、光学部2を初期位置へセットした後、以下の手順で高さ基準の算出処理が行われる。
(具体例1)
図9を参照して、光学部2の初期位置(Z座標)がT1の場合、最も波長λの長いRの縞ピッチ(λ/2)だけ駆動部6の駆動により光学部2(干渉計20)を+Z方向に走査する(ステップS1)。このときの光学部2の走査範囲は、「探索範囲1」の矢印で示す範囲である。
この探索範囲において、10nmのサンプリング間隔(高さ方向分解能に相当する。)で、結像面26上に結像される測定物Wの表面画像及び各系の干渉光の縞画像をカラーCCDカメラ5にて順次撮影し、これを制御部11へ供給する。制御部11では、供給された各高さ位置における画像データを蓄積し、各系の干渉光毎に処理する。
次に、蓄積した各高さ位置における画像データに基づいて、画素毎に、探索範囲1において出現する単色光R及びGについての干渉縞のピーク(極値)をそれぞれ検出する(ステップS2)。このとき、探索開始位置T1からRのピークまでの距離(位相差)Dsr1をも算出する。
なお、この干渉光R及びGについてのピーク検出工程は、光学部2の走査過程で行われるが、走査完了後に行っても良い。
続いて、検出したRのピークから、検出したGのピークまでの距離(位相差)を求めた後、図10に示した変換テーブルを参照して、一方のRについて縞次数n1を特定する(ステップS3)。
本例の場合、RのピークからGのピークまでの距離(位相差)は「−95nm」で、図10から「−95nm」に対応するRの縞次数n1を特定すると、n1=2となる。
最後に、特定した干渉光Rの縞次数n1=2、走査開始時位相差(光学部2の初期高さ位置)Dsr1及び単色光Rの波長λrより、光学部2の初期位置T1から縞次数が0となる高さ基準位置までの位相差Dr1を、上記(1)式を用いて算出する(ステップS4)。なお、n1×λ/2の大きさは、図10より、625nmである。
本例の場合、図9に示したように、Dr1=−(n1(=2)×λr/2)+Dsr1となり、縞次数が0となる高さ基準位置は探索開始位置T1から見て−Z方向にある。
(具体例2)
図9を参照して、光学部2の初期位置(Z座標)がT2の場合、ステップS1で示す光学部2の走査範囲は、「探索範囲2」の矢印で示す範囲である。
ステップS2において、R、Gの各ピークを検出する。このとき、探索開始位置T2からRのピークまでの距離(位相差)Dsr2をも算出する。
続いて、検出したRのピークから、検出したGのピークまでの距離(位相差)を求めた後、図10に示した変換テーブルを参照して、一方のRについて縞次数n2を特定する(ステップS3)。
本例の場合、RのピークからGのピークまでの距離(位相差)は「+48nm」で、図10から「+48nm」に対応するRの縞次数n2を特定すると、n2=−1となる。そして、ステップS4において、光学部2の初期位置T2から縞次数が0となる高さ基準位置までの位相差Dr2を、上記(1)式を用いて算出する。なお、n2×λ/2の大きさは、図10より、−313nmである。
本例の場合、Dr2=−(n2(=−1)×λr/2)+Dsr2となり、縞次数が0となる高さ基準位置は探索開始位置T2から見て+Z方向にある。
(具体例3)
図9を参照して、光学部2の初期位置(Z座標)がT3の場合、ステップS1で示す光学部2の走査範囲は、「探索範囲3」の矢印で示す範囲である。
ステップS2において、R、Gの各ピークを検出する。このとき、探索開始位置T3からRのピークまでの距離(位相差)Dsr3をも算出する。
続いて、検出したRのピークから、検出したGのピークまでの距離(位相差)を求めた後、図10に示した変換テーブルを参照して、一方のRについて縞次数n3を特定する(ステップS3)。
本例の場合、RのピークからGのピークまでの距離(位相差)は「0」であり、図10から「0nm」に対応するRの縞次数n3を特定すると、n3=0となる。これは、検出したRのピークが0次の干渉光であることを示す。
従って、探索開始位置T3から縞次数0までの距離Dr3は、「Dsr」に相当し、+Z方向に「Dsr3」と算出される(図9)。
ここで、上記ステップS2〜S4は、カラーCCDカメラ5による撮影画面の各構成画素単位で行われる。従って、本実施の形態によれば、取得した画面の各領域を画素単位で高さ基準を求められ、これにより水平分解能を確保して測定物W表面の高さ分布及び形状測定を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、画像取込走査範囲を複数の系の単色光のうち最も波長の長い単色光の1/2波長分としているので、測定時間の短縮化を図ることができる。
特に、本実施の形態によれば、走査範囲が625nm/2=312.5nm、画像取込間隔が10nmに設定されているので、32(312.5nm/10nm)枚の画像取込数となり、高さ方向にステージを300nm/sec.の等速動作、映像信号がNTSC(National Television System Committee)で30fpsの速度で取り込みを行うと、走査時間は32/30=1.07秒となる。
一方、本実施の形態によれば、撮影した縞画像から各系の干渉縞を取り除き、測定物Wの表面のカラー画像を取得することが可能である。
すなわち、干渉対物レンズ部3で測定物W表面を観察するとR,G,B各系の縞画像が生ずるため、これら縞画像の影響により、画像平面の明るさ及び測定物W表面のカラー情報を得ることはできない。
そこで、本実施の形態においては、ステップS1で高さ方向に走査し取得した画像データをもとに、1画素毎に、
画素の色情報RED=
((画素の色情報REDの最大値)+(画素の色情報REDの最小値))/2
画素の色情報GREEN=
((画素の色情報GREENの最大値)+(画素の色情報GREENの最小値))/2 画素の色情報BLUE=
((画素の色情報BLUEの最大値)+(画素の色情報BLUEの最小値))/2
の演算にて、干渉による明暗の分布をなくし、それぞれ1画素の色情報を代表させる。
このように、縞画像の構成画素領域毎に平均色データを抽出し、全画素について展開を行うことによって、測定物W表面の縞のないカラー画像を取得することができる。
なお、図4に示した各系の干渉光の強度分布カーブを全体積分(積分値0)しても同様な結果が得られるが、この方法では探索範囲が著しく広くなり測定時間が長大化する。
これに対し、本実施の形態では、Rの波長の半分という微小領域を走査するだけでR,G,B各系の色情報最大値(明ピーク)及び最小値(暗ピーク)を取得できるので、これらから容易に各画素の色情報を代表させることが可能である。
なおまた、干渉対物レンズ部3から参照ミラー24を取り除いたり、ビームスプリッタ23と参照ミラー24との間に光吸収体やシャッタを設ける等しても、測定物W表面のカラー画像を取得することができる。
また、上述の工程で得られた2次元平面の高さ情報及びカラー画像をもとに3次元の鳥瞰図を生成することも容易であり、これにより実空間に近い視覚効果が得られ、観察作業での視認性を高めることが可能となる。
続いて、本発明の他の実施の形態について説明する。図12はその工程フローを示している。図において、図11と対応する部分については同一の符号を付している。
上述の実施の形態においては、照明光源18から照射されるR,G,B各系の単色光のうち一番波長の長い単色光Rの半波長(干渉光Rの一周期分)に相当する走査範囲でもって干渉縞のピーク探索範囲を設定し、この範囲内で検出されたR,Gの各ピーク間の位相差から干渉光Rの縞次数を特定していた。
この方法では、図9の+Z方向領域の一部を拡大して示す図13に示すように、探索範囲内で検出されたピークG(3)(縞次数3のGのピーク。以下同様に示す。)よりも、同じ探索範囲で検出されたピークR(2)から見て最も近傍に位置するGのピークが探索範囲外に存在する場合がある(この場合ピークG(2)が対応する)。
そこで、本実施の形態では、図12に示すように、R,Gの各ピークを検出した後、検出したGの縞のピークが、同じ探索範囲で検出したRの縞のピークに対して最近傍のものであるか否かを検証する工程を設けている(ステップS2’)。
なお、S1,S2,S3,S4の各ステップの内容は上述の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
そして、検証の結果、探索範囲内で検出されたGのピークが最近傍でないと判定された場合には、最近傍とされる探索範囲外のGのピークを参照し、これをGに関する検出ピークとして後のステップS3に移行するようにしている。
本実施の形態によれば、ステップS2’を経ることによって、検出したRのピークに対して最近傍のGのピークを常に検出することができるので、図14に示した縞次数特定用の変換テーブルにおいて、四角で囲ったデータ群のみ参照すれば足りるようになる。これにより、縞次数の特定に要する演算を大幅に低減できるので、測定時間の短縮化、制御部11の構成の簡素化を図れるようになる。
具体的に、ステップS2’の内容を説明すると、図13を参照して、探索範囲において検出されたR,G各系のピークR(2),G(3)に基づいて、これらピーク間の位相差(距離)Drgを算出する。
そこで、このDrgの絶対値が干渉光Gの一周期(単色光Gの半波長(λg/2))の半分(λg/4)よりも大きい場合には、検出されたピークG(3)ではなく、R(2)から見てG(3)側(+Z方向)とは反対側(−Z方向)に位置する探索範囲外のピークG(2)の方が、R(2)に対して最近傍であると判定できる。そして、以降の処理ではG(2)をGに関する検出ピークとして干渉光Rの縞次数の特定に用いるようにする。
以上のように、ステップS2’では、Drgの絶対値がλg/4よりも小さい場合には、探索範囲で検出したGのピークが、同じ探索範囲で検出したRのピークに対して最近傍のピークと判定される。また、Drgの絶対値がλg/4よりも大きい場合には、検出したGのピーク側とは反対側に位置する探索範囲外のGのピークが、上記最近傍のピークと判定されることになる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、波長の異なる複数の系の単色光として、中心波長がそれぞれ625nm、530nm、470nmのR,G,B各系の可視光を用いたが、これら以外の他の波長領域の単色光を用いてもよい。また、単色光は少なくとも2系統あればよい。
また、照明光源18として、波長の異なるLEDを使用したが、分別可能な波長の光を取り出すことができればよいため、これに限定されない。例えば、ランプ等の白色光源とダイクロイックミラー、フィルタ等の組合せにも、本発明は適用可能である。
また、以上の実施の形態では、照明光の光路差OPDを変化させるのに、測定物Wに対して光学部2を高さ方向に移動させたが、これに限らず、例えば干渉対物レンズ部3において、参照ミラー24を可動として対物レンズ22との光学的距離を変化させるようにしてもよい。
また、光学部2の走査方向を+Z方向としたが、これに代えて、光学部2の走査方向を−Z方向としてもよい。
縞のピークを検出する際の探索範囲に関しては、必ずしも単色光Rの半波長に相当する大きさに限られず、これよりも広い範囲で探索範囲を設定することが可能である。この場合、単色光Rに関して−4次〜+4次までの範囲においては図10に示した変換テーブルが利用可能であり、これよりも更に広い範囲であれば、図10に準ずる参照データを別途準備すればよい。
探索範囲を広く設定することにより、特定される縞次数nの検証ができるようになり、測定の信頼性を高めることができる。
更に、以上の実施の形態によれば、算出した高さ基準位置へ光学部2を移動させることにより、測定物Wに対する合焦が可能となるので、オートフォーカスとして動作させることも可能である。
更に又、上述の表面形状測定装置1は、機構的に位相シフト干渉計と同等であるため、位相シフト干渉法との併用も可能である。
一方、本発明は、例えば以下に挙げるような応用面を備えている。
[1.生産設備への応用]
上述のように、本発明によれば、±1μm程度の高さ測定領域10nm分解能にて、1秒程度の短時間で測定が可能であるので、例えば、半導体形成膜、フラットパネルディスプレイ(FPD)のTFT(薄膜トランジスタ)形成膜、カラーフィルタ形成膜、マイクロマシン、マイクロレンズなど、これらの膜厚管理、高さ・形状管理、欠陥検出管理の生産工程へ適用することができる。
従来の生産方式では、それらの管理項目をインプロセス、即ち、生産中におけるリアルタイムでの全数測定は難しく、オフラインで測定・検査していたので、プロセス条件へのフィードバックは時間的な遅れが生じがちになり、歩留まり改善活動の障害にもなっていた。また、既存の平面高さ測定装置は、複雑で精密な機構が必要なため、高価なものがほとんどである。さらに、スタンド・アロン型の観察用に目的を絞って商品化されているため、設備組込性も良くない。
しかし、本発明によれば、ワークの膜厚管理、高さ・形状管理、欠陥検出管理等を短時間かつ高精度に行うことができるので、プロセスの中でリアルタイムでワーク全品に対する形状測定、品質管理が可能であるので歩留まり改善活動に大きく貢献することができると共に、機構的にシンプルであるため組込性に優れており、価格も低く構成することが十分可能である。勿論、従来より行われているワークの抜き取り検査やオフラインにおけるスタンド・アロン的な測定にも、本発明は適用可能である。
[2.観察顕微鏡への応用]
観察用途の顕微鏡での立体画像取得方法としては、高さを変えた平面画像を複数枚取り込むパンフォーカスが挙げられる。得られる合焦情報をもとに高さ情報を生成し、立体画像を生成する手法はいくつか提案され、商品化されている。また、既存のレーザー光走査顕微鏡、コンフォーカル顕微鏡も立体画像取得が可能である。これらは高さの精度を、対物レンズの被写界深度以下にできないという限界がある。例えば、100倍の対物レンズの焦点深度は0.3μm程度である。
これに対して本発明は、10nm分解能での測定は実証されており、FFT解析などを適用することにより、更なる高精細化が可能である。
[3.SEM(走査型顕微鏡)、AFM(原子間力顕微鏡)、段差計の分野への応用]
本発明は、非破壊、非接触による表面測定方法に関するものであるため、SEM、AFM等の顕微鏡分野にも応用可能である。この場合、SEM、AFM等のように被検体の測定段取り時間も必要なく、機動性に優れた測定装置として現場への提供が可能である。
[4.オートフォーカス装置への応用]
上述のように、本発明によれば、高さ基準位置が分かるため、その距離を移動することにより、高精度に合焦させることができる。
オートフォーカス技術は、一般に、方式により得手、不得手の被検体がある。映像信号をもとに合焦状態を判断するパッシブ方式では、明るさが均一な面(例えば、ガラス表面、シリコンベアウェーハなど)への合焦は困難である。レーザー反射方式、パターン投影方式などのアクティブ方式ではそれが可能となるが、そのための投資が必要となる。
本発明は、明るさが均一な面であっても反射光さえあれば高さ情報を得ることができるため、合焦動作も可能である。また、比較的安価にそれを実現できる。
本発明の実施の形態による表面形状測定装置1の概略構成図である。 光学部2を構成する干渉計20の概略構成図である。 制御部11の構成を示すブロック図である。 高さ方向に関してのR,G,B各系の干渉光の強度分布を模式的に示す図である。 照明光を構成するR,G,B各系の単色光の分光発光特性とカラーCCDカメラ5の分光感度特性を説明する図である。 本発明による高さ測定方法を説明する原理図である。 測定物表面の測定領域の一例を示す説明図である。 R,G,B各系の干渉光を振幅1の三角関数で正規化したときの特性を示す図である。 R,G,B各系の干渉光の縞のピーク発生位置をプロットした図である。 R,Gのピーク間距離から縞次数を特定する変換テーブルである。 本発明の実施の形態の作用を説明する工程フローである。 本発明の他の実施の形態の作用を説明する工程フローである。 本発明の他の実施の形態の一作用を説明する図9と同義の図である。 本発明の他の実施の形態の一作用を説明する図10に示した変換テーブルと同義の図である。
符号の説明
1…表面形状測定装置、2…光学部、3…干渉対物レンズ部、4…鏡筒、5…カラーCCDカメラ、6…駆動部、11…制御部、12…モニタ、14…画像メモリ、15…演算部、17…ステージコントローラ、18…照明光源、20…干渉計、21,23…ビームスプリッタ、22…対物レンズ、24…参照ミラー、25…結像レンズ、26…結像面、W…測定物。

Claims (12)

  1. 照明光を分割して測定物表面と参照面とにそれぞれ照射し、その各反射光を干渉させて結像面に干渉縞を形成させる干渉計を用いて、前記測定物表面の高さ基準位置を測定する表面形状測定方法であって、
    波長の異なる複数の系の単色光をそれぞれ前記干渉計を用いて干渉させるステップと、
    前記分割した照明光の光路差を変化させ、その変化の範囲内において各系の干渉縞毎にピークを検出するステップと、
    前記各系の干渉縞のピーク間の位相差から干渉縞の縞次数を特定するステップと、
    前記縞次数がゼロとなる位置を前記高さ基準位置として算出するステップとを有する
    ことを特徴とする表面形状測定方法。
  2. 前記各系の干渉縞のピークを検出するステップでは、前記光路差の変化の範囲内における任意の2系統の干渉縞の各々のピークを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定方法。
  3. 前記各系の干渉縞のピークを検出するステップは、前記検出した2系統の干渉縞の各々のピークが互いに最も近傍位置にあるか否かを判定する工程を有し、否と判定した場合には前記光路差の変化の範囲外におけるピーク位置を参照する
    ことを特徴とする請求項2に記載の表面形状測定方法。
  4. 前記各系の干渉縞のピークを検出するステップでは、前記結像面上に形成された前記各系の干渉光の縞画像を同時に取得し、各系毎に独立して干渉縞のピークを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定方法。
  5. 前記複数の系の単色光として、赤、緑及び青の3系統の可視光を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定方法。
  6. 前記各系の干渉縞のピークを検出するステップは、
    前記結合面に設置した画像取得手段によって、前記測定物表面と前記干渉計との間の距離が異なる複数の高さ位置でそれぞれ前記干渉縞の縞画像を取得する工程と、
    前記取得した縞画像間の画面内同一領域における干渉強度分布の極値を算出する工程とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定方法。
  7. 前記各系の干渉縞のピークを検出するステップを、前記取得した縞画像の構成画素領域毎に行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の表面形状測定方法。
  8. 前記取得した縞画像の構成画素領域毎に、平均色データを抽出し、前記縞画像から干渉縞を取り除く工程を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の表面形状測定方法。
  9. 前記光路差の変化量を、前記複数の系の単色光のうち最も波長の長い単色光の1/2波長分とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面形状測定方法。
  10. 波長の異なる複数の系の単色光を照射する照明光源と、
    前記照明光源からの照明光を分割して測定物表面と参照面とにそれぞれ照射し、その各反射光を干渉させて結像面に干渉縞を形成させる干渉計と、
    前記結像面に配置され前記干渉縞の画像データを取得する画像取得手段と、
    前記測定物表面に対して前記干渉計を高さ方向に変化させる駆動手段と、
    前記各系の干渉縞毎のピーク間の位相差から干渉縞の縞次数を特定し、当該縞次数がゼロとなる位置を高さ基準位置として算出する演算手段とを備えた
    ことを特徴とする表面形状測定装置。
  11. 前記複数の系の単色光は、赤、緑及び青の3系統の可視光である
    ことを特徴とする請求項10に記載の表面形状測定装置。
  12. 前記画像取得手段は、カラーCCDカメラである
    ことを特徴とする請求項10に記載の表面形状測定装置。
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