JP2009527755A - 固体支持体上にグラフトされた多価マトリックスによる認識モチーフの提示 - Google Patents
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Abstract
本発明は、固体支持体であって、少なくとも1つの認識モチーフに多価形式で結合することを可能にするか、又は少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示する少なくとも1つの分子骨格に結合された固体支持体、このような固体支持体を製造する方法、及び少なくとも1つの固体支持体を含んでなるチップ、特に糖チップに関する。
Description
本発明は、固体支持体上の認識モチーフの固定化に関する。固体支持体上の分子の固定化は特に、生体分子チップ、特に糖チップの製造を可能にすることができる。これらは特に、検出、分析、又はスクリーニング法において有用であり得る。
固体支持体上に分子を固定する数多くの方法が知られている。これらは2つのグループに分類することができる:
− 特に疎水性の水素結合又はイオン結合タイプの非共有結合相互作用を介して、分子を表面上に吸着することから成る非共有結合固定化法。使用される表面は、ニトロセルロース又はポリスチレン樹脂が塗布されたガラスであってよい。
− 分子と支持体との間に共有結合を形成するために、固体支持体上に存在する官能基と、分子上に存在する官能基とを反応させることから成る共有結合固定化法。
− 特に疎水性の水素結合又はイオン結合タイプの非共有結合相互作用を介して、分子を表面上に吸着することから成る非共有結合固定化法。使用される表面は、ニトロセルロース又はポリスチレン樹脂が塗布されたガラスであってよい。
− 分子と支持体との間に共有結合を形成するために、固体支持体上に存在する官能基と、分子上に存在する官能基とを反応させることから成る共有結合固定化法。
固体支持体上に分子を固定化するこれらの方法は、当該認識モチーフ、特に糖の認識に関与する分子の高速分析を可能にする「認識モチーフ・チップ」を製造するために用いることができる。タンパク質の高速分析を可能にする「糖チップ」を一例として挙げることができる。コンベンショナルな方法によって得られる「認識モチーフ・チップ」は、或る特定の分子、例えば低親和性タンパク質に関する検出レベルが不十分であるおそれがある。例えば、レクチンに関する或る糖チップの事例を挙げることができる。
従って、これらの認識モチーフとこれらを認識する構造との親和力が改善された、認識モチーフを提示する固定支持体が必要である。
認識モチーフを認識する構造は、分子又は化合物の部分、分子又は化合物、或いは、これらの分子、化合物、又は分子又は化合物の部分を含んでなる超構造、特にターゲット分子又は化合物であることが可能である。これらの超構造は、例えば細胞又は微生物、例えばバクテリア又はウィルスであることが可能である。
認識モチーフを認識する構造は、分子又は化合物の部分、分子又は化合物、或いは、これらの分子、化合物、又は分子又は化合物の部分を含んでなる超構造、特にターゲット分子又は化合物であることが可能である。これらの超構造は、例えば細胞又は微生物、例えばバクテリア又はウィルスであることが可能である。
このようにして、本発明者は、認識モチーフが特定の分子骨格を介してその上に固定される固体支持体が、或る特定の構造、例えばターゲット分子又は化合物の検知閾値を改善するのを可能にすることができることを発見した。
従って、第1の観点によれば、本発明の対象は、固体支持体であって、少なくとも1つの認識モチーフに多価形式で結合することを可能にするか、又は少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示する少なくとも1つの分子骨格に結合された固体支持体である。
本発明の意味において、「分子骨格」は、一方では固体支持体に結合することができ、そして他方では、特に共有結合の形で、少なくとも1つの認識モチーフに結合することができる分子を意味する。
本発明の意味において、「分子骨格」は、一方では固体支持体に結合することができ、そして他方では、特に共有結合の形で、少なくとも1つの認識モチーフに結合することができる分子を意味する。
本発明の意味において、「多価形式で結合」は、それぞれが、少なくとも1つの認識モチーフに結合されたいくつかの結合を意味する。
本発明の意味において、分子骨格が「多価形式で結合」されているとは、分子骨格が、いくつかの認識モチーフに、具体的には同じ認識モチーフに数回にわたって、具体的にはいくつかの結合を介して結合されていることを意味する。
本発明の意味において、分子骨格が「多価形式で結合」されているとは、分子骨格が、いくつかの認識モチーフに、具体的には同じ認識モチーフに数回にわたって、具体的にはいくつかの結合を介して結合されていることを意味する。
より具体的には、各認識モチーフは、結合によって分子骨格に結合されている。
本発明の意味において、「認識モチーフ」とは、少なくとも1つの他の分子又は化合物、或いは分子又は化合物の一部によって認識することができる、又はこれらと複合体を形成することができる任意のタイプの分子又は化合物を意味する。化合物のうちでは、下記のものをより具体的に挙げることができる:細胞上又は細胞内に存在する受容体、タンパク質、酵素、及び分子。
本発明の意味において、「認識モチーフ」とは、少なくとも1つの他の分子又は化合物、或いは分子又は化合物の一部によって認識することができる、又はこれらと複合体を形成することができる任意のタイプの分子又は化合物を意味する。化合物のうちでは、下記のものをより具体的に挙げることができる:細胞上又は細胞内に存在する受容体、タンパク質、酵素、及び分子。
具体的には、この固体支持体又はチップは、具体的には認識モチーフとの親和性を有する化合物又は存在物に対する優れた検知閾値、より具体的には、前記支持体又はチップによって検出することができる、又は検出されるべき化合物又は物質に関連する優れた検知閾値を有する。
この検知閾値は、1mM以下、具体的には0.5mM以下、特に0.2mM以下、より具体的には0.1mM以下、おそらく実際には0.08mM以下、又はさらに0.05mM以下、おそらく実際にさらにより具体的には0.01mM以下であることが可能である。
この検知閾値はまた、検出されるべき化合物又は存在物が内在する溶液又は懸濁液としての組成物の容積に対する、検出されるべき化合物又は存在物の重量として、1000マイクログラム/ml以下、具体的には500マイクログラム/ml以下、特に200マイクログラム/ml以下、より具体的には100マイクログラム/ml以下、おそらく実際には50マイクログラム/ml以下、又はさらに20マイクログラム/ml以下、おそらく実際にさらにより具体的には10マイクログラム/ml以下であることが可能である。
図1は、例1において得られた板を示す概略図である。
図2は、例2において得られた、ラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる直接標識付けを示す写真である。
図3は、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる直接標識付けを示す写真である。
図4は、例4において得られた板を示す概略図である。
図5は、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる標識付け後、スキャナーを使用して例4で得られた板を示す写真である。
図6は、分子骨格によるガラス板の官能化、酸化、リガンド(それぞれN−アセチルガラクトース及びマンノース)の堆積、次いで標識付けによる視角化を示す図である。
図2は、例2において得られた、ラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる直接標識付けを示す写真である。
図3は、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる直接標識付けを示す写真である。
図4は、例4において得られた板を示す概略図である。
図5は、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンによる標識付け後、スキャナーを使用して例4で得られた板を示す写真である。
図6は、分子骨格によるガラス板の官能化、酸化、リガンド(それぞれN−アセチルガラクトース及びマンノース)の堆積、次いで標識付けによる視角化を示す図である。
分子骨格は、認識モチーフとのいくつかの結合を有することができ;分子骨格は具体的には、いくつかの同一の認識モチーフと、或いは、いくつかの異なる認識モチーフと数回にわたって結合することができる。
上記式中、CMは分子骨格を表し、そしてMR1、MR2、MR3...、MRnはそれぞれ同一又は異なる認識モチーフを表し、nは、1よりも大きい、特に2以上、具体的には3以上、おそらく実際には4以上であり、且つ特に32以下、具体的には24以下、より具体的には16以下、おそらく実際には8以下である整数を表す。
多価グラフトは、分子骨格と固体支持体との間のリンク又は結合の数に対する、分子骨格と認識モチーフとの間のリンク又は結合の数の比によって定義することもできる。この場合、この比は1よりも大きく、特に2以上、具体的には3以上、おそらく実際には4以上である。
具体的な実施態様によれば、分子骨格は少なくとも2つの面、特に2つの面を有している。より具体的には、この分子骨格は、特に2つの面、すなわち上面と下面とを画定するシクロペプチドであることが可能である。
分子骨格は、その上面上にグラフトされたいくつかの認識モチーフを提示することができ、特に数回、同じ又は異なる認識モチーフがそれぞれ1回又は2回以上にわたってグラフトされる。
分子骨格は、その上面上にグラフトされたいくつかの認識モチーフを提示することができ、特に数回、同じ又は異なる認識モチーフがそれぞれ1回又は2回以上にわたってグラフトされる。
固体支持体は分子骨格に、特にその下面によって、具体的には少なくとも1つの共有結合によって、より具体的にはオキシム結合によって結合されている。
本発明において使用することができる分子骨格のうちでは、国際公開第2004/026894号パンフレットに記載されたものを挙げることができる。
本発明において使用することができる分子骨格のうちでは、国際公開第2004/026894号パンフレットに記載されたものを挙げることができる。
分子骨格は、5、10又は14個のアミノ酸残基、特にシクロデカペプチドを形成する10個のアミノ酸から形成されたシクロペプチドであることが可能である。このシクロペプチドは、少なくとも1つのベンド、特に鎖(L)Pro−(D)AA、又は(D)Pro−(L)AAを形成するために特に2つのベンドを有することができる。このシクロペプチドは中心対称性を有することもできる。
シクロペプチドは、10個又は14個のアミノ酸残基を有し、そして2つのベンドを形成することができ、それぞれのベンドは、(L)Pro−(D)AA、又は(D)Pro−(L)AAの組み合わせによって形成され、AAはアミノ酸であり、そして好ましくはグリシンであり、これら2つのベンドは、3つ及び/又は5つのアミノ酸残基によって分離されている。
頭文字AAによって上に表されたベンドのアミノ酸残基は、プロリン以外の、そして対向する立体化学的配置を有するアミノ酸残基であってよく、この残基は具体的にはグリシン残基であってよい。
ベンドは、アミノ酸残基によって、特に奇数のアミノ酸残基によって、そして具体的には、シクロデカペプチドの場合には3つのアミノ酸、及び/又はシクロテトラデカペプチドの場合には5つのアミノ酸によって分離されている。
3つ及び/又は5つのアミノ酸残基はそれぞれ、保護基によって直角方向に保護された化学官能基を有することができる。これらのアミノ酸の側鎖の保護基は、前記骨格の正中面の各側を交互に延びており、そしてこの平面に対していわゆる下面及び上面を画定する。
具体的には、分子骨格は、下記式(I):
を有するシクロデカペプチドであり、
上記式中Yは、固体支持体との結合を形成する化学的存在物を表し、そしてX1、X2、X3、及びX4はそれぞれ互いに独立して、少なくとも1つの認識モチーフに結合することを可能にする、又はこれに結合している、保護又はマスクされた又はされていない化学的存在物を表す。
上記式中Yは、固体支持体との結合を形成する化学的存在物を表し、そしてX1、X2、X3、及びX4はそれぞれ互いに独立して、少なくとも1つの認識モチーフに結合することを可能にする、又はこれに結合している、保護又はマスクされた又はされていない化学的存在物を表す。
「保護された化学的存在物」は、保護基を担持する化学的存在物を意味する。これらの基は、当業者に従来より知られており、そして参考文献、特に“Protective Groups in Organic Synthesis」(T.W. Green, P.G.M. Wuts著、Wiley Interscience, New York, 1999)に記載されている。
「マスクされた化学的存在物」は、前記化学的存在物を隠すことを可能にする基又は残基を担持する化学的存在物を意味する。このような残基は、アミノ酸残基、例えばセリン残基であってよい。
より具体的には、X1、X2、X3、X4、及びYは、アミン、ヒドロキシル、チオール、及びヒドラジド官能基を含んでなる基から選択された少なくとも1つの官能基、具体的にはアルデヒド及びオキシアミンを担持する物質を表すことができる。
固体支持体は特に、板、特にウェル板、ビード、特に多孔質体、特にミクロビード、チャネル、特に毛管又はチャンバ、例えば、ミクロ構造表面を有するミクロ成分を構成する閉じた空洞、又はナノ構造、特にカーボンナノチューブの形態を成すことができる。
固体支持体は特に、板、特にウェル板、ビード、特に多孔質体、特にミクロビード、チャネル、特に毛管又はチャンバ、例えば、ミクロ構造表面を有するミクロ成分を構成する閉じた空洞、又はナノ構造、特にカーボンナノチューブの形態を成すことができる。
固体支持体は特に、ガラス、ケイ素、半導体酸化物、例えば酸化ケイ素、プラスチック、金、金属酸化物、特に例えば酸化インジウム及び酸化錫、ゾル−ゲル、希土類、及び有機(炭素系)集合体、例えばカーボンナノチューブを含んでなる群から選択された少なくとも1種の材料を含んでなるか、又はこのような材料から成ることができる。
固体支持体は分子骨格に直接的又は間接的に結合することができる。
固体支持体は分子骨格に直接的又は間接的に結合することができる。
「間接的に結合」とは、スペーサが前記物質のそれぞれに結合されていること、さもなければ、結合が少なくとも1つのスペースを介して形成されていることを意味する。
スペーサは、これが付着されるべき物質と結合することができるいかなるタイプの分子であってもよい。具体的には、スペーサは、1〜20個の原子、特に2〜15個の原子、具体的には4〜10個の原子によって2つの物質を分離する分子であることが可能である。より具体的には、スペーサは、場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素、又はリンを含む炭素質主鎖を有している。
スペーサは、これが付着されるべき物質と結合することができるいかなるタイプの分子であってもよい。具体的には、スペーサは、1〜20個の原子、特に2〜15個の原子、具体的には4〜10個の原子によって2つの物質を分離する分子であることが可能である。より具体的には、スペーサは、場合によっては少なくとも1つのヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素、又はリンを含む炭素質主鎖を有している。
分子骨格は、少なくとも1つの結合、特に共有結合によって固体支持体に結合されており、この分子骨格は、例えばエーテル、エステル、アミン、アミド、チオエーテル、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合を含んでなる群から選択することができる。
具体的に実施態様によれば、固体支持体は、オキシム結合を介して分子骨格に結合されている。
認識モチーフは種々異なるタイプであってよく、本発明に基づいて使用可能な認識モチーフのうち、関心が持たれる分子、特に生物学的関心が持たれる分子を挙げることができる。
認識モチーフは種々異なるタイプであってよく、本発明に基づいて使用可能な認識モチーフのうち、関心が持たれる分子、特に生物学的関心が持たれる分子を挙げることができる。
認識モチーフのうち、下記のものを挙げることができる:糖、具体的には単糖又はオリゴ糖、核酸、ペプチド、タンパク質、並びに「混合」分子、例えば糖ペプチド、糖タンパク質、又はリン脂質、又は有機分子、具体的には治療又は診断上、関心が持たれる有機分子、及びこれらの混合物を含んでなる群から選択された分子。
単糖、及び具体的にはオリゴ糖を含んでなる単糖又はオリゴ糖内に含まれる単糖のうち、下記のものを挙げることができる:グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、フコース、グルコサミン、ガラクトースアミン、マンノースアミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトースアミン、N−アセチルマンノースアミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、N−アセチルノイラミン酸、及び3−デオキシ−D−マンノ−2−オクツロソン酸。
認識モチーフは、分子骨格に直接的又は間接的に結合することができる。
認識モチーフは、少なくとも1つの共有結合によって、分子骨格に結合することができ、これは、エーテル、エステル、アミン、アミド、チオエーテル、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合の中から選択することができる。
認識モチーフは、少なくとも1つの共有結合によって、分子骨格に結合することができ、これは、エーテル、エステル、アミン、アミド、チオエーテル、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合の中から選択することができる。
具体的な実施態様によれば、認識モチーフは、オキシム結合を介して分子骨格に結合されている。
本発明の別の観点によれば、本発明の別の対象は、少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を含んでなる固体支持体を製造する方法であって、少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を固体支持体上にグラフトすることから成る工程を少なくとも含んでなる、方法である。
本発明の意味において、「グラフトされる」とは、特に共有結合タイプの結合が、2つの化学的存在物の間に形成されることを意味する。
本発明の別の観点によれば、本発明の別の対象は、少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を含んでなる固体支持体を製造する方法であって、少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を固体支持体上にグラフトすることから成る工程を少なくとも含んでなる、方法である。
本発明の意味において、「グラフトされる」とは、特に共有結合タイプの結合が、2つの化学的存在物の間に形成されることを意味する。
第1の実施態様によれば、分子骨格/認識モチーフを含んでなる複合体が、固体支持体上にグラフトされる。
この方策は、分子骨格/認識モチーフ、具体的には分子骨格/糖を含んでなる複合体を個々に合成・精製し、次いで、これらを固体支持体上にグラフトすることから成る。
分子骨格によって担持された官能基と、認識モチーフによって担持された官能基とを縮合することから生じる化学結合により、分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることができる。認識モチーフを分子骨格上にグラフトするのを可能にする結合のうち、下記のものを挙げることができる:アミド、エステル、エーテル、アミン、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合。
この方策は、分子骨格/認識モチーフ、具体的には分子骨格/糖を含んでなる複合体を個々に合成・精製し、次いで、これらを固体支持体上にグラフトすることから成る。
分子骨格によって担持された官能基と、認識モチーフによって担持された官能基とを縮合することから生じる化学結合により、分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることができる。認識モチーフを分子骨格上にグラフトするのを可能にする結合のうち、下記のものを挙げることができる:アミド、エステル、エーテル、アミン、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合。
変更形によれば、分子骨格は、固体支持体上に存在する少なくとも1つの官能基と反応することができる少なくとも1つのアルデヒド又はオキシアミン結合を含んでなる。
分子骨格がアミノ酸残基を含んでなる場合、具体的には認識モチーフが糖である事例では、オキシアミンの化学特性を用いて、分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることができる。この場合、分子骨格はカルボニル含有誘導基(アルデヒド又はケトン)を担持することができ、そして糖は、アノマー位置に関してオキシアミン(−ONH2)官能基によって改質することができ、或いはその逆に、糖は、特にその還元末端上にカルボニル含有官能基を担持することができ、そして分子骨格はオキシアミン(−ONH2)官能基を担持することができる。
分子骨格がアミノ酸残基を含んでなる場合、具体的には認識モチーフが糖である事例では、オキシアミンの化学特性を用いて、分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることができる。この場合、分子骨格はカルボニル含有誘導基(アルデヒド又はケトン)を担持することができ、そして糖は、アノマー位置に関してオキシアミン(−ONH2)官能基によって改質することができ、或いはその逆に、糖は、特にその還元末端上にカルボニル含有官能基を担持することができ、そして分子骨格はオキシアミン(−ONH2)官能基を担持することができる。
より具体的には、分子骨格によって担持された少なくとも1つの反応性官能基が、特にセリン残基によって、保護又はマスクされている。
反応性官能基、すなわち認識モチーフと反応するように意図された官能基が保護又はマスクされる場合、反応性官能基を解放するために保護部除去又は再生の工程を行うことが必要である。
反応性官能基、すなわち認識モチーフと反応するように意図された官能基が保護又はマスクされる場合、反応性官能基を解放するために保護部除去又は再生の工程を行うことが必要である。
例えば、分子骨格の上面が1つ又は2つ以上のセリンを担持する場合、これらは、グリオキシル酸アルデヒド(−CO−CHO)官能基を得るように、特に過ヨウ素酸ナトリウムによって酸化することができる。
保護部除去工程の終了時に、次いで分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることが可能である。
保護部除去工程の終了時に、次いで分子骨格上に認識モチーフをグラフトすることが可能である。
認識モチーフは具体的には、オキシム結合を形成するために、分子骨格のアルデヒド官能基と反応することができるオキシアミンを担持する糖であることが可能である。
1変更形によれば、認識モチーフは、スペーサを介して分子骨格上にグラフトすることができる。
1変更形によれば、認識モチーフは、スペーサを介して分子骨格上にグラフトすることができる。
可能なグラフトのタイプのうち、固体支持体上に存在するアルデヒド官能基と、分子骨格の下面上に存在するオキシアミン官能基との反応を挙げることができる。一般に、この反応は効率的且つ選択的であり、そしてオキシム結合を形成させる。
こうして、より具体的には、固体支持体はオキシム結合を介して、分子骨格に結合される。
こうして、より具体的には、固体支持体はオキシム結合を介して、分子骨格に結合される。
認識モチーフを担持する分子骨格を固体支持体上にグラフトする工程は、ほぼ1mMのスポット直径を提供するように手作業で、或いはスポットのサイズを例えば180μmに低減するのを可能にするプログラミング可能な制御装置を使用して、分子骨格/認識モチーフ分子を含んでなる溶液の液滴を堆積させることによって実施することができる。
別の実施態様によれば、分子骨格が固体支持体上にグラフトされ、そして認識モチーフは次に分子骨格上にグラフトされる。
認識モチーフの多価提示を可能にする固体支持体を製造するこの方法は、少なくとも下記工程、すなわち:
− 固体支持体上に分子骨格をグラフトし;
− 分子骨格に認識モチーフをグラフトする
ことから成る工程を含んでなることができる。
この方法は、下記工程、すなわち:
分子骨格と反応しておらず、そして後続の工程を妨害する可能性のある、固体支持体の反応性官能基をマスク及び/又は保護し;そして
認識モチーフと反応するように意図された、分子骨格の反応性官能基から保護部を除去する
ことから成る工程のうちの少なくとも少なくとも1つを含んでなることもできる。
認識モチーフの多価提示を可能にする固体支持体を製造するこの方法は、少なくとも下記工程、すなわち:
− 固体支持体上に分子骨格をグラフトし;
− 分子骨格に認識モチーフをグラフトする
ことから成る工程を含んでなることができる。
この方法は、下記工程、すなわち:
分子骨格と反応しておらず、そして後続の工程を妨害する可能性のある、固体支持体の反応性官能基をマスク及び/又は保護し;そして
認識モチーフと反応するように意図された、分子骨格の反応性官能基から保護部を除去する
ことから成る工程のうちの少なくとも少なくとも1つを含んでなることもできる。
この実施態様は、単一の分子骨格を使用して極めて多様な認識モチーフを提示する支持体の製造を可能にすることができるので、特に有利である。
この場合、認識モチーフ、例えば分子骨格の上面上に存在する認識モチーフと反応するように意図された官能基は、これらの性質により、又はこれらが保護又はマスクされているため、固体支持体上に存在する官能基と反応しない。
この場合、認識モチーフ、例えば分子骨格の上面上に存在する認識モチーフと反応するように意図された官能基は、これらの性質により、又はこれらが保護又はマスクされているため、固体支持体上に存在する官能基と反応しない。
固体支持体上の分子骨格の固定化は、固体支持体によって担持された官能基と、分子骨格によって担持された、具体的には分子骨格の下面上に配置された少なくとも1つの官能基とを反応させることによって、行うことができる。より具体的には、固体支持体によって担持された官能基は、アルデヒド官能基であり、そして分子骨格によって担持された官能基は、オキシム結合を形成させるオキシアミンである。
グラフト工程は、分子骨格を含んでなる溶液を固体支持体上に堆積させることによって行うことができる。堆積は、この支持体の表面全体にわたって、又は或る特定の場所だけで行うことができる。
この分子骨格グラフト工程に続いて、分子骨格と反応していない、固体支持体の反応性官能基をマスクするのを可能にする工程を、例えば反応していないアルデヒド官能基をマスクするために固体支持体をヒドロキシルアミン溶液と接触させることによって、行うことができる。
1変更形によれば、前記分子骨格の少なくとも1つの反応性官能基との反応によって、分子骨格上に少なくとも1つの認識モチーフがグラフトされる。
本発明による方法は、認識モチーフを特異的には認識しないタンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)を吸収することから成ることができる飽和工程を含んでなっていてもよい。この工程は特に、例えば被検出タンパク質による認識モチーフの認識ステップ中に表面上にタンパク質又はターゲットが非特異的に吸収されるのを回避することを可能にすることができる。この飽和工程は、バックグラウンド・ノイズを低減するのを可能にすることができる。
本発明による方法は、認識モチーフを特異的には認識しないタンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)を吸収することから成ることができる飽和工程を含んでなっていてもよい。この工程は特に、例えば被検出タンパク質による認識モチーフの認識ステップ中に表面上にタンパク質又はターゲットが非特異的に吸収されるのを回避することを可能にすることができる。この飽和工程は、バックグラウンド・ノイズを低減するのを可能にすることができる。
本発明の別の観点によれば、本発明のさらに別の対象は、上記少なくとも1つの固体支持体、又は上記方法によって得られる少なくとも1つの固体支持体を含んでなるチップである。
チップは具体的には、特に糖の認識に関与するタンパク質の高速分析において主な重要性を有する糖チップであることが可能である。認識モチーフとして作用することができる残基のうち、下記のものを挙げることができる:多くの病理、例えば癌(糖に基づく腫瘍マーカーの存在)、AIDS、又は、場合によっては認識モチーフ、例えば受容体をサッカリド・モチーフとともに表面に提示する病原体又はバクテリア性因子による攻撃から生じるその他の病理に関与する配糖体残基を挙げることができる。
これらのチップを使用して生体液中の抗原、バクテリア、及びウィルスを探索することを考えることもできる。
本発明は、水又は空気中の病原体の検出という脈絡の中で用いることもできる。
本発明は、高速スクリーニングという脈絡の中で、糖の認識に基づいて細胞受容体のアンタゴニスト又はアゴニストを認識することを通して医薬を発見する上で利用することもできる。
本発明は、水又は空気中の病原体の検出という脈絡の中で用いることもできる。
本発明は、高速スクリーニングという脈絡の中で、糖の認識に基づいて細胞受容体のアンタゴニスト又はアゴニストを認識することを通して医薬を発見する上で利用することもできる。
天然の糖、また合成の糖に関しても、その特異性及び親和性を研究するために、本発明を利用することもできる。生物内部の認識に関与する細胞及び/又はタンパク質のタイプの特定、及び糖の構造との相関も考えられる。
本発明はまた、具体的には糖を用いて表面を官能化するために、少なくとも1つの認識モチーフに多価形式で結合することを可能にするか、又は少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示する分子骨格を使用することに関する。
以下の例は、説明のために提供するものであり、いかなる状況においても、本発明の限定をもたらすことはできない。
以下の例は、説明のために提供するものであり、いかなる状況においても、本発明の限定をもたらすことはできない。
例
例1:レクチンの検出を可能にするチップの調製
下記のものを調製した:
− 下記式(II):
(上記式中X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、−NHCOCH=NORを表し、Rはラクトースを表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)
を有する30μMの化合物(A)を含んでなる水溶液(A);
− 30μMのR−ONH2(Rはラクトースを表す)を含んでなる水溶液(B);
− 上記式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、−NHCOCH=NORを表し、Rは−N−アセチルガラクトースを表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)を有する30μMの化合物(C)を含んでなる水溶液(C);及び
30μMのR−ONH2(Rは−N−アセチルガラクトースを表す)を含んでなる水溶液(D)。
例1:レクチンの検出を可能にするチップの調製
下記のものを調製した:
− 下記式(II):
を有する30μMの化合物(A)を含んでなる水溶液(A);
− 30μMのR−ONH2(Rはラクトースを表す)を含んでなる水溶液(B);
− 上記式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、−NHCOCH=NORを表し、Rは−N−アセチルガラクトースを表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)を有する30μMの化合物(C)を含んでなる水溶液(C);及び
30μMのR−ONH2(Rは−N−アセチルガラクトースを表す)を含んでなる水溶液(D)。
これらの組成物それぞれの液滴を手作業で、又はロボット(例えば、圧電ピペット、例えばPackard Instrument BioChip Arrayer 1を備えている)によって、例えば書類EN 0016940に記載された方法に従って製造された、アルデヒドによって官能化されたガラス板の一部の上に堆積させる。
得られた板を図1に概略的に示す:
− ラインAは、溶液(A)で得られたスポットを表し;
− ラインBは、溶液(B)で得られたスポットを表し;
− ラインCは、溶液(C)で得られたスポットを表し;
− ラインDは、溶液(D)で得られたスポットを表す。
得られた板を図1に概略的に示す:
− ラインAは、溶液(A)で得られたスポットを表し;
− ラインBは、溶液(B)で得られたスポットを表し;
− ラインCは、溶液(C)で得られたスポットを表し;
− ラインDは、溶液(D)で得られたスポットを表す。
例2:例1から得られたチップによる、ラクトース特異的なFITC−レクチンの検出
次に、例1から得られたチップの直接標識付けを、ラクトース特異的なFITC−レクチンで実施する。多価形式、この場合には四価形式でラクトース認識モチーフを提示するチップの部分による前記レクチンの特異的検出を次いで観察する。結果を図2に示す。
図2から判るように、4つのラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットだけが、30μMのラクトースに対して特異的なFITC−レクチンを検出する。
次に、例1から得られたチップの直接標識付けを、ラクトース特異的なFITC−レクチンで実施する。多価形式、この場合には四価形式でラクトース認識モチーフを提示するチップの部分による前記レクチンの特異的検出を次いで観察する。結果を図2に示す。
図2から判るように、4つのラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットだけが、30μMのラクトースに対して特異的なFITC−レクチンを検出する。
例3:例1から得られたチップによる、N−アセチルガラクトース特異的なFITC−レクチンの検出
例1から得られたチップの直接標識付けを、N−アセチルガラクトース特異的なFITC−レクチンで実施する。多価形式、この場合には四価形式でN−アセチルガラクトース認識モチーフを提示する板の部分による前記レクチンの特異的検出を次いで観察する。結果を図3に示す。
例1から得られたチップの直接標識付けを、N−アセチルガラクトース特異的なFITC−レクチンで実施する。多価形式、この場合には四価形式でN−アセチルガラクトース認識モチーフを提示する板の部分による前記レクチンの特異的検出を次いで観察する。結果を図3に示す。
図3から判るように、4つのN−アセチルガラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットだけが、30μMのN−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンを検出する。
例4:分子骨格、次いで認識モチーフがグラフトされた固体支持体の調製
式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、セリン残基を表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)と一致する50μMの分子骨格(E)を含んでなる水溶液(E)を調製する。
アルデヒド基を担持するガラス板を、分子骨格溶液(E)中にこれを浸すことにより官能化する。
次いで、ヒドロキシルアミンと反応していない、ガラス板のアルデヒド官能基を、前記板を10mMヒドロキシルアミン溶液中に浸すことにより反応させることから成る、いわゆる飽和工程を実施する。
式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、セリン残基を表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)と一致する50μMの分子骨格(E)を含んでなる水溶液(E)を調製する。
アルデヒド基を担持するガラス板を、分子骨格溶液(E)中にこれを浸すことにより官能化する。
次いで、ヒドロキシルアミンと反応していない、ガラス板のアルデヒド官能基を、前記板を10mMヒドロキシルアミン溶液中に浸すことにより反応させることから成る、いわゆる飽和工程を実施する。
次いで、板を10mM過ヨウ素酸ナトリウム溶液中に60分間にわたって浸すことにより、セリンを酸化することによってアルデヒドにする。
次いで、−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース溶液の液滴をアノマー炭素上に堆積させる。
次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液による飽和工程を行う。
得られた板を図4に概略的に示す。
最後に、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンで標識付けすることにより、視角化を行い、そしてスキャナーを通過させた。その結果を図5に示す。
図5から判るように、上記のように得られた4つのN−アセチルガラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットが、30μMのN−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンの検出を可能にする。
次いで、−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース溶液の液滴をアノマー炭素上に堆積させる。
次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液による飽和工程を行う。
得られた板を図4に概略的に示す。
最後に、N−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンで標識付けすることにより、視角化を行い、そしてスキャナーを通過させた。その結果を図5に示す。
図5から判るように、上記のように得られた4つのN−アセチルガラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットが、30μMのN−アセチルガラクトースに対して特異的なFITC−レクチンの検出を可能にする。
例5:分子骨格、次いで認識モチーフがグラフトされた固体支持体の調製
式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、セリン残基を表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)と一致する50μMの分子骨格(E)を含んでなる水溶液(E)を調製する。
アルデヒド基を担持するガラス板を、分子骨格溶液(E)中にこれを浸すことにより官能化する。
次いで、ヒドロキシルアミンと反応していない、ガラス板のアルデヒド官能基を、前記板を10mMヒドロキシルアミン溶液中に浸すことにより反応させることから成る、いわゆる飽和工程を実施する。
式(II)(X1、X2、X3、及びX4はそれぞれ、セリン残基を表し、そしてZは−NHCOCH2ONH2を表す)と一致する50μMの分子骨格(E)を含んでなる水溶液(E)を調製する。
アルデヒド基を担持するガラス板を、分子骨格溶液(E)中にこれを浸すことにより官能化する。
次いで、ヒドロキシルアミンと反応していない、ガラス板のアルデヒド官能基を、前記板を10mMヒドロキシルアミン溶液中に浸すことにより反応させることから成る、いわゆる飽和工程を実施する。
次いで、板を10mM過ヨウ素酸ナトリウム溶液中に60分間にわたって浸すことにより、セリンを酸化することによってアルデヒドにする。
次いで、−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース又はマンノースの50μMの溶液の液滴をアノマー炭素上に堆積させる。これを30分間にわたって水とともにインキュベートさせておき、次いで、0.2% SDS、次いで再び水で洗浄する。
次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液による飽和工程を行う。
最後に、間接標識付けによって視角化を行う。すなわち、N−アセチルガラクトース又はマンノース(濃度10μg/mL)に対して特異的なレクチンの溶液中に板を浸すと共に、ストレプトアビジンCy3を使用して視角化を行い、そしてスキャナーを通過させた。その結果を図6に示す。
次いで、−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース又はマンノースの50μMの溶液の液滴をアノマー炭素上に堆積させる。これを30分間にわたって水とともにインキュベートさせておき、次いで、0.2% SDS、次いで再び水で洗浄する。
次いで、ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液による飽和工程を行う。
最後に、間接標識付けによって視角化を行う。すなわち、N−アセチルガラクトース又はマンノース(濃度10μg/mL)に対して特異的なレクチンの溶液中に板を浸すと共に、ストレプトアビジンCy3を使用して視角化を行い、そしてスキャナーを通過させた。その結果を図6に示す。
図6から判るように、上記のように得られた4つのN−アセチルガラクトース・モチーフを担持する分子骨格によって得られたスポットが、N−アセチルガラクトースに対して特異的な対応レクチンの検出を可能にし、そして上記のように得られた4つのマンノース・モチーフを担持する分子骨格が、50μMのマンノースに対して特異的な対応レクチンの検出を可能にする。さらに、良好な認識選択性が観察される。その理由は、上記のように得られる4つのN−アセチルガラクトース・モチーフを担持する分子骨格を用いた場合、マンノースに対して特異的な対応レクチンによる信号はなく、また、上記のように得られる4つのマンノース・モチーフを担持する分子骨格を用いた場合、N−アセチルガラクトースに対して特異的な対応レクチンによる信号はないからである。
より正確には、図6は以下のものを示す:
−ステップ1:分子骨格(E)によるガラス板の官能化、次いでNH2OHによる飽和;
−ステップ2:セリン残基の、アルデヒドへの酸化;
−ステップ3:−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース(ライン1)又はマンノース(ライン2)の50μM溶液の液滴の堆積;
−ステップ4:間接標識付けによる視角化、ライン1はN−アセチルガラクトースに対して特異的なビオチン化レクチン、次いでストレプトアビジンCy3、そしてライン2はマンノースに対して特異的なビオチン化レクチン、次いでストレプトアビジンCy3(濃度10μg/ml)。
−ステップ1:分子骨格(E)によるガラス板の官能化、次いでNH2OHによる飽和;
−ステップ2:セリン残基の、アルデヒドへの酸化;
−ステップ3:−O−NH2官能基を担持するN−アセチルガラクトース(ライン1)又はマンノース(ライン2)の50μM溶液の液滴の堆積;
−ステップ4:間接標識付けによる視角化、ライン1はN−アセチルガラクトースに対して特異的なビオチン化レクチン、次いでストレプトアビジンCy3、そしてライン2はマンノースに対して特異的なビオチン化レクチン、次いでストレプトアビジンCy3(濃度10μg/ml)。
Claims (25)
- 固体支持体であって、少なくとも1つの認識モチーフに多価形式で結合することを可能にするか、又は少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示する少なくとも1つの分子骨格に結合された固体支持体。
- 該分子骨格が少なくとも2つの面、特に2つの面を有していることを特徴とする、請求項1に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、特に2つの面を画定するシクロペプチドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、特に鎖(L)Pro−(D)AA、又は(D)Pro−(L)AAによって形成された、少なくとも1つのベンドを有する、特に2つのベンドを有するシクロペプチドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、アミノ酸残基数10又は14のシクロペプチドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、その上面上にグラフトされたいくつかの認識モチーフを、特に同じモチーフを数回提示することを特徴とする、請求項2から6までのいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、例えばエーテル、エステル、アミン、アミド、チオエーテル、オキシム、ホスフェート、スルフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合、及び特にオキシム結合のタイプの、少なくとも1つの共有結合によって、固体支持体に結合されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該分子骨格が、特に少なくとも1つのスペーサを介して、固体支持体に間接的に結合されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該支持体が、板、特にウェル板、ビード、特にミクロビード、チャネル、特に毛管又はチャンバ、又はナノ構造、特にカーボンナノチューブの形態を成していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該支持体が、ガラス、ケイ素、半導体酸化物、例えば酸化ケイ素、プラスチック、金、金属酸化物、特に例えば酸化インジウム及び酸化錫、ゾル−ゲル、希土類、又は有機集合体、例えばカーボンナノチューブを含んでなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該認識モチーフは、糖、核酸、ペプチド、タンパク質、「混合」分子、特に糖ペプチド、糖タンパク質、リン脂質、及びこれらの混合物を含んでなる群から選択された、関心が持たれる分子、特に生物学的関心が持たれる分子であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該認識モチーフが、少なくとも1つの共有結合、特にエーテル、エステル、アミン、アミド、チオエーテル、オキシム、ホスフェート、アルケン、アルキン、ヒドラジド、及びジスルフィド結合、及び特にオキシム結合によって、該分子骨格に結合されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 該認識モチーフが該分子骨格に間接的に結合されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を含んでなる固体支持体を製造する方法であって、認識モチーフを多価形式で提示することを可能にするか、又は提示する少なくとも1つの分子骨格を固体支持体上にグラフトすることから成る工程を少なくとも含んでなる、方法。
- 該固体支持体が、少なくとも1つのアルデヒド官能基、又はオキシアミン結合を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 該分子骨格が、固体支持体上に存在する少なくとも1つの官能基と反応することができる少なくとも1つのアルデヒド又はオキシアミン結合を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 該固体支持体が、オキシム結合を介して分子骨格に結合されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 該分子骨格によって担持された少なくとも1つの反応性官能基が、特にセリン残基によって、保護又はマスクされることを特徴とする、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 該分子骨格によって担持された少なくとも1つの反応性官能基が、保護部除去されるか又は再生され、そして特に少なくとも1つのセリン残基が酸化されることによりグリオキシル酸アルデヒドになることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
- 少なくとも1つの認識モチーフが、前記分子骨格の少なくとも1つの反応性官能基との反応によって、該分子骨格上にグラフトされることを特徴とする、請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 該認識モチーフは、関心が持たれる分子、特に生物学的関心が持たれる分子、特に糖、核酸、ペプチド、タンパク質、別の有機分子、又はこれらの混合物、特に糖ペプチド、糖タンパク質、リン脂質の中から選択されることを特徴とする、請求項15〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 該認識モチーフが、オキシム結合を形成するために、該分子骨格によって担持された少なくとも1つのアルデヒド又はオキシアミン官能基と、特にグリオキシル酸アルデヒド基と反応する少なくとも1つのオキシアミン又はアルデヒド官能基を担持することを特徴とする、請求項15〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1つの固体支持体、又は請求項15〜23のいずれか1項に記載の方法によって得られる少なくとも1つの固体支持体を含んでなるチップ、特に糖チップ。
- 表面を官能化するための、少なくとも1つの認識モチーフに多価形式で結合することを可能にするか、又は少なくとも1つの認識モチーフを多価形式で提示する分子骨格の使用。
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