JP5603449B2 - 麺状食品の製造方法 - Google Patents

麺状食品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5603449B2
JP5603449B2 JP2013067444A JP2013067444A JP5603449B2 JP 5603449 B2 JP5603449 B2 JP 5603449B2 JP 2013067444 A JP2013067444 A JP 2013067444A JP 2013067444 A JP2013067444 A JP 2013067444A JP 5603449 B2 JP5603449 B2 JP 5603449B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodle
aqueous solution
food
ion concentration
calcium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013067444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014187952A (ja
Inventor
繁雄 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kibun Foods Inc
Original Assignee
Kibun Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kibun Foods Inc filed Critical Kibun Foods Inc
Priority to JP2013067444A priority Critical patent/JP5603449B2/ja
Publication of JP2014187952A publication Critical patent/JP2014187952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5603449B2 publication Critical patent/JP5603449B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Noodles (AREA)

Description

本発明は、アルギン酸類をゲル化した麺状食品の製造方法に関する。
大豆タンパク質、豆腐、全粒大豆粉、豆乳、オカラなどの大豆調製物を用いた食品は、近年の健康志向に伴って需要が拡大しつつある。しかし、これらの大豆調製物は粘性が低いために、これを単独で用いても一定の形状に成形することは困難である。このため、大豆調製物に増粘性物質を添加することによって粘性を補強し、所望の形状に成形することが行われている。例えば、豆乳あるいは豆腐をペースト状にしたものに、増粘剤としてアルギン酸ナトリウムを添加して麺状に成型した後、塩化カルシウムなどのカルシウム塩と反応させてゲルを形成させることにより麺状食品を調製できることが知られている。
アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させて作られたゲルは熱に対して安定で、ゼラチン、カラギーナン、寒天などのゲル化剤とは違って、加熱しても溶解しない特徴を持っている。そのため、アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させて調製された食品は、調理や殺菌のために加熱しても形状が崩れることがなく、形状を維持したまま食用に供することができる。このような便利な特性を有することから、アルギン酸ナトリウムを用いて麺状食品を調製しようという試みが幾つか行われてきた。
代表的なものとして、カルシウムイオンなどの二価金属イオンとアルギン酸ナトリウムのゲル化反応を利用した麺状食品の製造方法が複数知られている。例えば、流動している一定濃度の凝固液の中に麺状に成型したアルギン酸ナトリウムを含む混合物を吐出し、一定時間かけて凝固した後、所望の長さに切断し、前記凝固液とともに凝固槽に流し込み加熱凝固する方法が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、アルギン酸類を含む熱可逆性ゲルを金属イオンと接触させてアルギン酸類を凝固させ、それを麺線状等にして金属イオンと水と共にパウチに封入して加熱殺菌処理を施す方法も知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
特開2008−263906号公報 特開2012−130292号公報
上述のように、従来、アルギン酸ナトリウムを用いた麺状食品の製造方法においては、凝固液中の二価金属イオン(カルシウムイオンなど)の濃度を一定にして、反応温度や反応時間を定めてアルギン酸類をゲル化させていた。例えば、前記特許文献1に記載の工法では、循環流動している凝固液と凝固槽の凝固液との濃度を同じにしてゲル化反応を行っている。しかし、当該工法では特定の箇所で反応液の濃度を調整していても循環する反応液に順次食材を投入するため、反応液の濃度を常時一定にすることは困難である。すなわち、時間の経過や工程に応じて反応液の濃度が大きく変動するため、アルギン酸類と凝固液の接触時の状況によって麺のゲル形成状況が異なってしまうという問題を生じる。このため、得られる麺状ゲル化食品の食感にバラツキが生じ安定した品質を維持することができない。また、製造工程における反応にも長い時間を必要とし、製造装置や生産量の効率化も図ることができない。
また、前記特許文献2に記載の工法では、アルギン酸類を含む熱可逆性ゲルを最初に接触させる金属イオン水の濃度とその後パウチに封入される金属イオン水の濃度とを同一にしてゲル形成を行っている。しかし、塊状の熱可逆性ゲルに含まれるアルギン酸類を金属イオンに接触させてゲル化させるには高濃度の金属イオンを必要とするため、これと同一濃度の金属イオン水をパウチに封入すると最終的に硬いゲルが形成されてしまう。
このように、従来のいずれの工法においても一定以上のゲル化反応時間を要しながら安定したほど良い食感と喉ごしの品質とを有する麺状ゲル化食品を得るのは困難であった。
本発明は、短時間で食感及び喉ごしのよい麺状食品を製造することができる麺状食品の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、鋭意研究を行った結果、アルギン酸類(アルギン酸ナトリウムなど)とカルシウム塩(塩化カルシウムなど)とのゲル化反応は、水溶液中のカルシウムイオン濃度と反応時間との関係に影響されること、その後さらにゲル形成を継続させた場合にカルシウムイオン濃度がゲルの強弱に影響を与え麺の食感(硬軟)に影響を与えること,及び、アルギン酸類とマグネシウム塩(塩化マグネシウムなど)との反応はゲル形成の滑らかさに影響して麺の喉ごし(つる感)を与えることを見いだし、上記課題を解決することができることを示した。
(1)少なくともアルギン酸類を含む原材料を麺状に成型して麺状材料を得る成型工程と、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含む第1の水溶液によって前記麺状材料をゲル化させて麺状ゲル化物を得る第1のゲル化工程と、カルシウムイオンを含む第2の水溶液によって前記麺状ゲル化物をゲル化させて麺状食品を得る第2のゲル化工程と、を含み、前記第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、前記第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも大きいことを特徴とする、麺状食品の製造方法。
(2)前記第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、0.027〜0.048mol/Lである、(1)に記載の麺状食品の製造方法。
(3)前記第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、0.003〜0.020mol/Lである、(1)または(2)に記載の麺状食品の製造方法。
(4)前記原材料が大豆調製物を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の麺状食品の製造方法。
(5)前記アルギン酸類がアルギン酸ナトリウムである、(1)〜(4)のいずれかに記載の麺状食品の製造方法。
(6)前記第1の水溶液中におけるマグネシウムイオン濃度が0.005〜0.049mol/Lである、(1)〜(5)のいずれかに記載の麺状食品の製造方法。
(7)前記第1のゲル化工程を、75〜90℃の第1の水溶液を用いて40〜100秒間実施する、(1)〜(6)のいずれかに記載の麺状食品の製造方法。
(8)前記第2のゲル化工程を、70〜105℃の第2の水溶液を用いて20〜40分間実施する、(1)〜(7)のいずれかに記載の麺状食品の製造方法。
本発明によれば、短時間で食感及び喉ごしのよい麺状食品を製造することができる。
本発明の一態様における各工程の流れを示す説明図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。又、本明細書では、実施例や比較例のテストで使用した塩化カルシウム及び塩化マグネシウムの質量%をモル濃度に換算して表示している。
本発明の麺状食品の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称する場合がある。)は、少なくともアルギン酸類を含む原材料を麺状に成型して麺状材料を得る成型工程と、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含む第1の水溶液によって前記麺状材料をゲル化させて麺状ゲル化物を得る第1のゲル化工程と、カルシウムイオンを含む第2の水溶液によって前記麺状ゲル化物をゲル化させて麺状食品を得る第2のゲル化工程と、を含み、前記第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、前記第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも大きい。
本発明の製造方法では、第1のゲル化工程において、第2のゲル化工程における処理を可能とするゲル強度を有する麺(麺状ゲル化物)を短時間で提供し、更に、第2のゲル化工程においてゲル形成が過剰となり硬くなり過ぎず安定した反応を確保するため、第1のゲル化工程よりもカルシウムイオン濃度が低い水溶液を用いて麺状ゲル化物のゲル化を促進させることができる。これにより、短時間で所望の食感を有する麺状食品を得ることができる。また、第1のゲル化工程において第1の水溶液にマグネシウムイオンを含ませることで、カルシウムイオンによってゲル化した麺状ゲル化物の表面に滑らかさを付与することができ、麺状食品に喉ごし(つる感)を与えることができる。
以下、本発明の各工程について説明する。
(成型工程)
前記成型工程は、アルギン酸類を含む原材料を麺状に成型して麺状材料を得る工程である。前記原材料は少なくともアルギン酸類を含み、必要に応じて水、大豆調製物、野菜、穀物、海草処理物等の食材や、キサンタンガム、グアーガム、α化澱粉等の増粘性物質を含めることができる。本発明の製造方法においては、前記成型工程に先だって、アルギン酸ナトリウムと、必要に応じて水、食材、増粘性物質とを混合させて原材料を調製することができる(混合工程)。
アルギン酸類とは、アルギン酸またはその誘導体を意味する。例えば、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸エステルを挙げることができる。アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなどを例示することができる。アルギン酸エステルとしては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、その一部または全部をメチルエステルやエチルエステルにエステル交換したものやその残存カルボキシル基をエステル化したものを例示することができる。本発明においては、アルギン酸塩の一種であるアルギン酸ナトリウムを好ましく用いることができる。アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ塩は、冷水にも溶けて粘稠溶液となり、これに他の金属イオンを加えることでゲル化させることができる。
前記アルギン酸ナトリウムは、コンブ、ワカメに代表される褐藻類の天然海藻から得られた天然多糖類であり、アルギン酸とNaイオンの結合した塩である。本発明においては、食品添加物グレードのアルギン酸ナトリウムの市販品を使用することができる。また、アルギン酸ナトリウムとともにアルギン酸ナトリウム以外の増粘性物質(例えば、キサンタンガム、グアーガム、α化澱粉)を使用する場合には、原材料中の増粘性物質の含有量は、1.6〜2.4質量%が好ましく、2.0〜2.2質量%が更に好ましい。
上述のように前記原材料には、大豆調製物や野菜、穀物、海草処理物等の食材を含めることができる。前記食材は、液体、粉体、またはペースト状の調製物として用いることができる。
ここで、「大豆調製物」とは、大豆由来の液体状の調製物であり、大豆由来成分以外の成分が含まれていてもよい。前記大豆調製物としては、豆乳、大豆粉を水に溶かした大豆粉液、呉液などが挙げられる。また、前記大豆調製物を調製する際に原料として使用する大豆は、サイズ、品種によって何ら制限されることはなく、大粒大豆、中粒大豆、小粒大豆のいずれのサイズであっても、また黄色大豆、黒大豆、青大豆、赤大豆、茶大豆などのいずれの品種であってもよい。前記野菜、穀物や海草処理物としては特に限定はないが、例えば野菜としてにんじんなどを用いることができる。
成型工程は、必要に応じて混合工程によって得られた原材料を麺状に成型する。この場合、原材料を粘稠性の高い糊状の状態として用いるのが好ましい。前記原材料は、所望の太さの穴から吐出することにより、所望の太さを有する麺状材料(熱可逆性のゲル化物)とすることができる。具体的には、例えば、複数の小孔を有するノズルから糊状の原材料を吐出することで、麺状材料を得ることができる。この際、小孔の直径は麺状食品として求められる麺の太さに応じて適宜決定すればよいが、例えば、1.0mm程度の小孔とすることができる。
(第1のゲル化工程)
第1のゲル工程は、成型工程で得られた麺状材料を、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含む第1の水溶液によってゲル化(凝固)させて麺状ゲル化物を得る工程である。第1のゲル化工程は、例えば第1の水溶液で満たされた凝固槽中に麺状材料を吐出することで実施することができる。
第1の水溶液は少なくともカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを含む。第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度は、取り扱うことができる程度の強度をもって成形しうるようにするために制御するこのような成形性の強度はその後の工程における麺状ゲル化物の取り扱い性や麺状食品の食感に影響を与える。カルシウムイオンを含む第1の水溶液は、カルシウム塩を水に溶解させることにより調製することが好ましい。前記カルシウム塩としては、塩化カルシウムを好適に用いることができる。第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度は、第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも大きく、麺状ゲル化物の食感が過度に硬くならなければ特に限定はなく、所定の温度条件のもと短時間で麺状ゲル化物を取り扱い可能な(流水中において循環させることができる程度の)硬さまでゲル化できる濃度を選択するのが好ましい。第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度は、0.027〜0.048mol/Lが好ましく、0.027〜0.041mol/Lが更に好ましく、0.031〜0.037mol/Lが特に好ましい。
第1のゲル化工程において、第1の水溶液の温度は例えば75〜98℃に設定することができ、75〜90℃が好ましく、75〜85℃がより好ましく、80〜85℃がさらに好ましい。第1の水溶液の温度はこれらの範囲に限定されるものではなく、第1の水溶液のカルシウムイオン濃度との関係で適宜決定することができる。また、第1のゲル化工程における反応時間(麺状材料と第1の水溶液との接触時間)は、麺状ゲル化物を取り扱い可能な硬さまで、できるだけ短い時間で麺状材料をゲル化できる時間であることが好ましく、例えば、40〜100秒間程度が好ましく、50〜100秒がより好ましく、50〜70秒がさらに好ましい。例えば、第1の水溶液の温度を80〜85℃、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度を0.027〜0.048mol/Lに設定した場合には、前記反応時間としては50〜70秒間に好ましく設定することができる。
第1の水溶液中におけるマグネシウムイオンは、麺状ゲル化物表面につる感を付与することができる。麺につる感があると、麺を食する際に良い喉ごしを与えることができる。マグネシウムイオンを含む第1の水溶液は、マグネシウム塩を水に溶解させることにより調製することが好ましい。前記マグネシウム塩としては、塩化マグネシウムを好適に用いることができる。つる感を付与するためにはマグネシウムイオン濃度は一定量以上であることが必要ではあるが、過剰に添加しても麺の表面のつる感には優位性は生じない。係る観点から、第1の水溶液中におけるマグネシウムイオン濃度は、0.005〜0.049mol/Lが好ましく、更にカルシウムイオン濃度が変動した際における品質のバラツキを小さくする観点からは、0.015〜0.049mol/Lが更に好ましく、0.015〜0.039mol/Lが特に好ましい。
(第2のゲル化工程)
第2のゲル化工程は、第1のゲル化工程で得られた麺状ゲル化物を少なくともカルシウムイオンを含む第2の水溶液によってゲル化(2次凝固)させて麺状食品を得る工程である。すなわち、本発明の製造方法においては、濃度の異なる凝固液を用いて2段階で凝固反応を行うこととなる。第2のゲル化工程は、例えば、パウチに麺状ゲル化物と第2の水溶液とを封入することで実施することができる。これによって、2次凝固時の麺状ゲル化物の量と第2の水溶液の量とを一定にして、十分な反応時間を確保することでカルシウムイオンやマグネシウムイオンの置換率を制御し、品質の向上と安定化を図ることができる。
第2の水溶液は少なくともカルシウムイオンを含む。第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度は麺の破断強度に影響を与える。また、第2のゲル化工程後の麺の強度はその後の麺状食品の食感に影響を与える。カルシウムイオンを含む第2の水溶液は、カルシウム塩を水に溶解させることにより調製することが好ましい。前記カルシウム塩としては、塩化カルシウムを好適に用いることができる。第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度は、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも小さければ特に限定はなく、所望の食感を有する硬さまでゲル化でき且つ硬くなりすぎない濃度を選択するのが好ましい。例えば、第2の水溶液の温度を98℃とした場合、第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度は、0.003〜0.020mol/Lが好ましく、0.003〜0.014mol/Lが更に好ましく、0.007〜0.014mol/Lが特に好ましい。また、第1の工程における第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度(D1)と第2の工程における第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度(D2)との差(D1−D2)は、D1>D2を満たすものであれば特に限定はないが、例えば、0.007mol/L以上の差があることが好ましく、0.020mol/L以上の差があることが更に好ましく、0.027mol/L以上の差があることが特に好ましい。また、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度を低めに設定した場合には第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度を高めに設定でき、前記D1−D2を小さめに設定することができる。一方、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度を高めに設定した場合には第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度を低めに設定することが好ましく、前記D1−D2を大きめに設定することが好ましい。例えば、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度と第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度とは下記表1のように規定することができる。
Figure 0005603449
第2のゲル化工程において、麺状ゲル化物(x)と第2の水溶液(y)との質量比(x:y)は、第2の水溶液の濃度等によって適宜変更されるが、例えば、1.5:1.0〜1.5:2.0が好ましく、1.5:1.0〜1.5:1.5が更に好ましく、1.5:1.0〜1.5:1.25が特に好ましい。
第2のゲル化工程において、第2の水溶液の温度は限定されるものではなく、例えば70〜105℃に設定したり、90〜105℃に設定したり、95〜105℃に設定したりすることができる。第2の水溶液の温度は第2の水溶液のカルシウムイオン濃度、第2の水溶液と麺状ゲル化物との質量比との関係で適宜決定することができる。また、第2のゲル化工程における反応時間(麺状材料と第2の水溶液と接触させ一定の温度で加熱する時間)は、麺状食品のゲル化を所望の硬さにまで完結させる程度に適宜決定することができる。例えば反応時間は、15〜50分間に設定したり、20〜40分間に設定したり、25〜35分間に設定したりすることができる。例えば、第2の水溶液の温度を90〜105℃、第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度を0.003〜0.020mol/Lに設定した場合には、前記反応時間としては20〜40分間に設定することができる。第2の水溶液には所望に応じてマグネシウムイオンを含めてもよい。例えばマグネシウムイオン濃度は0.050mol/L未満で使用したり、0.025mol/L未満で使用したり、0.005mol/L未満で使用したり、0.003mol/L未満で使用したりすることが可能であり、0mol/Lであってもよい。
図1を用いてアルギン酸と食材とを混合工程において混合し原材料を得た態様を例に本発明の製造方法の流れについて説明する。図1は、本発明の一態様における各工程の流れを示す説明図である。図1に示すように、アルギン酸ナトリウムと食材とを混合工程において混合し、糊状の原材料を調製する。混合工程における混合は、例えば、撹拌混合や真空撹拌混合等を適宜組み合わせることができる。
糊状の原材料は成型工程において所望の径を有するノズルから吐出(押出成型)され、麺形状とされ麺状材料とされる。麺状材料は、第1のゲル化工程において、ノズルからそのまま第1の水溶液で満たされた凝固槽中に吐出される。この際、第1の水溶液は80℃程度に設定でき、カルシウムイオン濃度を0.027〜0.048mol/L、マグネシウムイオン濃度を0.005〜0.049mol/Lとすることができる。麺状材料は第1の水溶液中で、80℃・60秒間程度ゲル化され麺状ゲル化物とされる。麺状ゲル化物はその後所望の長さにカットされ、第2のゲル化工程においてパウチに第2の水溶液と共に封入包装される。この際、第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度は0.003〜0.020mol/Lとすることができるが、第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも低い濃度とされる。第2のゲル化工程において、麺状ゲル化物は98℃・30分間程度ゲル化反応を行う。第2のゲル化工程の後には所望に応じて冷却工程を実施してもよい。本発明の製造方法においては、図1に示すようにゲル化反応を2段階で実施することで、短時間で食感及び喉ごしのよい麺状食品を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(アルギン酸ナトリウムと大豆調製物との麺状食品(とうふ麺の製造):本発明の製造方法−1)
下記表2に示す組成をステファンカッターを使用し、低速(1500rpm)2分間、高速(3000rpm)2分間で撹拌混合した後、低速(1500rpm)で真空撹拌混合を行い、とうふ麺の原材料を調製した。その後、原材料を径1.0mmのノズルを使用して押出成型し、麺状とされた原材料(麺状材料)を凝固槽に吐出した。凝固槽は1次凝固液で満たされており、表3に示される条件にて80℃で1次反応(第1のゲル化反応)を行った。
次いで、1次反応によって得られた凝固物(麺状ゲル化物)をカットし、凝固物150g、充填液(2次凝固液)100gとして充填包装した。充填後、98℃・30分間の条件で加熱を行い、2次反応(第2のゲル化反応)を行い、その後冷却して麺状食品を得た。
(アルギン酸ナトリウムと大豆調製物との麺状食品:従来工法)
下記表2に示す組成を混合し、とうふ麺の原材料を調製した。その後原材料を径1.0mmのノズルを使用して押出成型し、麺状とされた原材料(麺状材料)を凝固槽に吐出した。凝固槽は凝固液で満たされており、ゲル化反応は表4に示される条件にて80℃で2分間1次反応(第1のゲル化反応)のみを行った。
次いで、1次反応によって得られた凝固物(麺状ゲル化物)をカットし、凝固物150gと水道水100gとを充填包装した。充填後、98℃・30分間の条件で加熱を行い、その後冷却して麺状食品を得た。
各工法により得られた麺状食品を株式会社サン科学製のレオメーター「CR−200D」を用い、切断応力用のプランジャーを用い、試料台スピードを60mm/minとし、長さ約20cmの麺を5本並べて、破断強度(BS,g)、破断距離(bs,mm)を測定した。結果を各表に示す。
Figure 0005603449
表2において、全粒ベースは、生大豆粉:水(1:5.5)を、パイプジュールで110℃・4秒で加熱し、15MPs20〜40秒の条件で加圧して調製した。また、Brix値は12.2〜12.5に調整して使用した。
その他、表2における成分の詳細を以下に表す。
タピオカ澱粉:日食RA−29(日本食品化工製)
α化澱粉:マツノリンP−7(松谷化学工業製)
アルギン酸ナトリウム:ダックアルギン(キッコーマンバイオケミファ製)
増粘多糖類:オルノーTB−1(オルガノフードテック製)
Figure 0005603449
表3に示されるように、1次凝固液及び2次凝固液中のカルシウムイオン濃度が同じであるサンプル1−15(比較例)は弾力が強すぎた。
Figure 0005603449
尚、上記表において、各サンプルの弾力の評価は、下記基準に基づいて行われた評価の結果である。各サンプルのつる感の官能評価は良好○、やや劣る△、劣る×の3段階で評価した。
Figure 0005603449
(アルギン麺の麺状食品:本発明の製造方法−2)
下記表6に示す組成をステファンカッターを使用し、低速(1500rpm)2分間、高速(3000rpm)2分間で撹拌混合した後、低速(1500rpm)で真空撹拌混合を行い、アルギン麺の原材料を調製した以外は、前記豆腐アルギン酸ナトリウムと大豆調製物との麺状食品(本発明の製造方法−1)と同様にして麺状食品を得た。物性評価及び官能評価の結果を下記表7に示す。尚、表7において試験区Aは、上述の従来工法によって実施されたことを示し、試験区Bは、上述の本発明の製造方法−1と同様の工法によって実施されたことを示す。
Figure 0005603449
Figure 0005603449
表7からわかるように従来工法によって製造したサンプル3−1は1次反応時間に2分間を要したのに対し、本発明の工法を用いたサンプルは1次反応時間が1分間にもかかわらず、弾力、つる感に良好な結果を得られた。また、1次凝固液に塩化マグネシウムを用いなかったサンプル3−11は弾力、つる感ともに劣っていた。
(アルギン麺の麺状食品:本発明の製造方法−3)
1次凝固液中のマグネシウムイオン濃度を表8に示すように変更した以外は、前記アルギン麺の麺状食品(本発明の製造方法−2)と同様にして麺状食品を得た。官能評価の結果を下記表8に示す。
Figure 0005603449
表8からわかるように従来工法によって製造したサンプル4−1は1次凝固液中のマグネシウムイオン濃度がゼロであるため、つる感がある麺状食品が得られなかった。これに対して、1次凝固液中に塩化マグネシウムを添加したサンプル4−2から4−7は、つる感に優れていた。
(にんじん麺の麺状食品:本発明の製造方法−4)
下記表9に示す組成をステファンカッターを使用し、低速(1500rpm)2分間、高速(3000rpm)2分間で撹拌混合した後、低速(1500rpm)で真空撹拌混合を行い、アルギン麺の原材料を調製した以外は、前記豆腐アルギン酸ナトリウムと大豆調製物との麺状食品(本発明の製造方法−1)と同様にして麺状食品を得た。表9に示すにんじんペーストとしては、(株)新進製のもの1500gに水1000gを混合したものを使用した。物性評価及び官能評価の結果を下記表10に示す。尚、表10において試験区Aは、上述の従来工法によって実施されたことを示し、試験区Bは、上述の本発明の製造方法−1と同様の工法によって実施されたことを示す。
Figure 0005603449
Figure 0005603449
表10からわかるように従来工法によって製造したサンプル5−1は1次反応時間に2分間を要したのに対し、本発明の工法を用いたサンプルは1次反応時間が1分間にもかかわらず、弾力、つる感に良好な結果を得られた。

Claims (8)

  1. 少なくともアルギン酸類を含む原材料を麺状に成型して麺状材料を得る成型工程と、
    カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含む第1の水溶液によって前記麺状材料をゲル化させて麺状ゲル化物を得る第1のゲル化工程と、
    カルシウムイオンを含む第2の水溶液によって前記麺状ゲル化物をゲル化させて麺状食品を得る第2のゲル化工程と、
    を含み、前記第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、前記第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度よりも大きいことを特徴とする、麺状食品の製造方法。
  2. 前記第1の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、0.027〜0.048mol/Lである、請求項1に記載の麺状食品の製造方法。
  3. 前記第2の水溶液中のカルシウムイオン濃度が、0.003〜0.020mol/Lである、請求項1または2に記載の麺状食品の製造方法。
  4. 前記原材料が大豆調製物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麺状食品の製造方法。
  5. 前記アルギン酸類がアルギン酸ナトリウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の麺状食品の製造方法。
  6. 前記第1の水溶液中におけるマグネシウムイオン濃度が0.005〜0.049mol/Lである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の麺状食品の製造方法。
  7. 前記第1のゲル化工程を、75〜90℃の第1の水溶液を用いて40〜100秒間実施する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の麺状食品の製造方法。
  8. 前記第2のゲル化工程を、70〜105℃の第2の水溶液を用いて20〜40分間実施する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の麺状食品の製造方法。
JP2013067444A 2013-03-27 2013-03-27 麺状食品の製造方法 Active JP5603449B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067444A JP5603449B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 麺状食品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067444A JP5603449B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 麺状食品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014187952A JP2014187952A (ja) 2014-10-06
JP5603449B2 true JP5603449B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=51834938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013067444A Active JP5603449B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 麺状食品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5603449B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5840051A (ja) * 1981-09-01 1983-03-08 Kibun Kk アルギン酸ゲルまたは海藻溶解ゲルの食感改善法
JP3195953B2 (ja) * 1993-06-29 2001-08-06 七郎 庭野 食品素材の製造方法
US5718862A (en) * 1996-04-24 1998-02-17 Hercules Incorporated Secondary shaping of ionically crosslinked polymer compositions for medical devices
WO2006090456A1 (ja) * 2005-02-24 2006-08-31 Ooyama Tofu Co., Ltd. 大豆成分含有の繊維状またはフィルム状成形食品とその製造方法
JP4336722B2 (ja) * 2007-04-24 2009-09-30 町田食品株式会社 麺状とうふの製造方法
JP2012130292A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Cyucyul Co Ltd ゲル状加工食品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014187952A (ja) 2014-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EA031696B1 (ru) Полутвердый пищевой концентрат в виде пасты или геля
JP2014518075A (ja) ゲル組成物
CN106722750A (zh) 用于固化调味酱的凝胶剂
JP2012130292A (ja) ゲル状加工食品及びその製造方法
JPWO2012070599A1 (ja) チーズおよびそれを用いたレトルト食品
JP5603449B2 (ja) 麺状食品の製造方法
JP5590871B2 (ja) 特殊形状を有する麺状食品
JP4759005B2 (ja) 粉末卵及びこれを含有した保形性向上材、並びに各種加工食品
JP2005168459A (ja) ゼリー組成物及びその製造方法
JP4595054B2 (ja) 呉汁入り蒟蒻並びにゼリー状食品及びそれらの製造方法
JP5709371B2 (ja) 麺状食品
JP2017038530A (ja) 耐熱性を有するゲル状食品
JP2008289388A (ja) 分離液状ドレッシングの製造方法
JP2007060952A (ja) 新規食品およびその製造方法
JP7479602B1 (ja) 水産イミテーション食品の製造方法
JP5651261B1 (ja) 海藻麺およびその製造方法
JP4976270B2 (ja) ゲルミックスヨーグルトの製造方法
JP6092831B2 (ja) もち加工食品の製造方法及びもち加工食品を含む飲料の製造方法
JP6446183B2 (ja) ゲル状食品の製造方法
JP6282158B2 (ja) ゲル食品
JP6046469B2 (ja) ゾル状食品
JP6215608B2 (ja) 卵スープの濁りを防止する方法、卵スープ用殺菌加工液全卵、当該殺菌加工液全卵を用いた卵スープ、及びその卵スープの製造方法。
JP6716417B2 (ja) ゼリー剤組成物及びゼリー状食品
JP2008263995A (ja) 流動性ゲルの製造方法
JP2009142242A (ja) 卵焼き

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5603449

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250