JP5604963B2 - 信号制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、交差点に設置された信号灯器を制御する信号制御装置に関する。
交通信号制御機に対する信号制御方式を、信号制御パラメータ(スプリット、サイクル長及びオフセット等)の設定方式の視点で大別すると、時間帯に応じて信号制御パラメータを設定する定周期制御と、交通状況に応じて信号制御パラメータを設定する交通感応制御の2種類がある。
ここで、サイクル長、スプリット、オフセットの各用語の定義は下記の通りである。
サイクル長:信号灯色の表示が一巡することを1サイクルといい、1サイクルの所要時間をサイクル長という。
スプリット:交差点の各流入路に対して与えられる通行権を現示といい、1サイクルに占める各現示の時間比率をスプリットという。
オフセット:幹線道路に沿って設置された幾つかの交通信号制御機を信号制御の単位として扱い、互いに一定の時間関係をもたせて制御する方式を系統制御といい、この系統制御において、各交通信号制御機の1サイクルの開始時点にもたせるずれをオフセットという。
このうち、後者の交通感応制御は、端末の交通信号制御機ごとに行う端末感応制御(ミクロ制御)と、路線系統制御或いは面制御される複数の交差点を対象に信号制御パラメータを変化させる中央感応制御(マクロ制御)に分類される。
上記中央感応制御は、交通流の変動に対応した高度な系統制御や広域制御(面制御)を行えるため、交通量の時間変動が激しくかつ交通量が多く、高い交通処理効率が要求される道路に適用され、プログラム選択制御又はプログラム形成制御が採用される。
プログラム選択制御とは、予め設定された複数のプログラムの中から、車両感知器情報に基づいてそのときの交通状態に最適な一つのプログラムを選択する方式である。また、プログラム形成制御とは、予め有限個のパラメータ値を設定するのではなく、車両感知器情報に基づいてオンラインで信号制御パラメータや信号表示の切り替えタイミングを決定する方式である。
交通管制センターに設置された信号制御装置が行う中央感応制御では、一般にプログラム選択制御が採用されているが、これには次のような短所がある。
(1)パラメータの設計に多大な労力を要する。
(2)交通状況の経年変化で状況が大きく変化した時の再設計が必要となる。
(3)評価指標(交通量と占有率の加重和)が経験的かつ曖昧である。
(4)余裕を持たせるためにサイクル長が長くなる傾向にあり、無駄な青時間が発生したり、歩行者待ち時間が大きくなったりし易い。
そこで、上記短所を解決するために、交通管制センターの信号制御装置が交通状況に応じてスプリット、サイクル長及びオフセット等の信号制御パラメータを自動的に更新するプログラム形成制御が行われており、この制御方式は、わが国において「MODERATO(Management by Origin−DEstination Related Adaptation for Traffic Optimization)制御」と呼ばれている(非特許文献1参照)。
「改訂 交通信号の手引き」 編集・発行 社団法人 交通工学研究会(16〜18頁、83〜87頁)
プログラム形成制御においては、通常、同じパターンの現示構成を繰り返し使用しており、それぞれの現示に与えるスプリットなどの信号制御パラメータを交通状況に応じて変えている。
図16に従来の信号制御装置における現示構成の例を示す。
現示1(歩車)では、左右方向の流入路の車両と左右方向の横断歩道の歩行者に対して通行権が与えられる。
現示1(車両)では、左右方向の流入路の車両に対して通行権が与えられる。
現示2(歩車)では、上下方向の流入路の車両と上下方向の横断歩道の歩行者に対して通行権が与えられる。
現示2(車両)では、上下方向の流入路の車両に対して通行権が与えられる。
信号制御装置はこれらの4つの現示構成を毎サイクル使用しており、これらの4つの現示に与えるスプリットなどの信号制御パラメータを毎サイクルの交通状況に応じて変えている。
しかしながら、交通状況によっては異なるパターンの現示構成を使用した方が良い場合もあるが、従来の信号制御装置では柔軟に現示構成を変更することができなかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、交通状況によって柔軟に現示構成を変更することができる信号制御装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る信号制御装置は、複数の流入路を有する交差点に設置された信号灯器を制御する信号制御装置であって、前記複数の流入路のうちの第1の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第1交通量を算出する第1交通量算出手段と、前記複数の流入路のうちの前記第1の流入路に対向する第2の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第2交通量を算出する第2交通量算出手段と、前記第1交通量と第2交通量とに基づいて、前記第1の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第2の流入路に対して通行権を与えない現示である第1時差現示を用いるか否かを判定する時差現示判定手段と、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いると判定した場合には、その第1時差現示を含む複数の現示を設定し、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いないと判定した場合には、その第1時差現示を含まない複数の現示を設定する現示設定手段と、前記現示設定手段が設定した複数の現示について、前記信号灯器を制御するための信号制御パラメータを算出する信号制御パラメータ算出手段とを備える。
上記の信号制御装置においては、第1の流入路における少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第1交通量と、第1の流入路に対向する第2の流入路における少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第2交通量とに基づいて、第1の流入路に対して通行権を与え、第2の流入路に対して通行権を与えない時差現示(第1時差現示)を用いるか否かを判定するので、交通状況に応じて柔軟に現示構成を変更することができる。
時差現示の要否の判定は、例えば、第1交通量と第2交通量との大小関係に基づいて行っても良いし、その差分である阻害交通量の大きさに基づいて行っても良いし、また、第1交通量を第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して求めた第1飽和度と第2交通量を第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して求めた第2飽和度との大小関係に基づいて行っても良いし、その差分の大きさに基づいて行っても良い。第1交通量、第2交通量は、車両感知器で計測した交通量だけでなく、第1の流入路、第2の流入路における渋滞の台数(例えば、渋滞長を車頭間隔で割って求めた台数)を加味しても良い。
また、流入路における渋滞長は流入路における交通量と密接に関連する指標であるため、第1交通量、第2交通量には、第1の流入路における渋滞長、第2の流入路における渋滞長が含まれるものとする。従って、時差現示の要否の判定は、第1の流入路における渋滞長と第2の流入路における渋滞長との大小関係に基づいて行っても良いし、渋滞長の差分の大きさに基づいて行っても良い。
ここで、信号制御パラメータには、スプリット、サイクル長及びオフセット等が含まれる。サイクル長、スプリット、オフセットの各用語の定義は下記の通りである。
サイクル長:信号灯色の表示が一巡することを1サイクルといい、1サイクルの所要時間をサイクル長という。
スプリット:交差点の各流入路に対して与えられる通行権を現示といい、1サイクルに占める各現示の時間比率をスプリットという。
オフセット:幹線道路に沿って設置された幾つかの交通信号制御機を信号制御の単位として扱い、互いに一定の時間関係をもたせて制御する方式を系統制御といい、この系統制御において、各交通信号制御機の1サイクルの開始時点にもたせるずれをオフセットという。
前記信号制御装置は、前記第1交通量と前記第2交通量の差分である阻害交通量を算出する阻害交通量算出手段を備え、前記時差現示判定手段は、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記阻害交通量に基づいて、前記第1時差現示を用いるか否かを判定し、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記阻害交通量に基づいて、前記第2の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第1の流入路に対して通行権を与えない現示である第2時差現示を用いるか否かを判定し、前記現示設定手段は、
前記時差現示判定手段が第1時差現示を用いると判定した場合には、前記第1の流入路の少なくとも直進方向と前記第2の流入路の少なくとも直進方向との双方に通行権を与える現示である相互現示と、前記第1時差現示とを含む複数の現示を設定し、前記時差現示判定手段が第2時差現示を用いると判定した場合には、前記相互現示と、前記第2時差現示とを含む複数の現示を設定しても良い。
第1交通量と第2交通量との差分である阻害交通量に基づいて、第1の流入路に対して通行権を与え、第2の流入路に対して通行権を与えない時差現示(第1時差現示)、又は、第2の流入路に対して通行権を与え、第1の流入路に対して通行権を与えない時差現示(第2時差現示)を用いるか否かを判定するので、交通状況に応じて柔軟に現示構成を変更することができる。
前記信号制御装置は、前記第1交通量を前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して第1飽和度を算出する第1飽和度算出手段と、前記第2交通量を前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除した第2飽和度を算出する第2飽和度算出手段と、前記第1飽和度と前記第2飽和度の小さい方を、前記相互現示の飽和度である相互現示飽和度として算出する相互現示飽和度算出手段と、前記第1飽和度と前記第2飽和度の大きい方から、前記相互現示飽和度を減じて、前記第1時差現示又は第2時差現示の飽和度である時差現示飽和度を算出する時差現示飽和度算出手段とを備え、前記信号制御パラメータ算出手段は、前記時差現示判定手段が第1時差現示又は第2時差現示を用いると判定した場合には、前記相互現示飽和度と前記時差現示飽和度とに基づいて前記信号制御パラメータを算出しても良い。
第1の流入路の少なくとも直進方向と第2の流入路の少なくとも直進方向との双方に通行権を与える相互現示においては、第1の流入路における第1飽和度(第1交通量を第1の流入路における所定の飽和交通流率で除したもの)と第2の流入路における第2飽和度(第2交通量を第2の流入路における所定の飽和交通流率で除したもの)の小さい方に相当する相互現示飽和度を用いて、スプリットなどの信号制御パラメータを算出するので、第1の流入路と第2の流入路のいずれにおいても無駄な青時間(青信号の時間)はほぼ生じない。
また、時差現示においては、第1飽和度と第2飽和度の大きい方から相互現示飽和度を減じた時差現示飽和度を用いて、スプリットなどの信号制御パラメータを算出する。この場合、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路については、相互現示において捌くことができなかった交通量を捌くために通行権が与えられるので、無駄な青時間はほぼ生じないし、時差現示において通行権を与えられていない流入路については、そもそも青時間がないので、無駄な青時間は生じない。
このように、無駄な青時間を少なくして、効率良く交通流を制御することができる。
前記現示設定手段は、前記第1の流入路の右折方向と前記第2の流入路の右折方向との双方に通行権を与える右折現示をさらに含む複数の現示を設定し、前記信号制御装置は、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第1の流入路の右折方向の交通量を、前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第2の流入路の右折方向の交通量を、前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1時差現示又は前記第2時差現示における右折方向の飽和度である時差現示右折方向飽和度を算出する時差現示右折方向飽和度算出手段と、前記時差現示右折方向飽和度から前記時差現示飽和度を減じて、前記右折現示における飽和度の候補である右折現示第1候補飽和度を算出する右折現示第1候補飽和度算出手段と、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第2の流入路の右折方向の交通量を、前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第1の流入路の右折方向の交通量を、前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記右折現示における飽和度の候補である右折現示第2飽和度を算出する右折現示第2候補飽和度算出手段と、前記右折現示第1候補飽和度と前記右折現示第2候補飽和度の大きい方を、前記右折現示の飽和度である右折現示飽和度として算出する右折現示飽和度算出手段とを備え、前記信号制御パラメータ算出手段は、前記時差現示判定手段が第1時差現示又は第2時差現示を用いると判定した場合には、さらに右折現示飽和度に基づいて前記信号制御パラメータを算出しても良い。
第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路については、時差現示において右折方向の交通量の一部又は全部が捌けているので、その次の右折現示においては、時差現示において捌け切れなかった右折方向の交通量を捌くことができれば良い。そのため、この流入路については、右折現示において右折方向の交通量を捌くための飽和度は、右折方向の交通量をこの流入路の所定の飽和交通流率で除して求めた時差現示右折方向飽和度から、時差現示における時差現示飽和度を減じて求めた右折現示第1候補飽和度となる。
一方、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられていない流入路については、時差現示において右折方向の交通量は全く捌けていないので、その次の右折現示においては、右折方向の交通量の全てを捌くことができれば良い。そのため、この流入路については、右折現示において右折方向の交通量を捌くための飽和度は、右折方向の交通量をこの流入路の所定の飽和交通流率で除して求めた時差現示第2候補飽和度となる。
従って、最終的に右折現示において第1の流入路及び第2の流入路の右折方向の交通量を捌くための右折現示飽和度を、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路における右折現示第1候補飽和度と、時差現時において通行権を与えられていない流入路における右折現示第2候補飽和度の大きい方とすれば、第1の流入路及び第2の流入路における右折方向の交通量を適切に捌くことができる。
前記信号制御装置は、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記阻害交通量を前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記阻害交通量を前記第2の流入路の飽和交通流率で除して、前記阻害交通量が捌けるのに必要となる阻害交通量通行時間を算出する阻害交通量通行時間算出手段を備え、前記時差現示判定手段は、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第1の流入路における黄時間と当該流入路における赤時間と当該流入路における時差最小保証青時間との合計と、前記阻害交通量通行時間とに基づいて、前記第1時差現示を用いるか否かを判定し、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第2の流入路における黄時間と当該流入路における赤時間と当該流入路における時差最小保証青時間との合計と、前記阻害交通量通行時間とに基づいて、前記第2時差現示を用いるか否かを判定しても良い。
時差現示は、少なくとも黄時間と赤時間と最小の青時間である時差最小保証青時間との合計以上の時間を要する。阻害交通量を、第1の流入路と第2の流入路のうちの交通量の多い方の流入路の所定の飽和交通流率で除して求めた阻害交通量通行時間が、この合計よりも小さい場合には、せっかく時差現示を用いても、無駄な青時間が生じてしまう。一方、阻害交通量時間がこの合計以上であれば、時差現示を用いても、無駄な青時間が生じない。従って、阻害交通量通行時間とこの合計とを比較することにより、時差現示を用いる必要があるかを判定すれば、無駄な青時間を生じないように、適切な現示構成を用いることができる。
前記信号制御装置は、前記第1交通量と前記第2交通量とに基づいて、交通状態が閑散状態であるか否かを判定する交通状態判定手段を備え、前記時差現示判定手段は、さらに、前記交通状態判定手段が否と判定した場合に、前記第1時差現示を用いるか否か、あるいは、第2時差現示を用いるか否かを判定しても良い。
交通状態が閑散状態であれば、時差現示を用いるまでもないからである。このように交通状態が閑散でないと判定した場合に、時差現示を用いるか否かを判定するので、時差現示を適切に用いて効率良く交通流を制御することができる。
交通状態が閑散状態であるか否かの判定は、例えば、次のように行う。まず、第1交通量を第1の流入路の所定の飽和交通流率で除して、当該第1交通量を捌くのに必要な時間である第1交通量通行時間を求める。そして、歩行者が横断歩道を渡るのに最低限必要な青信号の時間である歩行者最小保証青時間と、歩行者に対する青点滅信号の時間である歩行者点滅時間と、歩行者と車両のうちの歩行者のみに対する赤信号の時間である歩行者赤時間との合計を求め、この合計と第1交通量通行時間を比較する。この合計は、通行権を与えられた流入路の車両における最低限の青時間であるため、第1交通量がこの合計より小さい場合には、第1交通量は最低限の青時間で十分に捌けるだけの交通量に過ぎず、第1の流入路は閑散であると判定することができる。また、第2交通量を第2の流入路の所定の飽和交通流率で除して、当該第2交通量を捌くのに必要な時間である第2交通量通行時間を求める。第1の流入路と同様に、歩行者最小保証青時間と歩行者点滅時間と歩行者赤時間との合計を求め、この合計と第2交通量通行時間とを比較する。第2交通量通行時間がこの合計より小さい場合には、第2交通量は最低限の青時間で十分に捌けるだけの交通量に過ぎず、第2の流入路は閑散であると判定することができる。
本発明の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、複数の流入路を有する交差点に設置された信号灯器を制御する信号制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、前記複数の流入路のうちの第1の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第1交通量を算出する第1交通量算出手段、前記複数の流入路のうちの前記第1の流入路に対向する第2の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第2交通量を算出する第2交通量算出手段、前記第1交通量と第2交通量とに基づいて、前記第1の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第2の流入路に対して通行権を与えない現示である第1時差現示を用いるか否かを判定する時差現示判定手段、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いると判定した場合には、その第1時差現示を含む複数の現示を設定し、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いないと判定した場合には、その第1時差現示を含まない複数の現示を設定する現示設定手段、前記現示設定手段が設定した複数の現示について、前記信号灯器を制御するための信号制御パラメータを算出する信号制御パラメータ算出手段、として機能させるためのコンピュータプログラムである。
上記のコンピュータプログラムは、上記の信号制御装置と実質的に同一の内容に係るコンピュータプログラムである。
上記によれば、交通状況によって柔軟に現示構成を変更することができる。
本発明の実施形態に係る信号制御装置を含む交通信号制御システムの概要を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る信号制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 各流入路の下流端の各車線と各流入路の基本車線群との対応の例である。 基本現示群の例である。 各基本現示群の通常現示と閑散現示の組み合わせの例である。 信号制御パラメータ算出処理の手順を示すフローチャートである。 各流入路の下流端の各車線における車種別の交通量の例である。 各流入路の下流端の各車線における車線別車種換算交通量の例である。 各流入路の下流端の各車線における車線別飽和度の例である。 各流入路の各基本車線群における基本車線交通量の例である。 各流入路の各基本車線群における基本車線飽和度の例である。 各流入路の下流端の車線と各流入路の基本車線群との対応の例である。 基本現示群の交通状態の判定の例である。 基本現示飽和度の例である。 基本現示飽和度、交差点飽和度、スプリットの例である。 従来の信号制御装置における現示構成の例である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る信号制御装置を含む交通信号制御システムの概要を示す模式図である。交通信号制御システムは、信号制御装置1、交通信号制御機2、信号灯器3、車両感知器4、非接触タグ5、車両6などを含むものである。信号制御装置1は、交通管制センター内に設置されており、複数の交差点ISのそれぞれに設置された交通信号制御機2と電話回線などの通信回線を介して接続されている。なお、信号制御装置1は、交通管制センター内に設置されず、道路上に設置されていても良い。信号灯器3は、交差点ISにおける複数の流出路RO1、流出路RO2、流出路RO3、流出路RO4(以下、これらの流出路をまとめて「流出路ROi(i=1〜4)」と表現する。)のそれぞれの上流端(交差点IS側の端)付近に設置され、交通信号制御機2と電力線などで接続されている。信号灯器3には、車両灯器と歩行者灯器が含まれている。車両感知器4は、交差点ISにおける複数の流入路RI1、流入路RI2、流入路RI3、流入路RI4(以下、これらの流入路をまとめて「流入路RIi(i=1〜4)」と表現する。)のそれぞれにおける停止線ST1、停止線ST2、停止線ST3、停止線ST4((以下、これらの停止線をまとめて「停止線STi(i=1〜4)」と表現する。)付近、これらの流入路RIi(i=1〜4)のそれぞれの上流端、流出路ROi(i=1〜4)のそれぞれの上流端に設置されており、信号制御装置1と電話回線などの通信回線を介して接続されている。また、横断歩道CR1が流入路RI1と流出路RO1にまたがって設置され、同様に、横断歩道CR2が流入路RI2と流出路RO2に、横断歩道CR3が流入路RI3と流出路RO3に、横断歩道CR4が流入路RI4と流出路RO4に、それぞれまたがって設置されている。車両6には非接触タグ5が搭載されている。なお、流入路や流出路の数など交差点ISの構成は一例であって、これに限定されるものではない。
非接触タグ5は、車両6の本体(ダッシュボード等)、又は車両6に必ず備えられることを義務付けられた物品(例えば、ナンバープレートや自動車検査証)に埋め込まれている。非接触タグ5は、データを記録することができるICチップを内蔵し、無線により電力供給やデータ伝送を行う。ICチップには、車両6の車両登録番号(例えば、「大阪500 あ 1234」など)、種類(例えば、普通車、大型貨物車、乗用バスなど)、長さ、幅、高さ、重量などの車両基礎情報が記録されているとともに、タグ自身を識別するためのタグIDが記録されている。
車両6には、非接触タグ5のICチップにデータを記録することができる書込装置(不図示)が搭載されており、この書込装置は、所定の周期(例えば、1秒)毎に、車両6の車輪速センサから速度情報を取得し、この速度情報を非接触タグ5のICチップに記録する。以下、非接触タグ5のICチップに記録されているタグID、車両基礎情報、速度情報をまとめて車両情報と呼ぶ。
車両感知器4は、非接触タグ5に記録されている車両情報を読み取る読取装置4aと、読取装置4aを制御する制御装置4bとを含んでいる。制御装置4bは、自己の車両感知器4を識別するための感知器IDを、制御装置4b内の記憶部に記録している。読取装置4aは、流入路RIi(i=1〜4)の上流端、流入路RIi(i=1〜4)の下流端の車線1(直進、左折用車線)及び車線2(右折用車線)、流出路ROi(i=1〜4)の上流端に設置されており、真下を通過する車両6の非接触タグ5に電力を供給するとともに、非接触タグ5に記録されている車両情報を読み取るようになっている。読取装置4aは、読み取った車両情報を制御装置4bに送信する。制御装置4bは、車両情報を受信すると、受信した時刻と受信した車両情報とを対にして制御装置4bの記憶部に記録するとともに、受信した車両情報の数を1つカウントアップし、車両6の交通量として同記憶部に記録する。制御装置4bは、所定の周期(例えば、1分や1サイクル)の間、この処理を行ったあと、記憶部に記録している感知器ID、受信時刻と車両情報のすべての対、交通量を、感知器情報として信号制御装置1に送信する。
信号制御装置1は、車両感知器4から所定の周期(1分や1サイクル)ごとに感知器情報を取得する。信号制御装置1は、所定の周期(例えば、1分や1サイクル)ごとに、取得した感知器情報に含まれる感知器ID、受信時刻と車両情報の対、交通量に基づいて、後述する信号制御パラメータ算出処理を行って、信号制御パラメータを算出する。信号制御パラメータには、サイクル長(信号灯色の表示が一巡することを1サイクルといい、1サイクルの所要時間をサイクル長という)、スプリット(交差点の各流入路に対して与えられる通行権を現示といい、1サイクルに占める各現示の時間比率をスプリットという)、オフセット(幹線道路に沿って設置された幾つかの交通信号制御機を信号制御の単位として扱い、互いに一定の時間関係をもたせて制御する方式を系統制御といい、この系統制御において、各交通信号制御機の1サイクルの開始時点にもたせるずれをオフセットという)をはじめ、各現示の灯色及び秒数に関する情報などが含まれる。信号制御パラメータには、予め設定されたサイクル長、スプリット、オフセットの組み合わせパターンの情報が含まれていても良い。信号制御装置1は、算出した信号制御パラメータの情報を含む信号制御指令を交通信号制御機2に送信する。
交通信号制御機2は、信号制御装置1から受信した信号制御指令に基づいて信号灯器3の各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する。
以下、信号制御装置1について詳細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る信号制御装置の構成の一例を示すブロック図である。信号制御装置1は、演算部101、記憶部102、受信部103、送信部104などを備える。
演算部101は、1又は複数のマイクロコンピュータから構成されており、装置全体の制御を行う。また、演算部101は、後述する信号制御パラメータ算出処理など、各種の演算処理を行う。
受信部103は、車両感知器4から感知器情報を受信する。
送信部104は、信号制御指令を交通信号制御機2に送信する。
記憶部102は、メモリ、ハードディスクなどから構成されており、コンピュータプログラムPGを記憶している。演算部101のコンピュータは、記憶部102からコンピュータプログラムPGを読み出して実行することにより、上記の各種の演算処理を行うことができる。
記憶部102は、演算部101が演算した結果や受信部103が受信した情報などを記録する。
また、記憶部102には、各流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)と、各流入路RIi(i=1〜4)において交差点を通過する時に同一に通行権を提供できる車線群である基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)とが対応付けられて記憶されている。
図3は各流入路の下流端の各車線と各流入路の基本車線群との対応の例である。
流入路RI1には、直進方向と左折方向とから構成される基本車線群BD11と、右折方向から構成される基本車線群BD12があり、流入路RI1の車線1は基本車線群BD11に、流入路RI1の車線2は基本車線群BD12に対応付けられている。
流入路RI2には、直進方向と左折方向とから構成される基本車線群BD21と、右折方向から構成される基本車線群BD22があり、流入路RI2の車線1は基本車線群BD21に、流入路RI2の車線2は基本車線群BD22に対応付けられている。
流入路RI3には、直進方向と左折方向とから構成される基本車線群BD31と、右折方向から構成される基本車線群BD32があり、流入路RI3の車線1は基本車線群BD31に、流入路RI3の車線2は基本車線群BD32に対応付けられている。
流入路RI4には、直進方向と左折方向とから構成される基本車線群BD41と、右折方向から構成される基本車線群BD42があり、流入路RI4の車線1は基本車線群BD41に、流入路RI4の車線2は基本車線群BD42に対応付けられている。
また、記憶部102には、各流入路RIi(i=1〜4)に対して、同一現示を与えても良い基本車線群をまとめたものである基本現示群BGm(m=1〜2)が記憶されている。
図4は基本現示群の例である。基本現示群BG1は流入路RI2と流入路RI4に関連する基本車線群BD21、基本車線群BD41、基本車線群BD22、基本車線群BD42から構成されており、基本現示群BG2は流入路RI1と流入路RI3に関連する基本車線群BD11、基本車線群BD31、基本車線群BD12、基本車線群BD32から構成されている。
また、記憶部102には、各基本現示群BGm(m=1〜2)について、通常時の現示である通常現示と、閑散時の現示である閑散現示の組み合わせが記憶されている。
図5は各基本現示群の通常現示と閑散現示の組み合わせの例である。
基本現示群BG1の通常現示は1パターンの基本現示(現示GJ1_1)、3パターンの付加現示(現示GJ1_2A、現示GJ1_2B、現示GJ1_2C)、1パターンの右折現示(現示GJ1_3)から構成されている。基本現示(現示GJ1_1)では、流入路RI2と流入路RI4の双方の直進方向と左折方向の車両と横断歩道CR1、横断歩道CR3の歩行者に対して通行権が与えられる。付加現示については、図5の上から順に、流入路RI2の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に通行権が与えられ、流入路RI4の車両には通行権が与えられないパターン(現示GJ1_2A)、流入路RI2と流入路RI4の双方の直進方向と左折方向の車両に通行権が与えられるパターン(現示GJ1_2B)、流入路RI2の車両に通行権が与えられず、流入路RI4の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に通行権が与えられるパターン(現示GJ1_2C)の3つがあり、流入路RI2と流入路RI4の交通状況に応じて、後述する信号制御パラメータ算出処理にてそのうちの1つが選択される。右折現示(現示GJ1_3)では、流入路RI2と流入路RI4の右折方向の車両に対して通行権が与えられる。
基本現示群BG1の閑散現示には、閑散現示1aと閑散現示1bの2種類がある。閑散現示1aは1パターンの基本現示、1パターンの右折現示から構成されており、付加現示はない。基本現示では、流入路RI2と流入路RI4の双方の直進方向と左折方向の車両と横断歩道CR1、横断歩道CR3の歩行者に対して通行権が与えられる。右折現示では、流入路RI2と流入路RI4の双方の右折方向の車両に対して通行権が与えられる。閑散現示1bは1パターンの基本現示のみで構成されており、付加現示、右折現示はない。基本現示では、流入路RI2と流入路RI4の双方の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両と横断歩道CR1、横断歩道CR3の歩行者に対して通行権が与えられる。後述する信号制御パラメータ算出処理にて閑散現示1a、閑散現示1bのいずれかが選択されるようになっている。
基本現示群BG2の通常現示は1パターンの基本現示(現示GJ2_1)、3パターンの付加現示(現示GJ2_2A、現示GJ2_2B、現示GJ2_2C)、1パターンの右折現示(現示GJ2_3)から構成されている。基本現示(現示GJ2_1)では、流入路RI1と流入路RI3の双方の直進方向と左折方向の車両と横断歩道CR2、横断歩道CR4の歩行者に対して通行権が与えられる。付加現示については、図5の上から順に、流入路RI1の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に通行権が与えられ、流入路RI3の車両には通行権が与えられないパターン(現示GJ2_2A)、流入路RI1と流入路RI3の双方の直進方向と左折方向の車両に通行権が与えられるパターン(現示GJ2_2B)、流入路RI1の車両に通行権が与えられず、流入路RI3の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に通行権が与えられるパターン(現示GJ2_2C)の3つがあり、流入路RI1と流入路RI3の交通状況に応じて、後述する信号制御パラメータ算出処理にてそのうちの1つが選択される。右折現示(現示GJ2_3)では、流入路RI1と流入路RI3の双方の右折方向の車両に対して通行権が与えられる。
基本現示群BG2の閑散現示には、閑散現示2aと閑散現示2bの2種類がある。閑散現示2aは1パターンの基本現示、1パターンの右折現示から構成されており、付加現示はない。基本現示では、流入路RI1と流入路RI3の双方の直進方向と左折方向の車両と横断歩道CR2、横断歩道CR4の歩行者に対して通行権が与えられる。右折現示では、流入路RI1と流入路RI3の双方の右折方向の車両に対して通行権が与えられる。閑散現示2bは1パターンの基本現示のみで構成されており、付加現示、右折現示はない。基本現示では、流入路RI1と流入路RI3の双方の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両と横断歩道CR2、横断歩道CR4の歩行者に対して通行権が与えられる。後述する信号制御パラメータ算出処理にて閑散現示2a、閑散現示2bのいずれかが選択されるようになっている。
図6は、信号制御パラメータ算出処理の手順を示すフローチャートである。演算部101は、所定の周期(例えば、1サイクル)毎に、以下の信号制御パラメータ算出処理を行う。
まず、演算部101は、過去の1サイクルにおけるそれぞれの流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)の車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)を求める(ステップS01)。TV11は流入路RI1の車線1の車線別車種換算交通量、TV12は流入路RI1の車線2の車線別車種換算交通量、TV21は流入路RI2の車線1の車線別車種換算交通量、TV22は流入路RI2の車線2の車線別車種換算交通量、TV31は流入路RI3の車線1の車線別車種換算交通量、TV32は流入路RI3の車線2の車線別車種換算交通量、TV41は流入路RI4の車線1の車線別車種換算交通量、TV42は流入路RI4の車線2の車線別車種換算交通量である。
具体的には、それぞれの流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)に設置された車両感知器4の読取装置4aで取得した車両情報に含まれる車両の種類に基づいて、それぞれの流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)から交差点ISに流入する各車両が普通車、大型貨物車、乗用バス、二輪車のいずれに該当するかを把握し、それぞれの台数(交通量)から下記の式(1)により車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)を求める。
車線別車種換算交通量TVij
=流入路RIiの車線jの普通車の交通量×普通車の換算係数CO1
+流入路RIiの車線jの大型貨物車の交通量×大型貨物車の換算係数CO2
+流入路RIiの車線jの乗用バスの交通量×乗用バスの換算係数CO3
+流入路RIiの車線jの二輪車の交通量×二輪車の換算係数CO4
・・・式(1)
例えば、それぞれの流入路RI1(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)における普通車、大型貨物車、乗用バス、二輪車の交通量が図7に示すような内容であったとする。また、普通車の換算係数CO1=1.0、大型貨物車の換算係数CO2=1.2、乗用バスの換算係数CO3=10.0、二輪車の換算係数CO4=0.5であるとする。
この場合、流入路RI1の車線1における車線別車種換算交通量TV11は式(1)により、10[台]×1.0+0[台]×1.2+0[台]×10.0+0[台]×0.5=10[台]と求めることができる。
また、流入路RI2の車線1における車線別車種換算交通量TV21は式(1)により、7[台]×1.0+3[台]×1.2+0[台]×10.0+0[台]×0.5=10.6[台]と求めることができる。
同様に、他の車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)を式(1)により求めると、図8に示すような結果となる。
次に、演算部101は、ステップS01で求めた車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)と、各流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)の車線別飽和交通流率PVij(i=1〜4、j=1〜2)と、飽和度係数CO5とを用いて、下記の式(2)により、各流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)の飽和度PIij(i=1〜4、j=1〜2)を求める(ステップS02)。
車線別飽和度PIij
=車線別車種換算交通量TVij/車線別飽和交通流率PVij
×飽和度係数CO5
・・・式(2)
なお、飽和度係数CO5は、各流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)ごとに異なる値を設定しても良い。
例えば、車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)が図8に示す内容であり、車線別飽和交通流率PVij(i=1〜4、j=1〜2)がいずれも1800[台/青1時間]であり、飽和度係数CO5=1.0であるとする。
この場合、流入路RI1の車線1における車線別飽和度PI11は式(2)により、10[台]/1800[台/青1時間]×1.0=0.00556と求めることができる。
また、流入路RI2の車線1における車線別飽和度PI21は式(2)により、10.6[台]/1800[台/青1時間]×1.0=0.00589と求めることができる。
同様に、他の車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)を式(2)により求めると、図9に示すような結果となる。
次に、演算部101は、各流入路RIi(i=1〜4)について、同じ基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する車線j(j=1〜2)の車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)を比較し、最大のものをその流入路RIi(i=1〜4)の基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)とし、その最大の車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)に対応する車線別飽和度PIij(i=1〜4、j=1〜2)をその流入路RIi(i=1〜4)の基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)とする(ステップS03)。
流入路RI1については、基本車線群BD11に対応する車線は車線1のみなので、基本車線群BD11における基本車線交通量BTV11は車線別車種換算交通量TV11の10[台]となる。また、基本車線群BD12に対応する車線は車線2のみなので、基本車線群BD12における基本車線交通量BTV12は車線別車種変換交通量TV12の1[台]となる。
流入路RI2については、基本車線群BD21に対応する車線は車線1のみなので、基本車線群BD21における基本車線交通量BTV21は車線別車種換算交通量TV21の10.6[台]となる。また、基本車線群BD22に対応する車線は車線2のみなので、基本車線群BD22における基本車線交通量BTV22は車線別車種変換交通量TV22の2[台]となる。
流入路RI3については、基本車線群BD31に対応する車線は車線1のみなので、基本車線群BD31における基本車線交通量BTV31は車線別車種換算交通量TV31の15[台]となる。また、基本車線群BD32に対応する車線は車線2のみなので、基本車線群BD32における基本車線交通量BTV32は車線別車種変換交通量TV32の4[台]となる。
流入路RI4については、基本車線群BD41に対応する車線は車線1のみなので、基本車線群BD41における基本車線交通量BTV41は車線別車種換算交通量TV41の10[台]となる。また、基本車線群BD42に対応する車線は車線2のみなので、基本車線群BD42における基本車線交通量BTV42は車線別車種変換交通量TV42の2[台]となる。
これらをまとめると図10のようになる。
また、流入路RI1については、基本車線群BD11における基本車線飽和度BPI11は、車線別車種換算交通量TV11に対応する車線別飽和度PI11の0.00556となる。また、基本車線群BD12における基本車線飽和度BPI12は、車線別車種変換交通量TV12に対応する車線別飽和度PI12の0.00056となる。
流入路RI2については、基本車線群BD21における基本車線飽和度BPI21は、車線別車種換算交通量TV21に対応する車線別飽和度PI21の0.00589となる。また、基本車線群BD22における基本車線飽和度BPI22は、車線別車種変換交通量TV22に対応する車線別飽和度PI22の0.00111となる。
流入路RI3については、基本車線群BD31における基本車線飽和度BPI31は、車線別車種換算交通量TV31に対応する車線別飽和度PI11の0.00833となる。また、基本車線群BD32における基本車線飽和度BPI32は、車線別車種変換交通量TV32に対応する車線別飽和度PI32の0.00222となる。
流入路RI4については、基本車線群BD41における基本車線飽和度BPI41は、車線別車種換算交通量TV41に対応する車線別飽和度PI41の0.00556となる。また、基本車線群BD42における基本車線飽和度BPI42は、車線別車種変換交通量TV42に対応する車線別飽和度PI42の0.00111となる。
これらをまとめると図11のようになる。
仮に図12の各流入路の下流端の各車線と各流入路の基本車線群の例のように、1つの基本車線群に2つの車線が対応付けられているとすると、例えば、流入路RI1については、基本車線群BD11に対応する車線は車線1と車線2の2つがあるので、基本車線群BD11における基本車線交通量BTV11は、流入路RI1の車線1の車線別車種換算交通量と流入路RI1の車線2の車線別車種換算交通量の多い方の値となる。そして、基本車線群BD11における基本車線飽和度BPI11は、この多い方の車線別車種換算交通量に対応する車線別飽和度の値となる。
次に、演算部101は、それぞれの基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれる各基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)おける基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)に基づいて、それぞれの基本現示群BGm(m=1〜2)における交通状態が通常状態か閑散状態かを判定する(ステップS04)。
具体的には、基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)が直進方向又は左折方向の場合には、この基本車線群における基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)と、この基本車線交通量に対応する車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)と同じ流入路RIi(i=1〜4)で同じ車線j(j=1〜2)における車線別飽和交通流率PVij(i=1〜4、j=1〜2)と、基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する流入路RIi(i=1〜4)における歩行者最小保証青時間PLi(i=1〜4)と、同流入路における歩行者点滅時間PFi(i=1〜4)と、同流入路における歩行者赤時間VGi(i=1〜4)と、係数CO6とを用いて、下記の不等式(3)を満たすか否かを判定し、満たす場合には基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)は通常状態、満たさない場合には閑散状態と決定する。歩行者最小保証青時間は歩行者が横断歩道を渡るのに最低限必要な青信号の時間であり、歩行者点滅時間は歩行者に対する青点滅信号の時間であり、歩行者赤時間は歩行者と車両のうちの歩行者のみに対する赤信号の時間である。
(基本車線交通量BTVik[台]/車線別飽和交通流率PVij[台/青1時間]
×3600[秒/1時間]+係数CO6)
> (歩行者最小保証青時間PLi[秒]+歩行者点滅時間PFi[秒]
+歩行者赤時間VGi[秒])
・・・式(3)
上記式(3)の右辺は車両に対する青時間を表している。
また、基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)が右折方向の場合には、この基本車線群における基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)と、この基本車線交通量に対応する車線別車種換算交通量TVij(i=1〜4、j=1〜2)と同じ流入路RIi(i=1〜4)で同じ車線j(j=1〜2)における車線別飽和交通流率PVij(i=1〜4、j=1〜2)と、基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する流入路RIi(i=1〜4)における黄時間Yi(i=1〜4)と、同流入路における赤時間Ri(i=1〜4)と、係数CO7とを用いて、下記の不等式(4)を満たすか否かを判定し、満たす場合には基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)は通常状態、満たさない場合には閑散状態と決定する。
(基本車線交通量BTVik[台]/車線別飽和交通流率PVij[台/青1時間]
×3600[秒/1時間]+係数CO7)
> (黄時間Yi[秒]+赤時間Ri[秒])
・・・式(4)
そして、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれるすべての基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)が閑散状態である場合には、基本現示群BGm(m=1〜2)は閑散状態であると判定し、それ以外の場合には、通常状態であると判定する。
これを、図4の例を用いて具体的に説明する。基本現示群BG1に含まれる基本車線群BD21は直進方向と左折方向であるから、基本車線群BD21における基本車線交通量BTV21と、基本車線交通量BTV21に対応する車線別車種換算交通量TV21と同じ流入路RI2で同じ車線1における車線別飽和交通流率PV21と、基本車線群BD21に対応する流入路RI2における歩行者最小保証青時間PL2と、同流入路における歩行者点滅時間PF2と、同流入路における歩行者赤時間VG2と、係数とCO6を用いて、上記の不等式(3)を具体化した下記の不等式(3a)を満たすか否かを判定する。
(基本車線交通量BTV21[台]/車線別飽和交通流率PV21[台/青1時間]
×3600[秒/1時間]+係数CO6)
> (歩行者最小保証青時間PL2[秒]+歩行者点滅時間PF2[秒]
+歩行者赤時間VG2[秒])
・・・式(3a)
ここで、係数CO6=0.0、全ての流入路RIi(i=1〜4)において、歩行者最小保証青時間PLi(i=1〜4)=10[秒]、歩行者点滅時間PFi(i=1〜4)=5[秒]、歩行者赤時間VGi(i=1〜4)=2[秒]とする。
基本車線交通量BTV21=10.6[台]、車線別飽和交通流率PV21=1800[台/青1時間]であるため、上記の不等式(3a)の左辺は、(10.6[台]/1800[台/青1時間]×3600[秒/1時間]+0.0)=21.2[秒]となり、上記の不等式(3a)の右辺は、(10[秒]+5[秒]+2[秒])=17秒となり、上記の不等式(3a)を満たす。従って、基本車線群BD21は通常状態と決定する。
また、基本現示群BG1に含まれる基本車線群BD22は右折方向であるから、基本車線群BD22における基本車線交通量BTV22と、基本車線交通量BTV22に対応する車線別車種換算交通量TV22と同じ流入路RI2で同じ車線2における車線別飽和交通流率PV22と、基本車線群BD22に対応する流入路RI2における黄時間Y2と、同流入路における赤時間R2と、係数CO7とを用いて、上記の不等式(4)を具体化した下記の不等式(4a)を満たすか否かを判定する。
(基本車線交通量BTV22[台]/車線別飽和交通流率PV22[台/青1時間]
×3600[秒/1時間]+係数CO7)
> (黄時間Y2[秒]+赤時間R2[秒])
・・・式(4a)
ここで、係数CO7=0.0、全ての流入路RIi(i=1〜4)において、黄時間Yi(i=1〜4)=3[秒]、赤時間Ri(i=1〜4)=3[秒]とする。
基本車線交通量BTV22=2[台]、車線別飽和交通流率PV22=1800[台/青1時間]であるため、上記の不等式(4a)の左辺は、(2[台]/1800[台/青1時間]×3600[秒/1時間]+0.0)=4[秒]となり、上記の不等式(4a)の右辺は、(3[秒]+3[秒])=6秒となり、上記の不等式(4a)を満たさない。従って、基本車線群BD22は閑散状態と決定する。
同様にして、基本現示群BG1に含まれる基本車線群BD41について、上記の不等式(3)の左辺を算出すると20[秒]となり、不等式(3)の右辺を算出すると17[秒]となるので、不等式(3)を満たし、基本車線群BD41は通常状態と決定する。
また、基本現示群BG1に含まれる基本車線群BD42について、上記不等式(4)の左辺を算出すると4[秒]となり、不等式(4)の右辺を算出すると6[秒]となるので、不等式(4)を満たさず、基本車線群BD42は閑散状態と決定する。
よって、基本現示群BG1に含まれる4つの基本車線群BD21、BD22、BD41、BD42のうち2つが通常状態となっており、全てが閑散状態となっていないので、基本現示群BG1は通常状態と決定する。
基本現示群BG2についても同様に処理する。基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11について、上記の不等式(3)の左辺を算出すると20[秒]となり、不等式(3)の右辺を算出すると17[秒]となるので、不等式(3)を満たし、基本車線群BD11は通常状態と決定する。
また、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD12について、上記の不等式(4)の左辺を算出すると2[秒]となり、不等式(4)の右辺を算出すると6[秒]となるので、不等式(4)を満たさず、基本車線群BD12は閑散状態と決定する。
基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD31について、上記の不等式(3)の左辺を算出すると30[秒]となり、不等式(3)の右辺を算出すると17[秒]となるので、不等式(3)を満たし、基本車線群BD31は通常状態と決定する。
また、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD32について、上記の不等式(4)の左辺を算出すると8[秒]となり、不等式(4)の右辺を算出すると6[秒]となるので、不等式(4)を満たし、基本車線群BD32は通常状態と決定する。
よって、基本現示群BG2に含まれる4つの基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち3つが通常状態となっており、全てが閑散状態となっていないので、基本現示群BG2は通常状態と決定する。
これらをまとめると図13のようになる。
次に、演算部101は、ステップS04において通常状態と判定した基本現示群BGm(m=1〜2)について、時差現示の必要性を判定する(ステップS05)。具体的には、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれるそれぞれの基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)のうち、直進方向と左折方向に該当するものを選定し、流入路RIi(i=1〜4)ごとに選定した基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)の合計を求め、その差分(差の絶対値)である阻害交通量BTVOm(m=1〜2)を求める。そして、阻害交通量BTVOm(m=1〜2)と、この阻害交通量BTVOm(m=1〜2)が含まれる基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する流入路RIi(i=1〜4)の直進方向又は左折方向の車線j(j=1〜2)の車線別飽和交通流率PVij(i=1〜4、j=1〜2)と、この阻害交通量BTVOm(m=1〜2)が含まれる基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する流入路RIi(i=1〜4)の黄時間Yi(i=1〜4)と、同流入路における赤時間Ri(i=1〜4)と、同流入路における時差現示の最小の青時間である時差最小保証青時間DGi(i=1〜4)と、係数CO8とを用いて、下記の不等式(5)を満たすか否かを判定し、満たす場合には当該基本現示群BGm(m=1〜2)について時差現示が必要であると決定し、満たさない場合には時差現示は不要であると決定する。
(阻害交通量BTVOm[台]/車線別飽和交通流率PVij[台/青1時間]
×3600[秒/1時間]+係数CO8)
> (黄時間Yi[秒]+赤時間Ri[秒]+時差最小保証青時間[秒])
・・・式(5)
ここで、上記の不等式(5)における左辺の「阻害交通量BTVOm[台]/車線別飽和交通流率PVij[台/青1時間]×3600[秒/1時間]」は、阻害交通量BTVOm[台]が通行するために要する時間であるので、阻害交通量通行時間と呼ぶ。
これを図4の例を用いて具体的に説明する。基本現示群BG1に含まれる基本車線群BD21、BD22、BD41、BD42のうち、直進方向と左折方向に該当するものは基本車線群BD21、基本車線群BD41である。基本車線群BD21に対応する流入路は流入路RI2であり、基本車線群BD41に対応する流入路は流入路RI4である。流入路RI2には選定した基本車線群は基本車線群BD21のみが対応するので、選定した基本車線群における基本車線交通量の合計は基本車線群BD21における基本車線交通量BTV21に該当する。流入路RI4には選定した基本車線群は基本車線群BD41のみが対応するので、選定した基本車線群における基本車線交通量の合計は基本車線群BD41における基本車線交通量BD41に該当する。阻害交通量BTVO1は、基本車線交通量BTV21と基本車線交通量BTV41の差分(差の絶対値)となる。基本車線交通量BTV21は10.6[台]であり、基本車線交通量BTV41は10[台]であるので、阻害交通量BTVO1はABS(10.6[台]−10[台])=0.6[台]となる。ここで、「ABS()」は、括弧内の値の絶対値を示す。阻害交通量BTVO1の0.6[台]は、基本車線交通量BTV21と基本車線交通量BTV41のうちの多い方である基本車線交通量BTV21に含まれるので、この基本車線交通量BTV21に対応する流入路RI2の黄時間Y2、同流入路の赤時間R2、同流入路の時差最小保証青時間DG2、係数CO8を用いて、上記の不等式(5)を満たすか否かを判定する。
ここで、係数CO8=0.0、全ての流入路RIi(i=1〜4)において、黄時間Yi(i=1〜4)=3[秒]、赤時間Ri(i=1〜4)=3[秒]、時差最小保証青時間DGi(i=1〜4)=1[秒]であるとする。
上記の不等式(5)の左辺は、(0.6[台]/1800[台/青1時間]×3600[秒/1時間]+0.0)=1.2[秒]となり、不等式(5)の右辺は(3[秒]+3[秒]+1[秒])=7[秒]となり、不等式(5)を満たさない。したがって、基本現示群BG1については、時差現示は不要であると決定する。
基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち、直進方向と左折方向に該当するものは基本車線群BD11、基本車線群BD31である。基本車線群BD11に対応する流入路は流入路RI1であり、基本車線群BD31に対応する流入路は流入路RI3である。流入路RI1には選定した基本車線群は基本車線群BD11のみが対応するので、選定した基本車線群における基本車線交通量の合計は基本車線群BD11における基本車線交通量BTV11に該当する。流入路RI3には選定した基本車線群は基本車線群BD31のみが対応するので、選定した基本車線群における基本車線交通量の合計は基本車線群BD31における基本車線交通量BD31に該当する。阻害交通量BTVO2は、基本車線交通量BTV11と基本車線交通量BTV31の差分(差の絶対値)となる。基本車線交通量BTV11は10[台]であり、基本車線交通量BTV31は15[台]であるので、阻害交通量BTVO2はABS(10[台]−15[台])=5[台]となる。阻害交通量BTVO1の5[台]は、基本車線交通量BTV11と基本車線交通量BTV31のうちの多い方である基本車線交通量BTV31に含まれるので、この基本車線交通量BTV31に対応する流入路RI3の黄時間Y3と、同流入における赤時間R3と、同流入路における時差最小保証青時間DG3と、係数CO8とを用いて、上記の不等式(5)を満たすか否かを判定する。
上記の不等式(5)の左辺は、(5[台]/1800[台/青1時間]×3600[秒/1時間]+0.0)=10[秒]となり、不等式(5)の右辺は(3[秒]+3[秒]+1[秒])=7[秒]となり、不等式(5)を満たす。したがって、基本現示群BG2については時差現示は必要であると決定する。
次に、演算部101は、それぞれの基本現示群BGm(m=1〜2)における現示の内容を決定し、それぞれの現示の飽和度を算出する(ステップS06)。
具体的には、ステップS04において閑散状態であると判定した基本現示群BGm(m=1〜2)については、閑散現示ma又は閑散現示mb(m=1〜2)を選定する。予めいずれを選定するかを決めておき、記憶部102に記憶しておいても良いし、交通状況を考慮していずれかを選定するように設定しても良い。
この場合、閑散現示ma(m=1〜2)を構成する基本現示と右折現示の飽和度、あるいは閑散現示mb(m=1〜2)の基本現示の飽和度は、従来の方法により求める。
また、ステップS04において通常状態であると判定し、ステップS05において時差現示が必要でないと判定した基本現示群BGm(m=1〜2)については、基本現示GJm_1(m=1〜2)を提供した後、時差現示でない付加現示GJm_2B(m=1〜2)を提供し、最後に右折現示GJm_3(m=1〜2)を提供する内容に決定する。
この場合、基本現示GJm_1(m=1〜2)と付加現示GJm_2B(m=1〜2)はいずれも直進方向と左折方向の車両に通行権を与えるものであり、基本現示GJm_1(m=1〜2)(又は付加現示GJm_2B(m=1〜2))に対応する基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)を用いて、基本現示GJm_1(m=1〜2)と付加現示GJm_2B(m=1〜2)に共通する基本現示飽和度BPIGJm_1(m=1〜2)を以下の式(6)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJm_1
=MAX(基本現示GJm_1に対応する基本車線群BDikにおける基本車線飽和度BPIik)
・・・式(6)
ここで、「MAX()」は括弧内に含まれる値のうちの最大の値を示す。
右折現示GJm_3(m=1〜2)は右折方向の車両に通行権を与えるものであり、右折現示GJm_3(m=1〜2)に対応する基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)を用いて、基本現示飽和度BPIGJm_3(m=1〜2)を以下の式(7)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJm_3
=MAX(右折現示GJm_3に対応する基本車線群BDikにおける基本車線飽和度BPIik)
・・・式(7)
ステップS04において通常状態であると判定し、ステップS05において時差現示が必要であると判定した基本現示群BGm(m=1〜2)については、基本現示GJm_1(m=1〜2)を提供した後、時差現示である付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)を提供し、最後に右折現示GJm_3(m=1〜2)を提供するように決定する。付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)のいずれを選定するかについては、ステップS05において算出した阻害交通量BTVOm(m=1〜2)が含まれる基本車線交通量BTVik(i=1〜4、k=1〜2)に対応する流入路RIi(i=1〜4)の全方向の車両に通行権を与える付加現示に対応するものを選定する。
この場合、基本現示GJm_1(m=1〜2)においては、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれる基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)のうち基本現示GJm_1(m=1〜2)に対応する基本車線群の共通する台数の車両に通行権を与える。これらの基本現示GJm_1(m=1〜2)に対応する基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)を用いて、基本現示GJm_1(m=1〜2)の基本現示飽和度BPIGJm_1(m=1〜2)を以下の式(8)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJm_1
=MIN(基本現示群BGmに含まれる基本車線群BDikのうち基本現示GJm_1に対応する基本車線群BDikにおける基本車線飽和度BPIik)
・・・式(8)
ここで、「MIN()」は括弧内に含まれる値のうちの最小の値を示す。
次に、時差現示である付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)は、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれる基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)のうち基本現示GJm_1(m=1〜2)に対応する基本車線群の差分(すなわち、阻害交通量BTVOm(m=1〜2))に該当する台数の車両に通行権を与えるものであるため、この基本現示GJm_1(m=1〜2)に対応する基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)と、基本現示飽和度BPIGJm_1(m=1〜2)とを用いて、付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)の基本現示飽和度BPIGJm_2(m=1〜2)を以下の式(9)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJm_2
=MAX(基本現示群BGmに含まれる基本車線群BDikのうち基本現示GJm_1に対応する基本車線群BDikにおける基本車線飽和度BPIik)−基本現示飽和度BPIGJm_1+係数CO9
・・・式(9)
次に、右折現示GJm_3(m=1〜2)は、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれる基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)のうち、右折現示GJm_3(m=1〜2)に対応する基本車線群であり、かつ、付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)で通行権を与えられた基本車線群における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)から、付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)の基本現示飽和度BPIGJm_2(m=1〜2)を差し引いた値と、基本現示群BGm(m=1〜2)に含まれる基本車線群BDik(i=1〜4、k=1〜2)のうち、右折現示GJm_3(m=1〜2)に対応する基本現示群であり、かつ、付加現示GJm_2A(m=1〜2)又は付加現示GJm_2C(m=1〜2)で通行権を与えられなかった基本車線群における基本車線飽和度BPIik(i=1〜4、k=1〜2)とを用いて、右折現示GJm_3(m=1〜2)の基本現示飽和度BPIGJm_3(m=1〜2)を以下の式(10)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJm_3
=MAX(MAX(0,((基本現示群BGmに含まれる基本車線群BDikのうち、右折現示GJm_3に対応する基本現示群であり、かつ、付加現示GJm_2A又は付加現示GJm_2Cで通行権を与えられた基本車線群における基本車線飽和度BPIik)−基本現示飽和度BPIGJm_2)),基本現示群BGmに含まれる基本車線群BDikのうち、右折現示GJm_3に対応する基本現示群であり、かつ、付加現示GJm_2A又は付加現示GJm_2Cで通行権を与えられなかった基本車線群における基本車線飽和度BPIik)
・・・式(10)
なお、基本現示GJm_1(m=1〜2)と付加現示GJm_2B(m=1〜2)はいずれも直進方向と左折方向の車両に通行権を与える現示であるので、相互現示といい、基本現示飽和度BPIGJm_1(m=1〜2)はその相互現示の飽和度であるので、相互現示飽和度という。また、付加現示GJm_2A(m=1〜2)及び付加現示GJm_2C(m=1〜2)は時差現示であるので、基本現示飽和度BPIGJm_2(m=1〜2)はその時差現示の飽和度であるので、時差現示飽和度という。また、右折現示GJm_3(m=1〜2)は右折現示であるので、基本現示飽和度BPIGJm_3(m=1〜2)はその右折現示の飽和度であるので、右折現示飽和度という。
これを具体的に説明する。基本現示群BG1は、ステップS04において通常状態であると判定され、ステップS05において時差現示が不要であると判定されているため、基本現示GJ1_1を提供した後、時差現示でない付加現示GJ1_2Bを提供し、最後に右折現示GJ1_3を提供する内容に決定する。
基本現示GJ1_1と付加現示GJ1_2Bはいずれも流入路RI2及び流入路RI4の直進方向と左折方向の車両に通行権を与えるものであり、基本現示GJ1_1に対応する基本車線群は基本車線群BD21と基本車線群BD41である。よって、基本現示GJ1_1と付加現示GJ1_2Bに共通する基本現示飽和度BPIGJ1_1は、上記の式(6)を具体化した以下の式(6a)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJ1_1
=MAX(基本車線群BD21における基本車線飽和度BPI21,基本車線群BD41における基本車線飽和度BPI41)
=MAX(0.00589,0.00556)
=0.00589
・・・式(6a)
右折現示GJ1_3は流入路RI2及び流入路RI4の右折方向の車両に通行権を与えるものであり、右折現示GJ1_3に対応する基本車線群は基本車線群BD22と基本車線群BD42である。よって、右折現示GJ1_3の基本現示飽和度BPIGJ1_3は、上記の式(7)を具体化した以下の式(7a)により算出する。
基本現示飽和度GPIGJ1_3
=MAX(基本車線群BD22における基本車線飽和度BPI22,基本車線群BD42における基本車線飽和度BPI42)
=MAX(0.00111,0.00111)
=0.00111
・・・式(7a)
基本現示群BG2は、ステップS04において通常状態であると判定され、ステップS05において時差現示が必要であると判定されているため、基本現示GJ2_1を提供した後、時差現示である付加現示GJ2_2A又は付加現示GJ2_2Cを提供し、最後に右折現示GJ2_3を提供する内容に決定する。付加現示GJ2_2A又は付加現示GJ2_2Cのいずれを選定するかについては、ステップS05において算出した阻害交通量BTVO2は基本車線交通量BTV31に含まれるので、この基本車線交通量BTV31に対応する流入路RI3の全方向の車両に通行権を与える付加現示GJ2_2Cを選定する。
基本現示GJ2_1は、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち基本現示GJ2_1に対応する基本車線群BD11、BD31の共通する台数の車両に通行権を与えるものであるため、この基本現示GJ2_1に対応する基本車線群BD11、BD31における基本車線飽和度BPI11、BPI31を用いて、基本現示GJ2_1の基本現示飽和度BPIGJ2_1を、上記の式(8)を具体化した以下の式(8a)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJ2_1
=MIN(基本車線群BD11における基本車線飽和度BPI11,基本車線群BD31における基本車線飽和度BPI31)
=MIN(0.00556,0.00833)
=0.00556
・・・式(8a)
次に、付加現示GJ2_2Cは、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち基本現示GJ2_1に対応する基本車線群BD11、BD31における基本車線交通量BTV11、BTV31の差分(すなわち、阻害交通量BTVO2)に該当する台数の車両に通行権を与えるものであるため、この基本現示GJ2_1に対応する基本車線群BD11、BD31における基本車線飽和度BPI11、BPI31を用いて、付加現示GJ2_2Cの基本現示飽和度BPIGJ2_2を、上記の式(9)を具体化した以下の式(9a)により算出する。ただし、係数CO9は0.0とする。
基本現示飽和度BPIGJ2_2
=MAX(基本車線群BD11における基本車線飽和度BPI11,基本車線群BD31における基本車線飽和度BPI31)−基本現示飽和度BPIGJ1_1+係数CO9
=MAX(0.00556,0.00833)−0.00556+0.0
=0.00277
・・・式(9a)
右折現示GJ2_3は、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち、右折現示GJ2_3に対応する基本車線群であり、かつ、付加現示GJ2_2Cで通行権を与えられた基本車線群である、基本車線群BD32における基本車線飽和度BPI32から、基本現示飽和度BPIGJ2_2を差し引いた値と、基本現示群BG2に含まれる基本車線群BD11、BD12、BD31、BD32のうち、右折現示GJ2_3に対応する基本車線群であり、かつ、付加現示GJ2_2Cで通行権を与えられなかった基本車線群である、基本車線群BD12における基本車線飽和度BPI12とを用いて、右折現示GJ2_3の基本現示飽和度BPIGJ2_3を、上記の式(10)を具体化した以下の式(10a)により算出する。
基本現示飽和度BPIGJ2_3
=MAX(MAX(0,基本車線飽和度BPI32−基本現示飽和度BPIGJ2_2),基本車線飽和度BPI12)
=MAX(MAX(0,0.00222−0.00277),0.00056)
=0.00056
・・・式(10a)
これらをまとめると図14のようになる。
次に、演算部101は、ステップS06で求めた基本現示飽和度を合計して交差点飽和度を算出し、それぞれの基本現示飽和度を交差点飽和度で除してスプリットを算出する(ステップS06)。
具体的に説明すると、基本現示飽和度BPIGJ1_1、基本現示飽和度BPIGJ1_3、基本現示飽和度BPIGJ2_1、基本現示飽和度BPIGJ2_2、基本現示飽和度BPIGJ2_3を合計して交差点飽和度を求めると、0.00589+0.00111+0.00556+0.00277+0.00056=0.01589となる。基本現示飽和度BPIGJ1_1を交差点飽和度で除してスプリットSP1_1を求めると、0.00589/0.01589=37%となる。同様に、基本現示飽和度BPIGJ2_1、基本現示飽和度BPIGJ2_2、基本現示飽和度BPIGJ2_3をそれぞれ交差点飽和度で除してスプリットSP1_3、スプリットSP2_1、スプリットSP2_2、スプリットSP2_3を求めると、7%、35%、17%、4%となる。
これらをまとめると図15のようになる。
〔比較例〕
ここで、比較例となる従来の固定式信号制御方式における信号制御パラメータ算出処理の手順について説明する。
固定式信号制御方式における現示構成の例を図16に示す。
現示1(歩車)では、流入路RI2と流入路RI4の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両と横断歩道CR1、横断歩道CR3の歩行者に対して通行権が与えられる。
現示1(車両)では、流入路RI2と流入路RI4の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に対して通行権が与えられる。
現示2(歩車)では、流入路RI1と流入路RI3の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両と横断歩道CR2、横断歩道CR4の歩行者に対して通行権が与えられる。
現示2(車両)では、流入路RI1と流入路RI3の全方向(直進方向、左折方向、右折方向)の車両に対して通行権が与えられる。
まず、過去の1サイクルにおけるそれぞれの流入路RIi(i=1〜4)における交通量Vi(i=1〜4)を求める。
実施形態1と同様に、それぞれの流入路RIi(i=1〜4)の下流端の各車線j(j=1〜2)における交通量が図7に示すような内容であったとすると、流入路RI1の交通量V1、流入路RI2の交通量V2、流入路RI3の交通流V3、流入路RI4の交通量V4は以下の式(11−1)〜式(11−4)のように算出される。
V1=10[台]+1[台]=11[台]・・・式(11−1)
V2=10[台]+2[台]=12[台]・・・式(11−2)
V3=15[台]+4[台]=19[台]・・・式(11−3)
V4=10[台]+2[台]=12[台]・・・式(11−4)
次に、上記で算出したそれぞれの流入路RIi(i=1〜4)の交通量Vi(i=1〜4)を、それぞれの流入路RIi(i=1〜4)の飽和交通流率PVi(i=1〜4)で除して、それぞれの流入路RIi(i=1〜4)の飽和度PIi(i=1〜4)を算出する。
上記の具体例では、飽和交通流率PVi(i=1〜4)がいずれも1800[台/青1時間]であるとすると、流入路RI1の飽和度PI1、流入路RI2の飽和度PI2、流入路RI3の飽和度PI3、流入路RI4の飽和度PI4は以下の式(12−1)〜式(12−2)のように算出される。
PI1=V1/PV1=11[台]/1800[台/青1時間]=0.0061
・・・式(12−1)
PI2=V2/PV2=12[台]/1800[台/青1時間]=0.0067
・・・式(12−2)
PI3=V3/PV3=19[台]/1800[台/青1時間]=0.0106
・・・式(12−3)
PI4=V4/PV4=12[台]/1800[台/青1時間]=0.0067
・・・式(12−4)
次に、各現示において通行権を与えられている流入路RIi(i=1〜4)の飽和度PIi(i=1〜4)の最大値を求め、それをその現示における現示飽和度PGJk(k=1〜2)とする。
上記の具体例では、現示1において通行権を与えられている流入路は流入路RI2と流入路RI4であるので、対応する飽和度PI2と飽和度PI4の最大値を求め、それを現示1における現示飽和度PGJ1とする。飽和度PI2は0.0067、飽和度PI4は0.0067であるため、飽和度PGJ1はこれらのうちの最大値である0.0067となる。一方、現示2において通行権を与えられている流入路は流入路RI1と流入路RI3であるので、対応する飽和度PI1と飽和度PI3の最大値を求め、それを現示2における現示飽和度PGJ2とする。飽和度PI1は0.0061、飽和度PI3は0.0106であるので、飽和度PGJ2はこれらのうちの最大値である0.0106となる。
次に、それぞれの現示飽和度PGJk(k=1〜2)を合計して交差点飽和度を算出し、それぞれの現示飽和度PGJk(k=1〜2)を交差点飽和度で除して、それぞれの現示のスプリットSPk(k=1〜2)を求める。
上記の具体例では、交差点飽和度は現示飽和度PGJ1と現示飽和度PGJ2の合計値となるため、0.0067+0.0106=0.0173となる。現示1のスプリットSP1、現示2のスプリットSP2は、以下の式(13−1)〜式(13−2)のように算出される。
SP1=PGJ1/交差点飽和度=0.0067/0.0173=39%
・・・式(13−1)
SP2=PGJ2/交差点飽和度=0.0106/0.0173=61%
・・・式(13−2)
〔実施形態と比較例との比較〕
比較例では、流入路RI1と流入路RI3には、交通量の多い流入路RI3の飽和度PI3を考慮して、61%という大きいスプリットが与えられている。流入路RI3においては車両が19[台]と多いので、これらの車両を捌くためにはこのくらい大きいスプリットが与えられるのが望ましいが、流入路RI1においては直進方向と左折方向の車両は11[台]と流入路RI3に比べて少ないので、このように大きいスプリットが与えられても、そのうちの半分程度は無駄になっている。すなわち、流入路RI1においては、車両を捌くのに必要となるスプリットよりも大きいスプリットが与えられているため、車両が捌けているのに青信号が無駄に提示されるという状態になっている。その一方で、流入路RI2と流入路RI4には、スプリットは39%しか与えられておらず、流入路RI1における無駄な青信号のしわ寄せが流入路RI2と流入路RI4に来ている。
これに対して、実施形態1では、流入路RI1と流入路RI3には、基本現示GJ2_1において、それぞれの直進方向と左折方向の車両の共通する台数(10[台])に対応するスプリット(35%)が与えられているので、流入路RI1、流入路RI3ともに無駄な青時間がない。
そして、直進方向と左折方向の交通量の多い流入路RI3については、その次の付加現示GJ2_2Cにおいて、流入路RI1との差分の台数である阻害交通量(5[台])を捌くのに必要となるスプリットが与えられる。すなわち、付加現示GJ2_2Cにおいてはこの阻害交通量(5[台])に対応するスプリット(11%)が与えられる。また、この付加現示GJ2_2Cにおいては、流入路RI3の右折方向の車両にも通行権が与えられている。流入路RI3の右折方向の車両の台数は4[台]であり、上述の阻害交通量の5[台]よりも少ないので、右折方向の車両はこの付加現示GJ2_2Cで全て捌けることになる。この付加現示GJ2_2Cにおいても、流入路RI3については車両を捌くのに必要なスプリットがちょうど与えられるため無駄な青時間がなく、流入路RI1についてはそもそも通行権が与えられていないため無駄な青時間がない。
その次の右折現示GJ2_3においては、流入路RI1の右折方向の車両の台数(1[台])のみを捌けば良いので、この台数(1[台])に対応するスプリット(4%)が与えられる。よって、流入路RI1については車両を捌くのに必要なスプリットがちょうど与えられるため無駄な青時間がなく、流入路RI3については右折方向の車両がないためこの1台分の無駄な青時間が出ているに過ぎない。
このように、実施形態においては、流入路RI1と流入路RI3における無駄な青時間を大幅に削減することができるため、流入路RI1と流入路RI3に与えられるスプリットは比較例の61%よりも大幅に少ない56%となっている。
その結果、流入路RI2と流入路RI4に比較例の39%よりも多い44%を与えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、流入路RIi(i=1〜4)のうちのある流入路(第1の流入路)における少なくとも直進方向を含む基本車線群における基本車線交通量の合計(第1交通量)と、第1の流入路に対向する第2の流入路における少なくとも直進方向を含む基本車線群における基本車線交通量の合計(第2交通量)との差分である阻害交通量に基づいて、第1の流入路に対して通行権を与え、第2の流入路に対して通行権を与えない時差現示(第1時差現示)、又は、第2の流入路に対して通行権を与え、第1の流入路に対して通行権を与えない時差現示(第2時差現示)を用いるか否かを判定するので、交通状況に応じて柔軟に現示構成を変更することができる。

また、阻害交通量に基づいて時差現示を用いると判定した場合、第1の流入路の少なくとも直進方向の基本車線群と第2の流入路の少なくとも直進方向の基本車線群との双方に通行権を与える相互現示においては、第1の流入路の当該基本車線群における基本車線飽和度(第1飽和度)と第2の流入路の当該基本車線群における基本車線飽和度(第2飽和度)の小さい方に相当する相互現示飽和度を用いて、スプリットなどの信号制御パラメータを算出するので、第1の流入路と第2の流入路のいずれにおいても無駄な青時間(青信号の時間)を生じないようにすることができる。
また、時差現示においては、第1飽和度と第2飽和度の大きい方から相互現示飽和度を減じた時差現示飽和度を用いて、スプリットなどの信号制御パラメータを算出する。第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路については、相互現示において捌くことができなかった交通量を捌くために通行権が与えられるので、無駄な青時間を生じないようにすることができ、時差現示において通行権を与えられていない流入路については、そもそも青時間がないので、無駄な青時間を生じないようにすることができる。
このように、無駄な青時間を少なくして、効率良く交通流を制御することができる。
また、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路については、時差現示において右折方向の基本車線群における基本車線交通量の一部又は全部が捌けているので、その次の右折現示においては、時差現示において捌け切れなかった交通量を捌くことができれば良い。そのため、この流入路については、右折現示において右折方向の基本車線群における基本車線交通量を捌くための飽和度は、右折方向の基本車線群における基本車線飽和度(時差現示右折方向飽和度)から、時差現示における時差現示飽和度を減じて求めた右折現示第1候補飽和度となる。
一方、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられていない流入路については、時差現示において右折方向の基本車線群における基本車線交通量は全く捌けていないので、その次の右折現示においては、この右折方向の交通量の全てを捌くことができれば良い。そのため、この流入路については、右折現示において右折方向の基本車線群における基本車線交通量を捌くための飽和度は、右折方向の基本車線群における基本車線飽和度(時差現示第2候補飽和度)となる。
従って、最終的に右折現示において第1の流入路及び第2の流入路の右折方向の基本車線群における基本車線交通量を捌くための右折現示飽和度を、第1の流入路と第2の流入路のうち、時差現示において通行権を与えられている流入路における右折現示第1候補飽和度と、時差現時において通行権を与えられていない流入路における右折現示第2候補飽和度の大きい方とすれば、第1の流入路及び第2の流入路における右折方向の交通量を適切に捌くことができる。
また、時差現示は、少なくとも黄時間と赤時間と時差最小保証青時間との合計以上の時間を要する。阻害交通量から通行するために要する時間である阻害交通量通行時間が、この合計よりも小さい場合には、せっかく時差現示を用いても、無駄な青時間が生じてしまう。一方、阻害交通量時間がこの合計以上であれば、時差現示を用いても、無駄な青時間が生じない。従って、阻害交通量通行時間とこの合計とを比較することにより、時差現示を用いる必要があるかを判定するので、無駄な青時間を生じないように、適切な現示構成を用いることができる。
また、第1の流入路と第2の流入路のそれぞれの基本車線群の基本車線交通量に基づいて、第1の流入路と第2の流入路の交通状態が閑散状態であるか否かを判定し、いずれか一方が閑散状態でない場合に、第1時差現示を用いるか否か、あるいは、第2時差現示を用いるか否かを判定するので、時差現示を適切に用いて効率良く交通流を制御することができる。
上述の実施形態においては、信号制御装置1が信号制御パラメータを算出して、この信号制御パラメータを含む信号制御指令を交通信号制御機2に送信し、交通信号制御機2が信号制御指令を受信して、この信号制御指令に基づいて信号灯器3の各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する構成であったが、これに限定されるわけではない。交通信号制御機2が、信号制御装置1の信号制御パラメータ算出機能を備えており、算出した信号制御パラメータに基づいて信号灯器3の点灯、消灯及び点滅を制御する構成であっても良い。
また、上述の実施形態においては、それぞれの流入路の下流端の車線数は2であったが、これに限定されず、1でも、3以上であっても良い。
また、上述の実施形態においては、それぞれの流入路の下流端の各車線の車線別車種換算交通量を用いて信号制御パラメータを算出していたが、これに限定されるわけではない。この方が効率良く交通流を制御することができるが、車両の種類を考慮しない車線別交通量を用いて信号制御パラメータを算出しても、ある程度は効率良く交通流を制御することができる。
また、上述の実施形態においては、過去の1サイクルにおけるそれぞれの流入路の下流端の各車線の車線別車種換算交通量を算出していたが、これに限定されず、過去のそれぞれの流入路の下流端の各車線の交通量に基づいてこの先1サイクルにおけるそれぞれの流入路の下流端の各車線の交通量を予測し、これに応じた車線別車種換算交通量を算出しても良い。この場合、さらに効率良く交通流を制御することができる。
また、上述の実施形態においては、阻害交通量を用いて時差現示の要否を判定する構成であったが、これに限られず、第1交通量を第1の流入路の所定の飽和交通流率で除して求めた第1飽和度と、第2交通量を第2の流入路の所定の飽和交通流率で除して求めた第2飽和度とに基づいて(例えば、この2つの値の大小関係やこの2つの値の差分の大きさに応じて)、時差現示の要否を判定する構成であっても良い。
また、上述の実施形態においては、阻害交通量を用いて第1時差現示及び第2時差現示を用いるか否かを判定する構成であったが、阻害交通量を用いて第1時差現示のみ(又は第2時差現示のみ)を用いるか否かを判定する構成であっても良い。例えば、第1交通量が常に第2交通量よりも多い交差点では、第2の流入路に対して通行権を与え、第1の流入路に対して通行権を与えない第2時差現示を用いることはないので、第1の流入路に対して通行権を与え、第2の流入路に対して通行権を与えない第1時差現示を用いるか否かのみを判定すれば良い。
また、上述の実施形態においては、各車線の交通量に基づいて飽和度を算出する構成であったが、これに限られず、交通量に渋滞の台数(例えば、渋滞長を車頭間隔で割って求めた台数)を加え、これに基づいて飽和度を算出する構成であっても良い。このようにして求めた飽和度は負荷率と呼ばれる。
また、上述の実施形態においては、阻害交通量を用いて時差現示の要否を判定する構成であったが、これに限られず、渋滞長の大小関係に基づいて時差現示の要否を判定する構成であっても良いし、渋滞長の差分の大小関係に基づいて時差現示の要否を判定する構成であっても良い。
また、上述の実施形態においては、非接触タグに記録されている車両情報を読み取る読取装置を備える車両感知器を用いて車両の種類別に交通量を把握し、車種別車種換算交通量を求めていたが、これに限定されず、カメラを備える画像式車両感知器を用いてこのカメラの監視領域に含まれるそれぞれの車両の種類を判別して車両の種類別に交通量を把握し、車種別車種換算交通量を求めても良い。
また、上述の実施形態においては、それぞれの流入路の下流端の車線ごとに車両感知器の読取装置を設置して、車線ごとの交通量を計測していたが、これに限定されず、それぞれの流入路の下流端において、全車線にわたって監視領域を設定したカメラを設置し、そのカメラが撮影した画像を解析して車線ごとの交通量を計測しても良い。
また、上述の実施形態においては、基本現示の後に付加現示を提供する構成になっているが、これに限定されず、基本現示の前に付加現示を提供しても良いし、基本現示の前と後の両方に付加現示を提供しても良い。基本現示の前と後の両方に付加現示を提供する場合、前の付加現示と後の付加現示のそれぞれのスプリットは、例えば、付加現示が1つの場合のスプリットを所定の割合で分割することにより求めることができる。あるいは、スプリットは前の付加現示と後の付加現示とで分けて算出せず、付加現示が1つの場合のスプリットに基づいて付加現示全体の秒数を求め、前の付加現示には所定の秒数を与え、後の付加現示には付加現示全体の秒数から前記所定の秒数を差し引いた秒数を与える、というようにしても良い。特に、車線閉塞による渋滞時には、基本現示の前に付加現示を提供する構成の方が、交通流を効率的に捌くことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 信号制御装置、101 演算部、102 記憶部、103 受信部、104 送信部
2 交通信号制御機、3 信号灯器
4 車両感知器、4a 読取装置、4b 制御装置
5 非接触タグ、6 車両、IS 交差点
CR1、CR2、CR3、CR4 横断歩道
RI1、RI2、RI3、RI4 流入路
RO1、RO2、RO3、RO4 流出路
ST1、ST2、ST3、ST4 停止線

Claims (6)

  1. 複数の流入路を有する交差点に設置された信号灯器を制御する信号制御装置であって、
    前記複数の流入路のうちの第1の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第1交通量を算出する第1交通量算出手段と、
    前記複数の流入路のうちの前記第1の流入路に対向する第2の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第2交通量を算出する第2交通量算出手段と、
    前記第1交通量と前記第2交通量の差分である阻害交通量を算出する阻害交通量算出手段と、
    前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記阻害交通量が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第2の流入路に対して通行権を与えない現示である第1時差現示を用いるか否かを判定し、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記阻害交通量が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第2の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第1の流入路に対して通行権を与えない現示である第2時差現示を用いるか否かを判定する時差現示判定手段と、
    前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いると判定した場合には、前記第1の流入路の少なくとも直進方向と前記第2の流入路の少なくとも直進方向との双方に通行権を与える現示である相互現示と、前記第1時差現示とを含む複数の現示を設定し、前記時差現示判定手段が前記第2時差現示を用いると判定した場合には、前記相互現示と、前記第2時差現示とを含む複数の現示を設定する現示設定手段と、
    前記現示設定手段が設定した複数の現示について、前記信号灯器を制御するための信号制御パラメータを算出する信号制御パラメータ算出手段と
    を備える信号制御装置。
  2. 前記第1交通量を前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して第1飽和度を算出する第1飽和度算出手段と、
    前記第2交通量を前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除した第2飽和度を算出する第2飽和度算出手段と、
    前記第1飽和度と前記第2飽和度の小さい方を、前記相互現示の飽和度である相互現示飽和度として算出する相互現示飽和度算出手段と、
    前記第1飽和度と前記第2飽和度の大きい方から、前記相互現示飽和度を減じて、前記第1時差現示又は前記第2時差現示の飽和度である時差現示飽和度を算出する時差現示飽和度算出手段と
    を備え、
    前記信号制御パラメータ算出手段は、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示又は前記第2時差現示を用いると判定した場合には、前記相互現示飽和度と前記時差現示飽和度とに基づいて前記信号制御パラメータを算出する、
    請求項に記載の信号制御装置。
  3. 前記第1交通量は、前記第1の流入路の右折方向の交通量を含まないものであり、
    前記第2交通量は、前記第2の流入路の右折方向の交通量を含まないものであり、
    前記現示設定手段は、前記第1の流入路の右折方向と前記第2の流入路の右折方向との双方に通行権を与える右折現示をさらに含む複数の現示を設定し、
    前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第1の流入路の右折方向の交通量を、前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第2の流入路の右折方向の交通量を、前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1時差現示又は前記第2時差現示における右折方向の飽和度である時差現示右折方向飽和度を算出する時差現示右折方向飽和度算出手段と、
    前記時差現示右折方向飽和度から前記時差現示飽和度を減じて、前記右折現示における飽和度の候補である右折現示第1候補飽和度を算出する右折現示第1候補飽和度算出手段と、
    前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第2の流入路の右折方向の交通量を、前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第1の流入路の右折方向の交通量を、前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記右折現示における飽和度の候補である右折現示第2飽和度を算出する右折現示第2候補飽和度算出手段と、
    前記右折現示第1候補飽和度と前記右折現示第2候補飽和度の大きい方を、前記右折現示の飽和度である右折現示飽和度として算出する右折現示飽和度算出手段と
    を備え、
    前記信号制御パラメータ算出手段は、前記時差現示判定手段が前記第1時差現示又は前記第2時差現示を用いると判定した場合には、さらに前記右折現示飽和度に基づいて前記信号制御パラメータを算出する、
    請求項に記載の信号制御装置。
  4. 前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記阻害交通量を前記第1の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記阻害交通量を前記第2の流入路における所定の飽和交通流率で除して、前記阻害交通量が捌けるのに必要となる阻害交通量通行時間を算出する阻害交通量通行時間算出手段を備え、
    前記時差現示判定手段は、前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記第1時差現示における前記第1の流入路の黄時間と前記第1時差現示における前記第1の流入路の赤時間と前記第1時差現示における前記第1の流入路の最小の青時間である時差最小保証青時間との合計と、前記阻害交通量通行時間とに基づいて、前記第1時差現示を用いるか否かを判定し、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記第2時差現示における前記第2の流入路の黄時間と前記第2時差現示における前記第2流入路の赤時間と前記第2時差現示における前記第2の流入路の時差最小保証青時間との合計と、前記阻害交通量通行時間とに基づいて、前記第2時差現示を用いるか否かを判定する、
    請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  5. 前記第1交通量と前記第2交通量とに基づいて、交通状態が閑散状態であるか否かを判定する交通状態判定手段を備え、
    前記時差現示判定手段は、さらに、前記交通状態判定手段が否と判定した場合に、前記第1時差現示を用いるか否か、あるいは、前記第2時差現示を用いるか否かを判定する、
    請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  6. コンピュータを、複数の流入路を有する交差点に設置された信号灯器を制御する信号制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記複数の流入路のうちの第1の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第1交通量を算出する第1交通量算出手段、
    前記複数の流入路のうちの前記第1の流入路に対向する第2の流入路について、少なくとも直進方向を含む1又は複数の車線の交通量である第2交通量を算出する第2交通量算出手段、
    前記第1交通量と前記第2交通量の差分である阻害交通量を算出する阻害交通量算出手段、
    前記第1交通量が前記第2交通量よりも大きい場合には、前記阻害交通量が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第2の流入路に対して通行権を与えない現示である第1時差現示を用いるか否かを判定し、前記第1交通量が前記第2交通量よりも小さい場合には、前記阻害交通量が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第2の流入路に対して通行権を与え、かつ、前記第1の流入路に対して通行権を与えない現示である第2時差現示を用いるか否かを判定する時差現示判定手段、
    前記時差現示判定手段が前記第1時差現示を用いると判定した場合には、前記第1の流入路の少なくとも直進方向と前記第2の流入路の少なくとも直進方向との双方に通行権を与える現示である相互現示と、前記第1時差現示とを含む複数の現示を設定し、前記時差現示判定手段が前記第2時差現示を用いると判定した場合には、前記相互現示と、前記第2時差現示とを含む複数の現示を設定する現示設定手段、
    前記現示設定手段が設定した複数の現示について、前記信号灯器を制御するための信号制御パラメータを算出する信号制御パラメータ算出手段、
    として機能させるためのコンピュータプログラム。
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