JP5605501B2 - 音叉型振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、音叉型振動子に関する。
携帯電話、時計等に使用されている音叉型振動子としては、3215サイズの音叉型振動子(パッケージサイズが、3.2mm×1.5mmである音叉型振動子;以下同様)と、2012サイズの音叉型振動子とが、市販されている。
一般的な3215サイズの音叉型振動子は、図1に示した音叉型振動片、すなわち、基部81から平行に2本の振動腕82が延びた音叉型振動片を、その長さ方向をパッケージの長さ方向と一致させた姿勢でパッケージ内に収容したものとなっている。
また、2012サイズの音叉型振動子には、通常、図2に示した音叉型振動片、すなわち、各振動腕82の外側に固定腕83が追加されている音叉型振動片が用いられている。そして、2012サイズの音叉型振動子は、当該音叉型振動片を、その長さ方向をパッケージの長さ方向と一致させた姿勢でパッケージ内に収容し、当該音叉型振動片の各固定腕83をパッケージの内底面に固定したものとなっている。
特開平11−23285号公報 特開2004−297198号公報 特開2006−308498号公報 特開2008−022413号公報
音叉型振動子が使用される機器には、小型なものが多い。そのため、小型の音叉型振動子が望まれているのであるが、振動腕が短いと、発振安定度が高い(CI(Crystal Impedance)値が小さい)音叉型振動子を得ることが困難である。
図3に示されるように、音叉型振動片をパッケージ60内に斜めに収容するようにしておけば、各振動腕82の長さをより長く出来る。その場合、各振動腕82の先端とパッケージ60の内壁面間の距離が短くならざるを得ない。基部81でパッケージに固定した音叉型振動片は、基部81を中心に振動し得る。そのため、音叉型振動片をパッケージ60内に斜めに収容しただけでは、外力が加わった際に、各振動腕82の先端がパッケージ60内面と接触しやすくなり、所定の周波数を得られなくなってしまう。
そこで、開示の技術の課題は、パッケージに収容される音叉型振動片の振動腕の長さがより長く、且つ、耐衝撃性に優れた音叉型振動子を提供することにある。
上記課題を解決するために、開示の技術の一態様の音叉型振動子は、矩形柱状の内部空間を有するパッケージと、基部、基部から平行に延出した2本の振動腕、及び、2本の振動腕をそれらの間に挟むように基部から斜めに延出した第1固定腕及び第2固定腕を有し、基部から2本の振動腕の延出方向の先端までの長さが内部空間の底面の各辺よりも長い音叉型振動片とを、備える。また、開示の技術の一態様の音叉型振動子の音叉型振動片は、パッケージの内部空間内に、延出方向を内部空間の底面の対角線方向に沿わせた形で収容されており、音叉型振動片の第1固定腕の先端部分と第2固定腕の先端部分とが内部空間の底面に対して固定されている。
また、上記課題を解決するために、開示の技術の他の態様の音叉型振動子は、パッケージと、パッケージ内に収容された音叉型振動片であって、基部、基部から平行に延出した、それぞれ、基部から特定方向に延出した後、音叉型振動片のパッケージへの搭載面から離れる方向に曲がってから特定方向とは逆方向に延びるU字形状を有する2本の振動腕、及び、2本の振動腕をそれらの間に挟むように基部から延出した2本の固定腕を有する音叉型振動片とを、備える。
上記構成を採用しておけば、パッケージに収容される音叉型振動片の振動腕の長さがより長く発振安定度が高い、且つ、耐衝撃性に優れた音叉型振動子を提供することが出来る。
図1は、既存の音叉型振動片の斜視図である。 図2は、既存の音叉型振動片の斜視図である。 図3は、基部と2本の振動腕とからなる音叉型振動片をパッケージ内に斜めに配置した際に生ずる問題の説明図である。 図4は、第1実施形態に係る音叉型振動子の概略構成図である。 図5は、第1実施形態に係る音叉型振動子に用いられている音叉型振動片の上面図である。 図6は、励振電極の配置例を説明するための断面図である。 図7は、励振電極の他の配置例を説明するための断面図である。 図8は、第1実施形態に係る音叉型振動子に関する作用効果の説明図である。 図9は、第2実施形態に係る音叉型振動子の概略構成図である。 図10は、第3実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片の斜視図である。 図11Aは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Bは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Cは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Dは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Eは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Fは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図11Gは、第3実施形態に係る音叉型振動片の製造手順例の説明図である。 図12は、第4実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片の斜視図である。
以下、発明者らが開発した4タイプの音叉型振動子(以下、第1〜第4実施形態に係る音叉型振動子と表記する)について、図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態》
図4に、第1実施形態に係る音叉型振動子11の概略構成を示す。なお、この図4及び以下で説明に用いる各図は、音叉型振動子11等の各部を認識しやすい大きさとするために、各部の縮尺を適宜変更したものとなっている。
図4に示してあるように、第1実施形態に係る音叉型振動子11は、パッケージ60の内部空間62内に音叉型振動片20を収容した表面実装型の音叉型振動子である。
パッケージ60は、箱状部材61と、当該箱状部材61の蓋として機能する部材(図示略;以下、蓋部と表記する)とを主要構成要素とした、音叉型振動片20のケースである。
パッケージ60の箱状部材61は、蓋部で封止されることにより矩形柱状の内部空間62となる凹部を有している。箱状部材61の下面(図4の紙面の奥行き方向が下)には、音叉型振動子11の駆動回路を接続するための第1実装用端子631及び第2実装用端子632が設けられている。また、箱状部材61の凹部の底面(パッケージ60の内部空間62の底面)には、第1実装用端子631、第2実装用端子632と、それぞれ、スルーホール等にて電気的に接続された第1搭載端子641、第2搭載端子642が設けられている。
音叉型振動片20は、一般的な音叉型振動片と同様の手順(方法)で水晶片を加工することにより製造された水晶振動体である。
図4に示してあるように、この音叉型振動片20は、基部21と、基部21から平行に延出した2本の振動腕221、222とを備えている。また、音叉型振動片20は、当該2本の振動腕221、222をそれらの間に挟むように基部21から斜めに延出した第1固定腕231及び第2固定腕232も備えている。
以下、説明の便宜上、振動腕221又は振動腕222のことを、振動腕22と表記し、各振動腕22の延出方向のことを、前後方向と表記する。また、音叉型振動片20の、基部21と2本の振動腕22とからなる部分を、本体部と表記し、パッケージ60の内部空間62の底面のことを、搭載面と表記する。さらに、第1固定腕231又は第2固定腕232のことを、固定腕23と表記し、第1実装用端子631等についても、同様に表記することにする。
図4に示してあるように、音叉型振動片20は、前後方向の長さが、搭載面の長辺よりも長いが故に、前後方向を搭載面の対角線方向に沿わせた形(前後方向を搭載面の対角線とほぼ平行にした形)でしか、内部空間62内に、収容できないものとなっている。
また、音叉型振動片20の各固定腕23の形状は、音叉型振動片20の重心を通り前後方向に直交する平面72が、各固定腕23の先端部分を横切ることなるように定められている。各固定腕23の形状は、両固定腕23の先端部分間の間隔が最も広くなるように(各固定腕23の先端部分がパッケージ60の内壁近傍に位置するように)も定められている。
さらに、第2固定腕232は、2本の振動腕22の中心に位置する平面71で第1固定腕231を反転させた形状を有している。そして、本体部も平面71に関して面対称な形状を有している。そのため、音叉型振動片20全体の形状も、平面71に関して面対称なものとなっている。
図5に示したように、音叉型振動片20の各振動腕22の各面には、2種の(2系統の)励振電極251、252が設けられている。また、音叉型振動片20の第1固定腕231の下面の先端部分(以下、第1先端部と表記する)には、励振電極251と電気的に接続された第1端子261が設けられている。そして、音叉型振動片20の第2固定腕232の下面の先端部分(以下、第2先端部と表記する)には、励振電極252と電気的に接続された第2端子262が設けられている。
なお、各励振電極25(251、252)の形状は、基本的には、2本の振動腕22に屈曲振動を起こさせることが出来るものでありさえすれば良い。従って、各励振電極25の形状(各振動腕22の各面上への配置法)は、図6に模式的に示したようなものであっても良い。ただし、図7に模式的に示したように、各励振電極25の特定の面に溝を形成し、形成した溝内に励振電極25を設けるようにしておいた方が良い。何故ならば、そのようにしておけば、音叉型振動子11のCI(Crystal Impedance)値を低下させることが出来るので、音叉型振動子11の発振安定度が向上することになるからである。
図4に戻って、音叉型振動子11の説明を続ける。
上記した第1搭載端子641、第2搭載端子642は、音叉型振動片20をパッケージ60の内部空間62内に収容した場合に第1端子261、第2端子262(図5参照)と向かい合う部分に、それぞれ、設けられている。
そして、音叉型振動子11は、音叉型振動片20の第1先端部、第2先端部を、それぞれ、パッケージ60の第1搭載端子641、第2搭載端子642上に、導電性接着剤68によって固定したものとなっている。なお、第1先端部とは、既に説明(定義)したように、第1固定腕231の第1端子261が設けられている部分(第1固定腕231の下面の先端部分)のことである。また、第2先端部とは、第2固定腕232の第2端子262が設けられている部分(第2固定腕232の下面の先端部分)のことである。
以上、説明したように、第1実施形態に係る音叉型振動子11には、パッケージサイズ換算での振動腕の長さがより長い構成が採用されている。従って、第1実施形態に係る音叉型振動子11は、従来よりも小型な、従来と同程度の発振安定度を有する音叉型振動子や、従来と同程度のサイズの、発振安定度が従来より高い(CI値が従来より低い)音叉型振動子となっていることになる。
更に、音叉型振動片20の固定が、2本の振動腕22をそれらの間に挟むように基部21から斜めに延出した2つの固定腕23の先端部分で行われるようにしておけば、外力が加わったときに、音叉型振動片20が基部21を中心に振動してしまうことを防止できる。また、両固定腕23の2つの固定箇所の中心上に音叉型振動片20の重心が位置し、固定箇所間の間隔が最も広くなるようにしておけば、図8に模式的に示したように、外力が加わった際の、振動腕22先端の変位量を特に小さくすることが出来る。
従って、上記構成を採用しておけば、振動腕の長さが従来と同程度の、従来よりも小型な音叉型振動子を、音叉型振動片を斜めに配置していることに因る不具合が生じない形で実現できることになる。
また、上記構成を採用しておけば、従来と同サイズの、振動腕が長い分、CI値が低い(発振安定度が高い)音叉型振動子も実現できる。具体的には、既存の3215サイズの音叉型振動子には、通常、振動腕の長さがおよそ2mmの音叉型振動片が使用されている。上記構成を採用しておけば、振動腕の長さがおよそ2.9mmの3215サイズの音叉型振動片、すなわち、0.9mm分、CI値が低い3215サイズの音叉型振動子を実現できる。
また、既存の2012サイズの音叉型振動子には、通常、振動腕の長さがおよそ1.5mmの音叉型振動片が使用されている。上記構成を採用しておけば、振動腕の長さがおよそ1.73mmの2012サイズの音叉型振動片、すなわち、0.23mm分、CI値が低い2012サイズの音叉型振動子を実現できることになる。
最後に、音叉型振動子11の設計手順例を簡単に説明しておくことにする。
音叉型振動子11の設計は、さまざまな手順で行うことが出来る。例えば、パッケージ60の形状が確定している場合、以下の第1手順で音叉型振動片20を設計することが出来る。
まず、その内部に音叉型振動片20が納まることが望ましい矩形領域のサイズ(各辺の長さ)を求める処理を行う。より具体的には、音叉型振動片20のパッケージ60底面への取り付け誤差、外力が加わったときに許容する振動腕22の振動量等に応じた分だけ、搭載面よりも小さな矩形領域(以下、要収容領域と表記する)を特定してそのサイズを求める処理を行う。
次いで、製造する本体部(2本の振動腕22と基部21とからなる部分)の幅(通常、200〜300μm程度)を定める。そして、算出済みの要収容領域のサイズに基づき、当該要収容領域に内接する、定めた幅を有する最も長い長方形のサイズと当該長方形の要収容領域に対する傾きとを求める。
次いで、得られた傾き(定めた幅を有する最も長い長方形の要収容領域に対する傾き)も考慮して、得られたサイズから、本体部を成す各構成要素(基部21、振動腕22)の形状を決定する。なお、この際、決定される形状は、主として、基部21の形状(基部21の前後方向の長さ)である。また、基部21等の形状決定時に上記長方形の矩形領域に対する傾きを考慮するのは、固定腕23の幅が同じであっても当該傾きが変われば、固定腕23・本体部間の境界部分の長さ(換言すれば、基部21の最短長)が変わるためである。
そして、基部21等の形状の決定後に、上記長方形の要収容領域に対する傾き等に基づき、上記条件を満たすように各固定腕23の形状(長さ及び振動腕22に対する傾き)を定めれば、音叉型振動片20を設計できることになる。
また、パッケージ60の形状が確定している場合、以下の第2手順で音叉型振動片20を設計することも出来る。なお、以下の第2手順で設計される音叉型振動片20は、上記手順で設計される音叉型振動片20よりも振動腕22の長さが若干(僅かに)短いものとなる。
まず、第1手順による音叉型振動片20の設計時と同様に、要収容領域(パッケージ60の内部空間62の底面よりも、取り付け誤差等に応じた分だけ小さな矩形領域)のサイズを求めると共に、本体部の幅を定める。
次いで、要収容領域のサイズに基づき、当該要収容領域に内接する、各長辺が当該要収容領域の対角線と平行な、定めた幅を有する長方形のサイズを求める。その後、要収容領域の対角線の傾きも考慮して、当該サイズから、本体部を成す各構成要素の形状を決定する。そして、当該傾き等に基づき、各固定腕23の形状を定めることによって、音叉型振動片20を設計する。
さらに、以下の第3手順によっても、音叉型振動子11を設計できる。
まず、音叉型振動片20の本体部の形状を決定する。次いで、その本体部を収容できる最小サイズ(取り付け誤差等を考慮に入れたもの)の内部空間62を有するパッケージ60を設計する。なお、この際、設計されるパッケージ60は、本体部が内部空間62内に斜めに収容されるものである。
そして、パッケージ60が設計できた場合には、パッケージ60内に収容した場合の本体部のパッケージ60に対する傾き等から、上記したものと同様の手順で各固定腕23の形状を決定することにより、音叉型振動片20を設計する。
なお、パッケージ60は、端子位置(第1端子261と第1搭載端子641の位置等)を一致させるという観点からは、音叉型振動片20の形状を決定した後に、各搭載端子64の位置を決定して製造することが望ましいものである。ただし、音叉型振動片20の形状を、平面72が各固定腕23の先端部分を横切り、両固定腕23の先端部分間の間隔が最も広くなるように定める場合、音叉型振動片20の収容角度が多少変わっても各固定腕23の先端部分の位置は殆ど変わらない。そのため、音叉型振動片20の形状を確定させる前に、パッケージ60を製造しておくことも出来る。また、特定形状(仕様)の音叉型振動片20用に製造したパッケージ60を、他形状の音叉型振動片20と組み合わせて音叉型振動子11を製造する(組み立てる)ことも出来る。
《第2実施形態》
図9に、第2実施形態に係る音叉型振動子12の概略構成を示す。
この音叉型振動子12のパッケージ60は、音叉型振動子11のパッケージ60を正方形状(正四角柱状)のものに変形したパッケージである。
また、音叉型振動子12の音叉型振動片30は、音叉型振動子11の音叉型振動片20(図4)を、正方形状の搭載面への配置に適するように変形したもの(搭載面を正方形状であるとして、上記した第2手順により設計したもの)である。
従って、この第2実施形態に係る音叉型振動子12も、従来よりも小型な、従来と同程度の発振安定度を有する音叉型振動子や、従来と同程度のサイズの、発振安定度が従来より高い音叉型振動子となっていると言うことが出来る。
《第3実施形態》
図10に、第3実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片40の構成を示す。なお、以下の説明において、前、後、左、右、上、下とは、この図10に示してある方向のことである。
図10に示してあるように、第3実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片40は、基部41と、基部41から平行に延出した2本の振動腕421、422とを有している。また、音叉型振動片40は、基部41から右方向に延出した後に前方向に延出した(曲がった)形状の第1固定腕431、基部41から左方向に延出した後に前方向に延出した形状の第2固定腕432も有している。
音叉型振動片40が有する各振動腕42(421、422)は、基部41から前方に向かって延出した後、上方に曲がってから後方に向かって延出したU字(コの字)形状を有している。また、各振動腕42の外周側の3面(図10における最上面と最下面とそれらを繋ぐ面)には、溝(図10には、一部の溝のみを図示してある)が形成されている。なお、この音叉型振動片40は、例えば、各振動腕42の幅(左右方向の長さ)が80μm、各振動腕42の溝の幅及び深さが40μm、2本の振動腕42間の間隔が50〜100μmとなるように製造されるものである。
各振動腕42の各面には、2種の励振電極451、452が設けられている。なお、図10及び以下で説明に用いる図11E等において、励振電極451と励振電極452とに異なる模様を付してあるのは、各励振電極45の構成材料が異なることを示すためではなく、各励振電極45の配置(繋がり方)をわかりやすくするためである。
音叉型振動片40の第1固定腕431の下面の先端部分には、励振電極451と電気的に接続された第1端子461が設けられている。また、音叉型振動片40の第2固定腕432の下面の先端部分には、励振電極452と電気的に接続された第2端子462が設けられている。
音叉型振動片40は、以上、説明した構成を有するものとなっている。そして、第3実施形態に係る音叉型振動子は、この音叉型振動片40を、パッケージ内に、音叉型振動片40の前後方向をパッケージの長さ方向と一致させた姿勢で収容したものとなっている。
要するに、第4実施形態に係る音叉型振動子に採用されている音叉型振動片40は、各振動腕42を長くするために、各振動腕42を折り曲げた(各振動腕42の形状をU字状にした)ものとなっている。
そして、振動腕42が長い方が、CI値が小さくなる。従って、この音叉型振動片40を用いておけば、例えば、振動腕42の長さがおよそ4.0mm(従来の倍)であるが故に、その分、CI値が小さい(発振安定度が高い)3215サイズの音叉型振動片を実現できることになる。また、振動腕42の長さがおよそ3.0mmであるが故に、その分、CI値が小さい2012サイズの音叉型振動片を実現できることにもなる。
また、音叉型振動片40は、振動腕42の長さを従来の音叉型振動片(図1、図2)と同じ長さにした場合、前後方向の長さが従来の音叉型振動片のおよそ半分となるものとなっている。
従って、この実施形態に係る音叉型振動子に採用されている構成は、従来よりも小型の音叉型振動子を製造できるものとなっていることにもなる。
上記したように、音叉型振動片40の形状は、通常の音叉型振動片よりも複雑なものとなっている。そのため、ここで、図11A〜図11Gを用いて、音叉型振動片40の製造手順例を簡単に説明しておくことにする。
音叉型振動片40の製造時には、まず、製造する音叉型振動片40と各方向のサイズがほぼ同サイズの水晶片(図11A)を用意する。そして、その水晶片を上方(又は下方)からエッチングすることにより、図11Bに示した形状の部材を得る。次いで、当該部材の左右の部分を加工(研磨等)することにより、第1固定腕431及び第2固定腕432を形成する(図11C)。
その後、固定腕43を形成した部材の中央部分を上方からエッチングすることにより、図11Dに示した形状の部材を得る。そして、当該部材を側面方向(左右方向)からエッチングすることにより、溝が形成されていない振動腕421、422を形成する(図11E)。
次いで、図11Eに示した部材の各面に、スパッタリング等により電極(励振電極45の一部)を形成(図11F)してから、エッチングにより各振動腕42の外周側の3面に溝を形成する(図11G)。
そして、形成した溝内や各固定腕43の下面の先端部分に電極(励振電極45の一部、第1端子461、第2端子462)を形成することにより、音叉型振動片40(図10)を製造する。
《第4実施形態》
図12に、第4実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片50の構成を示す。なお、この図12も、図10等と同様に、各励振電極55の配置をわかりやすくするために、励振電極551と励振電極552とに異なる模様を付したものとなっている。
図12に示してあるように、第4実施形態に係る音叉型振動子に用いた音叉型振動片50は、基部51と、基部51から平行に延出した2本の振動腕521、522とを有している。また、音叉型振動片50は、2本の振動腕52(521、522)を挟むように基部51から斜めに延出した第1固定腕531及び第2固定腕532も有している。
各振動腕52の外周側の3面(図11における最上面と最下面とそれらを繋ぐ面)には、溝(図11には、一部の溝のみを図示してある)が形成されており、各振動腕52の各面には、2種の励振電極551、552が設けられている。
音叉型振動片50の第1固定腕531の下面の先端部分には、励振電極551と電気的に接続された第1端子561が設けられている。第2固定腕532の下面の先端部分には、励振電極552と電気的に接続された第2端子562が設けられている。
そして、本実施形態に係る音叉型振動子は、この音叉型振動片50を、第1実施形態に係る音叉型振動子11のパッケージ60(図4)と同様の構成を有するパッケージ内に、音叉型振動片20と同様の収容・固定法で収容・固定したものとなっている。
以上の説明から明らかなように、この第4実施形態に係る音叉型振動子は、第1実施形態に係る音叉型振動子20が有する作用効果と、第3実施形態に係る音叉型振動子が有する作用効果とを合わせ持つものとなっている。
従って、本実施形態に係る音叉型振動子の構成を採用しておけば、従来と同程度のサイズの、発振安定度が極めて高い音叉型振動子、従来よりもかなり小さなサイズの、従来の同程度の発振安定度を有する音叉型振動子等を実現できることになる。
《変形形態》
上記した各実施形態に係る音叉型振動子に対しては、各種の変形を行うことが出来る。例えば、第1、第2、第4実施形態に係る音叉型振動子を、第1、第2固定腕の長さや基部からの突出角度(振動腕との間の角度)が異なっている音叉型振動片を備えたものに変形することが出来る。ただし、外力が加わった際の振動量を低減できるようにするために、『音叉型振動片の重心を通り振動腕の延出方向と直交する平面が、第1固定腕の先端部分及び第2固定腕の先端部分を横切る』ようにしておくことが望ましい。なお、そのような条件を満たす音叉型振動子としては、音叉型振動片20の第1固定腕211、第2固定腕212を、それぞれ、図4における右上隅、左上隅まで延ばしたものを例示できる。
第1、第2、第4実施形態に係る音叉型振動子を、固定腕の先端部分に第1、第2端子が設けられていない音叉型振動片を備えたもの(音叉型振動片の固定は固定腕の先端部分で行われるが、電気的な接続は他の箇所で行われるもの)に変形することも出来る。また、音叉型振動片の構成材料が水晶ではなくても良いことなどは、当然のことである。
11、12 音叉型振動子
20、30、40、50 音叉型振動片
21、41、51 基部
221、222、421、422、521、522 振動腕
231、431、531 第1固定腕
232、432、532 第2固定腕
251、252、451、452、551、552 励振電極
261、461、561 第1端子
262、462、562 第2端子
60 パッケージ
61 箱状部材
62 内部空間
631 第1実装用端子
632 第2実装用端子
641 第1搭載端子
642 第2搭載端子
68 導電性接着剤
71、72 平面

Claims (6)

  1. 矩形柱状の内部空間を有するパッケージと、
    基部、前記基部から平行に延出した2本の振動腕、及び、前記2本の振動腕をそれらの間に挟むように前記基部から斜めに延出した第1固定腕及び第2固定腕を有し、前記基部から前記2本の振動腕の延出方向の先端までの長さが前記内部空間の底面の各辺よりも長い音叉型振動片と、
    を備え、
    前記音叉型振動片が、前記パッケージの前記内部空間内に、前記延出方向を前記内部空間の前記底面の対角線方向に沿わせた形で収容され、
    前記音叉型振動片の前記第1固定腕の先端部分と前記第2固定腕の先端部分とが前記内部空間の前記底面に対して固定されている
    ことを特徴とする音叉型振動子。
  2. 前記音叉型振動片は、
    前記2本の振動腕に設けられた第1励振電極及び第2励振電極と、
    前記第1固定腕の先端部分の下面に設けられた、前記第1励振電極と電気的に接続された第1端子と、
    前記第2固定腕の先端部分の下面に設けられた、前記第2励振電極と電気的に接続された第2端子と、
    を有し、
    前記パッケージは、
    前記パッケージの外面に設けられた第1実装用端子及び第2実装用端子と、
    前記底面の、前記音叉型振動片を前記内部空間内に収容した場合に前記第1端子と向かい合う部分に設けられた、前記第1実装用端子と電気的に接続された第1搭載端子と、
    前記底面の、前記音叉型振動片を前記内部空間内に収容した場合に前記第2端子と向かい合う部分に設けられた、前記第2実装用端子と電気的に接続された第2搭載端子と、
    を有し、
    前記第1固定腕の先端部分の下面、前記第2固定腕の先端部分の下面が、導電性接着剤により、それぞれ、前記パッケージの前記第1搭載端子、前記第2搭載端子に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の音叉型振動子。
  3. 前記音叉型振動片が、
    前記音叉型振動片の重心を通り前記延出方向と直交する平面が、前記第1固定腕の前記先端部分及び前記第2固定腕の前記先端部分を横切る形状を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音叉型振動子。
  4. 前記音叉型振動片が、
    前記2本の振動腕間の中心に位置する平面に関して面対称な形状を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の音叉型振動子。
  5. 前記音叉型振動片の各振動腕の1つの面に溝が形成されており、
    前記音叉型振動片の各振動腕の溝の内面に励振用の電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音叉型振動子。
  6. パッケージと、
    前記パッケージ内に収容された音叉型振動片であって、基部、前記基部から平行に延出した2本の振動腕、及び、前記2本の振動腕をそれらの間に挟むように前記基部から延出した2本の固定腕を有する音叉型振動片と、
    を備え、
    前記音叉型振動片の各振動腕が、前記基部から特定方向に延出した後、前記音叉型振動片の前記パッケージへの搭載面から離れる方向に曲がってから前記特定方向とは逆方向に延びるU字形状を有し、
    前記音叉型振動片は、各固定腕が前記基部から斜めに延出した形状であって、前記2本の振動腕の延出方向の長さが前記パッケージの内部空間の底面の各辺よりも長い形状を有し、
    前記音叉型振動片が、前記パッケージの前記内部空間内に、前記延出方向を前記内部空間の前記底面の対角線方向に沿わせた形で収容され、
    前記音叉型振動片の各固定腕の先端部分が前記内部空間の前記底面に対して固定されている
    ことを特徴とする音叉型振動子。
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