JP4084027B2 - マトリックスとの結合サイトを有する多糖 - Google Patents

マトリックスとの結合サイトを有する多糖 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸などの生体高分子を分離し、その精製、検出または測定などを行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子操作やヒトゲノム解析をはじめとする近年のバイオテクノロジーのすさまじい進歩には目を見張るものがある。特に核酸、タンパク質、糖質などは、生命活動の本質をつかさどる物質として医学、化学、農学といった広い領域において研究されている。また、学術的な知見をもとに産業界への応用も急速に広まっている。
【0003】
このようなバイオテクノロジー興隆の時代においては、生物内の微量な有効成分をいかにして大量に分離(単離)し、純度良く精製したり分析することができるかということが重要課題となる。しかし、生体内の物質は微量且つ不安定であることも多く、従来の技術において安価で大量に分離することは困難である。
【0004】
例えば核酸の分離においては、相補的な塩基配列を有するDNA誘導体が分離剤として用いられる。例えば、真核生物のメッセンジャーRNAの分離精製にはオリゴ(dT)をゲル担体に結合して得られるアフィニティーカラムが用いられる。真核生物のメッセンジャーRNAは末端にポリ(A)からなる尾部を有するのでオリゴ(dT)と相補的二重鎖を形成し、アフィニティーカラム中に選択的に保持される。この保持されたメッセンジャーRNAは相補的二重鎖が解離する条件下で容易に回収することが出来る。また、ビオチンを末端に修飾したオリゴ(dT)とアビジン修飾固体微粒子を用いることによってもメッセンジャーRNAを分離精製することが出来る。ビオチンは高い親和性を以てアビジンと選択的に結合することが知られている。このことを利用し、ビオチン修飾オリゴ(dT)とメッセンジャーRNAを複合化させた後アビジン修飾固体微粒子を加える事により、メッセンジャーRNAを選択的に固体微粒子上に吸着させることが出来る。しかし、このような核酸誘導体を分離剤として用いた核酸分離法は非常に高価である上に分離剤が加水分解酵素による分解を受けやすい為に寿命が短いことが欠点となっている。
また、タンパク質の分離については、抗体によるアフィニティーカラム、イオン交換カラム、ゲルろ過カラム等が用いられているが、高い分離度でタンパク質が失活することなく分離する条件は非常に限定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、核酸などの生体高分子を簡単且つ効率的に分離することのできる新しい方法とそれに用いられる新しい材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に、β−1,3−グルカンのような多糖が、水素結合や疎水的相互作用を介して、溶液(水溶液)中で核酸と複合形を形成し、且つ、条件変化によりこの複合体が解離することを見出している(J. Am. Chem. Soc., 122巻、4520頁、2000年;Polm. Preprints, Jpn. 49巻、4054頁、2000年他)。本発明者は、このたび、そのような多糖に第三の物質(マトリックス)に対する結合サイトを付与することにより核酸などの生体高分子の効果的な分離を行うことに着目し、本発明を導き出した。
かくして、本発明は、マトリックスとの結合サイトを有する、β−1,3−グルカン誘導体又はβ−1,3−キシラン誘導体から成る結合性多糖を提供するものである。
【0007】
さらに、本発明は、生体高分子を含有する溶液に前記のような結合性多糖を添加して生体高分子と結合性多糖との複合体を形成させる工程、結合性多糖に結合し得るマトリックスを添加して該結合性多糖の結合サイトを介してマトリックスを複合体に結合させる工程、マトリックスが結合した複合体から生体高分子を解離させる工程、を含む生体高分子の分離方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で言うβ−1,3−グルカン又はβ−1,3−キシランとは、グルコースもしくはキシロース環が、β結合で1位と3位の水酸基間が結合した多糖である。このようなβ−1,3−グルカン又はβ−1,3−キシランの典型例は、シゾフィラン、カードラン、レンチナン、パーキマン、グリホラン、ラミナラン、又はスクレログリカンの一般名で知られたもの、及びそれらの共重合体又は混合物である。本発明において用いるβ−1,3−グルカン誘導体又はβ−1,3−キシラン誘導体とは、化学的に純粋な、β−1,3−グルカン又はβ−1,3−キシランを含む化合物の総称であり、具体的には、10重量パーセント以上、好ましくは、20重量パーセント以上、当該多糖を含むものを指称し、特に、分離する生体高分子との親和性や選択性を向上させる為、必要な化学修飾を施したβ−1,3−グルカン又はβ−1,3−キシランを含むものとする。以下このようなβ−1,3−グルカン誘導体又はβ−1,3−キシラン誘導体を「本発明の多糖」と言うことがある。
【0009】
さらに、本発明の多糖は、一般に、その重量平均分子量が、100以上、さらに好ましくは1000以上、最もこの好ましくは2000以上であるが、この分子量の値は無論、補捉する(分離する)生体高分子の種類によって異なる。
また、本発明で言う、「結合性多糖」とは、本発明の多糖に後述のマトリックスとの結合部位を付与した化合物を指称する。勿論、本発明の多糖が本来的にマトリックスと直接相互作用する性質を有する場合は、本発明の多糖そのものが「結合性多糖」となりうる。
【0010】
本発明で用いるマトリックスとは、結合性多糖と結合し、結合性多糖の取扱を容易にしたり、結合性多糖を集合、配列させたりする為に適した固体微粒子、固体基板、高分子、分子集合体のことを指称する。具体例としてはラテックス、磁性微粒子、金属コロイド、シリカゲル、高分子ゲル、金属基板、シリコンチップ等をマトリックスとして使用することが出来る。さらに、各種のポリペプチド誘導体、合成ポリマー、生体ポリマー、ベシクル、低分子ゲル、細胞、細胞膜等もマトリックスとして使用することが出来るがこれらに限られるものではない。これらのマトリックスには、後に述べる様式に準じて結合性多糖との相互作用部位を導入することもできる。
【0011】
結合性多糖はマトリックスとの結合サイト(結合部位)を有し、マトリックスと相互作用しマトリックスに結合するようになっている。その相互作用は非共有結合でも共有結合でもかまわない。非共有結合の例としては水素結合、静電的相互作用、疎水的相互作用、物理的吸着等が挙げられる。これらの相互作用を有する物質の組み合わせとしては、相補的な核酸塩基対、蛋白質−リガンド、レクチン−糖、カチオン−アニオン等が挙げられる。例えば、本発明の好ましい態様の1つとして、ビオチンを修飾することによりマトリックスとの結合サイトが付与されている結合性多糖を用いる場合には、マトリックスとしてアビジンを修飾した微粒子、例えばクロンテック社のストレプトアビジン修飾磁性微粒子を使用することができる。
【0012】
共有結合の例としては、本発明の多糖の糖鎖の還元末端、側鎖、主鎖の未反応水酸基をマトリックスの適当な官能基と結合させる方法が挙げられる。糖鎖の還元末端を結合部位とする場合は、例えばアミノ基を有するマトリックスとの結合が可能である。また、主鎖や側鎖の未反応水酸基に導入する場合は、例えば水酸基、カルボキシル基を有するマトリックスとの結合が可能である。また、必要ならば適当なスペーサーを入れてもよい。このようなスペーサーとしては例えばブタンジアミンや各種アミノ酸等の2官能性化合物を利用することができる。また、本発明の多糖及びマトリックスにそれぞれ互いに反応しうる官能基を導入しておき、化学結合により固定化することが出来る。本発明の多糖及びマトリックスに導入する官能基としては、アミノ基、アルデヒド基、カルボニル基、チオール基等が例示される。例えば、本発明の好ましい態様の1つとして、チオール部位(チオール基)を修飾することによりマトリックスとの結合サイトが付与されている結合性多糖は、金コロイドと結合することが可能である。
【0013】
β−1,3−グルカン誘導体又はβ−1,3−キシラン誘導体から成る本発明の結合性多糖は、生体高分子と多点での水素結合や疎水的相互作用を介して相互作用する。すなわち、本発明の多糖と相互作用しそれによって分離される生体高分子とは、複数の水素結合部位と疎水性部位を有するものを指す。このような生体高分子としては、核酸、蛋白質、多糖等が例示される。核酸にはチオ核酸やペプチド核酸のような核酸類似物も含まれる。本発明が対象とする好ましい生体高分子としては、蛋白質、核酸が、特に好ましい生体高分子としては核酸が挙げられる。
【0014】
また、本発明の多糖に化学修飾を施すことで生体高分子との相互作用を増強させたり、選択性を高めたりすることも可能である。例えば、多糖にカチオン電荷を導入することによりアニオン性高分子との相互作用を高めることが出来る。また、コレステロール等の疎水基を導入することにより疎水的相互作用の高い生体高分子との複合体形成能を高めることが出来る。
【0015】
本発明の結合性多糖を用いれば、簡単且つ効率的に、上述のような生体高分子分離して、その精製、検出(定性分析)、測定(定量分析)等に用いることができる。図1は、本発明の結合性多糖を用いて生体高分子の分離精製を行う様子を模式的に示すものである。図に示されるように、はじめに目的の生体高分子を含む溶液に結合性多糖を加え、目的の生体高分子と結合性多糖とからなる複合体を形成させる。次に結合性多糖と結合する性質を有する固体微粒子(マトリックス)を加え、目的分子と結合性多糖の複合体を固体微粒子表面に結合させる。適切な溶媒で洗浄することにより、不要物質を除去した後、複合体を解離させることにより、目的の生体高分子を分離することが出来る。目的の生体高分子は、固体微粒子上に吸着、洗浄した後、結合性多糖との複合体を解離させることで回収することが出来る。結合性多糖からの解離は、溶液の温度変化、pH変化、塩強度の変化や、アミン等の添加により行うことができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の特徴を更に明らかにするため実施例及び比較例を示すが、これらの例は本発明を例示するためのものであり、本発明を制限するためのものではない。
実施例1は本発明の結合性多糖の代表例としてシゾフィランへのビオチン部位の導入方法を示す。実施例2は得られたビオチン化シゾフィランを用いて、溶液中からの単一配列RNAの回収実験について示す。実施例3はビオチン化シゾフィランを用いてRNA混合物からメッセンジャーRNAを分離精製した例について示す。実施例4は本発明の多糖の1種であるカードランへのビオチン部位の導入方法を示す。更に実施例5ではビオチン化カードランを用いてRNA混合物からメッセンジャーRNAを分離精製した例について示す。実施例6では、本発明の結合性多糖の別の例としてチオール基を修飾したシゾフィランがマトリックスである金コロイド微粒子に結合する例について示す。実施例7では、本発明の結合性多糖の更に別の例としてチオール基を修飾したカードランが金コロイド微粒子(マトリックス)に結合する例について示す。比較例1では固体微粒子に結合しないシゾフィラン(未修飾シゾフィラン)を用いて実施例2と同様の実験を行った。比較例2では従来のメッセンジャーRNA精製法であるビオチン化オリゴ(dT)によるRNA混合物からのメッセンジャーRNAの分離、精製について示す。
【0017】
実施例1 ビオチン化シゾフィランの合成
図2のスキームに従い、ビオチン化シゾフィランを合成した。
(アミノ化シゾフィランの合成)
シゾフィラン(分子量20000−1000)100mg、ジアミノブタン 100mg、シアノボロハイドレートナトリウム塩 150mgをリン酸二カリウム水溶液 (200mM) 10mlに溶解させた。80℃で26時間振とう後、透析膜を用いて精製した。得られた水溶液を凍結乾燥してアミノ化シゾフィランを得た。
(ビオチン化シゾフィランの合成)
アミノ化シゾフィラン50mg、D−ビオチン50mg、トリエチルアミン45mg、ジフェニルホスホロアジデート250mgをジメチルスルホキシド(DMSO)2mlに溶解させた。室温で12時間撹拌後、アセトンを加え再沈殿操作を行った。得られた沈殿をDMSOに溶解し水中で透析を行った。得られた溶液を凍結乾燥することでビオチン化シゾフィランを得ることが出来た。
【0018】
実施例2 ビオチン化シゾフィランによる単一RNAの回収
RNA水溶液100μl(2.5×10-5mol dm-3/塩基換算、pH7.5, 塩強度50mM)にビオチン化シゾフィラン (1.125×10-4mol dm-3/繰り返し単位、ジメチルスルホキシド溶液) 5μl を加え、5℃で1晩以上熟成させた。溶液にアビジン磁性微粒子懸濁溶液0.6mlを加え、1時間振とうした。溶液を除去後、アビジン磁性微粒子を100μlの洗浄用緩衝液(pH7.5, 塩強度50mM)で2回洗浄した。その後、100μlの溶出用緩衝液 (pH6.0, 200mM)を加え、60℃に加熱し、溶液を回収した。この操作を3回繰り返した。洗浄用緩衝液及び回収用緩衝溶液に含まれるRNAの量を吸収スペクトル測定により定量した。RNAの回収率を以下の式で求めた。RNAにはポリ(C)、ポリ(A)、ポリ(G)を用いた。
RNAの回収率(%)=(回収用緩衝溶液に含まれるRNA)/[(洗浄用緩衝溶液に含まれるRNA)+(回収用緩衝溶液に含まれるRNA)]
【0019】
比較例1 未修飾シゾフィランによる単一RNAの回収
ビオチンを導入していない未修飾シゾフィラン(分子量20000-1000)を用いて実施例2と同様の操作を行った。
実施例2および比較例1の結果を図3に示す。図3に示すように本発明に従うビオチン化シゾフィランを用いるとRNAの種類に応じた選択的なRNA回収を行うことができる。
【0020】
実施例3 ビオチン化シゾフィランによるRNA混合物からのメッセンジャーRNAの分離、精製
酵母由来のRNA混合物0.1mgを緩衝液(pH7.5, 塩強度50mM)100μlに溶解させた。ビオチン化シゾフィラン ジメチルスルホキシド溶液1μl を加え、5℃で1晩以上熟成させた。溶液にアビジン磁性微粒子懸濁溶液0.6mlを加え、15分間振とうした。溶液を除去後、アビジン磁性微粒子を100μlの洗浄用緩衝液(pH7.5, 塩強度50mM)で3回洗浄した。その後、10又は100μlの溶出用緩衝液 (pH6.0, 200mM)を加え、60℃に加熱し、溶液を回収した。この操作を2回繰り返した。回収用緩衝溶液に含まれるRNAの量を吸収スペクトル測定により定量した。また、ゲル電気泳動測定により、回収したRNAはメッセンジャーRNAであることを確認した。
【0021】
実施例4 ビオチン化カードランの合成
シゾフィランの代わりにカードラン(分子量20000-1000)を用い、実施例1と同様の操作を行う事でビオチン化カードランを得ることが出来た。
【0022】
実施例5 ビオチン化カードランによるRNA混合物からのメッセンジャーRNAの分離、精製
ビオチン化シゾフィランの代わりにビオチン化カードランを用い、実施例3と同様の操作を行う事でメッセンジャーRNAの分離精製を行うことが出来た。
【0023】
比較例2 ビオチン化オリゴ (dT) によるメッセンジャーRNAの分離精製
酵母由来のRNA混合物0.1mgを蒸留水500μlに溶解させた。65℃で10分間放置した後、ビオチン化オリゴ(dT)溶液 3μl、20倍SSC溶液13μl を加え、室温まで冷却した。溶液にアビジン磁性微粒子懸濁溶液0.6mlを加え、10 分間振とうした。溶液を除去後、アビジン磁性微粒子を300μlの0.1倍SSC溶液で4回洗浄した。その後、100μlの蒸留水を加え70℃に加熱し、溶液を回収した。この操作を2回繰り返した。回収用緩衝溶液に含まれるRNAの量を吸収スペクトル測定により定量した。また、ゲル電気泳動測定により、回収したRNAはメッセンジャーRNAであることを確認した。
実施例3、実施例5および比較例2の結果を図4に示す。本発明に従う結合性多糖であるビオチン化シゾフィランおよびビオチン化カードランを用いることにより、従来から確立されたオリゴ(dT)と比べて遜色ない高収率でメッセンジャーRNAを分離できることが理解される。
【0024】
実施例6 チオール化シゾフィランの合成および金コロイド微粒子への結合
(ラクトン化シゾフィランの合成)
ヨウ素3gを500mlの水に溶解し、40℃に加熱した。ここにシゾフィラン(分子量20000-1000)1gを水200mlに溶解させた液を加え、4%水酸化カリウム水溶液を滴下し、ヨウ素の色が消えたところで滴下をやめた。溶液を透析し不純物を除いた後、凍結乾燥した。
(チオール化シゾフィランの合成)
ラクトン化シゾフィラン500mg、8−アミノオクタチオール100mgを脱水したジメチルスルホキシドに溶解し、窒素気流下で60℃24時間撹拌した。溶液を透析し不純物を除いた後、凍結乾燥した。
(チオール化シゾフィランの金コロイド微粒子への結合)
チオール化シゾフィラン(10mg)、金コロイド100mgを脱水したジメチルスルホキシドに溶解し、窒素気流下で60℃48時間撹拌した。溶液を透析し不純物を除いた後、凍結乾燥することにより、金コロイド微粒子にチオール化シゾフィランが結合されていることが確認された。
【0025】
実施例7 チオール化カードランの合成および金コロイド微粒子への結合
シゾフィランの代わりにカードランを用い、実施例3と同様の操作を行う事でチオール化カードランを合成し、金コロイド表面に結合させることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う結合性多糖を用いて生体高分子の分離精製を行う様子を模式的に示す。
【図2】本発明に従う結合性多糖の合成スキームの一例を示す。
【図3】単一配列のRNAをビオチン化シゾフィランを用いて回収した場合の回収率を未修飾シゾフィランを用いた場合と比較して示す。
【図4】ビオチン化シゾフィラン及びビオチン化カードランを用いて、RNA混合物からメッセンジャーRNAを分離精製した時の収率を示す。比較のために従来から知られたビオチン化オリゴdTを用いた分離精製法による収率も示す。
【図5】本発明に従うビオチン化シゾフィランを用いて得られたメッセンジャーRNAのゲル電気泳動結果を示し、不純物が除去されていることを示す。

Claims (5)

  1. アミノ化シゾフィランまたはアミノ化カードランとビオチンがアミド結合して製造されたビオチンで修飾されたシゾフィランまたはカードランから成り、該ビオチンがマトリックスとの結合サイトとして該マトリックスと結合するようになっていることを特徴とする結合性多糖。
  2. ラクトン化シゾフィランまたはラクトン化カードランと8−アミノオクタチオールがアミド結合して製造されたチオール基を有するシゾフィランまたはカードランから成り、該チオール基がマトリックスとの結合サイトとして該マトリックスと結合するようになっていることを特徴とする結合性多糖。
  3. 生体高分子を含有する溶液に請求項1または請求項2の結合性多糖を添加して生体高分子と結合性多糖との複合体を形成させる工程、結合性多糖に結合し得るマトリックスを添加して該結合性多糖の結合サイトを介してマトリックスを複合体に結合させる工程、マトリックスが結合した複合体から生体高分子を解離させる工程、を含む生体高分子の分離方法。
  4. 生体高分子が核酸またはタンパク質である、請求項3の生体高分子の分離方法。
  5. 生体高分子が核酸である、請求項4の生体高分子の分離方法。
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