JP5603861B2 - 編機用の糸送り装置と糸送り方法 - Google Patents

編機用の糸送り装置と糸送り方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5603861B2
JP5603861B2 JP2011518375A JP2011518375A JP5603861B2 JP 5603861 B2 JP5603861 B2 JP 5603861B2 JP 2011518375 A JP2011518375 A JP 2011518375A JP 2011518375 A JP2011518375 A JP 2011518375A JP 5603861 B2 JP5603861 B2 JP 5603861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
knitting
torque
speed
buffer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011518375A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010143498A1 (ja
Inventor
泰和 西谷
善幸 小村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shima Seiki Manufacturing Ltd
Original Assignee
Shima Seiki Manufacturing Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shima Seiki Manufacturing Ltd filed Critical Shima Seiki Manufacturing Ltd
Priority to JP2011518375A priority Critical patent/JP5603861B2/ja
Publication of JPWO2010143498A1 publication Critical patent/JPWO2010143498A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5603861B2 publication Critical patent/JP5603861B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B15/00Details of, or auxiliary devices incorporated in, weft knitting machines, restricted to machines of this kind
    • D04B15/38Devices for supplying, feeding, or guiding threads to needles
    • D04B15/48Thread-feeding devices
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B15/00Details of, or auxiliary devices incorporated in, weft knitting machines, restricted to machines of this kind
    • D04B15/38Devices for supplying, feeding, or guiding threads to needles
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B15/00Details of, or auxiliary devices incorporated in, weft knitting machines, restricted to machines of this kind
    • D04B15/38Devices for supplying, feeding, or guiding threads to needles
    • D04B15/44Tensioning devices for individual threads

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Knitting Machines (AREA)
  • Looms (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Description

この発明は、横編機及び丸編機などの編機に糸を供給するための、糸送り装置と糸送り方法の改良に関する。
発明者らは、編成データから糸の必要量を求め、各編成箇所に応じてサーボモータにより必要な長さの糸を送り出すと共に、バッファとしてのアームを介して、編機のキャリアに糸を供給する糸送り装置を提案した(特許文献1:JP4016030B,特許文献2:JP2006-169675A)。なお所定の時間当たりの糸の必要量を、この明細書では糸速度と呼ぶ。糸速度は、編目の形成に使用する糸長と、キャリアの移動に伴うバッファアームとニードルベッドとの間の糸長の変化、とにより定まる。またバッファアームを以下単に「アーム」と呼ぶことがある。
特許文献1,2では、アームはバネで付勢されて、糸にほぼ一定の張力を与えるようにされている。ここで特許文献1では、編成データに基づき編針毎の編目のループ長を算出し、キャリアの運動に同期して、編成に必要な編糸を積極的に送り出すことを開示している。しかしながら高速で編成する場合、糸の送り量の制御のみでは、糸に強い張力ピークが発生し、糸が切れるおそれがあることが判明した。特許文献2では、糸速度が急増する前に糸の送り速度を増してアームに余分の糸を蓄え、糸速度が急増する箇所に備えることを開示している。しかしながら事前に余分の糸を充分な量だけ繰り出すと、糸張力が低下し糸がたるむおそれがある。これらのため、特許文献1,2で想定しているよりも高速で編成する際には、糸張力の変動を小さくすることは難しい。
そこで発明者は、アームをバネで受動的に制御するのではなく、トルクモータ等のトルク発生器で、アームトルクを積極的に制御することを検討した。横編機及び丸編機等の編機のアームのトルク制御に関し、特許文献3:JP2951068Bは、バッファアームの下流側に張力センサを設け、アームの駆動トルクへフィードバック制御することを開示している。しかしながら発明者の実験では、高速編成時にはフィードバック制御では間に合わず、糸に強い張力ピークが生じることを見出した。糸張力にピークが生じると、編目のループ長が短くなり詰まった小さな編目となり、また糸が耐えうる範囲を越えると糸が切れるおそれがある。同様に、従来の編成速度でも、装飾性の高い糸などの切れやすい糸の場合は、糸張力が変動すると、糸が切断されるおそれがある。
JP4016030B JP2006-169675A JP2951068B
この発明の課題は、糸張力の変動を小さくすることにより、高速編成あるいは弱い糸での編成を可能にすることにある。
この発明の編機用の糸送り装置は、編機本体で用いる編成データに基づいて糸を送り出すローラを駆動するモータと、前記ローラから送り出された糸を中間的に蓄える回動自在なバッファとを備えて、該バッファから編機本体に糸を供給する装置において、
前記バッファに可変のトルクを加えるトルク発生器と、
編成コースの各箇所における糸速度を、前記編成データに基づき算出される編針毎の編目のループ長と編成速度とから求める糸速度算出手段と、
編成コースの各箇所毎に、前記糸速度を、糸速度による糸の張力変動を補正するように、バッファへ加えるトルクに変換するための変換手段と、
編成コースの各箇所毎に、前記変換手段で求めたトルクとなるように、前記トルク発生器を制御するためのトルク制御手段、とを設けたことを特徴とする。
またこの発明の方法は、編機本体で用いる編成データに基づいて、モータにより糸を送り出すローラを駆動し、前記ローラから送り出された糸を回動自在なバッファに蓄えると共に、該バッファから編機本体に糸を供給する方法において、
トルク発生器により前記バッファに可変のトルクを加え、
編成コースの各箇所における糸速度を、前記編成データに基づき算出される編針毎の編目のループ長と編成速度とから求め、
前記糸速度を、編成コースの各箇所毎に、糸速度による糸の張力変動を補正するように、バッファへ加えるトルクに変換し、
変換により求めたトルクとなるように、編成コースの各箇所毎に前記トルク発生器を制御することを特徴とする。
この発明では、糸速度による糸の張力変動を、バッファに加えるトルクを編成コースの各箇所毎に制御することにより小さくできる。またトルクの制御は、張力からのフィードバックなどではなく、編成データから求めた糸速度、即ち編成データに従ってバッファから供給される糸の速度により行う。このためフィードフォワード制御となり、センサの応答遅れ、トルク発生器の応答遅れなどの影響が無い。これらのため、高速で、例えば7m/sec以上の糸速度で編地を編成する場合でも、糸の張力を一定に近づけることができる。この結果、高速で編成しても、あるいは弱い糸で編成しても、糸の切断を防止できる。また糸張力の変動を防止すると、編目サイズの変動も防止できる。なおこの明細書において、糸送り装置に関する記載は糸送り方法にもそのまま当てはまり、同様に糸送り方法に関する記載は糸送り装置にもそのまま当てはまる。また編成データは、編機が編成を行うために内部で記憶するデータであり、最初から編成速度を含むデータを供給しても、あるいは編成速度を含まないデータを供給した後に、デフォルトあるいはマニュアルで編成速度を追加しても良い。
好ましくは、前記バッファの回動角を検出するためのセンサを設けて、前記トルク制御手段は、回動角が所定の範囲となるように、変換手段で求めたトルクを補正する。糸を送り出すサーボモータで糸速度分の糸が送り出されている場合、回動角は一定のはずである。そこで回動角が一定となるように、トルクを補正すると、糸の送り出し量の誤差などを補正できる。
また好ましくは、前記変換手段は、糸速度の関数としてトルクを求めるためのテーブルと、糸速度が急激に増加する箇所でトルクが小さくなるように、前記テーブルから求めたトルクを補正するための補正手段、とを備えている。このようにすると、糸を操作する編針の本数が最大値に達し、編入から編中へ移行する際などに生じる張力のピークを解消あるいは軽減できる。従って、高速で編成しても、糸が切れまた編み目が詰まるなどのことを防止できる。
ここで、糸の目標張力に応じて前記テーブルを複数設けると、切れやすい糸と切れ難い糸、単糸での編成と双糸での編成などに応じ、適切な張力で編成できる。
実施例の糸送り装置と横編機を示す図 実施例での変換テーブルの例を示す図 実施例の糸送り方法を示すフローチャート 実施例での変換テーブルからアームのトルクへの変換アルゴリズムを示す図 糸引き編成時の、区間内の位置とアームのトルクとを示す図 糸押し編成時の、区間内の位置とアームのトルクとを示す図 糸引き編成時の、実施例での糸の張力Tと、糸速度、アームのトルク、及びアームの回動角θとを示す図 糸引き編成時の、他の実施例での糸の張力Tと、糸速度、アームのトルク、及びアームの回動角θとを示す図 図7と同じ編成データで糸引き編成を行った際の、従来例での糸の張力Tと、糸速度、アームのトルク、及びアームの回動角θとを示す図 図8と同じ編成データで糸引き編成を行った際の、従来例での糸の張力Tと、糸速度、アームのトルク、及びアームの回動角θとを示す図
以下に、発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に、周知技術による変更の可能性を加味して解釈されるべきである。
図1〜図9に、横編機に左側から給糸する実施例を示すが、上方あるいは右側から給糸しても良い。図において、2は横編機本体で、丸編機でもよく、4は糸送り装置である。実施例では糸送り装置4は横編機と一体であるが、糸送り装置4を横編機本体2から独立させても良い。以下、横編機本体2を単に横編機2と呼ぶ。横編機2は、キャリッジ6と例えば1対、あるいは2対のニードルベッド8を備え、キャリアレール10に沿って移動可能なキャリア12を、例えばキャリッジ6により連行し、ニードルベッド8の編針に対し、糸14を給糸する。
キャリッジ6は、選針装置16によりニードルベッド8のどの編針を駆動するかを選択し、カム18により選択された編針を駆動して編成を行う。編成には編目の形成と編目の目移しなどが含まれ、糸14を使用するのはそのうち編目の形成である。またキャリッジ6は、走行モータ20によりニードルベッド8に沿って往復走行する。22は編成データで、図示しないLANあるいはCD−ROM及びUSBメモリなどから横編機2に供給され、あるいはUSBメモリなどから横編機2に供給された柄データとキャリッジなどの制御データに、キャリッジの移動速度(編成速度)などをデフォルトもしくはマニュアルで追加したデータである。編成コントローラ24は、編成データから走行モータ20の制御データ、キャリッジ6の制御データ及びキャリア12の連行データを取り出し、横編機2を制御する。
糸送り装置4は、横編機2の上部などに配置されたコーン30から糸14を取り出し、サーボモータ32により駆動ローラ34を駆動し、駆動ローラ34と従動ローラ36との隙間から、糸14を繰り出し及び巻き戻しする。なおサーボモータ32の例えば上流側に別のモータを追加して、糸14の巻き戻しなどに用いてもよい。38はトルクモータなどのトルク発生器で、例えば所望のトルクを発生させ、制御部39により制御する。40はバッファアームで、トルク発生器38からのトルクにより回動し、その回動角を図1のようにθとし、糸を蓄える向きでθが正、糸を放出する向きでθが負とし、θはトルク発生器38の出力軸などに設けたθセンサ42で監視する。
44はバッファアーム40の先端の糸ガイドで、46はバッファアーム40の上流側の糸ガイドで、駆動ローラ34と糸ガイド44の間で糸をガイドする。糸ガイド44の下流側に前記のキャリア12があり、ニードルベッド8の編針へ糸を供給する。なおバッファアーム40とキャリア12との間に、変換テーブル50を作成するための張力センサ47を設けても良いが、実施例では設けない。またサーボモータ32〜バッファアーム40,糸ガイド44,46等は、例えば編機2毎に6セット〜12セットなどの複数セットを設ける。
48は糸速度算出手段で、編成データ22を解析して、横編機2へ単位時間当たりに供給する糸の長さ、即ち糸速度をガーメントなどの編成の単位となる長さ分算出し記憶する。糸速度は、例えば編成データで指定されるキャリッジ6の速度と、編針で形成する編目毎のループ長及び単位時間当たりに形成する編目の数などにより定まる。即ち編目毎にループ長を積算すると、編地内で消費される糸の長さが定まり、キャリッジ6の速度からキャリア12の位置変化が分かり、キャリア12の位置が変化すると、バッファアーム40とキャリア12間の糸の長さが変化する。これらのことをまとめると、糸速度は、横編機2での糸の消費速度と、キャリア12の位置変化による糸の出入速度の合計である。糸速度は糸送り装置4で編成データ22から求めるものとするが、糸速度及びバッファアームに加えるトルクを編成コントローラ24で求めて、糸送り装置4へ供給しても良い。サーボモータ32は糸速度分の糸を、ローラ34からバッファアーム40へ供給する。
変換テーブル50は糸速度をトルク発生器38で発生すべきトルクに変換し、トルクの目標値は例えば1ガーメント分などの単位で糸速度算出部48が記憶する。編成コントローラ24は走行モータ20のエンコーダ値などから、あるいは図示しない選針ゲージなどのセンサからの信号により、現在編成中の箇所を求め、この信号を糸速度算出部48へ入力する。糸速度算出部48は、現在編成中の箇所よりも、トルク発生器38などの応答遅れ分先の編成箇所に対するトルクを制御部39へ供給する。ただし糸速度算出部48は、編成コントローラ24からの編成箇所のデータに応じて、その都度テーブル50からトルクを読み出しても良い。また糸速度算出部48は、編成コントローラ24からの編成箇所にデータ応じて、その都度編成データから糸速度を求めて、テーブル50でトルクに変換しても良い。なお変換テーブル50は例えば糸張力の目標値に応じて複数設け、糸張力の目標値に沿ってどの変換テーブルを用いるかを選択する。この選択は編機本体2のユーザインターフェースから入力し、あるいは編成データ22中に記載する。さらに糸速度算出部48と変換テーブル50は、サーボモータ32及びトルク発生器38毎に設けるのではなく、共通の糸速度算出部48と変換テーブル50により、複数セットのサーボモータ32及びトルク発生器38とを制御する。
図2に変換テーブル50の例を示し、この例では糸14の張力が0.16N(16gf)となることを目標にしている。図2の変換テーブルでは、糸速度が1m/sec以下でトルクは13.5×10-3N・mと一定で、7m/sec以上でも7.5×10-3N・mと一定である。そして糸速度が1〜7m/secの範囲で、アーム40へのトルクを、糸速度に対し線形に減少させる。ここでアーム40の半径は7.5cmで、トルク発生器38の制御上はトルクで扱うが、糸との関係ではアーム40の先端の糸ガイド44に加わる力が重要なので、アーム40へ加えるトルクを半径の7.5cmで割り、gf単位(1gfは約0.01N)などの力で表すことがある。なお目標の糸張力は、糸の強度及び1本の糸で編成するか2本の糸で編成するかなどにより変化するので、変換テーブル50を複数設ける。変換テーブル50のデータを取得するには、種々の糸速度に対して、例えば張力センサ47で糸14の張力が目標値になるように、アーム40へのトルクを制御する。編入及び編出に対して、張力センサ47でアーム40をフィードバック制御しても、トルク発生器38の応答遅れのため、一般に張力を一定にすることはできない。そこで糸速度が一定の編中の部分で、糸張力を一定にするために必要なトルクの値を測定する。
ここで高速編成について説明する。従来の横編機は最も高速のものでも、編成速度(キャリッジの速度)は1.3m/sec程度で、編成速度は1秒当たりに編成する編幅に相当する。これを糸速度に換算すると、6.2m/sec程度となる。高速編成とはこれよりも糸速度が大きな編成を指し、具体的には7m/sec(編成速度では1.47m/s)以上の糸速度での編成、より狭義には7.7m/sec(編成速度では1.6m/s)以上の糸速度での編成を言う。そして高速編成での問題は、
(1) 糸に加わる張力が大きくなること、
(2) 糸速度が急増する箇所で張力のピークが生じ、しばしば糸が切断されること、
(3) 糸張力の変動が著しくなると、編目サイズが変動すること、
にある。なお糸張力が増すと編目のループ長が小さくなるため編み目が詰まり、糸張力が減少するとループ長が長くなるため編目が大きくなる。編目のループ長を揃えるためにも、糸張力の変動を抑制する必要がある。
アームトルクを制御し、張力変動を防止する必要があるのは、高速編成の場合には限らない。例えば弱い糸を用いて編成する場合、僅かな張力変動でも糸が切れることがある。
図3に実施例のアルゴリズムを示す。ステップ1でCD−ROMあるいはUSBメモリなどの記憶媒体、もしくはLANなどから編成データを入力する。また編成データ22あるいは横編機2のユーザインターフェースから、変換テーブルを選択する。編成コントローラ24により編成データを解析し(ステップ2)、編成コントローラ24は走行モータ20とキャリッジ6とを制御することにより、編成を行う(ステップ3)。
糸送り装置4の側では、編成データからキャリッジの走行速度、編目毎のループ長、形成する編目の数などを求め、今後所定の時間内に、例えば1msec〜10msecなどの時間内に必要な糸の長さ、即ち糸速度を求める(ステップ4)。ステップ5では、糸速度を変換テーブル50によりアームトルクに変換する。そしてステップ6でサーボモータ32により糸速度分の糸を送り出し、求めたアームトルクに従い、制御部39によりトルク発生器38を制御する(ステップ7)。また常時θセンサ42によりバッファアーム40の回動角θを検出し、θが±5°などの許容範囲を超えると、制御部39を介してアームトルクを補正する(ステップ8,ステップ9)。なおサーボモータ32により糸速度分の糸が常時繰り出されているので、糸張力の変動あるいは糸の消費量の誤差などの要因がなければ、回動角θは一定に保たれる。
編成コントローラ24による制御と、サーボモータ32による糸速度分の糸の送り出し、並びにトルク発生器38によるバッファアーム40の制御とを並行して行い、糸速度を求めた分の処理が終わると、結合子Aからステップ2に戻り、次の糸速度に対する処理を実行する。
図4に、図3のステップ5での、糸速度からトルクへの変換アルゴリズムを示す。ステップ11で、図2のテーブルを用い、変換テーブル50からアームトルクを求める。糸速度の変化率が正の場合、変化率に応じてステップ11で求めたアームトルクを小さくする(ステップ12)。このステップでは、変化率に比例した値だけアームトルクを小さくしても良く、あるいは適宜の閾値を設けて、変化率が閾値よりも大きくなるとアームトルクを小さくしても良く、さらに変化率の2乗などに比例してアームトルクを小さくしても良い。キャリア12の運動方向がプル、即ちバッファアーム40から糸14を引き出す向きか、プッシュ、即ちアーム40へ向かって運動する向きかは、糸速度に既に反映されている。従ってプッシュかプルかによる影響は、ステップ11で既に処理済みであるが、必要であればステップ13により、プッシュかプルかに応じてアームトルクをさらに補正する。アームトルクを極端に小さくすると糸14がたるむので、下限値を設け、ステップ11〜ステップ13で、アームトルクが下限値未満になっている場合、下限値にセットする(ステップ14)。
図5に糸引き編成即ちプル編成での、アームトルクの制御パターンを示し、区間1,2,3ではそれぞれ異なるキャリアにより編成を行い、ここでは区間2を例に説明する。図5の糸引き編成でキャリアは左から右へと編成し、編目の形成が始まる前にキャリアの運動が開始されるので糸速度が生じ、糸速度と等しい速度で糸を送り出し、最初の編針に糸を供給する時点でキャリアは既に一定速度で走行しており、このため糸速度も一定となっている。キャリアから最初の編針に糸が供給された後に、糸14を操作する編針の数が増して行く。ここでの編針の数は、キャリッジ6のカム18により、同時に編目を形成する編針の数である。このため糸速度は、最初の編針の位置での糸速度からさらに増した後に一定値に達し、糸速度が一定になると、編入から編中となる。次いで区間2の終わり側で、編出に移行すると、編針の数が徐々に減少し、これに伴って糸速度も徐々に減少し、キャリアの連行を解除すると糸速度が0となる。
アームトルクは休止時に糸がたるむことを防止するため、比較的高い値に保たれており、1本目の編針が糸の操作を開始するまでは糸速度が小さいので、図2の左側のトルクが一定の領域にあり、ここから糸速度が一定値に達するまでの間、糸速度の増加と共にアームトルクを小さくする。糸速度が増加する過程で、特に編入の後半から編中の初期に、糸に異常な張力ピークが生じることがある。これを防止するため、糸速度の変化率に応じてアームトルクを小さくし、このため編入の後半から編中の初期にかけて、アームトルクを例えば下限値まで小さくする。次いでアームトルクを、編中での一定の糸速度に対応した値に復帰させ、編出で糸速度が減少すると、アームトルクを徐々に大きくし、キャリアの連行を解除すると、アームトルクを一定値に保って休止する。
トルク発生器38は例えば100mA程度の電流を消費するので、キャリアを連行しない間、トルク発生器38を休止させるために、例えばアーム40をロックする、あるいはサーボモータ32により所定長の糸を巻き戻すことにより、糸がたるむことを防止することが好ましい。また実施例では、糸速度の変化率に応じた補正を行ったが、この補正を省略し、糸速度の値のみによるアームトルクの制御を行っても良い。
図6は糸押し編成(プッシュ編成)の際のパターンを示し、キャリッジは図の右から左へ走行する。糸押し編成なのでキャリアの連行を開始した際に糸の遊びが生じるので、サーボモータ32を逆転させて遊びの糸を吸収する。糸押し編成では糸速度の最大値が小さいので制御は簡単であり、編成を開始すると、編入で糸速度に線形にアームトルクを小さくし、編中でアームトルクを一定にし、編出で編成を行う編針の数が減少し糸速度が低下し始めるやや前から、アームトルクを大きくして、糸のたるみを防止する。
図7に実施例でのアームトルクの目標値のパターンを示し、図7は糸引き編成で、アームトルクの縦方向の1目盛りは張力換算で例えば10gf(約0.0075N・m)相当であり、糸張力(Tension)の1目盛りは例えば10gf(約0.0075N・m)相当である。また糸速度の最大値は7.7m/secである。さらにアームは半径が7.5cmで、アームの回動角θは、上側で負で糸がアームから繰り出される。
図7では糸速度が増加し始める直前からトルクを小さくし、糸速度自体と糸速度の変化率との双方に応じてトルクを小さくする。そして糸速度が最大値に達する手前から最大値に達した時点の付近で、トルクを最小値にする。そして編中でトルクをほぼ一定に保ち、編成を終了すると、トルクを元の値に復帰させる。この間、糸張力は図7のように変動し、アームの回動角θは編成の間は僅かに負になって、アームがキャリア側に引かれて糸が繰り出されていることが分かる。
図9は同じ編成データに対し、編成の間トルクを一定値に保った例を示し、これは定張力バネでアームを付勢する従来例に対応する。糸速度が最大値に達した直後に強いピークが糸張力に生じ、これに対応して回動角θにも負のピークが生じている。糸張力のピークの値は40gf(約0.4N)相当で、弱い糸の場合、切断する恐れがある。糸張力によるフィードバック制御で図9の張力ピークを解消するには、ピークの半値幅が数msec程度なので、1msec以下のスピードで応答するトルク発生器が必要であり、このようなトルク発生器は、トルクを発生させるためのコイル電流を急変させることが難しいため、極めて高価である。また図9では、張力のピークよりもやや先行して回動角θが変化しているので、編入から編中の初期において、回動角θによるフィードバックを施す方が、より効率的に張力のピークを緩和できる。
別の編成データに対する編入と編中での糸張力を、プル編成について、図8(実施例、糸速度に応じてアームトルクを制御、ただし糸速度の急増に対する補正は省略)と図10(アームトルクを7.5×10-3N・mに固定した従来例)とに示す。糸張力は1目盛りが10gf(0.1N)である。アームトルクは、アームの半径を7.5cmとした張力換算で、1目盛りが10gf(0.1N)で、時間の1目盛りは20msである。実施例では、テーブル50を用い、糸速度が増すとアームトルクを低下させることにより、糸張力の最大値を27gf(0.27N)まで小さくしたが、従来例では糸張力の最大値を32gf(0.32N)である。そして図7のように、編入の後半から編中への移行期にかけて、アームトルクを下限の3.75×10-3N・m等まで小さくすると、張力のピークをさらに小さくできる。
なお発明者の経験を以下に補足する。図7で、糸速度が0よりも増した時点(キャリアの連行を開始した時点)で、アームのトルクを最小値まで低下させると、糸がたるむ。実施例では、編入から編中へと移行する過程で張力のピークが生じているが、編目の種類を天竺からリブに変更した場合などにも、1目当たりのループ長が変化するため、糸速度が急増し、張力ピークが生じることがある。そこでこの箇所でも、トルクを小さくする必要がある。また糸速度の減少は、編出に限らず、リブから天竺などに編組織を変更しループ長が短くなった場合にも生じる。さらに図9に示すように、バッファアームのトルクを一定にしても、糸張力は激しく変動する。これらのことをまとめると、アームのトルクを一定に保つのではなく、編成データを先読みして糸速度を求め、糸速度の値及びその変化率に応じたトルクを加えることにより、糸張力の変動を抑えて、糸切れ無しにかつ編目サイズの揃った編地を編成できる。
2 横編機本体 4 糸送り装置 6 キャリッジ
8 ニードルベッド 10 キャリアレール 12 キャリア
14 糸 16 選針装置 18 カム 20 走行モータ
22 編成データ 24 編成コントローラ 30 コーン
32 サーボモータ 34 駆動ローラ 36 従動ローラ
38 トルク発生器 39 制御部 40 バッファアーム
42 θセンサ 44,46 糸ガイド 47 張力センサ
48 糸速度算出手段 50 変換テーブル

Claims (5)

  1. 編機本体で用いる編成データに基づいて糸を送り出すローラを駆動するモータと、前記ローラから送り出された糸を中間的に蓄える回動自在なバッファとを備えて、該バッファから編機本体に糸を供給する装置において、
    前記バッファに可変のトルクを加えるトルク発生器と、
    編成コースの各箇所における糸速度を、前記編成データに基づき算出される編針毎の編目のループ長と編成速度とから求める糸速度算出手段と、
    編成コースの各箇所毎に、前記糸速度を、糸速度による糸の張力変動を補正するように、バッファへ加えるトルクに変換するための変換手段と、
    編成コースの各箇所毎に、前記変換手段で求めたトルクとなるように、前記トルク発生器を制御するためのトルク制御手段、とを設けたことを特徴とする、編機用の糸送り装置。
  2. 前記バッファの回動角を検出するためのセンサを設けて、前記トルク制御手段は、回動角が所定の範囲となるように、変換手段で求めたトルクを補正することを特徴とする、請求項1の編機用の糸送り装置。
  3. 前記変換手段は、糸速度の関数としてトルクを求めるためのテーブルと、糸速度が急激に増加する箇所でトルクが小さくなるように、前記テーブルから求めたトルクを補正するための補正手段、とを備えていることを特徴とする、請求項1の編機用の糸送り装置。
  4. 前記変換手段は、糸速度の関数としてトルクを求めるためのテーブルを、糸の目標張力に応じて複数備えていることを特徴とする、請求項1の編機用の糸送り装置。
  5. 編機本体で用いる編成データに基づいて、モータにより糸を送り出すローラを駆動し、前記ローラから送り出された糸を回動自在なバッファに蓄えると共に、該バッファから編機本体に糸を供給する方法において、
    トルク発生器により前記バッファに可変のトルクを加え、
    編成コースの各箇所における糸速度を、前記編成データに基づき算出される編針毎の編目のループ長と編成速度とから求め、
    前記糸速度を、編成コースの各箇所毎に、糸速度による糸の張力変動を補正するように、バッファへ加えるトルクに変換し、
    変換により求めたトルクとなるように、編成コースの各箇所毎に前記トルク発生器を制御することを特徴とする、編機用の糸送り方法。
JP2011518375A 2009-06-09 2010-05-18 編機用の糸送り装置と糸送り方法 Active JP5603861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011518375A JP5603861B2 (ja) 2009-06-09 2010-05-18 編機用の糸送り装置と糸送り方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138365 2009-06-09
JP2009138365 2009-06-09
JP2011518375A JP5603861B2 (ja) 2009-06-09 2010-05-18 編機用の糸送り装置と糸送り方法
PCT/JP2010/058341 WO2010143498A1 (ja) 2009-06-09 2010-05-18 編機用の糸送り装置と糸送り方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010143498A1 JPWO2010143498A1 (ja) 2012-11-22
JP5603861B2 true JP5603861B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=43308757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011518375A Active JP5603861B2 (ja) 2009-06-09 2010-05-18 編機用の糸送り装置と糸送り方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8249739B2 (ja)
EP (1) EP2441868B1 (ja)
JP (1) JP5603861B2 (ja)
KR (1) KR101537940B1 (ja)
CN (1) CN102482814B (ja)
WO (1) WO2010143498A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6108882B2 (ja) * 2013-03-05 2017-04-05 株式会社島精機製作所 横編機と横編機での編成方法
JP6465742B2 (ja) * 2015-05-12 2019-02-06 株式会社島精機製作所 移動糸ガイドを備える横編機
ITUA20163183A1 (it) * 2016-05-05 2017-11-05 Btsr Int Spa Metodo per il monitoraggio e controllo dell’alimentazione di un filo ad un macchina tessile e relativo dispositivo di alimentazione.

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11500500A (ja) * 1995-10-06 1999-01-12 メミンガー−イロ・ゲーエムベーハー 電子制御給糸装置
JP2951068B2 (ja) * 1990-10-12 1999-09-20 メミンガー−イロ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 編目を形成する繊維機械において繊維を制御する方法および装置
JP2005120531A (ja) * 2003-10-17 2005-05-12 Shima Seiki Mfg Ltd 横編機の糸供給装置
JP2006169675A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Shima Seiki Mfg Ltd 横編機の給糸装置
JP4016030B2 (ja) * 2002-07-24 2007-12-05 株式会社島精機製作所 横編機の給糸装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3627731C1 (de) * 1986-08-16 1988-03-31 Gustav Memminger Fadenliefervorrichtung mit elektronischer Fadenspannungsregelung
JPS63155684A (ja) 1986-12-18 1988-06-28 Nippon Soken Inc 積層型圧電体及びその製造方法
DE3732102C1 (de) * 1987-09-24 1989-05-03 Gustav Memminger Fadenliefervorrichtung fuer Textilmaschinen mit zeitlich unterschiedlichem Fadenverbrauch,insbesondere Strick- und Wirkmaschinen
JPH06264342A (ja) * 1993-03-12 1994-09-20 Tsudakoma Corp 編み地制御装置
SE508469C2 (sv) * 1993-04-21 1998-10-12 Sipra Patent Beteiligung Garnmataranordning i en textilmaskin samt förfarande för användning av garnmataranordning
DE19537215C2 (de) * 1995-10-06 1999-09-02 Memminger Iro Gmbh Fadenliefergerät für elastische Garne
DE19801643A1 (de) * 1998-01-17 1999-07-22 Stoll & Co H Verfahren zur Herstellung eines Gestricks auf einer Flachstrickmaschine
JP2000262030A (ja) * 1999-03-11 2000-09-22 Denso Corp トルクモータ
WO2004094712A1 (ja) * 2003-04-18 2004-11-04 Shima Seiki Manufacturing Limited 弾性糸使用の編成方法および装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2951068B2 (ja) * 1990-10-12 1999-09-20 メミンガー−イロ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 編目を形成する繊維機械において繊維を制御する方法および装置
JPH11500500A (ja) * 1995-10-06 1999-01-12 メミンガー−イロ・ゲーエムベーハー 電子制御給糸装置
JP4016030B2 (ja) * 2002-07-24 2007-12-05 株式会社島精機製作所 横編機の給糸装置
JP2005120531A (ja) * 2003-10-17 2005-05-12 Shima Seiki Mfg Ltd 横編機の糸供給装置
JP2006169675A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Shima Seiki Mfg Ltd 横編機の給糸装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102482814B (zh) 2014-03-05
US8249739B2 (en) 2012-08-21
KR101537940B1 (ko) 2015-07-20
WO2010143498A1 (ja) 2010-12-16
EP2441868A4 (en) 2014-06-04
KR20120088539A (ko) 2012-08-08
EP2441868B1 (en) 2015-10-21
US20120079856A1 (en) 2012-04-05
CN102482814A (zh) 2012-05-30
EP2441868A1 (en) 2012-04-18
JPWO2010143498A1 (ja) 2012-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3603031B2 (ja) 給糸装置
US7493188B2 (en) Yarn feeder of weft knitting machine
KR101025746B1 (ko) 횡편기의 편사공급 장치
JP5603861B2 (ja) 編機用の糸送り装置と糸送り方法
EP3401428B1 (en) Yarn feeding device for elastic yarn for flat knitting machine
KR20050024505A (ko) 횡편기의 급사장치
JP5963393B2 (ja) 横編機
JP6953452B2 (ja) 織り糸供給装置、織り糸供給装置のコントロール方法、及びコンピュータプログラムプロダクト
JP5330371B2 (ja) 弾性糸使用の編地編成装置および方法
JP4366288B2 (ja) 編機と編機での糸加工方法、並びに編機での糸加工制御装置とそのプログラム
JP5368205B2 (ja) トラバース装置の制御装置
EP3950552B1 (en) Yarn winder
JP2017196817A (ja) タンクの製造方法
JP6465742B2 (ja) 移動糸ガイドを備える横編機
JPH06272141A (ja) 編み地制御装置
WO2010143499A1 (ja) 編機
JP2005264350A (ja) 自動横編み機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5603861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150