JP5605793B2 - β−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、β−1,3−グルカンと核酸から成る複合体の調製に関し、特に、塩基性水溶液を用いての製造方法、さらに未反応のβ−1,3−グルカン、核酸を除去し複合体を精製することに関する。
ヒトゲノムの解読が1953年のDNA二重らせん構造の発見から50年となる2003年に完了した。現在は各種のタンパク質の活性メカニズムとその相互作用の解明が進められている。さらに、最近はタンパク質をコードしていないRNAが遺伝子の転写や翻訳を制御していることが分かってきた。こうした成果を応用するひとつの方法に、生理活性のある短い人工的核酸(核酸医薬)を用いて生体機能を操作する技術が提唱されている。しかし、天然型の核酸であるリン酸エステル型DNAやRNAは生体中では、核酸分解酵素やタンパク質との非特異的吸着によって極めて短時間で失活する。このため、天然型の核酸医薬品は、ヒトの臨床研究では有意な効果をもたらしていない。
上述した天然型の核酸の問題点、すなわち、生体環境内や培養液中において短時間で失活するとの問題点を解決するために、天然型の核酸を化学的に修飾した化学修飾核酸、天然の核酸によく似た類似核酸が多く提案されている。前者の例では、例えば、今西らが提案した、リボースの2’位の酸素原子と4’位の炭素原子とをメチレン基またはエチレン基等で架橋したLNA(locked nucleic acid)と呼ばれる化学修飾核酸(非特許文献1)や、天然型のリン酸エステルの酸素原子をイオウ原子で置換したSオリゴと呼ばれる化合物が知られている。また、後者では、核酸の主鎖にアミド結合を導入したPNA(ペプチド核酸)と呼ばれる化合物が知られている(非特許文献2)。これらを総称して核酸アナログと呼ぶ。核酸アナログは、天然型核酸の問題であった失活までの時間を大幅に伸ばす事に成功した。これは、核酸分解酵素が核酸アナログを認識できないためである。しかし、生体内でタンパク質と非特異的に吸着し予期せぬ生理活性、重篤な肝障害を引き起こすなど、非天然であるが故の毒性が問題になっている(非特許文献3)。
天然型の核酸を生体適合性のある化合物に内包して送り届ける技術も提案されてきた。レトロウイルス(非特許文献4)またはアデノウイルス(非特許文献5)等は、遺伝子キャリアとしてin vitroでは極めて見込みのある結果を与えたが、これら天然由来のウイルスの炎症性、免疫原的性質、ならびに突然変異誘発および細胞ゲノム中への組み込みの危険性が特に原因してこれらのin vivoにおける使用は制限されている。
そこで、天然由来の遺伝子キャリアの代替物として、ウイルス系よりも取り扱いが簡単であるのみならず、細胞へDNAを確実に効率良く集中させることが可能な人工材料の非ウイルスキャリヤーの使用が提示された(非特許文献6)。これまでに、非ウイルス性の人工キャリアとしてポリエチレングリコール修飾したポリカチオン(非特許文献7)、ポリエチレンイミン(非特許文献8)、カチオン性ポリマーのブロック共重合体(非特許文献9)、デンドリマー(非特許文献10)などが開発されてきた。しかし、こうしたカチオン性高分子の安全性は確認されていない。カチオン性を有するには、アミノ基の存在が不可欠であるが、アミノ基は生理活性が高く、体内毒性等の危険がある。
本発明者らはこれまでに遺伝子キャリアとしてβ−1,3−グルカンに着目し、β−1,3−グルカンが核酸医薬(アンチセンスDNA、CpG DNA)と新しいタイプの複合体を形成することを見出してきた(特許文献1、2、非特許文献11、12)。
もともと天然では、3重らせんで存在するこの多糖をジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性有機溶媒に溶解して1本鎖に解離させた後に、1本鎖の核酸を加え、溶媒を水に戻すことによって、核酸1本及び多糖2本からなる3重らせん複合体が形成することを見出した。この場合、当該多糖と核酸の複合体は主として水素結合と疎水性相互作用に因るものと考えられている(非特許文献13)。
しかしながら、上記の多糖/核酸複合体の調製過程において非プロトン性極性有機溶媒を用いているため、上記方法により調製される複合体溶液中にも、低濃度ではあるが非プロトン性極性有機溶媒が残存していると考えられる。複合体の臨床応用を考慮に入れると、有機溶媒が残存している薬剤を用いることは望ましくない。
β−1,3−グルカンの3重らせん調製過程において非プロトン性極性有機溶媒を用いない方法として、例えば、0.1N以上の水酸化ナトリウム水溶液にβ−1,3−グルカンを溶解させ、1本鎖に解離させ、強酸による中和、及び水による透析により3重らせんを作製する方法が報告されている(非特許文献14−17)。しかし、この方法の場合、強酸による中和時に局所的にpHが低下し、DNAが加水分解を起こしたり、複合体が分解したりするおそれがある。
国際公開第01/34207号パンフレット 国際公開第02/072152号パンフレット
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本発明は上記課題に鑑みなされたもので、有機溶媒を用いずにβ−1,3−グルカンと核酸から成る複合体を、高収率かつ高純度で調製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、非プロトン性極性有機溶媒の代わりに塩基性水溶液にβ−1,3−グルカンを溶解させることによって3重らせん構造を取るβ−1,3−グルカンを1本鎖に解離させ、この溶液に核酸を含む緩衝液を混合して溶液を中和し、かつ適当な時間インキュベートすることで、1本鎖核酸と2本のβ−1,3−グルカン分子鎖とからなる3重らせん状のβ−1,3−グルカン/核酸複合体を高収率で調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の態様に係るものである。
(1)核酸を溶解したpH4.0〜8.0の水系緩衝液と、β−1,3−グルカンを溶解した塩基性水溶液とを混合し、インキュベートすることにより、2本のβ−1,3−グルカン分子鎖と1本鎖核酸とからなる3重らせん構造を有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体を調製する工程と、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)及び陰イオン交換クロマトグラフィーの一方又は双方を用いて前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を含有する溶液を処理することにより該β−1,3−グルカン/核酸複合体を形成していないβ−1,3−グルカン及び核酸を除去し、前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を精製する工程とを有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(2)前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を精製する工程において、前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を含有する溶液を、まず陰イオン交換クロマトグラフィー、次いでゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で処理する(1)記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(3)前記塩基性水溶液として、0.1N以上1N以下の水酸化ナトリウム水溶液を用いる(1)及び(2)のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(4)多糖との結合部位として塩基配列(X)[Xは任意のリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドのいずれかを表し、nは自然数を表す。]で表されるポリヌクレオチド鎖を有する核酸を用いる(1)から(3)のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(5)前記Xが、デオキシアデノシン(dA)及びシチジン(C)のいずれかである(4)記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(6)前記nの値が20以上80以下である(4)及び(5)のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
(7)水系緩衝液として、pH4.0〜8.0のリン酸系緩衝液及びトリス系緩衝液から選択される緩衝液を用いる(1)から(6)のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
3重らせん構造が解離し1本鎖となったβ−1,3−グルカンを含む塩基性水溶液中に核酸を添加し溶液を中和すると、2本のβ−1,3−グルカン分子が、らせん定数の近似する1本鎖核酸と水素結合を介して会合し、3重らせん構造を有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体を形成するが、中和に強酸を使用すると、局所的に溶液のpHが低下することにより、核酸が加水分解を受けるおそれがある。
それに対し、本発明のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法では、β−1,3−グルカンを含む塩基性溶液の中和に強酸を使用しないため、核酸が分解されることなくβ−1,3−グルカンと複合体を形成し、DMSO等の非プロトン性極性有機溶媒を用いた場合に匹敵する高収率でβ−1,3−グルカン/核酸複合体を調製することができる。また、非プロトン性極性有機溶媒用いないため、透析による水との置換等の煩雑な処理が不要となり、後処理が簡便に行える。さらに、ゲル濾過クロマトグラフィーによる複合体の分取および陰イオン交換クロマトグラフィーによる未反応のβ−1,3−グルカンの除去のいずれか一方又は双方の精製過程と組み合わせることにより、より高純度のβ−1,3−グルカン/核酸複合体を提供することができる。
dAの長さがDNAの複合化率に及ぼす影響を示す図である(実施例1)。 SPG、DNAの混合比を変えた時のDNAの複合化率の変化を示す図である(実施例2)。 中和に用いる緩衝液がDNAの複合化率の変化に及ぼす影響を示す図である(実施例3)。 リン酸緩衝液による塩酸による中和との比較を示す図である(比較例1)。 リン酸緩衝液による塩酸による中和との比較を示す図である(比較例2)。 MIF−dA30/SPG複合体のGPCクロマトグラムである(実施例4)。 MIF−dA40/SPG複合体のGPCクロマトグラムである(実施例4)。 陰イオン交換カラムを用いた複合体の精製の原理を示す図である(実施例5)。 MIF−dA40/SPG複合体、MIF−dA60/SPG複合体の陰イオン交換クロマトグラフィーにおけるSPGの溶出曲線である(実施例5)。 MIF−dA40/SPG複合体、MIF−dA60/SPG複合体の陰イオン交換クロマトグラフィーにおける核酸/SPG複合体の溶出曲線である(実施例5)。
本発明の一実施の形態に係るβ−1,3−グルカン/核酸複合体(以下「複合体」と略称する場合がある。)の調製方法(以下「本方法」と略称する場合がある。)は、核酸を溶解したpH4.0〜8.0の水系緩衝液と、β−1,3−グルカンを溶解した塩基性水溶液とを混合し、インキュベートすることにより、2本のβ−1,3−グルカン分子鎖と1本鎖核酸とからなる3重らせん構造を有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体を調製する工程と、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)及び陰イオン交換クロマトグラフィーの一方又は双方を用いて複合体を含有する溶液を処理することにより、複合体を形成していない未反応のβ−1,3−グルカン及び核酸を除去し、複合体を精製する工程とを有する。
以下、各工程についてより具体的に説明する。
(1)核酸を溶解した水系緩衝液
「緩衝液」とは、酸またはアルカリを加えても水素イオン濃度の変化を微小にとどめることができる(緩衝作用を有する)溶液であり、例として、弱酸とその共役塩基である塩との混合溶液等が挙げられる。酢酸等の弱酸(AH)とその共役塩基(A)の混合溶液は、多くのHまたはOHを添加しても、その緩衝作用によりpHの変化をわずかだけに抑えることができる。弱塩基(B)とその共役酸(BH)を含む系も同様な緩衝作用を有する。
塩基性水溶液を中和する溶液として、塩酸、硫酸等の鉱酸水溶液を用いることもできるが、それらの鉱酸水溶液による中和では最終的に中和点(pH7)に調整するのは溶液量を厳密に制御しなければならない。しかし、緩衝液による中和ではそれほど厳密に容量を制御する必要はない。とりわけリン酸緩衝液(330mM NaH2PO4;pH4.7)を使用する場合には、複合体調製後に細胞実験、動物実験に用いても溶媒置換を行う必要がないメリットもある。
使用する緩衝液のpHとしては、pH4〜8までの緩衝液を用い、好ましくはpH4.7〜7.6の緩衝液が良い。pHの低い緩衝液を用いると中和に必要な溶液量が少なくて済み、核酸の分解を抑制し、核酸濃度が高い状態で複合体を得られる。
非プロトン性極性有機溶媒を使用した際には、溶媒を水に戻す際に有機溶媒の10倍の体積の水を必要とし、最終核酸濃度が薄くなってしまうが、緩衝液を用いた塩基性水溶液の中和過程では核酸溶液の体積は2倍程度にしか薄まらず、その後の濃度調製が容易となる。
核酸としてRNAを使用する場合には、塩基性水溶液に接触すると核酸が分解してしまうおそれがあるため、本方法のように、あらかじめ緩衝液中に核酸を溶かしておき、その後1本鎖に解離したβ−1,3−グルカンを含有する塩基性水溶液を添加し中和を行う方法が好ましい。
β−1,3−グルカンと複合体を形成する核酸には機能性核酸(アンチセンスDNA、siRNA、CpG DNA)配列の5’末端側及び3’末端側のいずれか一方または双方にポリ(dA(デオキシアデノシン))配列、ポリ(C(シチジン))配列のいずれかを付加させる。この付加させたホモポリマーの部位がβ−1,3−グルカンと複合体を形成する。
ポリ(dA)、ポリ(C)のホモポリマーの長さとして、20量体以上80量体以下のものを用いる。ホモポリマーの長さが長い方がβ−1,3−グルカンとの複合化率は高い結果が得られている。しかし、あまり長すぎると、アンチセンス、CpGのヘテロ配列の効果が低くなると懸念されるため、ホモポリマーは80量体以下の方が好ましい。
(2)β−1,3−グルカンを溶解した塩基性溶液
主鎖がβ−1,3−グルカン及びβ−1,3−キシランからなる多糖は、ポリ(C)等の核酸と近似するらせん定数を有しており(例えば、高橋、小畠、鈴木、Prog. Polym. Phys. Jpn.27巻、767ページ、及び「Conformation of Carbohydrates」、Sharwood
academic publisher、1998年を参照)、核酸塩基と水素結合可能な水酸基を有しているため、核酸と相互作用し、三重らせん構造を有する安定な複合体を形成することが知られている。β−1,3−グルカンの具体例としては、シゾフィラン、カードラン、レンチナン、パーキマン、グリホラン、スクレログルカン等が挙げられる。これらは、主鎖がβ−結合(β−D−結合)により結合したグルカンで、側鎖の頻度が異なる天然の多糖である。これらのβ−1,3−グルカンは、化学修飾等の処理を行うことなくそのまま用いてもよいが、通常の過ヨウ素酸化法を用いてその側鎖を適当に間引くことにより、その溶解性を制御することもできる。
β−1,3−グルカンの分子量は、複合体の調製に用いられる核酸の塩基長、核酸の5’末端側及び3’末端側に結合させたホモポリマーの塩基長等に応じて適宜調節される。しかし、分子量が小さいと、いわゆるクラスター効果(高分子系の協同現象)が発現し難くなり好ましくない。通常は、核酸と複合体を形成しうるβ−1,3−グルカンの重量平均分子量としては、核酸塩基の種類や高次構造によって異なるが、好ましくは2000以上、さらに好ましくは4000以上、より好ましくは6000以上である。また、ポリヌクレオチド上の核酸塩基と水素結合を形成する水酸基の数は、通常は、5個以上、好ましくは、8個以上、さらに好ましくは、10個以上必要である。
なお、β−1,3−グルカンの重量平均分子量は、光散乱法、沈降速度法(超遠心法)等の任意の公知の方法を用いて決定することができる。
β−1,3−グルカンは、一般に菌類や真性細菌によって産生されるため、これらの微生物を培養後、菌体をホモゲナイズし、細胞溶出分や不溶性残渣等の不純物から超遠心法等の方法により単離することにより得ることができる。一般に、このようにして得られるβ−1,3−グルカンは高分子量(重量平均分子量が数十万程度)で三重らせん構造を取る。必要に応じて低分子化して用いてもよい。低分子化は、β−1,3−グルカンの種類や所望の分子量に応じて、酵素分解、酸加水分解等から適宜適当な方法及び条件を選択して行う。例えば、シゾフィランの場合には、80%DMSO−硫酸による加水分解等により、種々の分子量を有する一本鎖シゾフィランを得ることができる。
シゾフィラン等のβ−1,3−グルカンは、通常、水中で三重らせん構造を呈している。したがって、ポリヌクレオチドと複合体を形成するために、塩基性水溶液に溶解して分子間水素結合及び疎水性相互作用による会合状態を解いて一本鎖にする。これにポリヌクレオチドを含有する水溶液(又はアルコール等の極性溶媒の溶液)を添加してゆくと、溶媒の極性の増大に伴い、疎水性相互作用によりポリヌクレオチドとβ−1,3−グルカンとが会合し、1本鎖核酸の分子鎖を取り込みながら分子内および分子間でポリヌクレオチドと多糖との会合体が形成される。その結果、(1分子の)1本鎖核酸と2分子のβ−1,3−グルカン分子とからなる3重らせん構造を有する複合体が形成される。複合体の形成は、例えば、CD(円偏光二色性)スペクトルを測定することにより、コンホメーション変化を調べることによって確認することができる。得られる複合体は、一般に水溶性であり、温度変化やpHの変化によって解離及び再結合する。更に、複合体は核酸分解酵素に対する耐性を有し、ポリヌクレオチドが破壊されることもない。
塩基性水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液がよく使用されるが、臨床応用を考慮すると血中ではナトリウムイオンの方が高濃度であるため、水酸化ナトリウム溶液を用いるのが好ましい。
(3)複合体の形成
複合体調製過程として、水に溶解させたDNAを直前にリン酸緩衝液と混ぜ、β−1,3−グルカンの塩基性水溶液(0.25N NaOH)と混合させる。リン酸緩衝液(330mM NaH2PO4;pH4.7)と塩基性水溶液を体積比1:1で混合することで中性溶液(pH7.0〜8.0)となる。混和後、溶液を所定の温度(例えば4℃)で一晩以上インキュベートし、複合化を完結させる。
複合体の形成は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)、円偏光二色性(CD)スペクトル等の任意の公知の方法で確認できる。
(4)ゲル濾過クロマトグラフィーによる精製
上記のようにして得られる溶液には、複合体以外に未反応の核酸及びβ−1,3−グルカンを含んでいるため、さらに精製を行う必要がある。精製の一手段として、未反応の核酸及びβ−1,3−グルカンと複合体との分子量の差を利用して、分取GPCカラムを用いて、複合体のピーク部分を分取することにより、未反応の核酸及びβ−1,3−グルカンの除去を行うことができる
GPCは、例えば以下の条件で行うことができる。
カラム;ポリヒドロキシメタクリレートを基材とした水系用カラム(OHpak SB-802.5 HQ及びOHpak SB-806 HQ等;Shodex)
溶離液;0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.4)+0.5M KCl
流速;0.8mL/分
(5)陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製
反応溶液中から未反応のβ−1,3−グルカンの除去を行うために、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いる。複合体は核酸の電荷により陰イオン交換カラムに担持されるが、未反応のβ−1,3−グルカンは電荷を有さないため、カラムを素通りする。反応溶液をカラムに通した後に、高塩濃度溶液(1M Tris−塩酸緩衝液)により複合体を溶出させる。
陰イオン交換クロマトグラフィーは、例えば下記の条件で行うことができる。
陰イオン交換カラム;低圧クロマトグラフィー用の弱陰イオン交換カラム(Macro-Prep EDAE、リガンド:-NH+(C2H5)2、容量:1mL;BioRad)
洗浄液;PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
溶出液;1M Tris−塩酸緩衝液(pH7.6)(ナカライ)
上述のGPC及び陰イオン交換クロマトグラフィーによる複合体の精製は、どちらか一方のみを行ってもよく、両者共に行ってもよい。後者の場合、陰イオン交換カラムの容量の方が一般に小さいため、先に陰イオン交換クロマトグラフィーにより未反応のβ−1,3−グルカンを除去し、次いでGPCによる精製を行う方が好ましい。
実施例1:ポリ(dA)の長さの違いによる複合化率の検討
本実施例で用いたシゾフィラン(SPG)(三井製糖(株)より提供)は、GPCにより分子量を算出したところ1本鎖状態では15万で、3本鎖では45万であった。このSPGと、dA(デオキシアデノシン)のホモポリマーであるdA30、dA40、dA60(ファスマック(株)より購入)との複合化を行った。
SPGを0.25N
NaOH溶液に溶解し(15mg/mL)2日以上放置し、完全にSPGを1本鎖に解離させた。サンプル調製方法は、ポリ(dA)溶液とリン酸緩衝液(330mM NaH2PO4、pH4.5)とを混合し、SPGとDNAの混合比がモル比で3:1となるようSPGの塩基性水溶液を添加し攪拌した。得られた溶液を4℃で一晩静置させた後、GPC測定を行った。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))を図1に示す。複合体と未反応のDNAのピーク面積からDNAの複合化率(全DNAのモル数に対する複合体に含まれるDNAのモル数の割合)を算出すると、dA30、dA40、dA60について、それぞれ40%、75%、100%であった。このことよりdAの長さを長くすることによりDNAの複合化率が向上することがわかる。また、反応開始から3時間後でもGPC測定を行ったが、同様のクロマトグラムが観察された。このことより複合化にかける時間は3時間以上で十分であることが確認された。
実施例2:SPGとDNAの混合比の違いによる複合化率の検討
DNA濃度を一定にし、添加するSPGの量を変化させ、実施例1と同様に複合体を調製し、GPC測定を行った。各サンプルの混合比(モル比、重量比)を表1に示す。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))を図2に示す。添加するSPGの比率を上げるにつれ、未反応DNAの量が減少し、溶出時間の短い位置(より高分子量の画分に相当する)にUVピークが観察されることから、複合化率が上昇していることがわかる。SPGがDNAに対し、モル比で0.75以上であれば複合化率80%以上を達成できることがわかる。また、DNAに対しSPGの比率を上げても(SPG:DNA=10:1又は30:1)複合化率はほとんど変わらなかった。
実施例3:SPG溶液を中和する緩衝液の違いによる複合化率の変化の検討
SPGを中和する緩衝液としてリン酸緩衝液(330mM NaH2PO4、pH4.5;バッファーA)以外に、pHの異なるリン酸緩衝液(pH6.5;NaH2PO4とNa2HPO4で調製;バッファーB)あるいはトリス−塩酸緩衝液(330mM Tris-HCl、pH7.6;バッファーC)を試みた。また、比較例として、緩衝液の代わりにDMSOを用いて調製した複合体との比較も行った。表2に示すような混合比で各サンプルを調製し、GPC測定を行った。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))結果を図3に示す。本実験ではDNAは腫瘍壊死因子(TNF−α)に対するアンチセンスDNA(aacccatcggctggcaccac:配列番号1)の3’側にdA60を付加させたものを用いた。未反応のDNAのピークは14〜15分の位置に見られ、吸光度の値が0.02であったが、反応後では、80〜90%のDNAはSPGと複合化していることがわかる。中和する緩衝液の違いによる複合化率の違いはほとんどないことがわかる。また、DMSO法と比べても複合化率の違いは認められない。
表2から緩衝液として330mMリン酸緩衝液(pH4.5)を用いると最終濃度は150mMとなることがわかる。また、この時のDNA濃度は33μMとなっている。細胞を播種した培地中にDNAを添加する際に、DNA濃度は高くても数μMとなるように調製するため、反応溶液を約10倍以上希釈し培地に添加することになる。最終的に使用した緩衝剤の濃度は非常に低くなり、細胞等への影響はほとんどないと考えられる。
比較例1
中和溶液として緩衝液ではなく、0.1Nの塩酸を用いて中和を行い、緩衝液による中和との違いを比較した。塩酸溶液を用いた複合体調製では、緩衝液による中和過程と同様に塩酸溶液に核酸を混合させ、直後に水酸化ナトリウム溶液との中和を行った。また、中和は塩酸溶液と水酸化ナトリウム溶液を容積比で2:1になるように混合させpHを約7に調整した。なお、使用したSPG及び核酸は表2と同様である。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))結果を図4に示す。塩酸による中和ではDNAの複合化率は約50%前後であるが、核酸のピーク面積が他と比べ小さいことがわかる。これは、最初に核酸を塩酸に添加した際に一部の核酸が分解したためと考えられる。これに対し、リン酸緩衝液による中和では約80%であり面積比から見てもほとんど分解していないことがわかる。
比較例2
先に述べたように核酸としてRNAを使用する場合には、塩基性水溶液に接触すると核酸が分解してしまう恐れがある。そこで、塩酸溶液と水酸化ナトリウム溶液を混合し、pHを約7に調整した直後にDNA溶液を添加した。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))結果を図5に示す。塩酸によるDNAの分解は無いように見えるが、DNAの複合化率は約40%であった。リン酸緩衝液による中和(複合化率:80%)と比較すると、中和溶液としてはリン酸緩衝液を用いた方が複合化には好ましいことがわかる。
実施例4:GPCを用いた複合体の分取
マクロファージ遊走阻止因子(MIF)に対するアンチセンスDNA(tggtgttcacgatgaacataggcatg:配列番号2)の3’末端側にdA30あるいはdA40を付加させたDNAを用いて実施例1と同様に複合体を調製し、少量をGPCに流し複合体の確認を行った。その後、反応溶液を全量GPCに流し、複合体のフラクションを確認しながら検出器から流出してくる溶液を分取した。分取したフラクションのGPCクロマトグラムにより複合体の精製度を検証した。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(吸光度(260nm))結果を図6に示す。図6ではdA30を付加させた時の結果である。図6上の分取前のクロマトグラムから、溶出時間14〜19分の位置に複合体(複合化率は約40%)が見られる。14〜19分のフラクションを分取し、それをGPCで測定すると、確かに複合体の割合が増加しているのが認められ複合体の割合を算出すると約80%であることがわかった(図6下)。
dA40を付加させたDNAとSPGを複合化させると複合化率は約50%であった(図7上)。溶出時間14〜17分のフラクションを分取し、それをGPCで測定すると約90%の精製度で複合体を得ることができた(図7下)。
実施例5:陰イオン交換カラムを用いた複合体の精製
実施例4に従い未反応のDNAを取り除くことは可能であるが、反応溶液中には未反応のSPGが混在している。そこで、これを陰イオン交換カラムに通すことで複合体の精製を試みる。陰イオン交換カラムによる複合体の精製の原理を図8に示す。DNA、SPG、複合体が混在する溶液を陰イオン交換カラムに通すと、負電荷を帯びているDNA及び複合体はカラムに担持されるが、電荷を有さないSPGはカラムに担持されず溶出される。次にカラムに溶離液(1M Tris−塩酸緩衝液)を流し、担持されたDNA及び複合体を溶出させる。
本実験ではTNF−αに対するアンチセンスDNAの3’末端側にdA40あるいはdA60を付加させたDNAを用いて、実施例1に従い複合体を調製し、陰イオン交換カラムに通し、PBSでカラムを洗浄(900μL)した際に溶出されたもの(陰イオン交換カラムに担持されなかった分子)をGPCで確認した。また、SPG溶液に関しても同様の実験を行った。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(屈折率;RI)結果を図9に示す。SPG溶液をカラムに通し、PBSで溶出するとUVにピークは現れずRIでのみピークが見られ、確かにSPGが溶出されたことがわかる(renature SPG)。また、ピーク面積からカラムに入れたSPGの100%が溶出されたことがわかる。dA40、dA60を有するDNAとの複合体ではそれぞれ少量のSPGが溶出されていることがわかる。また、両サンプルともUVのピークは見られないことを確認している。つまり、PBSで洗浄しても核酸は全く溶出されていないことがわかる。カラムに入れたSPG量はそれぞれ同量にしてあるため、SPGの溶出量が少ない複合体(dA60)の方が、複合化率が高いことがわかる。
PBSによる洗浄の後に、核酸を溶出させるために1M Tris−塩酸緩衝液900μLを溶出液として用い、溶出された溶液を同様にGPCで確認した。
測定で得られたGPCのクロマトグラム(RI、吸光度(260nm))結果を図10に示す。RIの結果から、両サンプルともカラム精製前の早い溶出時間(13〜16分に見えているピークがカラム精製後には消えているのがわかる。これは未反応のSPGがカラム精製後に取り除けていると考えられる。また、UVの結果を見ると、カラム精製前後でピークの変化が見られていないことからカラムを通しても複合体からのDNAの解離なしに回収できていることがわかる。また、溶出液としてGPC測定用の溶出液(0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)+0.5M KCl)や0.5M以下のTris−塩酸緩衝液では核酸の溶出が確認されなかった(カラムに担持されたまま)ため、1M Tris−塩酸緩衝液が溶出液として適当と考えられる。

Claims (7)

  1. 核酸を溶解したpH4.0〜8.0の水系緩衝液と、β−1,3−グルカンを溶解した塩基性水溶液とを混合し、インキュベートすることにより、2本のβ−1,3−グルカン分子鎖と1本鎖核酸とからなる3重らせん構造を有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体を調製する工程と、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)及び陰イオン交換クロマトグラフィーの一方又は双方を用いて前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を含有する溶液を処理することにより該β−1,3−グルカン/核酸複合体を形成していないβ−1,3−グルカン及び核酸を除去し、前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を精製する工程とを有するβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  2. 前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を精製する工程において、前記β−1,3−グルカン/核酸複合体を含有する溶液を、まず陰イオン交換クロマトグラフィー、次いでゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で処理することを特徴とする請求項1記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  3. 前記塩基性水溶液として0.1N以上1N以下の水酸化ナトリウム水溶液を用いることを特徴とする請求項1及び2のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  4. 多糖との結合部位として塩基配列(X)[Xは任意のリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドのいずれかを表し、nは自然数を表す。]で表されるポリヌクレオチド鎖を有する核酸を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  5. 前記Xが、デオキシアデノシン(dA)及びシチジン(C)のいずれかであることを特徴とする請求項4記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  6. 前記nの値が20以上80以下であることを特徴とする請求項4及び5のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
  7. 水系緩衝液として、pH4.0〜8.0のリン酸系緩衝液及びトリス系緩衝液から選択される緩衝液を用いることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のβ−1,3−グルカン/核酸複合体の調製方法。
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