JP5603908B2 - 感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機el表示装置、及び、液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜の形成方法、硬化膜、有機EL表示装置、及び、液晶表示装置に関する。
更に詳しくは、有機EL表示装置、液晶表示装置、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、ポジ型感光性樹脂組成物及びそれを用いた硬化膜の形成方法に関する。
有機EL表示装置や、液晶表示装置などには、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるといったことから、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
上記表示装置における層間絶縁膜には、絶縁性、耐溶剤性、耐熱性、及び、酸化インジウムスズ(ITO)スパッタ適性に優れるといった硬化膜の物性に加えて、高い透明性が望まれている。このため、透明性に優れたアクリル系樹脂を膜形成成分として用いることが試みられている。
一方、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又は、それらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズ又はマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等が知られている。前記レンズパターンの形成には、感光性樹脂組成物が幅広く使用されている。
このような感光性樹脂組成物としては、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特開平10−26829号公報 特開2004−264623号公報 特開2008−3532号公報
かかる表示装置類の製造には、エッチング液、剥離液、N−メチルピロリドン(NMP)等、多様な薬液が使用され、これらの薬液に対する耐性が必須となる。例えば、特許文献3には、剥離液であるMEA(モノエタノールアミン)に対する耐性向上についての発明が開示されているが、他の薬液、特にNMPに対する耐性向上については記載がない。
本発明が解決しようとする課題は、硬化後の耐薬品性が高く、かつ加熱しても透明性低下の小さい硬化膜が得られ、非常に高い感度を有する感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜及びその製造方法、前記硬化膜を具備した有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<11>、<15>、<17>又は<18>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<10>、<12>〜<14>及び<16>とともに以下に記載する。
<1>(成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂、(成分B)光酸発生剤、(成分C)架橋剤、及び、(成分D)溶剤を含み、成分Cが、ブロックイソシアネート化合物を含み、前記ブロックイソシアネート化合物の母構造が、ビウレット構造であることを特徴とする感光性樹脂組成物、
<2>前記ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基が、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、及び、イミド系化合物よりなる群から選ばれたブロック化剤でブロックされている、上記<1>に記載の感光性樹脂組成物、
<3>前記ブロックイソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及び、イソホロンジイソシアネート(IPDI)よりなる群から選ばれた化合物を多量化して得られたビウレット構造を有する多量体のイソシアネート基を、ブロック剤でブロックしたものである、上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物、
<4>前記ブロックイソシアネート化合物の含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1〜8質量%の範囲である、上位<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<5>成分Aが、カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)を有する重合体である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<6>成分Aが、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)を有する重合体である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<7>成分Bが、オキシムスルホネート化合物である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<8>成分Aが、(a3)架橋性基を有する構成単位を有する重合体である、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<9>(a3)架橋性基を有する構成単位に含まれる架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1種である、上記<8>に記載の感光性樹脂組成物、
<10>酸化防止剤を更に含む、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<11>(1)上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程、(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、を含む硬化膜の形成方法、
<12>前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含む、上記<11>に記載の硬化膜の形成方法、
<13>前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含まない、上記<11>に記載の硬化膜の形成方法、
<14>(6)熱硬化して得られた硬化膜を有する基板に対しドライエッチングを行うドライエッチング工程を更に含む、上記<11>〜<13>のいずれか1つに記載の硬化膜の形成方法、
<15>上記<11>〜<14>のいずれか1つに記載の方法により形成された硬化膜、
<16>層間絶縁膜である上記<15>に記載の硬化膜、
<17>上記<15>又は<16>に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置、
<18>上記<15>又は<16>に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
本発明によれば、硬化後の耐薬品性が高く、かつ加熱しても透明性低下の小さい硬化膜が得られ、非常に高い感度を有する感光性樹脂組成物を提供することができた。
また、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜及びその製造方法、前記硬化膜を具備した有機EL表示装置及び液晶表示装置を提供することができた。
本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を絶縁膜、平坦化膜として適用した有機EL表示装置の一例の構成を示す模式的断面図である。 本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を適用した液晶表示装置の一例を示す構成を示す模式的断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、明細書中、「下限〜上限」の記載は「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、「(成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂」等を単に「成分A」等ともいい、「カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)」等を単に「構成単位(a1)」等ともいう。
また、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂、(成分B)光酸発生剤、(成分C)架橋剤、及び、(成分D)溶剤を含み、成分Cが、ブロックイソシアネート化合物を含み、前記ブロックイソシアネート化合物の母構造が、ビウレット構造であることを特徴とする。
一般的に、表示装置類の製造に使用される、エッチング液、剥離液、N−メチルピロリドン(NMP)等の各薬液は、硬化膜への作用原理、浸透力等に差があり、ある薬液への耐性向上が、そのまま他の薬液への耐性向上とはならないため、特にNMPに対する薬液耐性向上について鋭意検討した結果、本発明を想到するに至った。また、予期しない効果として、本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、表示ムラのない高品位な表示装置を製造することが可能となった。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物であることが好ましく、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることがより好ましい。
なお、本明細書中においては、露光後の加熱処理(Post Exposure Baking)をPEBと称することがある。
以下、感光性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を含有する。
また、成分Aは、カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)を少なくとも有する重合体であることが好ましい。
また、成分Aは、前記の構成単位(a1)及び構成単位(a2)以外の構成単位を含有してもよい。
成分Aは、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂であり、カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)を有し、かつ前記アセタール構造が分解したときにアルカリ可溶性となる樹脂であることが好ましい。
また、本発明における「アルカリ可溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、0.01μm/秒以上であることをいい、「アルカリ不溶性」とは、当該化合物(樹脂)の溶液を基板上に塗布し、90℃で2分間加熱することによって形成される当該化合物(樹脂)の塗膜(厚さ3μm)の、23℃における0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が0.01μm/秒未満、好ましくは0.005μm/秒未満であることをいう。
また、「酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する」とは、酸を作用させる前と後とで、23℃における0.4質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が変化することをいう。
成分Aは、アクリル系重合体であることが好ましい。
本発明における「アクリル系重合体」は、付加重合型の樹脂であり、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であり、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレン類に由来する構成単位やビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。また、(メタ)アクリル酸及びそのエステルに由来する構成単位をともに含んでもよい。
成分Aは、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来するモノマー単位を、成分Aにおける全モノマー単位に対し、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来するモノマー単位のみからなる重合体であることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来するモノマー単位」を「アクリル系モノマー単位」ともいう。また、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を意味するものとする。
本発明における「アセタール構造」には、特に断りのない限り、狭義のアセタール構造及びケタール構造の両方を含むものとする。
成分Aは、アセタール構造又はケタール構造を有していても、アセタール構造及びケタール構造の両方を有していてもよい。
アセタール構造としては、下記式(I)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0005603908
1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状若しくは分岐状アルキル基又はシクロアルキル基を表す。ただし、R1及びR2の少なくとも1つは、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
3は、直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を表す。
1又はR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよい。
また、式(I)における波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
式(I)のR1及びR2におけるアルキル基は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R1及びR2としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。
3におけるアルキル基は、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R3としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましい。
3におけるアラルキル基は、炭素数7〜10のアラルキル基が好ましい。
1又はR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成する際には、R1又はR2と、R3とが連結して炭素数2〜5のアルキレン鎖を形成することが好ましい。
3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられ、置換基の炭素数は6以下が好ましい。
式(I)において、R1及びR2の一方が水素原子であるカルボン酸のアセタールエステル構造(−COOR7)におけるR7としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−i−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−i−ブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−ノルボルニルオキシエチル基、1−ボルニルオキシエチル、1−ベンジルオキシエチル基、1−フェネチルオキシエチル基、シクロヘキシル(メトキシ)メチル基、シクロヘキシル(エトキシ)メチル基、シクロヘキシル(n−プロポキシ)メチル基、シクロヘキシル(i−プロポキシ)メチル基、シクロヘキシル(シクロヘキシルオキシ)メチル基、シクロヘキシル(ベンジルオキシ)メチル基、α−メトキシベンジル基、α−エトキシベンジル基、α−n−プロポキシベンジル基、α−i−プロポキシベンジル基、α−シクロヘキシルオキシベンジル基、α−ベンジルオキシベンジル基、2−フェニル−1−メトキシエチル基、2−フェニル−1−エトキシエチル基、2−フェニル−1−n−プロポキシエチル基、2−フェニル−1−i−プロポキシエチル基、2−フェニル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−フェニル−1−ベンジルオキシエチル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
式(I)においてR1及びR2のいずれもが水素原子でない、カルボン酸のケタールエステル構造(−COOR8)におけるR8としては、例えば、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−エトキシエチル基、1−メチル−1−n−プロポキシエチル基、1−メチル−1−i−プロポキシエチル基、1−メチル−1−n−ブトキシエチル基、1−メチル−1−i−ブトキシエチル基、1−メチル−1−sec−ブトキシエチル基、1−メチル−1−t−ブトキシエチル基、1−メチル−1−シクロペンチルオキシエチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエチル基、1−メチル−1−ボルニルオキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオオキシエチル基、1−メチル−1−フェネチルオキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−メトキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−i−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−シクロヘキシル−1−ベンジルオキシエチル基、1−フェニル−1−メトキシエチル基、1−フェニル−1−エトキシエチル基、1−フェニル−1−n−プロポキシエチル基、1−フェニル−1−i−プロポキシエチル基、1−フェニル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニル−1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジル−1−メトキシエチル基、1−ベンジル−1−エトキシエチル基、1−ベンジル−1−n−プロポキシエチル基、1−ベンジル−1−i−プロポキシエチル基、1−ベンジル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−ベンジル−1−ベンジルオキシエチル基、2−メチル2−テトラヒドロフラニル基、2−メチル−2−テトラヒドロピラニル基、1−メトキシシクロペンチル基、1−メトキシ−シクロヘキシル基等を挙げることができる。
上記カルボン酸のアセタールエステル構造又はケタールエステル構造において、プロセス安定性の観点から、アセタールエステル構造がより好ましい。カルボン酸のアセタールエステル構造(−COOR7)における好ましいR7としては、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基が好ましく、感度の観点から1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基が特に好ましい。
<カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)>
成分Aは、カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)を少なくとも有することが好ましい。
構成単位(a1)を形成するために用いられる化合物としては、カルボキシル基が保護されることにより、構成単位(a1)を形成するために用いられる化合物となり得るものであれば用いることができる。カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−メチル−p−カルボキシスチレン等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。また、構成単位(a1)としては、これらカルボキシル基がアセタール構造により保護されたカルボン酸由来の構成単位を好ましいものとして挙げることができる。
構成単位(a1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の好ましい具体例としては、例えば、1−エトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−n−ブトキシエチルメタクリレート、1−n−ブトキシエチルアクリレート、1−イソブトキシエチルメタクリレート、1−i−ブトキシエチルアクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルメタクリレート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチルアクリレート、1−n−プロポキシエチルメタクリレート、1−n−プロポキシエチルアクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルメタクリレート、1−シクロヘキシルオキシエチルアクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルメタクリレート、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチルアクリレート、1−ベンジルオキシエチルメタクリレート、1−ベンジルオキシエチルアクリレート、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルなどを挙げることができる。中でも、1−エトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1−シクロヘキシルオキシエチルメタクリレート及び1−シクロヘキシルオキシエチルアクリレートが特に好ましい。これらの構成単位(a1)は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(a1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、下記の式(II)で表される単量体であれば、下記に示すように(メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下でビニルエーテル化合物と反応させることにより合成することができる。
Figure 0005603908
式(II)において、R6は水素原子又はメチル基を表し、R5は式(I)におけるR3と同義である。
また、構成単位(a1)は、保護されるカルボキシル基を後述する構成単位(a2)〜(a5)やその前駆体と重合した後に、カルボキシル基をビニルエーテル化合物と反応させることによっても形成することができる。なお、このようにして形成される好ましい構成単位の具体例は、上記ラジカル重合性単量体の好ましい具体例由来の構成単位と同様である。
構成単位(a1)は、下記式(5)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0005603908
式(5)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基又はフェニレン基を表し、R21〜R27はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
構成単位(a1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位(a1−1)〜(a1−8)が例示できる。これらの中で特に好ましいものは、(a1−1)〜(a1−4)、(a1−7)及び(a1−8)で表される構成単位である。
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
上記構成単位(a1)を含有する重合体が、実質的に、架橋性基を有する構成単位(a3)を含まない場合、構成単位(a1)を形成するモノマー単位の含有率は、上記構成単位(a1)を含有する重合体中、20〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましい。
上記構成単位(a1)を含有する重合体が、構成単位(a3)を含有する場合、構成単位(a1)を形成するモノマー単位の含有率は、該構成単位(a1)と構成単位(a3)とを含有する重合体中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。また、特に上記構成単位(a1)における上記酸分解性基が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である構成単位である場合、構成単位(a1)を形成するモノマー単位の含有率は、20〜50モル%が好ましく、30〜45モル%がより好ましい。
<カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)>
成分Aは、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)を少なくとも有することが好ましく、カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)を少なくとも有することがより好ましい。
カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)としては、例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位が挙げられる。
カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)を得るために用いられる不飽和カルボン酸としては、以下に例示するものが用いられる。
すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸などが例示できる。
また、不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが例示できる。
また、カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。
更に、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸を用いることが好ましく、メタクリル酸を用いることがより好ましい。
また、カルボキシル基を有する構成単位(a2−1)は、水酸基を有する構成単位と、酸無水物とを反応させることによっても得ることができる。
酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸又は無水コハク酸が好ましい。
フェノール性水酸基を有する構成単位(a2−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物等を好ましいものとして挙げることができる。
構成単位(a2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の中でも、メタクリル酸、アクリル酸、特開2008−40183号公報の段落0011〜0016に記載の化合物、特許第2888454号公報の段落0007〜0010に記載の4−ヒドロキシ安息香酸誘導体類、4−ヒドロキシ安息香酸とメタクリル酸グリシジルとの付加反応物、4−ヒドロキシ安息香酸とアクリル酸グリシジルとの付加反応物が更に好ましいが、透明性の観点からメタクリル酸、アクリル酸が特に好ましい。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
構成単位(a2)は、成分Aがアルカリ可溶性とならない範囲で導入することが好ましい。成分Aが構成単位(a2)を有する場合、成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a2)を形成するモノマー単位の含有率は、2〜20モル%であることが好ましく、2〜15モル%が更に好ましく、3〜15モル%が特に好ましい。構成単位(a2)を上記の割合で含有させることにより、高感度が得られ、また、現像性も良好となる。
<架橋基を有する構成単位(a3)>
成分Aは、架橋基を有する構成単位(a3)を有してもよい。上記架橋基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋基を有する構成単位の態様としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基及びエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられ、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。その中でも、成分Aが、エポキシ基及びオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む構成単位を含むことがより好ましく、オキセタニル基を含む構成単位を含むことが特に好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)>>
成分Aは、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(構成単位(a3−1))を含有することが好ましい。上記3員環の環状エーテル基はエポキシ基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)としては、脂環エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位であることが好ましく、オキセタニル基を有する構成単位であることがより好ましい。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)は、1つの構成単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基及び1つ以上オキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ有することが更に好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落番号0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらのモノマーの中で、更に好ましいものとしては、特許第4168443号公報の段落番号0034〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物及び特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいものとしては特開2001−330953号公報の段落番号0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの中でも好ましいものは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルであり、最も好ましいものはアクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)としては、特開2011−215590号公報の段落番号0053〜0055の記載を参酌できる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a3−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 0005603908
本発明において、感度の観点からは、オキセタニル基が好ましい。また、透過率(透明性)の観点からは、脂環エポキシ基及びオキセタニル基が好ましい。以上より、本発明においては、エポキシ基及び/又はオキセタニル基としては、脂環エポキシ基及びオキセタニル基が好ましく、オキセタニル基が特に好ましい。
<<エチレン性不飽和基を有する構成単位(a3−2)>>
前記架橋基を有する構成単位(a3)の1つとして、エチレン性不飽和基を有する構成単位(a3−2)が挙げられる(以下、「構成単位(a3−2)」ともいう。)。上記エチレン性不飽和基を有する構成単位(a3−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有する構成単位がより好ましく、下記式(a3−2−1)で表される側鎖を有する構成単位が更に好ましい。
Figure 0005603908
(式(a3−2−1)中、R301は炭素数1〜13の二価の連結基を表し、R302は水素原子又はメチル基を表し、*は架橋基を有する構成単位(a3)の主鎖に連結する部位を表す。)
301は、炭素数1〜13の二価の連結基であって、アルケニル基、シクロアルケニル
基、アリーレン基又はこれらを組み合せた基を含み、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合等の結合を含んでいてもよい。また、二価の連結基は、任意の位置にヒドロキシ基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい。R301の具体例とし
ては、下記の二価の連結基が挙げられる。
Figure 0005603908
前記式(a3−2−1)で表される側鎖の中でも、上記R301で表される二価の連結基を含めて脂肪族の側鎖が好ましい。
その他、エチレン性不飽和基を有する構成単位(a3−2)については、特開2011−215580号公報の段落番号0077〜0090の記載を参酌できる。
<<−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位(a3−3)>>
本発明で用いる共重合体は、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位(a3−3)も好ましい。構成単位(a3−3)を有することで、緩やかな加熱処理で硬化反応を起こすことができ、諸特性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、Rは炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。構成単位(a3−3)は、下記式(a3−3−1)で表される基を有する構成単位であることがより好ましい。
Figure 0005603908
(式中、R331は水素原子又はメチル基を表し、R332は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
332は、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
332の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、又は、n−ヘキシル基を挙げることができる。中でも、i−ブチル基、n−ブチル基、又は、メチル基が好ましい。
<<構成単位(a3)の好ましい態様>>
上記構成単位(a3)を含有する重合体が、実質的に、構成単位(a1)を含まない場合、構成単位(a3)を含有する重合体を構成する全モノマー単位中、構成単位(a3)を形成するモノマー単位の含有量は、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位(a3)を含有する重合体が、上記構成単位(a1)を含有する場合、構成単位(a3)を含有する重合体を構成する全モノマー単位中、構成単位(a3)を形成するモノマー単位の含有量は、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明では、更に、いずれの態様にかかわらず、成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a3)を形成するモノマー単位の含有量は、3〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。
上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の透明性及びITOスパッタ耐性が良好となる。
<その他の構成単位(a4)>
成分Aは、本発明の効果を妨げない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の構成単位(a4)を有していてもよい。
構成単位(a4)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる(ただし、前述の構成単位(a1)〜(a3)を除く。)。
これらの中でも、電気特性向上の観点で(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルのような脂環構造含有の(メタ)アクリル酸エステル類や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチルのような脂環構造を含有しない(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。が好ましい。また、透明性の観点からは(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。また、エッチング耐性の観点からはスチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン類が好ましい。また、感度向上の観点からはフェノール性水酸基以外の水酸基又はアルキレンオキシ基を有する構成単位も好ましい。
成分Aは、構成単位(a4)を1種単独又は2種類以上有していても、有していなくともよいが、有していない、すなわち、成分Aが構成単位(a1)〜(a3)よりなる群から選ばれた構成単位からなる樹脂であることが好ましい。
成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a4)を形成するモノマー単位の含有率は、0〜40モル%であることが好ましい。成分Aが構成単位(a4)を有する場合、成分Aを構成する全モノマー単位中、構成単位(a4)を形成するモノマー単位の含有率は1〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%が特に好ましい。
成分Aの重量平均分子量は、1,000〜50,000であることが好ましく、2,000〜30,000であることがより好ましく、3,000〜20,000であることが更に好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量である。
また、成分Aが有する各構成単位を導入する方法としては、重合法でもよく、高分子反応法でもよく、これらの2方法を併用してもよい。
重合法では、所定の官能基を含有するモノマーを予め合成した後に、これらのモノマーを共重合する。すなわち、構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)、及び、必要により構成単位(a4)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。
高分子反応法では、重合反応を行った後に、得られた共重合体の構成単位に含まれる反応性基を利用して必要な官能基を構成単位中に導入する。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99質量%であることが好ましく、25〜97質量%であることがより好ましく、30〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。成分Aは、感光性樹脂組成物に1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物としては、成分Aとは異なる重合体成分を別に有していてもよい。成分Aとは異なる重合体成分を含む場合、前記重合体成分の配合量は、全重合体成分中、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
成分Aとは異なる重合体成分の構成単位としては、上述したカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)、架橋性基を有する構成単位(a3)等が例示され、本発明の効果を妨げない範囲で、構成単位(a2)及び(a3)以外の構成単位(a4)を有していてもよい。
特に、成分Aが前記架橋基を有する構成単位(a3)を有していない樹脂である場合、本発明の感光性樹脂組成物は、架橋基を有する構成単位(a3)を有する樹脂を更に含有することが好ましく、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)及び架橋基を有する構成単位(a3)を有する樹脂を更に含有することがより好ましい。
このような重合体としては、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂が好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
その他にも、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報、特開2009−52020号公報等に記載の公知の高分子化合物を使用することができる。
これらの重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
これらの重合体として、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
(成分B)光酸発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤を含有する。
本発明で使用される(成分B)光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本発明で使用される光酸発生剤としては、酸解離定数(pKa)が4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
なお、pKaについては、公知の測定方法、公知の算出方法、及び/又は、文献値等により値を求めることができる。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、高感度である観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの具体例としては、以下が例示できる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類として、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、又は、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等。
ジアリールヨードニウム塩類として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、又は、フェニル−4−(2’−ヒドロキシ−1’−テトラデカオキシ)フェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート等。
トリアリールスルホニウム塩類として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、又は、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート等。
第四級アンモニウム塩類として、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等。
ジアゾメタン誘導体として、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン等。
イミドスルホネート誘導体として、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネート等。
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤として下記式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有するオキシムスルホネート化合物を含むことが好ましい。なお、波線部分は、他の化学構造との結合位置を表す。
Figure 0005603908
前記式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有する化合物としては、下記式(OS−3)、式(OS−4)、又は、式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 0005603908
(式(OS−3)〜(OS−5)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、複数存在するR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、複数存在するR6はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、XはO又はSを表し、nは1又は2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
1で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基などが挙げられる。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
1で表されるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
1で表されるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
1で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R1で表されるヘテロアリール基は、少なくとも1つの複素芳香環であればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
1で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、及び、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2は、水素原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、化合物中に2以上存在するR2のうち、1つ又は2つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基又はハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアルキル基又はアリール基は、置換基を有していてもよい。
2で表されるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R1におけるアルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R2で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
2で表されるアリール基としてフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、XはO又はSを表し、Oであることが好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)において、Xを環員として含む環は、5員環又は6員環である。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、nは1又は2を表し、XがOである場合、nは1であることが好ましく、また、XがSである場合、nは2であることが好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基及びアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
6で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
6で表されるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−3)〜(OS−5)中、R6で表されるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、又は、エトキシエチルオキシ基が好ましい。
6におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
6で表されるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記式(OS−3)〜(OS−5)中、mは0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記式(OS−3)で表される化合物は、下記式(OS−6)、(OS−10)又は(OS−11)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−4)で表される化合物は、下記式(OS−7)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−5)で表される化合物は、下記式(OS−8)又は(OS−9)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0005603908
(式(OS−6)〜(OS−11)中、R1はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R7は、水素原子又は臭素原子を表し、R8は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。)
前記式(OS−6)〜(OS−11)におけるR1は、前記式(OS−3)〜(OS−5)におけるR1と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記式(OS−6)におけるR7は、水素原子又は臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−6)〜(OS−11)におけるR8は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基又はクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記式(OS−8)及び(OS−9)におけるR9は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−8)〜(OS−11)におけるR10は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記式(OS−3)〜式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005603908
Figure 0005603908
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Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
前記式(1)で表されるオキシムスルホネート基を少なくとも1つを有するオキシムスルホネート化合物の好適な他の態様としては、下記式(OS−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005603908
前記式(OS−1)中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R2は、アルキル基、又はアリール基を表す。
Xは−O−、−S−、−NH−、−NR5−、−CH2−、−CR6H−、又は−CR67−を表し、R5〜R7はアルキル基、又はアリール基を表す。
21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又はアリール基を表す。R21〜R24のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
21〜R24としては、水素原子、ハロゲン原子、及びアルキル基が好ましく、また、R21〜R24のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R21〜R24がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
前記した置換基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
前記式(OS−1)で表される化合物は、下記式(OS−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005603908
前記式(OS−2)中、R1、R2、R21〜R24は、それぞれ式(OS−1)におけるR1、R2、R21〜R24と同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、式(OS−1)、及び、式(OS−2)におけるR1がシアノ基、又はアリール基である態様がより好ましく、式(OS−2)で表され、R1がシアノ基、フェニル基又はナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)についてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いうる式(OS−1)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、具体例中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0005603908
Figure 0005603908
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Figure 0005603908
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Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有する化合物の好適な態様の一つは、下記式(2−1)で表される化合物である。式(2−1)で表される化合物は、式(2)におけるR2AとR1Aとが結合して5員環を形成している化合物である。
Figure 0005603908
(式(2−1)中、R3Aは、炭素数1〜8のアルキル基、p−トルイル基、フェニル基、カンホリル基、トリフルオロメチル基又はノナフルオロブチル基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、tは、0〜3の整数を表し、tが2又は3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
前記式(2−1)のR3Aにおける炭素数1〜8のアルキル基、及び、ノナフルオロブチル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。また、前記R3Aにおけるアルキル基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
また、前記R3Aにおけるカンホリル(camphoryl)基と硫黄原子との結合位置は、特に制限はないが、10位であることが好ましい。すなわち、前記カンホリル基は、10−カンホリル基であることが好ましい。
前記式(2−1)におけるR3Aは、メチル基、n−プロピル基、n−オクチル基、p−トルイル基又はカンホリル基が好ましく、n−プロピル基、n−オクチル基、p−トルイル基又はカンホリル基であることがより好ましく、n−プロピル基又はp−トルイル基であることが更に好ましい。
Xで表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜4の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。
Xで表されるアルコキシ基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
tとしては、0又は1が好ましい。
式(2−1)中、tが1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R3Aが炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又は、p−トルイル基である化合物が特に好ましい。
式(2−1)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iii)、化合物(iv)等が挙げられ、これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用することもできる。化合物(i)〜(iv)は、市販品として、入手することができる。
また、他の種類の特定光酸発生剤と組み合わせて使用することもできる。
Figure 0005603908
式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有する化合物としては、下記式(2−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005603908
(式(2−2)中、R4Aは、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、又はニトロ基を表し、Lは0〜5の整数を表す。R5Aは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基又はWで置換されていてもよいアントラニル基を表し、Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。)
式(2−2)におけるR5Aとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又はp−トリル基であることが特に好ましい。
4Aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
4Aで表される炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
Lとしては、0〜2が好ましく、0〜1が特に好ましい。
式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有する化合物のうち、式(2−2)で表される化合物に包含される化合物の好ましい態様としては、式(2−2)中、R4Aが、フェニル基又は4−メトキシフェニル基を表し、R5Aが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又は4−トリル基を表す態様である。
以下、式(1)で表されるオキシムスルホネート残基を少なくとも1つ有する化合物のうち、式(2−2)で表される化合物に包含される化合物の特に好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
α−(メチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R4A=フェニル基、R5A=メチル基)
α−(エチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R4A=フェニル基、R5A=エチル基)
α−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R4A=フェニル基、R5A=n−プロピル基)
α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R4A=フェニル基、R5A=n−ブチル基)
α−(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド(R4A=フェニル基、R5A=4−トリル基)
α−〔(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R4A=4−メトキシフェニル基、R5A=メチル基)
α−〔(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R4A=4−メトキシフェニル基、R5A=エチル基)
α−〔(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R4A=4−メトキシフェニル基、R5A=n−プロピル基)
α−〔(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R4A=4−メトキシフェニル基、R5A=n−ブチル基)
α−〔(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル〕アセトニトリル(R4A=4−メトキシフェニル基、R5A=4−トリル基)
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する(成分B)光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含まないことが好ましい。その理由は、1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシル基を生成するが、その量子収率は1以下であり、オキシムスルホネート化合物に比べて感度が低いためである。
これに対してオキシムスルホネート化合物は、活性光線に感応して生成する酸が保護された酸性基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られるものと推測される。
本発明の感光性樹脂組成物において、(成分B)光酸発生剤は、成分A100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
(成分C)架橋剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分C)架橋剤を含有する。
また、本発明の感光性樹脂組成物における(成分C)架橋剤は、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート化合物を含むことを特徴とする。
前記ブロックイソシアネート化合物は、ポストベーク時において脱保護され、イソシアネート基が生成し、活性水素化合物、例えば、成分Aが構成単位(a4)を有する場合、その水酸基と、成分Aが構成単位(a1)や構成単位(a2)を有する場合、カルボキシル基やフェノール性水酸基と反応し、架橋構造を形成するものと推定される。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、成分Cとして、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、及び/又は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等を含有していてもよい。
−ブロックイソシアネート化合物−
本発明の感光性樹脂組成物におけるブロックイソシアネート化合物は、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート化合物である。本発明におけるブロックイソシアネート系化合物としては、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、前記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の母構造の合成に用いられるイソシアネート化合物としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
前記ビウレット構造とは、下記式(bi)で表される構造であり、下記式(bi−1)で表される構造であることが好ましく、下記式(bi−2)で表される構造であることがより好ましい。なお、下記式中、波線部分は他の構造との結合部分である。
Figure 0005603908
(式(bi−1)及び式(bi−2)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、脂肪族、脂環族又は芳香族系ジイソシアネートのイソシアネート基以外の残基を表し、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
用いる脂肪族、脂環族又は芳香族系ジイソシアネートとしては、前記に記載した脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートのうち、ジイソシアネートであるものを好ましく用いることができる。
ブロックイソシアネート化合物におけるビウレット構造の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により形成すればよいが、例えば、イソシアネート化合物の3量化により容易に形成することができる。
前記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
前記オキシム化合物としては、オキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、アセトキシム等が例示できる。
前記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
前記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
前記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
前記アミン化合物としては、第1級アミン及び第2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
前記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
前記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる、
前記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、デュラネート17B−60PX、17B−60P、(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート化合物は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜8質量%であることが好ましく、0.2〜7質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが最も好ましい。2種以上を併用することもできる。
−アルコキシメチル基含有架橋剤−
また、本発明の感光性樹脂組成物においては、上記ブロックイソシアネートの他に、既知の架橋剤を用いることができ、例えば、アルコキシメチル基含有架橋剤を好適に用いることができる。
アルコキシメチル基含有架橋剤の具体例としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましく挙げられる。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。
このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、メトキシメチル基が特に好ましい。
これらのアルコキシメチル基含有架橋剤のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましいアルコキシメチル基含有架橋剤として挙げられ、耐薬品性効果の観点から、アルコキシメチル化メラミンが特に好ましい。
これらアルコキシメチル基含有架橋剤は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物がアルコキシメチル基含有架橋剤を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物におけるアルコキシメチル基含有架橋剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜7質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが最も好ましい。
−分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物−
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Cとして、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物を含有することが好ましい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ化合物等を挙げることができる。前記脂肪族エポキシ化合物は、直鎖及び/又は分岐の炭素鎖とエポキシ基とを有する樹脂であって、炭素鎖に、水素原子以外に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、塩素原子などが結合していてもよい。前記脂肪族エポキシ化合物は、直鎖及び/若しくは分岐の炭素鎖と、水素原子と、エポキシ基とからなる樹脂、又は、該樹脂に水酸基が置換している樹脂が特に好ましい。エポキシ基の数は、1〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、脂肪族エポキシ化合物としては、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)等が挙げられる。
また、脂肪族エポキシ化合物としては、下記式(X−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005603908
(式(X−1)中、Aは直鎖又は分岐の炭化水素基を表し、置換基として水酸基を有していてもよく、nは1〜4の整数を表す。)
式(X−1)におけるAの炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、2〜10が更に好ましく、2〜6が特に好ましい。
式(X−1)におけるnは1〜4の整数を表し、2又は3が好ましい。
脂肪族エポキシ化合物としては、下記式(X−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005603908
(式(X−2)中、A’は直鎖又は分岐の炭化水素基を表し、置換基として水酸基を有していてもよく、nは1〜4の整数を表す。)
式(X−2)におけるA’の炭素数は、1〜18が好ましく、1〜13がより好ましく、2〜8が更に好ましい。
式(X−2)におけるnは1〜4の整数を表し、2又は3が好ましい。
本発明で好ましく用いることができる脂肪族エポキシ化合物としては、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−321L、EX−850L、EX−211L、EX−946L、EX−946L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上、ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
これらのうち、下記に示すトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル又はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。上記のうちEX−321、EX−321L、EX−211、EX−211L(以上、ナガセケムテックス(株)製)が、これらに該当する。
Figure 0005603908
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、エポキシ樹脂、及び、脂肪族エポキシ化合物が好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及び、脂肪族エポキシ化合物がより好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、脂肪族エポキシ化合物が特に好ましく挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物を使用する場合、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物の感光性樹脂組成物への添加量は、成分A100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。
−少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物−
少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を使用する場合、本発明の感光性樹脂組成物における少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の使用割合は、成分A100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。このような割合で少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有させることにより、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の耐熱性及び表面硬度等を向上させることができる。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を加える場合には、後述の熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
(成分D)溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分D)溶剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である成分A〜成分C、及び、好ましい成分である後述の各種添加剤の任意成分を、(成分D)溶剤に溶解又は分散した液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(成分D)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される(成分D)溶剤としては、例えば、(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオンメチル、3−メトキシプロピオンエチル、3−エトキシプロピオンメチル、3−エトキシプロピオンエチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤に更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、特に好ましくはジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分D)溶剤の含有量は、成分A100質量部当たり、50〜3,000質量部であることが好ましく、100〜2,000質量部であることがより好ましく、150〜1,500質量部であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、上記の成分A〜成分Dを必須成分として、その他、任意成分を含有していてもよい。任意の成分としては、(成分E)増感剤、(成分F)塩基性化合物、(成分G)界面活性剤、(成分H)密着改良剤、(成分I)現像促進剤、(成分J)酸化防止剤、(成分K)可塑剤、(成分L)熱ラジカル発生剤、(成分M)熱酸発生剤、(成分N)酸増殖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤等が挙げられる。本発明で使用できる添加剤はこれらに限定されるものではなく、当該分野で公知の種々の添加剤を用いることができる。
その他の成分としては、本発明の感光性樹脂組成物は、基板密着性の観点から(成分H)密着改良剤を含有することが好ましく、液保存安定性の観点から(成分F)塩基性化合物を含有することが好ましく、塗布性の観点から(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)を含有することが好ましい。
また、感度の観点から(成分I)現像促進剤を含有することが好ましい。また、感度の観点から、(成分E)増感剤を添加することが好ましい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に含むことができるその他の成分を説明する。
(成分E)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分E)光増感剤を含有することが好ましい。
光増感剤を含有することにより、露光感度向上に有効であり、露光光源がg,h線混合線の場合に特に有効である。
光増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体が好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
アクリドン誘導体としては、アクリドン、N−ブチル−2−クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、2−メトキシアクリドン、N−エチル−2−メトキシアクリドンが好ましい。
チオキサントン誘導体としては、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−クロロチオキサントンが好ましい。
クマリン誘導体としては、クマリン−1、クマリン−6H、クマリン−110、クマリン−102が好ましい。
ベーススチリル誘導体としては、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ナフトチアゾールが挙げられる。
ジスチリルベンゼン誘導体としては、ジスチリルベンゼン、ジ(4−メトキシスチリル)ベンゼン、ジ(3,4,5−トリメトキシスチリル)ベンゼンが挙げられる。
これらの中でも、アントラセン誘導体が好ましく、9,10−ジアルコキシアントラセン(アルコキシ基の炭素数1〜6)がより好ましい。
光増感剤の具体例としては、下記が挙げられる。なお、下記において、Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基を表す。
Figure 0005603908
本発明の感光性樹脂組成物における光増感剤の含有量は、成分A及び成分Bの総含有量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。光増感剤の含有量が0.1質量部以上であると、所望の感度が得やすく、また、10質量部以下であると、塗膜の透明性を確保しやすい。
(成分F)塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、液保存安定性の観点から、(成分F)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分F)塩基性化合物の含有量は、成分A100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.002〜0.2質量部であることがより好ましい。
(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、下記に示す構成単位Aと構成単位Bとを含む共重合体(3)を好ましい例として挙げることができる。該共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上10,000以下であることが好ましく、1,500以上5,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の値である。
Figure 0005603908
共重合体(3)中、R21及びR23はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R24は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。
構成単位B中におけるLは、下記式(4)で表されるアルキレン基であることが好ましい。
Figure 0005603908
式(4)中、R25は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
また、pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の例として具体的には、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号等の各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコーン系界面活性剤として用いることができる。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤とを併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分G)界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤など)の添加量は、成分A100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることが更に好ましい。
(成分H)密着改良剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分H)密着改良剤を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(成分H)密着改良剤は、基板となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。本発明で使用される(成分H)密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
好ましいシランカップリング剤としては、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1−メチルジメトキシシリル−4−トリメトキシシリルブタン、1,4−ビス(メチルジメトキシシリル)ブタン、1,5−ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1−メチルジメトキシシリル−5−トリメトキシシリルペンタン、1,5−ビス(メチルジメトキシシリル)ペンタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6−ビス(メチルジメトキシシリル)ヘキサン、1,7−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、2,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、2,5−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、2,7−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,9−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、2,7−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、1,10−ビス(トリメトキシシリル)デカン、3,8−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビニルトリクロロシラン、1,3−ビス(トリクロロシラン)プロパン、1,3−ビス(トリブロモシラン)プロパン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリメチルシラノール、ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノール等を挙げることができる。
その他にも、以下に示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
前記各式中、R及びR1はそれぞれ、以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 0005603908
前記シランカップリング剤は、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましく、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品、シランカップリング剤などの市販品がこれに相当するため、本発明の樹脂組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。
これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを好適に使用することができる。
また、本発明では密着改良剤としては、式(H−1)で表される密着改良剤も例示される。
(RH14-n'−Si−(ORH2n' (H−1)
(式(H−1)中、RH1は反応性基を有さない置換基を表し、RH2はアルキル基を表し、n’は1〜3の整数を表す。)
式(H−1)で表される密着改良剤としては、下記の化合物が例示される。なお、下記化合物中におけるPhはフェニル基を表す。
Figure 0005603908
Figure 0005603908
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは基板との密着性の向上に有効であるとともに、基板とのテーパ角の調整にも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分H)密着改良剤の含有量は、成分A100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(成分I)現像促進剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分I)現像促進剤を含有することが好ましい。
(成分I)現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及び、アルキレンオキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも一種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
また、(成分I)現像促進剤の分子量としては、100〜2,000が好ましく、150〜1,500が更に好ましく、150〜1,000が最も好ましい。
現像促進剤の例として、アルキレンオキシ基を有するものとしては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールグリセリルエステル、ポリプロピレングリコールジグリセリルエステル、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリプロピレングリコール−ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエーテル、ポリオキシエチレンのアルキルエステル、及び、特開平9−222724号公報に記載の化合物等を挙げることができる。
カルボキシル基を有するものとしては、特開2000−66406号公報、特開平9−6001号公報、特開平10−20501号公報、特開平11−338150号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
フェノール性水酸基を有するものとしては、特開2005−346024号公報、特開平10−133366号公報、特開平9−194415号公報、特開平9−222724号公報、特開平11−171810号公報、特開2007−121766号公報、特開平9−297396号公報、特開2003−43679号公報等に記載の化合物を挙げることができる。これらの中でも、ベンゼン環数が2〜10個のフェノール化合物が好適であり、ベンゼン環数が2〜5個のフェノール化合物が更に好適である。特に好ましいものとしては、特開平10−133366号公報に溶解促進剤として開示されているフェノール性化合物を挙げることができる。
(成分I)現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分I)現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、成分Aを100質量部としたとき、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
(成分J)酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分J)酸化防止剤を含有してもよい。(成分J)酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。(成分J)酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF(株)製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035FF、イルガノックス1098を好適に使用することができる。
(成分J)酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
(成分K)可塑剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分K)可塑剤を含有してもよい。
(成分K)可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分K)可塑剤の含有量は、成分A100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
(成分L)熱ラジカル発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分L)熱ラジカル発生剤を含んでいてもよく、前述の少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物のようなエチレン性不飽和化合物を含有する場合、(成分L)熱ラジカル発生剤を含有することが好ましい。
本発明における熱ラジカル発生剤としては、公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。
熱ラジカル発生剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル発生剤を添加することによって、得られた硬化膜がより強靭になり、耐熱性、耐溶剤性が向上する場合がある。
好ましい熱ラジカル発生剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物、ビベンジル化合物等が挙げられる。
(成分L)熱ラジカル発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分L)熱ラジカル発生剤の含有量は、膜物性向上の観点から、成分Aを100質量部としたとき、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
(成分M)熱酸発生剤
本発明では、低温硬化での膜物性等を改良するために、(成分M)熱酸発生剤を使用しても良い。
本発明の熱酸発生剤とは、熱により酸が発生する化合物であり、通常、熱分解点が130℃〜250℃、好ましくは150℃〜220℃の範囲の化合物であり、例えば、加熱によりスルホン酸、カルボン酸、ジスルホニルイミドなどの低求核性の酸を発生する化合物である。
発生酸としてはpKaが2以下と強い、スルホン酸や電子求引性基の置換したアルキルカルボン酸又はアリールカルボン酸、同じく電子求引性基の置換したジスルホニルイミドなどが好ましい。電子求引性基としてはフッ素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基を挙げることができる。
また、本発明においては露光光の照射によって実質的に酸を発生せず、熱によって酸を発生するスルホン酸エステルを使用することも好ましい。露光光の照射によって実質的に酸を発生していないことは、化合物の露光前後でのIRスペクトル、NMRスペクトル測定により、スペクトルに変化がないことで判定することができる。
スルホン酸エステルの分子量は、好ましくは230〜1,000、より好ましくは230〜800である。
本発明で使用可能なスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。スルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド乃至はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
(成分M)熱酸発生剤の感光性樹脂組成物への含有量は、成分Aを100質量部としたとき、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部が特に好ましい。
(成分N)酸増殖剤
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、(成分N)酸増殖剤を用いることができる。
本発明において用いる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数(pKa)として3以下であることが好ましく、2以下であることが特に好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落0016〜0055、及び、特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、(成分B)光酸発生剤100質量部に対して、10〜1,000質量部とすることが、露光部と未露光部の溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とすることが更に好ましい。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
成分A〜成分C、及び、(成分D)溶剤の必須成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分A、成分B又は成分Cを、それぞれ予め(成分D)溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して感光性樹脂組成物を調製することもできる。このように調製した感光性樹脂組成物は、孔径0.1μm程度のフィルタ等を用いて濾過した後に、使用に供することもできる。
(硬化膜の形成方法)
次に、本発明の硬化膜の形成方法を説明する。
本発明の硬化膜の形成方法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いること以外に特に制限はないが、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程;
(2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程;
(3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程;
(4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程;
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程。
以下に各工程を順に説明する。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法を具体的に説明する。
<適用工程及び溶剤除去工程>
(1)の適用工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に適用(好ましくは塗布)して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことが好ましく、更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理することがより好ましい。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気に中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、ポリ芳香族エーテル、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている。
基板への適用方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
適用したときのウエット膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、好ましくは0.5〜10μmの範囲で使用される。
また、(2)の溶剤除去工程の加熱条件は、未露光部における成分Aをアルカリ現像液に可溶性としない範囲であり、各成分の種類や配合比によっても異なるが、70〜120℃で30〜300秒間程度であることが好ましい。
<露光工程>
(3)の露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。この工程では、光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、例えば、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、カルボキシル基又はフェノール性水酸基が生成する。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBにより、例えば、成分Aが有していてもよい酸分解性基からのカルボキシル基又はフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
成分Aが有していてもよい酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、好ましくはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできる。
<現像工程>
(4)の現像工程では、例えば、遊離したカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像する。アルカリ性現像液に溶解しやすい、好ましくはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの0.4質量%水溶液、0.5質量%水溶液、0.7質量%水溶液、2.38質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等の何れでもよい。現像後は、流水洗浄を、好ましくは30〜300秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えば、シャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
<ポストベーク工程(架橋工程)>
(5)のポストベーク工程では、得られたポジ画像を加熱することにより、例えば、成分Aが有していてもよい酸分解性基を熱分解しカルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成させ、架橋性基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。このように架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等により優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
ポストベークの前に、比較的低温でベークを行った後にポストベークすることもできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、選択する各材料の特性により、架橋度が不足すると予想される場合は、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することできる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
一方、上記以外の場合においては、再露光工程を行わないことも可能である。生産性を向上させるとともに、高温・高湿状態での安定性を高めることができる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。ポストベーク工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
本発明の感光性樹脂組成物により、絶縁性に優れ、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する硬化膜が得られ、層間絶縁膜として有用である。本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
本発明の有機EL表示装置や液晶表示装置としては、前記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜を平坦化膜や層間絶縁膜として用いること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置及び液晶表示装置が具備するTFT(Thin−Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は、電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置がとりうる液晶表示装置の方式としては、TN(TwistedNematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、FFS(Frings Field Switching)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式などが挙げられる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としては、ラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
図1は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を絶縁膜、平坦化膜として適用した有機EL表示装置の一例の構成を示す模式的断面図である。
図1に示す有機EL表示装置は、ボトムエミッション型の有機EL表示装置である。
図1中、ガラス基板6上には、ボトムゲート型のTFT1を形成され、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
図2は、本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜を適用した液晶表示装置の一例を示す構成を示す模式的断面図である。
図2に示す液晶表示装置は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
図2中、液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、前記液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
V−601:ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製)
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル(合成品)
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(合成品)
MATHP:メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル(新中村化学工業(株)製)
CHOEMA:メタクリル酸1−(シクロヘキシルオキシ)エチル(合成品)
StOEVE:4−(1−エトキシエチルオキシ)スチレン(合成品)
NBMA:n−ブトキシメチルアクリルアミド(三菱レイヨン(株)製)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業(株)製)
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)
BzMA:メタクリル酸ベンジル(和光純薬工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
AA:アクリル酸(和光純薬工業(株)製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製)
HS−EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業(株)製、ハイソルブEDM)
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
<MAEVEの合成>
エチルビニルエーテル144.2部(2モル当量)にフェノチアジン0.5部を添加し、反応系中を10℃以下に冷却しながらメタクリル酸86.1部(1モル当量)を滴下後、室温(25℃)で4時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.0部を添加後、室温で2時間撹拌し、一夜室温放置した。反応液に炭酸水素ナトリウム5部及び硫酸ナトリウム5部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)43〜45℃/7mmHg留分のメタクリル酸1−エトキシエチル134.0部を無色油状物として得た。
なお、CHOEMA及びMATHFは、エチルビニルエーテルを対応する化合物に変更した以外、前記メタクリル酸1−エトキシエチルと同様の方法で合成した。
〔重合体A1の合成〕
得られたメタクリル酸1−エトキシエチル 66.41部(0.42モル当量)、メタクリル酸 6.89部(0.08モル当量)、GMA 49.75部(0.35モル当量)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 19.52部(0.15モル等量)、及びPGMEA 132.5部の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製、12.4部)、及びPGMEA 100.0部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより重合体A1のPGMEA溶液(固形分濃度:40%)を得た。得られた重合体A1のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した重量平均分子量は、8,000であった。
〔重合体A2〜A5の合成〕
重合体A1の合成で使用した各モノマーを表1に記載の各構成単位(a1)〜(a4)に変更し、各構成単位の使用量を表1に記載のものに変更した以外は、重合体A1の合成と同様にして、重合体A2〜A5をそれぞれ合成した。なお、ラジカル重合開始剤V−65の添加量は、表1に記載の分子量となるようにそれぞれ調整した。
Figure 0005603908
〔重合体A’1の合成〕
HS−EDM(82部)を窒素気流下、90℃に加熱撹拌した。MATHF(43部(40.5モル%当量))、OXE−30(48部(37.5モル%当量))、MAA(6部(9.5モル%当量))、HEMA(11部(12.5モル%当量))、ラジカル重合開始剤V−601(商品名、和光純薬工業(株)製、4.3部)及びPGMEA(82部)の混合溶液を2時間かけて滴下し、更に2時間90℃で反応させることにより、重合体A’1のPGMEA溶液(固形分濃度:40%)を得た。
得られた重合体A’1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量は、15,000であった。
<他の重合体A’2〜A’12の合成>
使用した各モノマー及びその使用量を、下記表2に記載のものに変更した以外は、重合体A’1の合成と同様にして、各共重合体をそれぞれ合成した。
Figure 0005603908
表2中の特に単位を付していない数値は、mol%を単位とする。また、開始剤の数値は、単量体成分を100mol%とした場合の、mol%である。
固形分濃度は、以下の式により算出できる。
固形分濃度:モノマー質量/(モノマー質量+溶媒質量)×100(単位:質量%)
また、開始剤として、V−601を用いた場合は反応温度を90℃し、V−65を用いた場合は反応温度を70℃とした。
<実施例1〜11、66及び67、並びに、比較例1〜4>
(1)感光性樹脂組成物の調製
下記表3に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いて濾過して、実施例1〜11、66及び67、並びに、比較例1〜4の感光性樹脂組成物の溶液をそれぞれ調製した。
<比較例5:特開平10−26829号公報の実施例1に記載の組成物>
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを乳酸エチルに溶解した溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。次いで、スチレン35g、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル30g及びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15gを仕込んだ後、ゆるやかに撹拌しながら液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液(共重合体分31.6質量%)を300g得た。
上記で得られた共重合体溶液を共重合体分が23質量%になるように乳酸エチルで希釈し、その共重合体溶液100g(共重合体分23g)にジフェニルヨードニウム−9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート0.69g及び界面活性剤BM−1000(BM Chemie社製)を溶解混合させた。次いで、溶液を孔径0.22μmのミリポアフィルターで濾過することにより比較例5の感光性樹脂組成物を得た。
<比較例6:特開2004−264623号公報の実施例1に記載の組成物>
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続き1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート40質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸グリシジル45質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部及びα−メチルスチレンダイマー3質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.6質量%であった。
上記得られた重合体溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、及び4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート5質量部を、固形分濃度が30質量%となるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、比較例6の感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 0005603908
なお、表3中の略号は以下の通りである。
B1:CGI−1397(チバジャパン(株)製)
B2:PAI−101(みどり化学(株)製)
B3:下記の化合物
B4:下記の化合物
C1:デュラネート17B−60PX(旭化成ケミカルズ(株)製)
なお、C1は、母構造がビウレット構造であり、かつブロック構造がオキシムエステル構造であるブロックイソシアネート化合物である。
C3:ニカラックMW−100LM(アルコキシメチル化メラミン化合物、三和ケミカル(株)製)
C4:デュラネートD101(旭化成ケミカルズ(株)製)
C5:タケネートD−110N(三井化学(株)製
C6:VESTAGON B1065(デグサAG社製)
なお、C6は、ウレトジオン構造(非ビウレット構造)を有するブロックイソシアネート化合物である。
C7:JER−157S65(多官能ノボラック型エポキシ樹脂、架橋剤、三菱化学(株)製)
D1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
F1:下記構造の化合物
G1:下記構造の化合物W−3
H1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403(信越化学工業(株)製))
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
Figure 0005603908
〔B3の合成〕
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶を濾過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶を濾過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してB3(2.3g)を得た。
なお、B3の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
〔B4の合成〕
2−ナフトール(20g)をN,N−ジメチルアセトアミド(150mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28.7g)、2−ブロモオクタン酸エチル(52.2g)を添加して100℃で2時間反応させた。反応液に水(300mL)、酢酸エチル(200mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(23g)、エタノール(50mL)、水(50mL)を添加し、2時間反応させた。反応液を1N HC
l水溶液(500mL)にあけ、析出した結晶を濾過、水洗してカルボン酸粗体を得た後、ポリリン酸30gを添加して170℃で30分反応させた。反応液を水(300mL)にあけ、酢酸エチル(300mL)を添加して分液し、有機層を濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ケトン化合物(10g)を得た。
得られたケトン化合物(10.0g)、メタノール(100mL)の懸濁溶液に酢酸ナトリウム(30.6g)、塩酸ヒドロキシルアミン(25.9g)、硫酸マグネシウム(4.5g)を添加し、24時間加熱還流した。放冷後、水(150mL)、酢酸エチル(150mL)添加して分液し、有機層を水80mLで4回分液し、濃縮した後シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製してオキシム化合物(5.8g)を得た。
得られたオキシム(3.1g)に対し、B3と同様にスルホネート化を行い、B4(3.2g)を得た。
なお、B4の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.5(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(dd,1H),2.4(s,3H),2.2(ddt,1H),1.9(ddt,1H),1.4〜1.2(m,8H),0.8(t,3H)であった。
<実施例12〜28及び比較例〜14>
(1)感光性樹脂組成物の調製
下記表4に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いて濾過して、実施例12〜28及び比較例〜14の感光性樹脂組成物の溶液をそれぞれ調製した。なお、表4中の添加量の単位は質量部であり、比率は質量基準である。
Figure 0005603908
なお、重合体及び光酸発生剤以外の表4中の略号は以下の通りである。
C’1:デュラネート17B−60PX(旭化成ケミカルズ(株)製)
C’2:デュラネート17B−60P(旭化成ケミカルズ(株)製)
なお、C’1及びC’2は、母構造がビウレット構造であり、かつブロック構造がオキシムエステル構造であるブロックイソシアネート化合物である。
C’6:ニカラックMW−100LM(アルコキシメチル化メラミン化合物、三和ケミカル(株)製)
C’7:デュラネートD101(旭化成ケミカルズ(株)製)
C’8:タケネートD−110N(三井化学(株)製)
なお、C’7及びC’8は、非ブロックイソシアネート化合物、すなわち、イソシアネート化合物である。
C’9:VESTAGON B1065(デグサAG社製)
なお、C’9は、ウレトジオン構造(非ビウレット構造)を有するブロックイソシアネート化合物である。
C’10:JER−157S65(多官能ノボラック型エポキシ樹脂、架橋剤、三菱化学(株)製)
C’11:デナコールEX−321L(液状脂肪族エポキシ化合物、ナガセケムテックス(株)製)
C’12:デナコールEX−211L(液状脂肪族エポキシ化合物、ナガセケムテックス(株)製)
D1:前記化合物(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
F1:前記化合物
G1:前記化合物(化合物W−3)
H’1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403(信越化学工業(株)製))
H’2:ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(Z−6920(東レ・ダウコーニング(株)製))
H’3:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846(信越化学工業(株)製))
I’1:イルガノックス1726(酸化防止剤、BASF社製)
I’2:イルガノックス1035FF(酸化防止剤、BASF社製)
I’3:イルガノックス1098(酸化防止剤、BASF社製)
I’4:アデカスタブAO−60(酸化防止剤、(株)ADEKA製)
I’5:アデカスタブAO−70(酸化防止剤、(株)ADEKA製)
表4中における(成分B)光酸発生剤の略号は以下の通りである。
B’1:IRGACURE PAG−103(商品名、下記に示す構造、BASF社製)
B’2:PAI−101(商品名、前記B2に示す構造、みどり化学(株)製)
B’5:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B’6:下記に示す構造(合成例を後述する。)
Figure 0005603908
Figure 0005603908
<B’5の合成>
1−1.合成中間体B’5Aの合成
2−アミノベンゼンチオール:31.3g(東京化成工業(株)製)をトルエン:100mL(和光純薬工業(株)製)に室温(25℃)下溶解させた。次に、得られた溶液に、フェニルアセチルクロリド:40.6g(東京化成工業(株)製)を滴下し、室温下1時間、次いで100℃で2時間撹拌し反応させた。得られた反応液に水500mLを入れ析出した塩を溶解させ、トルエン油分を抽出、抽出液をロータリエバポレーターで濃縮させ、合成中間体B’5Aを得た。
1−2.B’5の合成
上記のようにして得られた合成中間体B’5A 2.25gをテトラヒドロフラン:10mL(和光純薬工業(株)製)に混合させた後、氷浴につけ反応液を5℃以下に冷却した。次に、反応液に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:4.37g(25質量%メタノール溶液、Alfa Acer社製)を滴下し、氷浴下0.5時間撹拌し反応させた。更に、亜硝酸イソペンチル:7.03gを内温20℃以下に保ちながら滴下し、滴下終了後に反応液を室温まで昇温後、1時間撹拌した。
次いで、反応液を5℃以下に冷却し後、p−トルエンスルホニルクロリド(1.9g)(東京化成工業(株)製)を投入し、10℃以下を保ちながら1時間撹拌した。その後水80mLを投入し、0℃で1時間撹拌した。得られた析出物を濾過した後、イソプロピルアルコール(IPA)60mLを投入し、50℃に加熱して1時間撹拌し、熱時濾過、乾燥させることで、B’5(前述の構造)1.8gを得た。
得られたB’5の1H−NMRスペクトル(300MHz、重DMSO((D3C)2S=O))は、δ=8.2〜8.17(m,1H),8.03〜8.00(m,1H),7.95〜7.9(m,2H),7.6〜7.45(m,9H),2.45(s,3H)であった。
上記の1H−NMR測定結果より、得られたB’5は、1種単独の幾何異性体であることが推定される。
<B’6の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶を濾過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶を濾過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してB’6(前述の構造)2.3gを得た。
なお、B’6の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
<実施例29〜65及び比較例15>
(1)感光性樹脂組成物の調製
下記表5に示す各成分を混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いて濾過して、実施例29〜65及び比較例15の感光性樹脂組成物の溶液をそれぞれ調製した。なお、表5中の添加量の単位は質量部であり、比率は質量基準である。
Figure 0005603908
なお、A’1〜A’12及び光酸発生剤以外の表5中の略号は、以下の通りである。
A’13:ARUFON UC−3910(東亞合成(株)製)
A’14:Joncryl 67(BASF社製)
C”1:デュラネート17B−60PX(旭化成ケミカルズ(株)製)
なお、C”1は、母構造がビウレット構造であり、かつブロック構造がオキシムエステル構造であるブロックイソシアネート化合物である。
C”10:JER−157S65(多官能ノボラック型エポキシ樹脂、架橋剤、三菱化学(株)製)
C”13:トリレンジイソシアネート(TDI)のメチルエチルケトンオキシムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”14:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のメチルエチルケトンオキシムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”15:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のメチルエチルケトンオキシムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”16:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のε−カプロラクタムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”17:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のフェノールブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”18:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のブタノールブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”19:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のジフェニルアミンブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”20:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のアセト酢酸エチルブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”21:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のジメチルピラゾールブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”22:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のアルキルメルカプタンブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”23:イソホロンジイソシアネート(IPDI)のメチルエチルケトンオキシムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”24:イソホロンジイソシアネート(IPDI)のε−カプロラクタムブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”25:イソホロンジイソシアネート(IPDI)のフェノールブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”26:イソホロンジイソシアネート(IPDI)のアセト酢酸エチルブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
C”27:イソホロンジイソシアネート(IPDI)のジメチルピラゾールブロック構造を有する、母構造がビウレット構造であるブロックイソシアネート
D1:前記化合物(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
E”1:DBA(9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業(株)製)
F2:下記構造の化合物
Figure 0005603908
G1:前記化合物(化合物W−3)
H”1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403(信越化学工業(株)製))
H”4:ヘキシルトリメトキシシラン(KBM−3063(信越化学工業(株)製))
I”2:イルガノックス1035FF(酸化防止剤、BASF社製)
I”3:イルガノックス1098(酸化防止剤、BASF社製)
I”4:アデカスタブAO−60(酸化防止剤、(株)ADEKA製)
表5中における(成分B)光酸発生剤の略号は以下の通りである。
B”6:下記に示す構造(合成例を後述する。)
B”7:下記構造の化合物(特表2002−528451号公報の段落0108に記載された方法に従って合成した。)
Figure 0005603908
<B”6の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶を濾過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶を濾過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、濾過、乾燥してB”6(前述の構造)2.3gを得た。
なお、B”6の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d.1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
<C”13の合成>
トリレンジイソシアネートのビウレット体を100質量部と、メチルエチルケトンオキシム50質量部とを反応容器に仕込み、100℃で6時間反応させることにより、透明な粘調液体からなるブロックイソシアネートC”13を得た。IR測定の結果、NCO基に起因する2,250cm-1の吸収ピークが無いことを確認した(C”13は3官能のブロックイソシアネート基を有するブロックイソシアネート化合物を主に含む。)。
<C”14〜C”27の合成>
合成時に使用したジイソシアネートのビウレット体及びブロック化合物を変更した以外は、C”13の合成と同様にして、合成を行った。
(2)感光性樹脂組成物の評価
(感度の評価)
シリコン酸化膜を有するシリコンウエハ上に実施例1〜67及び比較例1〜15の感光性樹脂組成物の溶液をそれぞれスピン塗布した後、90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークして膜厚3μmの塗膜を形成した。
次に、i線ステッパー(キヤノン(株)製FPA−3000i5+)を用いて、所定のマスクを介して露光した。露光後10分間基板を室温で放置した後、0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で60秒間液盛り法により現像し、更に超純水で45秒間リンスした。これらの操作により10μmのラインアンドスペースを1:1で解像する時の最適露光量(Eopt)を感度とした。感度は、70mJ/cm2より低露光量の場合に、高感度であるといえる。評価結果を表6〜8に示す。なお、表6の感度の欄で「*」とあるのは、200mJ/cm2でパターン形成できなかったことを示す。
(耐熱透明性の評価)
ガラス基板(イーグル2000 コーニング社製)に実施例1〜67及び比較例1〜15の感光性樹脂組成物の溶液をスピン塗布した後、90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークして膜厚3μmの塗膜を形成した。得られた塗膜を0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で60秒間液盛り法により現像し、更に超純水で45秒間リンスした後、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜をオーブンにて230℃で2時間更に加熱した後、光線透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。そのときの最低光線透過率の評価(耐熱透明性の評価)を表6〜8に示す。
評価基準は下記の通りである。なお、最低光線透過率の値は、230℃で2時間加熱後の膜厚2μm当たりの値に換算している。
0:92%以上
1:87%以上92%未満
2:85%以上87%未満
3:82%以上85%未満
4:82%未満
(耐薬品性の評価)
ガラス基板(イーグル2000 コーニング社製)に実施例1〜67及び比較例1〜15の感光性樹脂組成物の溶液をスピン塗布した後、90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークして膜厚3μmの塗膜を形成した。得られた塗膜をキヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が300mJ/cm2(照度:20mW/cm2)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜を70℃10分間N−メチルピロリドン(NMP)に浸漬させ、浸漬前後での膜厚を測定した。以下を「膨潤率」と定義し、以下の基準にて評価を行った。
膨潤率(%)=浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm)×100−100
0:膨潤率2%未満
1:膨潤率2%以上4%未満
2:膨潤率4%以上6%未満
3:膨潤率6%以上8%未満
4:膨潤率8%以上
(表示装置における表示ムラの評価)
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた液晶表示装置を以下の方法で作製した(図1、2参照)。特許第3321003号公報の図1及び図2に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、層間絶縁膜として硬化膜17を以下のようにして形成し、液晶表示装置を得た。
すなわち、ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、コンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化膜4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例1〜67、比較例1〜15の各感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を25mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。前記感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。更に、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
得られた液晶表示装置に対して駆動電圧を印加し、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視にて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準にしたがって評価した。
0:まったくムラがみられない(非常に良い)
1:ガラス基板の縁部分にかすかにムラが見られるが、表示部に問題なし(良い)
2:表示部にかすかにムラが見られるが実用レベル(普通)
3:表示部にムラがある(やや悪い)
4:表示部に強いムラがある(非常に悪い)
Figure 0005603908
Figure 0005603908

Figure 0005603908
表6〜8から、本発明の感光性樹脂組成物はいずれも、非常に感度が高く、耐熱透明性が良好であり、耐薬品性に優れることがわかる。また、液晶表示ムラもなく、高品質なパネルを製造することが可能であることがわかる。
これに対し、本発明の感光性樹脂組成物とは異なる比較例の感光性樹脂組成物はいずれも、感度、耐熱透明性、耐薬品性、表示ムラの全ての項目を満足するものがないことがわかる。
<実施例68>
実施例43の表示ムラ評価において、以下の塗布プロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例43の感光性樹脂組成物をスリットコート法(東京エレクトロン(株)製CL1700)にて塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で加熱により溶剤を除去し、膜厚4.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。得られた塗膜は、平坦でムラの無い良好な面状であった。また、液晶表示装置としての性能も、実施例43と同様に良好であった。
<実施例69>
実施例43の表示ムラ評価において、以下の塗布プロセスのみ変更して、同様の液晶表示装置を得た。
すなわち、実施例43の感光性樹脂組成物をスリットアンドスピン法(大日本スクリーン製造(株)製SF−700G3)にて塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上で加熱により溶剤を除去し、膜厚4.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。得られた塗膜は、平坦でムラの無い良好な面状であった。また、液晶表示装置としての性能も、実施例43と同様に良好であった。
<実施例70>
実施例43の表示ムラ評価において得られた液晶表示装置を、120℃100%RHの高温高湿条件下に1週間曝した後分解し、硬化膜の下地密着性を評価したところ、密着性は良好であった。
<実施例71>
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた有機EL表示装置を以下の方法で作製した(図1参照)。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34からなる絶縁膜3を形成した。次に、この絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)を絶縁膜3上に形成した。この配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上へ平坦化層4を形成した。絶縁膜3上への平坦化膜4の形成は、実施例43の感光性樹脂組成物を基板上にスピン塗布し、ホットプレート上でプリベーク(90℃×2分)した後、マスク上から高圧水銀灯を用いてi線(365nm)を45mJ/cm2(照度20mW/cm2)照射した後、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、230℃で60分間の加熱処理を行った。該感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、焼成の後に得られた硬化膜には、しわやクラックの発生は認められなかった。更に、配線2の平均段差は500nm、作製した平坦化膜4の膜厚は2,000nmであった。
次に、得られた平坦化膜4上に、ボトムエミッション型の有機EL素子を形成した。まず、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5を、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウェットエッチングによりパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(モノエタノールアミンとジメチルスルホキシド(DMSO)との混合液)を用いて該レジストパターンを剥離した。こうして得られた第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8を形成した。絶縁膜には、実施例43の感光性樹脂組成物を用い、前記と同様の方法で絶縁膜8を形成した。この絶縁膜を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設けた。次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
以上のようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続してなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られた。駆動回路を介して電圧を印加したところ、良好な表示特性を示し、信頼性の高い有機EL表示装置であることがわかった。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ

Claims (18)

  1. (成分A)アセタール構造を有し、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂、
    (成分B)光酸発生剤、
    (成分C)架橋剤、及び、
    (成分D)溶剤を含み、
    成分Cが、ブロックイソシアネート化合物を含み、
    前記ブロックイソシアネート化合物の母構造が、ビウレット構造であることを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
  2. 前記ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基が、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、及び、イミド系化合物よりなる群から選ばれたブロック化剤でブロックされている、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記ブロックイソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及び、イソホロンジイソシアネート(IPDI)よりなる群から選ばれた化合物を多量化して得られたビウレット構造を有する多量体のイソシアネート基を、ブロック剤でブロックしたものである、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記ブロックイソシアネート化合物の含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、0.1〜8質量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 成分Aが、カルボキシル基がアセタール構造により保護された残基を有する構成単位(a1)を有する重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 成分Aが、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)を有する重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 成分Bが、オキシムスルホネート化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 成分Aが、(a3)架橋性基を有する構成単位を有する重合体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. (a3)架橋性基を有する構成単位に含まれる架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 酸化防止剤を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. (1)請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に適用する適用工程、
    (2)適用された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する露光工程、
    (4)露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程、及び、
    (5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化するポストベーク工程、を含む
    硬化膜の形成方法。
  12. 前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含む、請求項11に記載の硬化膜の形成方法。
  13. 前記現像工程後、前記ポストベーク工程前に、現像された感光性樹脂組成物を全面露光する工程を含まない、請求項11に記載の硬化膜の形成方法。
  14. (6)熱硬化して得られた硬化膜を有する基板に対しドライエッチングを行うドライエッチング工程を更に含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の硬化膜の形成方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法により形成された硬化膜。
  16. 層間絶縁膜である請求項15に記載の硬化膜。
  17. 請求項15又は16に記載の硬化膜を具備する有機EL表示装置。
  18. 請求項15又は16に記載の硬化膜を具備する液晶表示装置。
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