JP2010038102A - 火花点火型内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGRガスの導入に伴う未燃炭化水素の発生を抑制できる火花点火型内燃機関を提供する。
【解決手段】気筒2に開口する第1吸気ポート8及び第2吸気ポート9と、気筒2に配置された点火プラグ14と、排気通路6の排気の一部をEGRガスとして第1吸気ポート8に限定的に導入するEGR装置15と、第1吸気ポート8に燃料を噴射する第1燃料噴射弁18と、第2吸気ポート9に燃料を噴射する第2燃料噴射弁19と、吸気行程において第1吸気ポート8の吸気弁10が開弁してから所定期間T1が経過するまで第1吸気ポート8への燃料の噴射を停止し、所定期間T1の経過後に第1吸気ポート8に燃料を噴射するように第1燃料噴射弁18を制御するECU20とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気を吸気系に還流させる火花点火型内燃機関に関する。
火花点火型内燃機関として、燃焼室に2つの吸気ポートを設け、これら吸気ポートの一方のみにEGRガスを導くことにより、EGRガスを含み火花プラグの近傍に位置する第1混合気層と、その第1混合気層の外側に位置するEGRガスを含まない第2混合気層とを燃焼室内にそれぞれ形成し、EGRガスが導かれる側の吸気ポートに設けられた燃料噴射弁から燃焼室内のEGRガスに燃料を噴射したものが知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜5が存在する。
特表2001−512208号公報 特開平5−141302号公報 特開平7−310603号公報 特開平5−280430号公報 特開平7−224726号公報
特許文献1の内燃機関では、EGRガスに燃料を噴射しているのでEGRガスと燃料とが混合される。また、EGRガスには酸素がほとんど含まれていないので、燃焼時にEGRガスに混合された燃料が不完全燃焼して未燃炭化水素の発生量が増加するおそれがある。
そこで、本発明は、EGRガスの導入に伴う未燃炭化水素の発生を抑制できる火花点火型内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の火花点火型内燃機関は、気筒に開口する第1吸気ポート及び第2吸気ポートと、前記気筒に配置された点火プラグと、排気通路の排気の一部をEGRガスとして前記第1吸気ポートに限定的に導入するEGR手段と、前記第1吸気ポートに燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、前記第2吸気ポートに燃料を噴射する第2燃料噴射弁と、吸気行程において前記第1吸気ポートの吸気弁が開弁してから所定期間が経過するまで前記第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止し、前記所定期間の経過後に前記第1吸気ポートに燃料を噴射するように前記第1燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
EGR手段にて第1吸気ポートに導かれたEGRガスは、第1吸気ポートの吸気弁が閉弁している間に第1吸気ポートに充満する。そして、その吸気弁が開弁すると第1吸気ポートに充満していたEGRガスが気筒に導かれる。本発明の火花点火型内燃機関によれば、燃料噴射制御手段によって所定期間が経過するまで第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止するように第1燃料噴射弁を制御するので、第1吸気ポートに充満したEGRガスが気筒に導かれるまで第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止することができる。これにより、第1吸気ポート内にEGRガスが充満した状態での燃料噴射を回避できるので、EGRガス中に燃料が混合することを抑制することができる。続いて、燃料噴射制御手段によって所定期間の経過後に第1吸気ポートに燃料を噴射するように第1燃料噴射弁を制御するので、上流側から第1吸気ポートに導かれたEGRガスを含まない空気(新気)に燃料を混合させることができる。これにより、第1吸気ポートに導かれる空気と燃料との混合気の空燃比と、第2吸気ポートに導かれる空気と燃料との混合気の空燃比のそれぞれを理論空燃比にすることができる。従って、気筒内の空燃比分布が理論空燃比に均一化されるので未燃炭化水素の発生を抑制できる。また、気筒内には第1吸気ポート側の下部にEGRガスが上部に混合気がそれぞれ形成されるとともに、第2吸気ポート側に第2吸気ポートから導かれた混合気が形成される。このため、気筒内におけるEGRガスの成層化を達成できる。これにより点火プラグがEGRガスを含まない混合気に覆われるので安定的な燃焼を実現できる。また、気筒内全体の空燃比が理論空燃比となるので、排気通路に三元触媒を設けておけばその三元触媒を有効に活用することができる。
本発明の一形態において、前記所定期間は、前記第1吸気ポートの吸気弁が開弁してから前記第1吸気ポートに充満したEGRガスが前記気筒内に導かれるまでの期間であってもよい(請求項2)。この形態によれば、第1吸気ポート内にEGRガスが充満した状態での燃料噴射を確実に回避することができる。
第2燃料噴射弁の燃料の噴射時期は、第1燃料噴射弁による燃料噴射時期と独立して設定して構わない。例えば、本発明の一形態において、前記燃料噴射制御手段は、前記第2吸気ポートの吸気弁が開弁する前から前記第2吸気ポートに燃料を噴射するように前記第2燃料噴射弁を制御してもよい(請求項3)。この形態によれば、第2吸気ポートの吸気弁が開弁する前に燃料を噴射するので、第2吸気ポート内に充満している空気に燃料を均一に混合させることができる。
本発明の一形態において、前記燃料噴射制御手段は、前記第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が目標噴射量を噴射するのに必要な期間よりも短い場合、前記目標噴射量に対する不足噴射量を前記第2燃料噴射弁が噴射するように前記第2燃料噴射弁を制御してもよい(請求項4)。第1吸気ポートに充満するEGRガスの量が増加するほど、そのEGRガスが気筒に導かれるのに要する時間が長くなる。この場合、第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が短くなるので、第1吸気ポートに噴射される燃料量が少なくなる。本発明の形態によれば、第1燃料噴射弁の目標噴射量に対する不足噴射量を第2燃料噴射弁が追加するので、第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が目標噴射量を噴射するのに必要な期間よりも短い場合でも、気筒内全体の空燃比を目標値に維持することができる。
本発明の一形態において、前記第1吸気ポートには、EGRガスが導入される位置よりも上流側に前記第1吸気ポートを開閉する吸気ポート弁が設けられてもよい(請求項5)。内燃機関の運転状態によっては気筒のEGR率を高めたい場合がある。この形態によれば、第1吸気ポートの吸気弁が閉弁しているときに吸気ポート弁を開けることにより第1吸気ポートにEGRガスを充満させることができる。また、第1吸気ポートの吸気弁が開弁したときに吸気ポート弁を閉めた状態にすることにより吸気ポート弁を開けた状態にした場合よりも第1吸気ポートの吸気弁と吸気ポート弁との間の区間の負圧が大きくなるので第1吸気ポートに導入されるEGRガスの量が増加する。よって、気筒のEGR率を高めることができる。
本発明の一形態において、前記燃料噴射制御手段は間欠的に燃料が噴射されるように前記第1燃料噴射弁を制御してもよい(請求項6)。第1燃料噴射弁が第1吸気ポートに充満するEGRガスにさらされると、第1燃料噴射弁の噴射口にデポジットが付着して固まり燃料を噴射できないといった不具合が生じる可能性がある。この形態によれば、第1燃料噴射弁が間欠的に燃料を噴射するので、第1燃料噴射弁の噴射口にデポジットが付着したとしても固まる前にそのデポジットを除去することができる。
以上に説明したように、本発明の火花点火型内燃機関によれば、燃料噴射制御手段によって所定期間が経過するまで第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止するように第1燃料噴射弁を制御するので、第1吸気ポートに充満したEGRガスが気筒に導かれるまで第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止することができる。これにより、第1吸気ポート内にEGRガスが充満した状態での燃料噴射を回避できるので、EGRガス中に燃料が混合することを抑制することができる。続いて、燃料噴射制御手段によって所定期間の経過後に第1吸気ポートに燃料を噴射するように第1燃料噴射弁を制御するので、上流側から第1吸気ポートに導かれたEGRガスを含まない空気(新気)に燃料を混合させることができる。これにより、第1吸気ポートに導かれる空気と燃料との混合気の空燃比と、第2吸気ポートに導かれる空気と燃料との混合気の空燃比のそれぞれを理論空燃比にすることができる。従って、気筒内の空燃比分布が理論空燃比に均一化されるので未燃炭化水素の発生を抑制できる。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る火花点火型内燃機関の要部を模式的に示した図であり、図2は図1の気筒とその周辺の断面図である。図1及び図2に示すように、内燃機関1は、複数の気筒2が形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に配置されたシリンダヘッド4と、気筒2のそれぞれに吸気を導くための吸気通路5と、気筒2からの排気が導かれる排気通路6とを備えている。気筒2には、ピストン7が往復動自在に挿入されている。
吸気通路5は、気筒2に開口するようにしてシリンダヘッド4に形成された第1吸気ポート8及び第2吸気ポート9を含んでいる。シリンダヘッド4には第1吸気ポート8を開閉する第1吸気弁10と第2吸気ポート9を開閉する第2吸気弁11とが設けられている。排気通路6は、気筒2に開口するようにしてシリンダヘッド4に形成された排気ポート12を含んでいる。排気ポート12は排気弁13にて開閉される。また、図示を省略したが排気通路6には三元触媒が設けられていて、排気通路6を流れる排気はその三元触媒にて浄化される。シリンダヘッド4には、気筒2の天井面に先端部を臨ませるようにして配置された点火プラグ14が設けられている。
内燃機関1には、排気を吸気系に還流させるためのEGR手段としてのEGR装置15が設けられている。EGR装置15は、排気通路6と第1吸気ポート8とを結ぶEGR通路16と、EGR通路16を開閉するEGR弁17とを備えている。EGR通路16は排気通路6の排気の一部をEGRガスとして第1吸気ポート8に導入することができる。内燃機関1には、第1吸気ポート8におけるEGR通路16との接続部よりも上流側に設けられて第1吸気ポート8に燃料を噴射する第1燃料噴射弁18と、第2吸気ポート9に設けられて第2吸気ポート9に燃料を噴射する第2燃料噴射弁19とが設けられている。これら燃料噴射弁18、19の各動作はエンジンコントロールユニット(ECU)20が各種センサからの信号を参照しつつ所定の制御プログラムを実行することにより制御される。ECU20はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成される。本発明に関連するセンサとしては、吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータ21と、機関回転数(回転速度)に応じた信号を出力するクランク角センサ22とが設けられている。
図3A〜図3Cは第1吸気ポート8のEGRガスの挙動を説明する説明図である。図3Aは第1吸気弁10が閉弁している状態、図3Bは吸気行程初期の状態、図3Cは吸気行程中期から吸気行程終了までの状態をそれぞれ示している。図3Aに示すように、第1吸気弁10が閉弁している状態ではEGR通路16から導かれたEGRガスG1が第1吸気ポート8に充満する。図3Bに示すように、第1吸気弁10が開弁すると、第1吸気ポート8に充満していたEGRガスG1が気筒2に導かれるとともに上流側からEGRガスG1を含まない空気(以下、新気と呼ぶことがある。)が第1吸気ポート8に導かれる。図3Cに示すように、第1吸気弁10が開弁してから幾らかの時間が経過すると、第1吸気ポート8に充満していたほぼ全てのEGRガスG1が気筒2に導かれる。
次に、図4〜図6を参照しながら各燃料噴射弁18、19の制御について説明する。図4は本発明のECU20が実行する燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の運転中に所定の周期で繰り返し実行される。まず、ステップS1において、ECU20はEGR率を算出する。EGR率を算出するには、例えばEGR率と吸入空気量と機関回転数との対応関係を記述したマップ又は関数式を準備しておけばよい。吸入空気量及び機関回転数は、エアフローメータ21の出力信号及びクランク角センサ22の出力信号をそれぞれ参照することにより取得すればよい。
ステップS2では、吸気行程において第1吸気弁10が開弁してから第1吸気ポートに充満したEGRガスが気筒2に導かれるまでの所定期間T1を算出する。所定期間T1は、予め実験等によりステップS1で算出したEGR率と機関回転数とから所定期間T1が導き出せるマップや関数式を作成しておくことで取得することができる。
ステップS3では、各吸気ポート8、9を流れる空気量を算出する。各吸気ポート8、9を流れる空気量はステップS1にて算出したEGR率を用いて算出すればよい。つまり、EGR率から第1吸気ポート8に充満するEGRガス量がわかるので、予め第1吸気ポート8を流れる流体の流量と第2吸気ポート9を流れる流体の流量とをそれぞれ取得しておけば、各吸気ポート8、9を流れる空気量を求めることができる。
ステップS4では、所定期間T1が経過してから吸気行程終了までの第1燃料噴射弁18の燃料の噴射期間T2が第1吸気ポート8に導かれる新気と燃料との混合気の空燃比を理論空燃比にするのに必要な要求噴射期間T3以上か否かを判断する。ステップS4にて噴射期間T2が要求噴射期間T3以上であると判断された場合(図5参照)、ECU20はステップS5に進む。
ステップS5では、各燃料噴射弁18、19の燃料の噴射量を決定する。ECU20は、第1吸気ポート8に導かれる新気と燃料との混合気の空燃比が理論空燃比となるように第1燃料噴射弁18の燃料の噴射量を決定する。また、ECU20は、第2吸気ポートに導かれる新気と燃料との混合気の空燃比が理論空燃比になるように第2燃料噴射弁の燃料の噴射量を決定する。ステップS5の処理後はステップS7に進む。
一方、ステップS4において否定判断がされた場合(図6参照)、ECU20はステップS6に進み、第1燃料噴射弁18の不足噴射量を第2燃料噴射弁19に追加する。なお、不足噴射量とは、要求噴射期間T3に対する不足期間T4に第1吸気ポート8に噴射されるべき噴射量である。つまり、第1吸気ポート8に噴射される燃料量は第1吸気ポート8に導かれる新気と燃料との混合気を理論空燃比にするのに必要な燃料量よりも少なく、第2吸気ポート9に噴射される燃料量は第2吸気ポートに導かれる新気と燃料との混合気を理論空燃比にするのに必要な燃料量よりも多くなる。ステップS6の処理後はステップS7に進む。
ステップS7では、各燃料噴射弁18、19から燃料を噴射する。ECU20は、吸気行程において所定期間T1が経過するまで第1吸気ポート8への燃料の噴射を停止し、噴射期間T2に燃料を噴射するように第1燃料噴射弁18を制御する。また、ECU20は、第2吸気弁11が開弁する幾らか前から第2吸気ポート9に燃料を噴射するように第2燃料噴射弁19を制御する。ステップS7の処理後、今回の制御ルーチンを終了する。
図7は吸気行程終了直後の気筒2の上面図である。図8は図7のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は図7のIX−IX線に沿った断面図をそれぞれ示している。これら図に示すように、気筒2には第1吸気ポート8側の下部にEGRガスG1が上部に混合気G2がそれぞれ形成されるとともに、第2吸気ポート9側に第2吸気ポート9から導かれた混合気G3が形成される。
本形態の内燃機関1は、第1吸気ポート8に充満したEGRガスが気筒2に導かれるまでの所定期間が経過するまで第1燃料噴射弁18の燃料の噴射を停止しておき、その所定期間が経過した後に第1燃料噴射弁18の燃料を噴射するので、EGRガスに燃料が混合することを抑制しつつ、第1吸気ポート8に導かれる新気にのみ燃料を混合させることができる。また、第1吸気ポート8及び第2吸気ポート9のそれぞれで形成される混合気の空燃比が理論空燃比になるように各燃料噴射弁18、19の燃料の噴射量を制御しているので、気筒2内の空燃比分布を理論空燃比に均一化することができる。これにより、未燃炭化水素の発生を抑制することができる。また、気筒2内全体の空燃比も理論空燃比となるので三元触媒を有効活用することができる。さらに、図7〜図9に示したように、気筒2内におけるEGRガスの成層化を達成でき、点火プラグ14がEGRガスを含まない混合気に覆われるので安定的な燃焼を実現できる。また、第1燃料噴射弁18の燃料の噴射期間が要求噴射期間よりも短くなるような場合でも、要求噴射期間に対する不足期間に第1吸気ポート8に噴射されるべき噴射量を第2燃料噴射弁19が追加しているので、気筒2内全体の空燃比を理論空燃比に維持することができる。さらに、本形態の内燃機関1によれば、第2吸気弁11が開弁する幾らか前から第2吸気ポート9に燃料を噴射しているので、第2吸気ポート9に充満している新気に燃料を均一に混合させることができる。
(第2の形態)
図10は本発明の第2の形態に係る内燃機関1の要部を示している。なお、図10は図1の一部に対応しており、上述した図1と共通する部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。図10に示すように、本形態では、第1吸気ポート8の上流側端部に第1吸気ポート8を開閉する吸気ポート弁23が追加されている。これにより、第1吸気弁10が閉弁している時に吸気ポート弁23を開けることで第1吸気ポート8にEGRガスG1を充満させることができる。また、第1吸気弁10が開弁した時に吸気ポート弁23を閉めた状態にすることにより吸気ポート弁23を開けた状態にした場合よりも第1吸気ポート8内の負圧が大きくなる。これにより、EGR通路16と第1吸気ポート8との差圧が大きくなるので第1吸気ポート8に導かれるEGRガスG1の量が増加する。従って、吸気ポート弁23を利用して気筒2のEGR率を高めることができる。
なお、本形態の吸気ポート弁23を設ける位置は、第1吸気ポート8におけるEGR通路16の接続部よりも上流であれば任意に設定することができる。
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、ECU20は間欠的に燃料が噴射されるように第1燃料噴射弁18を制御してもよい。これにより、第1吸気ポート8に充満したEGRガスにより第1燃料噴射弁18の噴射口にデポジットが付着したとしても固まる前にそのデポジットを除去することができる。第2燃料噴射弁19の燃料の噴射時期は任意である。第2吸気弁11が開弁してから燃料を噴射してもよい。
上記各形態では、第1吸気ポート8に充満したEGRガスに燃料が混合されないように吸気行程において第1吸気弁10が開弁してから所定期間が経過するまで燃料の噴射を停止しておき、その所定期間の経過後に燃料を噴射するように第1燃料噴射弁18を制御しているが、こうした噴射時期の制御は内燃機関1の全運転領域で行われなくても良い。特定の運転状態においては噴射時期を任意に設定し、各吸気ポート8、9内が目標空燃比(理論空燃比)となるように燃料噴射量を制御することも可能である。
本発明の一形態に係る火花点火型内燃機関の要部を模式的に示した図。 図1の気筒とその周辺の断面図。 第1吸気ポートのEGRガスの挙動を説明する説明図であって、第1吸気弁が閉弁している状態を示す図。 第1吸気ポートのEGRガスの挙動を説明する説明図であって、吸気行程初期の状態を示す図。 第1吸気ポートのEGRガスの挙動を説明する説明図であって、吸気行程中期から吸気行程終了までの状態を示す図。 本発明のECUが実行する燃料噴射制御ルーチンの一例を示すフローチャート。 第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が要求噴射期間以上の状態を説明するための図。 第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が要求噴射期間よりも短い状態を説明するための図。 吸気行程終了直後の気筒の上面図。 図7のVIII−VIII線に沿った断面図。 図7のIX−IX線に沿った断面図。 本発明の第2の形態に係る火花点火型内燃機関を説明するための図。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
5 吸気通路
6 排気通路
8 第1吸気ポート
9 第2吸気ポート
10 第1吸気弁
14 点火プラグ
15 EGR装置(EGR手段)
18 第1燃料噴射弁
19 第2燃料噴射弁
20 エンジンコントロールユニット(燃料噴射制御手段)
G1 EGRガス
G2 第1吸気ポートに導かれる新気と燃料との混合気
G3 第2吸気ポートに導かれる新気と燃料との混合気

Claims (6)

  1. 気筒に開口する第1吸気ポート及び第2吸気ポートと、
    前記気筒に配置された点火プラグと、
    排気通路の排気の一部をEGRガスとして前記第1吸気ポートに限定的に導入するEGR手段と、
    前記第1吸気ポートに燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、
    前記第2吸気ポートに燃料を噴射する第2燃料噴射弁と、
    吸気行程において前記第1吸気ポートの吸気弁が開弁してから所定期間が経過するまで前記第1吸気ポートへの燃料の噴射を停止し、前記所定期間の経過後に前記第1吸気ポートに燃料を噴射するように前記第1燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、を備えることを特徴とする火花点火型内燃機関。
  2. 前記所定期間は、前記第1吸気ポートの吸気弁が開弁してから前記第1吸気ポートに充満したEGRガスが前記気筒内に導かれるまでの期間である請求項1に記載の火花点火型内燃機関。
  3. 前記燃料噴射制御手段は、前記第2吸気ポートの吸気弁が開弁する前から前記第2吸気ポートに燃料を噴射するように前記第2燃料噴射弁を制御する請求項1又は2に記載の火花点火型内燃機関。
  4. 前記燃料噴射制御手段は、前記第1燃料噴射弁の燃料の噴射期間が目標噴射量を噴射するのに必要な期間よりも短い場合、前記目標噴射量に対する不足噴射量を前記第2燃料噴射弁が噴射するように前記第2燃料噴射弁を制御する請求項1〜3のいずれか一項に記載の火花点火型内燃機関。
  5. 前記第1吸気ポートには、EGRガスが導入される位置よりも上流側に前記第1吸気ポートを開閉する吸気ポート弁が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の火花点火型内燃機関。
  6. 前記燃料噴射制御手段は間欠的に燃料が噴射されるように前記第1燃料噴射弁を制御する請求項1〜5のいずれか一項に記載の火花点火型内燃機関。
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