JP2007239638A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関始動時における燃料噴射に吸気同期噴射が適用される場合において、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないことによる影響や、バルブオーバーラップ期間中における排気ガスの逆流の影響を考慮して、良好な内燃機関の始動性を確保することを可能とする内燃機関の燃料噴射制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、複数の気筒を有し、該気筒毎に独立の噴射時期で燃料を吸気ポートに噴射する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、内燃機関が始動される際、クランキング時に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中に所定量の燃料を噴射するように制御され、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される、ことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、内燃機関始動時における燃料噴射を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
複数の気筒を有し、該気筒毎に独立の噴射時期で燃料を吸気ポートに噴射する多気筒内燃機関における燃料噴射に対する一つの制御として、気筒毎に配設された燃料噴射弁により吸気行程以前に各気筒の吸気ポートに燃料を噴射する、いわゆる吸気非同期噴射が知られている。吸気非同期噴射は、吸気行程以前に各気筒の吸気ポートに燃料を噴射し、吸気ポートに付着した燃料を吸気流によって気化させて気筒内に導入することで、気筒内において着火性の良好な混合気の形成を図るものである。
しかしながら、内燃機関始動時、特に内燃機関温度が低温状態にある際に内燃機関が始動される内燃機関冷間始動時において、このような吸気非同期噴射が適用された場合、吸気非同期噴射により噴射された燃料は、内燃機関が冷えているために気化されずに液状のまま各気筒内に供給されてしまう場合がある。そして、このような場合には排気ガス中のCO、HC等の成分が増加して排気エミッションの悪化をもたらすという問題があった。
これに対して、内燃機関温度が低温状態にある際に内燃機関が始動される場合に、燃料噴射を、燃料噴射気筒の吸気弁が開いている状態の時に燃料噴射を実行する吸気同期噴射とするように制御し、噴射燃料が吸気ポート等の壁面に付着することを抑制し、吸入空気流中に直接噴霧化した燃料を供給することで、内燃機関冷間始動時における燃料供給を改善し、燃費の悪化や排気エミッションの悪化を防止することの提案がなされている。
特開平3−23342号公報 特開平5−214985号公報
しかしながら、内燃機関冷間始動時に吸気同期噴射を適用する場合において、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間すなわち内燃機関の状態に基づいて決定される要求量の燃料に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないことにより、吸気同期噴射の効果が十分に得られない可能性があるという問題がある。
内燃機関冷間始動時において、燃料噴射を吸気同期噴射とすることで、燃料噴射を吸気非同期噴射とする場合との比較の上では気筒内への燃料供給の改善を図ることができるが、内燃機関が冷えているために燃料が霧化し難く、吸気ポート等に付着して残留する燃料が多く、このことにより、要求燃料噴射量は多く設定され、燃料噴射期間は長く設定されることになる。従って、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされない場合があることが考えられ、あくまでも燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる場合には、要求量の燃料を気筒内に供給することができず、吸気同期噴射の効果が十分に得られないという問題が生じうる。
また、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間中に、吸気弁および排気弁の両方が開いているバルブオーバーラップ期間が含まれる場合には、該バルブオーバーラップ期間中における排気ガスの逆流の影響により、吸気同期噴射の効果が十分に得られない可能性があるという問題がある。
吸気弁および排気弁の開弁あるいは閉弁時期は、混合気の吸気及び排気がスムーズに行えることを考慮して、一般に排気弁が閉弁する前に吸気弁が開弁されるように設定されている。このため、内燃機関が排気行程から吸気行程に移行する際には、排気弁と吸気弁とが共に開弁する所謂バルブオーバーラップが生じ、吸気弁が開弁する瞬間においては、燃焼室内に高圧の排気ガスが残留しているとともに吸気ポート内に吸気負圧が蓄えられていることにより、吸気弁が開弁すると同時に燃焼室から吸気ポートに向けて排気ガスが逆流する可能性がある。吸気弁の開弁後のこのような排気ガスの逆流は、気筒内への燃料の供給を妨げ、吸気同期噴射の効果を低減する一要因となる。
特許文献2においては、内燃機関始動時に吸気行程気筒と排気行程気筒との各インジェクタへ、内燃機関の状態に基づいて設定した燃料噴射パルス幅の半分のパルス幅を同時に出力することで、各インジェクタの燃料噴射パルス幅を短くして燃料噴射タイミングを設定しやすくし、始動着火性の向上を図ることが開示されている。しかしながら、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないこと、あるいは、バルブオーバーラップ期間が燃料噴射期間中に含まれてしまうことにより発生する吸気同期噴射における上記のような問題点については言及されていない。
本発明は上記課題に鑑み、内燃機関始動時における燃料噴射に吸気同期噴射が適用された場合において、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないことによる影響や、吸気弁と排気弁とが共に開いているバルブオーバーラップ期間中における排気ガスの逆流の影響を考慮して、良好な内燃機関の始動性を確保することを可能とする内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明によれば、複数の気筒を有し、該気筒毎に独立の噴射時期で燃料を吸気ポートに噴射する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、内燃機関が始動される際、クランキング時に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中に所定量の燃料を噴射するように制御され、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される、ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、内燃機関が始動される際、クランキング時に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中に所定量の燃料を噴射するように制御され、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される。尚、ここでクランキング時とは、初爆前のスタータモータにより内燃機関が回転される期間のことであり、また、初爆とは、内燃機関始動時における内燃機関にとっての最初の混合気の着火すなわち爆発のことである。
クランキング期間中は機関回転数が極めて低く、吸気行程時間は極めて長いため、所定量の燃料すなわち内燃機関を良好に始動するように内燃機関の状態に基づいて決定される要求量の燃料に応じて設定された燃料噴射期間を吸気行程期間だけで満たすことができる。よって、クランキング期間中に吸気行程が行われる気筒対しては吸気同期噴射のみで所定量の燃料を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
一方、内燃機関に初爆がもたらされると、機関回転数は増加し、それに伴い、各気筒の吸気行程期間は短くなり、燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる場合には、所定量の燃料を気筒内に供給することができず、吸気同期噴射の効果が十分に得られないという問題が生じうる。これに対し、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置においては、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御することで、所定量の燃料に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは不足する場合には、該不足する燃料噴射期間を排気行程期間中に割り当てて、所定量の燃料を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
請求項2の発明によれば、前記初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、バルブオーバーラップ期間と重なることなく、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、バルブオーバーラップ期間と重ならないように、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される。これにより、バルブオーバーラップ期間中に燃料噴射は行われることはなく、排気ガスの逆流による気筒内への燃料供給の影響を回避することができ、より良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。ここで、バルブオーバーラップ期間とは、吸気弁と排気弁とが共に開いている期間のことである。
請求項3の発明によれば、前記初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射における、吸気行程中の燃料噴射量と排気行程中の燃料噴射量との割合は、機関温度に依存して決定される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
すなわち、請求項3の発明では、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御する際の、吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量との割合は、機関冷却水温度に代表されるような機関温度に依存して決定される。
各請求項に記載の発明によれば、内燃機関始動時における燃料噴射に吸気同期噴射が適用された場合において、所定量の燃料すなわち内燃機関の状態に基づいて決定される要求量の燃料に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないことによる影響や、吸気弁と排気弁とが共に開いているバルブオーバーラップ期間中における排気ガスの逆流の影響を排除することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することを可能とする。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の燃料噴射制御装置が適用された多気筒内燃機関の全体構成図である。図1において、1は機関シリンダブロック、2はピストン、3はシリンダヘッド、4は燃焼室、5は吸気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド5は、サージタンク7、吸気ダクト8およびエアフローメータ9を介してエアクリーナ10に接続される。吸気ダクト8内にはスロットル弁11が配設され、吸気マニホルド5には燃料噴射弁12が吸気ポート13に向けて燃料を噴射するように配設される。排気マニホルド6には排気管14が接続され、この排気管14の途中にHC、CO、NOxの3成分を同時に浄化する三元触媒コンバータ15が配設される。
電子制御ユニット(以下、ECUと称する)40は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって相互に接続されたROM42、RAM43、B.RAM43a、CPU44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。B.RAM43aはバックアップRAMでバッテリからの供給電圧が無くなっても記憶したデータを保持し続けるために設けられる。
次に機関の状態を検出する複数の検出器とECU40の入力部を説明する。シリンダブロック1のウォータジャケット内には機関冷却水温度を検出する水温センサ30が設けられ、機関冷却水温度を検出する。この出力信号はA/D変換器47を介して入力ポート45に入力される。
エアフローメータ9は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧はA/D変換器48を介して入力ポート45に入力される。排気マニホルド6内に配設された空燃比センサ31は排気中の酸素濃度を検出し、この出力信号はA/D変換器49を介して入力ポート45に入力される。
ディストリビュータ25に内蔵されるクランク角センサ32は機関のクランク角を検出し機関がクランク角(以下、CAと記す)30度回転する毎に1つの出力パルス信号を出力し、また気筒判別センサ34は、各気筒の吸気行程上死点を検出したときに、それぞれの気筒に対応する出力パルス信号を出力する。
これら出力パルス信号は入力ポート45に入力される。一方、ECU40の出力部は、出力ポート46と駆動回路50とを有する。燃料噴射弁12は駆動回路50に接続され、以下に説明する燃料噴射制御により開弁され燃料を吸気ポート13へ向けて噴射する。
図2は、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置による内燃機関始動時の燃料噴射制御における、燃料噴射時期、点火時期、機関回転数およびクランク角の時間推移の一実施形態を示すタイムチャート図である。尚、本実施形態においては便宜上、4気筒内燃機関に本発明の燃料噴射制御装置を適用した場合について説明するが、本発明は6気筒あるいは8気筒などの多気筒内燃機関にも適用可能である。
図2を参照しつつ、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置による内燃機関始動時の燃料噴射制御について説明する。図2において、横軸は時間、縦軸はクランク角および機関回転数を示す。図2に示す実施形態においては、クランキング回転数が安定してから最初に吸気行程が開始される気筒が♯1気筒であり、♯1気筒、♯3気筒、♯4気筒、♯2気筒の順に吸気行程が行われ場合の実施形態が示されているが、これに限定されることはない。例えば、クランキング回転数が安定してから最初に吸気行程が開始される気筒が♯3気筒である場合には、♯3気筒、♯4気筒、♯2気筒、♯1気筒の順に吸気行程が行われることになる。
先ず、スタータスイッチがオンされスタータモータが始動され、クランキングすなわち該スタータモータにより内燃機関が回転され、クランキング回転数が安定してから最初に吸気行程が開始される♯1気筒に対する燃料噴射が実行される。♯1気筒に対する燃料噴射は、気筒判別センサ34から♯1気筒の吸気行程上死点(360°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯1気筒が吸気行程に入ったことが確認され、♯1気筒に対して吸気同期噴射が実行されることでなされる。具体的には、気筒判別センサ34から♯1気筒の吸気行程上死点(360°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯1気筒が吸気行程に入ったことがECU40により確認されると、♯1気筒の吸気弁が開いている状態の時に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁12が制御されることで、吸気同期噴射が実行される。
次に、クランキング期間中に♯1気筒の次に吸気行程が行われる♯3気筒に対する燃料噴射が実行される。♯3気筒に対する燃料噴射は、気筒判別センサ34からの♯3気筒の吸気行程上死点(540°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯3気筒が吸気行程に入ったことが確認され、♯3気筒に対して吸気同期噴射が実行されることでなされる。具体的には、気筒判別センサ34から♯3気筒の吸気行程上死点(540°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯3気筒が吸気行程に入ったことがECU40により確認されると、♯3気筒の吸気弁が開いている状態の時に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁12が制御されることで、吸気同期噴射が実行される。
ここで留意すべき点は、初爆前であってスタータモータにより内燃機関が回転されているクランキング期間中に吸気行程が行われる♯1気筒および♯3気筒に対する燃料噴射は、それぞれの吸気弁が開いている状態の時に燃料噴射を実行する吸気同期噴射のみで実行されることである。
内燃機関冷間始動時において、燃料噴射を吸気同期噴射とすることで、燃料噴射を吸気非同期噴射とする場合との比較の上では気筒内への燃料供給の改善を図ることができるが、内燃機関が冷えているために燃料が霧化し難く、要求燃料噴射量は多く設定され、燃料噴射期間は長く設定されることになる。
しかしながら、クランキング期間中は機関回転数が極めて低く、吸気行程時間は極めて長いため、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間すなわち内燃機関を良好に始動するように内燃機関の状態に基づいて決定された要求量の燃料に応じて設定された燃料噴射期間を、吸気行程期間だけで満たすことができる。よって、クランキング期間中に吸気行程が行われる♯1気筒および♯3気筒に対しては吸気同期噴射のみで、要求量の燃料を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
また、クランキング期間中に吸気行程が行われる♯1気筒および♯3気筒に対する吸気同期噴射は、♯1気筒および♯3気筒のそれぞれの吸気行程下死点までに終了するように制御される。これにより、ピストン2の上昇による吸気の吹き戻しを防止することができ、より確実に要求量の燃料を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
尚、クランキング期間中に吸気行程が行われる気筒すなわち燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる気筒に対する要求燃料噴射量は、本実施形態においては内燃機関始動時の内燃機関温度、特に機関冷却水温度に基づいて算出される。具体的には、評価試験や解析評価などのデータに基づいて内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとしてクランキング期間中の要求燃料噴射量を算出できる第一のマップ(図3)を予め作成し、該第一のマップを用いて、シリンダブロック1のウォータジャケット内に配設された水温センサ30からの出力情報に基づいて要求燃料噴射量が算出される。尚、該第一のマップは、ECU40のメモリー等に記憶されて使用される。本実施形態においては、クランキング機関中の要求燃料噴射量は、内燃機関始動時の内燃機関温度、特に機関冷却水温度に基づいて算出されるが、機関温度に対応する機関油温度に基づいて算出されてもよい。その場合は、機関油温度を検出する油温センサが構成要素として配設されることになる。
図3は、内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとしてクランキング期間中の要求燃料噴射量を算出する第一のマップの一実施形態を示す図である。図3に示されるごとく、機関冷却水温度が低いほど、すなわち内燃機関温度が低いほど燃料が霧化し難く、要求燃料噴射量は多く設定される。
次に、♯1気筒および♯3気筒の次に吸気行程が行われる♯4気筒に対する燃料噴射が実行されることになるが、♯4気筒に対する燃料噴射は、♯1気筒および♯3気筒に対する燃料噴射制御とは異なり、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて燃料を噴射するように制御される。
♯4気筒の吸気行程上死点(720°あるいは0°CA)は、♯1気筒の圧縮上死点と一致する。♯1気筒は、圧縮上死点(720°あるいは0°CA)あるいは、その近傍で点火され、混合気の着火すなわち爆発がもたらされる。従って、内燃機関始動時から最初に燃料噴射された♯1気筒における混合気の爆発は、内燃機関としての初爆すなわち最初の混合気の爆発となり、♯4気筒の吸気行程開始時点は該初爆時に略一致することなる。
♯1気筒の点火が実行され内燃機関に対する初爆がもたらされると、機関回転数は増加し、それに伴い、各気筒の吸気行程期間は短くなる。このことは、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされない可能性をもたらし、あくまでも燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる場合には、要求量の燃料を気筒内に供給することができず、吸気同期噴射の効果が十分に得られないという問題が生じうる。
このことに基づいて、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置においては、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて、所定量の燃料すなわち内燃機関を良好に始動するように内燃機関の状態に基づいて決定される要求量の燃料を噴射するように制御する。これにより、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは不足する場合には、該不足する燃料噴射期間を排気行程期間中に割り当てることで、要求燃料噴射量を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
ところで、吸気弁および排気弁の開弁あるいは閉弁時期は、混合気の吸気及び排気がスムーズに行えることを考慮して、一般に排気弁が閉弁する前に吸気弁が開弁されるように設定されている。このため、内燃機関が排気行程から吸気行程に移行する際には、排気弁と吸気弁とが共に開弁する所謂バルブオーバーラップが生じ、吸気弁が開弁する瞬間においては、燃焼室内に高圧の排気ガスが残留しているとともに吸気ポート13内に吸気負圧が蓄えられていることにより、吸気弁が開弁すると同時に燃焼室4から吸気ポート13に向けて排気ガスが逆流する可能性がある。吸気弁の開弁後のこのような排気ガスの逆流は、気筒内への燃料の供給を妨げ、吸気同期噴射の効果を低減する一要因となる。
このことに基づいて、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置においては、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を、バルブオーバーラップ期間と重ならないように、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて要求量の燃料を噴射するように制御する。これにより、バルブオーバーラップ期間中に燃料噴射は行われることはなく、排気ガスの逆流による気筒内への燃料供給の影響を回避することができ、より良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
図2に示された実施形態においては、内燃機関が始動される際、♯4気筒の吸気行程の開始時は♯1気筒の点火時期と略一致し、初爆後に♯4気筒の吸気行程は行われる。従って、♯4気筒に対する燃料噴射は、気筒判別センサ34からの♯3気筒の吸気行程上死点(540°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯4気筒が排気行程に入ったことが確認されると、まず、♯4気筒に対して、吸気行程以前に吸気ポート13に燃料を噴射する所謂吸気非同期噴射が、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯4気筒の排気行程期間中に実行される。具体的には、気筒判別センサ34から♯3気筒の吸気行程上死点(540°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯4気筒が排気行程に入ったことがECU40により確認されると、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯4気筒の排気行程期間中に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁12が制御されることで、吸気非同期噴射が実行される。
そして、気筒判別センサ34からの♯4気筒の吸気行程上死点(720°CAあるいは0°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯4気筒が吸気行程に入ったことが確認されると、次に、♯4気筒に対して吸気同期噴射が、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯4気筒の吸気行程期間中に実行される。具体的には、気筒判別センサ34から♯4気筒の吸気行程上死点(720°CAあるいは0°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯4気筒が吸気行程に入ったことがECU40により確認されると、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯4気筒の吸気行程期間中に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁12が制御されることで、吸気同期噴射が実行される。
尚、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて要求量の燃料を噴射するように制御する際の、吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量の割合は、本実施形態においては内燃機関始動時の内燃機関温度、特に機関冷却水温度に基づいて算出される。本実施形態においては、初爆後の要求燃料噴射量および該要求燃料噴射量に対する吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量の割合は、内燃機関始動時の内燃機関温度、特に機関冷却水温度に基づいて算出されるが、内燃機関温度に対応する機関油温度に基づいて算出されてもよい。その場合は、機関油温度を検出する油温センサが構成要素として配設されることになる。
図4は、内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて要求量の燃料を噴射するように制御する際の、吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量との割合を算出する制御ルーチンの一実施形態を示すフローチャート図である。
以下に、上記吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量との割合を算出する制御ルーチンについて説明する。
図4における制御ルーチンにおいては、まず、内燃機関の始動時か否かが判定され、次に、機関冷却水温度に基づいて、要求燃料噴射量と、該要求燃料噴射量に対する吸気行程中に噴射する燃料量の割合とが算出される。
まず、ステップ101において、内燃機関の始動時か否かが判定される。具体的には、スタータモータにより内燃機関を回転するクランキングを実行するためのスタータスイッチがオンされたか否かがECU40により確認されることで、内燃機関の始動時であるか否かの判定がなされる。内燃機関の始動時であることが確認されると、続くステップ102に進む。
ステップ102においては、内燃機関始動時の機関冷却水温度に基づいて、内燃機関を良好に始動するために必要な燃料噴射量となる要求燃料噴射量が算出される。具体的には、評価試験や解析評価などのデータに基づいて内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして初爆後の要求燃料噴射量を算出できる第二のマップ(図5)を予め作成し、該第二のマップを用いて、シリンダブロック1のウォータジャケット内に配設された水温センサ30からの出力情報に基づいて要求燃料噴射量が算出される。尚、該第二のマップは、ECU40のメモリー等に記憶されて使用される。
図5は、内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして初爆後の要求燃料噴射量を算出する第二のマップの一実施形態を示す図である。図5に示されるごとく、機関冷却水温度が低いほど、すなわち内燃機関温度が低いほど燃料が霧化し難く、要求燃料噴射量は多く設定される。
尚、図5に示されるごとく、内燃機関が始動される際、クランキング期間中に吸気行程が行われる気筒、すなわち、燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる気筒に対する要求燃料噴射量の設定は、確実に吸気同期噴射のみで要求燃料を気筒に供給できるように、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する要求燃料噴射量の設定よりも低く設定されてもよい。また、クランキング期間中において燃料噴射が吸気同期噴射のみで行われる気筒に対する要求燃料噴射量の設定は、予め評価試験や解析評価などのデータに基づいて、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する要求燃料噴射量の設定と同様としても確実に吸気同期噴射のみで要求量の燃料を気筒内に供給できることが確認されれば、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する要求燃料噴射量の設定と同様とされてもよく、また、その他の形態で適当に決定されてよい。
ステップ102において、内燃機関始動時の機関冷却水温度に基づいて、内燃機関を良好に始動するために必要な燃料噴射量となる要求燃料噴射量が算出されると、続くステップ103に進む。ステップ103においては、機関冷却水温度に基づいて、ステップ102にて算出された要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量すなわち吸気行程中に噴射する燃料量の割合が算出される。尚、吸気非同期噴射量すなわち吸気行程以前の排気行程中に噴射する燃料量の割合は、要求燃料噴射量から吸気同期燃料噴射量を減算することで算出される。具体的には、評価試験や解析評価などのデータに基づいて内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出できる第三のマップ(図6)を予め作成し、該第三のマップを用いて、シリンダブロック1のウォータジャケット内に配設された水温センサ30からの出力情報に基づいて、要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出することで、吸気同期噴射量と吸気非同期噴射量との要求燃料噴射量に対する割合を算出する。この第三のマップは、ECU40のメモリー等に記憶されて使用される。尚、図4に示す制御ルーチンにおいては、内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出できる第三のマップ(図6)を予め作成し、要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出し、要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合と吸気非同期噴射の割合とを算出しているが、内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして要求燃料噴射量に対する吸気非同期噴射量の割合を算出できるマップを予め作成し、要求燃料噴射量に対する吸気非同期噴射量の割合を算出し、要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合と吸気非同期噴射の割合とを算出してもよい。
図6は、内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出する第三のマップの一実施形態を示す図である。
ここで、留意すべき点は、図6に示される要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合は、評価試験や解析評価などのデータに基づいて、バルブオーバーラップ期間と重ならない吸気行程期間中に吸気同期噴射により可能な限り多くの燃料を噴射するように決定されることである。従って、要求燃料噴射量に対する吸気非同期噴射量の割合は、吸気同期噴射により噴射される燃料量だけでは、ステップ102で算出された要求燃料噴射量に満たない不足分燃料量を噴射するように決定されることになる。
機関冷却水温度が低いほど、すなわち内燃機関温度が低いほど、内燃機関が回転する際の摩擦抵抗は大きく、機関回転数の立ち上がりは遅く、吸気行程時間は長い。よって、バルブオーバーラップ期間と重ならない吸気行程期間中に吸気同期噴射により可能な限り多くの燃料を噴射するように、要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合は、図6に示されるごとく、機関冷却水温度が低いほど大きくなるように設定される。
このように要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合が決定されることで、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、且つ、バルブオーバーラップに起因する排気ガスの逆流による気筒内への燃料供給の影響を回避することができ、より良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
また、初爆後に吸気行程が行われる♯4気筒および♯2気筒に対する吸気同期噴射は、クランキング期間中に吸気行程が行われる♯1気筒および♯3気筒に対する吸気同期噴射と同様に、♯4気筒および♯2気筒のそれぞれの吸気行程下死点までに終了するように制御される。これにより、ピストン2の上昇による吸気の吹き戻しを防止することができ、より確実に要求量の燃料を気筒内に供給することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することが可能となる。
次に、♯1気筒、♯3気筒および♯4気筒の次に吸気行程が行われる♯2気筒に対する燃料噴射が実行されることになるが、♯2気筒に対する燃料噴射は、♯2気筒の吸気行程が初爆後に行われるため、♯4気筒に対する燃料噴射と同様に、♯1気筒および♯3気筒に対する燃料噴射制御とは異なり、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて燃料を噴射するように制御される。尚、♯2気筒の吸気行程上死点(180°CA)は、♯3気筒の圧縮上死点と一致し、♯3気筒は、圧縮上死点(180°CA)あるいは、その近傍で点火され、混合気の着火すなわち爆発がもたらされる。従って、♯3気筒における混合気の爆発は、内燃機関としての♯1気筒における初爆に続く2番目の混合気の爆発となる。
♯2気筒に対する燃料噴射は、気筒判別センサ34からの♯4気筒の吸気行程上死点(720°CAあるいは0°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯2気筒が排気行程に入ったことが確認されると、まず、♯2気筒に対して、吸気行程以前に吸気ポート13に燃料を噴射する所謂吸気非同期噴射が、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯2気筒の排気行程期間中に実行される。具体的には、気筒判別センサ34から♯4気筒の吸気行程上死点(720°CAあるいは0°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯2気筒が排気行程に入ったことがECU40により確認されると、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯2気筒の排気行程期間中に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁12が制御されることで、吸気非同期噴射が実行される。
そして、気筒判別センサ34からの♯2気筒の吸気行程上死点(180°CA)を示す出力パルス信号が出力されて♯2気筒が吸気行程に入ったことが確認されると、次に、♯2気筒に対して吸気同期噴射が、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯2気筒の吸気行程期間中に実行される。具体的には、気筒判別センサ34から♯2気筒の吸気行程上死点(180°CA)を示す出力パルス信号がECU40に出力され、♯2気筒が吸気行程に入ったことがECU40により確認されると、バルブオーバーラップ期間と重ならない♯2気筒の吸気行程期間中に燃料噴射を実行するようにECU40により燃料噴射弁が制御されることで、吸気同期噴射が実行される。
尚、内燃機関が始動される際、♯2気筒に対する燃料噴射を、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて要求量の燃料を噴射するように制御する際の、吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量の割合は、機関冷却水温度に代表されるような機関温度に依存して、♯4気筒に対して図4を参照しつつ上記に説明した算出方法と同様の方法で決定され、その作用効果も同様であり、その説明は省略する。
以上、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、機関始動時における燃料噴射に吸気同期噴射が適用された場合において、要求燃料噴射量に応じて設定された燃料噴射期間が吸気行程期間だけでは満たされないことによる影響や、吸気弁と排気弁とが共に開いているバルブオーバーラップ期間中における排気ガスの逆流の影響を排除することができ、吸気同期噴射の効果を損ねることなく、良好な内燃機関の始動性を確保することを可能とする。
本発明の燃料噴射制御装置が適用された多気筒内燃機関の全体構成である。 本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置による内燃機関始動時の燃料噴射制御における、燃料噴射時期、点火時期、機関回転数およびクランク角の時間推移の一実施形態を示すタイムチャート図である。 内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとしてクランキング期間中の要求燃料噴射量を算出する第一のマップの一実施形態を示す図である。 内燃機関が始動される際、初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射を、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて要求量の燃料を噴射するように制御する際の、吸気行程中に噴射する燃料量と排気行程中に噴射する燃料量との割合を算出する制御ルーチンの一実施形態を示すフローチャート図である。 内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして初爆後の要求燃料噴射量を算出する第二のマップの一実施形態を示す図である。 内燃機関始動時の機関冷却水温度をパラメータとして要求燃料噴射量に対する吸気同期噴射量の割合を算出する第三のマップの一実施形態を示す図である。
符号の説明
1 機関シリンダブロック
2 ピストン
3 シリンダヘッド
4 燃焼室
5 吸気マニホルド
6 排気マニホルド
7 サージタンク
8 吸気ダクト
9 エアフローメータ
10 エアクリーナ
11 スロットル弁
12 燃料噴射弁
13 吸気ポート
14 排気管
15 三元触媒コンバータ
25 ディストリビュータ
30 水温センサ
32 クランク角センサ
34 気筒判別センサ
40 電子制御ユニット
50 駆動回路

Claims (3)

  1. 複数の気筒を有し、該気筒毎に独立の噴射時期で燃料を吸気ポートに噴射する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    内燃機関が始動される際、
    クランキング時に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中に所定量の燃料を噴射するように制御され、
    初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射は、バルブオーバーラップ期間と重なることなく、吸気行程中と該吸気行程前の排気行程中とに分けて所定量の燃料を噴射するように制御される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記初爆後に吸気行程が行われる気筒に対する燃料噴射における、吸気行程中の燃料噴射量と排気行程中の燃料噴射量との割合は、機関温度に依存して決定される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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