JP5605332B2 - 多気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、各々にインジェクタが設置され、かつEGRガスをそれぞれ導入可能な2つの吸気ポートを各気筒に備える多気筒機関に適用され、各気筒の2つの吸気ポートのうちのいずれか一方にEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関の制御装置に関する。
多気筒内燃機関では、各気筒が相互に熱影響を及ぼすため、特定の気筒の温度が他の気筒よりも高くなることがある。例えば直列4気筒エンジンにおいては、機関の中央に位置する第2気筒及び第3気筒は、それらの両側に位置する双方の気筒からの熱影響を受けるため高温になり易い。一方、機関の両端に位置する第1気筒及び第4気筒は、それらの片側にしか気筒が存在せず、単一の気筒からしか熱影響を受けないため、第2気筒及び第3気筒と比べると低温となる。このように、気筒毎に温度のばらつきが生じると、各気筒内での混合気の燃焼速度にも違いが生じ、気筒毎の出力にばらつきが生じてしまう。
そこで、このような気筒毎の温度のばらつきを抑制する技術として、特許文献1に記載の技術が提案されている。図7(A)に示すように、同文献に示される内燃機関では、その気筒に設けられた2つの吸気ポートのうち、機関の両端寄りに位置する吸気ポートには排気通路から再循環される排気ガス、すなわちEGR(Exhaust Gas Recirculation、排気再循環)ガスを導入し、機関の中央寄りに位置する吸気ポートには新気のみを導入するようにしている。なお、同図7(A)及び後述の図7(B)では、燃焼室への開口部分にハッチングを付すことで、EGRガスが導入される吸気ポートを示している。
このような構成とすると、各気筒では、機関中央寄り部分のEGRガス濃度が、機関両端寄り部分のEGRガス濃度よりも低くなる。EGRガスは新気よりも高温なため、EGRガスの濃度が高い機関両端寄りの部分は、EGRガスの熱で加熱され、EGR濃度が低い機関両端寄りの部分は、大量の新気の導入により、冷却されることになる。したがって、特許文献1に記載の内燃機関では、最も高温になり易い第2気筒及び第3気筒の機関中央寄り部分が新気によって冷却され、最も低温になり易い第1気筒及び第4気筒の機関両端寄り部分がEGRガスによって昇温されるようになる。そのため、特許文献1に記載の内燃機関によれば、内燃機関の部位毎の温度のばらつきを抑えて、燃焼速度の違いによる気筒毎の出力のばらつきを低減することができる。
一方、特許文献2には各気筒に設けた2つの吸気ポートの各々にインジェクタを設置するとともに、それら2つの吸気ポートのうち一方にのみEGRガスを導入することで、EGRガスを含んだ混合気の層とEGRガスを含まない混合気の層とを気筒内に形成し、成層燃焼を行う内燃機関が記載されている。また、この内燃機関では2つの吸気ポートの各々より導入される混合気の空燃比が理論空燃比となるよう、それら2つの吸気ポートの双方で燃料噴射量を制御している。EGRガスを導入する吸気ポートでは、導入されたEGRガスの分、新気の量が少なくなるため、空燃比を理論空燃比とするために必要な燃料の量も少なくなり、EGRガスを導入しない側(新気のみを導入する側)の吸気ポートに設置されたインジェクタと比べると燃料噴射量が少なくなる。こうした特許文献2に記載の内燃機関においても、特許文献1に記載されているように、各気筒の機関両端寄りの吸気ポートのみにEGRガスの導入を行えば、やはり特許文献1と同様に気筒毎の温度のばらつきを抑えることができる。
特開2010‐38102号公報 特開2010‐48137号公報
ところで、EGRガスを導入する吸気ポートに設置されたインジェクタには、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が特にその先端に付着して、デポジットとして堆積する。そのため、特許文献2に記載の内燃機関のように、各気筒に設けた2つの吸気ポートの各々にインジェクタを設置した場合にも、EGRガスが導入される側の吸気ポートに設置されたインジェクタには、デポジットが堆積するようになる。また、同内燃機関においては、EGRガスを導入する側の吸気ポートに設置されたインジェクタは燃料噴射量が少ないため、デポジットが一旦堆積すると、燃料噴射によってデポジットを除去してインジェクタを洗浄することも困難となる。
こうしたデポジットの堆積については、次のような対策を考えることができる。すなわち、まず各気筒に設けられる2つの吸気ポートにおいて、EGRガスが導入される吸気ポートとEGRガスが導入されない吸気ポートとを切り替え可能とする。そして特許文献1に記載されているような気筒毎の温度のばらつきを抑制するための機関運転を一定期間行う毎に、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを一時的に切り替えるようにする。この場合、吸気ポートの切り替えを実行するまでEGRガスが導入されていた吸気ポートには新気のみが導入されるようになり、デポジットの更なる堆積が留められるため、切り替え実行前のEGRガス導入中に堆積したデポジットを燃料噴射によって除去して、デポジットの堆積量を徐々に減らしていくことが可能となる。更にEGRガスの導入を停止すると、同吸気ポートに設置されたインジェクタの燃料噴射量が増えるため、デポジットの除去がより一層進むようにもなる。
ところが、上記のような吸気ポートの切り替えを、機関が備える全ての気筒で一斉に行うと、図7(B)に示すように、全気筒で機関中央寄りの吸気ポートにEGRガスが導入されるようになる。例えば、直列4気筒エンジンの場合、第2気筒及び第3気筒間では、両気筒間で隣接する2つの吸気ポートの双方にEGRガスが導入されるようになり、第2気筒及び第3気筒の機関中央寄り部分が高温となる。その結果、そもそも高温となり易い第2気筒及び第3気筒の間の部分が非常に高温となってしまうようになる。
このように、各気筒に設けられる2つの吸気ポートの各々にインジェクタが設置された内燃機関において、その2つの吸気ポートのうち一方にのみEGRガスを導入した状態で機関運転を行うと、EGRガスを導入する吸気ポートに設置されたインジェクタにはデポジットが堆積し易い上、その除去が困難となる。こうしたデポジットは、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えることで、その除去が可能となるが、吸気ポートの切り換えを全気筒において一斉に行うと、温度が過剰に上昇する部分ができてしまう。
本発明はこうした実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、各気筒に設けられた2つの吸気ポートの各々にインジェクタが設置されるとともに、2つの吸気ポートのうちいずれか一方にEGRガスを導入して機関運転を行う内燃機関におけるインジェクタのデポジット除去を好適に行うことのできる多気筒内燃機関の制御装置を提供することである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、各々インジェクタが設置され、かつEGRガスをそれぞれ導入可能な2つの吸気ポートを各気筒に備える多気筒内燃機関に適用され、前記2つの吸気ポートのうち、いずれか一方の吸気ポートにEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関の制御装置において、各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートと、EGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えを行うとき、この吸気ポートの切り替えは前記多気筒内燃機関が備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行われることをその要旨とする。
上記構成では、各気筒に設けられる2つの吸気ポートのうちのいずれか一方にEGRガスの導入を行い、もう一方にはEGRガスの導入を行わないで機関運転が行われる。こうした機関運転を行うと、EGRガスの導入を行う吸気ポートに設置されるインジェクタにはデポジットが堆積し易くなる。この堆積したデポジットは、各気筒においてEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えることで除去することが可能となる。すなわち、吸気ポートの切り替えを実行すると、それまでEGRガスが導入されていた吸気ポートには新気のみが導入されるようになり、デポジットの更なる堆積が留められる。そのため、切り替え実行前のEGRガス導入中に堆積したデポジットを燃料噴射によって除去して、デポジットの堆積量を徐々に減らしていくことができる。しかしながら、このときの吸気ポートの切り替えを全気筒において同時に実行すると、各気筒の温度分布特性から、温度が極端に高くなる部分が生じることがある。
その点、上記構成によれば、この吸気ポートの切り替えが全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階を経て行われるため、温度が極端に高くなる部分ができないように、各気筒の吸気ポートの切り替えを行うことが可能となる。したがって、上記構成によれば、各気筒に設けられた2つの吸気ポートの各々にインジェクタが設置されるとともに、2つの吸気ポートのうちいずれか一方にEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関におけるインジェクタのデポジット除去を好適に行うことができる。
さらに、請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置、前記複数の段階のそれぞれにおける吸気ポートの切り替えを、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの組の全てにおいて、少なくとも一方がEGRガスを導入しない吸気ポートとなるように行うことをその要旨とする。
上記構成によれば、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの双方でEGRガスが導入されないようにすることができるため、隣接する2つの気筒の高温部分同士が隣接し、温度が極端に高くなる部分が生じるのを回避しつつ、インジェクタに堆積するデポジットの除去を行うことができる。
さらに、請求項に記載の多気筒内燃機関の制御装置、吸気ポートの切り替えは、EGRガスを導入する前記吸気ポートと、EGRガスを導入しない前記吸気ポートとが交互に並ぶように切り替える第1段階と、EGRガスを導入する前記吸気ポートとEGRガスを導入しない前記吸気ポートとが、前記第1段階と逆順に並ぶように切り替える第2段階とを経て行われることをその要旨とする。
上記構成のようにEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えを行えば、気筒間で隣接する吸気ポートの双方ともにEGRガスが導入されて温度が極端に高くなることを回避しつつ、吸気ポートに設置されるインジェクタに堆積したデポジットの除去を行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、上記各気筒に備える2つの吸気ポートのいずれか一方にEGRガスを導入する機関運転を、各気筒に備えられる2つの吸気ポートのうち、機関両側寄りの吸気ポートにEGRガスを導入して行う機関運転を含むようにすることをその要旨とする。
上記構成によれば、各気筒の機関両側寄りの吸気ポートにEGRガスが導入されるため、各気筒が相互に与える熱影響によって高温となりやすい各気筒の機関中央寄りの部分を低温の新気を導入して冷却し、低温となりやすい機関両側寄りの部分を高温のEGRガスを導入して昇温することができる。これにより、気筒毎の温度のばらつきを抑制できる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、吸気ポートの切り替えは、空燃比の目標値からのずれが規定値以上となったときから、そのずれが規定値未満となるときまで行われることをその要旨とする。
吸気ポートに設置されるインジェクタにおいて、デポジットの堆積が進行すると、インジェクタの燃料噴射能力が低下し、空燃比が目標とする値から乖離することがある。そのため、上記構成のように、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えを、空燃比の目標値からのずれが規定値以上になったときからそのずれが規定値以下になるときまで行えば、デポジットの除去を確実かつ効率的に行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、吸気ポートの切り替えは、既定の期間継続されることをその要旨とする。
デポジットの除去は、吸気ポートの切り替えを既定の期間継続することで行うことができる。なお、この既定の期間は、毎回同じ長さであっても良いし、回毎に異なる長さとしても良い。
この発明の第1実施形態にかかる多気筒内燃機関の制御装置の構成を模式的に示す概略図。 (A),(B)同実施形態での吸気ポートの切り替え態様を示す図。 (A)〜(D)同実施形態での各段階におけるEGRガスの導入を行う吸気ポートの位置を示す図。 同実施形態に適用される洗浄制御実行判定ルーチンのフローチャート。 同実施形態に適用される洗浄制御ルーチンのフローチャート。 この発明の第2実施形態にかかる多気筒内燃機関の制御装置に適用される洗浄制御ルーチンのフローチャート。 (A)は従来の内燃機関において気筒間の温度ばらつきの抑制制御時にEGRガスの導入が行われる吸気ポートの位置を、(B)はその抑制制御中に堆積したデポジットの除去を行うべく吸気ポートの切り替えを行ったときにEGRガスの導入が行われる吸気ポートの位置を、それぞれ示す図。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる多気筒内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、本実施形態では、直列4気筒の多気筒内燃機関に本発明の制御装置を適用した場合を説明する。
図1に示すように、多気筒内燃機関1には、#1〜#4の4つの気筒10が直列に配置されている。各気筒10にはそれぞれ、吸気マニホールド30を通じて導入された吸気を気筒10の各々に導くための2つの吸気ポートと、気筒10の各々から排出された排気を排気マニホールド32に導出するための2つの排気ポートとが接続されている。なお、ここでは、各気筒10の機関前方側(#1気筒が配置された側)に設けられた吸気ポートを第1吸気ポート12と記載し、機関後方側(#4気筒が配置された側)に設けられた吸気ポートを第2吸気ポート14と記載する。また同様に、各気筒10の機関前方側に設けられた排気ポートを第1排気ポート16と記載し、機関後方側に設けられた排気ポートを第2排気ポート18と記載する。
第1吸気ポート12及び第2吸気ポート14の上流部には、EGR管22がそれぞれ設けられている。各EGR管22は、EGR装置24に接続されており、各EGR管22には、このEGR装置24を通じて多気筒内燃機関1の排気通路から取り出された排気(EGRガス)が供給される。なお、EGR装置24は、EGRガスを供給するEGR管22を任意に切り替え可能に構成されている。また第1吸気ポート12及び第2吸気ポート14には、燃料を噴射するインジェクタ20がそれぞれ設置されている。
こうした多気筒内燃機関1は、ECU(エンジンコントロールユニット)40により制御されている。ECU40はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成される。
ECU40には、吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローセンサ42、気筒へ導かれる混合気の空燃比に応じた信号を出力する空燃比センサ44、機関回転速度に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ46を始めとする各センサからの信号が入力されている。そしてECU40は、これらセンサの信号を参照して、インジェクタ20、EGR装置24、点火プラグ50(図2参照)等を制御することで、機関制御を行っている。
なお、上述したように、この多気筒内燃機関1では、EGR装置24は、EGRガスの導入を行うEGR管22を切り替えられるようになっている。そしてECU40は、EGR装置24を制御して、EGRガスの導入を行うEGR管22を選択することで、第1吸気ポート12及び第2吸気ポート14のいずれにEGRガスを導入するかを切り替えるようにしている。
図2(A)は、第1吸気ポート12にはEGRガスを導入せず、第2吸気ポート14にEGRガスを導入するときの状態を示している。なお、図2(A)及び後述の図2(B)では、EGRガスの流れが黒矢印で、新気の流れが白矢印で、それぞれ示されている。また、これらの図では、気筒10への開口部分にハッチングを付すことで、EGRガスを導入する吸気ポートを示すようにしている。
このときのECU40は、EGR装置24の制御により、第1吸気ポート12に設けられたEGR管22へのEGRガスの供給を停止し、同吸気ポート12を通じては気筒10に新気のみが導入されるようにする。またECU40は、第1吸気ポート12を通じて気筒10に導入される新気と燃料との混合気の空燃比が理論空燃比となるように、同インジェクタ20の燃料噴射量を制御する。
また、このときのECU40は、EGR装置24の制御により、第2吸気ポート14に設けられたEGR管22にEGRガスを供給している。第2吸気ポート14へのEGRガスの導入は、吸気行程初期に行われ、この間の第2吸気ポート14からは、EGRガスのみが気筒10に導入される。吸気行程中期となると、EGR管22からのEGRガスの導入が停止され、その後は、第2吸気ポート14から気筒10へと新気が導入される。ECU40は、ここで導入される新気と燃料との混合気の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を調整して、第2吸気ポート14に配設されたインジェクタ20に燃料を噴射させる。
こうした場合、EGRガスが導入される第2吸気ポート14を通じて気筒10に導入される新気の量は、新気のみが導入される第1吸気ポート12を通じて気筒10に導入される新気の量よりも少なくなる。新気量の少ない第2吸気ポート14を通じて気筒10に導入される混合気の空燃比を理論空燃比とするために必要な燃料の量は、新気量の多い第1吸気ポート12を通じて気筒10に導入される混合気の空燃比を理論空燃比とするために必要な燃料の量よりも少なくなる。そのため、このときの第2吸気ポート14のインジェクタ20からは、第1吸気ポート12のインジェクタ20よりも少ない量の燃料しか噴射されないことになる。
またこのときの気筒10の内部では、EGRガスを導入する第2吸気ポート14が接続された側、すなわち機関後方側の部分のEGRガスの濃度が、新気のみを導入する第1吸気ポート12が接続された側、すなわち機関前方側の部分のEGRガスの濃度よりも高くなる。そのため、高温のEGRガスの濃度が高い気筒10の機関後方側の部分での温度は、同濃度が低い機関前方側の部分よりも高くなる。
一方、図2(B)は、第1吸気ポート12にEGRガスを導入し、第2吸気ポート14にはEGRガスを導入しないときの状態を示している。このときには、図2(A)の場合とは逆に、第1吸気ポート12のインジェクタ20は、第2吸気ポート14のインジェクタ20よりも少ない量の燃料しか噴射しないことになる。またこのときの気筒10内では、EGRガスを導入する第1吸気ポート12が接続された側、すなわち機関前方側の部分のEGRガスの濃度が、新気のみを導入する第1吸気ポート12が接続された側、すなわち機関前方側の部分のEGRガスの濃度よりも高くなる。そのため、このときの気筒10内では、高温のEGRガスの濃度が高い気筒10の機関前方側の部分での温度は、同濃度が低い機関後方側の部分よりも高くなる。
以上のように、EGRガスの導入を行う吸気ポートを切り替えることで、気筒10内の温度分布を変更することができる。本実施形態では、ECU40は、こうしたEGRガスの導入を行う吸気ポートの選択により、気筒間の温度ばらつきの抑制を図るようにしている。具体的には、図3(A)に示すように、このときのECU40は、#1,#2気筒10では第1吸気ポート12に、#3,#4気筒10では第2吸気ポート14に、EGRガスを導入するようにしている。これにより、高温となる#2,#3気筒の機関中央寄りの部分を低温の新気により冷却し、低温となる#1,#4気筒の機関両端寄りの部分を高温のEGRガスにより昇温することができ、気筒間の温度のばらつきを抑えることができる。
なお、図3(A)及び後述の図3(B)〜(D)では、気筒10への開口部分にハッチングを付すことで、EGRガスが導入される吸気ポートを示すようにしている。
ところで、こうした気筒間の温度ばらつきの抑制制御を長時間行うと、EGRガスを導入する吸気ポートに設置されたインジェクタ20には、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が付着して、デポジットの堆積が進行するようになる。そこで、本実施形態では、上記抑制制御の実施中に、インジェクタ20に堆積したデポジットを除去するための洗浄制御を必要に応じて実施するようにしている。デポジットの洗浄は、各気筒10において、EGRガスの導入を行う吸気ポートを切り替えることで行われる。EGRガスを導入する吸気ポートを切り替えると、それまでEGRガスが導入されていた吸気ポートには、新気のみが導入されるようになり、デポジットの更なる堆積が留められる。そのため、インジェクタ20から噴射された燃料による洗浄で、デポジットの堆積量を徐々に減らすことができる。また、EGRガスの導入を停止すると、インジェクタ20からの燃料噴射量が増えるため、デポジットの洗浄がより一層進むようにもなる。
しかしながら、こうしたEGRガスを導入する吸気ポートの切り替えを、多気筒内燃機関1の備える全ての気筒10で一斉に行うと、図3(B)に示すように、全気筒10で機関中央寄りの吸気ポートにEGRガスが導入されるようになる。そして、#2気筒の第2吸気ポート14、#3気筒の第1吸気ポート12にEGRガスが導入されるようになり、#2気筒及び#3気筒の機関中央寄り部分が高温となることから、そもそも高温となり易い#2気筒及び#3気筒の間の部分が非常に高温となってしまうようになる。
そこで本実施形態では、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを、多気筒内燃機関1の備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行うことで、そうした高温部分の形成を回避するようにしている。具体的には、洗浄制御が開始されると、まず#1気筒、#2気筒のみで、EGRガスを導入する吸気ポートの切り替えを行うようにしている。そしてその後、#1気筒、#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートを元に戻した後、#3気筒、#4気筒においてEGRガスを導入する吸気ポートの切り替えを行うようにしている。
こうした洗浄制御の実行の要否の判定は、図4に示す洗浄制御実行判定ルーチンの処理を通じて行われる。同ルーチンの処理は、機関運転中、ECU40によって、既定の制御周期毎に繰り返し行われるものとなっている。
本ルーチンが開始されると、まずステップS100において気筒間の温度ばらつき抑制制御が実行されているか否かが判定される。上述したように、気筒間の温度ばらつき抑制制御が実行されると、#1,#2気筒10では第1吸気ポート12に、#3,#4気筒10では第2吸気ポート14に、EGRガスが導入される。ここで、気筒間の温度ばらつき抑制制御が実行されていない場合には(S100:NO)、そのまま今回の本ルーチンを処理が終了される。一方、気筒間の温度ばらつき抑制制御が実行されている場合は(S100:YES)、上述したようなインジェクタ20のデポジットの堆積が進行するため、処理がステップS200に進められる。
ステップS200では、燃焼室内で燃焼される混合気の現空燃比(現状の空燃比)と目標空燃比とが比較される。インジェクタ20へのデポジットの堆積が進行すると、インジェクタ20の燃料噴射率(単位時間当りの燃料噴射量)が低下して、実際に噴射される燃料の量が指令した量よりも少なくなる。そしてその結果、混合気の空燃比が意図した値からずれるようになる。そのため、インジェクタ20へのデポジットの堆積が進行すると、現空燃比と目標空燃比とのずれが、すなわち空燃比の目標値からのずれが大きくなる。すなわち、このステップS200では、気筒間の温度ばらつき抑制制御の長期実行により、EGRガスが導入される吸気ポートに設置されたインジェクタ20のデポジットの堆積が進行しているか否かが判定される。なお、既定値には、予め実験で求められた、デポジット堆積時の目標空燃比に対する空燃比のずれ量がその値に設定されている。
さて本ルーチンでは、現空燃比と目標空燃比とのずれが規定値未満のときは(S200:NO)、インジェクタ20のデポジット堆積はまだ進行しておらず、洗浄制御を実行する必要がないと判断され、そのまま今回の洗浄制御実行判定ルーチンの処理が終了される。一方、現空燃比と目標空燃比とのずれが規定値以上になったときは(S200:YES)、インジェクタ20のデポジット堆積が進行していることから、洗浄制御を実行すべく、処理がステップS300へと進められる。そしてそのステップS300において、洗浄制御が実行される。
この洗浄制御は、図5に示される洗浄制御ルーチンの処理を通じて行われる。洗浄制御ルーチンの処理は、ECU40によって実行される。
洗浄制御ルーチンの処理が開始されると、まずステップS400において、#1気筒及び#2気筒の、EGRガスが導入される吸気バルブとEGRガスが導入されない吸気バルブとが切り替えられる。すなわち、#1気筒及び#2気筒において、それまでEGRガスの導入が行われていた第1吸気ポート12へのEGRガスの導入を停止し、第2吸気ポート14へのEGRガスの導入を開始するように、EGR装置24が制御される。
その後、ステップS410において、所定時間が経過するまでその状態が維持される。 そして、所定時間が経過すると(S410:YES)、ステップS420において、#1気筒及び#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが再び切り替えられる。すなわち、#1気筒及び#2気筒において再び第1吸気ポート12からEGRガスを導入するようにする。
次に、ステップS430において、#3気筒と#4気筒の、EGRガスが導入される吸気ポートとEGRガスが導入されない吸気ポートとが切り替えられる。すなわち、#3気筒及び#4気筒において、それまでEGRガスの導入が行われていた第2吸気ポート14へのEGRガスの導入を停止し、第1吸気ポート12へのEGRガスの導入を開始するように、EGR装置24が制御される。
その後、ステップS440において、所定時間が経過するまで、この状態が維持される。この間、#3気筒及び#4気筒の第2吸気ポート14には、新気のみが導入されることとなり、EGRガスの導入中に堆積したデポジットがインジェクタ20から噴射された燃料で洗浄される。
そして、所定時間が経過すると(S440:YES)、ステップS450において、ステップS430で切り替えられた#3気筒及び#4気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが元に戻される。すなわち、#3気筒及び#4気筒において再び第2吸気ポート14からEGRガスを導入するようにする。
以上のステップS400〜S450の処理は、洗浄制御が完了されるまで、繰り返し行われる。すなわち、以上の処理の繰り返しは、現空燃比と目標空燃比とのずれが既定値未満に低下して(図4のステップS200:NO)、インジェクタ20のデポジットの堆積が解消されたと判断されるまで継続される。
次に、こうした本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、機関運転中に、図3(A)に示すように、#1気筒及び#2気筒の第1吸気ポート12、#3気筒及び#4気筒の第2吸気ポート14にEGRガスを導入することで、気筒間の温度ばらつきの抑制制御が行われる。そしてこの抑制制御中、EGRガスが導入される吸気ポートに設置されたインジェクタ20へのデポジットの堆積が確認されると、そのデポジットを除去するための洗浄制御が実行される。なお、デポジットの堆積の有無は、空燃比の目標値からのずれから判断され、洗浄制御は、そのずれが規定値以上となったときから規定値未満となるときまで行われる。
洗浄制御が開始されると、まず洗浄制御の第1段階として、#1気筒、#2気筒において、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えが行われる。すなわち、#1気筒及び#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが、第1吸気ポート12から第2吸気ポート14に切り替えられる。こうして吸気ポートが切り替えられると、それまでEGRガスが導入されていた#1気筒及び#2気筒の第1吸気ポート12では、新気のみが導入されるようになり、インジェクタ20に堆積したデポジットが洗浄されるようになる。
なお、このときの多気筒内燃機関1のEGRガスの導入状態は、図3(C)に示す通りとなり、EGRガスを導入する吸気ポートと、EGRガスを導入しない吸気ポートとが交互に並ぶようになる。そのため、このときの多気筒内燃機関1では、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの組の全てにおいて、少なくとも一方がEGRガスを導入しない吸気ポートとなるようになり、高温のEGRガスを導入する吸気ポート同士が隣り合って温度が極端に高くなる部分は形成されないようになる。
こうした運転が所定時間継続されると、#1気筒、#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートを元に戻した上で、洗浄制御の第2段階として、#3気筒、#4気筒において、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えが行われる。すなわち、#3気筒及び#4気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが、第2吸気ポート14から第1吸気ポート12に切り替えられる。こうして吸気ポートが切り替えられると、それまでEGRガスが導入されていた#3気筒及び#4気筒の第2吸気ポート14では、新気のみが導入されるようになり、インジェクタ20に堆積したデポジットが洗浄されるようになる。
なお、このときの多気筒内燃機関1のEGRガスの導入状態は、図3(D)に示す通りとなり、第1段階とは並びの順が逆であるが、やはり、EGRガスを導入する吸気ポートと、EGRガスを導入しない吸気ポートとが交互に並ぶようになる。そのため、このときにも、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの組の全てにおいて、少なくとも一方がEGRガスを導入しない吸気ポートとなるようになり、高温のEGRガスを導入する吸気ポート同士が隣り合って温度が極端に高くなる部分は形成されないようになる。
その後、デポジットの堆積が解消されたことが確認されて洗浄制御が終了されるまで、以上の第1段階、第2段階が交互に繰り返される。そして、洗浄制御が終了されると、気筒間の温度ばらつきの抑制制御が再開される。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、デポジットの洗浄のための吸気ポートの切り替えを、多気筒内燃機関1が備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行うようにしている。また、本実施形態では、そうした複数の段階のそれぞれにおける吸気ポートの切り替えを、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの組の全てにおいて、少なくとも一方がEGRガスを導入しない吸気ポートとなるように行っている。より具体的には、EGRガスを導入する吸気ポートと、EGRガスを導入しない吸気ポートとが交互に並ぶように切り替える第1段階と、EGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとが、第1段階と逆順に並ぶように切り替える第2段階とを経て、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを行うようにしている。そのため、高温のEGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合って温度が極端に高くなる部分が形成されないように、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを行うことができる。したがって、本実施形態によれば、各気筒に設けられた2つの吸気ポートの各々にインジェクタが設置されるとともに、2つの吸気ポートのうちいずれか一方にEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関におけるインジェクタのデポジット除去を好適に行うことができる。
(2)本実施形態では、空燃比の目標値からのずれが規定値以上となったときから、そのずれが規定値未満となるときまで、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替え、すなわち洗浄制御を行うようにしている。インジェクタのデポジットの堆積が進行すると、インジェクタの燃料噴射能力が低下し、空燃比が目標とする値から乖離する。そのため、空燃比の目標値からのずれに基づいて洗浄制御を実行することで、デポジットの除去を確実かつ効率的に行うことができる。
なお、こうした第1の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、気筒間の温度ばらつき抑制制御によるインジェクタ20のデポジット堆積の進行を、空燃比の目標値からのずれにより判断して洗浄制御を実行するようにしていたが、その判断を他の方法で行うようにしても良い。例えば、気筒間の温度ばらつき抑制制御の実行時間が一定の時間となったときにデポジット堆積が進行したとして洗浄制御を実行するようにしても良い。
・上記実施形態では、第1段階から第2段階の移行、第2段階から第1段階への移行を、一定の時間が経過する毎に行うようにしていたが、例えば空燃比の目標値からのずれ等によりデポジットの堆積の解消を確認し、それが確認された時点で次の段階に移行するようにしても良い。
・上記実施形態では、洗浄制御のための吸気ポートの切り替えを2段階に分けて行うようにしていたが、その段階数を増すようにしても良い。例えば吸気ポートの切り替えを、#2気筒、#1気筒、#3気筒,#4気筒の順に、4段階に分けて行うことも可能である。具体的には、まず#2気筒の吸気ポートを切り替え、#2気筒の第1吸気ポート12に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄した後、そのまま#1気筒の吸気ポートを切り替えて#1気筒の第1吸気ポート12に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄する。次に、#1気筒、#2気筒の、EGRガスを導入する吸気ポートを元に戻す。そして#3気筒の吸気ポートの切り替えを行い、#3気筒の第2吸気ポート14に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄した後、そのまま#4気筒の吸気ポートを切り替えて#4気筒の第2吸気ポート14に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄する。この場合にも、EGRガスを導入する吸気ポート同士が隣り合うことがないように、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えが行われるようになり、極端に温度が高くなる部分が形成されることを避けながら、デポジットの洗浄を行うことが可能である。
(第2の実施形態)
続いて、この発明にかかる多気筒内燃機関の制御装置を具体化した第2実施形態を、図6を併せ参照して説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に対して洗浄制御の制御態様を変更したものとなっている。
本実施形態の多気筒内燃機関の制御装置では、図6に示される洗浄制御ルーチンの処理を通じて洗浄制御を行うようにしている。
この洗浄制御ルーチンが開始されると、まずステップS500において、デポジットが堆積したインジェクタ20が、#1気筒若しくは#2気筒のものであるか否かが判定される。この判定には、空燃比センサ44及びクランクポジションセンサ46の出力値が用いられる。クランクポジションセンサ46の出力値からは、現在、どの気筒10が排気行程にあるかを確認することができる。また、ある気筒10の排気行程における空燃比センサ44の出力値からは、その気筒10で燃焼された混合気の空燃比を確認することができる。そして、上述したように、空燃比の目標値からのずれからは、インジェクタ20のデポジット堆積の進行の有無を確認することができる。したがって、空燃比センサ44及びクランクポジションセンサ46の出力値に基づくことで、デポジットの堆積が進行したインジェクタ20がどの気筒10のものかを確認することができる。
ここで、デポジットが堆積したインジェクタ20が#1気筒若しくは#2気筒のものであれば(S500:YES)、処理がS510に進められ、#3気筒若しくは#4気筒のものであれば(S500:NO)、処理がステップS610に進められる。
ステップS510に処理が移行されると、そのステップS510において、#1気筒及び#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが切り替えられる。そしてその状態を所定時間継続した後(S520:YES)、ステップS530において、#1気筒及び#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが再び切り替えられる。すなわち、#1気筒及び#2気筒のEGRガスの導入状態が、ステップS510での切り替え前の状態に戻される。
一方、ステップS610に処理が移行されると、そのステップS610において、#3気筒及び#4気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが切り替えられる。そしてその状態を所定時間継続した後(S520:YES)、ステップS530において、#1気筒及び#2気筒のEGRガスを導入する吸気ポートが再び切り替えられる。すなわち、#1気筒及び#2気筒のEGRガスの導入状態が、ステップS510での切り替え前の状態に戻される。
以上の処理は、デポジットの堆積が解消されたことが確認されて洗浄制御が終了されるまで、繰り返し行われる。
こうした本実施形態では、多気筒内燃機関1の各気筒10を、#1気筒、#2気筒からなる気筒群と、#3気筒、#4気筒からなる気筒群との2つの気筒群に分けた上で、デポジットの堆積が確認されたインジェクタ20が設けられた気筒10を含む気筒群で、EGRガスを導入する吸気ポートの切り替えを行うようにしている。そうした吸気ポートの切り替えがいずれかの気筒群のみで行われる限り、高温のEGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合うことはなく、それにより極端に温度が高い部分が形成されることもない。したがって、本実施形態によれば、各気筒に設けられた2つの吸気ポートの各々にインジェクタが設置されるとともに、2つの吸気ポートのうちいずれか一方にEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関におけるインジェクタのデポジット除去を好適に行うことができる。
なお、長期的に見れば、気筒間の温度ばらつき抑制制御によるインジェクタ20のデポジットの堆積は、全ての気筒10において発生する。一方、本実施形態では、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えは、#1気筒及び#2気筒からなる気筒群、#3気筒及び#4気筒からなる気筒群のそれぞれで個別に行われる。したがって、本実施形態でも、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えは、多気筒内燃機関1が備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行われることになる。
なお、こうした第2の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを、#1気筒、#2気筒からなる気筒群と、#3気筒、#4気筒からなる気筒群の2つの気筒群毎に行うようにしていたが、各気筒群での吸気ポートの切り替えを更に2段階に分けて行うようにしても良い。例えば#1気筒、#2気筒の吸気ポートの切り替えに際しては、まず#2気筒の吸気ポートを切り替えて、#2気筒の第1吸気ポート12に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄した後、そのまま#1気筒の吸気ポートを切り替えて#1気筒の第1吸気ポート12に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄する。また#3気筒、#4気筒の吸気ポートの切り替えに際しては、#3気筒の吸気ポートを切り替えて、#3気筒の第2吸気ポート14に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄した後、そのまま#4気筒の吸気ポートを切り替えて#4気筒の第2吸気ポート14に設置されたインジェクタ20に堆積したデポジットを洗浄する。このようにした場合にも、EGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合うことなく、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを行うことができる。
・上記実施形態では、洗浄のための吸気ポートの切り替えを、一定の時間ずつ行うようにしていた。すなわち、ステップS510,S610での吸気ポートの切り替え後、一定の期間が経過した時点でステップS530,S630の処理に移行して、切り替えた吸気ポートを元に戻すようにしていた。なお、ここでの吸気ポートの切り替えを行う一定の期間は、毎回同じ長さの期間としても良いし、1回目は10分、2回目は20分といったよに、回毎に異なる長さの期間としても良い。またステップS530,S630の処理への移行のタイミングは、一定の時間が経過した時点としても良いし、多気筒内燃機関1の積算回転数が一定値を越えた時点としても良い。
・上記実施形態では、洗浄のための吸気ポートの切り替えを、一定の時間ずつ行うようにしていた。すなわち、ステップS510,S610での吸気ポートの切り替え後、一定の時間が経過した時点でステップS530,S630の処理に移行して、切り替えた吸気ポートを元に戻すようにしていた。この場合のステップS530,S630の処理への移行のタイミングを、時間ではなく、空燃比の目標値からのずれ等によるデポジット堆積の解消の確認により決定するようにしても良い。例えば、ステップS520,S620において、空燃比の目標値からのずれが既定値未満であるか否かを確認し、既定値未満であることが確認されたときにステップS530,S630の処理に移行するように洗浄制御ルーチンを構成する。こうした場合には、デポジットの堆積が解消されたことが確認されるまで吸気ポートの切り替えが行われるため、洗浄のための吸気ポートの切り替えが過不足なく行われるようになり、洗浄制御をより効率的に行うことができるようになる。
以上説明した各実施形態及びその変更例は、更に次のように変更することができる。
・上記実施形態では、EGRガスを導入する吸気ポートに設置されたインジェクタ20の燃料噴射量が、EGRガスを導入しない吸気ポートに設置されたインジェクタ20の燃料噴射量よりも少なくなるように燃料噴射制御を行うようにしていたが、多気筒内燃機関1での燃料噴射制御の態様はこれに限らず適宜に変更しても良い。
・洗浄制御での吸気ポートの切り替えの段階数や各段階での吸気ポートの切り替えを行う気筒の組合せは、適宜変更しても良い。そうした場合であれ、各段階において、EGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合うことがないように吸気ポートの切り替えを行えば、極端に温度が高くなる部分が形成されることを避けながら、堆積したデポジットの洗浄を行うことが可能となる。また、吸気ポートの切り替え過程において、EGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合う部分が生じたとしても、それによる高温化が問題とならない部分で生じるのであれば、吸気ポートの切り替え過程において、EGRガスが導入される吸気ポート同士が隣り合うようになっていても良い。その場合にも、EGRガスを導入する吸気ポートの切り替えに伴う各気筒10の温度分布の変化により、問題となるような高温化が生じる部分が形成されることを回避して、デポジット洗浄のための吸気ポートの切り替えを支障なく行うことが可能である。
・上記実施形態では、気筒間の温度ばらつきの抑制のため、各気筒の2つの吸気ポートの一方にのみEGRガスを導入して機関運転を行うようにしていた。もっとも、それ以外の目的であれ、各気筒の2つの吸気ポートの一方にのみEGRガスを導入して機関運転を行うと、EGRガスを導入する吸気ポートに設置されたインジェクタ20には、デポジットが堆積するようになる。こうして堆積したデポジットは、各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えることで、洗浄することができる。また、デポジットの洗浄以外の目的で、各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えることも考えられる。そして目的の如何に拘わらず、各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えを全気筒で同時に行うと、その切り替えに伴う各気筒の温度分布の変化の結果、極端に温度が高くなる部分が形成されてしまうことがある。そうした場合にも、各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートとEGRガスを導入しない吸気ポートとを切り替えを、多気筒内燃機関1が備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行うことで、極端に温度が高くなる部分の形成を回避しつつ、そうした吸気ポートの切り替えを行うことが可能となる。
・上記実施形態では、直列4気筒の多気筒内燃機関1に本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、気筒数の異なる多気筒内燃機関や、水平対向型やV型といった、直列以外の気筒配列の多気筒内燃機関にもその適用が可能である。
1…多気筒内燃機関、10…気筒、12…第1吸気ポート、14…第2吸気ポート、16…第1排気ポート、18…第2排気ポート、20…インジェクタ、22…EGR管、24…EGR装置、30…吸気マニホールド、32…排気マニホールド、40…ECU、42…エアフローセンサ、44…空燃比センサ、46…クランクポジションセンサ、50…点火プラグ、60…気筒、62…第1吸気ポート、64…第2吸気ポート、66…第1排気ポート、68…第2排気ポート。

Claims (4)

  1. 各々インジェクタが設置され、かつEGRガスをそれぞれ導入可能な2つの吸気ポートを各気筒に備える多気筒内燃機関に適用され、前記2つの吸気ポートのうち、いずれか一方の吸気ポートにEGRガスを導入して機関運転を行う多気筒内燃機関の制御装置において、
    各気筒のEGRガスを導入する吸気ポートと、EGRガスを導入しない吸気ポートとの切り替えを行うとき、この吸気ポートの切り替えは前記多気筒内燃機関が備える全気筒のうちの一部の気筒ずつ、複数の段階に分けて行われ
    前記複数の段階のそれぞれにおける前記吸気ポートの切り替えは、気筒間で隣接する2つの吸気ポートの組の全てにおいて、少なくとも一方がEGRガスを導入しない吸気ポートとなるように、EGRガスを導入する前記吸気ポートと、EGRガスを導入しない前記吸気ポートとが交互に並ぶように切り替える第1段階と、EGRガスを導入する前記吸気ポートとEGRガスを導入しない前記吸気ポートとが、前記第1段階と逆順に並ぶように切り替える第2段階とを経て行われる
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  2. 前記各気筒に備える前記2つの吸気ポートのいずれか一方にEGRガスを導入する機関運転は、前記各気筒に備えられる2つの吸気ポートのうち、機関両側寄りの吸気ポートにEGRガスを導入して行われる機関運転を含む
    請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気ポートの切り替えは、空燃比の目標値からのずれが規定値以上となったときから、そのずれが規定値未満となるときまで行われる
    請求項1又は2に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気ポートの切り替えは、既定の期間継続される
    請求項1又は2に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
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