JP5604252B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示素子 - Google Patents
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Description
<1> (A)金属錯体色素と、(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物と、(C)重合性化合物と、を含み、前記(A)金属錯体色素に対する前記(B)化合物の割合が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記(A)金属錯体色素の少なくとも一種は、下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体であり、前記(B)化合物の少なくとも一種が下記一般式(I)で表される化合物である着色硬化性組成物である。
<3> 前記(A)金属錯体色素が、下記一般式(II−1)で表される錯体である前記<1>又は前記<2>に記載の着色硬化性組成物である。
<6> 前記(A)金属錯体色素中の金属が、亜鉛である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物である。
<7> 前記(C)重合性化合物として、少なくとも一種の多官能の光重合性化合物と少なくとも一種の多官能の熱重合性化合物とを含有する前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物である。
<8> 前記(C)重合性化合物として、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂の少なくとも一種を含有する前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物である。
<9> (A)金属錯体色素と、(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物と、を含み、前記金属錯体色素に対する前記化合物の割合が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記(A)金属錯体色素の少なくとも一種は、前述の一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体であり、前記(B)化合物の少なくとも一種が下記一般式(I)で表される化合物であるカラーフィルタである。
<10> 支持体と、該支持体上に設けられ、前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色領域とを有するカラーフィルタである。
<11> 前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程と、形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法である。
<12> 前記<9>又は前記<10>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示素子である。
本発明によれば、金属イオンの溶出が少なく、例えば液晶表示素子に用いられたときには液晶材料の比抵抗の低下を抑え、液晶配向性(すなわち表示特性)を良好に維持できるカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。更に、
本発明によれば、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた液晶表示素子を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、少なくとも、(A)金属錯体色素と、(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物と、(C)重合性化合物とを設けて構成され、(A)金属錯体色素に対する(B)化合物の割合を0.1質量%以上10質量%以下の範囲として構成されたものである。
本発明の着色硬化性組成物は、必要に応じて、更に、アルカリ可溶性樹脂等のバインダー、重合性化合物、光重合開始剤等の感放射線性化合物、溶剤など、並びに各種添加剤を用いて構成することができる。
これにより、特に液晶表示素子用のカラーフィルタを構成した場合において、カラーフィルタから溶出した金属イオンの液晶材料中への混入により、比抵抗が低下するのを回避することができ、液晶分子の配向阻害、換言すれば表示特性の劣化を効果的に防止することができる。
(A)金属錯体色素
本発明の着色硬化性組成物は、金属錯体色素の少なくとも一種を含有する。この金属錯体色素は、金属を中心元素に持つ染料錯化合物であり、分光特性及び耐熱性に優れている。この色素を含有することで、色相及び耐熱性に優れた着色硬化性組成物を得ることができる。
ジピロメテン系金属錯体化合物は、下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体が好適である。
すなわち、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(I)において、R7がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である場合、これらの好ましい範囲は、前述のR1〜R6としてのハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の好ましい範囲と同様である。
一般式(I)において、前記R2及びR5としては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R3及びR4としては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
R3及びR4がヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、又はVO(V=O)が最も好ましい。これらの中でも、特にZnが好ましい。
一般式(I)において、R1及びR6が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R2及びR5が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R3及びR4が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R7が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOで表される態様が挙げられる。
前記一般式(I)において、R1及びR6が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R2及びR5が、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R3及びR4が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R7が、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOで表される態様が挙げられる。
すなわち、一般式(I)中、R1及びR6が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R2及びR5が、各々独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基で表され、R3及びR4が、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、R7が、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Cu、Co、又はVO(特にZn)で表される態様が挙げられる。
また、溶剤溶解性に優れる点から、一般式(I)中のR2及び/又はR5は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基であることが好ましい。
一般式(II−1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II−1)中のR7は、一般式(I)中のR7と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(II−2)中のR8〜R13で表される置換基は、一般式(I)で表される化合物のR1〜R6で表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(II−2)で表される化合物のR8〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(II−2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記R7の好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(II−3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
前記RとRaのアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
aは0、1、又は2を表す。
即ち、R2〜R5、R7、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X3はNR(Rは水素原子、アルキル基)、窒素原子、又は酸素原子であり、X4はNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、Y1はNRc(Rcは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、Y2は窒素原子、又は炭素原子であり、X5は酸素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
即ち、R2〜R5、R7、Maはそれぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X3及びX4は、酸素原子であり、Y1はNHであり、Y2は窒素原子であり、X5は酸素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
本発明におけるジピロメテン系金属錯体化合物の融点は、溶解性の観点から高すぎないことが好ましい。
具体的な合成方法については、特開2008−292970号公報の段落番号[0131]〜[0157]の記載を参照することができる。
フタロシアニン系金属錯体化合物としては、下記一般式(A)で表されるテトラアザポルフィリン系シアン金属錯体が好適である。
前記金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。
一般式(A)中のZ1、Z2、Z3、及びZ4は、各々独立に、炭素原子、窒素原子、及び水素原子より選ばれる原子で構成される6員環を形成するために必要な原子群を表す。該6員環は、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。更に、他の5員又は6員の環が縮合していてもよい。6員環にはベンゼン環、シクロヘキサン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環などが含まれる。
一般式(B)中、R101〜R116は各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R101〜R116で表される置換基は、既述の一般式(I)中のR1〜R6で表される置換基の例示と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(B)で表される化合物のR101〜R116の置換基が更に置換可能な基である場合には、上記R1〜R6で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(B)で表されるフタロシアニン系色素は、α位の置換体(α置換体)として、(R101とR104)、(R105とR108)、(R109とR112)、及び(R113とR116)の組み合わせの少なくとも1組に置換基を有しているか、β位の置換体(β置換体)として(R102とR103)、(R106とR107)、(R110とR111)、及び(R114とR115)の組み合わせの少なくとも1組に置換基を有しているか、あるいはα位、及びβ位の置換体として、(R101とR103及び/又はR102とR104)、(R105とR107及び/又はR106とR108)、(R109とR111及び/又はR110とR112)、及び(R113とR115及び/又はR114とR116)の組み合わせの中で、少なくとも1組に置換基を有していることが好ましい。
ここで、前記R101〜R116で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基、ホスフィノイルアミノ基が挙げられる。M2としては、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、TiO、VO等が挙げられる。
ここで、前記R101〜R116で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスフィノイルアミノ基が挙げられる。M2としては、Zn、Pd、Cu、Ni、Co、TiO、VO等が挙げられる。
ここで、前記R101〜R116で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アゾ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基が挙げられる。M1は、Zn、Pd、Cu、Ni、Co、VO等が挙げられる。
ここで、前記R101〜R116で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、スルホンアミド基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基が挙げられる。M2としては、Zn、Pd、Cu、Ni、Co、又はVO等が挙げられる。
ここで、前記R101〜R116で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ヘテロ環基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はスルホ基が挙げられる。M2としては、Zn、Pd、Cu、Ni、Co、又はVO等が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物の少なくとも一種(以下、「本発明における錯体形成性化合物」ということがある。)を含有する。
具体的に例を挙げて示すと、
[1]金属錯体色素として前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」(ジピロメテン系金属錯体化合物)を含有するときには、既述の一般式(I)で表される化合物を含有して構成することができ、また、
[2]金属錯体色素として「一般式(A)で表されるテトラアザポルフィリン系シアン金属錯体」(フタロシアニン系金属錯体化合物)を含有するときには、下記一般式(C)で表される化合物を含有して構成することができる。
中でも、遊離金属の配位効率が良くなり硬化後の金属イオンの溶出抑止効果をより高める点で、前記比率[モル比]は、0.1%以上がより好ましく、1%以上が更に好ましい。また、色相の観点から、前記比率[モル比]の上限値は、10%が望ましい。
中でも、本発明における錯体形成性化合物の前記割合は、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有する。重合性化合物を含有することにより、着色硬化性組成物を硬化性に構成することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。感放射線性化合物は、400nm以下の紫外(UV)光に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こし得る化合物であるが、下記バインダーを架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こすことで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させることができる。
これら光重合開始剤の具体例については、特開2008−292970号公報の段落番号[0261]〜[0266]に記載のものが挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム系化合物が好ましい。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、一般式(1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
光重合開始剤を用いる場合、光重合開始剤の着色硬化性組成物中における含有量(2種以上の場合は総含有量)は、重合性化合物の全固形分に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、重合が良好に進み、また、膜強度に優れる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、バインダーの少なくとも一種を含有することが好ましい。バインダーとしては、アルカリ可溶性を有するものから選択することができる。この場合、アルカリ可溶性を有するものであれば特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
本発明の着色硬化性組成物の調製の際には、一般に溶剤を含有することができる。溶剤は、組成物の各成分の溶解性や組成物としたときの塗布性を満足し得るものであれば特に制限はないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
溶剤の具体例については、特開2008−292970号公報の段落番号[0272]〜[0273]に記載のものが挙げられる。中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
着色成分としては、前記金属錯体色素のほか、本発明の効果を損なわない範囲であれば、さらに他の染料、顔料等を含有していてもよい。他の染料や顔料を種々組み合わせて含有することにより、目的の色相及び色純度の実現が可能である。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも(A)金属錯体色素と(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物(本発明における錯体形成性化合物)とを含めて構成されており、(A)金属錯体色素に対する(B)本発明における錯体形成性化合物の割合を0.1質量%以上10質量%以下の範囲としたものである。また、本発明のカラーフィルタは、支持体と、該支持体上に設けられ、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いて形成された着色領域とを設けて構成されている。
具体的には、本発明の着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成した後、この層を例えばマスクパターンを介して所定のパターン状に露光し、現像液で現像することによって、カラーフィルタを構成する着色パターンである所望の着色領域を形成することができる。これらの操作を所望の色数に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相に構成されたカラーフィルタが得られる。
アルカリ性水溶液を用いた場合、一般に現像後に水で洗浄が行なわれる。
本発明のカラーフィルタは、色相に優れ、且つ耐光性に優れた着色画素を有することから、特に液晶表示装置用のカラーフィルタとして好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示素子は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、前記(A)金属錯体色素とともに前記(B)本発明における錯体形成性化合物を、上記割合で含有して硬化させて得られるものであり、液晶材料の比抵抗の低下が飛躍的に防止され、液晶分子の配向阻害、すなわち表示特性の低下が解消されるものと考えられる。これによって、色純度などの良い色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
さらに、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
−感光性着色硬化性組成物の調製−
(1)溶液A1の調製
下記の諸成分を混合、攪拌して、溶液A1を調製した。
<溶液A1の組成>
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・3.1g
(PGMEA;有機溶剤)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 ・・・13.22g
(アルカリ可溶性樹脂)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物)・・・6.45g
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) ・・・0.0032g
・1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)] ・・・1.55g
(Irgacure OXE01、チバ・ジャパン株式会社;光重合開始剤)
・フッ素系界面活性剤 ・・・4.14g
(Megafac F−781−F、大日本インキ化学工業(株)製)
下記の諸成分を混合、攪拌して、溶液B1を調製した。
<溶液B1の組成>
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・48.11g
(PGMEA;有機溶剤)
・青色顔料分散液 ・・・20.83g
Pigment Blue 15:6分散液(固形分濃度20.0質量%、顔料濃度12.8質量%)
・下記構造のジピロメテン金属錯体色素(a) ・・・2.53g
〔(A)一般式(I)で表される化合物のZn錯体〕
・下記ジピロメテン化合物(b) ・・・0.05g
〔(B)一般式(I)で表される化合物〕
前記溶液A1を28.5gと、前記溶液B1を71.5gとを混合し、攪拌、濾過することにより、感光性着色硬化性組成物を調製した。このとき、ジピロメテン金属錯体系色素(a)に対するジピロメテン化合物(b)の比率(b/a比)は、2質量%であった。
次に、ガラス(#1737;コーニング社製)上に、上記で調製した感光性着色硬化性組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で80秒間加熱することにより揮発成分を揮発させて、感光性着色膜を形成した。冷却後、この感光性着色膜にi線(波長365nm)を照射し、硬化させた。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、平行光としてから照射するようにした。このとき、照射光量を207mJ/cm2とした。次いで、この着色膜に対して230℃で30分間、ポストベーク処理を行ない、膜厚2μmの着色膜を得た。
上記で得られた着色膜の液晶比抵抗値、耐熱性、分光特性について、以下に示す方法で評価した。評価結果は、下記表1に示す。
上記で得た着色膜を掻き取り、その固化物9.0mgを液晶材料ZLI−4792(メルク社製)2.00gに加えて120℃で5時間加熱した。その後、濾過し、液晶材料の比抵抗を液晶比抵抗測定装置(ADVANTEST R8340 ULTRA HIGHT RESISTANCE ME、(株)アドバンテスト製)により測定し、金属イオンの溶出の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。金属イオンの溶出により液晶材料の比抵抗は低下するため、その比抵抗の程度で金属イオンの溶出を評価できる。
<評価基準>
◎:比抵抗≧5.0×1011MΩであり、パネルとした際に焼付き故障はなかった。
○:5.0×1011MΩ>比抵抗≧1.0×1011MΩであり、パネルとした際に焼付き故障はなかった。
×:比抵抗<1.0×1011MΩであり、パネルとした際の焼付き故障を生じた。
上記で得た着色膜を240℃で60分間加熱し、加熱後の色相を顕微分光光度計(オリンパス社製)により測定した。また、加熱前の色相も同様に測定した。これらの測定結果をもとに、加熱前後での色差(ΔEab)を算出し、色差を指標として下記の評価基準にしたがって耐熱性を評価した。
<評価基準>
◎:ΔEab<1であり、良好な耐熱性を示した。
○:1≦ΔEab<3であり、実用上許容できる耐熱性を有していた。
×:ΔEab≧3であり、実用上許容できる耐熱性を有していなかった。
上記で得た着色膜の透過スペクトルを、大塚電子(株)製の顕微分光光度計MCPD−3000(商品名)を用いて測定した。得られた透過スペクトルより、CIE1931表色系における色座標x値、y値、Y値を求めた。
分光特性は、(x、y)=(0.138、0.084)におけるY値が高い場合、優れた分光特性を有しているといえる。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)の量を0.05gから0.005g(b/a比=0.2質量%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)の量を0.05gから0.2g(b/a比=8質量%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液A1の調製に用いたジピロメテン化合物(a)を、以下に示す構造のジピロメテン金属錯体(c)に代え、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)を、以下に示す構造のジピロメテン化合物(d)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液A1の調製に用いたジピロメテン化合物(a)を、以下に示す構造のジピロメテン金属錯体(e)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)を含有しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)の量を0.05gから0.5g(b/a比=20質量%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)を、以下に示す構造の化合物(f)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、溶液B1の調製に用いたジピロメテン化合物(b)の量を0.05gから0.33g(b/a比=13質量%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着色膜を形成すると共に、評価を行なった。
−感光性着色硬化性組成物の調製−
(1)溶液A2の調製
下記の諸成分を混合、攪拌して、溶液A2を調製した。
<溶液A2の組成>
・3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・23.83g
・アリルメタクリレート/メタクリル酸(80:20モル比) ・・・2.64g
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレートとメタクリル酸の付加物の共重合体(30/33/37[モル比]、45質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液) ・・・5.88g
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・6.00g
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
(Irgacure OXE01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・・・1.157g
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’5,5’−テトラフェニル−1,2−ビ(1−H−イミダゾール) (BCIM、保土谷化学社製) ・・・0.085g
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン ・・・0.085g
・N−フェニル−2−メルカプトベンズイミダゾール ・・・0.114g
・p−メトキシフェノール ・・・0.003g
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(EHPE−3150、ダイセル化学工業(株)製) ・・・1.029
・フッ素系界面活性剤(メガファック F−554、大日本インキ化学工業(株)製)の0.2%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液・・・4.12g
下記の諸成分を混合、攪拌して、溶液B2を調製した。
<溶液B2の組成>
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・31.43g
(PGMEA;有機溶剤)
・青色顔料分散液 ・・・21.03g
Pigment Blue 15:6分散液(固形分濃度20.0質量%、顔料濃度12.8質量%)
・前記構造のジピロメテン金属錯体色素(a) ・・・2.55g
〔(A)一般式(I)で表される化合物のZn錯体〕
・前記ジピロメテン化合物(b) ・・・0.050g
〔(B)一般式(I)で表される化合物〕
前記溶液A2を28.5gと、前記溶液B2を71.5gとを混合し、攪拌、濾過することにより、感光性着色硬化性組成物を調製した。このとき、ジピロメテン金属錯体系色素(a)に対するジピロメテン化合物(b)の比率(b/a比)は、2質量%であった。
次に、ガラス(#1737;コーニング社製)上に、上記で調製した感光性着色硬化性組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で80秒間加熱することにより揮発成分を揮発させて、感光性着色膜を形成した。冷却後、この感光性着色膜にi線(波長365nm)を照射し、硬化させた。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、平行光としてから照射するようにした。このとき、照射光量を207mJ/cm2とした。次いで、この着色膜に対して230℃で30分間、ポストベーク処理を行ない、膜厚2μmの着色膜を得た。得られた着色膜について、実施例1と同様の方法により、液晶比抵抗値、耐熱性、分光特性を評価した。評価結果は、下記表1に示す。
実施例6の溶液A2の調製において、「ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレートとメタクリル酸の付加物(30/33/37[モル比]、45質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液」の代わりに、「シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレートとメタクリル酸の付加物(46/20/2/32[モル比]、45質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)」を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、感光性着色膜を形成して同様の評価を行なった。
実施例6において、溶液B2の調製に用いたジピロメテン化合物(b)を含有せず、溶液A2の代わりに以下に示す溶液A3を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、感光性着色硬化性組成物を調製し、着感光性着色膜を形成して同様の評価を行なった。
下記の諸成分を混合、攪拌して、溶液A3を調製した。
<溶液A3の組成>
・3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・19.67g
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(70/30[モル比]、質量平均分子量:5000) ・・・12.27g
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート ・・・6.45g
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
(Irgacure OXE01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・・・1.244g
・2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’5,5’−テトラフェニル−1,2−ビ(1−H−イミダゾール) (BCIM、保土谷化学社製) ・・・0.092g
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン ・・・0.092g
・N−フェニル−2−メルカプトベンズイミダゾール ・・・0.122g
・p−メトキシフェノール ・・・0.003g
・フッ素系界面活性剤(メガファック F−554、大日本インキ化学工業(株)製)の0.2%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液・・・4.12g
これに対し、比較例では、液晶比抵抗の低下が抑えられず、表示画像は色合いが悪く、表示特性に劣っていた。
Claims (12)
- (A)金属錯体色素と、
(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物と、
(C)重合性化合物と、
を含み、前記(A)金属錯体色素に対する前記(B)化合物の割合が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記(A)金属錯体色素の少なくとも一種は、下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体であり、前記(B)化合物の少なくとも一種が下記一般式(I)で表される化合物である着色硬化性組成物。
〔一般式(I)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びR 6 は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、R 7 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕 - 前記(A)金属錯体色素中の金属に対する前記(B)化合物の比率[モル比]が1%を超える請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(A)金属錯体色素が、下記一般式(II−1)で表される錯体である請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
〔一般式(II−1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R7は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表し、X1は、Maに結合可能な基を表し、X2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。なお、X1とX2とは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。〕 - 前記(A)金属錯体色素が、下記一般式(II−2)又は一般式(II−3)で表される錯体群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
〔一般式(II−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R7及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。〕
〔一般式(II−3)中、R2、R3、R4、及びR5は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、R7は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R8及びR9は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X3は、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、X4は、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Y1は、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、又は炭素原子を表し、Y2は、窒素原子、又は炭素原子を表す。X5は、Maと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。R8とY1とは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、R9とY2とは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。〕 - 前記(A)金属錯体色素に対する前記(B)化合物の割合が1質量%以上5質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(A)金属錯体色素中の金属が、亜鉛である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(C)重合性化合物として、少なくとも一種の多官能の光重合性化合物と少なくとも一種の多官能の熱重合性化合物とを含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 前記(C)重合性化合物として、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- (A)金属錯体色素と、
(B)前記金属錯体色素と同一の色素母体を有し、金属錯体を形成可能な化合物と、
を含み、前記金属錯体色素に対する前記化合物の割合が0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記(A)金属錯体色素の少なくとも一種は、下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体であり、前記(B)化合物の少なくとも一種が下記一般式(I)で表される化合物であるカラーフィルタ。
〔一般式(I)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びR 6 は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、R 7 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕 - 支持体と、該支持体上に設けられ、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を用いて形成された着色領域とを有するカラーフィルタ。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程と、
形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 請求項9又は請求項10に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示素子。
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